JP6183323B2 - 磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置 - Google Patents

磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置 Download PDF

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Description

本発明は,磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置に関する。さらに詳細には,2つの電磁石の間で鋼板を受け渡す磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置に関する。
プレス加工品を製造する一般的なプレスラインにおいては,ブランキングプレスラインでフープ材より切り出したプレート材を用いてプレス加工が行われている。そして例えば,車体の左右にそれぞれ使用されるサイドメンバをプレスによって製造する場合,鋼板をフープ材より切り出した後,左右のサイドメンバの一方の製造に使用する鋼材については,その表裏が反転されずにプレスラインに投入される。これに対し,左右のサイドメンバの他方の製造に使用する鋼板については,フープ材より切り出され,その表裏が反転された後,プレスラインに投入される。
この鋼板の表裏の反転に関する先行技術として,例えば,特許文献1が挙げられる。特許文献1には,回転ドラムの回転によりワークを反転するワーク反転装置が開示されている。
特開平8−252639号公報
ところで,上記の従来技術のようなワーク反転装置は,通常,プレスラインとは別に設けられている。すなわち,フープ材より切り出された鋼板は,ワーク反転装置まで運搬され,ワーク反転装置に投入される。さらに,ワーク反転装置によって表裏を反転され,ワーク反転装置より取り出された後,プレスラインまで運搬される。このため,ワーク反転装置の設置スペースやコスト,表裏反転前あるいは表裏反転後の鋼板をワーク反転装置へ入れ替える手間などが問題となっていた。さらに,重量物である鋼板の運搬やワーク反転装置への入れ替え等においては,その都度,荷崩れしないような対策を施す必要がある。つまり,鋼板の運搬や装置への入れ替え等の回数は,できるだけ少ないことが好ましい。
そこで,吸着部を取り付けた2つのロボットにそれぞれ鋼板の表裏面を吸着させつつ受け渡しを行わせる受け渡し装置により,鋼板を反転させることが考えられる。すなわち,2つのロボットのうちの一方に,平積みされている鋼板の最上のものの上面である表面を吸着して持ち上げさせ,他方のロボットに,持ち上げられた鋼板の表面とは反対の裏面を吸着させる。そして,鋼板の表面を吸着しているロボットの吸着を解除することで,裏面を吸着しているロボットにより,鋼板をその裏面を上面としつつ受け渡し装置から排出させることができる。このような受け渡し装置については,設置スペースが省スペースで済み,ブランキングプレスラインの鋼板の取出し口や,プレス加工装置への鋼板の投入口付近に設置することができる。すなわち,受け渡し装置を,ブランキングプレス装置の下流,または,プレス加工装置の上流に設置してプレスラインに組み入れることができる。よって,鋼板の運搬や装置への入れ替え等を必要とするワーク反転装置を用いる場合と比較して,鋼板を反転させるための工数や設置スペースを大幅に低減させることができる。また,鋼板の吸着方法としては,真空吸着や電磁石の磁力によるものが考えられる。
ここで,鋼板の吸着を真空吸着により行う方法では,平積みされている鋼板のうち,その最上のものより1枚ずつしか取り出すことができない。このため,真空吸着により鋼板を吸着する方法では,ロボット間の鋼板の受け渡し時間が律速となってしまうことで,プレスラインにおける生産性が低下してしまいがちである。これに対し,電磁石の磁力によって吸着する方法では,1度に複数枚の鋼板を吸着することが可能である。そして,重量のある鋼板をロボット間で安定して受け渡すためには,鋼板をその表裏より吸着する電磁石の吸着位置はともに,鋼板の中央付近であることが好ましい。さらに,重量のある鋼板を吸着するためには,電磁石によって強力な磁力を発生させる必要がある。
しかし,鋼板を,その中央付近の表裏より,ともに強い磁力を発生させている電磁石によって吸着させた場合には,鋼板を挟んだ表裏の電磁石同士が互いに強く引き合ってしまう。その電磁石同士が引き合う力は非常に強力であるため,励磁した状態のままでは電磁石を鋼板から引き剥がすことが困難であり,鋼板の受け渡しを適切に行うことができない。一方で,表裏の両方の電磁石の励磁をともに解除してしまった場合には,そのまま鋼板を落下させてしまう。すなわち,電磁石の磁力によって吸着する方法では,ロボット間での鋼板の受け渡しが容易ではないという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,一方の電磁石から他方の電磁石への磁性材料板の受け渡しを,磁性材料板を表裏の両面よりそれぞれ電磁石によって挟み込みつつ行うことのできる磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の磁性材料板の受け渡し方法は,磁性材料板の第1面を吸着する第1面吸着面を有する第1の電磁石と,磁性材料板の第1面と対向する第2面を吸着する第2面吸着面を有する第2の電磁石とを用い,第1の電磁石から第2の電磁石に磁性材料板を受け渡す磁性材料板の受け渡し方法であって,第1の電磁石を,磁性材料板の第1面に,第1面吸着面を励磁する第1の吸着励磁によって吸着させ,第2の電磁石を,第1の電磁石に吸着されている磁性材料板の第2面のうちの第1面側の第1の電磁石と対面する領域に,第2面吸着面を対面している第1面吸着面とは異なる磁極に励磁する第2の吸着励磁によって吸着させ,磁性材料板が第2の電磁石に吸着された状態で,第1の吸着励磁を解除するとともに,第1面吸着面を対面している第2面吸着面と同じ磁極に励磁する反発励磁によって,第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間に隙間を形成させ,反発励磁により第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間に隙間が形成された後,第1の電磁石と第2の電磁石の少なくとも一方を,他方から遠ざける離間動作を行うことを特徴とする磁性材料板の受け渡し方法である。
本発明の磁性材料板の受け渡し方法では,第1の吸着励磁により励磁した第1の電磁石と,第2の吸着励磁により励磁した第2の電磁石とにより,磁性材料板を挟み込みつつその両面より吸着する。そして,第1の吸着励磁を解除するとともに,反発励磁により第1の電磁石を,磁性材料板を挟んで対面している第2の電磁石の第2の吸着励磁による磁極と同じ磁極となるように励磁する。この反発励磁により第1の電磁石より発生する磁束は,第2の吸着励磁により第2の電磁石より発生している磁束と反発するものである。よって,時間の経過とともに,別部材である第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間には,隙間が形成される。隙間が形成された後には,第1の電磁石が第2の電磁石の第2の吸着励磁による磁力によって強く引き付けられることがない。このため,第1の電磁石と第2の電磁石とを,互いに遠ざけることができる。すなわち,第1の電磁石から第2の電磁石への磁性材料板の受け渡しを,磁性材料板を表裏の両面よりそれぞれ第1および第2の電磁石によって挟みつつ行うことができる。
また上記に記載の磁性材料板の受け渡し方法において,反発励磁では,反発励磁によって発生する磁界の第1面吸着面における第1の磁束密度が,第2の吸着励磁によって発生する磁界の第2の電磁石に吸着されている磁性材料板の第2面吸着面の側とは反対側の面における第2の磁束密度以上になるように第1の電磁石を励磁することが好ましい。反発励磁により,第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間に確実に隙間を形成することができるからである。
また上記に記載の磁性材料板の受け渡し方法において,第1の電磁石を,第1の吸着励磁により,複数の磁性材料板を隣り合うもの同士の第1面と第2面とを向い合わせつつ重ね合わせた磁性材料板束の,その重ね合わせの一方の端に第1面を露出して位置する第1の磁性材料板の第1面に吸着させ,第2の電磁石を,第2の吸着励磁により,第1の電磁石に吸着されている磁性材料板束の,その重ね合わせの他方の端に第2面を露出して位置する第2の磁性材料板の第2面に吸着させ,反発励磁では,第1の磁束密度が,第2の磁束密度よりも高くなるように第1の電磁石を励磁し,離間動作を,第2の電磁石に吸着されている磁性材料板束のうちの第1の磁性材料板が,隙間の間隔を飛び越えて第1の電磁石に引き寄せられる前に行うことが好ましい。磁性材料板が第1の電磁石に引き寄せられる前に離間動作を行うことで,第1の吸着励磁により第1の電磁石が吸着した磁性材料板束を確実に,第2の電磁石に受け渡すことができるからである。
また本発明は,磁性材料板の第1面を吸着する第1面吸着面を有する第1の電磁石と,磁性材料板の第1面と対向する第2面を吸着する第2面吸着面を有する第2の電磁石とを有し,第1の電磁石から第2の電磁石に磁性材料板を受け渡す磁性材料板の受け渡し装置であって,第1の電磁石と第2の電磁石とを励磁する励磁部と,第1の電磁石を,磁性材料板を取り出す取り出し位置から,第1の電磁石と第2の電磁石との間で磁性材料板の受け渡しを行う受け渡し位置まで移動させる第1のアームと,第2の電磁石を,受け渡し位置から,磁性材料板を排出する排出位置まで移動させる第2のアームとを有し励磁部は,第1の電磁石が取り出し位置にあるときには,第1の電磁石を,磁性材料板の第1面に,第1面吸着面を励磁する第1の吸着励磁によって吸着させ第1および第2の電磁石がともに受け渡し位置にあるときには,第2の電磁石を,第1の電磁石に吸着されている磁性材料板の第2面のうちの第1面側の第1の電磁石と対面する領域に,第2面吸着面を対面している第1面吸着面とは異なる磁極に励磁する第2の吸着励磁によって吸着させ,磁性材料板が第2の電磁石に吸着された状態で,第1の吸着励磁を解除するとともに,第1面吸着面を対面している第2面吸着面と同じ磁極に励磁する反発励磁によって,第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間に隙間を形成させるものであり,第1のアームおよび第2のアームは,反発励磁により第1の電磁石の第1面吸着面と磁性材料板の第1面との間に隙間が形成された後,第1の電磁石と第2の電磁石の少なくとも一方を,他方から遠ざける離間動作を行うものであることを特徴とする磁性材料板の受け渡し装置にもおよぶ。
本発明によれば,一方の電磁石から他方の電磁石への磁性材料板の受け渡しを,磁性材料板を表裏の両面よりそれぞれ電磁石によって挟み込みつつ行うことのできる磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置が提供されている。
磁性材料板の受け渡し装置の概略構成図である。 受け渡し部の電磁石により鋼板を吸着している状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石に吸着されている鋼板に,受け取り部の電磁石を接触させた状態を示す図である。 受け取り部の電磁石を,鋼板を吸着している受け渡し部の電磁石とは反対の磁極となるように励磁した状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石の励磁を解除した状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石を,鋼板を吸着している受け取り部の電磁石と同じ磁極となるように励磁した状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石を受け取り部の電磁石と同じ磁極に励磁した後,受け渡し部の電磁石の磁束が,受け取り部の電磁石の磁束を押し返した状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石の磁束が受け取り部の電磁石の磁束を押し返したことにより,受け渡し部の電磁石と鋼板との間に隙間が形成された状態を示す図である。 受け渡し部の電磁石と鋼板との間に隙間が形成された後,受け渡し部の電磁石と受け取り部の電磁石とを遠ざけた状態を示す図である。 電磁石間の距離と隙間が形成されるまでの時間との関係を示すグラフ図である。 磁性材料板の受け渡し装置の変形例を説明するための図である。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,アームの先端にそれぞれ電磁石を取り付けた2台のロボット間で鋼板を受け渡す方法について本発明を適用したものである。
図1は,本形態の鋼板の受け渡し方法に用いることのできる受け渡し装置1を示した概略構成図である。図1に示すように,本形態の受け渡し装置1は,受け渡し部10,受け取り部20,励磁部30を有している。受け渡し部10および受け取り部20はそれぞれ,ロボット11,21と電磁石12,22とを有している。また,受け渡し部10および受け取り部20において,電磁石12,22はそれぞれ,ロボット11,21のアームの先端のフランジに固定されている。
また,図1に示すように,受け渡し部10と受け取り部20との間には,供給台40が配置されている。供給台40は,受け渡し装置1に鋼板Pを供給するためのものであり,供給台40の上面である載置面41上には,複数枚の鋼板Pが平積みにより積載されている。鋼板Pは,本形態においては,冷間圧延鋼板(SPCC)である。また,供給台40上の鋼板Pはいずれも,その第1面PAを上面とし,第1面PAとは反対の第2面PBを下面とした状態で載置されている。また,受け取り部20の図1における右側には,パレット50が配置されている。供給台40およびパレット50はともに,磁石にくっつかないものである。
そして,受け渡し装置1は,供給台40に載置されている複数の鋼板Pを,その上側のものより取り出し,取り出した鋼板Pの上下を反転させつつ,パレット50内に排出するものである。このため,受け渡し装置1によってパレット50内に排出された鋼板Pはいずれも,供給台40に載置されているものとは反対に,その第2面PBを上面とし,第1面PAを下面とした状態で載置されている。また,本形態の受け渡し装置1について,供給台40上が鋼板Pの取り出し位置であり,パレット50内が鋼板Pの排出位置である。
受け渡し部10および受け取り部20のロボット11,21はともに,軸数が6軸の垂直多関節ロボットである。また,電磁石12,22はともに,それぞれの吸着面13,23に磁力によって磁性のある磁性材料を吸着することのできるものである。本形態における磁性材料とは,磁石にくっつく性質を有するものである。さらには,電磁石12,22を励磁することで発生した磁界が印加され,その磁界が印加されていない状態となったときにも,ほとんど磁化の残らないものである。つまり,本形態の電磁石12,22はともに,鋼板Pを被吸着物として吸着することができる。本形態では,ロボット11,21にともに,MOTOMAN−EPH130D(安川電機製)を用いている。また本形態では,電磁石12,22にともに,LMU−20D(カネテック製)を用いている。
受け渡し部10および受け取り部20の電磁石12,22はともに,励磁部30に接続されている。励磁部30は,電磁石12,22の励磁のオンオフや,電磁石12,22を励磁する際の吸着面13,23の磁極を制御することのできるものである。
受け渡し部10は,供給台40に載置されている鋼板Pの第1面PAを電磁石12の吸着面13に吸着させることで鋼板Pを取り出し,取り出した鋼板Pを受け取り部20へと受け渡すものである。受け取り部20は,鋼板Pの第2面PBを電磁石22の吸着面23に吸着させることで受け渡し部10より鋼板Pを受け取り,受け取った鋼板Pをパレット50内に載置した状態で釈放することにより排出するためのものである。
図1には,受け渡し部10が供給台40から取り出した複数枚の鋼板Pの束の第2面PBを,受け取り部20へ向けている状態を示している。この状態が,受け渡し部10と受け取り部20とが,これらの間で鋼板Pの受け渡しを行う受け渡し位置にあるときの状態である。また図1には,受け渡し部10が鋼板Pを吸着する取り出し位置にある状態と,受け取り部20が鋼板Pを釈放する排出位置にある状態とを二点鎖線によりそれぞれ示している。
受け渡し部10による鋼板Pの取り出しは,受け渡し部10が図1に二点鎖線で示す取り出し位置にあるときに,電磁石12によって鋼板Pを吸着することで行うことができる。具体的には,電磁石12の吸着面13を供給台40上の最上の鋼板Pの第1面PAに接触させつつ電磁石12を励磁することで,電磁石12に鋼板Pを吸着させることができる。また,本形態の電磁石12は,磁力の強いものであり,励磁されることで複数枚の鋼板Pを吸着することができる。複数枚の鋼板Pを電磁石12に吸着した受け渡し部10は,ロボット11の動作により,図1に示す受け渡し位置へと移動する。
また,受け取り部20の電磁石22についても,電磁石12と同様,磁力の強いものである。このため,受け取り部20は,受け渡し位置において,受け渡し部10の電磁石12に吸着されている複数枚の鋼板Pの束を,電磁石22の磁力による吸着によって受け取ることができる。受け取り部20は,受け渡し位置では,電磁石22の吸着面23を,受け渡し部10が吸着して受け取り部20へ向けている鋼板Pの第2面PBに接触させつつ電磁石22を励磁することで,電磁石22に鋼板Pを吸着させることができる。なお,この受け渡し位置での鋼板Pの受け渡し方法については,後に詳述する。
受け渡し位置にて電磁石22の吸着により鋼板Pを受け取った受け取り部20は,ロボット21の動作により,図1に二点鎖線で示す排出位置へと移動する。そして,受け取り部20による鋼板Pの排出は,受け取り部20が排出位置にあるときに,電磁石22に吸着されている鋼板Pを釈放することで行うことができる。具体的には,受け取り部20は,電磁石22が吸着している複数の鋼板Pをパレット50内に載置し,その状態で電磁石22の励磁を解除することで,パレット50内に鋼板Pを釈放することができる。
次に,図2から図9により,受け渡し装置1による受け渡し位置における鋼板Pの受け渡しについて説明する。図2は,図1に示す受け渡し装置1の受け渡し位置を拡大して示した図である。つまり,図2には,受け渡し部10の電磁石12に,複数枚の鋼板Pの束が吸着されている状態を示している。
図2に示す電磁石12は,鋼板Pの吸着のため,励磁している状態のものである。その励磁することによって電磁石12から発生している磁束H1を,破線により示している。本形態の電磁石12は,励磁したときには,中央と外縁とにそれぞれ異なる磁極が形成されるものである。図2においては,電磁石12を,中央がN極,外縁がS極となるように励磁している。このため,図2に示す磁束H1は,電磁石12の吸着面13における中央から外縁に向かう向きに発生している。
磁束H1は,図2に示すように,複数枚の鋼板Pのすべてを通るように形成されている。このため,複数枚の鋼板Pはいずれも,電磁石12に吸着されている。この複数枚の鋼板Pを吸着するための電磁石12の励磁を,第1の吸着励磁とする。
また,図2に示す状態では,受け取り部20の電磁石22については,まだ励磁していない状態である。さらに,図2の状態は,電磁石22の吸着面23が,まだ鋼板Pに接触していない状態である。
図3に,図2の状態から受け取り部20の電磁石22を鋼板Pへ向けて移動させ,吸着面23を図中右端の鋼板Pの第2面PBに接触させた状態を示す。その受け取り部20の電磁石22の接触位置は,受け渡し部10の電磁石12と,複数の鋼板Pを挟んで正対する位置である。このため,複数枚の鋼板Pは,その左右の両側より受け渡し部10の電磁石12と受け取り部20の電磁石22とにより挟み込まれている。しかし,図3の状態においても,受け取り部20の電磁石22については,まだ励磁していない。このため,受け渡し部10の電磁石12の磁束H1により,複数枚の鋼板Pは吸着面13に吸着している。また,図3の状態では,磁束H1は受け取り部20の電磁石22にもおよんでいるため,電磁石22についても,電磁石12に向けて引き付けられている。
そして,図4に,鋼板Pを両面より受け渡し部10の電磁石12と受け取り部20の電磁石22とによって挟み込みつつ,電磁石22を励磁した状態を示す。また,図4の状態では,まだ第1の吸着励磁は解除されていない。ここで,前述したように,本形態の受け取り部20の電磁石22は,受け渡し部10の電磁石12と同じものである。つまり,受け取り部20の電磁石22についても,励磁したときには,中央と外縁とにそれぞれ異なる磁極が形成されるものである。
また,受け取り部20の電磁石22は,図4に示すように,その中央と外縁とがそれぞれ,対面している受け渡し部10の電磁石12とは異なる磁極となるように励磁している。具体的には,電磁石22は,中央がS極,外縁がN極となるように励磁している。この電磁石22を第1の吸着励磁における電磁石12の磁極とは異なる磁極とする励磁を,第2の吸着励磁とする。本形態では,第2の吸着励磁において電磁石22から発生する磁力を,第1の吸着励磁によって電磁石12から発生する磁力と同じ磁力となるようにしている。
そして,第1および第2の吸着励磁により,図4に示すように,正対している電磁石12,22について,その外縁においては電磁石22から電磁石12に向かう向きの,中央においては電磁石12から電磁石22に向かう向きの磁束H2が発生している。その磁束H2により,電磁石12と電磁石22とは互いに強く引き合いつつ,それぞれの吸着面13,23にはそれぞれ左右の端の鋼板Pが吸着している。その状態で,次に,第1の吸着励磁を解除する。
図5は,第1の吸着励磁を解除した状態を示す図である。図5に示すように,第1の吸着励磁が解除されているため,受け渡し部10の電磁石12からは磁束が発生していない。一方,受け取り部20の電磁石22については,第2の吸着励磁により磁極が形成されたままであるため,吸着面23の外縁から中央に向かう向きの磁束H3が発生している。その磁束H3により,複数枚の鋼板Pは,電磁石22の吸着面23に吸着している。
ここにおいて,受け取り部20の電磁石22より発生している磁束H3は,複数枚の鋼板Pをすべて通り,受け渡し部10の電磁石12にまでおよんでいる。よって,この状態では,受け渡し部10の電磁石12を,鋼板Pより引き剥がすことは容易ではない。磁束H3は,複数枚の鋼板Pをいずれも落下させない程度に電磁石22に吸着させているものであり,吸着力が強いからである。一方,電磁石22の第2の吸着励磁を解除,あるいは弱めることは,鋼板Pを落下させてしまうおそれがあるため好ましくない。
そこで,本形態では,図6から図9に示すように,受け渡し部10の電磁石12を,対面している受け取り部20の電磁石22と同じ磁極に励磁する。この電磁石12を第2の吸着励磁における電磁石22の磁極と同じ磁極とする励磁を,反発励磁とする。
図6に,受け渡し部10の電磁石12の反発励磁を開始したときの状態を示す。図6に示すように,受け渡し部10の電磁石12は,その中央と外縁とがそれぞれ,対面している受け取り部20の電磁石22と同じ磁極に励磁している。具体的には,電磁石12は,中央がS極,外縁がN極となるように励磁している。このため,電磁石12においては,その外縁から中央に向かう向きの磁束H4が発生している。反発励磁により電磁石12から発生している磁束H4は,第2の吸着励磁により電磁石22から発生している磁束H3と反発し合うものである。また,本形態では,反発励磁において電磁石12から発生する磁力を,第2の吸着励磁により電磁石22から発生する磁力と同じ磁力となるようにしている。
なお,図6の状態では,まだ第2の吸着励磁による磁束H3が電磁石12を通過している。このため,図6の状態では,受け渡し部10の電磁石12を,鋼板Pから引き剥がすことは困難である。
しかし,反発励磁により電磁石12から発生する磁力は第2の吸着励磁により電磁石22から発生する磁力と同じであるため,磁束H4は,図6の状態から時間の経過とともに磁束H3を押し返すように,その発生している領域が拡大する。図7に,図6の状態から時間が経過し,電磁石12の吸着面13にまで,反発励磁による磁束H4の発生領域が拡大し到達したときを示す。また,図7に示すように,磁束H4の発生領域が拡大したことにより,その拡大した分,第2の吸着励磁による電磁石22の磁束H3の発生領域は,図中左端の鋼板Pの第1面PAまで縮小している。
この図7の状態になったとき,受け渡し部10の電磁石12の吸着面13と,第2の吸着励磁によって受け取り部20の電磁石22に吸着されている鋼板Pの束のうちの図中左端の鋼板Pの第1面PAとの間には,図8に示すように,隙間Gが形成される。この隙間Gは,互いに反発しつつ拡大した磁束H4と縮小した磁束H3とが,別部材である電磁石12と図中左端の鋼板Pとの境目で反発する反発力によって形成されたものであると考えられる。
そして,隙間Gが形成されたことにより,図9に示すように,受け渡し部10の電磁石12と,鋼板Pとを容易に遠ざけることができる。図8に示す隙間Gが形成された後には,受け取り部20の電磁石22の磁束H3が,受け渡し部10の電磁石12を引き付けることがないからである。この離間動作については,受け渡し部10および受け取り部20の少なくとも一方を,電磁石12,22が互いに遠ざかるように動作させればよい。
よって,図9の後,受け取り部20は,第2の吸着励磁によって電磁石22に複数の鋼板Pを吸着したまま,排出位置へと移動する。さらに,排出位置にて,パレット50内に鋼板Pを排出することができる。一方,受け渡し部10の電磁石12については,図9の後,反発励磁を解除するとともに,次の鋼板Pを取り出すため,鋼板Pの取り出し位置へと移動することができる。なお,反発励磁については,離間動作により電磁石12と電磁石22とが,第2の吸着励磁による電磁石22の磁束H3が電磁石12におよばない程度にまで離れた後,解除することが好ましい。
図10に,本形態の受け渡し装置1における,受け渡し部10および受け取り部20の電磁石12,22間の距離と,反発励磁を開始してから,隙間Gが形成されるまでの時間との関係を示している。図10は,第2の吸着励磁により電磁石22に吸着させる鋼板Pの枚数および厚みを変えつつ,反発励磁により電磁石12と鋼板Pとの間に隙間Gを形成させ,そのときの電磁石12,22間の距離と隙間Gが形成されるまでの時間とをプロットしたものである。なお,図10は,反発励磁および第2の吸着励磁により電磁石12,22から発生する磁力をともに,LMU−20D(カネテック製)より発生させることのできる最大の磁力となるようにしたときのものである。また,図10には,プロットした電磁石12,22間の距離と隙間Gが形成されるまでの時間との関係の近似曲線についても示している。
よって,図10に示すように,電磁石12,22間の距離が長くなるほど,隙間Gが形成されるまでの時間は短くなることが確認された。図10について具体的には,例えば,電磁石12,22間の距離が13mmであったときには,1秒程度で隙間Gが形成された。また例えば,電磁石12,22間の距離が30mmであったときには,0.5秒程度で隙間Gが形成された。そして,図10の関係より,反発励磁の開始後の受け渡し部10および受け取り部20による離間動作を行うタイミングを容易に求めることが可能である。
ここで,上記で説明したように,本形態においては,反発励磁において電磁石12から発生する磁力を,第2の吸着励磁により電磁石22から発生する磁力と同じ磁力となるようにしている。しかし,隙間Gを形成するためには,反発励磁によって発生する磁束H4と,第2の吸着励磁によって発生する磁束H3とを,電磁石12と,電磁石22に吸着されている鋼板Pの束の最も電磁石12側の鋼板Pの第1面PAとの境目で反発できるようにすればよい。そのため,反発励磁では,その磁束H4により形成される磁界の吸着面13における磁束密度が,磁束H3により形成される磁界の電磁石22が吸着している最も電磁石12側の鋼板Pの第1面PAにおける磁束密度以上となるように,電磁石12を励磁すればよい。
なお,反発励磁における電磁石12の励磁が,電磁石22の第2の吸着励磁に対して強すぎることは好ましくない。電磁石12より発生する磁束H4によって形成される磁界の強度が強すぎる場合には,吸着面13と鋼板Pとの間に隙間Gが形成されたとしても,鋼板Pは,電磁石22側よりも電磁石12側に強く吸着されるおそれがある。よって,一旦,電磁石22に吸着された鋼板Pが,電磁石12に引き寄せられ,隙間Gの間隔を飛び越えて,再度,電磁石12に吸着してしまうことがあるからである。あるいは,電磁石12に引き寄せられた鋼板Pが落下してしまうおそれもある。
よって,反発励磁では,磁束H4により形成される磁界の吸着面13における磁束密度と,磁束H3により形成される磁界の最も電磁石12側の鋼板Pの第1面PAにおける磁束密度とは,同じか,前者がやや高くなる程度に電磁石12を励磁することが好ましい。また,磁束H4による磁界の吸着面13における磁束密度を,磁束H3による磁界の最も電磁石12側の鋼板Pの第1面PAにおける磁束密度より高くする場合,隙間Gの形成後,鋼板Pが電磁石12に引き寄せられてしまう前に離間動作を行うことが好ましい。
なお,反発励磁の開始後に電磁石22に吸着されている鋼板Pが電磁石12に引き寄せられる時間についても,電磁石12,22間の距離が長くなるほど短くなる。具体的に,反発励磁および第2の吸着励磁により電磁石12,22から発生する磁力を図10と同様にした場合には,電磁石12,22間の距離が13mmであったとき,反発励磁の開始後,3秒程度で鋼板Pが電磁石12に引き寄せられた。また例えば,電磁石12,22間の距離が30mmであったときには,反発励磁の開始後,1.5秒程度で鋼板Pが電磁石12に引き寄せられた。よって,電磁石12,22間の距離が13mmである場合,反発励磁の開始後,隙間Gが形成される1秒程度の経過後,鋼板Pが電磁石12に引き寄せられる3秒程度の経過前に離間動作を行うことが好ましい。また,電磁石12,22間の距離が30mmである場合,反発励磁の開始後,隙間Gが形成される0.5秒程度の経過後,鋼板Pが電磁石12に引き寄せられる1.5秒程度の経過前に離間動作を行うことが好ましい。
また,これら反発励磁の開始後の離間動作を行う好ましいタイミングについては,鋼板Pの板厚や電磁石12,22より発生させる磁力の強さなどの条件により,上記とは異なるものとなることがある。このため,鋼板Pの板厚などの実施条件ごとの離間動作を行うタイミングを,予め実験を行うことによって定めることが好ましい。
図11は,本形態の受け渡し装置1の変形例を説明するための図である。図11には,受け取り部70の変形例を示している。図11に示すように,受け取り部70において,ロボット21のアームの先端のフランジには,段取り部90が取り付けられている。また,段取り部90には,2つの電磁石22が取り付けられている。段取り部90は,2つの電磁石22を図11中において上下に移動させることにより,実線で示す2つの電磁石22が互いに離れた離間位置と,二点鎖線で示す2つの電磁石22が離間位置よりも近づいた接近位置とをとることができる。
この図11に示す構成の受け取り部70は,電磁石22を1つしか有していない場合よりも大きな鋼板Pを,2つの電磁石22によって安定して吸着することができる。また,段取り部90を離間位置とした状態では,接近位置としたときよりも大きな鋼板Pを,安定して吸着することができる。
また,受け取り部70の2つの電磁石22の図11において上下の位置にはそれぞれ,シリンダ91と近接センサ92とが設けられている。シリンダ91は,その先端のプッシャを電磁石22の吸着面23に対して直角に動作させることができるものである。そして,実線で示すプッシャの引っ込み端においては,シリンダ91のプッシャは,電磁石22の吸着面23よりも段取り部90側に引っ込んでいる。一方,二点鎖線で示すプッシャの突き出し端では,プッシャを電磁石22の吸着面23よりも突き出すことができる。
シリンダ91は,電磁石22により鋼板Pを吸着する前には,プッシャを引っ込み端に移動させる。そして,シリンダ91は,排出位置においてプッシャを引っ込み端から突き出し端に移動させることにより,電磁石22に吸着されている鋼板Pを,確実に排出するためのものである。鋼板Pの表面あるいは吸着面23に油などが付着していた場合には,排出位置において電磁石22の励磁を解除したときにも,鋼板Pが電磁石22の吸着面23から離れないことがある。よって,シリンダ91は,排出位置において電磁石22の励磁が解除された後,プッシャを突き出し端へと突き出す。このシリンダ91の突き出しにより,鋼板Pを電磁石22から確実に釈放し,排出位置にて排出することができる。
近接センサ92は,電磁石22の吸着面23に接触している鋼板Pの有無を検出するためのものである。すなわち,鋼板Pの受け渡し位置においては,電磁石22の第2の吸着励磁を,電磁石22が受け取る鋼板Pの有りを近接センサ92によって検出後,開始することができる。また,鋼板Pの排出後においては,排出位置よりも電磁石22をやや上昇させた位置で近接センサ92により鋼板Pの無しを検出することで,確実に電磁石22よりすべての鋼板Pが釈放されたことの確認を行うことができる。
また,受け渡し部についても,受け取り部70と同様の構成とすることができる。図11には,変形例の受け渡し部60について,符号にカッコを付して示している。そして,図11に示す構成の受け渡し部60によっても当然,大きな鋼板Pを2つの電磁石12によって安定して吸着することができる。また,段取り部90により,2つの電磁石22を,実線で示す離間位置と,二点鎖線で示す接近位置との間で移動させることができる。従って,図11に示す受け渡し部60および受け取り部70を用いることで,大きな鋼板Pについても,その受け渡しを安定して行うことのできる受け渡し装置を構成できる。さらには,段取り部90を離間位置と接近位置との間で移動させることで,大きさの異なる複数の種類の鋼板Pの受け渡しを安定して行うことも可能である。
また,受け渡し部60は,鋼板Pの取り出し位置においては,電磁石12の第1の吸着励磁を,電磁石12が取り出す鋼板Pの有りを近接センサ92によって検出後,開始することができる。さらに,反発励磁が開始された後には,受け渡し部60の近接センサ92により,隙間Gが形成されたときにこれを確実に検出することができる。
すなわち,隙間Gが形成されたときにこれを近接センサ92によって検出することで,その後の離間動作を開始するタイミングを最適なものとすることができる。図10に基づいてのみ離間動作を開始するタイミングを決定する場合,図10の関係よりもある程度の余裕時間を考慮する必要がある。このため,反発励磁を開始した後,それほど速いタイミングで離間動作を行うことはできない。また,余裕時間を取り過ぎた場合には,一旦,電磁石22に吸着された鋼板Pが,電磁石12に引き寄せられてしまう。しかし,近接センサ92によって隙間Gが形成されたことを実際に検出することで,もっとも適切なタイミングで離間動作を行わせることができる。
さらに,鋼板Pの受け渡し位置においては,反発励磁を開始してから,図10の関係に余裕時間を考慮して定めた時間を経過しても受け渡し部60の近接センサ92による隙間Gの検出がなされない場合,動作不良のおそれがある。このため,このような場合には装置を停止させてもよい。なお,受け渡し部60については,シリンダ91はなくても良い。
以上詳細に説明したように,本形態に係る受け渡し装置1による鋼板の受け渡し方法では,第1の吸着励磁により励磁した受け渡し部の電磁石と,第2の吸着励磁により励磁した受け取り部の電磁石とにより,鋼板Pを挟み込みつつその両面より吸着する。そして,第1の吸着励磁を解除するとともに,反発励磁により受け渡し部の電磁石を,鋼板Pを挟んで対面している受け取り部の電磁石の第2の吸着励磁による磁極と同じ磁極となるように励磁する。この反発励磁により受け渡し部の電磁石から発生する磁束は,第2の吸着励磁により受け取り部の電磁石から発生している磁束と反発するものである。よって,時間の経過とともに,別部材である受け渡し部の電磁石の吸着面と鋼板Pとの間には,隙間Gが形成される。隙間Gが形成された後には,受け渡し部の電磁石が受け取り部の電磁石の第2の吸着励磁による磁力によって強く引き付けられることがない。その状態で,受け渡し部と受け取り部とを,互いの電磁石が遠ざかるように離間動作を行う。従って,一方の電磁石から他方の電磁石への磁性材料板の受け渡しを,磁性材料板を表裏の両面よりそれぞれ電磁石によって挟み込みつつ行うことのできる磁性材料板の受け渡し方法および磁性材料板の受け渡し装置が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲で種々の改良,変形が可能である。すなわち,第1の吸着励磁,第2の吸着励磁,反発励磁は,電磁石12,22に形成される磁極をそれぞれ,上記の実施形態において説明した極と異なる極となるように励磁してもよい。第1の吸着励磁,第2の吸着励磁,反発励磁における磁極をそれぞれ異なる極としても当然,鋼板Pの受け渡しを,同様に行うことができるからである。
また例えば,上記の実施形態では,複数枚の鋼板Pの束を受け渡す場合について説明しているが,1枚ずつであっても同様に受け渡しを行うことができる。また例えば,磁性材料であれば当然,鋼板Pに限られず,受け渡しを行うことが可能である。また例えば,パレット50については,磁石にくっつくものであってもよい。その場合には,排出する鋼板Pの吸着を,励磁中の受け取り部20の電磁石22から発生している磁界によってパレット50が吸着されない程度のパレット50の上方の位置で解除すればよい。
1 受け渡し装置
10 受け渡し部
11 ロボット
12 電磁石
13 吸着面
20 受け取り部
21 ロボット
22 電磁石
23 吸着面
30 励磁部
P 鋼板
PA 第1面
PB 第2面

Claims (4)

  1. 磁性材料板の第1面を吸着する第1面吸着面を有する第1の電磁石と,
    磁性材料板の前記第1面と対向する第2面を吸着する第2面吸着面を有する第2の電磁石とを用い,
    前記第1の電磁石から前記第2の電磁石に磁性材料板を受け渡す磁性材料板の受け渡し方法において,
    前記第1の電磁石を,磁性材料板の前記第1面に,前記第1面吸着面を励磁する第1の吸着励磁によって吸着させ,
    前記第2の電磁石を,前記第1の電磁石に吸着されている磁性材料板の第2面のうちの前記第1面側の前記第1の電磁石と対面する領域に,前記第2面吸着面を対面している前記第1面吸着面とは異なる磁極に励磁する第2の吸着励磁によって吸着させ,
    磁性材料板が前記第2の電磁石に吸着された状態で,前記第1の吸着励磁を解除するとともに,前記第1面吸着面を対面している前記第2面吸着面と同じ磁極に励磁する反発励磁によって,前記第1の電磁石の前記第1面吸着面と磁性材料板の前記第1面との間に隙間を形成させ,
    前記反発励磁により前記第1の電磁石の前記第1面吸着面と磁性材料板の前記第1面との間に隙間が形成された後,前記第1の電磁石と前記第2の電磁石の少なくとも一方を,他方から遠ざける離間動作を行うことを特徴とする磁性材料板の受け渡し方法。
  2. 請求項1に記載の磁性材料板の受け渡し方法において,
    前記反発励磁では,前記反発励磁によって発生する磁界の前記第1面吸着面における第1の磁束密度が,前記第2の吸着励磁によって発生する磁界の前記第2の電磁石に吸着されている磁性材料板の前記第2面吸着面の側とは反対側の面における第2の磁束密度以上になるように前記第1の電磁石を励磁することを特徴とする磁性材料板の受け渡し方法。
  3. 請求項2に記載の磁性材料板の受け渡し方法において,
    前記第1の電磁石を,前記第1の吸着励磁により,複数の磁性材料板を隣り合うもの同士の前記第1面と前記第2面とを向い合わせつつ重ね合わせた磁性材料板束の,その重ね合わせの一方の端に前記第1面を露出して位置する第1の磁性材料板の前記第1面に吸着させ,
    前記第2の電磁石を,前記第2の吸着励磁により,前記第1の電磁石に吸着されている磁性材料板束の,その重ね合わせの他方の端に前記第2面を露出して位置する第2の磁性材料板の前記第2面に吸着させ,
    前記反発励磁では,前記第1の磁束密度が,前記第2の磁束密度よりも高くなるように前記第1の電磁石を励磁し,
    前記離間動作を,前記第2の電磁石に吸着されている磁性材料板束のうちの前記第1の磁性材料板が,前記隙間の間隔を飛び越えて前記第1の電磁石に引き寄せられる前に行うことを特徴とする磁性材料板の受け渡し方法。
  4. 磁性材料板の第1面を吸着する第1面吸着面を有する第1の電磁石と,
    磁性材料板の前記第1面と対向する第2面を吸着する第2面吸着面を有する第2の電磁石とを有し,
    前記第1の電磁石から前記第2の電磁石に磁性材料板を受け渡す磁性材料板の受け渡し装置において,
    前記第1の電磁石と前記第2の電磁石とを励磁する励磁部と,
    前記第1の電磁石を,磁性材料板を取り出す取り出し位置から,前記第1の電磁石と前記第2の電磁石との間で磁性材料板の受け渡しを行う受け渡し位置まで移動させる第1のアームと,
    前記第2の電磁石を,前記受け渡し位置から,磁性材料板を排出する排出位置まで移動させる第2のアームとを有し
    前記励磁部は,
    前記第1の電磁石が前記取り出し位置にあるときには,前記第1の電磁石を,磁性材料板の前記第1面に,前記第1面吸着面を励磁する第1の吸着励磁によって吸着させ
    前記第1および第2の電磁石がともに前記受け渡し位置にあるときには,
    前記第2の電磁石を,前記第1の電磁石に吸着されている磁性材料板の第2面のうちの前記第1面側の前記第1の電磁石と対面する領域に,前記第2面吸着面を対面している前記第1面吸着面とは異なる磁極に励磁する第2の吸着励磁によって吸着させ,
    磁性材料板が前記第2の電磁石に吸着された状態で,前記第1の吸着励磁を解除するとともに,前記第1面吸着面を対面している前記第2面吸着面と同じ磁極に励磁する反発励磁によって,前記第1の電磁石の前記第1面吸着面と磁性材料板の前記第1面との間に隙間を形成させるものであり,
    前記第1のアームおよび前記第2のアームは,
    前記反発励磁により前記第1の電磁石の前記第1面吸着面と磁性材料板の前記第1面との間に隙間が形成された後,前記第1の電磁石と前記第2の電磁石の少なくとも一方を,他方から遠ざける離間動作を行うものであることを特徴とする磁性材料板の受け渡し装置。
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