JP6184004B2 - スペーサ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに隣接状態で設けられる複数のシリンダボアの周囲に形成された冷却水流路(ウォータジャケット)に挿入されて用いられる樹脂成型体からなるスペーサに関する。
前記内燃機関のウォータジャケットには、流通する冷却水の流れ(流量、流速等)を調整するためのスペーサが挿入される。ウォータジャケットの平面形状は、複数のシリンダボアが直列的に連なる場合は、複数のシリンダボアの全体の外形状に略沿うような長円形で、隣接するシリンダボア間の連結部位に相当する部位にくびれ部を有した形状とされる。前記スペーサとしては、このようなウォータジャケットの形状に整合し、複数のシリンダボアの周囲を取り囲むような筒状の形状とされ、一般に、樹脂の射出成型によって一体に成型されたものが用いられる。このように射出成型によって作製されるスペーサは、高温で成型され、離型後に常温に徐冷させながら形状保持がなされるが、その徐冷の際に、長円形の筒状体であるために、熱収縮のアンバランスから変形し易くなる。特許文献1には、成型時に、スペーサの相対向する面間を連結する架橋部(懸架部)を一体成型し、離型後の徐冷による形状保持がなされた後に、この架橋部を切除して前記のような変形の防止を図った製造方法が記載されている。本特許文献1には、この架橋部として、溶融樹脂をゲートを経てキャビティに注入させるためのランナーとする例が示されている。
また、特許文献2には、特許文献1に記載されたスペーサと同様の形状のスペーサであって、くびれ形状部(シリンダボア間の連結部位)に対向して、製造時における材料導入部としてのゲート残存部を備えたスペーサが記載されている。特許文献2には、ゲート残存部に連なるランナー(湯道)及びその処理等の詳細な記載はないが、このゲート残存部の形成位置からして、ランナーが、対向する前記くびれ形状部間に連結され、離型後に切除されるものと解される。
特開2005−105878号公報 特開2012−36742号公報
ところで、前記のような構造のウォータジャケットの場合、前記くびれ部の形状が他の部位の形状と異なるため、くびれ部に対向するスペーサの部位は、ウォータジャケットのくびれ部の形状に沿ったくびれ形状部として形成されている。そして、前記のような架橋部やランナーは、最短距離に設定されることが好ましいため、くびれ形状部の内面間を連結するように形成されることが多い。図11は、このようなウォータジャケット101のくびれ部101aと、ウォータジャケット101に挿入されたスペーサ102との位置関係を概略的に示している(全体形状は、図2を参照)。図11において、シリンダブロック100に、複数の直列的に配列されたシリンダボア(不図示)を取り囲むようにオープンデッキタイプのウォータジャケット101が形成されている。ウォータジャケット101には、隣接するシリンダボア(不図示)間の連結部位に対応してくびれ部101aが形成され、このくびれ部101aは、シリンダボアを囲む他の流路より幅広とされている。スペーサ102のくびれ形状部102aの内周面には、成型時にスペーサ102と一体に成型され、脱型後に切除される架橋部やランナー(不図示)による残り部102cが形成されている。残り部102cは、くびれ部101aにおける最奥部のシリンダボア側内壁101bに向かって突出している。
残り部102cは、仕上げ処理をして完全に除去することが望ましいが、このような仕上げ処理は手間と技量を要し、製造効率の向上を阻む一要因となることがある。そのため、仕上げ処理を行うことなく用いられることが多々ある。スペーサ102はウォータジャケット101に挿入されて用いられるため、残り部102cがシリンダボア側内壁101bに干渉しないよう、シリンダボア側内壁101bとの距離が大きくなっている。
特許文献1に記載されたスペーサにおいては、架橋部が、スペーサ本体部における相対向する部分(内面)どうしを連結するものであるから、架橋部を除去することにより形成される残り部は、前記内面からシリンダボア側内壁に向かって突出された状態とされる。したがって、特許文献1に記載されたスペーサは、前記のような問題点を内包し、しかも、それを解決するための方法等について特に言及されず、また、何ら示唆もされていない。また、特許文献2においても、ゲート残存部が、特許文献1と同様に形成されるから、同様の問題点を内包することが想定される。
本発明は、前記に鑑みなされたもので、成型後に不要とされる部位が除去された後に残る突状の残り部が、冷却水流路の内壁に干渉せず、残り部近傍の部位であっても、シリンダボア側内壁に近接させることができるスペーサを提供することを目的としている。
本発明に係るスペーサは、内燃機関のシリンダブロックに隣接状態で設けられる複数のシリンダボアの周囲に形成された冷却水流路に、該冷却水流路の開口部より挿入されて用いられる樹脂成型体からなるスペーサであって、前記シリンダボアを取り囲むような筒状に形成されたスペーサ本体部と、成型時に必要とされる部位であって成型後に不要とされる部位が除去された後に残る突状の残り部と、を備え、前記残り部は、前記開口部側に位置するスペーサ本体部の端面に形成されていることを特徴とする。
本発明に係るスペーサによれば、当該スペーサが冷却水流路に挿入された際に、残り部が、冷却水流路のシリンダボア側内壁に干渉することが抑制される。したがって、残り部近傍の部位であっても、シリンダボア側内壁に近づけることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記スペーサ本体部の内周側部に、前記冷却水流路における冷却水の流れ方向に交差するよう前記端面を含んで延出された堰き止め部を備え、前記残り部は、前記堰き止め部における前記端面の延出側の位置に形成されているようにしても良い。
堰き止め部を設ければ、冷却水の流れを堰き止めて冷却水の流れを制御できるが、残り部が堰き止め部の延出側端部に形成されていると、堰き止め部の延出量に制約を受ける。つまり、残り部が突出している分だけ、堰き止め部の延出量が小さくなるという不都合が生じる。これに対して、本発明では、堰き止め部をよりシリンダボア側内壁に近接するよう延出させることができるから、堰き止め部による堰き止め効果をより発揮させることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記スペーサ本体部は、前記シリンダボアの外径形状に沿うよう形成された複数の円弧部と、隣接する円弧部同士を接続する接続部とを備え、前記堰き止め部は、前記接続部の内周側部に設けられているものとしても良い。
これによれば、シリンダボア間の領域付近を流通する冷却水を堰き止め部によって規制することができる。したがって、シリンダボア間の領域が過冷却状態となることが抑制され、これによって、シリンダボア壁の真円度が低下することを抑制することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記残り部は、前記シリンダボアを挟んで対をなすよう形成され、前記不要とされる部位は、成型時に、前記スペーサ本体部の対向する前記端面間に連結されている懸架部位であり、少なくとも前記一対の残り部が設けられる前記端面の部位は、互いに内向きに傾斜するよう形成されているものとしても良い。
これによれば、この懸架部位が除去されるまでは、懸架部位によってスペーサ本体部が補強され、成型体の冷却等による歪等の変形が抑制される。しかも、当該端面は内向きに傾斜しているから、懸架部位の長さが長くならず、その剛性を高くすることができる。したがって、懸架部位が除去されるまで、スペーサ本体部の寸法精度が低下することをより効果的に回避することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記残り部は、前記シリンダボアを挟んで対をなすよう形成され、前記不要とされる部位は、成型時に、前記スペーサ本体部の対向する前記端面間に連結されている懸架部位であり、少なくとも前記一対の残り部が設けられる前記端面の部位は、前記冷却水流路の開口部に平行となるよう形成されているものとしても良い。
これによれば、前記端面に形成される一対の残り部が、当該端面に懸架される懸架部位を除去したものによるものとしているので、この懸架部位が除去されるまでは、懸架部位によってスペーサ本体部が補強されて歪等の変形が抑制される。しかも、残り部が設けられた端面の部位は前記冷却水流路の開口部に平行となるよう形成されているから、残り部は確実に開口部側に向かって突出するようになる。したがって、残り部の突出量に拘らず、スペーサ本体部をより当該内壁に近接させることができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記残り部が設けられる前記端面は、前記残り部より広い平坦状の台座面とされているものとしても良い。
これによれば、前記不要とされる部位を切除具等で切除する際、切除具を台座面に当てて位置決めした状態で切除することができる。したがって、残り部の突出量のばらつきを抑制することができる。
本発明に係るスペーサにおいて、前記残り部は、前記端面に対して垂直に突出するよう形成されているものとしても良い。
これによれば、残り部が、よりシリンダボア側に突出することが抑えられ、残り部がシリンダボア側の内壁に干渉する恐れをより低減することができる。
本発明に係るスペーサによれば、成型後に不要とされる部位が除去された後に残る突状の残り部が冷却水流路の内壁に干渉せず、残り部近傍の部位であっても、シリンダボア側内壁に近接させることができる。
本発明に係るスペーサの一実施形態を示す概略的平面図である。 同スペーサを内燃機関におけるシリンダブロックのウォータジャケットに挿入した状態を示す概略的平面図である。 図2におけるX部の拡大図である。 同実施形態の変形例を示す図3と同様図である。 図2におけるY−Y線矢視拡大断面図である。 図2におけるZ−Z線矢視拡大断面図である。 本発明に係るスペーサの他の実施形態を示す図5と同様図である。 前記実施形態に共通する変形例を示す図5と同様図である。 本発明に係るスペーサのさらに他の実施形態を示す図3と同様図である。 同実施形態の図5と同様図である。 従来のスペーサを示す図3と同様図である。
以下に本発明の実施の形態について、図1〜図10を参照して説明する。図1〜図6は本発明に係るスペーサの一実施形態を示し、図2は同実施形態のスペーサを内燃機関におけるシリンダブロックのウォータジャケットに挿入した状態を示している。
図1に示すように、本実施形態のスペーサ4は、樹脂の成型体からなる筒状のスペーサ本体部40を有している。スペーサ本体部40は、隣接状態で直列的に配列された複数の円弧部41…と、隣接する円弧部41,41同士を接続するとともに円弧部41よりも幅狭化する接続部42とを備えている。接続部42…は、くびれ形状とされ、図例では4箇所に形成されている。そして、本実施形態のスペーサ4は、図2に示すように、シリンダブロック1のウォータジャケット(冷却水流路)3に挿入される。このシリンダブロック1は、3気筒のエンジン(内燃機関)を構成するものであり、隣接状態で直列的に配列された3個のシリンダボア2…を備えている。この3個のシリンダボア2…のボア壁2a…を取り囲むように、凹溝形状のウォータジャケット3が一連的に形成されている。シリンダブロック1の上端面には、不図示のシリンダヘッドがボルト(不図示)によって締結されて一体とされる。1aはボルト挿通孔であって、前記ボルトをこのボルト挿通孔1aに挿通させることによって、シリンダブロック1とシリンダヘッドとの締結一体化がなされる。
ウォータジャケット3における隣接するシリンダボア2,2間の部分には、互いに接近して対をなすくびれ部3a…が形成されている。くびれ部3a…の溝幅はウォータジャケット3の他の部分の溝幅より大とされている。図例のウォータジャケット3は、不図示のシリンダヘッド側の面に開口部30(図5〜図8及び図10も参照)を有するオープンデッキタイプのウォータジャケットである。シリンダブロック1には、その外側部からウォータジャケット3に通じる給水孔31が形成されている。また、シリンダブロック1には、ウォータジャケット3から外部に通じる排水孔32が給水孔31の近くに形成されている。給水孔31から供給された冷却水は、概ね矢印a方向に沿ってウォータジャケット3内を循環し、排水孔32からシリンダブロック1の外部(ラジエータ)に排出されるよう構成される。
なお、シリンダブロック1から前記シリンダヘッドのウォータジャケット(不図示)にも冷却水を流通させるよう構成される場合には、排水孔32に代え、シリンダブロック1とシリンダヘッドとの合体部に、冷却水の連通部(不図示)が設けられる。これにより両者のウォータジャケット間を冷却水が連通する。この場合、シリンダヘッドのウォータジャケット(不図示)に前記ラジエータに通じる排水孔が設けられる。
ウォータジャケット3に挿入された状態において、本実施形態のスペーサ4のスペーサ本体部40は、複数の(図例では3個の)シリンダボア2…を取り囲むように形成されている。つまり、各円弧部41は、シリンダボア2の外径形状に沿うよう形成され、接続部42はウォータジャケット3のくびれ部3aに整合している。そして、互いに対向する接続部42,42の内周側部42a,42aのそれぞれには、図3に示すように、くびれ部3a,3aにおける最奥のシリンダボア側内壁3b,3bに向かって延出する堰き止め部43,43が設けられている。この堰き止め部43,43は、シリンダボア2(隣接するシリンダボア2,2の間)を挟んで対をなすよう形成され、図例では2対(4個)の堰き止め部43が形成されている。各堰き止め部43は、スペーサ本体部40の軸方向に沿って連続する板状に形成されており、ウォータジャケット3における冷却水の流れ方向aに交差するよう形成されている。より具体的ンは、堰き止め部43は、接続部42の内周側部42aに対して略垂直に延びている。この堰き止め部43によって、隣接するシリンダボア2,2間の領域付近、即ち、くびれ部3a…を流通する冷却水が規制される。これによって、シリンダボア2,2間の領域が過冷却状態となることが抑制され、シリンダボア壁2a(シリンダボア2の外径)の真円度が低下し難くなる。
また、スペーサ本体部40は、その上端部(ウォータジャケット3の開口部30側に位置する端部)に、シリンダボア側内壁3bに向け突出する鍔部44を全周に亘って有している。この鍔部44は、当該スペーサ4がウォータジャケット3に挿入されたときに、開口部30側に位置することになり、以下、鍔部44の上面をスペーサ本体部40としての開口側端面44aと言う。そして、この鍔部44は堰き止め部43の上端にも及んでおり、本実施形態では、この各堰き止め部43上の開口側端面44aに、互いに内向きに傾斜する台座面44aが形成されている。なお、台座面44aが内向きに傾斜するとは、本実施形態では、台座面44aが内側に向かうにつれて下がるように傾斜していることを言う。この台座面44aaは、堰き止め部43の延出側に位置するとともに、平坦状に形成されている。台座面44aには、突状の残り部5が垂直に突出するように設けられている。台座面44aaは、その平面積が残り部5の平面積より広く平坦に形成されている。
なお、スペーサ本体部40の下端部は、ウォータジャケット3の開口部30側とは反対側、即ちウォータジャケット3の底部側に位置しており、その下端部の下面は、前記端面とは異なる端面である。
また、図例の堰き止め部43は断面形状が帯状の板状体からなるが、これに限らず、断面形状がその上端に位置する鍔部44に類似した形状であっても良い。
残り部5は、当該スペーサ4を樹脂成型する時に必要とされるが、成型後不要とされる部位6を除去した後に残る部位である。本実施形態におけるこの不要とされる部位6は、図1〜図6等において2点鎖線で示される部位であって、樹脂による射出成型におけるスプルー6a、ランナー6b及びゲート6cによって形成される部位に相当する部位である。この不要とされる部位6は、対向する一対の堰き止め部43,43上のスペーサ本体部の端面44a,44a(台座面44aa,44aa)間に連結される懸架部位6ba(ランナー6bによる部位の一部)を含み、この懸架部位6baは対向する堰き止め部43,43間上の台座面44aa,44aaに跨るように形成される。この不要とされる部位6は、スペーサ本体部40の成型後に除去されるが、この除去は、ニッパー等の切除具を台座面44aaに当てて位置決めした状態で切除することによってなされる。したがって、この切除に伴い残存する残り部5の突出量のばらつきを少なくすることができる。
前記のように懸架部位6baを含む不要とされる部位6は、スペーサ4が成型された後、ウォータジャケット3に挿入されるまでに除去されるが、除去されるまではスペーサ本体部40を補強する。特に、射出成型によって作製されるスペーサ本体部40は、高温で成型され、離型後に常温に徐冷させながら形状保持がなされるが、その徐冷の際に、長円形の筒状体であるために、熱収縮のアンバランスから変形し易くなる。また、脱型の過程で、スペーサ本体部40には機械的なストレスが加わる。しかし、この不要とされる部位6の存在により、このような熱歪や機械的ストレス等による変形が抑えられる。そして、懸架部位6baは対向する堰き止め部43,43上のスペーサ本体部の端面44a,44a間の最短部分を連結するから、前記補強機能がより効果的に発揮される。しかも、対向するスペーサ本体部40の端面44a,44a(台座面44aa,44aa)は互いに内向きに傾斜しているから、懸架部位6baをより短くすることができ、懸架部位6baの剛性が高められる。これによって、懸架部位6baを含む不要とされる部位6が除去されるまで、スペーサ本体部40の寸法精度が低下することをより効果的に抑制することができる。
そして、残り部5は、堰き止め部43上のスペーサ本体部40の端面44a(台座面44aa)に形成されており、接続部42の内周側部42aからの突き出し量Tが抑えられているから、当該スペーサ4がウォータジャケット3に挿入された際に、シリンダボア側内壁3bの最奥部に干渉し難い。したがって、図3に示す距離d1と図11に示す距離d1とを比較すれば明らかなように、堰き止め部43の延出端部をシリンダボア側内壁3bにできるだけ近接させることができ、堰き止め部43による冷却水の堰き止め規制機能が効果的に発揮される。
図4は、本実施形態の変形例を示している。図3の例では、堰き止め部43の直上に残り部5が形成されているが、この例では、スペーサ本体部40の端面44aにおける前記と同様の台座面4aa上で、堰き止め部43の延出方向先側において堰き止め部43の厚み方向のいずれか一方にずれた位置に残り部5が形成されている。懸架部位6baが前記例より長くなることから、懸架部位6baを含む不要とされる部位6による補強機能は、前記例より若干低下するが、残り部5がシリンダボア側内壁3bの最奥部に干渉し難いことに変わりはなく、前記例と同様の作用・効果を奏する。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本発明に係るスペーサの他の実施形態を示す。この実施形態では、スペーサ本体部40におけるスペーサ本体部40の端面44aの一部としての台座面44aaが、ウォータジャケット3の開口部30と平行となるように形成されている。即ち、台座面44aaを含むスペーサ本体部40の端面44aがフラットな面とされ、このスペーサ本体部40の端面44aの全体がウォータジャケット3の開口部30と平行となるように形成されている。そして、前記例のように傾斜していない台座面44aa上に残り部5が垂直に突出するよう形成されている。この実施形態においても、スペーサ本体部40における接続部42,42の内周側部42a,42aに、互いに向き合う一対の堰き止め部43,43が、シリンダボア側内壁3b,3bに向くよう延出されている。この堰き止め部43,43上の台座面44aa,44aaにそれぞれ残り部5,5が形成されている。このように、残り部5が、ウォータジャケット3の開口部30と平行な台座面44aaに形成されているから、残り部5がシリンダボア側内壁3bに干渉する恐れをより少なくすることができる。つまり、残り部5は、接続部42の内周側部42aより内側に突出しない。したがって、残り部5の突出量に拘わらず、堰き止め部43をシリンダボア側内壁3bにより近接させることができる。
その他の構成及び作用効果は、前記例と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、前記実施形態に共通する変形例を示す図5と同様図である。前記例のスペーサ4では、ウォータジャケット3に挿入した際に、スペーサ本体部40の開口側端面44aがウォータジャケット3の開口部30より落ち込んだ位置にあるが、本実施形態では、上端部を開口部30側に延出させたスペーサについて説明する。このスペーサ本体部40は、その開口側端面44aが開口部30付近に位置するように形成されている。そして、スペーサ本体部40は、前記と同様に鍔部44を有しているが、その厚みが前記例より大とされている。この実施形態のスペーサ4では、ウォータジャケット3に没入されるスペーサ4の実質的な容量が大きく、ウォータジャケット3内を流通する冷却水の流量が前記例の場合と異なるが、これらは、求められる冷却機能に応じて適宜選択採用される。ウォータジャケット3の深さ方向において、鍔部44が存在するウォータジャケット3の領域では、鍔部44とくびれ部3aとの間の流路が狭くなっているため、冷却水の流れは速くなる。一方、ウォータジャケット3の深さ方向において堰き止め部43が存在するウォータジャケット3の領域では、冷却水の流れが堰き止め部43によって堰き止められるため、冷却水の流れが弱められる。したがって、開口部30側のシリンダボア間は熱が溜まり易い傾向にあるが、本実施形態のスペーサ4を使用すれば、内燃機関の運転時に、鍔部44が存在する領域のシリンダボア間を積極的に冷却する一方、堰き止め部43が存在する領域のシリンダボア間の過冷却を抑制することができる。なお、このように、開口側端面44aが開口部30付近に位置する態様は、図7に示す例にも適用可能である。
その他の構成及び作用効果は図5に示す例と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9及び図10は、本発明に係るスペーサのさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、前記各実施形態のような堰き止め部43を有していない、或いは、堰き止め部43を有していても、堰き止め部43がくびれ部3aに形成されず、堰き止め部43の形成位置とは別の部位に残り部5が形成されている例を示している。スペーサ本体部40の接続部42には堰き止め部43が存在せず、スペーサ本体部40の上端部には図8に示す例と同様の鍔部44が形成されている。スペーサ本体部40の接続部42における鍔部44は、シリンダボア側内壁3bの近傍に臨むような形状とされている。鍔部44の上面は前記と同様にスペーサ本体部の端面44aを構成し、この上面における前記最奥のシリンダボア側内壁3bに臨む先側部は、内向きに傾斜する台座面44aaとされている。この台座面44aaには、前記と同様の残り部5が垂直に突出するよう形成されている。この残り部5は、図10に示すように、スペーサ本体部の樹脂成型の際に、対向する台座面44aaとの間に跨るように配置されるランナー6bによって両台座面44aa,44aaを連結するよう形成される懸架部位6baを切除して残ったものである。
この実施形態のスペーサ4も、残り部5がシリンダボア側内壁3b側に突出しないように形成されているから、ウォータジャケット3に挿入する際に、シリンダボア側内壁3bに干渉せず、スペーサ本体部40をシリンダボア側内壁3bに可能な限り近接させることができる。
なお、この実施形態では、図8と同様にスペーサ本体部40の端面44aをウォータジャケット3の開口部30付近に位置するよう形成されているが、図5〜図7に示すように、スペーサ本体部40の端面44aが開口部30から落ち込んだ位置となるよう形成されたものであっても良い。また、台座面44aaが内向きに傾斜した例を示したが、図7の例のように、ウォータジャケット3の開口部30と平行となるよう形成されていても良い。
その他の構成及び作用効果は図8に示す例と同様であり、共通部分に同一の符号を付しその説明を省略する。
なお、前記各実施形態では、残り部5を、樹脂注入用のランナー6bによる懸架部位6baを切除して残った部分としたが、ランナー6b等とは別に同様の懸架部位を同時に成型し、これを切除して残った部分としても良い。この場合、懸架部位は図例のような位置とし、スプルー6a、ランナー6b及びゲート6cを別の位置に設けるようすることが望ましい。例えば、ゲート6cをスペーサ本体部40の外側部に対応する位置の1箇所若しくは複数個所に設け、このゲート6cから樹脂を注入して、スペーサ本体部40及び懸架部位を一体に成型するようにしても良い。また、懸架部位6baを各接続部対間に跨るように形成したが、いずれか一対の接続部間に跨るように形成しても良い。
また、残り部5は、スペーサ本体部40を樹脂成型する際に同時に成型される懸架部位6baを切除することで残る部位とは限らない。例えば、ゲート6cのそれぞれに対応するスプルー6aが存在している場合や、ゲート6cが1個だけである場合、これらスプルー6a、ランナー6b及びゲート6cによって形成される不要とされる部位6は、台座面44aa間に懸架されず、懸架部位6baは含まない。
さらに、残り部5の平面形状は図例のような方形状に限らず、角部がR部とされた方形、円形、楕円形、さらには長円形であっても良い。残り部5の側面形状も、図5の拡大部に示すような長方形状に限らず、長方形を除く内向きに傾いた平行四辺形であっても良い。このような残り部5の平面形状及び側面形状は、スプルー6a、ランナー6b及びゲート6cの設計上の最適形状によって定められる。
さらにまた、スペーサ本体部40がその上端に鍔部44を有した例について述べたが、鍔部44を有していない形状のスペーサ本体部も除外されるものではない。加えて、スペーサ本体部40の形状、鍔部44の形状や厚み等も図例に限定されるものではない。また、実施形態では、3気筒の内燃機関におけるウォータジャケットに適用されるスペーサについて述べたが、他の気筒数のウォータジャケット用のスペーサにも本発明のスペーサが適用され得ることは言うまでもない。そして、図2に示すシリンダブロック1は、概念的に示すものであるので、その全体形状が図例のものに限定されないことも言うまでもない。
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
3 ウォータジャケット(冷却水流路)
30 開口部
4 スペーサ
40 スペーサ本体部
41 円弧部
42 接続部
42a 接続部の内周側部
43 堰き止め部
44a スペーサ本体部の端面
44aa 台座面
5 残り部
6 不要とされる部位
6ba 懸架部位(ランナーによる成型部位の一部)

Claims (7)

  1. 内燃機関のシリンダブロックに隣接状態で設けられる複数のシリンダボアの周囲に形成された冷却水流路に、該冷却水流路の開口部より挿入されて用いられる樹脂成型体からなるスペーサであって、
    前記シリンダボアを取り囲むような筒状に形成されたスペーサ本体部と、
    成型時に必要とされる部位であって成型後に不要とされる部位が除去された後に残る突状の残り部と、を備え、
    前記残り部は、前記開口部側に位置する前記スペーサ本体部の端面に形成されていることを特徴とするスペーサ。
  2. 請求項1に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体部の内周側部に、前記冷却水流路における冷却水の流れ方向に交差するよう前記スペーサ本体部の端面を含んで延出された堰き止め部を備え、
    前記残り部は、前記堰き止め部における前記端面の延出側の位置に形成されていることを特徴とするスペーサ。
  3. 請求項2に記載のスペーサにおいて、
    前記スペーサ本体部は、前記シリンダボアの外径形状に沿うよう形成された複数の円弧部と、隣接する円弧部同士を接続する接続部とを備え、
    前記堰き止め部は、前記接続部の内周側部に設けられていることを特徴とするスペーサ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記残り部は、前記シリンダボアを挟んで対をなすよう形成され、
    前記不要とされる部位は、成型時に、前記スペーサ本体部の対向する前記端面に連結されている懸架部位であり、
    少なくとも前記一対の残り部が設けられる前記端面の部位は、互いに内向きに傾斜するよう形成されていることを特徴とするスペーサ。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記残り部は、前記シリンダボアを挟んで対をなすよう形成され、
    前記不要とされる部位は、成型時に、前記スペーサ本体部の対向する前記スペーサ本体部の端面間に連結されている懸架部位であり、
    少なくとも前記一対の残り部が設けられる前記端面の部位は、前記冷却水流路の開口部に平行となるよう形成されていることを特徴とするスペーサ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記残り部が設けられる前記端面は、前記残り部より広い平坦状の台座面とされていることを特徴とするスペーサ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
    前記残り部は、前記端面に対して垂直に突出するよう形成されていることを特徴とするスペーサ。
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