JP6186781B2 - 制御装置、電気光学装置、電子機器および制御方法 - Google Patents

制御装置、電気光学装置、電子機器および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、記憶性表示素子の駆動を制御する技術に関する。
従来、記憶性表示素子は、各画素については2階調(例えば黒および白)の表示のみ可能なものが広く用いられていた。より高画質化のため、各画素において多階調表示を可能とする技術が開発されている。特許文献1は、記憶性表示素子の一種である電気泳動表示デバイスにおいて、黒および白以外のグレースケール(中間階調)を表現する技術を開示している(図1等)。
特表2007−513368号公報
特許文献1に開示された技術においては、温度帯毎に駆動波形を設計すると、低温用の駆動波形は長くなり(駆動が遅くなり)、高温用の駆動波形では残像が残ってしまう場合があった。
これに対し本発明は、高温時の駆動においては残像をより低減し、低温時の駆動においては駆動時間を短縮する技術を提供する。
本発明は、第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する記憶性表示素子に表示させる画像を示す画像データを取得する取得手段と、前記画像データに従った電圧を前記記憶性表示素子に印加させるように、当該記憶性表示素子を駆動する駆動回路を制御する制御手段であって、当該記憶性表示素子の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加させ、前記リフレッシュ期間は、当該記憶性表示素子を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、当該記憶性表示素子が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数が、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少ない制御手段とを有する制御装置を提供する。
この制御装置によれば、高温時の駆動において残像をより低減することができる。また、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
前記パターンは、前記リフレッシュ期間の始期における前記記憶性表示素子の階調を前記第1階調にするための消去期間をさらに含み、前記リフレッシュ期間は、当該リフレッシュ期間の終期における前記記憶性表示素子の階調を前記第2階調にするための電圧を印加する期間であり、前記書き込み期間は、当該書き込み期間の始期において前記第2階調である前記記憶性表示素子の階調を、前記画像データにより示される階調に遷移させる電圧を印加する期間であってもよい。
この制御装置によれば、階調の再現性を高めることができる。
前記パターンにおいて、前記記憶性表示素子の階調を前記第1階調から前記第2階調に遷移させるための電圧を印加する期間の長さと、前記記憶性表示素子の階調を当該第2階調から当該第1階調に遷移させるための電圧を印加する期間の長さとが等しくてもよい。
この制御装置によれば、記憶性表示素子のDCバランスを保つことができる。
前記パターンは、書き換え前の階調、書き換え後の階調、および温度帯に応じて定義され、第1温度帯に対応する前記パターンと、前記第1温度帯より高温の第2温度帯に対応するする前記パターンとは、前記書き換え前の階調が共通の場合において前記書き換え後の階調が前記第1階調のときと前記第2階調のときの少なくとも一方において、前記反転の回数が異なっていてもよい。
この制御装置によれば、反転の回数が異なるパターンを用いて、高温時の駆動において残像をより低減することができる。また、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
第1温度帯に対応する前記パターンと、前記第1温度帯より高温の第2温度帯に対応するする前記パターンとは、前記書き換え前の階調が共通の場合において前記書き換え後の階調が前記第1階調のときと前記第2階調のときの両方において、前記反転の回数が異なっていてもよい。
この制御装置によれば、すべてのパターンについて、高温時の駆動において残像をより低減することができる。また、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
前記パターンは、前記第1電圧および前記第2電圧のうち前記第2階調から前記第1階調を経て前記第2階調に戻るループに沿って、当該ループの一部に相当する階調変化を起こさせる電圧を単位期間毎に印加するパターンであってもよい。
この制御装置によれば、階調の再現性を高めることができる。
この制御装置は、前記記憶性表示素子に現在表示されている画像を示す現データを記憶する第1記憶手段と、前記記憶性表示素子に次に表示させる画像を示す次データを記憶する第2記憶手段と、前記パターンに含まれる複数の単位期間のうち電圧印加が終了した単位期間の数をカウントするカウント手段と、書き換え前の階調値、書き換え後の階調値、並びに当該書き換え前の階調値および当該書き換え後の階調値に対応する電圧印加のパターンを、複数の階調値の各々について記憶した第3記憶手段とを有し、前記取得手段は、前記第1記憶手段から前記現データを、前記第2記憶手段から次データをそれぞれ取得し、前記制御手段は、前記第3記憶手段に記憶されている複数のパターンにより示される電圧のうち、前記取得手段により取得された前記現データおよび前記次データ、並びに前記カウント手段によりカウントされている数に相当する単位期間に印加すべき電圧を前記記憶性表示素子に印加させるように、前記記憶性表示素子を駆動する駆動回路を制御してもよい。
また、本発明は、第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する記憶性表示素子と、前記記憶性表示素子に表示させる画像を示す画像データを取得する取得手段と、前記画像データに従った電圧を前記記憶性表示素子に印加させるように、当該記憶性表示素子を駆動する駆動回路を制御する制御手段であって、当該記憶性表示素子の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加させ、前記リフレッシュ期間は、当該記憶性表示素子を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、当該記憶性表示素子が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数が、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少ない制御手段とを有する電気光学装置を提供する。
この電気光学装置によれば、高温時の駆動において残像をより低減することができる。また、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
さらに、本発明は、上記の電気光学装置を有する電子機器を提供する。
この電子機器によれば、高温時の駆動において残像をより低減することができる。また、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
さらに、本発明は、第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する記憶性表示素子に表示させる画像を示す画像データを取得するステップと、前記記憶性表示素子の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加させ、前記リフレッシュ期間は、当該記憶性表示素子を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、当該記憶性表示素子が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数が、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少ないステップとを有する電気光学装置の制御方法を提供する。
この制御方法によれば、高温時の駆動において残像をより低減することができる。
EPDの電圧印加と光学状態との関係を例示する図。 本実施形態で用いられる駆動モードを例示する図。 本実施形態で用いられる電圧印加のパターンを例示する図。 基本フレーム数に対する残像の特性を例示する図。 LGモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図。 LFモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図。 HSモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図。 一実施形態に係る電子機器1の構成を示す図。 電気光学パネル10の断面構造を示す模式図。 電気光学パネル10の回路の構成を示す図。 画素14の等価回路を示す図。 コントローラー20の構成を例示する図。 高温用の駆動波形を例示する図。 室温用の駆動波形を例示する図。 低温用の駆動波形を例示する図。 図13の駆動波形を用いた場合の残像特性を例示する図。 LUT24に記憶されているテーブルを例示する図。 電子機器1の動作を示すフローチャート。 電気光学パネル10に表示される画像を例示する図。 高温用の駆動波形を例示する図。 室温用の駆動波形を例示する図。 低温用の駆動波形を例示する図。
1.原理
1−1.概要
一実施形態に係る装置の具体的構成および動作の説明に先立ち、駆動原理を説明する。ここでは、電気光学素子としてEPD(Electro Phoretic Display)が用いられ、各画素で4階調表示を行う例を説明する。
図1は、EPDの電圧印加と光学状態との関係を例示する図である。図1において、横軸は電圧を印加したフレーム数を、縦軸はEPDの光学状態、この例では明度を表す。「フレーム」とは電圧印加の単位期間であり、その長さはあらかじめ決められている(例えば25Hzに相当する40ミリ秒)。明度C1は黒に相当し、明度C2は白に相当する。
いま、明度C1の状態から電圧印加を開始する例を考える。電圧印加前の光学状態は、点Aで表される。ここから1フレーム、所定の第1電圧(例えば−15V)を印加すると、EPDの明度は少し明るくなり点Bに遷移する。さらに1フレーム、第1電圧を印加すると、EPDの明度はさらに明るくなり点Cに遷移する。同様に第1電圧を印加していくと、EPDの明度は点D、点E、点F、点G、点H、点I、点J、点K、点L、点Mの順に遷移する。点Mは明度C2、すなわち白に相当する。このように、この例では、12フレーム、第1電圧を印加すると、明度は黒から白に遷移する。
明度C2の状態から1フレーム、所定の第2電圧(例えば+15V)を印加すると、EPDの明度は少し暗くなり点Nに遷移する。なお図1においては説明の便宜上、第2電圧を印加したときはフレーム数が減少する記載になっている。さらに1フレーム、第2電圧を印加すると、EPDの明度はさらに暗くなり点Oに遷移する。同様に第2電圧を印加していくと、EPDの明度は点P、点Q、点R、点S、点T、点U、点V、点W、点X、点Aの順に遷移する。白から黒に遷移するときは、黒から白に遷移するときとは異なる光学状態を経由する。すなわち、12フレームの第1電圧の印加とさらに12フレームの第2電圧の印加で、EPDの明度は黒から白を経て再び黒に戻るループ状の遷移特性を示す。図1においてはこのループを実線で示している。
ここで、例えば黒から白に遷移する途中の点Dの状態から、第1電圧ではなく第2電圧を印加した場合を考える。点Dの状態から1フレーム、第2電圧が印加されると、点Dの状態から明度が暗くなり、点Zに遷移する。点Zは上で説明したループには乗っておらず、その明度は点Cとは異なるものとなる。この点Zの状態からさらに第1電圧または第2電圧を印加した場合の明度がどうなるか予測することは難しい。このように、黒から白に遷移する途中で、その遷移の方向とは逆の遷移(白から黒)を起こさせる電圧(第2電圧)を印加すると、以後、EPDの明度変化は上記のループに乗らなくなり、制御が困難になる。階調制御が困難になると、黒と白の間の中間階調の再現性が悪くなってしまったり、中間階調の順番が(例えばライトグレーよりダークグレーの方が明るく)逆転してしまったりする可能性がある。
そこで、本実施形態においては、基準となる2つの階調(例えば黒と白)間の遷移の途中で、逆向きの遷移を起こさせる電圧の印加をせずにEPDが駆動される。すなわち、本実施形態においては、図1のループに沿った電圧印加が行われる。各フレームにおいては、図1のループの一部に相当する階調変化を起こさせる電圧が印加される。
1−2.駆動モード
EPDは、素子そのものの応答速度が本質的に(液晶ディスプレイなどと比較して)遅いという問題を抱えている。残像が出ないように高品質の書き換えを行うと、10インチ程度の大きさの画面を書き換えるのに数秒オーダーの時間がかかってしまう。書き換えを高速化する種々の技術が開発されているが、書き換えを高速化すると残像が出てしまう。このように、EPDの駆動において書き換え速度と残像とはトレードオフの関係にあり、書き換え速度が速くかつ残像が無い駆動を行うことは非常に困難である。そこで、本実施形態においては、それぞれ書き換え速度が異なる3つの駆動モードが用意され、状況に応じてこれらが使い分けられる。
図2は、本実施形態で用いられる駆動モードを例示する図である。本実施形態においては、LG、LF、およびHSという3つの駆動モードが用いられる。LG(Low Ghosting)モードは最も残像が低いすなわち高品質の書き換えを行う駆動モードであり、その代わり書き換え速度は最も遅い。HS(High Speed)モードは最も高速の書き換えを行う駆動モードであり、その代わり表現できる階調は2階調のみであり、残像も発生する。LF(Low Flashing)モードはLGモードとHSモードの中間的な駆動モードであり、書き換え速度および残像がいずれもLGモードとHSモードの間である。
図3は、本実施形態で用いられる電圧印加のパターンを例示する図である。図3において、横軸はフレーム数を、縦軸はEPDの明度を示す。EPDの駆動は、電圧印加のパターン(シーケンス)によって特徴づけられる。電圧印加のパターンは、所定数のフレームについて、第1電圧(例えば−15V)、第2電圧(例えば+15V)、およびディスチャージ(ゼロV)のいずれの電圧を印加するかを示す。すなわち、電圧印加のパターンは、印加電圧の時間変化を示しているといえ、その意味で、以下においてはこれを「駆動波形(Waveform)」という。
本実施形態において駆動波形を決定するパラメーターは、現階調および次階調の2つである。現階調とは、書き換え前のEPDの階調である。次階調とは、書き換え後のEPDの階調である。図3においてはフレーム数がゼロの時点で4つの点がプロットされているが、これらが現階調(黒、ダークグレー、ライトグレー、および白)に相当する。また、駆動波形の末尾において波形が4つに分岐しているが、これらが次階調に相当する。例えば、現階調がライトグレーで次階調がダークグレーである場合、第1および第2フレームはディスチャージ、第3〜第12フレームは第1電圧、第13フレームはディスチャージ、第14〜第25フレームは第2電圧、第26フレームはディスチャージ、第27〜第38フレームは第1電圧、第39フレームはディスチャージ、第40〜第51フレームは第2電圧、第52フレームはディスチャージ、第53〜第56フレームは第1電圧、第57〜第65フレームはディスチャージが印加される。駆動波形が決定されれば、各フレームで印加される電圧はフレーム番号で決まっている。したがって、各フレームにおいて印加される電圧は、現階調、次階調、およびフレーム番号の3つのパラメーターで決まっているといえる。
本実施形態において駆動波形は、消去期間(消去フェーズ、調整期間ともいう)、リフレッシュ期間(リフレッシュフェーズ、リセット期間ともいう)、および書き込み期間(書き込みフェーズ)に区分される。以下において、EPDが表示する階調のうち基準となる2つの階調をそれぞれ第1階調および第2階調という。第1階調および第2階調は、一方が最低階調に相当し、他方が最高階調に相当する。この例では、白が第1階調であり、黒が第2階調である。
消去期間は、EPDの階調を所定の基準階調(例えば第2階調(黒))にする期間である。図3の例では、第1〜第13フレームが消去期間である。リフレッシュ期間は、第2階調から第1階調を経て第2階調(黒から白を経て黒)に戻るループを所定回数(少なくとも0.5回)、回転させるように電圧を印加する期間である。また、この例で、リフレッシュ期間は、その終期においてEPDの階調を第1階調(白)にするための電圧を印加する期間である。図3の例では、第14〜第52フレームがリフレッシュ期間である(ループを1.5周している)。書き込み期間は、EPDを次階調に遷移させる期間である。図3の例では、書き込み期間は、EPDを第1階調(白)から次階調に遷移させる期間である。
この例で、駆動波形は、基本フレーム数および階調フレーム数という2つのパラメーターによって特徴づけられる。基本フレーム数は、第1階調(白)から第2階調(黒)への遷移および第2階調(黒)から第1階調(白)への遷移をそれぞれ起こさせるのに十分なフレーム数である。基本フレーム数は、次階調によらず、また全ての駆動モードで共通である。基本フレーム数を共通にすることで、EPDにおけるDCバランスを保つことができる。図3の例では、基本フレーム数は13である。詳しくは、基本フレーム数は、第1階調および第2階調の一方から他方へ遷移するのに必要なフレーム数(12フレーム)と、その後のディスチャージフレーム(1フレーム)の合計である。階調フレーム数は、基準となる第1階調(黒)から次階調に遷移させるフレーム数である。階調フレーム数は次階調に応じて異なっているが、すべての駆動モードで共通である。図3の例では、次階調が白の場合は階調フレーム数がゼロであり、次階調がライトグレーの場合は階調フレーム数が2であり、次階調がダークグレーの場合は階調フレーム数が4であり、次階調が黒の場合は階調フレーム数が13である。なお、基本フレーム数および階調フレーム数は、例えば温度などの駆動条件に応じて変化するので、駆動波形は、駆動条件毎、具体的には温度帯(温度範囲)毎に定義されている。
図4は、基本フレーム数に対する残像の特性を例示する図である。基本フレーム数を決定する要因の一つに残像がある。図4において、縦軸は残像量を、横軸は基本フレーム数を、それぞれ示している。図4は、ある駆動波形(例えば図3に示した駆動波形)を用いて、基本フレーム数および温度をパラメーターとして、残像量を測定した結果を示している。
基本フレーム数は、残像を最適化(理想的にはゼロに)するように決定される。基本フレーム数を1フレーム変化させたときの残像量の変化量(すなわち、図4のプロットの傾き)が小さいほど、最適化がしやすい。図4から明らかなように、低温の方が傾きが小さく最適化には適している。一方で、低温の方が基本フレーム数が多くなる傾向にあり、駆動が遅くなってしまうという問題がある。本実施形態においては、基本フレーム数および階調フレーム数だけを温度帯に応じて変えるのではなく、リフレッシュ期間におけるループの回転数も温度帯に応じて変えることにより、この問題に対処する。
1−2−1.LGモード
図5は、LGモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図である。図5(A)はLGモードにおける階調変化を示している。図5(B)は、LGモードの駆動波形のうち、現階調および次階調がダークグレーおよびライトグレーである場合の駆動波形を示している。図5(A)および(B)において、横軸はともにフレーム数を表している。図5(A)の縦軸はEPDの明度を表している。図5(B)の縦軸は印加電圧を表している。
LGモードの駆動波形は、残像を低減するため、LFモードおよびHSモードと比較して相対的にリフレッシュ期間におけるループの回転数が多い、すなわちリフレッシュ期間が長いという特徴を有している。図5の例では、リフレッシュ期間においてループが1.5回転(黒、白、黒、白の遷移)している。消去期間および書き込み期間も合わせると、一番回転数の多いもの(現階調が白で次階調が黒)でループが2.5回転しており、一番回転数の少ないもの(現階調が黒で次階調が白)でループが1.5回転している。この例で、LGモードの駆動波形は、現階調および次階調がそれぞれ4階調ずつ変化するのに応じて定義されるので、一の温度帯において、4×4=16通り定義される。
1−2−2.LFモード
図6は、LFモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図である。図6(A)はLFモードにおける階調変化を示している。図6(B)は、LFモードの駆動波形のうち、現階調および次階調がダークグレーおよびライトグレーである場合の駆動波形を示している。縦軸および横軸は図5と同様である。
LGモードでは、残像低減のためリフレッシュ期間においてループを1.5回転させ、全期間を通じては多いものでループを2.5回転させていた。これは、ユーザーが視認できる程度のスピードでフラッシング(黒と白との間の階調変化を繰り返すこと)が行われることを意味する。フラッシングはユーザーにとってはただの視覚的なノイズである。そこで、LFモードの駆動波形は、フラッシングの低減のため、LGモードと比較してループの回転数が少ないという特徴を有している。図6の例では、リフレッシュ期間においてループが0.5回転(黒から白への遷移)している。消去期間および書き込み期間も合わせると、一番回転数の多いもの(現階調が白で次階調が黒)でループが1.5回転しており、一番回転数の少ないもの(現階調が黒で次階調が白)でループが0.5回転している。この例で、LFモードの駆動波形は、現階調および次階調がそれぞれ4階調ずつ変化するのに応じて定義されるので、一の温度帯において、4×4=16通り定義される。
1−2−3.HSモード
図7は、HSモードにおける駆動波形および階調変化を例示する図である。図7(A)はHSモードにおける階調変化を示している。図7(B)は、HSモードの駆動波形のうち、現階調および次階調が白および黒である場合の駆動波形を示している。縦軸および横軸は図5および図6と同様である。
LFモードではLGモードより回数が少ないとはいえ、多いものではループを1.5回転させており、書き換え速度の点で改善の余地がある。そこで、HSモードでは、書き換えを高速化するために表示する階調を2階調(黒および白)に制限し、この2階調間の直接遷移により書き換えを行うという特徴を有している。直接遷移とは、ループ0.5周に相当する遷移をいう。また、HSモードの駆動波形は書き込み期間のみを有しており、消去期間およびリフレッシュ期間は有しない。HSモードでは、駆動波形全体で、異なる階調への遷移ではループが0.5回転する。現階調と次階調とが同じ場合、ループは回転しない。この例で、HSモードの駆動波形は、現階調および次階調がそれぞれ2階調ずつ変化するのに応じて定義されるので、一の温度帯において、2×2=4通り定義される。
2.構成
図8は、一実施形態に係る電子機器1の構成を示す図である。電子機器1は、ホスト装置2と、電気光学装置3とを有する。電気光学装置3は、ホスト装置2の制御下で画像を表示する装置であり、電気光学パネル10およびコントローラー20を有する。この例で、電気光学パネル10は、電圧の印加等によりエネルギーを与えなくても表示を保持する記憶性の表示素子として、電気泳動粒子を用いた表示素子を有する。この表示素子により、電気光学パネル10は、モノクロ複数階調(この例では黒、ダークグレー、ライトグレー、および白の4階調)の像を表示する。コントローラー20は、電気光学パネル10を制御する制御装置である。ホスト装置2は、電気光学装置3を制御する装置であり、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、記憶装置203、および入出力インターフェース204を有する。CPU201は、RAM202をワークエリアとして、ROM(Read Only Memory、図示略)または記憶装置203に記憶されているプログラムを実行する。RAM202は、データを記憶する揮発性のメモリーである。記憶装置203は、各種のデータおよびアプリケーションプログラムを記憶する記憶装置であり、フラッシュメモリーなど不揮発性のメモリーを有する。入出力インターフェース204は、各種の入力装置または電気光学装置3などの出力装置との間でデータを入力または出力するためのインターフェースである。電子機器1は、例えば、電子書籍リーダー、計測器、電子POP装置などである。
図9は、電気光学パネル10の断面構造を示す模式図である。電気光学パネル10は、第1基板11と、電気泳動層12と、第2基板13とを有する。第1基板11および第2基板13は、電気泳動層12を挟持するための基板である。
第1基板11は、基板111と、接着層112と、回路層113とを有する。基板111は、絶縁性及び可撓性を有する材料、例えばポリカーボネートで形成されている。基板111は、軽量性、可撓性、弾性及び絶縁性を有するものであれば、ポリカーボネート以外の樹脂材料により形成されてもよい。別の例で、基板111は、可撓性を有しないガラスにより形成されていてもよい。接着層112は、基板111と回路層113とを接着する層である。回路層113は、電気泳動層12を駆動するための回路を有する層である。回路層113は、画素電極114を有する。
電気泳動層12は、マイクロカプセル121と、バインダー122とを有する。マイクロカプセル121は、バインダー122によって固定されている。バインダー122としては、マイクロカプセル121との親和性が良好で電極との密着性が優れ、かつ絶縁性を有する材料が用いられる。マイクロカプセル121は、内部に分散媒および電気泳動粒子が格納されたカプセルである。マイクロカプセル121は、柔軟性を有する材料、例えばアラビアゴム・ゼラチン系の化合物またはウレタン系の化合物等が用いられる。なお、マイクロカプセル121と画素電極114との間には、接着剤により形成された接着層が設けられてもよい。
電気泳動粒子は、分散媒中で電界によって移動する性質を有する粒子(高分子またはコロイド)である。本実施形態においては白の電気泳動粒子と黒の電気泳動粒子がマイクロカプセル121内に格納されている。黒の電気泳動粒子は、例えば、アニリンブラックやカーボンブラック等の黒色顔料を含む粒子であり、本実施形態では正に帯電されている。白の電気泳動粒子は、例えば、二酸化チタンや酸化アルミニウム等の白色顔料を含む粒子であり、本実施形態では負に帯電されている。
第2基板13は、共通電極131と、フィルム132とを有する。フィルム132は、電気泳動層12の封止および保護をするものである。フィルム132は、透明で絶縁性を有する材料、例えばポリエチレンテレフタレートにより形成される。共通電極131は、透明で導電性を有する材料、例えば酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)により形成される。
図10は、電気光学パネル10の回路の構成を示す図である。電気光学パネル10は、m本の走査線115と、n本のデータ線116と、m×n個の画素14と、走査線駆動回路16と、データ線駆動回路17とを有する。走査線駆動回路16およびデータ線駆動回路17は、コントローラー20により制御される。走査線115は、行方向(x方向)に沿って配置されており、走査信号を伝達する。走査信号は、m本の走査線115の中から一の走査線115を順次排他的に選択する信号である。データ線116は、列方向(y方向)に沿って配置されており、データ信号を伝達する。データ信号は、各画素の階調を示す信号である。走査線115とデータ線116とは絶縁されている。画素14は、走査線115およびデータ線116の交差に対応して設けられており、データ信号に応じた階調を示す。なお、複数の走査線115のうち一の走査線115を他と区別する必要があるときは、第1行、第2行、・・・、第m行の走査線115という。データ線116についても同様である。m×n個の画素14により、表示領域15が形成される。表示領域15のうち、第i行第j列の画素14を他の画素14と区別するときは、画素(j,i)という。階調値等、画素14と一対一に対応するパラメーターについても同様である。
走査線駆動回路16は、m本の走査線115の中から、一の走査線115を順次排他的に選択するための走査信号Yを出力する。走査信号Yは、順次排他的にH(High)レベルとなる信号である。データ線駆動回路17は、データ信号Xを出力する。データ信号Xは、画素の階調値に応じたデータ電圧を示す信号である。データ線駆動回路17は、走査信号により選択されている行の画素に対応するデータ電圧を示すデータ信号を出力する。走査線駆動回路16およびデータ線駆動回路17は、コントローラー20により制御される。
図11は、画素14の等価回路を示す図である。画素14は、トランジスター141と、容量142と、電気泳動素子143とを有する。電気泳動素子143は、画素電極114と、電気泳動層12と、共通電極131とを有する。トランジスター141は、画素電極114へのデータの書き込みを制御するスイッチング手段の一例であり、例えばnチャネルのTFT(Thin Film Transistor)である。トランジスター141のゲート、ソース、およびドレインはそれぞれ、走査線115、データ線116、および画素電極114に接続されている。L(Low)レベルの走査信号(非選択信号)がゲートに入力されているとき、トランジスター141のソースとドレインは絶縁する。Hレベルの走査信号(選択信号)がゲートに入力されると、トランジスター141のソースとドレインは導通し、画素電極114にデータ電圧が書き込まれる。また、トランジスター141のドレインには容量142の一方の電極が接続され、容量142の他方の電極は配線117を介して基準電位Vcomに接続されている。容量142は、データ電圧に応じた電荷を保持する。画素電極114は、画素14に一つずつ設けられており、共通電極131と対向している。共通電極131は、すべての画素14に共通であり、配線118を介して電位EPcomが与えられる。画素電極114と共通電極131との間には電気泳動層12が挟まれている。画素電極114、電気泳動層12、および共通電極131により、電気泳動素子143が形成される。電気泳動層12には、画素電極114と共通電極131との電位差に相当する電圧が印加される。マイクロカプセル121において、電気泳動層12に印加されている電圧に応じて電気泳動粒子が移動し、階調表現をする。共通電極131の電位EPcomに対して画素電極114の電位が正(例えば+15V)である場合、負に帯電している白の電気泳動粒子が画素電極114側に移動し、正に帯電している黒の電気泳動粒子が共通電極131側に移動する。このとき第2基板13側から電気光学パネル10を見ると、画素が黒に見える。共通電極131の電位EPcomに対して画素電極114の電位が負(例えば−15V)である場合、正に帯電している黒の電気泳動粒子が画素電極114側に移動し、負に帯電している白の電気泳動粒子が共通電極131側に移動する。このとき、画素が白に見える。
なお、以下の説明においては、走査線駆動回路16が第1行の走査線を選択してから第m行の走査線の選択が終了するまでの期間を「フレーム」という。各走査線115は、1フレームに一回ずつ選択され、各画素14には1フレームに一回ずつデータ信号が供給される。
図12は、コントローラー20の構成を例示する図である。コントローラー20は、VRAM21と、VRAM22と、レジスター23と、LUT24と、制御部25と、出力部26と、レジスター27とを有する。VRAM21は、書き換え前に電気光学パネル10に表示されている画像を記憶するメモリーである。すなわち、VRAM21は、m行n列の画素14の各々について、現階調を示すデータを記憶している。VRAM22は、書き換え後の電気光学パネル10に表示されるべき画像を記憶するメモリーである。すなわち、VRAM22は、m行n列の画素14の各々について、次階調を示すデータを記憶している。レジスター23は、フレーム番号を特定するためのパラメーターを記憶するレジスター、すなわち、フレーム番号のカウンターである。LUT24は、各フレームにおいて印加すべき電圧を特定する情報を記憶したテーブルである。この例で、LUT24は、LGモード、LFモード、およびHSモードのそれぞれについて固有のテーブルを含んでいる。
また、この例において、LUT24は、複数の温度帯のそれぞれについて固有のテーブルを含んでいる。例えば、LUT24は、各駆動モードについて、低温(0〜15℃)、室温(15〜30℃)、および高温(30〜45℃)の3つの温度帯に固有のテーブルを含んでいる。これらのテーブルはすべて、上で説明した思想に基づいて設計されている。基本フレーム数および階調フレーム数は、温度帯毎に設定される。
図13は、各温度帯の駆動波形を例示する図である。図13は、ある駆動モード(例えばLGモード)について、ある現階調(例えば黒)からある次階調(例えばライトグレー)への書き換えにおいて用いられる駆動波形を示している。図13Aは高温用、図13Bは室温用、図13Cは低温用の駆動波形を示している。既に説明したように、基本フレーム数は温度帯毎に設定されるが、ここでは便宜上、全ての温度帯で基本フレーム数が共通である例を用いて説明する。
高温用の駆動波形と室温用の駆動波形とを比較すると、次階調が黒の駆動波形以外は両者で共通しており、差があるのは次階調が黒の駆動波形だけである。次階調が黒の高温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが1.5回転しており、室温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが0.5回転している。次階調が黒以外の場合の高温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが1.5回転しており、室温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが1.5回転している。すなわち、高温用の駆動波形と室温用の駆動波形とを比較すると、リフレッシュ期間におけるループ回転数は、現階調および次階調によらず、高温用の駆動波形の方が多いかまたは室温用駆動波形と等しい。
室温用の駆動波形と低温用の駆動波形とを比較すると、次階調が黒の駆動波形は両者で共通しており、次階調がそれ以外の3つの場合の駆動波形は両者で異なっている。次階調が黒の室温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが0.5回転しており、低温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが0.5回転している。次階調が黒以外の場合の室温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが1.5回転しており、低温用の駆動波形では、リフレッシュ期間においてループが0.5回転している。すなわち、高温用の駆動波形と室温用の駆動波形とを比較すると、リフレッシュ期間におけるループ回転数は、現階調および次階調によらず、室温用の駆動波形の方が多いかまたは低温用駆動波形と等しい。すなわち、3つの温度帯のすべてについて、リフレッシュ期間におけるループ回転数は、現階調および次階調によらず、より高い温度帯の駆動波形の方が多いかまたはより低い温度帯の駆動波形と等しい。なお、このようなループ回数の大小関係は、LGモードだけでなくLFモードの駆動波形においても成立している。
図14は、図13の駆動波形を用いた場合の残像特性を例示する図である。図14(A)は白残像の特性を、図14(B)は黒残像の特性を、それぞれ示している。なお、駆動波形は各温度帯のものを用いたが、残像の測定は一定の温度(室温)で行った。縦軸は残像量を、横軸は基本フレーム数を示している。白残像の残像量は、黒から白に書き換えられた画素群と白のまま書き換えられなかった画素群との明度の差として定義される。黒残像の残像量は、白から黒に書き換えられた画素群と黒のまま書き換えられなかった画素群との明度の差として定義される。
白残像および黒残像のいずれにおいても、より高い温度帯の駆動波形(すなわち、よりループ回数の多い駆動波形)の方が、残像が改善している。なお、次階調が白の場合、高温の駆動波形(図13A)と室温の駆動波形(図13B)とが同一であため、両者の白残像の残像特性は同一である。同様に、次階調が黒の場合、室温の駆動波形(図13B)と低温の駆動波形(図13C)とが同一であため、両者の黒残像の残像特性は同一である。
図4で説明したように、高温用の駆動波形においては、基本フレームの調整による残像の最適化は精度が悪いが、リフレッシュ期間におけるループ回数が多いため、リフレッシュ期間におけるループ回数が全温度帯で共通の場合と比較すると、残像が改善される。
また、低温用の駆動波形においては、図4で説明したように、基本フレームの調整による残像の最適化が容易である。すなわち、低温用の駆動波形においては、リフレッシュ期間におけるループ回数に代えて、基本フレームの調整により残像を低減することが可能である。よって、残像の最適化は基本フレームの調整により行うこととし、図13Cに示すように、常温用や高温用の駆動波形と比較してリフレッシュ期間におけるループ回数を相対的に少なくすることができる。これにより、低温時の駆動においては駆動時間を短縮することができる。
図15は、LUT24に記憶されているテーブル(の一部)を例示する図である。各テーブルは、現階調と、次階調と、この現階調および次階調に対応する印加電圧のパターンとを示すデータを含んでいる。このテーブルにおいて、黒、ダークグレー、ライトグレー、および白は、それぞれ、B、DG、LG、およびWと記載されている。この例で、印加電圧は、「+」、「0」、「−」のいずれかである。「+」および「−」はそれぞれ正極性の電圧(第2電圧)および負極性の電圧(第1電圧)が印加されることを、「0」はディスチャージが行われることを示している。図13は、LUT24に記憶されているテーブルのうち、ある温度における、LGモードの駆動波形を示すテーブルを例示している。この例では、基本フレーム数が4であり、階調フレーム数は、黒が4、ダークグレーが2、ライトグレーが1、白がゼロである。例えば、LGモードにおいて現階調および次階調がそれぞれダークグレーおよびライトグレーである場合、総フレーム数は17フレームである。このうち第1〜第4フレームが消去期間であり、第5〜第16フレームがリフレッシュ期間であり、第17フレームが書き込み期間である。第1および第2フレームではディスチャージされ、第3および第4フレームでは正極性電圧が印加される。第5〜第16フレームではループを1.5回転させる電圧が印加される。第17フレームでは正極性電圧が印加され、EPDの階調は最終的にライトグレーに遷移する。なお、図13の例では全画素を一斉にディスチャージするフレームが設けられていない。このようにディスチャージフレームは省略することもできる。もちろん図13において、図5等の例と同様にディスチャージフレームを設けてもよい。以下、各フレームにおける印加電圧を示すデータを「電圧データ」という。
再び図12を参照する。制御部25は、電気光学パネル10を制御するための信号を生成する。より詳細には、制御部25は、駆動モード、現階調、次階調およびフレーム番号に応じた電圧データをLUT24から読み出す。制御部25は、読み出した電圧データに応じた信号を生成する。出力部26は、制御部25により生成された信号を出力する。レジスター27は、コントローラー20に実装されている駆動モードのうち、画像の書き換えに適用される駆動モードを特定する識別子を記憶する。
制御部25は、記憶性表示素子(電気光学パネル10)に表示させる画像を示す画像データを取得する取得手段、およびこの画像データに従った電圧を記憶性表示素子に印加させるように、記憶性表示素子を駆動する駆動回路(走査線駆動回路16およびデータ線駆動回路17)を制御する制御手段の一例である。
3.動作
図16は、電子機器1の一実施形態に係る動作を示すフローチャートである。電子機器1において、CPU201はプログラムを実行しており、このプログラムの実行において所定のイベントが発生したことを契機として、図13のフローが開始される。
ステップS100において、ホスト装置2のCPU201は、書き換え後の画像を示す画像データを、VRAM22に書き込む。ステップS110において、CPU201は、画像の書き換えをコントローラー20に指示する。この指示には、コントローラー20に実装されている駆動モードのうち、今回の画像の書き換えに適用すべき駆動モードを特定する識別子を含んでいる。
画像の書き換えを指示されると、コントローラー20の制御部25は、適用される駆動モードの識別子をレジスター27に書き込む。ステップS120において、制御部25は、書き換えの対象となる画素について、VRAM21およびVRAM22から、それぞれ、書き換え前の階調値(現階調)および書き換え後の階調値(次階調)を示すデータを取得する。ステップS130において、制御部25は、フレーム数のカウンターをセットする。具体的には、今回の書き換えに適用される駆動波形の総フレーム数をレジスター23に書き込む。駆動波形の総フレーム数は、例えば、LUT24から取得される。
なお、適用される駆動モードがHSモードの場合、VRAM22に記憶されている、書き換え後の画像を示すデータに対して、4階調から2階調に原色処理が行われる。
ステップS140において、制御部25は、現階調、次階調、およびフレーム番号に応じた電圧データをLUT24から読み出す。ステップS150において、制御部25は。読み出した電圧データに応じた信号を生成する。出力部26は、制御部25により生成された信号を出力する。
ステップS160において、制御部25は、画像の書き換えが完了したか判断する。画像の書き換えが完了したか否かは、レジスター23に記憶されているカウンター値を用いて判断される。具体的には、レジスター23に記憶されているカウンター値がゼロの場合、制御部25は、画像の書き換えが完了したと判断する。画像の書き換えが完了したと判断された場合(S160:YES)、制御部25は、処理をステップS180に移行する。画像の書き換えが完了していないと判断された場合(S160:NO)、制御部25は、処理をステップS170に移行する。
ステップS170において、制御部25は、レジスター23に記憶されているカウンター値を更新する。具体的には、制御部25は、レジスター23に記憶されているカウンター値をデクリメントする。カウンター値を更新すると、制御部25は、処理をステップS140に移行する。
ステップS180において、制御部25は、VRAM22に記憶されているデータを、VRAM21にコピーする。こうして、電気光学パネル10に表示されている画像と、VRAM21に記憶されているデータとが整合する。データのコピーを終了すると、制御部25は、図13のフローを終了する。なお、ここでは処理対象となる画素を更新する処理については説明しなかったが、ステップS120〜S180の処理は、書き換えの対象となるすべての画素について行われる。
図17は、電気光学パネル10に表示される画像を例示する図である。この例で、電気光学パネル10には、電子機器1の使用状況に関する情報が表示される。使用状況に関する情報には、予想消費電力、累積稼働時間、および温度が含まれる。このうち、温度は変化頻度が相対的に多く、予想消費電力および累積稼働時間は変化頻度が相対的に少ない。したがって、ホスト装置2のCPU201は、温度が表示されている領域(図中破線で囲んだ領域)のみを、HSモードで書き換えるように、コントローラー20に指示する。図17(A)は書き換え前の画像を、図17(B)は書き換え後の画像を、それぞれ示している。CPU201は、所定のイベントが起こったとき、例えば、図15に例示した画面全体を書き換えて別の画像を表示するときは、LGモードまたはLFモードで書き換えるように、コントローラー20に指示する。
4.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
4−1.変形例1
図18は、変形例1に係る駆動波形を例示する図である。図13に例示した駆動波形においては、複数の温度帯において、一部の駆動波形でループ回数が共通であった。例えば、高温用の駆動波形と室温用の駆動波形とを比較すると、次階調が黒以外の場合のループ回数は共通であった。しかし、図18の例に示されるように、すべての駆動波形において(すなわち次階調によらず)、異なる温度帯ではループ回数が異なっていてもよい。図18Aは高温用、図18Bは室温用、図18Cは低温用の駆動波形を示している。なお、この例では基本フレーム数が温度帯毎に異なっており、高温用の駆動波形における基本フレーム数は6、室温用の駆動波形における基本フレーム数は13、低温度用の駆動波形における基本フレーム数は30である。
4−2.変形例2
実施形態においては、LGモードおよびLFモードの双方の駆動波形において、温度帯に応じてループ回数が異なっていた。しかし、このうち一方(例えばLGモードだけ)において、温度帯に応じてループ回数が異なっていてもよい。
4−3.変形例3
コントローラー20に実装される駆動モードの数は3つに限定されない。コントローラー20には、実施形態で説明したLGモードおよびLFモードのうち少なくとも1つが実装されていればよい。また、実施形態で説明した3つの駆動モードに加え、さらに別の駆動モードが追加されてもよい。
4−4.変形例4
消去期間の終期におけるEPDの階調は第2階調(実施形態では黒)に限定されない。消去期間は、EPDの階調を第1階調にする期間であってもよい。
4−5.変形例5
LGモードおよびLFモードにおいて実施形態で説明したループの回転数はあくまで例示であって、ループの回転数はこれに限定されない。LFモードにおけるループの回転数は少なくとも0.5回転あれば、これ以上であってもよい。
4−6.変形例6
実施形態においては、基本フレーム数および階調フレーム数がすべての駆動モードにおいて共通である例を説明したが、基本フレーム数および階調フレーム数のうち少なくとも一方は、駆動モード毎に定義されていてもよい。
4−7.変形例7
実施形態においては、第1階調が白であり第2階調が黒である例を説明したが、第1階調および第2階調はこれに限定されない。この場合において、第1階調から第2階調への遷移が、第2階調から第1階調への遷移よりも遅い(応答速度が遅い)ことが好ましい。実施形態においては、書き込み期間においては、第1階調(白)から第2階調(黒)への遷移を使って中間階調の表現をする例を説明した。応答速度が遅い遷移を使って階調表現をすることにより、中間階調の合わせ込みをより高精度で行うことができる。
4−8.変形例8
コントローラー20の構成は図12で例示したものに限定されない。例えば、コントローラー20はVRAM21およびVRAM22を有しておらず、VRAM21およびVRAM22はコントローラー20の外部に設けられてもよい。LUT24、レジスター23、およびレジスター27についても同様である。
4−9.他の変形例
画素14の等価回路は、実施形態で説明されたものに限定されない。画素電極114と共通電極131との間に制御された電圧を印加できる構成であれば、スイッチング素子および容量素子はどのように組み合わせられてもよい。また、この画素を駆動する方法は、単一のフレームにおいて、印加電圧の極性が異なる電気泳動素子143が存在する両極駆動、または、単一のフレームにおいてはすべての電気泳動素子143において同一の極性の電圧が印加される片極駆動のいずれであってもよい。
画素14の構造は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、荷電粒子の極性は実施形態で説明したものに限定されない。黒の電気泳動粒子が負に帯電し、白の電気泳動粒子が正に帯電していてもよい。この場合は、画素に印加する電圧の極性は実施形態で説明したものと逆になる。また、表示素子は、マイクロカプセルを用いた電気泳動方式の表示素子に限定されない。液晶素子または有機EL(Electro Luminescence)素子など、他の表示素子が用いられてもよい。
実施形態で説明したパラメーター(例えば、階調数、画素数、電圧値、電圧印加回数など)はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されない。例えば、EPDの階調数は3階調以上であればよい。
1…電子機器、2…ホスト装置、3…電気光学装置、10…電気光学パネル、11…第1基板、12…電気泳動層、13…第2基板、14…画素、16…走査線駆動回路、17…データ線駆動回路、20…コントローラー、21…VRAM、22…VRAM、23…レジスター、24…LUT、25…制御部、26…出力部、27…レジスター、111…基板、112…接着層、113…回路層、114…画素電極、115…走査線、116…データ線、121…マイクロカプセル、122…バインダー、131…共通電極、132…フィルム、141…トランジスター、142…容量、143…電気泳動素子、201…CPU、202…RAM、203…記憶装置、204…入出力インターフェース

Claims (10)

  1. 第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する記憶性表示素子と、
    前記記憶性表示素子に表示させる画像を示す画像データを取得する取得手段と、
    前記記憶性表示素子の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加させる制御手段と
    を有し、
    前記リフレッシュ期間は、前記記憶性表示素子を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、
    前記制御手段は、前記記憶性表示素子が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数を、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少なくする
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記パターンは、前記リフレッシュ期間の始期における前記記憶性表示素子の階調を前記第2階調にするための消去期間をさらに含み、
    前記リフレッシュ期間は、前記リフレッシュ期間の終期における前記記憶性表示素子の階調を前記第1階調にするための電圧を印加する期間であり、
    前記書き込み期間は、前記書き込み期間の始期において前記第1階調である前記記憶性表示素子の階調を、前記画像データにより示される階調に遷移させる電圧を印加する期間である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記パターンにおいて、前記記憶性表示素子の階調を前記第1階調から前記第2階調に遷移させるための電圧を印加する期間の長さと、前記記憶性表示素子の階調を前記第2階調から前記第1階調に遷移させるための電圧を印加する期間の長さとが等しい
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記パターンは、書き換え前の階調、書き換え後の階調、および温度帯に応じて定義され、
    第1温度帯に対応する前記パターンと、前記第1温度帯より高温の第2温度帯に対応するする前記パターンとは、前記書き換え前の階調が共通の場合において前記書き換え後の階調が前記第1階調のときと前記第2階調のときの少なくとも一方において、前記反転の回数が異なっている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 第1温度帯に対応する前記パターンと、前記第1温度帯より高温の第2温度帯に対応するする前記パターンとは、前記書き換え前の階調が共通の場合において前記書き換え後の階調が前記第1階調のときと前記第2階調のときの両方において、前記反転の回数が異なっている
    ことを特徴とする請求項に記載の電気光学装置。
  6. 前記パターンは、前記第1電圧および前記第2電圧のうち前記第2階調から前記第1階調を経て前記第2階調に戻るループに沿って、前記ループの一部に相当する階調変化を起こさせる電圧を単位期間毎に印加するパターンである
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記記憶性表示素子に現在表示されている画像を示す現データを記憶する第1記憶手段と、
    前記記憶性表示素子に次に表示させる画像を示す次データを記憶する第2記憶手段と、
    前記パターンに含まれる複数の単位期間のうち電圧印加が終了した単位期間の数をカウントするカウント手段と、
    書き換え前の階調値、書き換え後の階調値、並びに前記書き換え前の階調値および前記書き換え後の階調値に対応する電圧印加のパターンを、複数の階調値の各々について記憶した第3記憶手段と
    を有し、
    前記取得手段は、前記第1記憶手段から前記現データを、前記第2記憶手段から次データをそれぞれ取得し、
    前記制御手段は、前記第3記憶手段に記憶されている複数のパターンにより示される電圧のうち、前記取得手段により取得された前記現データおよび前記次データ、並びに前記カウント手段によりカウントされている数に相当する単位期間に印加すべき電圧を前記記憶性表示素子に印加させるように、前記記憶性表示素子を駆動する駆動回路を制御する
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する電子機器。
  9. 第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する電気光学装置に表示させる画像を示す画像データを取得する取得手段と、
    前記電気光学装置の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加させる制御手段と
    を有し、
    前記リフレッシュ期間は、前記電気光学装置を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、
    前記制御手段は、前記電気光学装置が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数を、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少なくする
    ことを特徴とする制御装置。
  10. 第1電圧の印加によって第1階調から第2階調に光学状態が遷移し、第2電圧の印加によって前記第2階調から前記第1階調に光学状態が遷移する記憶性表示素子に表示させる画像を示す画像データを取得するステップと、
    前記記憶性表示素子の光学状態を前記画像データにより示される階調とするために、リフレッシュ期間および書き込み期間を含む複数の期間における電圧印加のパターンに従った電圧を印加するステップと
    を有し、
    前記リフレッシュ期間は、前記記憶性表示素子を前記第1階調と前記第2階調とに交互に反転させる電圧を印加する期間であり、
    前記記憶性表示素子が第1温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数を、前記第1温度より高温の第2温度の場合の前記リフレッシュ期間における前記反転の回数よりも少なくする
    ことを特徴とする電気光学装置の制御方法。
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