JP6188480B2 - ペースト組成物、太陽電池素子の製造方法および太陽電池素子 - Google Patents

ペースト組成物、太陽電池素子の製造方法および太陽電池素子 Download PDF

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Description

この発明は、一般的にはペースト組成物、太陽電池素子の製造方法および太陽電池素子に関し、特定的には、太陽電池の表面または裏面に電極を形成するためにパッシベーション膜の上に塗工されるペースト組成物、そのペースト組成物を用いて裏面電極を形成する太陽電池素子の製造方法、および、その裏面電極が形成された太陽電池素子に関するものである。
従来から、結晶系太陽電池の受光面には入射光の表面反射率を低減するための反射防止膜が形成されている。代表的な反射防止膜としては、パッシベーション(不動態化処理ともいう)を兼ね備えた窒化シリコン膜が選ばれている。この反射防止膜を貫通するように、受光面に電極を形成する方法として、反射防止膜の上に銀(Ag)粉末を含有する導電性ペーストを塗布した後、焼成する方法(ファイヤースルー法)が用いられている。
一方、たとえば、特表2010‐538466号公報(以下、特許文献1という)に開示されているように、太陽電池の変換効率をさらに高めるために、太陽電池の受光面と反対側の裏面にも窒化シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム等のパッシベーション膜を形成し、そのパッシベーション膜を貫通するように裏面電極を形成して、電子の再結合を防止することによって、変換効率のさらなる向上を図ることが検討されている。特許文献1には、アルミニウム粉末、ガラス粉末、有機ビヒクルを含む裏面ペーストを裏面パッシベーション層の上に塗布した後、焼成することにより、シリコン‐アルミニウム界面にアルミニウム‐シリコン(Al−Si)合金層を有し、かつ、裏面パッシベーション層を貫通する裏面電極を形成することが開示されている。
特表2010‐538466号公報
本願発明者らが特許文献1に開示された裏面ペーストを用いて裏面パッシベーション層を貫通する裏面電極を形成することを試みた。しかしながら、ファイヤースルー性が低く、良好なp+層が得られないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、ファイヤースルー性に優れ、かつ、良好なp+層を得ることが可能なペースト組成物、そのペースト組成物を用いて電極を形成する太陽電池素子の製造方法、および、その電極が形成された太陽電池素子を提供することである。
本願発明者らは、ペースト組成物のファイヤースルー性を向上させる方法を種々検討した。その結果、ペースト組成物に特定のガラス粉末を組み合わせて添加することによって、良好かつ均一なファイヤースルー性が発現することを見出した。この知見に基づいて、本発明に従ったペースト組成物は、次のような特徴を備えている。
本発明に従ったペースト組成物は、太陽電池用電極を形成するためにパッシベーション膜の上に塗工されるペースト組成物であって、アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、鉛を含まないガラス粉末とを含む。ガラス粉末が、ビスマスを含む第1のガラス粉末と、ビスマスを含まない第2のガラス粉末とからなる。
本発明のペースト組成物において、ガラス粉末は750℃以下の軟化点を有することが好ましい。
また、本発明のペースト組成物において、アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の短径に対する長径の比率は1以上1.5以下であることが好ましい。
さらに、本発明のペースト組成物は、アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の平均粒径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。
本発明のペースト組成物は、アルミニウム粉末100重量部に対して、第1のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満、第2のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満、有機ビヒクルを10重量部以上30重量部以下、含有することが好ましい。
本発明に従った太陽電池素子の製造方法は、太陽電池用シリコン基板の表面に形成されたパッシベーション膜の上に、上述のいずれかの特徴を有するペースト組成物を塗工する塗工工程と、塗工工程の後に太陽電池用シリコン基板を焼成する焼成工程とを備える。
本発明に従った太陽電池素子は、太陽電池用シリコン基板の表面に形成されたパッシベーション膜と、パッシベーション膜を貫通するように形成された電極とを備える。電極は、上述のいずれかの特徴を有するペースト組成物をパッシベーション膜の上に塗工した後、焼成することにより形成されている。
本発明の太陽電池素子において、パッシベーション膜が太陽電池用シリコン基板の受光面と反対側の裏面に形成され、電極に対面する太陽電池用シリコン基板の領域にはBSF層が形成されていてもよい。
以上のように、本発明のペースト組成物を用いることにより、ファイヤースルー性に優れ、かつ、良好なp+層を得ることができるので、太陽電池素子の変換効率をさらに高めることができる。
一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。 もう一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。 さらにもう一つの実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。 別の実施の形態として本発明が適用される太陽電池素子の一般的な断面構造を模式的に示す図である。 本発明の実施例と比較例において作製された電極パターンを示す平面図である。 本発明の実施例と比較例において作製された電極構造の断面を模式的に示す断面図である。
<太陽電池素子>
図1に示すように、一つの実施の形態としてのp型の太陽電池素子100は、たとえば、厚みが180〜250μmのp型のシリコン半導体基板1を用いて構成される。シリコン半導体基板1の受光面側の表面には、厚みが0.3〜0.6μmのn型不純物層としてn+層2と、その上に、たとえば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜(パッシベーション膜)3と、グリッド電極4とが形成されている。
また、シリコン半導体基板1の受光面と反対側の裏面には、たとえば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜(パッシベーション膜)3が形成され、反射防止膜3を貫通するように所定のパターン形状に従ったアルミニウム電極層5が形成されている。アルミニウム電極層5は、本発明のペースト組成物をスクリーン印刷等によって塗布し、乾燥させた後、660℃(アルミニウムの融点)を超える温度にて短時間焼成すること(ファイヤースルー法)によって形成されている。本発明のペースト組成物は、アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、鉛を含まないガラス粉末とを含み、ガラス粉末が、ビスマスを含む第1のガラス粉末と、ビスマスを含まない第2のガラス粉末とからなる。この焼成の際にアルミニウムがシリコン半導体基板1の内部に拡散することにより、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1との間にAl−Si合金層6が形成されると同時に、アルミニウム原子の拡散による不純物層としてp+層(BSF層)7が形成される。このp+層7の存在により、電子の再結合を防止し、生成キャリアの収集効率を向上させるBSF(Back Surface Field)効果が得られる。このようにして、シリコン半導体基板1の裏面側には、アルミニウム電極層5とAl−Si合金層6とからなる裏面電極8が形成されている。このようにして、アルミニウム電極層5に対面するシリコン半導体基板1の領域にはBSF層7が形成されている。
図2に示すように、もう一つの実施の形態としてのp型の太陽電池素子200では、p型のシリコン半導体基板1の表面には、n型不純物層としてn+層2およびローカルn++層21と、その上に反射防止膜3と、ファイヤースルー法によってn++層21の上に銀電極層9とが形成されている。n++層21は形成されていなくてもよい。シリコン半導体基板1の裏面には、p型不純物層としてp+層7およびローカルp++層としてのp++層71と、その上に反射防止膜3と、p++層71の上にアルミニウム電極層5とが形成されている。p++層71とアルミニウム電極層5は、上記の本発明のペースト組成物を用いて、ファイヤースルー法によって形成されている。このようにして、アルミニウム電極層5に対面するシリコン半導体基板1の領域にp++層71が形成されている。
図3に示すように、さらにもう一つの実施の形態としてのn型の太陽電池素子300では、n型のシリコン半導体基板1の裏面には、n型不純物層としてn+層2およびn++層21と、その上に反射防止膜3と、ファイヤースルー法によってn++層21の上に銀電極層9とが形成されている。n++層21は形成されていなくてもよい。シリコン半導体基板1の表面には、p型不純物層としてp+層7およびp++エミッタ層としてのp++層71と、その上に反射防止膜3と、p++層71の上にアルミニウム電極層5とが形成されている。p++層71とアルミニウム電極層5は、上記の本発明のペースト組成物を用いて、ファイヤースルー法によって形成されている。このようにして、アルミニウム電極層5に対面するシリコン半導体基板1の領域にp++層71が形成されている。
図4に示すように、別の実施の形態としてのn型バックコンタクト構造の太陽電池素子400では、n型のシリコン半導体基板1の表面には、n型不純物層としてn+層2と、その上に反射防止膜3とが形成されている。シリコン半導体基板1の表面には、p型不純物層としてp+層7およびローカルp++層としてのp++層71と、その上に反射防止膜3と、p++層71の上にアルミニウム電極層5とが形成されている。p++層71とアルミニウム電極層5は、上記の本発明のペースト組成物を用いて、ファイヤースルー法によって形成されている。このようにして、アルミニウム電極層5に対面するシリコン半導体基板1の領域にp++層71が形成されている。
<ペースト組成物>
本発明のペースト組成物は、上記のアルミニウム電極層5を形成するために反射防止膜(パッシベーション膜)3の上に塗工されるペースト組成物であって、アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、鉛を含まないガラス粉末とを含み、ガラス粉末が、ビスマスを含む第1のガラス粉末と、ビスマスを含まない第2のガラス粉末とからなる。
<アルミニウム粉末>
ペースト組成物に含まれるアルミニウム粉末は、その導電性から電極としての効果を発揮する。また、アルミニウム粉末は、ペースト組成物を焼成した際にシリコン半導体基板1との間にAl‐Si合金層6とp+層7を形成するので、上述のBSF効果または所望のp+層が得られる。
アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の短径に対する長径の比率が1以上1.5以下であることが好ましい。このような形状のアルミニウム粒子を含む粉末を用いることによって、アルミニウム電極層5におけるアルミニウム粒子の充填性が増し、電極としての電気抵抗を効果的に低下させることができる。また、シリコン半導体基板1とアルミニウム粒子との接点が増え、良好なAl‐Si合金層6を形成することができる。
アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の平均粒径は1μm以上10μm以下であることが好ましい。アルミニウム粒子の平均粒径が1μm以上10μm以下の範囲内であれば、良好な分散性を得ることができる。平均粒子径が1μm未満では、アルミニウム粒子同士が凝集するおそれがある。平均粒子径が10μmを越えると、アルミニウム粒子の分散性が悪くなるおそれがある。
<ガラス粉末>
ガラス粉末は、アルミニウム粉末とシリコン半導体基板との反応と、アルミニウム粉末自身の焼結とを助ける作用があるとされている。特に、本発明では、鉛(Pb)を含まないガラス粉末が用いられるので、耐環境性能に優れている。
また、ガラス粉末は、ビスマス(Bi)を含む第1のガラス粉末と、ビスマス(Bi)を含まない第2のガラス粉末とからなる。このように2種類のガラス粉末を組み合わせることにより、ファイヤースルー性に優れ、かつ、良好なp+層を得ることができる。その結果、太陽電池素子の変換効率をさらに高めることができる。
第1のガラス粉末としては、ビスマス(Bi)を主成分とし、ホウ素(B)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)、カリウム(K)、スズ(Sn)、リン(P)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)および、ナトリウム(Na)からなる群より選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。第1のガラス粉末の例としては、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2−Al2O3−Na2O−Li2O―CuO、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2−Al2O3−CuO、Bi2O3-B2O3−SiO2−Na2O−Li2O―CuO、Bi2O3-ZnO-B2O3−Al2O3―CuO、Bi2O3−Al2O3―SnO2−B2O3、Bi2O3-B2O3、Bi2O3−SiO2―SnO2−B2O3、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2、Bi2O3-ZnO-B2O3−BaO、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2−Al2O3、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2−Al2O3−BaO、Bi2O3-ZnO-B2O3−SiO2−Al2O3-ZrO2、Bi2O3−SiO2―Sb2O3-B2O3−Al2O3-ZnO、Bi2O3-ZnO-B2O3等が挙げられる。
第2のガラス粉末としては、ビスマス(Bi)を含まず、ホウ素(B)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)、カリウム(K)、スズ(Sn)、リン(P)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バナジウム(V)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)および、ナトリウム(Na)からなる群より選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
また、ガラス粉末の軟化点は750℃以下であることが好ましい。軟化点が750℃を超えるガラス粉末では、特定のパッシベーション膜を用いた際にパッシベーション膜の性能を著しく損なわせてしまうおそれがある。
さらに、ガラス粉末を構成するガラス粒子の平均粒径は、1μm以上3μm以下であることが好ましい。
なお、本発明のペースト組成物中に含まれるガラス粉末の含有量は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100重量部に対して、第1のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満、第2のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満、含有することが好ましい。第1のガラス粉末または第2のガラス粉末の含有量が0.5重量部未満では、ファイヤースルー性が低下するおそれがある。ガラス粉末の含有量が10重量部以上では、形成されるアルミニウム電極層5の電気抵抗が増加してしまうおそれがある。
<有機ビヒクル>
有機ビヒクルとしては、溶剤に、必要に応じて各種添加剤および樹脂を溶解したものが使用される。溶剤としては公知のものが使用可能であり、具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。各種添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、増粘剤、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、チキソトロピー剤、沈降防止剤等を使用することができる。具体的には、たとえば、ポリエチレングリコールエステル化合物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス等を使用することができる。樹脂としては公知のものが使用可能であり、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニールブチラール、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、イソシアネート化合物、シアネート化合物等の熱硬化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ4フッ化エチレン、シリコン樹脂等の二種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のペースト組成物に含められる有機ビヒクルとして、溶剤に溶解させないで樹脂を用いてもよい。
なお、本発明のペースト組成物中に含まれる有機ビヒクルの含有量は、特に限定されないが、アルミニウム粉末100重量部に対して、10重量部以上30重量部以下であることが好ましい。有機ビヒクルの含有量が10重量部未満、または、30重量部を越えると、ペースト組成物の印刷性が低下するおそれがある。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明に従った太陽電池素子の製造方法は、太陽電池用シリコン基板の表面または裏面に形成されたパッシベーション膜の上に、上述の特徴を有するペースト組成物を塗工する塗工工程と、塗工工程の後に太陽電池用シリコン基板を焼成する焼成工程とを備える。なお、ここでいうパッシベーション膜とは、太陽電池用シリコン基板の表面または裏面に、たとえば、SiN、TiO2、Al2O3、および、SiO2からなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物を含有する層であってもよい。
上記の塗工工程は、ペースト組成物を太陽電池用電極パターンの形状に塗工する工程であってもよい。塗工工程は、一般的には、公知慣用の塗工方法または印刷方法によって上記のペースト組成物をシリコン半導体基板の上に塗工または印刷することにより行われる。塗工方法としては、たとえば、ディップコート、あるいは、公知のロール塗工方法等を挙げることができ、具体的には、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含侵コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート等を挙げることができる。また、印刷方法としては、凹版印刷のように最適粘度領域が比較的低粘度領域にある印刷方法と、スクリーン印刷のように最適粘度領域が比較的高粘度領域にある印刷方法とを挙げることができ、具体的には、孔版印刷方法、凹版印刷方法、平版印刷方法等を挙げることができる。
上記の焼成工程は、ペースト組成物がパッシベーション膜を貫通する温度で太陽電池用シリコン基板を焼成する工程であってもよい。焼成温度は、たとえば、700℃以上950℃以下の温度であることが好ましい。
以下、本発明の実施例と参考例と比較例について説明する。
(ペースト組成物の準備)
実施例1〜6及び8〜9と参考例7及び10と比較例1〜13のペースト組成物を次のようにして準備した。公知のアトマイズ法により製造された、純度が99.7%以上で、アルミニウム粒子の短径に対する長径の比率が1以上1.5以下であるアルミニウム粉末を100重量部に対して、以下の表1に示す種類の第1ガラス粉末と第2ガラス粉末をそれぞれ表1に示す添加量で添加し、さらに有機ビヒクルを20重量部添加し、周知の混合機にて混合した。
なお、表1に示すガラス粉末の種類A〜Eの各々の組成は次に示すとおりである。
A:Bi2O3-ZnO-B2O3−CuO
(モル比率)31.5:24.3:28.6:15.6
B:Bi2O3-ZnO-B2O3
(モル比率)58.9:27.8:13.3
C:ZnO−SiO2−B2O3−BaO−K2O
(モル比率)36.2:10.6:25.1:13.1:15.0
D:SiO2−B2O3−Al2O3−K2O−Na2O
(モル比率)13.7:36.9:12.6:18.6:18.2
E:PbO-SiO2-B2O3−Al2O3
(モル比率)60.0:1.4:23.9:14.7
(アルミニウム電極層の形成)
まず、図6に示すように、片面に厚みが60nmの窒化シリコン(SiN)膜からなるパッシベーション膜3が形成された厚みが180μmのシリコン半導体基板1を準備した。次に、図5に示すように、パッシベーション膜3(図6)が予め形成されたシリコン半導体基板1の上に、上記で得られた実施例1〜10と比較例1〜13の各ペースト組成物を、スクリーン印刷機を用いて、厚みが20μm、幅が500μm、長さが30mmの線状パターン10で、線間隔が1mmとなるように等間隔で塗布した。そして、ペースト組成物が塗布されたシリコン半導体基板1を、100℃の温度で10分間乾燥させた後、ベルト炉にて、空気雰囲気中で焼成した。焼成では、ベルト炉の焼成ゾーンの温度を820℃の温度に設定し、基板の滞留時間(焼成時間)を6〜10秒に設定した。この焼成により、図6に示すようにアルミニウム電極層5が形成された。
以上のようにして実施例1〜6及び8〜9と参考例7及び10と比較例1〜13の焼成基板の試料を作製した。
(コンタクト抵抗の評価)
日置電機株式会社製の抵抗測定器(製品名:mΩ HiTESTER 3540)を用いて、得られた焼成基板の各試料の電気抵抗を測定し、TLM(Transmission line method)法により、アルミニウム電極層5とシリコン半導体基板1とのコンタクト抵抗を算出した。
(ファイヤースルー性:p+層の評価)
また、各試料の断面を光学顕微鏡(200倍)で観察し、シリコン半導体基板1にAl−Si合金層が形成されている割合を算出した。算出されたAl−Si合金層の形成割合からp+層の形成割合を評価した。評価方法としては、ペースト組成物を塗工した位置におけるシリコン半導体基板の界面幅に対する、Al−Si合金層が形成された界面幅の比率を算出することにより、Al−Si合金層の形成割合を評価した。Al−Si合金層の形成割合が75%以上であったものを「◎」、75%未満〜50%以上であったものを「○」、50%未満〜25%以上であったものを「△」、25%未満であったものを「×」とした。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0006188480
表1から、本発明のペースト組成物を用いた実施例1〜6及び8〜9では、アルミニウム電極層5は、シリコン半導体基板1とのコンタクト抵抗が低く、パッシベーション膜3を良好に貫通するように形成されたこと(ファイヤースルー性)と、良好なp+層が形成されたことがわかる。
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
1:シリコン半導体基板、2:n+層、3:反射防止膜(パッシベーション膜)、4:グリッド電極、5:アルミニウム電極層、6:Al‐Si合金層、7:p+層、8:裏面電極、9:銀電極層、21:n++層、71:p++層、100,200,300,400:太陽電池素子。

Claims (7)

  1. 太陽電池用電極を形成するためにパッシベーション膜の上に塗工されるペースト組成物であって、
    アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、鉛を含まないガラス粉末とを含み、
    前記アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の短径に対する長径の比率が、1以上1.5以下であり、
    前記ガラス粉末が、ビスマスを含む第1のガラス粉末と、ビスマスを含まない第2のガラス粉末とからなり、前記アルミニウム粉末100重量部に対して、前記第1のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満、前記第2のガラス粉末を0.5重量部以上10重量部未満含有し、
    前記第1のガラス粉末は、Bi2O3−ZnO−B2O3−CuOを含有する、
    ペースト組成物。
  2. 前記ガラス粉末が、750℃以下の軟化点を有する、請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 前記アルミニウム粉末を構成するアルミニウム粒子の平均粒径が、1μm以上10μm以下である、請求項1又は請求項2に記載のペースト組成物。
  4. 前記アルミニウム粉末100重量部に対して、前記有機ビヒクルを10重量部以上30重量部以下、含有する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のペースト組成物。
  5. 太陽電池用シリコン基板の表面に形成されたパッシベーション膜の上に、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の前記ペースト組成物を塗工する塗工工程と、
    前記塗工工程の後に前記太陽電池用シリコン基板を焼成する焼成工程と、
    を備える、太陽電池素子の製造方法。
  6. 太陽電池用シリコン基板の表面に形成されたパッシベーション膜と、
    前記パッシベーション膜を貫通するように形成された電極と、を備え、
    前記電極は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のペースト組成物を前記パッシベーション膜の上に塗工した後、焼成することにより形成されている、太陽電池素子。
  7. 前記パッシベーション膜が前記太陽電池用シリコン基板の受光面と反対側の裏面に形成され、前記電極に対面する前記太陽電池用シリコン基板の領域にはBSF層が形成されている、請求項6に記載の太陽電池素子。
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