JP6196685B2 - 太陽電池 - Google Patents
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Description
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体において、光電変換層に特定の有機無機ペロブスカイト化合物を用いることを検討した。有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率の向上が期待できる。
しかしながら、有機無機ペロブスカイト化合物を用いた光電変換層を含む積層体を、従来の封止材で封止したところ、封止時に光電変換効率が低下してしまうことがわかった(初期劣化)。
そこで本発明者らは、有機無機ペロブスカイト化合物を用いた光電変換層を含む積層体を、封止材により封止したときの劣化の原因について詳しく検討した。その結果、封止時に、有機無機ペロブスカイト化合物中の有機成分が封止材に溶け込んでしまい、有機無機ペロブスカイト化合物が劣化してしまうことが原因であることを見出した。
本発明者らは、鋭意検討の結果、封止材として脂環式骨格を有する樹脂を用いることにより、封止時に有機無機ペロブスカイト化合物中の有機成分が溶出してしまうのを抑制できることを見出した。
更に、屋外での使用を考慮すると過酷な環境下でも耐えうる太陽電池が求められることから、本発明者は、更に高いレベルの高湿耐久性のために、封止材上を無機層で覆うことを検討した。その結果、本発明者は、脂環式骨格を有する樹脂を含む封止材は、スパッタリング法等により無機層を形成する際に要求されるスパッタリング耐性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記電極及び上記対向電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al2O3混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO2、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記電極及び上記対向電極は、それぞれ陰極になっても、陽極になってもよい。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、グアニジン、ホルムアミジン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CH3NH3)等)、及び、フェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、ホルムアミジン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン及びこれらのイオン、及び、フェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、ホルムアミジン、エチルアミン、プロピルアミン及びこれらのイオンがより好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、及び、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
なお、上記積層体が封止材で封止されていれば、上記積層体の電極側又は対向電極側のいずれが封止材で覆われていてもよい。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いた場合、封止時に上記有機無機ペロブスカイト化合物中の有機成分が上記封止材に溶け込んでしまい、上記有機無機ペロブスカイト化合物が劣化する(初期劣化)。これに対して、本発明の太陽電池においては、上記封止材に脂環式骨格を有する樹脂を用いることにより、上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いていても、封止時に上記有機無機ペロブスカイト化合物中の有機成分の溶出を抑えて、光電変換層が劣化してしまうのを防止することができる。
更に、上記脂環式骨格を有する樹脂は、例えばシリコーン樹脂等のその他の樹脂と比較して水蒸気バリア性が高いため、上記封止材に脂環式骨格を有する樹脂を用いることにより、太陽電池の高湿耐久性をも向上させることができる。更に、上記封止材に脂環式骨格を有する樹脂を用いることにより、経時での分子拡散を抑えることができるため、太陽電池の耐熱耐久性を向上させることができる。更に、上記脂環式骨格を有する樹脂はスパッタリング耐性が高いため、上記封止材上に無機層を直接成膜した際に、白化等の変質が少なく無機層の水蒸気バリア性を高く保持することができる。
また、上記脂環式骨格を有する樹脂は、反応性官能基を有する化合物を製膜した後、上記反応性官能基を架橋剤により架橋反応させた樹脂であってもよい。上記反応性官能基として、例えば、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アルケニル基、アルコキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの反応性官能基は、触媒等を用いて上記反応性官能基の架橋反応を開始させることができる。また、この場合、上記反応性官能基の数を調整することにより、架橋反応に伴う硬化収縮による太陽電池の封止時の劣化(初期劣化)を抑制することができる。
なお、上記脂環式骨格を有する樹脂が脂環式骨格を有するモノマーと脂環式骨格を有さないモノマーとの共重合体である場合、上記共重合体中の脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量は30重量%以上であることが好ましい。上記共重合体中の脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量は30重量%以上とすることにより、太陽電池の封止時の劣化(初期劣化)を充分に抑制することができる。上記共重合体中の脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量は50重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることが更に好ましい。
なお、上記共重合体中の脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量の算出方法としては、原料モノマーの添加重量から計算する方法や、GC−MS等による組成分析結果から算出する方法等がある。
また、Tg≧25℃の場合、主鎖骨格原子数をnとして、n≧3の時は2n、n<3の時は4nをΔvに加えて計算する。
なお、上記封止材は、上記脂環式骨格を有する樹脂を含んでいればよく、更に、脂環式骨格を有さない樹脂を含んでいてもよい。
上記金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物は、水蒸気バリア性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、Si、Al、Zn又はSnの酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましく、Zn又はSnの酸化物、窒化物又は酸窒化物がより好ましく、上記無機層に特に高い水蒸気バリア性及び柔軟性を付与できることから、Zn及びSnの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が更に好ましい。
上記無機層に上記一般式ZnaSnbOcで表される金属酸化物を用いることにより、上記金属酸化物がスズ(Sn)原子を含むため、上記無機層に適度な可撓性を付与することができ、上記無機層の厚みが増した場合であっても応力が小さくなるため、上記無機層、電極、半導体層等の剥離を抑えることができる。これにより、上記無機層の水蒸気バリア性を高め、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。一方、上記金属酸化物が亜鉛(Zn)原子を含むため、上記無機層は特に高いバリア性を発揮することができる。
なお、上記無機層中の上記一般式ZnaSnbOcで表される金属酸化物に含まれる亜鉛(Zn)、スズ(Sn)及び酸素(O)の元素比率は、X線光電子分光(XPS)表面分析装置(例えば、VGサイエンティフィックス社製のESCALAB−200R等)を用いて測定することができる。
上記無機層にケイ素(Si)及び/又はアルミニウム(Al)を添加することにより、上記無機層の透明性を高め、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
なお、上記無機層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE−3000等)を用いて測定することができる。
図2に示す太陽電池1においては、基板6上に電極2と、対向電極3と、この電極2と対向電極3との間に配置された光電変換層4とを有する積層体が、対向電極3上を覆う封止材5で封止されている。ここで封止材5の端部は、基板6に密着することにより閉じている。なお、図2に示す太陽電池1において、対向電極3はパターニングされた電極である。図示はしないが、積層体と封止材5の間、又は、封止材5上に無機層が配置されていてもよい。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記封止材上に原料を堆積して製膜することにより、無機層を形成することができる。
(積層体の作製)
ガラス基板上に、電極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
FTO膜の表面上に、2%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成し、厚み20nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、厚み500nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液として、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH3NH3IとPbI2をモル比1:1で溶かし、CH3NH3IとPbI2の合計重量濃度を20%に調製した。この溶液を電子輸送層上にスピンコート法によって積層して、光電変換層を形成した。
更に、クロロベンゼン25μLにSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsufonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液を調製した。この溶液を光電変換層上にスピンコート法によって300nmの厚みに積層し、ホール輸送層を形成した。
ホール輸送層上に、対向電極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、積層体を得た。
得られた積層体上に、封止材としてのノルボルネン骨格を有する樹脂(TOPAS6013、Polyplastics社製、ノルボルネンモノマーに由来する成分の含有量が77重量%)の10%シクロヘキサン溶液をドクターブレードにより塗布し、有機溶媒を乾燥させて厚み10μmに封止材(封止材全体に占める脂環式骨格(ノルボルネン)の重量は77重量%)を積層した。
得られた積層体をスパッタリング装置の基板ホルダーに取り付け、更に、スパッタリング装置のカソードAにZnSn合金(Zn:Sn=95:5重量%)ターゲットを、カソードBにSiターゲットを取り付けた。スパッタリング装置の成膜室を真空ポンプにより排気し、5.0×10−4Paまで減圧した。その後、スパッタ条件Aに示す条件でスパッタリングし、積層体に無機層としてZnSnO(Si)薄膜を100nm形成し、太陽電池を得た。
<スパッタ条件A>
アルゴンガス流量:50sccm、酸素ガス流量:50sccm
電源出力:カソードA=500W、カソードB=1500W
積層体の作製において、有機無機ペロブスカイト化合物形成用溶液の配合成分を変更することによって表1に示す光電変換層(有機無機ペロブスカイト化合物)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、実施例2では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH3NH3Br、CH3NH3I、PbBr2、PbI2をモル比1:2:1:2で溶かした。実施例3では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH3NH3IとPbCl2をモル比3:1で溶かした。実施例4では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH3NH3BrとPbBr2をモル比1:1で溶かした。実施例5では、N,N−Dimethylformamide(DMF)を溶媒としてCH3(NH3)2IとPbI2をモル比1:1で溶かした。
積層体の封止において、表1に示す封止材厚みに変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
積層体の封止において、表1に示す封止材に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、実施例7では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるアダマンタン骨格を有する液状モノマー(MADM、三菱ガス化学社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、アダマンタン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が100重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(アダマンタン)の重量は60重量%である。
実施例8では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるイソボルネン骨格を有する液状モノマー(ライトエステルIB−X、共栄社化学社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、イソボルネン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が100重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(イソボルネン)の重量は66重量%である。
実施例9では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるジシクロペンタン骨格を有する液状モノマー(DCP、新中村化学工業社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、ジシクロペンタン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が100重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(ジシクロペンタン)の重量は46重量%である。
封止材上に無機層を形成する代わりに積層体上に無機層を形成してから封止材を積層したこと、表1に示す無機層に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、実施例11では、金属ターゲットとして、Siターゲットを用いた。実施例12では、金属ターゲットとして、Snターゲットを用いた。
封止材上に無機層を成膜する方法をスパッタリング法からイオンプレーティング法に変更し、表1に示す無機層に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
積層体の封止において、表1に示す封止材に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、実施例15では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるシクロヘキサン骨格を有する液状モノマー(ライトエステルCH、共栄社化学社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、シクロヘキサン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が100重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(シクロヘキサン骨格)の重量は50重量%である。
実施例16では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるフルオレン骨格を有する液状モノマー(オグソールEA−200、大阪ガスケミカル社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、フルオレン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が100重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(フルオレン)の重量は58重量%である。
封止材上に無機層を成膜しないこと以外は実施例8、16、1と同様にして太陽電池を得た。
積層体の封止において、表1に示す封止材に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。実施例20では積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となるイソボルネン骨格を有する液状モノマー50重量%(ライトエステルIB−X、共栄社化学社製)とエチルヘキシル骨格を有する液状モノマー50重量%(三菱化学社製)を含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。なお、得られた重合体は、イソボルネン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が50重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(イソボルネン)の重量は33重量%である。
積層体の封止において、表1に示す封止材に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。イソボルネン骨格を有する液状モノマー50重量%とエチルヘキシル骨格を有する液状モノマー50重量%の混合比率を、それぞれ30重量%と70重量%に変更したこと以外は実施例20と同様にして、太陽電池を得た。なお、得られた重合体は、イソボルネン骨格を有する液状モノマーに由来する成分の含有量が30重量%であり、封止材全体に占める脂環式骨格(イソボルネン)の重量は20重量%である。
積層体の封止において、表1に示す封止材に変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、比較例1では、ポリビニルアルコール(PVA)(和光純薬工業社製)を用い、PVAの5%水溶液を積層体上に塗布し、水を乾燥させて厚み10μmの封止材を形成した。比較例2では、積層体上に、硬化剤としての4mol%のイミダゾール化合物2MZA(四国化成工業社製)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して硬化させて厚み10μmの封止材を形成した。比較例3では、ポリイソブチレン樹脂(OPPANOL B 50、BASF社製)のシクロヘキサン5%溶液を積層体上に塗布し、有機溶媒を乾燥させて厚み10μmの封止材を形成した。比較例4では、脂環式骨格を有さないシリコーン樹脂を用い、120℃1時間加熱して厚み10μmの封止材を形成した。比較例5では、積層体上に、硬化剤としての4mol%の過酸化物(パークミルD、日油社製)と、封止材となる脂環式骨格を有さない液状モノマー(ラウリルアクリレート、L−A、共栄社化学工業社製)とを含有する混合物を塗布し、120℃1時間加熱して液状モノマーを重合させて厚み10μmの封止材を形成した。
温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン164.1g、メチルビニルジメトキシシラン6.6g、及び、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.7gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、水酸化カリウム2.2gを水35.1gに溶かした溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去し、反応液に酢酸2.4gを加え、減圧下で加熱した。その後、酢酸カリウムをろ過により除去して、ポリマーAを得た。
次に温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた1000mLのセパラブルフラスコに、ジメチルジメトキシシラン80.6g、及び、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン45gを入れ、50℃で攪拌した。その中に、酢酸100gと水27gの溶液をゆっくりと滴下し、滴下後に50℃で6時間攪拌し、反応させて、反応液を得た。次に、減圧して揮発成分を除去してポリマーを得た。得られたポリマーにヘキサン150gと酢酸エチル150gとを添加し、イオン交換水300gで10回洗浄を行い、減圧して揮発成分を除去してポリマーBを得た。
ポリマーA90重量部とポリマーB12重量部と0.2重量%のヒドロシリル化反応触媒(白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体)を混合し、シリコーン樹脂を得た。
積層体の封止と無機層の成膜を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
封止材上に無機層を成膜する方法をスパッタリングからイオンプレーティング変更し、表1に示す無機層に変更したこと以外は比較例3と同様にして、太陽電池を得た。
イソボルネン骨格を有する液状モノマー50重量%とエチルヘキシル骨格を有する液状モノマー50重量%の混合比率を、エチルヘキシル骨格を有する液状モノマー100重量%に変更したこと以外は実施例20と同様にして、太陽電池を得た。
実施例、参考例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。
封止前の積層体の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、初期変換効率とした。
封止直後の太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値を求めた。
○:封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値が0.5以上
×:封止直後の光電変換効率/初期変換効率の値が0.5未満
太陽電池の製造工程において封止材上にスパッタリング法等により無機層を形成する際に、封止材の表面を目視観察した。
◎:変化なし
○:わずかに変化が見られる
×:封止材に白化が見られる
実施例1〜12、比較例4及び6で得られた太陽電池を70%30℃の条件下に24時間置いて高湿耐久試験を行った。高湿耐久試験後の太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、高湿耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値を求めた。
○:高湿耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値が0.5以上
×:高湿耐久試験後の光電変換効率/封止直後の光電変換効率の値が0.5未満
2 電極
3 対向電極(パターニングされた電極)
4 光電変換層
5 封止材
6 基板
Claims (3)
- 電極と、対向電極と、前記電極と前記対向電極との間に配置された光電変換層とを有する積層体と、前記対向電極上を覆って前記積層体を封止する封止材とを有する太陽電池であって、
前記対向電極はパターニングされており、
前記光電変換層は、一般式R−M−X3(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、
前記封止材は、ノルボルネン、アダマンタン、イソボルネン、ジシクロペンタン、シクロヘキサン又はフルオレンの脂環式骨格を有する樹脂を含み、
前記封止材は、前記光電変換層と接しており、
前記封止材上に、無機層を有し、
前記無機層は、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を含み、
前記無機層は、前記封止材上を覆うように、前記封止材上に形成されている
ことを特徴とする太陽電池。 - ノルボルネン、アダマンタン、イソボルネン、ジシクロペンタン、シクロヘキサン又はフルオレンの脂環式骨格を有する樹脂は、ノルボルネン、アダマンタン、イソボルネン、ジシクロペンタン、シクロヘキサン又はフルオレンの脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量が30重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
- ノルボルネン、アダマンタン、イソボルネン、ジシクロペンタン、シクロヘキサン又はフルオレンの脂環式骨格を有する樹脂は、ノルボルネン、アダマンタン、イソボルネン、ジシクロペンタン、シクロヘキサン又はフルオレンの脂環式骨格を有するモノマーに由来する成分の含有量が50重量%以上であることを特徴とする請求項2記載の太陽電池。
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