次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
画像処理方法は、画像消去工程を有し、画像記録工程をさらに有していてもよい。
画像消去工程は、画像が記録されている熱可逆記録媒体にレーザ光を並列に走査して画像を消去する工程である。
このとき、画像消去工程において、レーザ光を並列に走査する領域を、レーザ光を走査する方向に対して、複数の領域に分割し、複数の領域のうち、隣接する領域は、重なりを有する。このため、レーザ光の照射エネルギー密度を増大させずに、熱可逆記録媒体に記録されている画像を短時間で消去することができる。
ここで、レーザ光の照射エネルギー密度[mJ/mm2]は、レーザ光の出力をP[W]、レーザ光の走査速度をV[mm/s]、レーザ光の照射間隔をI[mm]とすると、式
P×1000/(V×I)
で表される。
レーザ光のスポット径に対する隣接する領域の重なり幅の比は、0.20〜1.6であり、0.20〜1.0であることが好ましい。レーザ光のスポット径に対する隣接する領域の重なり幅の比が0.20未満であると、複数の領域の境界部分の画像の消去が不十分になり、1.6を超えると、画像を消去する時間が長くなる。
図1に、画像処理方法の一例を示す。図1は、画像記録領域101に画像が記録されている熱可逆記録媒体100にレーザ光を並列に走査して画像を消去し、隣接するレーザ光を走査する向きが反対である例である。
このとき、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、4個の領域101a、101b、101c及び101dに分割し、隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dは、重なり幅がLである重なりを有する。また、レーザ光を走査する方向は、画像記録領域101の短手方向である。
なお、図中、実線及び点線は、それぞれレーザ光が照射されている状態で走査されている動作(レーザ光描画線)及び隣接するレーザ光描画線間をレーザ光が照射されていない状態で走査されている動作である。
図2に、図1の画像処理方法において、画像記録領域101を分割しない方法を示す。
この場合、レーザ光描画線の折り返し部以外におけるレーザ光の照射エネルギー密度を最適な条件に調整してレーザ光を走査すると、レーザ光描画線の折り返し部におけるレーザ光の照射エネルギー密度は、残存熱の影響を受けるため、過剰になる。
一方、レーザ光描画線の折り返し部におけるレーザ光の照射エネルギー密度を最適な条件に調整してレーザ光を走査すると、レーザ光描画線の折り返し部以外における照射エネルギー密度は、残存熱の影響を受けにくいため、不足する。
ここで、図1の画像処理方法のように、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、分割すると、レーザ光描画線の折り返し部以外における照射エネルギー密度も、残存熱の影響を受けるため、過剰になる。このため、レーザ光の走査速度を高くしたり、レーザ光の照射間隔を大きくしたりすることができ、その結果、画像を消去する時間を短縮することができる。
図3に、画像処理方法の他の例を示す。図3は、画像記録領域101に画像が記録されている熱可逆記録媒体100にレーザ光を並列に走査して画像を消去し、隣接するレーザ光を走査する向きが同一である例である。
このとき、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、4個の領域101a、101b、101c及び101dに分割し、隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dは、重なり幅がLである重なりを有する。また、レーザ光を走査する方向は、画像記録領域101の短手方向である。
なお、図中、実線及び点線は、それぞれレーザ光が照射されている状態で走査されている動作(レーザ光描画線)及び隣接するレーザ光描画線間をレーザ光が照射されていない状態で走査されている動作である。
図4に、図3の画像処理方法において、画像記録領域101を分割しない方法を示す。
この場合、レーザ光描画線の折り返し部以外におけるレーザ光の照射エネルギー密度を最適な条件に調整してレーザ光を走査すると、レーザ光描画線の折り返し部におけるレーザ光の照射エネルギー密度は、残存熱の影響を受けにくいため、過剰にならない。
ここで、図3の画像処理方法のように、画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、分割すると、レーザ光描画線の照射エネルギー密度は、残存熱の影響を受けるため、過剰になる。このため、レーザ光の走査速度を高くしたり、レーザ光の照射間隔を大きくしたりすることができ、その結果、画像を消去する時間を短縮することができる。
図5に、画像処理方法の他の例を示す。図5は、画像記録領域101に画像が記録されている熱可逆記録媒体100にレーザ光を並列に走査して画像を消去し、隣接するレーザ光を走査する向きが同一である例である。
このとき、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、2個の領域101a及び101bに分割し、隣接する領域101a及び101bは、重なり幅がLである重なりを有する。また、レーザ光を走査する方向は、画像記録領域101の短手方向である。
なお、図中、実線及び点線は、それぞれレーザ光が照射されている状態で走査されている動作(レーザ光描画線)及び隣接するレーザ光描画線間をレーザ光が照射されていない状態で走査されている動作である。
図6に、画像処理方法の他の例を示す。図6は、画像記録領域101に画像が記録されている熱可逆記録媒体100にレーザ光を並列に走査して画像を消去し、隣接するレーザ光を走査する向きが同一である例である。
このとき、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、6個の領域101a、101b、101c、101d、101e及び101fに分割し、隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101d、101d及び101e、101e及び101fは、重なり幅がLである重なりを有する。また、レーザ光を走査する方向は、画像記録領域101の短手方向である。
なお、図中、実線及び点線は、それぞれレーザ光が照射されている状態で走査されている動作(レーザ光描画線)及び隣接するレーザ光描画線間をレーザ光が照射されていない状態で走査されている動作である。
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、分割する個数は、通常、2〜100であり、2〜80であることが好ましい。レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、分割する個数が100を超えると、熱可逆記録媒体100に記録されている画像を消去する時間が長くなることがある。
レーザ光のスポット径に対するレーザ光描画線の長さの比は、通常、1.5以上である。レーザ光のスポット径に対するレーザ光描画線の長さの比が1.5未満であると、熱可逆記録媒体100に記録されている画像を消去する時間が長くなることがある。
レーザ光を走査する方向は、画像記録領域101の短手方向であることが好ましい。これにより、熱可逆記録媒体100に記録されている画像を短時間で消去することができる。
なお、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を均等に分割してもよいし、不均等に分割してもよい。
また、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光の走査方向に対して垂直な方向に対して、さらに分割してもよい。
画像を消去する際に照射されるレーザ光の出力は、通常、5W以上であり、7W以上であることが好ましく、10W以上であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光の出力が5W未満であると、画像の消去に時間がかかることがある。また、画像を消去する際に照射されるレーザ光の出力は、通常、200W以下であり、190W以下であることが好ましく、180W以下であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光の出力が200Wを超えると、レーザ装置の大型化を招くことがある。
画像を消去する際に照射されるレーザ光の走査速度は、通常、100mm/s以上であり、200mm/s以上であることが好ましく、300mm/s以上であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光の走査速度が100mm/s未満であると、画像の消去に時間がかかることがある。また、画像を消去する際に照射されるレーザ光の走査速度は、通常、15000mm/s以下であり、10000mm/s以下であることが好ましく、8000mm/s以下であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光の走査速度が15000mm/sを超えると、均一に画像を消去しにくくなることがある。
画像を消去する際に照射されるレーザ光のスポット径は、通常、0.5mm以上であり、1.0mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光のスポット径が0.5mm未満であると、画像の消去に時間がかかることがある。また、画像を消去する際に照射されるレーザ光のスポット径は、通常、14.0mm以下であり、12.0mm以下であることが好ましく、10.0mm以下であることがさらに好ましい。画像を消去する際に照射されるレーザ光のスポット径が14.0mmを超えると、出力が不足して画像の消去不良が発生することがある。
なお、画像が記録されていない熱可逆記録媒体に対して画像消去工程を行ってもよい。
画像記録工程は、画像が消去された後、画像が消去される前又は画像が記録されていない熱可逆記録媒体を加熱することにより画像を記録する工程である。
熱可逆記録媒体を加熱する方法としては、特に限定されないが、レーザ光等を用いる非接触加熱方法、サーマルヘッド等を用いる接触加熱方法等が挙げられる。中でも、物流ラインを想定した場合、熱可逆記録媒体の表面に凹凸が生じていても影響が少なく、離れた位置から記録することが可能であることから、レーザ光を照射する方法が好ましい。
このとき、熱可逆記録媒体の全面に画像を記録してもよいし、熱可逆記録媒体の上下左右に余白部を設けて画像を記録してもよい。
画像を記録する際に照射されるレーザ光の出力は、通常、1W以上であり、3W以上であることが好ましく、5W以上であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光の出力が1W未満であると、画像の記録に時間がかかることがある。また、画像を記録する際に照射されるレーザ光の出力は、通常、200W以下であり、150W以下であることが好ましく、100W以下であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光の出力が200Wを超えると、レーザ装置の大型化を招くことがある。
画像を記録する際に照射されるレーザ光の走査速度は、通常、300mm/s以上であり、500mm/s以上であることが好ましく、700mm/s以上であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光の走査速度が300mm/s未満であると、画像の記録に時間がかかることがある。また、画像を記録する際に照射されるレーザ光の走査速度は、通常、15000mm/s以下であり、10000mm/s以下であることが好ましく、8000mm/s以下であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光の走査速度が15000mm/sを超えると、均一に画像を形成しにくくなることがある。
画像を記録する際に照射されるレーザ光のスポット径は、通常、0.02mm以上であり、0.1mm以上であることが好ましく、0.15mm以上であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光のスポット径が0.02mm未満であると、画像の線幅が細くなり、視認性が低下することがある。また、画像を記録する際に照射されるレーザ光のスポット径は、通常、3.0mm以下であり、2.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがさらに好ましい。画像を記録する際に照射されるレーザ光のスポット径が3.0mmを超えると、画像の線幅が太くなり、隣接する線が重なり、小さい画像を記録しにくくなることがある。
レーザ光の光源としては、特に限定されないが、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザ、CO2レーザ等が挙げられる。中でも、波長選択性が広く、光源自体が小さく、装置の小型化、低価格化が可能である点から、半導体レーザが好ましい。
半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザから照射されるレーザ光の波長は、通常、700nm以上であり、720nm以上であることが好ましく、750nm以上であることがさらに好ましい。画像を記録する際に、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザから照射されるレーザ光の波長が700nm未満の可視光領域であると、熱可逆記録媒体に記録された画像のコントラストが低下したり、熱可逆記録媒体が着色したりすることがある。半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザから照射されるレーザ光の波長が紫外光領域であると、熱可逆記録媒体が劣化しやすくなることがある。また、熱可逆記録媒体に添加する光熱変換材料は、耐久性を確保するために高い分解温度を必要とし、光熱変換材料として、有機色素を用いる場合、分解温度が高く吸収波長が長い光熱変換材料を得るのは難しい。このため、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバレーザから照射されるレーザ光の波長は、通常、2000nm以下であり、1500mm以下であることが好ましく、1200nm以下であることがさらに好ましい。
CO2レーザから照射されるレーザ光の波長は、遠赤外領域の10.6μmであり、レーザ光を吸収して発熱させるための添加物を添加しなくても、熱可逆記録媒体の表面でレーザ光を吸収する。また、添加物は、近赤外領域の波長を有するレーザ光を用いても、若干ではあるが、可視光も吸収することがあるため、添加物が不要となるCO2レーザは、熱可逆記録媒体に記録された画像のコントラストの低下を抑制することができる。
図4に、画像処理装置の一例を示す。
画像処理装置は、レーザ発振器1、ビームエキスパンダ2、スキャンニングユニット5から構成されている発振器ユニットを有する。
レーザ発振器1は、レーザ媒質の両側にミラーを配置し、レーザ媒質をポンピングし、励起状態の原子数を増やし反転分布を形成して誘導放出させる。その結果、光軸方向の光のみが選択的に増幅されることにより、光の指向性が高まり、出力ミラーからレーザ光が放出される。
スキャンニングユニット5は、ガルバノメータ4と、ガルバノメータ4に取り付けられたミラー4Aから構成されている。そして、レーザ発振器1から出力されたレーザ光を、ガルバノメータ4に取り付けられたX軸方向とY軸方向との2枚のミラー4Aで回転走査することにより、熱可逆記録媒体100に、画像を記録又は消去する。
画像処理装置は、レーザ媒質を励起する光源の駆動電源、ガルバノメータの駆動電源、ペルチェ素子等の冷却用電源、各ユニットを制御する制御部から構成されている電源制御ユニットを有する。
画像処理装置は、タッチパネル入力、キーボード入力により、画像を記録又は消去するために、レーザ光の強さ、レーザ走査の速度等の条件を入力し、画像を作成及び編集するプログラムユニットを有する。
なお、画像処理装置は、熱可逆記録媒体100を搬送する搬送ユニット、タッチパネル等をさらに有する。
熱可逆記録媒体100は、支持体上に、熱可逆記録層が形成されており、必要に応じて、光熱変換層、酸素遮断層、紫外線吸収層、中間層、保護層、アンダー層、バック層、接着層、粘着層、着色層、空気層、光反射層等がさらに形成されている。
なお、これらの各層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
また、光熱変換材料を添加する場合は、熱可逆記録層又は光熱変換層に添加されるが、記録感度の点から、熱可逆記録層に添加されることが好ましい。
光熱変換材料は、無機系材料と有機系材料に大別できる。
無機系材料としては、特に限定されないが、カーボンブラック、Ge、Bi、In、Te、Se、Cr等の金属又は半金属、金属又は半金属を含む合金、金属ホウ化物、金属酸化物が挙げられる。
金属ホウ化物及び金属酸化物としては、六ホウ化物、酸化タングステン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモン酸亜鉛等が挙げられる。中でも、可視領域に吸収が少ないことから、六ホウ化物、酸化タングステンが好ましい。
有機系材料としては、特に限定されないが、光源として半導体レーザを用いる場合には、700〜1500nmの波長領域に吸収ピークを有する近赤外吸収色素が用いられる。
近赤外吸収色素としては、シアニン色素、キノン系色素、インドナフトールのキノリン誘導体、フェニレンジアミン系ニッケル錯体、フタロシアニン系化合物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、耐熱性に優れる点から、フタロシアニン系化合物が好ましい。
図8に、熱可逆記録媒体の層構成の第一の例を示す。
熱可逆記録媒体100Aは、支持体110上に、熱可逆記録層120が形成されている。
図9に、熱可逆記録媒体の層構成の第二の例を示す。
熱可逆記録媒体100Bは、支持体110上に、熱可逆記録層120及び光熱変換層130が順次積層されている。
なお、熱可逆記録層120及び光熱変換層130を積層する順序は逆であってもよい。
図10に、熱可逆記録媒体の層構成の第三の例を示す。
熱可逆記録媒体100Cは、支持体110上に、熱可逆記録層120A、光熱変換層130及び熱可逆記録層120Bが順次積層されている。
支持体110の形状としては、特に限定されないが、平板状等が挙げられる。
支持体110の構造は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
支持体110を構成する材料としては、特に限定されないが、ガラス、石英、シリコン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、金属等の無機材料、紙、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、合成紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等の有機材料が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、有機材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体110は、表面改質されていることが好ましい。これにより、塗布層の接着性を向上させることができる。
表面改質処理としては、特に限定されないが、コロナ放電処理、酸化反応処理(例えば、クロム酸処理)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等が挙げられる。
支持体110は、酸化チタン等の白色顔料を含むことが好ましい。
支持体110の平均厚さは、通常、10μm〜2mmであり、20μm〜1mmであることが好ましい。
なお、支持体110を省略することもできる。
熱可逆記録層120は、温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する材料を含む。
温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する材料は、温度変化により、目に見える変化を可逆的に生じる現象を発現することが可能な材料であり、加熱温度及び加熱後の冷却速度の違いにより、相対的に発色した状態と消色した状態に変化することが可能である。この場合、目に見える変化は、色の状態の変化と形状の変化に分けられる。色の状態の変化は、例えば、透過率、反射率、吸収波長、散乱度等の変化に起因し、熱可逆記録媒体は、実際には、これらの変化の組み合わせにより色の状態が変化する。
温度に依存して透明度及び色調のいずれかが可逆的に変化する材料としては、特に限定されないが、第一の特定温度で透明状態となり、第二の特定温度で白濁状態となる材料(特開昭55−154198号公報参照)、第二の特定温度で発色し、第一の特定温度で消色する材料(特開平4−224996号公報、特開平4−247985号公報、特開平4−267190号公報等参照)、第一の特定温度で白濁状態となり、第二の特定温度で透明状態となる材料(特開平3−169590号公報参照)、第一の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第二の特定温度で消色する材料(特開平2−188293号、特開平2−188294号公報等参照)等が挙げられる。中でも、透明状態と発色状態とを可逆的に示し、コントラストが高い画像を記録できる点で、ロイコ染料と顕色剤を用いることが好ましい。
ロイコ染料は、無色又は淡色の染料前駆体である。
ロイコ染料としては、特に限定されないが、トリフェニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、チオフェルオラン系、キサンテン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンアニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、発消色特性、色彩、保存性に優れる点で、フルオラン系又はフタリド系のロイコ染料が好ましい。
顕色剤としては、熱を因子として可逆的に発消色させることが可能であれば、特に限定されないが、ロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造(例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基)及び分子間の凝集力を制御する構造(例えば、長鎖炭化水素基)を1個以上有する化合物が挙げられる。
ロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造は、フェノール性水酸基であることが好ましい。
長鎖炭化水素基の炭素数は、通常、8以上であり、11以上であることが好ましい。また、長鎖炭化水素基の炭素数は、通常、40以下であり、30以下であることが好ましい。
なお、ロイコ染料を発色させる顕色能を有する構造及び分子間の凝集力を制御する構造は、ヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介して、連結されていてもよい。また、長鎖炭化水素基中に、同様の連結基及び/又は芳香族基により置換されていてもよい。
顕色剤は、一般式
(式中、R
1は、単結合又は炭素数が1〜24の2価の脂肪族炭化水素基であり、R
2は、置換基を有していてもよい炭素数が2以上の2価の脂肪族炭化水素基であり、R
3は、炭素数が1〜35の1価の脂肪族炭化水素基であり、X及びYは、それぞれ独立に、N原子又はO原子を含む2価の基であり、nは0又は1である。)
で表される化合物であることが好ましく、一般式
R2の炭素数は、5以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましい。
R3の炭素数は、6以上であることが好ましく、8以上であることがさらに好ましい。
R1、R2及びR3の炭素数の和は、通常、8以上であり、11以上であることが好ましい。また、R1、R2及びR3の炭素数の和は、通常、40以下であり、35以下であることが好ましい。R1、R2及びR3の炭素数の和が8未満であると、発色の安定性及び消色性が低下することがある。
脂肪族炭化水素基は、直鎖であってもよいし、分枝鎖であってもよく、不飽和結合を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
置換基としては、特に限定されないが、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
N原子又はO原子を含む2価の基としては、特に限定されないが、酸素原子、アミド結合(−NHCO−)、尿素結合(−HNCONH−)、化学式
−COHN−NHCO−
で表される基、化学式
−HNCO−CONH−
で表される基、化学式
−HNCONHCO−
で表される基等が挙げられる。中でも、アミド結合、尿素結合が好ましい。
なお、顕色剤は、熱可逆記録層120中に、粒子状に分散して存在している。
熱可逆記録層120は、消色促進剤をさらに含むことが好ましい。
消色促進剤としては、アミド結合(−NHCO−)及び/又は化学式
−OCONH−
で表される基を1個以上有していれば、特に限定されない。
消色促進剤は、消色状態を形成する過程において、顕色剤との間に、分子間相互作用が誘起され、発消色特性を向上させることができる。
熱可逆記録層120は、塗布特性及び発消色特性を向上させるために、添加剤をさらに含んでいてもよい。
添加剤としては、特に限定されないが、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤等が挙げられる。
熱可逆記録層120は、バインダー樹脂をさらに含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、繰り返し時の耐久性を向上させるため、架橋剤により硬化することが可能な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が好ましく、架橋剤により硬化することが可能な熱可塑性樹脂が特に好ましい。
架橋剤により硬化することが可能な熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、架橋剤と反応することが可能な基を有していれば、特に限定されないが、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。中でも、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールが好ましい。
ロイコ染料に対するバインダー樹脂の質量比は、通常、0.1〜10である。ロイコ染料に対するバインダー樹脂の質量比が0.1未満であると、熱可逆記録層120の熱強度が低下することがあり、10を超えると、発色濃度が低下することがある。
架橋剤としては、特に限定されないが、イソシアネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エポキシ化合物等が挙げられる。でも、イソシアネート類が好ましく、イソシアネート基を複数有するポリイソシアネートが特に好ましい。
熱可塑性樹脂が有する架橋剤と反応することが可能な基に対する架橋剤が有する活性基のモル比は、通常、0.01〜2である。熱可塑性樹脂が有する架橋剤と反応することが可能な基に対する架橋剤が有する活性基のモル比が0.01未満であると、熱可逆記録層120の熱強度が低下することがあり、2を超えると、発消色特性が低下することがある。
架橋剤は、架橋反応の触媒と併用してもよい。
熱可逆記録層120のゲル分率は、通常、30%以上であり、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。熱可逆記録層120のゲル分率が30%未満であると、熱可逆記録媒体100の耐久性が低下することがある。
熱可逆記録層120を形成する方法としては、特に限定されないが、バインダー樹脂、ロイコ染料及び顕色剤を含む組成物が溶媒中に溶解又は分散している塗布液を支持体上に塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
溶媒としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
塗布液の調製方法としては、特に限定されないが、組成物を溶媒中に溶解又は分散させる方法、バインダー樹脂を溶媒中に溶解させた後、バインダー樹脂以外の材料を溶解又は分散させる方法等が挙げられる。
塗布液は、消泡剤、スリップ剤、防腐剤、架橋剤、可塑剤等をさらに含んでいてもよい。
塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、エアナイフ塗布法、ビード塗布法、カーテン塗布法、グラビア塗布法、キス塗布法、リバースロール塗布法、ディップ塗布法、ダイ塗布法等が挙げられる。
熱可逆記録層120の平均厚さは、通常、1〜20μmであり、3〜18μmであることが好ましい。熱可逆記録層の平均厚さが1μm未満であると、発色濃度が低下することがあり、20μmを超えると、発色温度に達せず、発色しない部分が発生することがある。
光熱変換層130は、光熱変換材料を含み、熱可逆記録層120の片面又は両面に形成される。
光熱変換層130中の光熱変換材料の含有量は、通常、0.005〜20g/m2であり、0.01〜10g/m2であることが好ましい。
光熱変換層130は、バインダー樹脂をさらに含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、熱可逆記録層120のバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。中でも、耐久性を向上させるため、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が好ましく、架橋剤により硬化することが可能な熱硬化性樹脂が好ましい。
光熱変換層130の平均厚さは、通常、0.1〜20μmである。
熱可逆記録層120と光熱変換層130の間に、バリア層を形成してもよい。
バリア層は、バインダー樹脂を含む。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130上に、酸素遮断層をさらに形成してもよい。これにより、熱可逆記録層120や光熱変換層130に酸素が進入することを防ぐことにより、熱可逆記録層120中のロイコ染料の光劣化を防止することができると共に、繰り返し高温に加熱されることによる光熱変換材料の酸化を防止することができる。
酸素遮断層の25℃、80%RHにおける酸素透過度は、通常、0.5mL/(m2・24hr・atm)以下であり、0.1mL/(m2・24hr・atm)以下であることが好ましく、0.05mL/(m2・24hr・atm)以下であることがさらに好ましい。酸素遮断層の25℃、80%RHにおける酸素透過度が0.5mL/(m2・24hr・atm)を超えると、十分に酸素を遮断することができなくなることがある。
なお、酸素透過度は、JIS K7126B法(等圧法)、ATSMD3985に準じた測定方法により測定することができる。
酸素遮断層としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等の水溶性樹脂フィルム、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の蒸着層、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等の樹脂フィルム上に、シリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ等の無機酸化物の蒸着層が形成されている無機蒸着フィルム等が挙げられる。中でも、無機蒸着フィルムが好ましい。無機蒸着フィルムにおける無機酸化物は、安価で、酸素遮断性が高く、温度や湿度に対する影響が少ないことから、シリカであることが好ましい。また、無機蒸着フィルムにおける樹脂フィルムは、蒸着適性、酸素遮断性の安定性、耐熱性の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130と、酸素遮断層の間には、紫外線吸収層、中間層、保護層、接着層、粘着層等がさらに形成されていてもよい。
支持体110と、熱可逆記録層120又は光熱変換層130の間、又は、支持体110の熱可逆記録層120が形成されていない側の面上に、酸素遮断層がさらに形成されていることが好ましい。これにより、効果的に酸素を遮断することができる。
なお、熱可逆記録層120の上下に形成される酸素遮断層は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(水溶性)樹脂フィルムの形成方法としては、特に限定されないが、コーティング法、ラミネート法等が挙げられる。
無機酸化物の蒸着方法としては、特に限定されないが、PVD法、CVD法等が挙げられる。
酸素遮断層の平均厚さは、通常、0.005〜1000μmであり、0.007〜500μmであることが好ましい。酸素遮断層の平均厚さが1000μmを超えると、透明性が低下したり、記録感度が低下したりすることがある。
無機酸化物の蒸着層の平均厚さは、通常、5〜100nmであり、7〜80nmであることが好ましい。無機酸化物の蒸着層の平均厚さが5nm未満であると、酸素の遮断が不十分になることがあり、100nmを超えると、透明性が低下したり、着色したりすることがある。
酸素遮断層と下層の間に、接着層又は粘着層がさらに形成されていてもよい。
接着層又は粘着層の形成方法としては、特に限定されないが、コーティング法、ラミネート法等が挙げられる。
接着層又は粘着層の平均厚さは、通常、0.1〜20μmである。
接着層又は粘着層を構成する材料としては、特に限定されないが、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
接着層又は粘着層は、架橋剤により架橋していてもよいし、ホットメルトタイプであってもよい。
無機蒸着フィルムは、2層以上積層されていてもよい。これにより、酸素遮断性を向上させることができる。
無機蒸着フィルムを積層する方法としては、特に限定されないが、接着層又は粘着層を用いて貼り合せる方法等が挙げられる。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130上に、保護層がさらに形成されていてもよい。
保護層は、表面に形成されていることが好ましい。
保護層は、バインダー樹脂を含み、離型剤、フィラー等をさらに含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂を用いると、硬い保護層を形成することができ、表面の物理的な接触によるダメージ、レーザ加熱による熱可逆記録媒体の変形を抑止することができるため、耐久性を向上させることができる。
また、熱硬化性樹脂を用いると、紫外線硬化性樹脂を用いる場合と比較すると、やや劣るが、耐久性を向上させることができる。
紫外線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマー、単官能又は多官能のアクリレート、単官能又は多官能のメタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。中でも、4官能以上の多官能のモノマー又はオリゴマーが好ましい。
このとき、紫外線硬化性樹脂を二種以上併用することにより、保護層の硬さ、収縮度、柔軟性、塗膜強度を調節することができる。
なお、紫外線硬化性樹脂を硬化させるためには、光重合開始剤、光重合促進剤を用いる必要がある。
紫外線硬化性樹脂に対する光重合開始剤又は光重合促進剤の質量比は、通常、0.1〜20%であり、1〜10%であることが好ましい。
紫外線硬化樹脂を硬化させる方法としては、特に限定されないが、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射する方法等が挙げられる。
紫外線照射装置は、光源、灯具、電源、冷却装置、搬送装置等を有する。
光源としては、特に限定されないが、水銀ランプ、メタルハライドランプ、カリウムランプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、熱可逆記録層120の熱硬化性樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の架橋剤と反応することが可能な基を有することが好ましく、水酸基を有することがさらに好ましい。
架橋剤としては、熱可逆記録層120の架橋剤と同様の架橋剤を用いることができる。
離型剤としては、搬送性を良好にするため、重合性基を有するシリコーン樹脂、シリコーン樹脂がグラフトされている樹脂、ワックス、ステアリン酸亜鉛、シリコーンオイル等が挙げられる。
バインダー樹脂に対する離型剤の質量比は、通常、0.01〜50%であり、0.1〜40%であることが好ましい。
保護層は、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤等をさらに含んでいてもよい。
保護層の形成方法としては、熱可逆記録層120の形成方法と同様の方法を用いることができる。
保護層の平均厚さは、通常、0.1〜20μmであり、0.5〜10μmであることが好ましく、1.5〜6μmであることがさらに好ましい。保護層の平均厚さが0.1μm未満であると、熱可逆記録媒体100の耐久性が低下することがあり、20μmを超えると、熱可逆記録媒体100の発消色特性が低下することがある。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130上に、紫外線吸収層がさらに形成されていることが好ましい。これにより、熱可逆記録層120中の樹脂成分の紫外線による劣化、ロイコ染料の紫外線による着色及び光劣化による消え残りを防止することができる。
紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含み、バインダー樹脂、フィラー、滑剤等をさらに含んでいてもよい。
紫外線吸収剤としては、有機系化合物及び無機系化合物のいずれを用いてもよい。
有機系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系、ケイ皮酸系等の紫外線吸収剤が挙げられる。中でも、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましく、水酸基が隣接する嵩高い基により保護されている紫外線吸収剤がさらに好ましい。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[6−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール])等が挙げられる。
また、長期に亘って使用する場合、紫外線吸収剤の凝集やブリーディングを防止するために、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の共重合した高分子に紫外線吸収構造をペンダントしてもよいし、タルク等の無機材料の表面を有機系紫外線吸収剤で被覆した後、ジメチコンで表面処理してもよい。
紫外線吸収層中の有機系紫外線吸収剤の含有量は、通常、1〜95質量%である。
無機系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化トリウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等の金属酸化物又はこれらの複合酸化物、硫化亜鉛、硫酸バリウム等の金属硫化物又は硫酸化合物、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタルカーバイド等の金属炭化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウム等の金属窒化物等が挙げられる。中でも、金属酸化物又はこれらの複合酸化物が好ましく、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ビスマスがさらに好ましい。
無機系紫外線吸収剤の平均粒径は、通常、100nm以下である。
無機系紫外線吸収剤は、シリコーン、ワックス、有機シラン、シリカ等により、表面が処理されていてもよい。
紫外線吸収層中の無機系紫外線吸収剤の含有量は、通常、1〜95体積%である。
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、熱可逆記録層120のバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。
紫外線吸収層の平均厚さは、通常、0.1〜30μmであり、0.5〜20μmであることが好ましい。
紫外線吸収層の形成方法としては、熱可逆記録層120の形成方法と同様の方法を用いることができる。
なお、紫外線吸収剤を熱可逆記録層120に添加してもよい。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130上に、中間層がさらに形成されていてもよい。これにより、熱可逆記録層120又は光熱変換層130と、酸素遮断層の接着性を向上させると共に、熱可逆記録層120又は光熱変換層130の表面を平滑化することができる。
中間層は、バインダー樹脂を含み、フィラー、滑剤等をさらに含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、熱可逆記録層のバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
中間層は、紫外線吸収層と同様の紫外線吸収剤をさらに含んでいてもよい。
中間層の平均厚さは、通常、0.1〜20μmであり、0.5〜10μmであることが好ましい。
中間層の形成方法としては、熱可逆記録層の形成方法と同様の方法を用いることができる。
熱可逆記録層120又は光熱変換層130と、支持体110の間に、アンダー層がさらに形成されていてもよい。これにより、発熱した熱を有効に利用して高感度化すると共に、支持体110と、熱可逆記録層120又は光熱変換層130の接着性を改善し、支持体110への熱可逆記録層120又は光熱変換層130の材料の浸透を防止することができる。
アンダー層は、中空粒子を含み、バインダー樹脂等をさらに含んでいてもよい。
中空粒子としては、中空部が粒子内に一つ存在する単一中空粒子、中空部が粒子内に多数存在する多中空粒子等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
中空粒子を構成する材料としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
中空粒子の市販品としては、マイクロスフェアーR−300(松本油脂社製)、ローペイクHP1055、ローペイクHP433J(以上、日本ゼオン社製)、SX866(JSR社製)等が挙げられる。
アンダー層中の中空粒子の含有量は、通常、10〜80質量%である。
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、熱可逆記録層のバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
アンダー層は、フィラー、滑剤、界面活性剤、分散剤等をさらに含んでいてもよい。
フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラーのいずれを用いてもよいが、無機フィラーを用いることが好ましい。
無機フィラーを構成する材料としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク等が挙げられる。
アンダー層の平均厚さは、通常、1〜80μmであり、4〜70μmであることが好ましく、12〜60μmであることがさらに好ましい。
支持体110の熱可逆記録層120が形成されていない側に、バック層がさらに形成されていてもよい。これにより、熱可逆記録媒体100のカール及び帯電を防止すると共に、搬送性を向上させることができる。
バック層は、バインダー樹脂を含み、フィラー、導電性フィラー、滑剤等をさらに含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が好ましい。 バインダー樹脂としては、熱可逆記録層120のバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
支持体110の熱可逆記録層120が形成されていない側に、接着層又は粘着層をさらに形成して、熱可逆記録ラベルとしてもよい。これにより、熱可逆記録層120の塗布による形成が困難な磁気ストライプ付き塩ビカード等の厚手の基板の全面又は一部に、熱可逆記録ラベルを貼ることができる。その結果、磁気に記憶された情報の一部を表示することができ、利便性が向上する。熱可逆記録ラベルは、ICカード、光カード等の厚手カードにも適用することができる。
接着層又は粘着層を構成する材料としては、特に限定されないが、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
接着層又は粘着層は、架橋剤により架橋してもよいし、ホットメルトタイプであってもよい。
熱可逆記録ラベルは、粘着層又は接着層上に、剥離紙を付ける剥離紙タイプであってもよいし、粘着層又は接着層上に、剥離紙を付けない無剥離紙タイプであってもよい。
支持体110と熱可逆記録層120の間に、着色層がさらに形成されていてもよい。これにより、視認性を向上させることができる。
着色層は、着色剤及びバインダー樹脂を含む。
着色層の形成方法としては、特に限定されないが、着色剤及びバインダー樹脂を含む組成物が溶媒中に溶解又は分散している塗布液を塗布した後、乾燥させる方法、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色シートを貼り合わせる方法等が挙げられる。
熱可逆記録媒体100は、熱非可逆記録層がさらに形成されていてもよい。この場合、熱非可逆記録層の発色色調は、熱可逆記録層120の発色色調と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
熱可逆記録媒体100の熱可逆記録層120が形成されている側の一部若しくは全面又は熱可逆記録媒体100の熱可逆記録層120が形成されていない側の一部に、オフセット印刷、グラビア印刷等の印刷又はインクジェットプリンタ、熱転写プリンタ、昇華型プリンタ等により、絵柄等がさらに形成されていてもよい。このとき、絵柄上の一部又は全面に、硬化性樹脂を含むOPニス層がさらに形成されていてもよい。
なお、各層のいずれかに、染料及び/又は顔料を添加して着色してもよい。
熱可逆記録媒体100は、セキュリティを向上させるために、ホログラムが設けられていてもよい。また、熱可逆記録媒体100は、意匠性を付与するために、レリーフ状、インタリヨ状に凹凸を形成することにより、人物像、社章、シンボルマーク等のデザインが設けられていてもよい。
熱可逆記録媒体100の形状としては、特に限定されないが、カード状、タグ状、ラベル状、シート状、ロール状等が挙げられる。
カード状の熱可逆記録媒体100としては、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカード等が挙げられる。
カードサイズよりも小さいタグ状の熱可逆記録媒体100としては、値札等が挙げられる。一方、カードサイズよりも大きいタグ状の熱可逆記録媒体100としては、工程管理書、出荷指示書、チケット等が挙げられる。
ラベル状の熱可逆記録媒体100は、様々な大きさに加工された後、台車、容器、箱、コンテナ等に貼り付けられて、工程管理、物品管理等に使用することができる。
シート状の熱可逆記録媒体100としては、一般文書、工程管理用の指示書等が挙げられる。
画像処理方法及び画像処理装置は、ダンボール、プラスチックコンテナ等の容器に貼付したラベル等の熱可逆記録媒体に対して、高速で繰り返し画像の記録及び消去が可能であるため、物流・配送システムに適用することができる。この場合、例えば、ベルトコンベアに載せたダンボールやプラスチックコンテナを移動させながら、ラベルに画像を記録及び消去することができ、ラインの停止が不要な点で、出荷時間の短縮を図ることができる。また、ラベルが貼付されたダンボールやプラスチックコンテナは、ラベルを剥がすことなく、そのままの状態で再利用し、再度、画像の消去及び記録が可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
(熱可逆記録媒体1の作製)
支持体として、平均厚さが125μmの白ポリエステルフィルムのテトロン(登録商標)フィルムU2L98W(帝人デュポン社製)を用いた。
スチレン−ブタジエン系共重合体PA−9159(日本エイアンドエル社製)30部、ポリビニルアルコールのポバールPVA103(クラレ社製)12部、中空粒子マイクロスフェアーR−300(松本油脂社製)20部及び水40部を1時間撹拌して、アンダー層用塗布液を得た。
支持体上に、ワイヤーバーを用いてアンダー層用塗布液を塗布した後、80℃で2分間乾燥させて、平均厚さが20μmのアンダー層を形成した。
化学式
で表される消色促進剤1部、水酸基価が200mgKOH/gのアクリルポリオールの50質量%溶液10部及びメチルエチルケトン80部を、ボールミルを用いて平均粒径が約1μmになるまで分散させた。次に、ロイコ染料2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン1部、光熱変換材料LaB
6の1.85質量%分散液KHF−7A(住友金属鉱山社製)1.2部及びイソシアネートのコロネートHL(日本ポリウレタン社製)5部を加えた後、撹拌して、熱可逆記録層用塗布液を得た。
アンダー層上に、ワイヤーバーを用いて熱可逆記録層用塗布液を塗布した後、100℃で2分間乾燥させ、60℃で24時間硬化して、平均厚さが10μmの熱可逆記録層を形成した。
紫外線吸収ポリマーの40質量%溶液UV−G302(日本触媒社製)10部、イソシアネートのコロネートHL(日本ポリウレタン社製)1部及びメチルエチルケトン12部を攪拌して、紫外線吸収層用塗布液を得た。
熱可逆記録層上に、ワイヤーバーを用いて紫外線吸収層用塗布液を塗布した後、90℃で1分間乾燥させ、60℃で24時間架橋させて、平均厚さが10μmの紫外線吸収層を形成した。
ウレタン系接着剤TM−567(東洋モートン社製)5部、イソシアネートCAT−RT−37(東洋モートン社製)0.5部及び酢酸エチル5部を攪拌して、接着層用塗布液を得た。次に、酸素透過度が15mL/m2/day/MPaのシリカ蒸着PETフィルムIB−PET−C(大日本印刷社製)上に、ワイヤーバーを用いて接着層用塗布液を塗布した後、80℃で1分間乾燥させ、接着層を形成した。さらに、接着層が形成されたシリカ蒸着PETフィルムを、紫外線吸収層上に貼り合わせた後、50℃で24時間加熱し、平均厚さが12μmの第1の酸素遮断層を形成した。
接着層が形成されたシリカ蒸着PETフィルムを支持体の熱可逆記録層が形成されていない側の面上に貼り合わせた以外は、第1の酸素遮断層と同様にして、平均厚さが12μmの第2の酸素遮断層を形成した。
ペンタエリスルトールヘキサアクリレートKAYARAD DPHA(日本化薬社製)3部、ウレタンアクリレートオリゴマーのアートレジンUN−3320HA(根上工業社製)3部、ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステルKAYARAD DPCA−120(日本化薬社製)3部、シリカP−526(水澤化学工業社製)1部、光重合開始剤イルガキュア184(日本チバガイギー社製)0.5部及びイソプロピルアルコール11部を、ボールミルを用いて平均粒径が約3μmになるまで分散させ、保護層用塗布液を得た。
第1の酸素遮断層上に、ワイヤーバーを用いて保護層用塗布液を塗布した後、90℃で1分間乾燥させ、80W/cmの紫外線ランプを用いて、紫外線を照射して架橋させて、平均厚さが4μmの保護層を形成した。
ペンタエリスリトールヘキサアクリレートKAYARAD DPHA(日本化薬社製)7.5部、ウレタンアクリレートオリゴマーのアートレジンUN−3320HA(根上工業社製)2.5部、光重合開始剤イルガキュア184(日本チバガイギー社製)0.5部及びイソプロピルアルコール13部を、ボールミルを用いて攪拌して、バック層用塗布液を得た。
第1の酸素遮断層上に、ワイヤーバーを用いてバック層塗布液を塗布した後、90℃で1分間乾燥させ、80W/cmの紫外線ランプを照射して架橋させて、平均厚さが4μmのバック層を形成した。
縦45mm、横55mmのサイズにカットし、熱可逆記録媒体1を得た。
(熱可逆記録媒体2の作製)
光熱変換材料LaB6の1.85質量%分散液KHF−7A(住友金属鉱山社製)を添加しなかった以外は、熱可逆記録媒体1と同様にして、熱可逆記録層用塗布液を得た。
アクリルポリオール樹脂の50質量%溶液LR327(三菱レーヨン社製)6部、光熱変換材料LaB6の1.85質量%分散液KHF−7A(住友金属鉱山社製)1.25部、イソシアネートのコロネートHL(日本ポリウレタン社製)2.4部及びメチルエチルケトン14部を攪拌して、光熱変換層用塗布液を得た。
得られた熱可逆記録層用塗布液を用いると共に、熱可逆記録層上に、光熱変換層用塗布液を塗布して光熱変換層をさらに形成した以外は、熱可逆記録媒体1と同様にして、熱可逆記録媒体2を得た。
このとき、熱可逆記録層上に、ワイヤーバーを用いて光熱変換層用塗布液を塗布した後、90℃で1分間乾燥させ、60℃で2時間架橋させて、平均厚さが3μmの光熱変換層を形成した。
(実施例1−1)
半導体レーザマーカーLDM200シリーズ(リコー社製)を用いて、出力18W、照射距離150mm、スポット径0.5mm、走査速度3000mm/sの条件で、熱可逆記録媒体1の上下左右にそれぞれ2.5mmの余白を設けて、40mm×50mmの画像記録領域に中心波長が980nmのレーザ光を照射して、ベタ画像を記録した。
次に、出力24W、照射距離190mm、スポット径3.0mm、走査速度1900mm/sの条件で、ベタ画像が記録されている熱可逆記録媒体1にレーザ光を並列に走査してベタ画像を消去した。具体的には、レーザ光を走査する方向を画像記録領域101の短手方向とし、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を、レーザ光を走査する方向に対して、均等に2個の領域101a及び101bに分割して画像を消去した(図5参照)。このとき、レーザ光の描画線の長さを20.3mm、即ち、隣接する領域101a及び101bの重なり幅Lを0.6mmとした。また、レーザ光の照射間隔を0.2〜0.4mmとし、隣接するレーザ光を走査する向きを同一とした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.25mmであり、ベタ画像を消去する時間は5.3秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(ベタ画像の残量)
まず、ベタ画像を形成する前の画像記録領域の地肌濃度及びベタ画像を消去した後の画像記録領域の濃度を、X−Rite939(X−Rite社製)を用いて測定し、式
(ベタ画像を消去した後の画像記録領域の濃度)−(画像記録領域の地肌濃度)
により、ベタ画像の残量を求めた。
(実施例1−2)
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を4個の領域101a、101b、101c及び101dに分割した以外は、実施例1−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した(図3参照)。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.45mm、即ち、隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0.6mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.30mmであり、ベタ画像を消去する時間は4.8秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例1−3)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを1.2mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.9mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.30mmであり、ベタ画像を消去する時間は5.2秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例1−4)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを4.2mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを13.15mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.28mmであり、ベタ画像を消去する時間は6.3秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例1−5)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを4.8mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを13.60mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.28mmであり、ベタ画像を消去する時間は6.6秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例1−6)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0.8mm、レーザ光の走査速度を1500〜3000mm/s、レーザ光の照射間隔を0.20mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.6mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の走査速度は2780mm/sであり、ベタ画像を消去する時間は5.8秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例1−7)
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を6個の領域101a、101b、101c、101d、101e及び101fに分割した以外は、実施例1−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した(図6参照)。このとき、レーザ光の描画線の長さを7.17mm、即ち、隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101d、101d及び101e、101e及び101fの重なり幅Lを0.6mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.33mmであり、ベタ画像を消去する時間は4.7秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(比較例1−1)
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった以外は、実施例1−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した(図4参照)。このとき、レーザ光の描画線の長さを40mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.19mmであり、ベタ画像を消去する時間は6.7秒であった。
(比較例1−2)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10mmとした。その結果、ベタ画像を消去する時間は4.7秒であったが、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていなかった。
(比較例1−3)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0.5mmとした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.38mmとした。その結果、ベタ画像を消去する時間は4.8秒であったが、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていなかった。
(比較例1−4)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを5.4mmとした以外は、実施例1−4と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを14.05mmとした。その結果、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていたが、ベタ画像を消去する時間は6.9秒であった。
表1に、熱可逆記録媒体1において、隣接するレーザ光を走査する向きを同一とした場合の評価結果を示す。
表1から、実施例1−1〜1−7は、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった比較例1−1と比較して、レーザ光の照射エネルギー密度を増大させずに、ベタ画像を消去する時間を短縮できることがわかる。
一方、比較例1−2、1−3は、L/Sが0〜0.17であるため、隣接する領域の境界部分のベタ画像の消去が不十分である。
比較例1−4は、L/Sが1.8であるため、ベタ画像を消去する時間が長くなる。
(実施例2−1)
レーザ光の走査速度2400mm/sとし、隣接するレーザ光を走査する向きを反対にした以外は、実施例1−2と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した(図1参照)。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.29mmであり、ベタ画像を消去する時間は3.4秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例2−2)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを3.0mmとした以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを12.25mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.28mmであり、ベタ画像を消去する時間は4.1秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例2−3)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを4.2mmとした以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを13.15mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.27mmであり、ベタ画像を消去する時間は4.4秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(実施例2−4)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅を0.8mm、レーザ光の走査速度を1500〜3000mm/s、レーザ光の照射間隔を0.20mmとした以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.6mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の走査速度は3670mm/sであり、ベタ画像を消去する時間は3.4秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(比較例2−1)
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した(図2参照)。このとき、レーザ光の描画線の長さを40mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の照射間隔は0.19mmであり、ベタ画像を消去する時間は4.6秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(比較例2−2)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0mmとした以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10mmとした。その結果、ベタ画像を消去する時間は3.3秒であったが、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていなかった。
(比較例2−3)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを0.5mmとした以外は、実施例2−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを10.38mmとした。その結果、ベタ画像を消去する時間は3.4秒であったが、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていなかった。
(比較例2−4)
隣接する領域101a及び101b、101b及び101c、101c及び101dの重なり幅Lを5.4mmとした以外は、実施例2−3と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを14.05mmとした。その結果、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていたが、ベタ画像を消去する時間は4.8秒であった。
表2に、熱可逆記録媒体1において、隣接するレーザ光を走査する向きを反対とした場合の評価結果を示す。
表2から、実施例2−1〜2−4は、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった比較例2−1と比較して、レーザ光の照射エネルギー密度を増大させずに、ベタ画像を消去する時間を短縮できることがわかる。
一方、比較例2−2、2−3は、L/Sが0〜0.17であるため、隣接する領域の境界部分のベタ画像の消去が不十分である。
比較例2−4は、L/Sが1.8であるため、ベタ画像を消去する時間が長くなる。
(実施例3−1)
熱可逆記録媒体1の代わりに、熱可逆記録媒体2を用い、出力を23Wとした以外は、実施例1−1と同様にして、ベタ画像を記録した。
次に、レーザ光の走査速度を1500〜3000mm/s、レーザ光の照射間隔を0.20mmとした以外は、実施例1−1と同様にして、ベタ画像を消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを20.3mm、即ち、隣接する領域101a及び101bの重なり幅Lを0.6mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の走査速度は1830mm/sであり、ベタ画像を消去する時間は7.0秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
(比較例3−1)
レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった以外は、実施例3−1と同様にして、ベタ画像を記録した後、消去した。このとき、レーザ光の描画線の長さを40mmとした。その結果、ベタ画像の残量が0.03になる時のレーザ光の走査速度は1480mm/sであり、ベタ画像を消去する時間は8.6秒であった。このとき、隣接する領域の境界部分のベタ画像が十分に消去されていた。
表3に、熱可逆記録媒体2において、隣接するレーザ光を走査する向きを同一とした場合の評価結果を示す。
表3から、実施例3−1は、レーザ光を並列に走査する画像記録領域101を分割しなかった比較例3−1と比較して、レーザ光の照射エネルギー密度を増大させずに、ベタ画像を消去する時間を短縮できることがわかる。