JP6215570B2 - パワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、パワーデバイスおよびパワーデバイスの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、上述のような点火コイル等の部品には高電圧が印加されるため、単に通常のエポキシ樹脂組成物を用いたのみでは、絶縁性が不十分であって絶縁破壊等が生じたり、封止樹脂の硬化物の熱サイクルに起因して発生する熱応力や機械的応力によって、封止樹脂の硬化物にクラックが生じたりしてしまう場合があった。封止樹脂の硬化物にクラックが生じると、点火コイル等の部品に電流を流した際に、前記クラック部分で異常放電等が発生することになり、上記点火コイル等の部品を正常に作動させることができない。
クラックの発生は、エポキシ樹脂組成物に対して可とう性のエポキシ樹脂を配合することによってある程度抑制することができるものの、ガラス転移温度が低下して耐熱性が低下しまい、上述のような高温環境下で使用される点火コイルなどの封止樹脂として用いることができない。
このような問題に鑑み、特許文献1においては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、および粒子径と粒子形状を規定した結晶性シリカを配合して、さらにエポキシ樹脂組成物の成形温度より20℃以上高い化合物を併用したエポキシ樹脂組成物が提案されている。
特許文献2においては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸を必須成分として含む酸無水物と、平均粒径2μm以下の球状シリカを必須成分として含む無機充填剤と、硬化促進剤とを配合したA剤と、エポキシ樹脂をB剤とした2液型のエポキシ樹脂組成物を得、線膨張率を低減させることによって耐ヒートサイクル性を向上させ、上述した熱応力によるクラックの発生を防止する試みがなされている。
さらに、特許文献3においては、(A)ビフェニル型エポキシ樹脂またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、両末端にアミノ変性基を有するジメチルポリシロキサンを反応させた変性エポキシ樹脂からなる、パワーデバイスのような高熱伝導性を要求される封止用途において、低応力性とニッケルメッキフレームへの接着性に優れ、デバイスとしての信頼性を向上させることができる半導体封止用樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献4においては、エポキシ樹脂組成物に対して特定範囲の粒径を有するシリカ粒子を所定量含有させることによってトリー経路を形成しにくくし、エポキシ樹脂組成物の絶縁破壊電圧を低下させ、コイル等の部品に高電圧が印加された場合においても絶縁破壊が生じないようにする試みがなされている。
さらにまた、特許文献5においては、(A)エポキシ樹脂と、(B1)数平均粒径10〜20μmの破砕溶融シリカと、(B2)数平均粒径10〜30μmの球状溶融シリカとを含有する主剤成分と、(C)メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び/又はメチルテトラヒドロ無水フタル酸のような脂環式酸無水物硬化剤と、(D1)数平均粒径10〜20μmの破砕溶融シリカと、(D1)数平均粒径10〜30μmの球状溶融シリカと、(E)有機ベントナイトからなる沈降防止剤とを含有する硬化剤成分とを必須成分とすることを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、そのような手法でも、高温度下の硬化物の機械的強度の低下を防止することはできず、また、初期の絶縁破壊電圧を向上させることはできても、高温度下の通電状態での絶縁破壊電圧の低下を防ぐには不十分であり、特に180から200℃雰囲気下での安定した高絶縁信頼性に対する要求が強い点火コイル用又はモールド用樹脂組成物では耐熱グレードを達成することが不可能であった。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)シリカ粉を必須成分とするパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂中に、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂が40〜70質量%、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂が10〜30質量%、脂環式エポキシ樹脂が10〜30質量%であり、(B)酸無水物のうち、無水メチルナジック酸または無水メチルハイミック酸が70〜100質量%であることを特徴とするパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、
(2)(C)硬化促進剤がDBUオクチル酸塩又は4級アンモニウム塩である上記(1)に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、
(3)(D)シリカ粉が、樹脂組成物中に30〜80質量%含まれ、(D)シリカ粉中に数平均粒径3〜10μmの溶融シリカ粉(D−1)と数平均粒径が10μmを超え、50μm以下の溶融シリカ粉(D−2)を合わせて30質量%以上含むとともに、(D−1):(D−2)が質量比で20:80〜80:20である上記(1)又は(2)に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、
(4)(A)エポキシ樹脂および(D)シリカ粉を必須成分とする主剤と、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)シリカ粉を必須成分とする硬化剤からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物をパワーデバイスに含浸させ、次いで、硬化させてなることを特徴とするパワーデバイスおよび
(6)パワーデバイスを金型内に固定し、上記(1)〜(4)いずれかに記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物を真空下で金型内に注形し加熱硬化させてなるパワーデバイスの製造方法を提供する。
また、本発明の製造方法によれば、本発明の樹脂組成物を用いて含浸、硬化させることにより機械的強度及び絶縁信頼性に優れたパワーデバイスとすることができ、高温下(180〜200℃)での動作信頼性の高いパワーデバイスを用いた、耐久性のある製品を提供することができる。
成分(A)
本発明に用いる成分(A)のエポキシ樹脂は、(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、(A−2)トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、(A−3)脂環式エポキシ樹脂の3種類を必須成分として含む。(A−1)液状ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂などがあり、市販品ではEP4100E〔アデカ(株)製〕、830−S〔DIC社製〕、R710〔三井石油化学(株)製〕などがある。
(A−2)トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては下記一般式(1)のような構造を持つものがある。
上記式(1)で表されるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、下記式(2)で表されるEPPN−501HY〔日本化薬(株)製、nは通常1〜5、好ましくは1〜3〕、などがあり、たとえば、特開2002−284841号公報に製造法が開示されている。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては〔(株)ダイセル製、商品名:セロキサイド#2021P、エポキシ当量:128〜140〕、があり、好ましく用いられる。
(A−1):40〜70質量%、好ましくは45〜60質量%
(A−2):10〜30質量%、好ましくは20〜30質量%
(A−3):10〜30質量%、好ましくは20〜30質量%
(A−1)、(A−2)、(A−3)の配合比率の合計は100質量%である。
(A−1)、(A−2)、(A−3)の配合比率を上記のような範囲とすることにより、パワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、それを用いたパワーデバイスがバランスのとれた特性を示す。上記の割合のバランスが崩れると、粘度上昇及び耐熱性の低下を引き起こす。
例えば、(A−1)が多い場合は耐熱性の低下、(A−2)が多い場合は粘度上昇による作業性低下、(A−3)が多い場合は耐熱性の低下を引き起こす。
本発明において硬化剤として用いる成分(B)の酸無水物としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されるものであればよく、特に制限されるものではないが、無水メチルナジック酸(メチル-5-ノルボルネン-2、3-ジカルボン酸無水物)又は無水メチルハイミック酸(メチル-3,6 エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸)が酸無水物中に70〜100質量部含まれていることが必須である。酸無水物中の無水メチルナジック酸又は無水メチルハイミック酸が70質量%を下回ると、耐熱性の低下、機械的特性の低下が発生する。より好ましくは酸無水物中の無水メチルナジック酸又は無水メチルハイミック酸が90質量%以上である。
無水メチルナジック酸又は無水メチルハイミック酸のうち無水メチルハイミック酸がより好ましい。その理由は、無水メチルハイミック酸は硬化促進剤と併用すると着色し好ましくない。無水メチルナジック酸と無水メチルハイミック酸は併用しても良い。
無水メチルナジック酸又は無水メチルハイミック酸以外に配合される酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
成分(B)の酸無水物の配合量は前記成分(A)のエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して酸無水物基を0.9〜1.3当量、好ましくは0.95〜1.2当量程度になるように調整する。
0.9当量より少ないと硬化が不十分となり、1.3当量を超えると硬化物の機械的物性が低下するので好ましくない。
本発明に用いる成分(C)の硬化促進剤は、一般的に用いられるもの、例えば、第3級アミン、4級アンモニム塩、イミダゾール類、有機ホスフィン、ルイス酸触媒等が挙げられる。
第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等、4級アンモニム塩としては、DBU〔1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7〕のオクチル酸塩〔サンアプロ(株)製、商品名:SA102)、DBN〔1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン〕や3級アミンとカルボン酸との塩である4級アンモニウム塩系〔サンアプロ(株)製、商品名:U−CAT2313〕、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド〔日油株式会社製、商品名:ニッサンカチオンRAB−600、凝固点60〜66℃〕、テトラアルキル(各アルキル基の炭素数1〜18)アンモニウム塩[例えばテトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラアルキルアンモニウムカルボン酸塩(カルボン酸の炭素数1〜12)、イミダゾール類としては、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等、有機ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボレート、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等、ルイス酸触媒としては、具体的には、例えば、三フッ化ホウ素アミン錯体、三塩化ホウ素アミン錯体、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体などのルイス酸触媒などが挙げられる。
これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
この成分(C)硬化促進剤の配合量は、前記成分(B)酸無水物の100質量部に対して、0.3〜5質量部の範囲であることが好ましく、配合量が0.3質量部未満であると、硬化時間が長く機械的特性を十分に向上させることができないおそれがあり、5質量部を超えると、反応が速く、ポットライフが短くなるため好ましくない。
成分(D)のシリカ粉としては、破砕した溶融シリカ及び、球状の溶融シリカなどを用いることができる。例えば、破砕した溶融シリカとして、ヒューズレックスRD-8、ヒューズレックスRD-120、ヒューズレックスE-1、ヒューズレックスE-2 MSR−15、MSR-3500、TZ-20〔以上、(株)龍森製、商品名〕等が挙げられ、球状の溶融シリカの具体的な銘柄としては、FB-5D、FB959〔デンカ(株)製、商品名〕等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。一般に、破砕した溶融シリカの割合が多くなると粘度上昇による作業性低下を引き起こす反面、機械的強度が向上する。また、球状の溶融シリカは低粘度化による作業性向上するメリットがある反面機械的強度には粉砕した溶融シリカに劣り、原料価格も若干高価である。したがって、配合比は用途と価格から決定される。破砕した溶融シリカの配合割合はシリカ粉の内、10〜50質量%が好ましい。
これによって、硬化物は高熱伝導性、高強度という優れた機械的特性を示す。数平均粒径以外には特に制限なく広く使用できる。この(D)シリカ粉の配合量はエポキシ樹脂組成物中に30〜80質量%範囲で含有することが好ましく、50〜80質量%含有することがより好ましく、70質量%〜80質量%含むこが更に好ましい。含有量が30質量%未満では強度(曲げ弾性率)が十分に確保できない可能性があり、80質量%を超えると粘度が上昇し、作業性が低下してしまう可能性がある。
これらカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N―フェニルーγ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられ、これらは単独でも2種類以上併用してもよい。
さらに、本発明の目的に反しない範囲において、シリカ粉以外の無機質充填剤、カップリング剤、消泡剤、その他の成分を添加配合することができる。無機質充填剤としては、アルミナ、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム等が上げられ、これらは単独または、2種以上混合して使用することができる。
本発明のパワーデバイスはEV又はHEV自動車に対応することができるIGBT装置やMOSFETなどのパワーデバイス本発明のパワーデバイス注型用エポキシ樹脂組成物によって注形・硬化させてなるものである。このようなEV又はHEV自動車に対応することができるIGBT装置としては、MOSFETと同様に絶縁ゲートによる電圧制御形のデバイスでバイポーラデバイスの高耐圧・低イオン抵抗となる複合部品であり、MOSFETのドレイン側にP層を追加しただけの非常にシンプルな構造を有している。
成分(A)として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂〔アデカ(株)製、商品名:EP4100E、エポキシ当量190〕50部、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂〔エポキシ当量165、日本化薬(株)製、製品名:EPPN−501HY〕25部、脂環式エポキシ樹脂〔(株)ダイセル製、商品名:セロキサイド2021P、エポキシ当量128〜140〕25部、消泡剤〔モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、商品名:TSA720〕0.1部、シランカップリング剤〔日本ユニカー(株)製、製品名:A−187〕0.5部、平均粒径5μmの溶融シリカ電気化学工業(株)製、商品名:FB−5D〕200部、成分(D)の平均粒径15μmの溶融シリカ〔龍森(株)製、商品名:RD−8〕100部を混合して主剤とした。これとは別に、成分(B)の酸無水物として無水メチルナジック酸〔日本化薬(株)製、商品名:カヤハードMCD〕100部、成分(C)の硬化促進剤としてDBUオクチル酸塩〔サンアプロ(株)製、商品名:SA102〕1部、成分(D)の平均粒径20μmの溶融シリカ〔電気化学工業(株)製、商品名:FB959〕300部を混合して硬化剤とした。上記主剤と硬化剤を混合してEV又はHEV自動車に対応することができるIGBTのようなパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。配合組成等を表1に示す。
表1および表2に示した配合組成によって実施例1と同様にパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を製造した。これらのパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物の粘度およびゲルタイムを測定して表1および表2に示した。
実施例1〜7及び比較例1〜7で製造したパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を用いて加熱硬化させて評価用硬化物を製造した。
次に、点火コイルを金型内に固定して実施例1〜7及び比較例1〜7で製造したパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物および比較用のエポキシ樹脂組成物を真空下で注形し、パワーデバイスを作製した。
これらの硬化物またはパワーデバイスについて、ガラス転移点、熱膨張率、曲げ強さ、曲げ弾性率、加熱減量、絶縁破壊電圧、耐クラック性を試験して、その結果を表1および2と図1に示した。図1は実施例1〜3および比較例1、2における硬化物の加熱減量の時間依存性を示すグラフである。従来の硬化物では得られない耐久性を有していることが証明され、いずれも本発明のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、硬化物およびパワーデバイスの特性が優れていることを確認することが出来た。
(1)粘度
B型粘度計、ロータNo.4、回転数0.6rpm、温度25℃、測定時間:5分(高粘度帯であるため、低速の5分値とした)
750未満を3点、750〜1250未満を2点、1250以上を1点とした。
(2)ゲルタイム
JIS C 2105に準拠してエポキシ樹脂組成物10gの混合液を試験管とガラス棒を用いて110℃に加熱し、樹脂からガラス棒が抜けなくなるまでの時間(単位:秒)を測定した。
(3)ガラス転移点
パワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間硬化後、TMA法により、昇温速度15℃/分として室温から250℃まで昇温させて測定した。
190℃以上を3点、180〜190℃未満を2点、180℃未満を1点とした。
(4)熱膨張率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間硬化後、TMA法により、昇温速度15℃/分として室温から250℃まで昇温させて測定した。
(5)曲げ強さおよび曲げ弾性率
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間硬化させてサンプル片(幅:10mm、高さ:4mm、長さ:80mm)を作製し、JIS K 6911に準じ、温度25℃において測定した。
(6)加熱減量
樹脂組成物を100℃で3時間、次いで150℃で3時間硬化させてサンプル片(直径:50φmm、厚み:3mm)を作製し、220℃で500時間加熱後の重量減少率を測定した。
0.9未満を3点、0.9〜1.3未満を2点、1.3以上を1点とした。
(7)絶縁破壊電圧
エポキシ樹脂組成物に針電極(オゲラ針、針先端の曲率半径:5μm)を絶縁間距離2mmになるように埋め込み、100℃で8時間及び110℃で6時間硬化後の絶縁破壊寿命を得、100時間及び1000時間後における絶縁破壊電圧によって評価した。
28以上を3点、25〜28未満を2点、25未満を1点とした。
(8)耐クラック性
図2に示すように、ナットつきボルト埋め込み法(ボルト・ナット法)を用いて評価を行った。
内径40φの丸缶型の型にスチールボルト(W5/8)のネジ部先端断面部とナット平面が段差のない同一水平面(通称:″つらいち″)になるようにはめ込んだ形の埋め込みボルトを垂直に立て、″つらいち″部分を缶底に接着剤で固定してボルト・ナットと丸缶内側の間に形成された空間に高さが75mmになるように各例で得られた樹脂組成物を流し込んで、100℃で3時間、次いで150℃で3時間硬化させたものを試験片とした。この試験片を高温と低温で各20分放置しクラックの発生度合いを観察し、クラックが発生したサイクルをクラック指数(n=5)として表わした。
39以上を3点、34〜39未満を2点、34未満を1点とした。
なお、表3は、テスト1〜11では、各温度サイクル条件において、3サイクル行い、テスト12では、10サイクル行なったことを示す。
3サイクルということは、例えば、テスト1では室温から105℃まで昇温し、同温度で20分間保持後、マイナス10℃まで冷却して、同温度で20分間保持後、再び105℃まで上昇させるというサイクルを3回繰り返した。3回目に105℃まで上昇させ後は室温まで戻さず、次の番号のテストに移行し、各番号のテストにおける3サイクル目の高温での保持後も室温まで戻さず、テスト番号12における10サイクル目、すなわち、累計43サイクル目に低温(-70℃)で20分保持した後初めて室温に戻した。昇温速度は25℃/分、冷却速度は−25℃/分である。
(8)樹脂組成物(主剤+硬化剤)のコイルへの充填性
50μmの電線をアルミナ製ボビンに10000から20000回巻きつけたものについて断面観察を行い、該評価用コイル装置における樹脂組成物の充填性を評価した。評価基準は以下の通りである。
充填性=100−(全巻線部中の未含浸部の体積/全巻線部の体積)×100
(9)比誘電率:JIS C2105、測定周波数50Hz、測定温度25℃
(10)誘電正接:JIS C2105、測定周波数50Hz、測定温度25℃
(11)体積抵抗率:JIS C2105、測定電圧DC500V
体積抵抗率等の測定には試験片厚さ2mmのもの、主電極として60φのものを用いた。
総合評価は前記点数を付与した項目における点数を合計して、15点以上を○、13点と14点を○△、11点と12点を△、9点と10点を△×、5〜8点を×とした。
総合評価はパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物、又はパワーデバイス要求特性のうち特に重要な項目で判定を行った。
Claims (6)
- (A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤、(D)シリカ粉を必須成分とするパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂中に、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂が40〜70質量%、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂が10〜30質量%、脂環式エポキシ樹脂が10〜30質量%であり、(B)酸無水物のうち、無水メチルナジック酸または無水メチルハイミック酸が70〜100質量%であることを特徴とするパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物。
- (C)硬化促進剤がDBUオクチル酸塩又は4級アンモニウム塩である請求項1に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物。
- (D)シリカ粉が、樹脂組成物中に30〜80質量%含まれ、(D)シリカ粉中に数平均粒径3〜10μmの溶融シリカ粉(D−1)と数平均粒径が10μmを超え、50μm以下の溶融シリカ粉(D−2)を合わせて30質量%以上含むとともに、(D−1):(D−2)が質量比で20:80〜80:20である請求項1又は2に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂および(D)シリカ粉を必須成分とする主剤と、(B)酸無水物、(C)硬化促進剤および(D)シリカ粉を必須成分とする硬化剤からなる請求項1〜3のいずれかに記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物をパワーデバイスに含浸させ、次いで、硬化させてなることを特徴とするパワーデバイス。
- パワーデバイスを金型内に固定し、請求項1〜4いずれか1項に記載のパワーデバイス注形用エポキシ樹脂組成物を真空下で金型内に注形し加熱硬化させてなるパワーデバイスの製造方法。
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