JP6221925B2 - 車両用ポップアップフード装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ポップアップフード装置に関する。
下記特許文献1に記載された車両用ポップアップフード装置は、車体に固定された第2ヒンジ部分(ベース)と、第2ヒンジ部分に回動可能に連結された揺動部材(第1アーム)と、揺動部材に回動可能に連結され且つフードの後端部に固定された固定部材(第2アーム)と、を含んで構成されている。また、固定部材と揺動部材との間には、ピストンシリンダユニット(アクチュエータ)が架け渡されており、ピストンシリンダユニットが作動することで、フードが持上げられる。
そして、持上げられたフード上に歩行者が倒れ込むと、ピストンシリンダユニットのピストンに形成された歯がウェブによってせん断されて、歩行者に対する衝突エネルギを吸収するようになっている。なお、車両用ポップアップフード装置としては、下記特許文献2〜特許文献6に記載されたものがある。
特許第4887512号公報 特開2009−67303号公報 特開2006−224890号公報 特許第5342534号公報 特開2009−45965号公報 特開2009−96339号公報
しかしながら、上記車両用ポップアップフード装置では、上述したように歩行者に対する衝突エネルギを吸収することについては考慮されているが、ピストンシリンダユニットがフードを持上げたときにフードに生じる振動の振幅を小さくすることについては考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮し、フードの持上時に生じるフードの振動の振幅を小さくすることができる車両用ポップアップフード装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置は、フードの後部の車幅方向両端部に設けられ、車体に固定されたベースに回動可能に支持された第1アーム、及び前記第1アームに回動可能に支持され且つ前記フードに固定された第2アームを有するフードヒンジと、前記第1アームと前記第2アームとの間に架け渡され、作動することで前記第2アームを持上位置へ持上げるアクチュエータと、前記アクチュエータと前記第1アームとを連結し且つ前記アクチュエータを前記第1アームに対して車両下側へ相対移動可能にする連結機構と、を備えている。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置では、フードヒンジがフードの後部の車幅方向両端部に設けられている。このフードヒンジは第1アーム及び第2アームを有している。そして、第1アームが、車体に固定されたベースに回動可能に支持されており、第2アームが、第1アームに回動可能に支持されると共に、フードに固定されている。これにより、フードが、第2アーム、第1アーム、及びベースを介して車体に連結されている。
また、第1アームと第2アームとの間には、アクチュエータが架け渡されている。そして、アクチュエータが作動すると、第2アーム(すなわちフードの後部の車幅方向両端部)がアクチュエータによって持上位置へ持上げられる。このため、フードがアクチュエータによって持上げられたときには、車両後側から見て、フードの車幅方向両端部(アーム)が節となり、フードの車幅方向中央部が腹となるように、フードが上下方向に振動しようする。
ここで、連結機構が、アクチュエータを第1アームに対して車両下側へ相対移動可能に連結している。このため、フードに生じた振動によってフードの車幅方向中央部が下死点位置付近に到達するときにアクチュエータが第1アームに対して車両下側へ相対移動することで、フードの振動速度が比較的低い状態でフードの内部歪が解放される。これにより、フードの振動の振幅を小さくすることができる。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項1に記載の発明において、前記連結機構は、前記アクチュエータ及び前記第1アームの一方に形成された長孔と、前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方に設けられ、前記長孔に挿通された軸部と、を含んで構成されている。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置では、連結機構が長孔と当該長孔に挿通された軸部とで構成されているため、簡易な構成でアクチュエータを第1アームに対して車両下側へ相対移動可能に連結することができる。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、車体又は前記ベースには、支持部が設けられており、前記アクチュエータの作動開始時に前記支持部が前記アクチュエータを車両下側から支える。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置では、車体又はベースに支持部が設けられており、アクチュエータの作動開始時にアクチュエータが支持部に車両下側から支えられる。このため、アクチュエータの作動開始時において、アクチュエータの車両下側への移動を支持部によって制限することができる。これにより、アクチュエータによる第2アーム(フード)の持上げを良好にすることができる。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記アクチュエータ及び前記第1アームの一方には、前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方に係合された係合部が設けられており、前記アクチュエータの前記第1アームに対する車両下側への相対移動が前記係合部によって制限され、持上げられた前記フードの車幅方向中央部が反動によって前記持上位置よりも車両下側へ変位したときに、前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方と前記係合部との係合状態が解除される。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置では、フード持上時にフードに生じる振動によってフードの車幅方向中央部が上死点から下死点へ変位するときに、フードの車幅方向両端部が車両下側へ変位することを抑制できる。そして、フードの車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達したときに、フードの車幅方向両端部を車両下側へ変位させることができる。これにより、フードに生じる振動の振幅を効果的に小さくすることができる。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、フードの持上時に生じるフードの振動の振幅を小さくすることができる。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、簡易な構成でアクチュエータを第1アームに対して車両下側へ相対移動可能に連結することができる。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、アクチュエータによって第2アーム(フード)を良好に持上げることができる。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置によれば、フードに生じる振動の振幅を効果的に小さくすることができる。
本実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置の車両右側に配置されたポップアップ機構部を模式的に示す車幅方向内側から見た側面図である。 図1に示されるポップアップ機構部のアクチュエータが作動してフードが持上位置に持上げられた後に下降位置に配置された状態を示す側面図である。 本実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置の全体を示す平面図である。 (A)は、図1に示される連結機構の連結ボルトと長孔との位置関係を拡大して示す拡大図であり、(B)は、図2に示される連結機構の連結ボルトと長孔との位置関係を拡大して示す拡大図である。 図1に示されるアクチュエータによってフードが持上げられたときの車両後側から見たフードの挙動を時系列で説明するための説明図である。
以下、図面を用いて本実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置30について説明する。なお、図面において適宜示される矢印FRは車両用ポップアップフード装置30が搭載される車両10の車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印RHは車両右方を示している。
図3に示されるように、車両用ポップアップフード装置30は、車両10のエンジンルーム(パワーユニット室)ERを開閉するフード12に設けられた一対のポップアップ機構部32を主要部として構成されている。このポップアップ機構部32は、フード12の後部における車幅方向両端部にそれぞれ配設されており、左右のポップアップ機構部32はいずれも同一(左右対称)に構成されている。このため、以下の説明では車両右側に配置されたポップアップ機構部32について説明し、車両左側に配置されたポップアップ機構部32の説明は省略する。
図1に示されるように、ポップアップ機構部32は、フード12を開閉可能に支持するフードヒンジ34と、車両と歩行者との衝突時に作動するアクチュエータ60と、アクチュエータ60の作動を制御するECU72(図3参照)と、を含んで構成されている。また、ポップアップ機構部32は、フードヒンジ34の第1ヒンジアーム40とアクチュエータ60とを連結する連結機構80と、アクチュエータ60の作動開始時においてアクチュエータ60を車両下側から支える「支持部」として支持ブラケット90と、を備えている。以下、初めにフード12について説明し、次いで上記各構成について説明する。
フード12は、車両外側に配置されて意匠面を構成するフードアウタパネル14と、エンジンルームER側に配置されると共にフードアウタパネル14を補強するフードインナパネル16と、を含んで構成されている。そして、この両者の端末部がヘミング加工によって結合されている。また、フード12がエンジンルームERを閉じた状態(図1に示される状態)では、フード12の前端部が、図示しないフードロックによって車体に固定されている。
また、フードインナパネル16の後端側(後部側)には、膨出部18が形成されている。膨出部18はフードインナパネル16に対して車両下側(エンジンルームER)側に膨出されており、膨出部18の底壁18Aが、側断面視でフードアウタパネル14と略平行に配置されている。
(フードヒンジ34について)
図1及び図2に示されるように、フードヒンジ34は、車体に固定された「ベース」としてのヒンジベース36と、ヒンジベース36に回動可能に連結された「第1アーム」としての第1ヒンジアーム40と、フード12に固定された「第2アーム」としての第2ヒンジアーム50と、を含んで構成されている。ヒンジベース36は、車両正面視で略逆L字形状に形成されると共に、車幅方向内側から見た側面視で車両上斜め前方へ開放された略V字形状(詳しくは、図2参照)に形成されている。また、ヒンジベース36は、車両前後方向に沿って延在する板状の取付部36Aを備えている。取付部36Aは、板厚方向を略車両上下方向にして、車体側構成部材であるカウルトップサイド20の上面部20Aに配置されている。なお、カウルトップサイド20は、フード12の後端側とウインドシールドガラスの下端部との間に車幅方向に沿って延在するカウルの両サイドに設けられている。そして、取付部36Aが取付ボルト(図示省略)によって上面部20Aに固定されている。さらに、ヒンジベース36は支持部36Bを備えており、支持部36Bは、取付部36Aの車幅方向内側の端部から車両上方側へ屈曲されて、板厚方向を略車幅方向にした板状に形成されている。
第1ヒンジアーム40は、ヒンジベース36の車幅方向内側に配置されると共に、側面視で略逆三角形板状に形成されている。具体的には、第1ヒンジアーム40は、側面視で、下端部40A(図1参照)と、下端部40Aの車両前側且つ車両上側に配置された前端部40Bと、下端部40Aの車両後側且つ車両上側に配置された後端部40Cと、を頂点とした略逆三角形板状に形成されている。
また、第1ヒンジアーム40の後端部40Cは、車幅方向を軸方向としたヒンジピン42によってヒンジベース36の支持部36Bの上端部にヒンジ結合されている。これにより、第1ヒンジアーム40は、ヒンジピン42を回動中心として車両上下方向(図1の矢印A方向及び矢印B方向)へ回動可能に構成されている。さらに、第1ヒンジアーム40の外周部には、下端部40Aと前端部40Bとを結ぶ辺及び下端部40Aと後端部40Cとを結ぶ辺において、一対のフランジ部48が一体に形成されており、フランジ部48は第1ヒンジアーム40から車幅方向内側へ延びている。
第2ヒンジアーム50は、第1ヒンジアーム40の車幅方向内側に配置されると共に、略車両前後方向に沿って延在されている。具体的には、第2ヒンジアーム50は、第1ヒンジアーム40に対して略平行に配置された側壁部50Aを備えている。この側壁部50Aの前端部は、車幅方向を軸方向にしたヒンジピン52によって第1ヒンジアーム40の前端部40Bにヒンジ結合されている。これにより、第2ヒンジアーム50は、ヒンジピン52を回動中心として車両上下方向(図1の矢印C方向及び矢印D方向)に第1ヒンジアーム40に対して相対回動可能に構成されている。
また、第2ヒンジアーム50は頂壁部50Bを備えている。頂壁部50Bは、側壁部50Aの上端部から車幅方向内側へ折り曲げられて形成されると共に、フード12の膨出部18の下面に沿って略車両前後方向に延在されている。そして、図示しないヒンジボルトによって頂壁部50Bが膨出部18に締結(固定)されている。これにより、ヒンジベース36とフード12(の膨出部18)とが、第1ヒンジアーム40及び第2ヒンジアーム50によって連結されている。
さらに、第2ヒンジアーム50における側壁部50Aの後端部には、後述するアクチュエータ60のピストンロッド66を連結するための連結軸54が一体に設けられている。この連結軸54は、略円柱状に形成されて、側壁部50Aから車幅方向内側へ突出されている。
なお、フードヒンジ34は、本来的にはフード12をボディ(車体)に開閉可能に支持するためのヒンジ部品とされており、後述するアクチュエータ60の非作動状態では、第1ヒンジアーム40と第2ヒンジアーム50とが結合されている。具体的には、第1ヒンジアーム40にシェアピン46が形成されている。このシェアピン46は、第2ヒンジアーム50側へ突出されて、第2ヒンジアーム50の側壁部50Aに形成された孔部56に嵌入されている。これにより、フード12がエンジンルームERを開閉する場合には、第2ヒンジアーム50の第1ヒンジアーム40に対する相対回動が制限された状態で、第1ヒンジアーム40がヒンジピン42を回動中心にして回動するようになっている。なお、シェアピン46を第2ヒンジアーム50に形成し、孔部56を第1ヒンジアーム40に形成してもよい。
(アクチュエータ60について)
図1及び図2に示されるように、アクチュエータ60は、略円柱状に形成されると共に、第1ヒンジアーム40の車幅方向内側に配置されている。また、アクチュエータ60は、第2ヒンジアーム50の後端部と第1ヒンジアーム40の下端部40Aとを架け渡すように配置されて、側面視で車両上側へ向かうに従い車両後側へ傾斜されている。また、アクチュエータ60は、シリンダ62と、シリンダ62内に収容されたピストンロッド66と、ガス発生装置70と、を含んで構成されており、アクチュエータ60の作動時では、ピストンロッド66がシリンダ62から車両上側へ伸長するようになっている。以下、それぞれの構成について説明する。
シリンダ62は略円筒形状に形成されている。このシリンダ62の下端部には、取付ブラケット64が固定されている。取付ブラケット64は、側面視でシリンダ62の軸方向を長手方向とする略矩形板状に形成されると共に、その長手方向から見て車幅方向内側へ開放された略凹状に屈曲されている。そして、取付ブラケット64の下端部が、シリンダ62よりも車両下側へ突出されて、後述する連結機構80によって第1ヒンジアーム40に連結されている。
ピストンロッド66は、略丸棒状に形成されて、シリンダ62と同軸上に配置されると共に、シリンダ62内に収容されている。また、ピストンロッド66の下端部には、図示しないピストンが一体に設けられている。このピストンは、略円柱状に形成されると共に、ピストンロッド66と同軸上に配置されている。そして、ピストンの外周面とシリンダ62の内周面との間がシールされた状態で、ピストンがシリンダ62内に収容されている。
また、ピストンロッド66の上端部には、ロッド連結部68が一体に設けられており、ロッド連結部68は車幅方向を軸方向にした略円筒形状に形成されている。そして、ロッド連結部68内に第2ヒンジアーム50の連結軸54が挿入されて、ピストンロッド66の上端部が第2ヒンジアーム50に対して相対回動可能に連結されている。
ガス発生装置70は、シリンダ62の下端部に設けられ、シリンダ62の下端部を塞ぐようにシリンダ62内に嵌入されている。このガス発生装置70は、図示しないスクイブ(着火装置)を有しており、スクイブは、ガス発生装置70の燃焼室(図示省略)内に充填されたガス発生剤を着火させるようになっている。
そして、ガス発生装置70は、後述するECU72と電気的に接続されており(図2参照)、ECU72の制御によってガス発生装置70が作動するように構成されている。具体的には、ECU72の制御によってガス発生装置70が作動すると、ガス発生装置70におけるスクイブが着火して、ガス発生装置70の燃焼室のガス発生剤が燃焼することによって発生するガスがシリンダ62内に供給されるようになっている。これにより、シリンダ62内に供給されたガスのガス圧によってピストンロッド66がシリンダ62の軸方向に沿って上昇して、フード12が持上げられるようになっている(図2において2点鎖線で示される位置であり、以下この位置を「持上位置」と称する)。
(ECU72について)
ECU72は、アクチュエータ60の作動制御を行うためのものである。図3に示されるように、ECU72には、衝突検知センサ74が電気的に接続されており、衝突検知センサ74から出力される信号に基づいて、ECU72がアクチュエータ60を作動させるか否かを判定するようになっている。
衝突検知センサ74は、車両10の前端部に配置されたフロントバンパ22のバンパリインフォースメント(図示省略)の前面に配設されている。この衝突検知センサ74は、車幅方向を長手方向とした略長尺状の圧力チューブ76と、圧力チューブ76の長手方向両端部に設けられた圧力センサ78と、を含んで構成されている。そして、歩行者等の衝突体がフロントバンパ22に衝突したときには、圧力チューブ76が押し潰されることで圧力チューブ76内の圧力が変化して、圧力チューブ76内の圧力変化に応じた信号が圧力センサ78からECU72へ出力されるようになっている。なお、衝突検知センサ74を、圧力チャンバや光ファイバを用いた構成としてもよい。
そして、ECU72は、圧力センサ78の出力信号に基づいて衝突荷重を算出するようになっている。さらに、ECU72は、算出された衝突荷重から衝突体の有効質量を求めると共に、有効質量が閾値を超えるか否かを判断して、車両10への衝突体が歩行者であるのか歩行者以外(例えば、ロードサイドマーカーやポストコーン等の路上障害物)であるのかを判定するようになっている。そして、車両10への衝突体が歩行者であるとECU72が判定したときには、ECU72によってアクチュエータ60(のガス発生装置70)を作動させるように構成されている。
(連結機構80について)
図1に示されるように、連結機構80は、アクチュエータ60と第1ヒンジアーム40とを連結する部分に適用されている。また、連結機構80は、第1ヒンジアーム40の下端部40Aに固定された「軸部」として連結ボルト82と、アクチュエータ60の下端部を構成する取付ブラケット64に形成された長孔84と、を含んで構成されている。
連結ボルト82は、略円柱状に形成されて、軸方向を車幅方向にして第1ヒンジアーム40から車両幅方向内側へ突出されている。また、連結ボルト82の先端部における外周部には、図示しない雄ネジが形成されている。
図4(A)にも示されるように、長孔84は、取付ブラケット64の下端部において車幅方向に貫通形成されている。この長孔84は、側面視でアクチュエータ60(シリンダ62)の軸方向を長手方向とした略トラック状に形成されて、車両上側へ向かうに従い車両後側に傾斜されている。また、長孔84の幅寸法は、連結ボルト82の直径寸法に比して僅かに大きく設定されている(図4(A)及び(B)では、連結ボルト82と長孔84との間の隙間を便宜上大きくして記載している)。そして、長孔84内に連結ボルト82の基端側の部分が挿通されており、アクチュエータ60の非作動状態では、連結ボルト82が長孔84の下端部に配置されている。また、連結ボルト82の先端部が取付ブラケット64に対して車幅方向内側へ突出されて、連結ボルト82の先端部に連結ナット86が螺合されている。そして、連結ボルト82に連結ナット86が螺合された状態では、連結ナット86と取付ブラケット64との間には僅かな隙間が形成されている。これにより、アクチュエータ60の下端部が、第1ヒンジアーム40に対して車両下側へ相対移動可能に連結されると共に、第1ヒンジアーム40に対して連結ボルト82の軸回りに相対回動可能に連結されている。
また、図2に示されるように、ピストンロッド66が第2ヒンジアーム50を持上位置(図2の2点鎖線で示された位置)に持上げた後に、アクチュエータ60が連結ボルト82(第1ヒンジアーム40)に対して車両下側へ相対移動することで、アクチュエータ60と共に第2ヒンジアーム50(フード12後部の車幅方向両端部)が持上位置よりも車両下側へ変位するようになっている。そして、連結ボルト82が長孔84の上端部に配置された位置が下降位置(図2及び図4(B)に示される位置)とされており、下降位置では、連結ボルト82が長孔84の上端部における内周部に当接するようになっている。なお、図4(B)では、便宜上、連結ボルト82を長孔84から離間して記載している。
さらに、図4(A)に示されるように、長孔84の内周部には、一対の「係合部」としてのシェア部88が設けられている。このシェア部88は、連結ボルト82に対して長孔84の上端側に配置されると共に、長孔84の内周部から長孔84の幅方向内側へ突出されている。そして、シェア部88が連結ボルト82に係合されている。換言すると、アクチュエータ60に設けられたシェア部88が、連結ボルト82を介して第1ヒンジアーム40に係合されている。このため、本発明における「アクチュエータ及び第1アームの他方に係合された」とは、他の部材を介して係合された場合も含んでいる。これにより、アクチュエータ60の第1ヒンジアーム40に対する車両下側への相対移動がシェア部88によって制限されるようになっている。なお、図4(A)では、便宜上、シェア部88を連結ボルト82から離間して記載している。
一方、詳細については後述するが、アクチュエータ60が作動してフード12が持上位置に持上げられたときには、車両後側から見て、フード12の車幅方向両端部を節としてフード12の車幅方向中央部を腹とするようにフード12が上下方向に単振動しようとする。そして、フード12の車幅方向中央部が持上位置よりも車両下側の下死点又は下死点付近に到達(変位)するときにシェア部88が破断して、シェア部88と連結ボルト82との係合状態が解除されるようになっている。これにより、アクチュエータ60の第1ヒンジアーム40に対する車両下側への相対移動が許可されるようになっている。
(支持ブラケット90について)
図1に示されるように、支持ブラケット90は、アクチュエータ60の車両下側で且つ第1ヒンジアームの車幅方向内側に配置されて、車体に固定されている。この支持ブラケット90は、アクチュエータ60の取付ブラケット64の下端と車両上下方向に対向して配置されると共に、取付ブラケット64の下端に当接されている。これにより、アクチュエータ60の作動開始時に支持ブラケット90がアクチュエータ60を車両下側から支えるようになっている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示される状態が車両用ポップアップフード装置30の非作動状態である。この状態のときには、アクチュエータ60が非作動状態にあるため、ピストンロッド66の大半がシリンダ62内に収容されている。また、ピストンロッド66のロッド連結部68(上端部)が、第2ヒンジアーム50の連結軸54に回動可能に連結されており、アクチュエータ60の下端部が連結機構80によって第1ヒンジアーム40に連結されている。
この状態から、歩行者等の衝突体と車両10が前面衝突すると、衝突体と前面衝突したことが衝突検知センサ74によって検知され、ECU72に衝突信号が出力される。ECU72では、入力された衝突信号に基づいて車両用ポップアップフード装置30を作動させるべきか否かを判断し、車両用ポップアップフード装置30を作動させるべきと判断すると、ECU72からアクチュエータ60に作動信号が出力される。これにより、アクチュエータ60のガス発生装置70におけるスクイブが着火して、シリンダ62内にガスが供給される。
シリンダ62内にガスが供給されると、シリンダ62内のガス圧によってピストンロッド66がシリンダ62に対して車両上側へ伸長する。ピストンロッド66がシリンダ62に対して車両上側へ伸長すると、ピストンロッド66が第2ヒンジアーム50の後端部を車両上側へ持上げて、フード12の車幅方向両端部が持上位置に持上げられる(図2の2点鎖線で示されるフード12を参照)。このときには、第2ヒンジアーム50と第1ヒンジアーム40との間を結合するシェアピン46が破断して、第2ヒンジアーム50が第1ヒンジアーム40に対して車両上側へ相対回動される。また、第1ヒンジアーム40が、ヒンジベース36に対して車両上側へ相対回動されて、支持ブラケット90に対して車両上側へ離間する。
次に、図4及び図5を用いて、アクチュエータ60(ポップアップ機構部32)がフード12後部の車幅方向両端部を持上げたときの、フード12の挙動と、連結機構80の状態と、の関係を説明する。なお、図5では、アクチュエータ60がフード12を持上げたときの車両後側から見たフード12の状態を時系列で模式的に示しており、フード12の車幅方向両端部が白抜きの丸印で示されている。
図5の(1)に示される状態は、アクチュエータ60がフード12を持上げる前の状態を示している。この状態では、アクチュエータ60が非作動状態であるため、連結機構80では、第1ヒンジアーム40に設けられた連結ボルト82が、アクチュエータ60の取付ブラケット64に形成された長孔84の下端部に配置されている。
そして、アクチュエータ60の作動が開始すると、ピストンロッド66が瞬時に上昇して、フード12が持上位置に持上げられる。このとき、フード12を持上げることによる車両下側への反力がフード12からアクチュエータ60に作用してアクチュエータ60が車両下側へ移動しようとする。一方、アクチュエータ60の取付ブラケット64は支持ブラケット90に当接しているため、支持ブラケット90によって当該反力を受け止める(図1参照)。これにより、アクチュエータ60の作動開始時におけるアクチュエータ60の車両下側への移動が規制されて、連結機構80では、長孔84の下端部に連結ボルト82が配置された状態が維持されている(図4(A)参照)。
また、ピストンロッド66によって第2ヒンジアーム50(フード12)を持上位置に持上げるときには、第1ヒンジアーム40は第2ヒンジアーム50に追従してヒンジベース36に対して車両上側へ回動する。このため、第2ヒンジアーム50(フード12)が持上位置に持上げられたときには、長孔84の下端部に連結ボルト82が配置された状態が維持されている(図4(A)参照)。
一方、フード12の車幅方向両端部をアクチュエータ60よって持上げるときには、フード12の車幅方向中央部は慣性力によってその位置に留まろうとする。このため、アクチュエータ60によるフード12の持上初期では、フード12の車幅方向両端部のみが持上げられる(図5の(2)の状態を参照)。そして、フード12の車幅方向中央部がフード12の車幅方向両端部よりも遅れて車両上側へ変位する(図5の(3)の状態を参照)。
さらに、フード12の車幅方向中央部では、車両上下方向への変位は制限されていないため、車両上側へ変位するフード12の車幅方向中央部は慣性力によって持上位置よりも車両上側へ変位する。またさらに、フード12の車幅方向両端部では、フードヒンジ34によって車両上側への変位が制限されている。このため、フード12の車幅方向中央部が上死点(図5の(4)の状態を参照)に到達した時点で、フード12の車幅方向中央部が反動によって車両下側への変位に反転される。これにより、車両後側から見て、フード12の車幅方向中央部が腹となり、フード12の車幅方向両端部が節となるように、フード12が単振動しようとする。なお、フード12の車幅方向中央部が、持上位置よりも車両上側へ変位するときには、フード12の振動によって車両上側への力がフード12に作用しているため、連結機構80では、長孔84の下端部に連結ボルト82が配置された状態が維持されている(図4(A)参照)。
そして、反動によって車両下側へ変位するフード12の車幅方向中央部は、上死点から持上位置を通過して下死点(車両下側への変位から車両上側への変位に切り替わる点)側へ変位する(図5の(5)の状態を参照)。このとき、フード12には車両下側への力が作用するが、アクチュエータ60の長孔84に設けられたシェア部88が連結ボルト82に係合しているため、アクチュエータ60の第1ヒンジアーム40に対する車両下側への相対移動が制限されている。このため、図5の(4)の状態から(5)の状態へフード12の車幅方向中央部が変位している間では、長孔84の下端部に連結ボルト82が配置された状態が維持されて(図4(A)参照)、フード12の車幅方向両端部は持上位置に配置されている。
そして、フード12の車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達すると、シェア部88が破断して、シェア部88と連結ボルト82との係合状態が解除される。これにより、アクチュエータ60が第1ヒンジアーム40に対して車両下側へ移動して、フード12の車幅方向両端部が下降位置へ変位する(図5の(6)の状態を参照)。すなわち、連結機構80では、長孔84が連結ボルト82に対して車両下側へ相対移動して、長孔84の上端部における内周部に連結ボルト82が当接する(図4(B)参照)。
このように、本実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置30では、連結機構80によってアクチュエータ60が第1ヒンジアーム40に対して車両下側へ相対移動可能に連結されている。そして、上述したように、アクチュエータ60によるフード12の持上時に生じるフード12の振動において、フード12の車幅方向中央部が上死点から車両下側へ変位して下死点又は下死点付近に到達すると、シェア部88が破断して、アクチュエータ60が第1ヒンジアーム40に対して車両下側へ相対移動する。これにより、フード12の振動速度が略ゼロとなる時点でフード12の内部歪が解放されて、フード12が略水平状態となる。その結果、フード12の持上時に生じるフード12の振動の振幅を小さくすることができる。
また、連結機構80は、アクチュエータ60の取付ブラケット64に形成された長孔84と、第1ヒンジアーム40に設けられた連結ボルト82と、を含んで構成されている。このため、簡易な構成でアクチュエータ60を第1ヒンジアーム40に対して車両下側へ相対移動可能に連結することができる。
さらに、アクチュエータ60の車両下側には支持ブラケット90が設けられており、支持ブラケット90は車体に固定されている。そして、アクチュエータ60の作動開始時にアクチュエータ60が支持ブラケット90によって車両下側から支えられる。このため、アクチュエータ60の作動開始時に、フード12からアクチュエータ60に作用する反力を支持ブラケット90によって受けて、アクチュエータ60の車両下側への移動を支持ブラケット90によって制限することができる。これにより、アクチュエータ60による第2ヒンジアーム50(フード12)の持上げを良好にすることができる。
また、上述したように、フード12の車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達したときに、シェア部88が破断して、シェア部88と連結ボルト82との係合状態が解除される。このため、フード12の持上時にフード12に生じる振動によってフード12の車幅方向中央部が上死点から下死点へ変位するときに、フード12の車幅方向両端部が持上位置から車両下側へ変位することを抑制できる。そして、フード12の車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達したときにフード12の車幅方向両端部を持上位置から車両下側へ変位させることができる。これにより、フード12に生じる振動の振幅を効果的に小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、連結機構80の長孔84が、アクチュエータ60の取付ブラケット64に形成され、連結ボルト82が第1ヒンジアーム40に固定されている。これに代えて、長孔84を第1ヒンジアーム40に形成し、連結ボルト82をアクチュエータ60の取付ブラケット64に固定してもよい。この場合には、例えば、長孔84を側面視で車両上側へ向かうに従い車両後側へ傾斜するように配置して、連結ボルト82を取付ブラケット64から車幅方向外側へ突出させると共に、連結ボルト82を長孔84の上端部に配置するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、支持ブラケット90が車体に設けられているが、支持ブラケット90をヒンジベース36に設けるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、シェア部88が取付ブラケット64の長孔84における内周部に設けられているが、シェア部88を第1ヒンジアーム40に設けるように構成してもよい。例えば、図1において2点鎖線で示されるように、シェア部88を第1ヒンジアーム40から車幅方向内側へ突出するように形成して、シェア部88と取付ブラケット64とが係合して、アクチュエータ60の第1ヒンジアーム40に対する車両下側への相対移動を制限するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、上述したように連結ボルト82に係合するシェア部88が取付ブラケット64の長孔84に形成されているが、シェア部88を省略してもよい。例えば、連結ボルト82の直径寸法及び長孔84の幅寸法を適宜調節して、連結ボルト82と長孔84の内周部との間の摩擦力によって、フード12の車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達したときに長孔84(アクチュエータ60)が連結ボルト82(第1ヒンジアーム40)に対して車両下側へ変位するように構成してもよい。また、例えば、連結ナット86と取付ブラケット64とを接触するように構成して、連結ナット86と取付ブラケット64との間の摩擦力によって、フード12の車幅方向中央部が下死点又は下死点付近に到達したときに長孔84(アクチュエータ60)が連結ボルト82(第1ヒンジアーム40)に対して車両下側へ変位するように構成してもよい。
また、本実施の形態では、フード12がエンジンルームERを閉じた状態において、アクチュエータ60の取付ブラケット64が支持ブラケット90に当接しているが、取付ブラケット64と支持ブラケット90との間に僅かな隙間を形成するように設定してもよい。すなわち、アクチュエータ60の作動開始時に支持ブラケット90がアクチュエータ60を車両下側から支えるように構成されていればよい。また、取付ブラケット64と支持ブラケット90との間に緩衝材を介在させて、取付ブラケット64と支持ブラケット90とが干渉することによる異音等の発生を抑制するように構成してもよい。
12 フード
30 車両用ポップアップフード装置
34 フードヒンジ
36 ヒンジベース(ベース)
40 第1ヒンジアーム(第1アーム)
50 第2ヒンジアーム(第2アーム)
60 アクチュエータ
80 連結機構
82 連結ボルト(軸部)
84 長孔
88 シェア部(係合部)
90 支持ブラケット(支持部)

Claims (4)

  1. フードの後部の車幅方向両端部に設けられ、車体に固定されたベースに回動可能に支持された第1アーム、及び前記第1アームに回動可能に支持され且つ前記フードに固定された第2アームを有するフードヒンジと、
    前記第1アームと前記第2アームとの間に架け渡され、作動することで前記第2アームを持上位置へ持上げるアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記第1アームとを連結し且つ前記アクチュエータを前記第1アームに対して車両下側へ相対移動可能にする連結機構と、
    を備えた車両用ポップアップフード装置。
  2. 前記連結機構は、
    前記アクチュエータ及び前記第1アームの一方に形成された長孔と、
    前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方に設けられ、前記長孔に挿通された軸部と、
    を含んで構成された請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
  3. 車体又は前記ベースには、支持部が設けられており、
    前記アクチュエータの作動開始時に前記支持部が前記アクチュエータを車両下側から支える請求項1又は請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
  4. 前記アクチュエータ及び前記第1アームの一方には、前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方に係合された係合部が設けられており、前記アクチュエータの前記第1アームに対する車両下側への相対移動が前記係合部によって制限され、
    持上げられた前記フードの車幅方向中央部が反動によって前記持上位置よりも車両下側へ変位したときに、前記アクチュエータ及び前記第1アームの他方と前記係合部との係合状態が解除される請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ポップアップフード装置。
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