JP6227385B2 - 自動車用タイヤの摩耗量検知装置 - Google Patents
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Description
特許文献2には、トレッド部のブロック列を、タイヤの摩耗に伴って周方向のブロック数が変化するような断面形状として形成し、ばね下に配置された部材の振動を検出して回転同期成分を周波数分析することにより、摩耗のレベルを推定する方法が提示されている。
特許文献3には、タイヤの周方向に沿って深さの異なる凹部をそれぞれ周期的に配列されるように形成し、ばね下の部材の振動信号から凹部による振動成分を抽出して、振動成分の大きさから摩耗状態を推定する方法が提示されている。
特許文献5には、自動車の車輪用軸受に回転検出装置を取り付けた、絶対角検出を可能とした回転検出装置が提示されている。
特許文献6には、タイヤの回転センサ信号からスリップ率等を推定する方法が提示されており、数回転にわたるタイヤの回転信号から回転同期成分を平均化して検出する方法も提示されている。
信号処理においては、前記回転速度の変動から複数回転に渡る回転に同期した速度変動パターンを抽出する。1回転分のみの回転速度の変動には路面の凹凸などによる影響があるが、ある程度の回転回数にわたる期間の回転信号を収集し、平均化または積算処理等をすることで、路面の凹凸などによる影響が排除された特定の回転速度変動パターンが抽出される。
摩耗によってスリップサイン等のタイヤ1aに設けられている摩耗状態を示す特徴構造部が出てくる状態になると、路面との接地面の形状が変化するため回転速度変動のパターンが変化する。前記摩耗状態判断ユニット4は、この回転速度変動パターンから、摩耗状態を示す特徴構造部によって誘起される成分の値を求め、この求めた値を、予め求めて設定しておいた前記成分の値と摩耗の進行状況との関係を示す関係曲線、テーブル、マップ、閾値等の情報と比較することによって、タイヤ1aの摩耗状態を推定し出力し、その推定した摩耗状態の情報を出力する。
すなわち、この発明の自動車用タイヤ1aの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニット4は、タイヤ1aに設けられている摩耗状態を示す特徴構造部によって誘起される成分の値と、前記タイヤ1aの摩耗の進行状況との関係を設定した関係設定手段12aを有し、この関係設定手段12aに前記関係を設定した前記タイヤ1aの前記特徴構造部を、次のa〜iのいずれかの構造とする。
a.特定部分の材質を変えたもの。
b.摩耗が進むとブロック間がつながって面積またはパターンが変化する形態のもの。
c.摩耗量に応じて複数段階のタイヤ回転速度変動発生パターンを形成するもの。
d.一回転内で特定のパターンを示す特徴的なパターンとするもの。
すなわち、発生するパターンは、路面からのノイズや小石などの噛み込み、タイヤ1aのフラットスポットなどと区別するために、一回転に一回発生するような単調なパターンでなく、一回転内で特定のパターンを示す特徴的なパターンとする。
e.タイヤ1aのトレッドパターンが摩耗に伴って変化するように構成されていて、その特徴構造部がトレッドを横断する方向に形成されているもの。
f.前記構造特徴部が、タイヤ1aの回転方向の複数の位置に形成され、それぞれの位置関係が回転方向に等間隔とはならないようにされたもの。
g.前記特徴構造部が、トレッドの形成材料を部分的に変えて構成されたもの。
h.摩耗が進んだときに、特徴的な回転変動パターンが発生するように構成されたもの。
i.もしくはこれとは逆に、検出対象パターンの溝を形成した状態を初期状態として、摩耗に伴って特徴となる回転変動パターンが減少するように構成されたもの。
タイヤ1aが同じ摩耗状況であっても、車両の走行速度によって前記回転センサ2で検出される回転信号の特徴が変わる。そのため、設定された走行速度範囲にある状態のときに前記回転速度変動パターンの抽出を行うことで、精度良く回転速度変動パターンの抽出が行える。
上記のように、タイヤ1aが同じ摩耗状況であっても、車両の走行速度によって前記回転センサ2で検出される回転信号の特徴が変わる。そのため、摩耗状態の推定の処理を、複数設定した走行速度範囲についてそれぞれ行ない、これら複数の走行速度範囲における結果から摩耗状態を総合判断することにより、より一層精度良く回転速度変動パターンの抽出による摩耗検知が行える。
基準パターンに初期の回転変動パターンを記憶しておけば、センサの固有の誤差パターンやタイヤ1aのアンバランスなどの情報も含めた初期状態からの変化分を検出することができ、より検出感度を高めることができる。
検出対象とする特定の回転速度変動パターンを精度よく検出するために、車輪1に搭載される回転センサ2には十分な検出精度と、十分な空間分解能を備えたものを使用することが必要である。上記のように磁気エンコーダ2aまたはパルサギヤと磁気センサ2bを組み合わせ、検出した磁界信号を逓倍して分解能を高めた回転センサ2は、温度変化や汚れなどの劣悪な環境に強く、かつ1回転あたり100パルス以上の回転分解能を有するものとできる。そのため、回転センサ2が温度変化や汚れなどの劣悪な環境に置かれ、また1回転中の回転速度変動を抽出することが必要な回転センサ2として、上記構成のものが適している。
タイヤ1aの能力低下に応じて、車両姿勢制御などの安全制御システム22aのパラメータを変更し、タイヤ1aの能力低下を考慮して安全制御システム22aを調整することで、無駄な安全制御を無くし、必要な場合の安全制御が確実に行える。
このように摩耗に対する点検,交換の情報が営業所20に発信させることで、営業所20におけるタイヤ1aの在庫確認等を早期に行い、迅速かつ適切な点検,交換が期待できる。
より積極的には、タイヤ回転時に特定の回転同期の回転速度変動が発生するような形状等の特徴構造部を、次に挙げるような手法でタイヤトレッドに埋め込んでおき、この特定のパターンの発生を検出してもよい。ただし、振動や騒音が発生して乗り心地が悪化することがないように、埋め込まれる形状誤差はごくわずかなものとする。
・タイヤ1aの特定部分の材質を変える。例えば、特定部分を他の部分よりも硬くしたり、または柔らかくしたりする。
・摩耗が進むとブロック間がつながって、面積や配置ピッチが変化する形態とする。
・摩耗が進むとブロックが分割されて、面積や配置ピッチが変化する形態とする。
・摩耗量に応じて数段階に変化するタイヤ回転速度変動発生パターンを形成してもよい
・発生するパターンは、路面からのノイズや小石の噛み込み、タイヤのフラットスポットの影響などと区別するために、単調なパターンでなく特定パターンを示すように配置するのがよい
回転速度変動の発生状況はタイヤの状態に応じて変化するため、走行速度によって影響を受けることが示されている。図9に示す波形の点線で示した部分は、回転変動の発生する回転位置で観測された速度変動波形であり、(a) 〜(c) に示されるように走行速度によって波形が変化している。すなわち、回転速度変動成分はタイヤ1aの伝達特性により周波数特性を示し、走行速度によってその位相や振幅が変化する。そのため、回転速度変動パターンを抽出する際には、回転速度が特定の範囲にある状態の信号を用いて処理するのが望ましく、信号処理ユニット3(図2)には回転速度判別部5を設けることで、回転速度の判別機能を備えておく。
検出対象とする特定の回転速度変動パターンを精度よく検出するために、車両に搭載される回転センサ2には十分な検出精度と、十分な空間分解能を備えたものとするのが望ましい。たとえば、少なくとも0.5%の回転速度変動を検出できる精度を備え、1回転あたりのパルス数を40以上とする。より高い次数の回転変動成分を含む低速回転時に十分なデータを取得するためには、回転センサ2の分解能をさらに高いものにするのが望ましい。タイヤ1aのブロックサイズなどの構造を考慮すると、接地長20mm程度の分解能を確保できるように、回転センサ2の1回転あたりの出力パルス数を最低100以上にするのが望ましい。
検出対象とする特定の回転速度変動パターンを精度よく検出するために、車輪に搭載される回転センサには十分な検出精度と、十分な空間分解能を備えたものを使用することが必要である。上記のように磁気エンコーダ2aまたはパルサギヤからなるターゲットと磁気センサ2bを組み合わせ、検出した磁界信号を逓倍して分解能を高めた回転センサ2は、温度変化や汚れなどの劣悪な環境に強く、かつ1回転あたり100パルス以上の回転分解能を有するものとできる。そのため、回転センサ2が温度変化や汚れなどの劣悪な環境に置かれ、また1回転中の回転速度変動を抽出することが必要な回転センサ2として、上記構成のものが適している。回転センサ2の具体例は、後に図21,図22と共に説明する。
・ タイヤ1aの摩耗量を、走行中に検出することができるため、特殊なセンサを設ける必要がない。そのため、大幅にコストアップすることなく、車両に実装することができる。
・ 従来は目視による点検のため見逃す可能性があったが、車両の回転センサ2によって検出するため、適切な警告を発信して安全確認を促し、予防安全を実現できる。
・タイヤ1aが摩耗した状態で運転していることを忘れてしまった場合であっても、検出信号によって車両が警告を発信できるため、スリップを避けるような運転操作が可能になり、交通事故を防止することができる。
・摩耗状態を考慮した車両制御が可能になるため、走行条件に応じて適切な運転補助や安全制御を施し、交通事故を防止することができる。
・また、特徴パターンを生じさせる特徴構造部を一定の回転位相の位置に配置して、回転変動パターンの中から特徴パターンを抽出し易くしているため、タイヤ1aに設ける摩耗検知用の特徴構造部を最小限の大きさにすることができ、乗り心地に影響しないように構成できる。
・車輪用軸受に回転センサ2が組み込まれているため、検出誤差が小さくなり、わずかな回転速度変動も検出することができる。そのため、乗り心地に影響を与えないようなレベルで形成された摩耗量検出用の形状特徴を、精度よく検出することができる。
・さらに高分解能な回転センサと組み合わせることで、低速走行状態における回転変動成分を、高い分解能で検出できるため、摩耗検知用のパターン抽出精度が高くなる。
これら磁気エンコーダ2aやギヤ型のパルサリングを用いた磁気式の回転センサ2によると、温度変化や汚れなどの劣悪な環境に強い。磁気式の場合、光学式に比べて磁極を細かく設けることが困難であるが、逓倍回路2caを有すると、回転速度変動パターンを検出するために必要な分解能の回転信号が得られる。
最も好ましい形態は、トラックやトレーラー、バスなどの大型自動車への適用である。
これら自動車では、乗客や貨物を安全に効率よく運搬することが要求されるため、 常に車両を正常な状態に保つことが重要になる。日常の運行前点検に加えて、走行中にもタイヤの摩耗量をモニタすることにより、 運行に影響が出る前にその兆候をつかむことが必要になっている。
1a…タイヤ
2…回転センサ
2a…ターゲット
2b…磁気センサ
2c…逓倍手段
3…信号処理ユニット
4…摩耗状態判断ユニット
5…回転速度判別部
6…回転変動パターン抽出部
8…誤差補正部
9…FFT処理部
11…比較演算部
12…摩耗量推定部
16…上位コンピュータ
17…摩耗推定結果利用手段
19…警告報知手段
20…営業所
Claims (14)
- 車輪の回転を検出する回転センサと、この回転センサの検出した回転信号から回転に同期した回転速度の変動を抽出し、この回転速度の変動から複数回転に渡る回転に同期した回転速度変動パターンを抽出する信号処理ユニットと、この抽出した回転速度変動パターンから、前記車輪のタイヤに設けられている摩耗状態を示す特徴構造部によって誘起される成分の値を求め、その求めた値に基づいて前記タイヤの摩耗状態を推定し出力する摩耗状態判断ユニットと、を備えた自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットは、タイヤに設けられている摩耗状態を示す特徴構造部によって誘起される成分の値と、前記タイヤの摩耗の進行状況との関係を設定した関係設定手段を有し、この関係設定手段に前記関係を設定した前記タイヤの前記特徴構造部が、次のいずれかである自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
・特定部分の材質を変えたもの。
・摩耗が進むとブロック間がつながって面積またはパターンが変化する形態のもの。
・摩耗量に応じて複数段階のタイヤ回転速度変動発生パターンを形成するもの。
・一回転内で特定のパターンを示す特徴的なパターンとするもの。
・タイヤのトレッドパターンが摩耗に伴って変化するように構成されていて、その形状特徴部がトレッドを横断する方向に形成されているもの。
・前記特徴構造部が、タイヤの回転方向の複数の位置に形成され、それぞれの位置関係が回転方向に等間隔とはならないようにされたもの。
・前記特徴構造部が、トレッドの形成材料を部分的に変えて構成されたもの。
・摩耗が進んだときに、特徴的な回転変動パターンが発生するように構成されたもの。
・検出対象パターンの溝を形成した状態を初期状態として、摩耗に伴って特徴となる回転変動パターンが減少するように構成されたもの。 - 請求項1または請求項2に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットは、前記回転速度変動パターンの抽出を、複数回転にわたる回転信号を、回転に同期させた平均化処理または積算処理によって行うものである自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれ1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットは、前記回転速度変動パターンの抽出を、一つ以上設定された走行速度範囲にある状態のときに選択的に実施する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれ1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットは、前記回転速度変動パターンの抽出および摩耗状態の推定の処理を、複数設定した走行速度範囲についてそれぞれ行ない、これら複数の走行速度範囲における摩耗状態の走行速度範囲別推定結果から摩耗状態を総合判断する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットは、検出された回転速度変動パターンから周波数成分を分析し、摩耗状態の特徴が現れる特定の回転次数成分のレベルを求めて摩耗状態を判別する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項6に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、検出した速度変動パターンの周波数スペクトルに含まれている、摩耗状態の特徴の寄与する周波数成分の大きさを抽出し、それを評価値として摩耗状態を判別する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記回転センサが零相を備え、前記信号処理ユニットは、検出した速度変動パターンの位相を合わせた状態で、基準パターンとの差分を求め、変化の大きさを検出するものである自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項8のいずれ1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記回転センサが、磁気エンコーダもしくはパルサギヤと、これら磁気エンコーダもしくはパルサギヤを検出する磁気センサとを有し、前記磁気センサの検出信号を逓倍した回転パルスを出力する逓倍回路を備えたものである自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項1ないし請求項9のいずれ1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗状態判断ユニットが出力した摩擦の情報に基づいて、運転者への警告または車両の制御状態を変更する摩耗推定結果利用手段を設けた自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項10に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗推定結果利用手段は、前記摩耗状態判断ユニットが出力した摩擦の情報に基づいて、運転席の警告報知手段に表示させる機能を有する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項10または請求項11に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗推定結果利用手段は、前記摩耗状態判断ユニットが出力した摩擦の情報に基づいて、車両制御コンピュータの制御パラメータを変更し、タイヤの能力を考慮した安全制御を行う機能を有する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗推定結果利用手段は、前記摩耗状態判断ユニットが出力した摩擦の情報と走行時の天候に基づいて、特定の天候時に警告を出す機能を有する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
- 請求項10いし請求項13のいずれ1項に記載の自動車用タイヤの摩耗量検知装置において、前記摩耗推定結果利用手段は、前記摩耗状態判断ユニットが出力した摩擦の情報に基づいて、車両に搭載されたコンピュータが通信回線を通じて摩耗状態を、車両の点検またはタイヤの交換が可能な定められた営業所に発信する機能を有する自動車用タイヤの摩耗量検知装置。
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