JP6231435B2 - 固体撮像素子 - Google Patents
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Description
溝部の深さをT1とし、耐熱向上層の厚みをT2とするとき、T2<T1であることが好ましい。好ましくは厚みT2と深さT1の差が5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。
また、溝部の起点を結んだ直線と基板の表面と平行な線との角度θ1が50°以上であることが好ましい。溝部の角度は、50°以上60°以下がより好ましく、さらに好ましくは50°以上55°以下である。
電子ブロッキング層は、溝部に対応する領域に形成される凹部の角度が30°以下であることが好ましく、より好ましくは20°以下、更に好ましくは15°以下である。
隣接する画素電極の間に、画素電極の厚みよりも厚い絶縁体が形成されている形態でもよい。
光電変換層は、n型有機化合物とp型有機化合物とが混合されたバルクヘテロ層で構成されていることが好ましい。
n型有機化合物は、フラーレンまたはフラーレン誘導体であることが好ましい。
バルクヘテロ層は、フラーレンを30%〜80%の割合で含有することが好ましい。フラーレンを50%〜80%含むことがより好ましく、フラーレンを65%〜75%含むことが特に好ましい。
図1は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子を示す模式的断面図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子の要部を示す模式的断面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子の光電変換素子を示す模式的断面図である。
なお、本発明において、数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、xが数値A〜数値Bとは、xの範囲は数値Aと数値Bを含む範囲であり、数学記号で示せばA≦x≦Bである。
図1に示す固体撮像素子10は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置に用いることができる。更には電子内視鏡および携帯電話機等の撮像モジュール等に搭載して用いることもできる。
基板12には読出し回路40と対向電極電圧供給部42とが形成されている。なお、固体撮像素子10は、電気信号に変換するのは可視光に限定されるものではなく、可視光以外の波長帯の光を電気信号に変換するものであってもよい。
絶縁層14には、画素電極16と読出し回路40とを接続する第1の接続部44が形成されている。更に、対向電極24と対向電極電圧供給部42とを接続する第2の接続部46が形成されている。第2の接続部46は、画素電極16および電子ブロッキング層20に接続されない位置に形成されている。第1の接続部44および第2の接続部46は、銅等の導電性材料で形成されている。
耐熱向上層18は固体撮像素子10の耐熱性を向上させるものであり、フラーレンまたはフラーレン誘導体と電子ブロッキング層20を構成する材料が混合されたもので構成されている。このため、耐熱向上層18では電荷が移動可能である。
電子ブロッキング層20上に光電変換層22が設けられている。光電変換層22は入射光Lを受光して、その光量に応じた電荷を発生するものである。
耐熱向上層18の厚みとしては、画素電極16を十分に覆うために5nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm以上である。耐熱向上層18の厚みが厚すぎると、光電変換層22に適切な電界強度を印加するために必要な供給電圧が高くなってしまう問題が生じる。このため、耐熱向上層18の厚みは30nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下である。
なお、図7に示す固体撮像素子100において、図1に示す固体撮像素子10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
電子ブロッキング層20は、画素電極16と光電変換層22の接触を十分に抑制し、また画素電極16表面に存在する欠陥またはゴミの影響を避けるために、厚みは20nm以上であることが好ましい。より好ましくは厚みが40nm以上であり、特に好ましいのは厚みが60nm以上である。
電子ブロッキング層20を厚くしすぎると、光電変換層に適切な電界強度を印加するために必要な供給電圧が高くなってしまう問題、および電子ブロッキング層20中のキャリア輸送過程が、光電変換素子の性能に悪影響を与えてしまう問題が生じる。電子ブロッキング層20の総膜厚は、300nm以下であることが好ましい、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
電子ブロッキング層の厚みが上述の範囲であれば、光電変換層に適切な電界強度を印加するために必要な、供給電圧が高くなるのを抑えることができる。また、電子ブロッキング層中のキャリア輸送過程が、固体撮像素子の性能に悪影響を与えない。
光電変換層22は、p型有機化合物またはn型有機化合物を含有した層であることが好ましい。光電変換層22は、p型有機化合物と、n型有機化合物を混合したバルクへテロ層であることがより好ましい。さらに好ましくは、p型有機化合物と、フラーレンまたはフラーレン誘導体を混合したバルクへテロ層である。光電変換層22として、バルクへテロ層を用いることにより有機層の励起子拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。最適な混合比率でバルクへテロ層を作製することにより、光電変換層22の電子移動度、正孔移動度を高くすることができ、固体撮像素子10の光応答速度を十分高速にすることができる。バルクへテロ層のフラーレン、もしくはフラーレン誘導体の比率としては、フラーレンを30%〜80%含むことが好ましく、50%〜80%含むことがより好ましく、フラーレンを65%〜75%含むことが特に好ましい。
p型有機化合物、またはn型有機化合物のうちの少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解の虞があるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。一方、本発明において、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。均一な蒸着を可能とするために基板を回転させて蒸着することは好ましい。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することが好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
なお、電子ブロッキング層20および光電変換層22については後に詳細に説明する。
対向電極24は、光電変換層22に光を入射させるため、入射光Lに対して透明な導電性材料で構成されている。対向電極24は、光電変換層22よりも外側に配置された第2の接続部46と電気的に接続されており、第2の接続部46を介して対向電極電圧供給部42に接続されている。
対向電極24の材料として好ましいのは、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料である。
対向電極24の光透過率は、可視光波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
また、対向電極24は、厚みが5〜30nmであることが好ましい。対向電極24を5nm以上の膜厚にすることにより、下層を十分に被覆することができ、均一な性能が得られる。一方、対向電極24の膜厚が30nmを超えると、対向電極24と画素電極16が局所的に短絡してしまい、暗電流が上昇してしまうことがある。対向電極24を30nm以下の膜厚にすることで、局所的な短絡が発生するのを抑制することができる。
本発明においては対向電極24をプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで対向電極24を作製することで、プラズマが固体撮像素子10に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、対向電極24の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、処理対象に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
なお、図示しないが、例えば、基板12にp領域によって囲まれた高濃度のn領域が形成されており、このn領域に第1の接続部44が接続されている。p領域に読出し回路40が設けられている。n領域は光電変換層22の電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能するものである。n領域に蓄積された信号電荷は読出し回路40によって、その電荷量に応じた信号に変換されて、例えば、配線層48を介して固体撮像素子10外部に出力される。
封止層26により、固体撮像素子10の各製造工程において、有機溶媒等の溶液、プラズマ等に含まれる有機光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して光電変換層22を保護する。また、固体撮像素子10の製造後に、水分子、酸素等の有機光電変換材料を劣化させる因子の浸入を阻止して、長期間の保存、および長期の使用にわたって、光電変換層22の劣化を防止する。更には、封止層26を形成する際、既に形成された光電変換層22を劣化させない。また、入射光Lは、封止層26を通じて光電変換層22に到達する。このため、封止層26は、光電変換層22で検知する波長の光、例えば、可視光に対して透明である。
封止層26の総膜厚が30nmを下回るとバリア性が低下したり、カラーフィルタの現像液に対する耐性が低下する虞がある。一方、封止層26の厚みが500nmを超えると、画素サイズが1μmを切る場合に、混色を抑制することが難しくなる。
図2(a)、(b)に示すように、固体撮像素子10においては、画素電極16、耐熱向上層18、電子ブロッキング層20、光電変換層22、対向電極24およびカラーフィルタ28が上方に設けられた画素電極16、1つが単位画素Uになる。単位画素Uと第1の接続部44と読出し回路40とを組み合わせたもので光電変換素子50が構成される。
好ましくは厚みT2と深さT1の差が5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。厚みT2と深さT1の差、すなわち、段差が大きい程、耐熱向上層18を厚くすることができ、耐熱向上層18が画素電極16上を十分に被覆することができる。
また、固体撮像素子10では、電子ブロッキング層20は溝部15に対応する領域に凹部21での角度θ2は30°以下であることが好ましく、より好ましくは20°以下、更に好ましくは15°以下である。凹部21での角度θ2が30°を超えると、画素電極16間上にある電子ブロッキング層20、光電変換層22に粗密な領域が形成される。光電変換層22上に形成した対向電極24が粗密部に侵入し、電界を印加した際に、侵入した対向電極24の一部に電界が集中し、暗電流が増加することが生じる虞がある。
図3(a)は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子の溝部の角度を説明するための模式図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子の電子ブロッキング層の角度を説明するための模式図である。
なお、 図3(a)、(b)において、図1、図2(a)に示す固体撮像素子10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
なお、起点P1とは、溝部15の断面において溝部15の側面15cと絶縁層14の表面14aとの境界である。起点P2とは、溝部15の断面において溝部15の側面15cと溝部15の底面15bとの境界である。
図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態の固体撮像素子の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。
図4(a)に示すように、読出し回路40と対向電極電圧供給部42(図4(a)では図示せず)とが形成された基板12の表面12aに、第1の接続部44と第2の接続部46(図4(a)では図示せず)と、配線層48(図4(a)では図示せず)が設けられた絶縁層14が形成されたものを用意する。
次に、図4(b)に示すように、導電層60と絶縁層14の一部をエッチングにより除去し、溝部15を形成する。これにより、導電層60から画素電極16が形成される。
なお、導電層60と絶縁層14とは、1度のエッチングで除去することに限定されるものではなく、導電層60をエッチングで除去した後、絶縁層14をエッチングで除去してもよい。
次に、図4(c)に示すように、例えば、マスク(図示せず)を用いた真空共蒸着法により、フラーレンまたはフラーレン誘導体と電子ブロッキング層20を構成する材料が混合されたものからなる耐熱向上層18を画素電極16上に形成する。
対向電極24を覆うようにして、封止層26として、例えば、酸化アルミニウム膜と窒化珪素膜の積層膜を形成する。なお、酸化アルミニウム膜は、例えば、原子層堆積法により形成し、窒化珪素膜は、例えば、マグネトロンスパッタ法により形成する。
次に、隔壁27、カラーフィルタ28および遮光層29を覆うようにして、オーバーコート層30を、例えば、塗布法を用いて形成する。これにより、図1に示す固体撮像素子10を形成することができる。オーバーコート層30には、有機固体撮像素子に用いられる公知のものが用いられる。オーバーコート層30の形成工程は、所定の真空下でも、非真空下であってもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態の固体撮像素子の要部を示す模式的断面図である。
なお、本実施形態において、図1、図2(a)に示す固体撮像素子10と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図5に示す固体撮像素子10aでは、図示を簡略化しており、光電変換層22よりも上の構成、対向電極電圧供給部42(図1参照)、第2の接続部46(図1参照)、および配線層48(図1参照)の図示を省略している。
絶縁体70は、絶縁層14と同じ組成とすることができ、例えば、窒化珪素、酸化珪素等で構成することができる。残存部72は、耐熱向上層18と同じ組成であり、耐熱向上層18の形成工程で形成される。
本実施形態の固体撮像素子10aでは、隣接する画素電極16の隙間17に絶縁体70を設け、耐熱向上層18同士の導通を防止することで、暗電流、応答速度および変換効率を劣化させることなく、耐熱向上層18の効果を発揮することができる。本実施形態の固体撮像素子10aは第1の実施形態の固体撮像素子10と同様の効果を得ることができる。
図6(a)〜(f)は、本発明の第2の実施形態の固体撮像素子の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。
なお、本実施形態の固体撮像素子10aの製造方法において、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の固体撮像素子10の製造方法と同一工程については、その詳細な説明は省略する。図6(a)に示す工程は、図4(a)に示す工程と同じであるため、説明を省略し、図6(b)から説明する。
次に、図6(c)に示すように、画素電極16を覆い、かつ画素電極16の間の隙間17を埋めるようにして絶縁膜74を形成する。この絶縁膜74は、例えば、窒化珪素、または酸化珪素で、CVD法またはスパッタ法を用いて形成される。この絶縁膜74の絶縁層14の表面14aからの高さT3は、画素電極16と耐熱向上層18の合計の厚みよりも高い。
次に、図6(e)に示すように、画素電極16上にフラーレンまたはフラーレン誘導体と電子ブロッキング層20を構成する材料が混合されたものを用いて、例えば、真空共蒸着法で耐熱向上層18を形成する。この場合、絶縁体70は耐熱向上層18よりも高く、耐熱向上層18の表面18aから突出する。さらには絶縁体70上にも耐熱向上層18が形成されるが、これを残存部72という。
以降、上述のように、電子ブロッキング層20上に光電変換層22(図5参照)を形成する。その他の構成も、第1の実施形態と同様にして作製する。これにより、固体撮像素子10aを得ることができる。
光電変換層22の材料としては特に限定されるものではないが、p型有機化合物とn型有機化合物を混合したバルクへテロ構造の層で形成することで、固体撮像素子の性能を良好なものにすることができる。
p型有機化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Z1は少なくとも2つの炭素原子を含む環であって、5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環を表す。5員環、6員環、または、5員環および6員環の少なくともいずれかを含む縮合環としては、通常メロシアニン色素で酸性核として用いられるものが好ましく、その具体例としては例えば、以下のものが挙げられる。
(b)ピラゾリノン核:例えば、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾイル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等。
(c)イソオキサゾリノン核:例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン等。
(d)オキシインドール核:例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール等。
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核:例えば、バルビツル酸または2−チオバルビツル酸およびその誘導体等。誘導体としては例えば、1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体、1,3−ジメチル、1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体、1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体、1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−1−アリール体、1,3−ジ(2―ピリジル)等の1,3位ジヘテロ環置換体等が挙げられる。
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核:例えば、ローダニンおよびその誘導体等。誘導体としては例えば、3−メチルローダニン、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン、3−フェニルローダニン等の3−アリールローダニン、3−(2−ピリジル)ローダニン等の3位ヘテロ環置換ローダニン等が挙げられる。
(h)チアナフテノン核:例えば、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等。
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核:例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等。
(j)2,4−チアゾリジンジオン核:例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等。
(k)チアゾリン−4−オン核:例えば、4−チアゾリノン、2−エチル−4−チアゾリノン等。
(l)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核:例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(m)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核:例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等。
(n)イミダゾリン−5−オン核:例えば、2−プロピルメルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等。
(o)3,5−ピラゾリジンジオン核:例えば、1,2−ジフェニル−3,5−ピラゾリジンジオン、1,2−ジメチル−3,5−ピラゾリジンジオン等。
(p)ベンゾチオフェンー3−オン核:例えば、ベンゾチオフェンー3−オン、オキソベンゾチオフェンー3−オン、ジオキソベンゾチオフェンー3−オン等。
(q)インダノン核:例えば、1−インダノン、3−フェニルー1−インダノン、3−メチルー1−インダノン、3,3−ジフェニルー1−インダノン、3,3−ジメチルー1−インダノン等。
L1〜L3は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロヘキセン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、チオフェン環等が挙げられる。
Ra、Rbは互いに置換基同士が結合して環(好ましくは5員または6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよく、また、Ra、RbはそれぞれがL(L1、L2、L3のいずれかを表す)中の置換基と結合して環(好ましくは5員または6員環、より好ましくは6員環)を形成してもよい。
一般式(1)で表される化合物は一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の更に好ましい具体例は、一般式(3)における下記表2の置換基、連結基および部分構造の組み合わせであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に一般式(1)で表される化合物の特に好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物は、成膜適性の観点から、分子量が300以上1500以下であることが好ましく、350以上1200以下であることがより好ましく、400以上900以下であることが更に好ましい。分子量が小さすぎる場合では、成膜した光電変換膜の膜厚が揮発により減少してしまい、逆に分子量が大きすぎる場合では蒸着ができず、固体撮像素子を作製できない。
一般式(1)で表される化合物は、蒸着安定性の観点から、融点が200℃以上であることが好ましく、220℃以上がより好ましく、240℃以上が更に好ましい。融点が低いと蒸着前に融解してしまい、安定に成膜できないことに加え、化合物の分解物が多くなるため、光電変換性能が劣化する。
一般式(1)で表される化合物の吸収スペクトルのピーク波長は、可視領域の光を幅広く吸収するという観点から450nm以上700nm以下であることが好ましく、480nm以上700nm以下がより好ましく、510nm以上680nm以下であることが更に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、光を効率よく利用する観点から、モル吸光係数は高ければ高いほどよい。吸収スペクトル(クロロホルム溶液)が、波長400nmから700nmまでの可視領域において、モル吸光係数は20000M−1cm−1以上が好ましく、30000M−1cm−1以上がより好ましく、40000M−1cm−1以上が更に好ましい。
電子ブロッキング層20には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)もしくは4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィリン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アニールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、カルバゾール誘導体、ビフルオレン誘導体等を用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体またはその誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。
電子ブロッキング層20のイオン化ポテンシャル(Ip)が5.2eV以上であることが好ましく、5.3eV〜5.8eVがより好ましく、5.4eV〜5.7eVが更に好ましい。
本実施例においては、実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例5の固体撮像素子を作製し、本発明の効果を確認した。なお、実施例1〜実施例9の固体撮像素子は、図1に示す構成であり、基板上に形成された、画素電極/耐熱向上層/電子ブロッキング層/光電変換層/対向電極/封止層の構成である。比較例1の固体撮像素子は、実施例1の固体撮像素子に比して耐熱向上層がない点が異なる以外は、実施例1と同じ構成である。比較例2の固体撮像素子は、実施例1の固体撮像素子に比して溝がなく、かつ耐熱向上層がない点が異なる以外は、実施例1と同じ構成である。比較例3〜比較例5の固体撮像素子は、画素電極間で耐熱向上層がつながっている点が異なる以外は、実施例1と同じ構成である。
なお、下記表3において、耐熱向上層の形態の欄の「連続」とは、隣接する画素電極間で耐熱向上層がつながっていることである。「非連続」とは、隣接する画素電極間で耐熱向上層がつながっていないことである。
読み出し回路、電荷蓄積部、コンタクト部、画素電極を形成したSi基板上に、耐熱向上層、電子ブロッキング層、光電変換層、対向電極、封止層を積層した撮像素子である。隣り合う画素電極同士の間に深さ20nmの溝部を形成した。
画素電極は、Si基板上に形成されたSiN絶縁層上に10nmの膜厚で、TiNにより形成されている。溝部は画素電極間のSiN絶縁層に形成する。
耐熱向上層は、化合物1で示される有機化合物とC60の混合膜(化合物1:C60=1:1(体積比))を真空中で共蒸着により、10nmの膜厚で形成する。
電子ブロッキング層は化合物1で示される有機化合物を真空蒸着法で50nmの膜厚で形成する。
対向電極はITOを高周波マグネトロンスパッタにより、10nmの膜厚で形成する。
封止層は、酸化アルミニウム膜と窒化珪素膜の積層膜を形成した。酸化アルミニウム膜は原子層堆積装置を使用し、100nmの膜厚で形成した。窒化珪素膜はマグネトロンスパッタにより、100nmの膜厚で形成した。
実施例1は、画素電極間に耐熱向上層が存在していない。溝部の角度θ1は55°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は28°であった。
溝部の角度θ1と、電子ブロッキング層の角度θ2の測定は、作製した固体撮像素子から溝部を含む一部を切り取り、SEM像を得た。このSEM像を基に、上述の図3(a)に示す角度θ1と図3(b)に示す角度θ2を測定した。
実施例2は、実施例1と同様の構成であり、その作製方法も実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。しかしながら、実施例2の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は60°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は30°であった。
実施例3は、実施例1と同様の構成であり、その作製方法も実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。しかしながら、実施例3の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は52°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は25°であった。
実施例4は、実施例1に対し、耐熱向上層の厚みが15nmである点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、耐熱向上層の厚みを15nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例4の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は55°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は27°であった。
実施例5は、実施例1に対し、耐熱向上層の厚みが5nmである点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、耐熱向上層の厚みを5nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例5の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は55°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は29°であった。
実施例6は、実施例1に対し、溝の深さが40nmである点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部の深さを40nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例6の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は45°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は45°であった。
実施例7は、実施例1に比して溝の深さを40nmとし、電子ブロッキング層の厚みを70nmとした点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部の深さを40nmとし、電子ブロッキング層の厚みを70nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例7の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は45°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は42°であった。
実施例8は、実施例1に対し、溝の深さを40nmとし、電子ブロッキング層の厚みを70nmとした点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部の深さを40nmとし、電子ブロッキング層の厚みを70nmとし、電子ブロッキング層にアニール処理を施した点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例8の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は45°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は10°であった。なお、アニール処理は、温度190℃、10分の条件で行った。
実施例9は、実施例1に対し、溝の深さを30nmとし、電子ブロッキング層の厚みを60nmとした点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部の深さを30nmとし、電子ブロッキング層の厚みを60nmとし、電子ブロッキング層にアニール処理を施した点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。実施例9の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は45°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は36°であった。
比較例1は、実施例1に対し、耐熱向上層がない点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、耐熱向上層を形成しない点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様である。比較例1の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は55°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は32°であった。
比較例2は、実施例1に対し、溝部がなく、かつ耐熱向上層がない点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部を形成せず、かつ耐熱向上層を形成しない点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。比較例2の固体撮像素子では、電子ブロッキング層の角度θ2は10°であった。
比較例3は、実施例1に対し、溝部の深さが10nmであり、耐熱向上層の厚みが20nmであり、画素電極間で耐熱向上層がつながっている点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、溝部の深さを10nmとし、耐熱向上層の厚みを20nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様である。
比較例3の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は55°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は36°であった。
比較例4は、実施例1に対し、画素電極間で耐熱向上層がつながっている点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、耐熱向上層を画素電極間で連続するように形成する点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。比較例4の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は45°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は26°であった。
比較例5は、実施例1に対し、電子ブロッキング層の厚みを60nmとし、画素電極間で耐熱向上層がつながっている点以外は、実施例1と同様の構成である。その作製方法も、実施例1に比して、耐熱向上層を画素電極間で連続するように形成し、電子ブロッキング層の厚みを60nmとした点以外は、実施例1の固体撮像素子と同様の作製方法である。比較例5の固体撮像素子では、溝部の角度θ1は48°であり、電子ブロッキング層の角度θ2は27°であった。
画像の滲みは、隣接画素間でキャリアをやりとりするために、画像が滲む現象である(解像度低下)。画像の滲みの有無は、解像度チャートを撮影し、これによって得られる画像の滲みの有無を判定することにより評価した。
熱処理は、固体撮像素子を温度240℃のホットプレート上に2分間保持することで行った。作製した固体撮像素子の一部について、固体撮像素子を温度235℃のホットプレート上に2分間保持することで熱処理を行った。下記表3の「熱処理後(235℃、2分)」の欄において「−」は熱処理を行っていないことを示す。なお、下記表3において、各「暗電流(相対値)」は実施例1の初期状態を1とした数値である。
また、耐熱向上層も厚みを厚くすると、光電変換層に同じ電界強度を印加するのに必要な外部電圧が高くなるため、必要以上の膜厚にしないほうがよい。耐熱向上層の厚みは30nm以下が好ましい。
比較例2は、溝部がなく、かつ耐熱向上層がないため、熱処理後に暗電流が増加した。
比較例3〜比較例5は、画素電極間で耐熱向上層がつながっているため、隣接する画素電極間で電荷のやり取りが行われ、熱処理前から暗電流が増加した。また、隣接する画素電極間で電荷のやり取りにより、撮影した解像度チャートで滲みが発生した。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例4、比較例5を比較すると、溝部の深さが20nmで、耐熱向上層の厚みが10nmの場合、溝部の角度θ1を50°以上とすることで耐熱向上層を非連続にできる。比較例4、5のように溝部の角度θ1が50°未満では耐熱向上層は連続である。
12 基板
14 絶縁層
15 溝部
16 画素電極
18 耐熱向上層
20 電子ブロッキング層
22 光電変換層
24 対向電極
26 封止層
27 隔壁
28 カラーフィルタ
29 遮光層
30 オーバーコート層
40 読出し回路
42 対向電極電圧供給部
44 第1の接続部
46 第2の接続部
48 配線層
50 光電変換素子
70 絶縁体
Claims (11)
- 基板の表面に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層直上に設けられた複数の画素電極と、
前記画素電極の上方に設けられた、耐熱性を向上させる耐熱向上層と、
前記耐熱向上層の上方に設けられ、前記画素電極からの電子注入を抑制する電子ブロッキング層と、
前記電子ブロッキング層の上方に設けられ、受光した光に応じて電荷を生成する光電変換層と、
前記光電変換層の上方に設けられ、前記複数の画素電極で共有する対向電極と、
前記画素電極に接続され、前記画素電極で捕集された電荷に応じた信号を読み出す信号読出し回路とを有し、
前記耐熱向上層は、フラーレンまたはフラーレン誘導体と前記電子ブロッキング層を構成する材料が混合された層であり、かつ前記耐熱向上層は、隣接する前記画素電極の間で断絶していることを特徴とする固体撮像素子。 - 前記耐熱向上層は、フラーレンまたはフラーレン誘導体と前記電子ブロッキング層を構成する材料が混合された層であり、隣接する前記画素電極の間の前記絶縁層に溝部が形成されている請求項1に記載の固体撮像素子。
- 前記溝部の深さをT1とし、前記耐熱向上層の厚みをT2とするとき、T2<T1である請求項2に記載の固体撮像素子。
- 前記溝部の起点を結んだ直線と前記基板の表面と平行な線との角度θ1が50°以上である請求項2または3に記載の固体撮像素子。
- 前記電子ブロッキング層は、前記溝部に対応する領域に形成される凹部の角度が30°以下である請求項2〜4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 隣接する前記画素電極の間に、前記画素電極の厚みよりも厚い絶縁体が形成されている請求項1に記載の固体撮像素子。
- 前記耐熱向上層は、フラーレンまたはフラーレン誘導体を30%〜70%の割合で含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換層は、有機材料で構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 前記光電変換層は、n型有機化合物とp型有機化合物とが混合されたバルクヘテロ層で構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 前記n型有機化合物は、フラーレンまたはフラーレン誘導体である請求項9に記載の固体撮像素子。
- 前記バルクヘテロ層は、フラーレンを30%〜80%の割合で含有する請求項9または10に記載の固体撮像素子。
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