JP6232609B2 - 再帰性反射材シートを利用した立体表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源と再帰性反射シートを用いて、空間に立体的な映像を表示する表示装置に関する。本発明に係る立体表示装置は、インテリア装置やプロモーション装置、或いは、照明装置としても用いることができる。
空中に立体的な映像や光の塊等を表示させる技術(空間投影)には、空間に白煙(スモーク)や細かい水滴を噴霧し、そこに映像を投影するものが知られている。また、ハーフミラーやプロジェクターを用いた円筒状やボックス状の立体的構造物に映像を投影することにより、擬似的に立体映像を空間中に出現させる立体映像投影装置も知られている。
特許文献1〜3には次のような立体映像表示装置が記載されている。特許文献1の立体画像表示装置は、表示面に表示された右目用と左目用の視差画像をそれぞれの目のみに到達させるようにし、表示面の正対方向に対する鑑賞者の傾き角である視角を検出して、それに基づいて、鑑賞者に対して表示画像が正対するように視差画像を座標変換するようにしている。特許文献2の空中投影装置は、超音波で水を霧状にし、送風機で空間に帯状に放出する。その霧を急冷することによりスクリーンとし、そこに映像を投影している。特許文献3の映像表示システムは、光源の照明範囲を含むように再帰性反射材によるスクリーンを設けたものである。その外面から映像を投影すると、ある範囲に位置する利用者には映像を提示しながら、それ以外の位置に対しては映像の影響の無い照明光を発することができる。
特開2006-133665号公報 特開2008-096942号公報 特開2011-095309号公報
上記の従来の立体映像表示装置はいずれも、大がかりな装置を必要とする。また、空間にスモークや霧等を散布するため、表示空間がクリアでないという欠点がある。
本発明が解決しようとする課題は、スモークや霧などを用いずに、また、まったくの支持体無しに、空間に映像を投影する立体表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る立体表示装置は、
点光源と、
観察者の右目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線及び観察者の左目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線の双方が交差するように配置された再帰性反射材シートから成るスクリーンとを備えることを特徴とする。
前記点光源は、LED光源とすることが望ましい。発光面積が小さく、より高い輝度で発光することができるため、本発明の効果をより良く得ることができる。
前記スクリーンと観察者の間に配置される点光源を複数としてもよい。
本発明に係る立体表示装置では、観察者が点光源を見ると、その点光源の周囲に光の塊がぼんやりと浮かび上がる。この光の塊は、スクリーンの方ではなく、点光源の周囲に存在するように視認される。観察者が横に移動し、それらスクリーンと点光源に対する位置を変えても、光の塊は点光源の周囲に留まったままである。このような点光源を複数、図形状、文字状、立体状に配置することにより、様々な造形を空間中に現出することができる。また、これらの点光源をそれぞれ独立に動かしたり点滅させることにより、動画的な効果を現すこともできる。
本発明の基本構成である立体表示装置の概略構成図。 前記基本構成の立体表示装置の、スクリーン上での光の状態を表す説明図。 前記基本構成の立体表示装置の、一方の目(右目)による視認の状態を示す俯瞰図。 前記基本構成の立体表示装置の、視認位置を変えた場合の視認の状態を示す俯瞰図。 前記基本構成の立体表示装置の原理を説明するための、特異状態での視認の様子を示す俯瞰図。 本発明の応用例である格子状点光源配列表示装置の外観図(a)及び各点光源の回路図(b)。
本発明の基本構成である立体表示装置について説明する。図1は、その立体表示装置を上から見た図(平面図)であり、LED光源による点光源10と再帰性反射材シートから成るスクリーン11から成る空間疑似投影技術の基本システムを示す。本システムでは、点光源10としてローム株式会社のPICOLED(登録商標)を用いているが、発光部の面積が小さく、輝度が大きいものであれば、この他にも様々な光源を点光源10として用いることができる(例えば、リンクマン(Linkman)社のチップ赤色LED光源HT17-21SRWCなど。)。また、再帰性反射材シートから成るスクリーン11には、例えば、3M社のスコッチライト(登録商標)を用いることができるが、もちろん、それ以外にも、各社から販売されている再帰性反射布・反射板等を用いることができる。
点光源10は、その照射方向がスクリーン11の再帰性反射面(再帰性反射材が塗布された面)を向くように配置する。図1の例では、点光源10はスクリーン11から300 mm離して配置しているが、この距離はもちろん任意である。観察者12は、その点光源10の後方において、スクリーン11の再帰性反射面を観察する。図1では、点光源10と観察者12の目の距離を400 mmとしたが、これも任意である。なお、図1では観察者12の左右眼の間隔は70 mmとしたが、これも人による。
このような状態で観察者12がスクリーン11の再帰性反射面の方を観察すると、点光源10の周囲に、あたかも光の塊13のような3次元像が見える。すなわち、点光源10の左右上下の2次元的な周囲ばかりではなく、点光源10の前後にも光の存在する空間が形成されているように見える。
この現象は、次のような原理によるものと考えられる。右目と点光源10を結ぶ線L1は、点光源10(点X)を通った後、その延長線L2がスクリーン11の表面の点Aで交差する。点光源10の光は、この延長線L2を通ってスクリーン11の表面の点Aに達するが、該表面で再帰性反射され、同じ線L2、L1を通って観察者12の右目の方に戻って来る。この点Aにおける再帰性反射の際に、厳密に同じ角度(方向)に反射されるのではなく、その角度を中心として僅かに幅のある角度で反射される。従って、点Aを中心として少し幅のある領域aからの光が右目に戻って来る。
点光源10からの光は、こうしてスクリーン11の表面で反射され、観察眼(右目)の方に入るため、観察眼(右目)は、スクリーン11の表面を鏡面とした、点光源10の虚像を、スクリーン11の表面の向こう側に観察することとなる。ここで、スクリーン11が完全な鏡面反射面であれば、虚像は同じ点光源の像となるが、前述の通り、スクリーン11の表面において幅のある領域aの光が観察眼(右目)に入るため、観察眼(右目)が見る虚像は、点光源10を中心とした、幅のある領域のように見える。
観察者の左目についても全く同様の現象が生じる。すなわち、図2に示すように、右目が点Aを中心とする領域aを虚像として観察し、左目が点Bを中心とする領域bを虚像として観察する。こうして左右眼によりそれぞれ観察される視差のある2つの像が脳内で合成されることにより、点光源10を中心とした幅のある領域が立体視され、観察者には、点光源10を中心とした光の塊13が存在するように視認される。
このような現象は、観察者12が点光源10の真後ろに居る(スクリーン11に垂直に向かい合った)場合のみならず、それよりも横に移動した場合にも生じる。すなわち、このような現象は、スクリーン11の有効反射角度の中において生じる。この有効反射角度の大きさは、スクリーン11を構成する再帰性反射材の反射性能による。
距離に関しては、図1のような、比較的近い距離関係ばかりではなく、15 m(15000 mm)まで離しても、同様の現象を視認することができる。点光源10からの光の強さは距離の2乗に反比例することから、距離が大きくなれば観察者12の観察眼に入る光の量は弱くなってしまうし、周囲からの光によって見え方が相対的に弱くなってしまうが、上記現象が消失することはない。
これらを表したのが図4である。この図のO点、P点、Q点等、どの位置でも同様の現象が視認される。ただ、各種実験を行ったところ、観察者12の位置を固定した状態で点光源10とスクリーン11の距離を広げると(すなわち、点光源10を観察者12に近づけると)、観察される光の塊13のサイズが大きくなり、色調も、光の塊13の中心部は白色に、周辺部は黄色味を帯びたものとなる。
なお、図3(のインセット内)に示すように、点光源10は前記のとおり、発光面をスクリーン11側とする他、点光源10の光が観察者側に直接来ないように、背面(観察者側の面)には小さな覆い15をしておくことが望ましい。また、同図に示すように、点光源10は通常、或る角度の範囲内に発光を行う(LED光源の場合、120°〜130°程度)ため、点光源10は必ずしもスクリーン11に向けて正対させる必要はなく、多少、向きがずれていても構わない。
上記原理を実証する例を図5に示す。これは、右目で点光源10を見たときに、スクリーン11の右端が丁度その真後ろにあり、左目から見たときには点光源10の背後にはスクリーン11が存在しないという場合である。この場合、インセット内に示すように、右目では点光源10の領域aの左半分(a')しか見えず、左目では領域bは全く見えない。その結果、観察者12は、点光源10の周囲のうち、左半分の方にだけ光の塊13’が存在するような3次元像を視認することが認められた。
上記例では点光源10としてチップ単体型のLED光源を用いたが、このLED光源はレンズ付(砲弾型)のものでもよい。また、LED光源のような自発光光源に限られず、点状に発光するものであれば、光ファイバーの先端を点光源としてもよい。さらに、従来型のフイラメントの光源でも、その発光面積が小さいものであれば、使用することができる。ただ、その場合、点光源10の周囲に視認される光の塊13の像は、ややシャープさに欠けたものとなる。恐らく、フイラメントの周囲のガラス球の表面での屈折等が原因であろうと考えられる。
本発明に係る表示装置は、インテリア装置やプロモーション装置、或いは、照明装置としても用いることができる。
例えば、図6(a)に示すように、点光源21を多数、格子状に配置して、各点光源21の点滅を制御するようにしてもよい。この場合、図6(b)に示すように、各点光源21には、その点滅を制御するための制御回路チップ22を設け、正負の電源線23、24の他に制御信号線25をこの制御回路チップ22に接続する。これらの電源線23、24及び制御信号線25は、この格子状表示装置20の両側に設けたフレーム26に接続し、それらを吊す吊下線27を通じて外部の制御回路(図示せず)に接続する。こうして、この格子状表示装置20の各光源21の点滅を個別に制御することにより、様々なパターン(文字等を含む)を表示することが可能となる。
10…点光源
11…スクリーン
12…観察者
13…観察される光の塊
15…点光源の背後の覆い
20…格子状表示装置
21…点光源
22…制御回路チップ
23、24…電源線
25…制御信号線
26…フレーム
27…吊下線

Claims (7)

  1. 点光源と、
    観察者の右目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線及び観察者の左目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線の双方が交差するように配置された再帰性反射材シートから成るスクリーンとを備えることを特徴とする立体表示装置。
  2. 前記点光源がLED光源であることを特徴とする請求項1に記載の立体表示装置。
  3. 前記点光源が複数配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体表示装置。
  4. 前記複数の点光源が格子状に配置され、各点光源について、その点滅を制御する制御回路チップが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の立体表示装置。
  5. 観察者の視認方向に再帰性反射材シートから成るスクリーンを配置し、該観察者と該スクリーンの間に点光源を、該スクリーンの方に向けて光を照射するように配置するとともに、前記観察者の右目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線及び前記観察者の左目と前記点光源を結ぶ直線の前記点光源側延長線の双方が前記スクリーンに交差するようにすることを特徴とする立体表示方法。
  6. 前記点光源を移動又は点滅させることを特徴とする請求項5に記載の立体表示方法。
  7. 前記点光源を複数用いることを特徴とする請求項5又は6に記載の立体表示方法。
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