JP6232709B2 - 位相シフトマスク及び当該位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法 - Google Patents

位相シフトマスク及び当該位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加工材上に所定のレジストパターンを形成するために用いられる位相シフトマスク及び当該位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法に関する。
液晶ディスプレイは、一般に、画素電極を駆動するためのスイッチング能動素子(薄膜トランジスタ,TFT)を有するTFT基板と、所定の開口部を有するブラックマトリックス及び当該開口部に形成された着色層を有するカラーフィルタ基板とを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を封入および充填した構造を有する。
この液晶ディスプレイにおいて、TFT基板上のTFT等は、それら(ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等)の構成材料からなる薄膜が形成された透明基板における当該薄膜上に、所定のパターンを有するフォトレジスト膜を形成し、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチングすることにより形成され得る。カラーフィルタ基板上のブラックマトリックス等も同様にして形成され得る。
また、有機ELディスプレイは、透明基板上にカソード電極、有機EL膜、アノード電極がこの順に積層され、それらの上から封止膜等により封止されてなる構造や、TFT基板上に有機EL膜、共通電極がこの順に積層され、それらの上から封止膜等により封止されてなる構造を有する。
この有機ELディスプレイにおいても、液晶ディスプレイと同様に、カソード電極、アノード電極、TFT等は、それらの構成材料からなる薄膜が形成された透明基板における当該薄膜上に、所定のパターンを有するフォトレジスト膜を形成し、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチングすることにより形成され得る。
これらの液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置を製造する過程において、透明基板上に所定のレジストパターンを形成する方法として、一般に、所定のパターン形状の金属クロム等からなる遮光部を有するフォトマスク(バイナリーマスク)を用いて当該フォトレジスト膜を露光および現像する、フォトリソグラフ法が用いられている。そして、これらの電極、TFT等を有する透明基板は、量産化を図りコストダウンに資するべく、大面積の透明基板(例えば、330mm×450mm以上の透明基板)を用いて多面付けにより生産されることが多いため、透明基板上に所定のレジストパターンを形成する際に用いられる露光装置としても、大面積の透明基板を一括して又は複数回に分割して露光可能な等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いるのが通常である。
上述のようなフォトリソグラフ法により形成されるレジストパターンの寸法(例えば、ラインアンドスペース状のレジストパターンであれば、ラインパターン又はスペースパターンの短手方向の幅;すなわち線幅)は、露光装置の解像限界に依存するものであり、画像表示装置製造用露光装置としては、解像限界が3μm程度のものが一般に用いられている。従来の画像表示装置における解像度であれば、露光装置の解像限界以上でのパターニングが可能であれば問題は生じなかったが、近年、画素数を増大させ、さらに高い解像度を有する画像表示装置の開発が要望されてきており、従来の画像表示装置製造用露光装置の解像限界を下回る寸法でのパターニングの必要性が高まってきている。
このような現状の中、LSI等の半導体装置の製造過程において極めて小さい寸法でのパターニングに用いられている位相シフトマスクを、画像表示装置の製造過程におけるフォトマスクとして使用する試みがなされている。例えば、透明基板上に透光部(露光光透過率100%)及び半透光部(露光光透過率20〜60%)を有し、透光部及び半透光部のうちの少なくとも一方が、3μm未満の寸法部分を有するフォトマスクが提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−42753号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のフォトマスクを用い、従来の画像表示装置製造用露光装置による露光および現像を行うことで、形成されるレジストパターンの寸法を、画像表示装置製造用露光装置の解像限界未満とすることができるものの、形成されるレジストパターンの厚さ(ラインパターンの高さ)が薄くなってしまい、パターニングされたフォトレジスト膜がその後のエッチング工程におけるエッチングマスクとしての役割を果たし難くなるという問題がある。
また、レジストパターンの厚さが薄くなることによって、形成されるレジストパターンの側壁部の角度(ラインアンドスペース状のレジストパターンであれば、基板面の垂直方向におけるラインパターン側壁部の立ち上がり角度)が小さくなってしまう。当該角度が小さくなるということは、基板上の面内におけるレジストパターンの厚さ(アスペクト比)のバラツキが大きくなることを意味する。その結果、その後のエッチング工程における高精度でのエッチングが困難となってしまうという問題がある。
従来の画像表示装置製造用露光装置を用いた等倍投影露光による光は、平行光成分の少ないものであるため、フォトマスクの透光部の透過光が半透光部の直下に回り込み、当該半透過部の直下のフォトレジスト膜にも照射されることになる。それにより、上述したような問題が生じると考えられる。
一方で、LSI等の半導体装置製造用の縮小投影露光光学系を具備する露光装置であれば、平行光成分の多い光による露光が可能であるため、当該半導体装置製造用露光装置を用いることで、フォトマスク(位相シフトマスク)の透光部を透過した光が半透光部の直下に回り込むのを抑制することができる。
しかしながら、半導体装置製造用露光装置における露光面積は極めて小さいため、画像表示装置にて用いられる大面積の基板上にレジストパターンを形成する目的で半導体装置製造用露光装置を用いると、画像表示装置製造のスループットが低下してしまうという問題が生じ得る。
このような問題に鑑み、本発明は、従来の画像表示装置製造用露光装置を用い、透明基板等の被加工材上に、当該露光装置の解像限界未満の寸法を有する所定のレジストパターンを高精度で形成することのできる位相シフトマスク及び当該位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、露光装置からの露光により当該露光装置の解像限界未満の設計寸法のレジストパターンを被加工材上に形成するために用いられる位相シフトマスクであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなり、前記露光装置からの露光光に所定の位相差を付与する凹状又は凸状の位相シフト部と、前記位相シフト部に隣接する非位相シフト部とを備え、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの少なくともいずれか一方が、前記露光装置の解像限界未満の寸法であって、かつ前記位相シフト部の寸法と前記非位相シフト部の寸法とが異なり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうち、寸法の小さいいずれか一方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させない機能を果たし、他方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させる機能を果たすものであり、前記透明基板上における前記位相シフト部及び前記非位相シフト部を含むパターン領域の大きさが、一辺300mm以上であり、少なくとも前記パターン領域内には、前記露光装置の解像限界未満の寸法の、遮光膜により構成される遮光部が設けられていないことを特徴とする位相シフトマスクを提供する(発明1)。
なお、本発明において「透明」とは、波長350〜450nmの光線の透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。また、本発明において「フォトレジスト膜を露光させない」とは、位相シフトマスク(位相シフト部又は非位相シフト部)の透過光の光路上に位置するフォトレジストを感光させないことを意味し、当該透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜に光が照射されないことのみならず、当該フォトレジストを感光させない程度の強度(低強度)の光が当該フォトレジスト膜に照射されることも含まれるものとする。
上記発明(発明1)においては、前記位相シフト部の寸法と前記非位相シフト部の寸法との比が、1:1.5〜1:5.6又は1.5:1〜5.6:1であるのが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)においては、前記位相シフト部の寸法と、当該位相シフト部に隣接する前記非位相シフト部の寸法との合計が、前記露光装置の解像限界以上であるのが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1)においては、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さい暗領域の寸法が、0.6μm〜2.75μmの範囲内であり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の大きい明領域の寸法と前記暗領域の寸法との比が、前記暗領域の寸法を1とした場合に、前記明領域の寸法が1.5以上であるのが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)においては、前記パターン領域内に、前記露光装置の解像限界以上の寸法の、遮光膜により構成される遮光部を有していてもよい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)においては、前記凹状の位相シフト部は、前記透明基板に設けられた掘り込み部であってもよいし(発明6)、前記凸状の位相シフト部は、前記透明基板上に設けられた透過膜により構成されていてもよい(発明7)。
また、本発明は、露光装置の解像限界未満の設計寸法を有するレジストパターンを被加工材上に形成する方法であって、前記露光装置を用い、上記発明(発明1〜7)に係る位相シフトマスクを介して、前記被加工材上に設けられたフォトレジスト膜を露光する工程と、露光された前記フォトレジスト膜を現像することにより前記被加工材上に所定のレジストパターンを形成する工程とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法を提供する(発明8)。
本発明によれば、従来の画像表示装置製造用露光装置を用い、透明基板等の被加工材上に、当該露光装置の解像限界未満の寸法を有する所定のパターンを高精度で形成することのできる位相シフトマスク及び当該位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分切断端面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクにおける透過光の光強度を示すグラフである。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分平面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクの製造工程を示すフロー図である。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクを用いたパターン形成方法を示すフロー図である。 図6は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る位相シフトマスクの具体的構成例を示す部分平面図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分切断端面図である。 図8は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクにおける透過光の光強度を示すグラフである。 図9は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分平面図である。 図10は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクの製造工程(その1)を示すフロー図である。 図11は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクの製造工程(その2)を示すフロー図である。 図12は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクを用いたパターン形成方法を示すフロー図である。 図13は、試験例6における位相シフトマスクの暗領域および明領域について説明する図である。 図14は、試験例7における位相シフトマスクの暗領域および明領域について説明する図である。
以下、本発明の位相シフトマスクおよびこれを用いたレジストパターン形成方法について説明する。
また、本発明の位相シフトマスクは、2つの態様を有する。以下、各態様について説明する。
1.第1態様
本発明の第1態様の位相シフトマスクは、露光装置からの露光により当該露光装置の解像限界未満の設計寸法のレジストパターンを被加工材上に形成するために用いられるものであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなり、前記露光装置からの露光光に所定の位相差を付与する凹状又は凸状の位相シフト部と、前記位相シフト部に隣接する非位相シフト部とを備え、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの少なくともいずれか一方が、前記露光装置の解像限界未満の寸法であって、かつ前記位相シフト部の寸法と前記非位相シフト部の寸法とが異なり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さいいずれか一方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させない機能を果たし、他方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させる機能を果たすものであり、前記透明基板上における前記位相シフト部及び前記非位相シフト部を含むパターン領域の大きさが、一辺300mm以上であり、少なくとも前記パターン領域内には、前記露光装置の解像限界未満の寸法の、遮光膜により構成される遮光部が設けられていないことを特徴とするものである。
ここで、「位相シフト部が、露光装置からの露光光に所望の位相差を付与する」とは、具体的には、「位相シフト部が、前記位相シフト部を透過した露光光の位相を前記非位相シフト部を透過した露光光の位相に対して反転させる」ことをいう。なお、「位相シフト部が、前記位相シフト部を透過した露光光の位相を前記非位相シフト部を透過した露光光の位相に対して反転させる」ことについては、後述する「2.第2態様」の項で説明する。
第1態様によれば、位相シフト部の寸法および非位相シフト部の寸法を上述した関係とすることにより、従来の画像表示装置製造用露光装置を用い、透明基板等の被加工材上に、当該露光装置の解像限界未満の寸法を有する所定のパターンを高精度で形成することのできる位相シフトマスクとすることができる。
また、第1態様の位相シフトマスクにおいては、上述した透過部および半透過部を備える従来の位相シフトマスクに比べて良好な精度でレジストパターンを形成することができる。この理由については後述する「2.第2態様」の項で説明する。
第1態様の位相シフトマスクは、2つの実施形態を有する。以下、第1態様の位相シフトマスクにおける各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施形態>
〔位相シフトマスク〕
図1は、第1の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分切断端面図であり、図2は、第1の実施形態に係る位相シフトマスクにおける透過光の光強度を示すグラフであり、図3は、第1の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分平面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aは、透明基板2Aと、透明基板2A上に設けられてなる複数の位相シフト部3Aと、各位相シフト部3Aに隣接するようにして設けられてなる複数の非位相シフト部4Aとを備えるものであって、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置を製造する過程において、当該画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いた露光により当該露光装置の解像限界未満(好ましくは3μm未満、より好ましくは1.5μm以上3μm未満、特に好ましくは1.5〜2μm)の設計寸法のレジストパターンを被加工材上に形成するために用いられるものである。
透明基板2Aとしては、特に限定されるものではなく、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材等を用いることができる。
透明基板2Aの大きさは、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いて製造しようとする画像表示装置に用いられる基板(TFT基板、カラーフィルタ基板等)の大きさや、当該画像表示装置の製造に用いられる等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置における露光方式(一括露光方式又は分割露光方式)等により適宜設定することができるが、例えば、330mm×450mm〜1600mm×1800mm程度に設定することができる。
また、透明基板2Aの厚さは、特に限定されるものではないが、露光時に位相シフトマスク1Aを撓ませることなく保持する必要があるため、透明基板2Aの大きさによって適宜設定することができ、例えば、5mm〜20mmの範囲で設定することができる。
位相シフト部3Aは、透明基板2A上に設けられており、所定の深さdに掘り込まれた掘り込み部として構成されている。そして、複数の位相シフト部3Aに隣接する非掘り込み部が、非位相シフト部4Aとなる。
第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおいて、位相シフト部3Aの寸法Xは、非位相シフト部4Aの寸法Yと異なる。両者の寸法X,Yが同一であると、露光装置からの露光量を増大させたとしても解像不能となり、レジストパターンを形成することができなくなる。
また、第1の実施形態において、位相シフト部3Aの寸法X及び非位相シフト部4Aの寸法Yのうちの少なくともいずれかは、従来用いられている画像表示装置製造用の等倍投影露光光学系を具備する露光装置の解像限界未満(好ましくは3μm未満、より好ましくは1.5μm以上3μm未満、特に好ましくは1.5〜2μm)である。これにより、当該露光装置の解像限界未満の設計寸法を有するレジストパターンを形成することができる。
第1の実施形態における位相シフト部3Aは、非位相シフト部4Aの寸法Yよりも小さい寸法Xを有している。このような構成とすることで、第1の実施形態における位相シフト部3Aは、従来のバイナリーマスク等を用いたフォトリソグラフィー技術では形成するのが困難な微細なレジストパターンを、当該位相シフト部3Aを透過する光(透過光)の光路上に位置する被加工材(基板等)上に形成するためのものであって、従来のバイナリーマスク等における遮光部に相当する役割を果たすことになる。
位相シフト部3Aの寸法Xは、形成しようとするレジストパターンの設計寸法や露光装置からの露光量等に応じて適宜設定され得るものではあるが、好ましくは3μm未満、特に好ましくは1.0〜2.5μmである。位相シフト部3Aを透過した光には、非位相シフト部4Aを透過した光と略180度の位相差が付与されるため、位相シフト部3Aの透過光と、位相シフト部3Aに隣接する非位相シフト部4Aの透過光とが相互に干渉することになる。そして、位相シフト部3Aの寸法Xが上記露光装置の解像限界未満であって、かつ非位相シフト部4Aの寸法Yよりも小さいことで、位相シフトマスク1Aの透過光のうち、位相シフト部3Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜に照射される光(照射光)の強度を、当該フォトレジストが感光されない程度に低下させることができる(図2参照)。この結果、上記露光装置の解像限界未満の寸法を有するレジストパターンを形成することができる。
一方で、位相シフト部3Aの寸法Xが、上記露光装置の解像限界以上の寸法である、すなわち位相シフト部3Aの寸法Xと非位相シフト部4Aの寸法Yとがともに上記露光装置の解像限界以上の寸法であると、位相シフト部3Aの透過光が非位相シフト部4Aの透過光の回り込みにより効果的に干渉されなくなり、位相シフト部3Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜への照射光の強度を、当該フォトレジストが感光されない程度にまで低下させることができなくなる。その結果、位相シフト部3Aの透過光の光路上に、所望としないレジストパターンが形成されてしまう。
すなわち、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いて形成しようとするレジストパターンのうち、従来のバイナリーマスク(金属クロム等により構成される遮光部と開口部とを有するフォトマスク)であれば遮光部に応じて形成されるレジストパターン(例えば、ラインアンドスペース状のレジストパターンをポジ型フォトレジストにより形成しようとする場合にはラインパターン、ネガ型フォトレジストにより形成しようとする場合にはスペースパターン)の設計寸法が、使用する画像表示装置用露光装置の解像限界未満である場合、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおいては当該レジストパターンを形成するための位相シフト部3Aが備えられる。一方、当該レジストパターンの設計寸法が上記露光装置の解像限界以上であれば、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおいては当該レジストパターンを形成するための、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Aが備えられる。
なお、位相シフト部3Aに隣接して設けられる非位相シフト部4Aの寸法Yは、形成しようとするレジストパターンの設計寸法に応じて適宜設定されるものであり、位相シフト部3Aの寸法Xよりも大きい限り、上記露光装置の解像限界未満であってもよいし、解像限界以上であってもよい。
位相シフト部3Aの寸法Xと非位相シフト部4Aの寸法Yとの関係を具体的に説明すると、両者の寸法X,Yの比(X:Y)は、1:1.5〜1:5.6であるのが好ましく、1:1.8〜1:4であるのがより好ましく、1:1.8〜1:3であるのが特に好ましい。位相シフト部3A及び非位相シフト部4Aの寸法X,Yの比が上記範囲であることで、後述する実施例からも明らかなように、形成されるレジストパターンの側壁角度θ(図5参照)を良好にすることができる(フォトレジストの種類等に応じて当該側壁角度θは変動し得るが、好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜90度)とともに、設計寸法に忠実なレジストパターンを比較的低露光量で形成することができる。
第1の実施形態において、一の位相シフト部3Aの寸法Xと当該位相シフト部3Aに隣接する一の非位相シフト部4Aの寸法Yとの合計(X+Y)は、上記露光装置の解像限界以上であるのが好ましい。当該合計(X+Y)が上記露光装置の解像限界未満であると、良好な側壁角度θ(図5参照)を有するレジストパターンの形成が困難となるおそれがある。
具体的な上記合計(X+Y)としては、位相シフトマスクとともに用いられる露光装置の解像限界により適宜決定されるものであり、特に限定されないが、3μm以上であることが好ましく、3.5μm以上であることがより好ましい。
また、上記合計(X+Y)の上限値としては、位相シフトマスクの用途等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されない。上記合計(X+Y)の上限値としては、例えば、17.9μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましい。
第1の実施形態においては、上記合計(X+Y)が4μm程度であることが特に好ましい。
上記合計(X+Y)が上述した範囲内であることにより、所望のレジストパターンを得るための位相シフト部および非位相シフト部の設計を良好に行うことができるからである。
また、第1の実施形態においては、上記合計(X+Y)が上述の範囲内である場合に、位相シフト部3Aの寸法Xと非位相シフト部4Aの寸法Yとの比(X:Y)を上述した数値範囲とすることが好ましい。形成されるレジストパターンの側壁角度をより良好なものとすることができ、設計寸法に忠実なレジストパターンを比較的低露光量で好適に形成することができるからである。
具体例を挙げてより詳細に説明すると、解像限界が3μmの露光装置を用い、ラインパターン及びスペースパターンの設計寸法がそれぞれ2μmのラインアンドスペース状のレジストパターンを形成しようとする場合、位相シフト部3Aの寸法Xを、好ましくは0.6〜1.6μmの範囲で、より好ましくは0.8〜1.4μmの範囲で、特に好ましくは1〜1.4μmの範囲で設定することができ、非位相シフト部4Aの寸法Yを、好ましくは2.4〜3.4μmの範囲で、より好ましくは2.6〜3.2μmの範囲で、特に好ましくは2.6〜3μmの範囲で設定することができる。
位相シフト部3Aの掘り込み深さdは、位相シフト部3Aの透過光に所定の位相差(170〜190度(略180度)の位相差)を付与し得る程度に設定すればよく、透明基板2Aの厚さ、露光光の波長、透明基板2Aを構成する材料の屈折率等に応じて適宜設定することができる。
第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおいて、位相シフト部3A及び非位相シフト部4Aは、透明基板2A上のパターン領域6A(図3参照)内に設けられている。このパターン領域6Aは、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いて被加工材上に形成しようとするレジストパターンに応じて透明基板2A上に設定される少なくとも一つの領域であって、上記露光装置における露光方式にかかわらず、少なくとも一つのパターン領域6A内の全面に、1回の露光により光が照射される。
図3に示すように、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおいては、透明基板2A上に複数のパターン領域6Aが設定されているが、一のパターン領域6Aのみが設定されていてもよい。なお、図3においては、パターン領域6A内の位相シフト部3A、非位相シフト部4A及び遮光部5Aの図示が省略されている。
パターン領域6Aの大きさは、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いて製造しようとする画像表示装置の大きさ(画面サイズ)、使用される露光装置における露光方式や一回の露光可能面積等に応じて適宜設定され得るものであるが、短辺(一辺)300mm以上の略長方形状(又は略正方形状)領域として設定される。
また、一のパターン領域6Aには、一の画像表示装置に用いられる構成を形成するためのパターンが形成されていてもよく、複数の画像表示装置に用いられる構成を形成するためのパターンが形成されていてもよい。
なお、第1の実施形態において、パターン領域6A内には、位相シフト部3A及び非位相シフト部4Aの他、上記露光装置の解像限界以上の寸法を有する、金属クロム等により構成される遮光膜からなる遮光部5Aが設けられているが、上記露光装置の解像限界未満の寸法を有する、金属クロム等により構成される遮光膜からなる遮光部は設けられていない。すなわち、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aは、いわゆるクロムレス位相シフトマスクと称されるものである。当該パターン領域6A内の遮光部5Aの寸法が露光装置の解像限界未満であると、当該遮光部5Aに隣接する位相シフト部3A又は非位相シフト部4Aの透過光が、当該遮光部5Aの下方に回り込んでしまい、遮光機能を果たし得なくなってしまう。
第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いることで、上記露光装置からの露光により形成されるレジストパターンの側壁角度θ(図5参照)を良好にすることができる(フォトレジストの種類等に応じて当該側壁角度θは変動し得るが、例えば、好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜90度)。このことは、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを介した露光により形成されるレジストパターンの厚さ(アスペクト比)のレジストパターン形成面内でのバラツキを低減することができることを意味する。したがって、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aによれば、従来の画像表示装置用の大型露光装置を用いたとしても、当該露光装置の解像限界未満の寸法を有し、かつレジストパターン形成面内における寸法誤差の小さいレジストパターンを形成することができる。
第1の実施形態に係る位相シフトマスクにおいては、位相シフト部および非位相シフト部のうち寸法の小さいいずれか一方が被加工材上のフォトレジスト膜を露光させない機能を有し、他方が被加工材上のフォトレジスト膜を露光させる機能を有する。そのため、第1の実施形態に係る位相シフトマスクにおいて、所望のレジストパターンを得るためには、位相シフト部および非位相シフト部のうち寸法の小さい暗領域の寸法と、位相シフト部および非位相シフト部のうち寸法の大きい明領域の寸法とを調整する必要がある。
第1の実施形態に係る位相シフトマスクにおいては、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さい暗領域の寸法が、0.6μm〜2.75μmの範囲内であり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の大きい明領域の寸法と前記暗領域の寸法との比が、前記暗領域の寸法を1とした場合に、前記明領域の寸法が1.5以上であることが好ましい。
なお、暗領域および明領域の詳細については、後述する「2.第2態様」の項で説明する内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
〔位相シフトマスクの製造方法〕
上述のような構成を有する位相シフトマスク1Aは、下記のようにして製造することができる。図4は、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを製造する工程を示すフロー図である。
まず、図4(a)に示すように、所定の大きさの透明基板2Aを用意し、従来の画像表示装置用露光装置の解像限界(例えば、3μm)以上の寸法を有する、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Aを、当該透明基板2A上のパターン領域6A(図3参照)内に形成する。
次に、図4(b)に示すように、透明基板2A(パターン領域6A)及びその上の遮光部5Aを被覆するようにして、レジスト層7Aを形成し、図4(c)に示すように、レーザー描画装置、電子線描画装置等を用いて当該レジスト層7Aを描画し、所望のパターンを形成する。このとき、少なくとも位相シフト部3Aの寸法Xが、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを介する露光に用いられる画像表示装置用露光装置の解像限界未満、かつ非位相シフト部4Aの寸法Yよりも小さくなるように、好ましくは位相シフト部3A及び非位相シフト部4Aの寸法X,Yの比が、所定の範囲(1:1.5〜1:5.6)となるようにレジスト層7Aを描画する。
そして、図4(d)に示すように、所定のパターンを有するレジスト層7Aをエッチングマスクとして、透明基板2Aのエッチング処理を行う。かかるエッチング処理は、フッ酸等のエッチング液を用いたウェットエッチング処理であってもよいし、フッ素系ガス等を用いた反応性イオンエッチング等のドライエッチング処理であってもよい。これにより、所定の深さdの掘り込み部からなる位相シフト部3Aが形成される。
最後に、図4(e)に示すように、透明基板2A上に残存するレジスト層7Aを除去することで、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを製造することができる。
〔レジストパターン形成方法〕
次に、上述した第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用いてレジストパターンを形成する方法について説明する。図5は、第1の実施形態におけるレジストパターン形成方法を示すフロー図である。
まず、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを用意し、レジストパターン形成対象である被加工材(基板)11A上のフォトレジスト膜12A(第1の実施形態においてはポジ型フォトレジスト膜)と位相シフトマスク1Aにおける位相シフト部3A等が形成されている面とを、所定の間隔をあけて対向させるようにして位相シフトマスク1Aを配設する(図5(a)参照)。
レジストパターン形成対象である基板11Aは、用途等に応じて適宜選択され得るものであり、例えば、液晶表示装置用のTFT基板、カラーフィルタ基板、有機EL表示装置用のTFT基板等として用いられるものであれば、当該基板11Aとして、ガラス基板、プラスチック基板、合成樹脂フィルム等を用いることができる。
次に、画像表示装置用露光装置(図示せず)からの光を、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aを介して基板11A上のフォトレジスト膜12Aに照射し、当該フォトレジスト膜12Aを感光させる(図5(b)参照)。このとき、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aの位相シフト部3Aの透過光と、非位相シフト部4Aの透過光とが相互に干渉することで、位相シフト部3Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Aへの照射光の強度が、当該位置におけるフォトレジスト膜12Aを感光させない程度の強度にまで低下する。そのため、基板11A上のフォトレジスト膜12Aのうち、位相シフト部3Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Aは感光せず、非位相シフト部4Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Aのみが感光する。
続いて、所定の現像液を用い、露光されたフォトレジスト膜12Aを現像し、非位相シフト部4Aの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Aのみが除去されてなるレジストパターン13Aを当該基板11A上に形成する(図5(c)参照)。
上述した第1の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおける位相シフト部3Aの寸法Xが少なくとも露光装置の解像限界未満の寸法であって、かつ非位相シフト部4Aの寸法Yよりも小さいことで、少なくとも位相シフト部3Aに応じた、露光装置の解像限界未満の寸法を有するレジストパターンを、設計寸法に忠実に形成することができる。
また、第1の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、良好な側壁角度θ(フォトレジストの種類等に応じて変動し得るが、好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜90度)を有するレジストパターン13Aを形成することができる。したがって、面内における寸法誤差の小さいレジストパターンを形成することができる。
なお、第1の実施形態において、レジストパターン13Aの側壁角度θは、基板11A側からレジストパターン13Aの高さ(厚さ)の10%の位置13Adownとレジストパターン13Aの高さ(厚さ)の90%の位置13Aupとの間の任意の複数箇所(例えば、30箇所)において、基板11Aのレジストパターン形成面に対するレジストパターン13Aの側壁の角度を測定し、最小二乗法による平均値として求められるものである。かかるレジストパターン13Aの側壁の角度は、例えば、SEM画像に基づいてレジストパターン13Aの側壁における任意の箇所の座標値を求め、当該座標値に基づいて算出することができる。
このように、第1の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、側壁角度θが良好なレジストパターン13Aを形成することができるため、基板11A上に形成されるレジストパターン13Aにおける厚さ(アスペクト比)のバラツキを抑制することができ、その結果、後工程として、当該レジストパターン13Aをエッチングマスクとして用いたエッチング工程において、高精度なエッチングが可能となるという効果を奏し得る。
例えば、ITOからなる透明電極を形成するためのレジストパターンをガラス基板上に形成するために用いられ得る位相シフトマスクの一例として、図6に示すようなパターン構成を有する位相シフト部3A、非位相シフト部4A及び遮光部5Aが一のパターン領域6A内に設けられてなる位相シフトマスク1Aが挙げられる。
画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用い、図6に示す位相シフトマスク1Aを介して、ガラス基板上のITO膜上に設けられたポジ型フォトレジスト膜を露光および現像することで、ITO膜上に位相シフト部3Aに応じたレジストパターン(ラインパターン)及び遮光部5Aに応じたレジストパターンを形成することができる。そして、当該レジストパターンが形成されたガラス基板をエッチング工程に付することによって、ガラス基板上に、画像表示装置用大型露光装置の解像限界未満の寸法を有する透明電極を、高精度に形成することができる。
なお、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aは、ITOからなる透明電極を形成する用途以外にも、大面積の露光が可能な画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて、大面積の基板上に当該露光装置の解像限界未満の寸法のレジストパターンを形成する必要のある用途に適用され得る。このような用途としては、例えば、液晶ディスプレイ等のTFT基板におけるゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、コンタクトホール等の形成;カラーフィルタ基板におけるブラックマトリックス、着色部材を複数層に積層して構成される積層柱(積層スペーサ)等の形成等が挙げられる。
第1の実施形態に係る位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法において用いられる露光光としては、一般的な画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置に用いられるものと同様とすることができ、特に限定されないが、g線、h線、i線の混合波長光であることが好ましい。混合波長光を用いることにより、フォトレジスト膜に照射される露光量を多くすることができ、レジストパターンの形成のラインタクトを短くすることができるからである。また、第1の実施形態に係る位相シフトマスクを介して混合波長光をフォトレジスト膜に照射することにより、上述した透過部および半透過部を有する従来の位相シフトマスクを介する場合に比べて、所定の厚さおよび隔壁角度を有するレジストパターンを得ることができるからである。
<第2の実施形態>
〔位相シフトマスク〕
第2の実施形態に係る位相シフトマスクを、図面を参照しながら説明する。
図7は、第2の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分切断端面図であり、図8は、第2の実施形態に係る位相シフトマスクにおける透過光の光強度を示すグラフであり、図9は、第2の実施形態に係る位相シフトマスクの概略構成を示す部分平面図である。
図7に示すように、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bは、透明基板2Bと、透明基板2B上に設けられてなる複数の位相シフト部3Bと、各位相シフト部3Bに隣接するようにして設けられてなる複数の非位相シフト部4Bとを備えるものであって、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aと同様に、液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置を製造する過程において、当該画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いた露光により当該露光装置の解像限界未満(好ましくは3μm未満、より好ましくは1.5μm以上3μm未満、特に好ましくは1.5〜2μm)の寸法のレジストパターンを被加工材上に形成するために用いられるものである。
透明基板2Bとしては、特に限定されるものではなく、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおける透明基板2Aと同様のものを用いることができる。
位相シフト部3Bは、透明基板2B上に設けられており、透明基板2B上に形成されてなる所定の厚さtの透明膜として構成される。そして、複数の位相シフト部3Bに隣接する透明膜非形成部(透明基板2Bの露出部)が、非位相シフト部4Bとなる。
位相シフト部3Bを構成する透明膜は、波長365nmの光の透過率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上の透明材料により構成される。かかる透明材料としては、例えば、SiO、ITO、フッ素系樹脂等が挙げられる。
位相シフト部3Bの寸法X及び非位相シフト部4Bの寸法Yは、第1の実施形態に係る位相シフトマスク1Aにおける位相シフト部3Aの寸法X及び非位相シフト部4Aの寸法Yと同様に設定され得る。
位相シフト部3Bの厚さtは、位相シフト部3Bの透過光に所定の位相差(170〜190度(略180度)の位相差)を付与し得る程度に設定すればよく、透明基板2Bの厚さ、露光光の波長、透明基板2Bを構成する材料の屈折率等に応じて適宜設定することができる。
第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用いて形成しようとするレジストパターンのうち、従来のバイナリーマスク(金属クロム等により構成される遮光部と開口部とを有するフォトマスク)であれば遮光部に応じて形成されるレジストパターン(例えば、ラインアンドスペース状のレジストパターンをポジ型フォトレジストにより形成しようとする場合にはラインパターン、ネガ型フォトレジストにより形成しようとする場合にはスペースパターン)の設計寸法が、使用する画像表示装置用露光装置の解像限界未満である場合、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおいては当該レジストパターンを形成
するための位相シフト部3Bが備えられる。一方、当該レジストパターンの設計寸法が上記露光装置の解像限界以上であれば、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおいては当該レジストパターンを形成するための、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Bが備えられる。
第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおいて、位相シフト部3B及び非位相シフト部4Bは、透明基板2B上のパターン領域6B(図9参照)内に設けられている。このパターン領域6Bは、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用いて被加工材上に形成しようとするレジストパターンに応じて透明基板2B上に設定される少なくとも一つの領域であって、上記露光装置における露光方式にかかわらず、少なくとも一つのパターン領域6B内の全面に、一回の露光により光が照射される。
図9に示すように、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおいては、透明基板2B上に複数のパターン領域6Bが設定されているが、一のパターン領域6Bのみが設定されていてもよい。なお、図9に示す位相シフトマスク1Bにおいては、パターン領域6B内の位相シフト部3B、非位相シフト部4B及び遮光部5Bの図示が省略されている。
パターン領域6Bの大きさは、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用いて製造しようとする画像表示装置の大きさ(画面サイズ)、使用される露光装置における露光方式や1回の露光可能面積等に応じて適宜設定され得るものであるが、短辺(一辺)300mm以上の略長方形状(又は略正方形状)領域として設定される。
また、一のパターン領域6Bには、一の画像表示装置に用いられる構成を形成するためのパターンが形成されていてもよく、複数の画像表示装置に用いられる構成を形成するためのパターンが形成されていてもよい。
なお、第2の実施形態において、パターン領域6B内には、位相シフト部3B及び非位相シフト部4Bの他、上記露光装置の解像限界以上の寸法を有する、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Bが設けられているが、上記露光装置の解像限界未満の寸法を有する、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部は設けられていない。すなわち、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bは、いわゆるクロムレス位相シフトマスクと称されるものである。当該パターン領域6B内の遮光部5Bの寸法が露光装置の解像限界未満であると、当該遮光部5Bに隣接する位相シフト部3B又は非位相シフト部4Bの透過光が、当該遮光部5Bの下方に回り込んでしまい、遮光機能を果たし得なくなってしまう。
また、図7に示す第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおいて、位相シフト部3Bを構成する透明材料と同一材料からなり、遮光部5Bの寸法よりも僅かに大きな寸法の透明膜が、遮光部5Bを完全に被覆するようにして設けられていてもよい(図11(f)参照)。このように、遮光部5Bが透明膜により被覆されていることで、遮光部5Bに非位相シフト部4Bが隣接する場合において、非位相シフト部4Bと遮光部5Bとの境界部を透過する所定の位相差の付与された光により、当該境界部における照射光のコントラストを大きくすることができるため、遮光部5Bに応じて形成されるレジストパターンのエッジ形状を良好にすることができる。
第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用いることで、上記露光装置からの露光により形成されるレジストパターンの側壁角度θ(図12参照)を良好にすることができる(フォトレジストの種類等に応じて側壁角度θは変動し得るが、好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜90度)。このことは、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを介した露光により形成されるレジストパターンの厚さ(アスペクト比)のレジストパターン形成面内でのバラツキを低減することができることを意味する。したがって、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bによれば、従来の画像表示装置用の大型露光装置を用いたとしても、上記露光装置の解像限界未満の寸法を有し、かつレジストパターン形成面内における寸法誤差の小さいレジストパターンを形成することができる。
〔位相シフトマスクの製造方法1〕
上述のような構成を有する位相シフトマスク1Bは、下記のようにして製造することができる。図10は、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを製造する工程の一例を示すフロー図である。
まず、図10(a)に示すように、所定の大きさの透明基板2Bを用意し、従来の画像表示装置用露光装置の解像限界(例えば、3μm)以上の寸法を有する、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Bを、当該透明基板2B上のパターン領域6B(図9参照)内に形成する。
次に、図10(b)に示すように、透明基板2B(パターン領域6B)及びその上の遮光部5Bを被覆するようにして、レジスト層7Bを形成し、図10(c)に示すように、レーザー描画装置、電子線描画装置等を用いて当該レジスト層7Bを描画し、所望のパターンを形成する。このとき、少なくとも位相シフト部3Bの寸法Xが、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを介する露光に用いられる画像表示装置用露光装置の解像限界未満、かつ非位相シフト部4Bの寸法Yよりも小さくなるように、好ましくは位相シフト部3B及び非位相シフト部4Bの寸法X,Yの比が、所定の範囲(1:1.5〜1:5.6)となるようにレジスト層7Bを描画する。
そして、図10(d)に示すように、所定のパターンを有するレジスト層7B上に、位相シフト部3Bを構成する透明材料(ITO等)からなる透明膜30Bを形成する。このとき、形成される透明膜30Bの厚さが位相シフト部3Bの厚さtとなるため、位相シフト部3Bの透過光に所定の位相差(略180度)を付与し得る程度の厚さの透明膜30Bを形成する。
最後に、図10(e)に示すように、透明基板2B上に残存するレジスト層7B及び当該レジスト層7B上の透明膜30Bを除去することで、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを製造することができる。
〔位相シフトマスクの製造方法2〕
第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bは、上述した図10に示す方法の他、下記のようにして製造することもできる。図11は、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを製造する工程の他の例を示すフロー図である。
まず、図11(a)に示すように、所定の大きさの透明基板2Bを用意し、従来の画像表示装置用露光装置の解像限界(例えば、3μm)以上の寸法を有する、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5Bを、当該透明基板2B上のパターン領域6B(図9参照)内に形成する。
次に、図11(b)に示すように、透明基板2B(パターン領域6B)及びその上の遮光部5Bを被覆するようにして、位相シフト部3Bを構成する透明材料(ITO等)からなる透明膜30Bを形成する。このとき、透明基板2B上に形成される透明膜30Bの厚さが位相シフト部3Bの厚さtとなるため、位相シフト部3Bの透過光に所定の位相差(略180度)を付与し得る程度の厚さの透明膜30Bを形成する。
続いて、図11(c)に示すように、透明膜30Bを被覆するようにしてレジスト層7Bを形成し、図11(d)に示すように、レーザー描画装置、電子線描画装置等を用いて当該レジスト層7Bを描画し、所望のパターンを形成する。このとき、位相シフト部3Bに相当する位置のレジスト層7B及び遮光部5B上のレジスト層7Bを残存させるようにして当該レジスト層7Bを描画する。なお、遮光部5B上には、遮光部5Bの寸法よりも僅かに大きな寸法のレジスト層7Bを残存させるようにするのが好ましい。
そして、図11(e)に示すように、所定のパターンを有するレジスト層7Bをエッチングマスクとして、透明膜30Bをエッチングし、位相シフト部3Bを形成する。かかるエッチング処理は、フッ酸等のエッチング液を用いたウェットエッチング処理であってもよいし、フッ素系ガス等を用いた反応性イオンエッチング等のドライエッチング処理であってもよい。
最後に、図11(f)に示すように、透明膜30B上に残存するレジスト層7Bを除去することで、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを製造することができる。
〔レジストパターン形成方法〕
次に、上述した第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用いてレジストパターンを形成する方法について説明する。図12は、第2の実施形態におけるレジストパターン形成方法を示すフロー図である。
まず、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを用意し、レジストパターン形成対象である被加工材(基板)11B上のフォトレジスト膜12B(第2の実施形態においてはポジ型フォトレジスト膜)と位相シフトマスク1Bにおける位相シフト部3B等が設けられている面とを、所定の間隔をあけて対向させるようにして位相シフトマスク1Bを配設する(図12(a)参照)。
レジストパターン形成対象である基板11Bは、用途等に応じて適宜選択され得るものであり、例えば、液晶表示装置用のTFT基板、カラーフィルタ基板、有機EL表示装置用のTFT基板等として用いられるものであれば、当該基板11Bとして、ガラス基板、プラスチック基板、合成樹脂フィルム等を用いることができる。
次に、画像表示装置用露光装置(図示せず)からの光を、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bを介して、基板11B上のフォトレジスト膜12Bに照射し、当該フォトレジスト膜12Bを感光させる(図12(b)参照)。このとき、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bの位相シフト部3Bの透過光と、非位相シフト部4Bの透過光とが相互に干渉することで、位相シフト部3Bの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Bへの照射光の強度が、当該位置におけるフォトレジスト膜12Bを感光させない程度の光強度に低下する。そのため、基板11B上のフォトレジスト膜12Bのうち、位相シフト部3Bの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Bは感光せず、非位相シフト部4Bの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Bのみが感光する。
続いて、所定の現像液を用い、露光されたフォトレジスト膜12Bを現像し、非位相シフト部4Bの透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜12Bのみが除去されてなるレジストパターン13Bを当該基板11B上に形成する(図12(c)参照)。
上述した第2の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bにおける位相シフト部3Bの寸法Xが少なくとも露光装置の解像限界未満の寸法であって、かつ非位相シフト部4Bの寸法Yよりも小さいことで、少なくとも位相シフト部3Bに応じた、露光装置の解像限界未満の寸法を有するレジストパターンを、設計寸法に忠実に形成することができる。
また、第2の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、良好な側壁角度θ(フォトレジストの種類等に応じて側壁角度θは変動し得るが、好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜90度)を有するレジストパターン13Bを形成することができる。したがって、面内における寸法誤差の小さいレジストパターン13Bを形成することができる。
なお、第2の実施形態において、レジストパターン13Bの側壁角度θは、基板11B側からレジストパターン13Bの高さ(厚さ)の10%の位置13Bdownとレジストパターン13Bの高さ(厚さ)の90%の位置13Bupとの間の任意の複数箇所(例えば、30箇所)において、基板11Bのレジストパターン形成面に対するレジストパターン13Bの側壁の角度を測定し、最小二乗法による平均値として求められるものである。かかるレジストパターン13Bの側壁の角度は、例えば、SEM画像に基づいてレジストパターン13Bの側壁における任意の箇所の座標値を求め、当該座標値に基づいて算出することができる。
このように、第2の実施形態におけるレジストパターン形成方法によれば、側壁角度θが良好なレジストパターン13Bを形成することができることからして、基板11B上に形成されるレジストパターン13Bにおける厚さ(アスペクト比)のバラツキを抑制することができ、その結果、後工程として、当該レジストパターン13Bをエッチングマスクとして用いたエッチング工程において、高精度なエッチングが可能となるという効果を奏し得る。
例えば、ITOからなる透明電極を形成するためのレジストパターンをガラス基板上に形成するために用いられ得る位相シフトマスクの一例として、図6に示すようなパターン構成を有する位相シフト部3B、非位相シフト部4B及び遮光部5Bが一のパターン領域6B内に設けられてなる位相シフトマスク1Bが挙げられる。
画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用い、図6に示す位相シフトマスク1Bを介して、ガラス基板上のITO膜上に設けられたポジ型フォトレジスト膜を露光および現像することで、ITO膜上に位相シフト部3Bに応じたレジストパターン(ラインパターン)及び遮光部5Bに応じたレジストパターンを形成することができる。そして、当該レジストパターンが形成されたガラス基板をエッチング工程に付することによって、ガラス基板上に、画像表示装置用大型露光装置の解像限界未満の寸法を有する透明電極を、高精度に形成することができる。
なお、第2の実施形態に係る位相シフトマスク1Bは、ITOからなる透明電極を形成する用途以外にも、大面積の露光が可能な画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて、大面積の基板上に当該露光装置の解像限界未満の寸法のレジストパターンを形成する必要のある用途に適用され得る。このような用途としては、例えば、液晶ディスプレイ等のTFT基板におけるゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、コンタクトホール等の形成;カラーフィルタ基板におけるブラックマトリックス、着色部材を複数層に積層して構成される積層柱(積層スペーサ)等の形成等が挙げられる。
第2の実施形態に係る位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法において用いられる露光光としては、一般的な画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置に用いられるものと同様とすることができ、特に限定されないが、g線、h線、i線の混合波長光であることが好ましい。なお、理由については、上述した第1の実施形態の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
<第1態様の位相シフトマスク>
上述した第1及び第2の実施形態においては、位相シフトマスク1A,1Bにおける位相シフト部3A,3Bの寸法Xが非位相シフト部4A,4Bの寸法Yよりも小さく、位相シフト部3A,3Bが従来のバイナリーマスクにおける遮光部としての役割を果たすものとなっているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、非位相シフト部4A,4Bの寸法Yが位相シフト部3A,3Bの寸法Xよりも小さく、非位相シフト部4A,4Bが従来のバイナリーマスクにおける遮光部としての役割をはたすものであってもよい。この場合において、少なくとも非位相シフト部4A,4Bの寸法Yは、使用される画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置の解像限界未満の寸法であり、位相シフト部3A,3B及び非位相シフト部4A,4Bの寸法X,Yの比が1.5:1〜5.6:1であるのが好ましく、1.8:1〜4:1であるのがより好ましく、1.8:1〜3:1であるのが特に好ましい。そして、非位相シフト部4A,4Bに隣接する位相シフト部3A,3Bの寸法Xは、形成しようとするレジストパターンの設計寸法に応じて適宜設定されるものであり、非位相シフト部4A,4Bの寸法Yよりも大きい限り、上記露光装置の解像限界未満であってもよいし、解像限界以上であってもよい。
上述した第1及び第2の実施形態においては、位相シフトマスク1A,1Bのパターン領域6A,6B内に、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5A,5Bが設けられているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、遮光により形成されるレジストパターンの設計寸法が、使用される画像表示装置用の等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置の解像限界未満のものである場合には、当該パターン領域6A,6B内に遮光部5A,5Bが設けられている必要はなく、そのようなレジストパターンに対応するように位相シフト部3A,3B(非位相シフト部4A,4B)が設けられていればよい。
第1及び第2の実施形態に係る位相シフトマスク1A,1Bを製造する方法として、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5A,5Bが形成された透明基板2A,2Bに位相シフト部3A,3Bを設ける方法を例に挙げたが、このような態様以外にも、例えば、透明基板2A,2Bに位相シフト部3A,3Bを形成した後に、金属クロム等からなる遮光膜により構成される遮光部5A,5Bを形成するようにしてもよい。
2.第2態様
本発明の第2態様の位相シフトマスクは、透明基板と、前記透明基板上に設けられた凹状又は凸状の位相シフト部と、前記位相シフト部に隣接する非位相シフト部とを備えるものであって、前記位相シフト部が、前記位相シフト部を透過した露光光の位相を前記非位相シフト部を透過した露光光の位相に対して反転させるものであり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さい方を暗領域として用い、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の大きい方を明領域として用い、前記暗領域の寸法が、0.6μm〜2.75μmの範囲内であり、前記明領域の寸法と前記暗領域の寸法との比が、前記暗領域の寸法を1とした場合に、前記明領域の寸法が1.5以上であり、前記位相シフトマスクの大きさが、330mm×450mm以上であることを特徴とするものである。
第2態様において、「位相シフト部が、位相シフト部を透過した露光光の位相を非位相シフト部を透過した露光光の位相に対して反転させるものである」とは、位相シフト部を透過した露光光(位相シフト部の透過光)と非位相シフト部を透過した露光光(非位相シフト部の透過光)との位相差が、両透過光を干渉させて打ち消し合うことができる程度の位相差となるように位相シフト部の位相が調整されていることをいう。より具体的には、上記位相シフト部の透過光と非位相シフト部の透過光との位相差が、180°±10°の範囲内となるように位相シフト部の位相が調整されていることをいう。第2態様においては、上述した位相差が、180°±5°の範囲内となることがより好ましく、180°となることが特に好ましい。
また、第2態様の位相シフトマスクとともに用いられる露光光がg線、h線、i線の混合波長光である場合は、上記位相シフト部のi線の透過光と非位相シフト部のi線の透過光との位相差が上述した関係を満たすように、位相シフト部が調整されていることが好ましい。
第2態様の位相シフトマスクの具体例としては、上述した「1.第1態様」の項で説明した図1および図7等を挙げることができる。第2態様においては、図1に示す位相シフトマスク1Aにおいて、彫り込み部である位相シフト部3Aを暗領域として用い、非位相シフト部4Aを明領域として用いるものである。また、図7に示す位相シフトマスク1Bにおいて、透明膜で構成される位相シフト部3Bを暗領域として用い、非位相シフト部4Bを明領域として用いるものである。
第2態様によれば、上記暗領域の寸法および明領域の寸法が上述した寸法を有することにより、従来の画像表示装置製造用露光装置を用い、透明基板等の被加工材上に、当該露光装置の解像限界未満の寸法を有する所定のパターンを高精度で形成することができる。
また、第2態様の位相シフトマスクにおいては、上述した透過部および半透過部を備える従来の位相シフトマスクに比べて良好な精度でレジストパターンを形成することができる。以下、この理由については明らかではないが以下のように推量される。
ここで、上述したように、従来のLSI等の半導体装置の製造過程において用いられる透過部および半透過部を有する位相シフトマスクを画像表示装置の製造過程におけるフォトマスクに適用し、従来の画像表示装置製造用露光装置により露光および現像を行った場合は、得られるレジストパターンの寸法を解像限界未満とすることができるものの、レジストパターンの厚さが小さくなったり、レジストパターンの側壁部が小さくなったりすることで、レジストパターンがエッチングマスクとして機能しないという問題や、高精度でエッチングできないという問題がある。このような問題が生じる理由については、以下のように推量される。
すなわち、画像表示装置製造用のフォトマスクは、通常の半導体製造装置用のフォトマスク(6インチレチクル)に比べて、そのサイズは大きいものである。また、近年の画像表示装置の大型化に伴い、画像表示装置用のフォトマスクは、さらなる大型化が進んでいる。両者の大きさの違いとしては、具体的には6インチレチクルの対角線の長さは215mmであるのに対し、画像表示装置用のフォトマスクは495mm〜1856mm程度である。よって、画像表示装置用のフォトマスクは6インチレチクルに対して対角線の比で2.3倍〜8.6倍のサイズを有し、さらに、描画時間、検査時間等の製造コストに直接関係する面積比では4.4倍〜72倍の面積を有する。
そのため、従来の画像表示装置製造用露光装置を用いた等倍投影露光においては、上述した画像表示装置用のフォトマスクを用いて露光を短時間で行うために大光量が求められることから、露光光としては、例えば、g線、h線、i線の混合波長光が好適に用いられる。具体的には、一辺が300mm以上のパターン領域をもつフォトマスク、あるいはフォトマスクの大きさが330mm×450mm以上のフォトマスクについては製造条件上、g、h、i線の混合波長光が好適に用いられる。
一方で、半導体装置の製造過程においては、露光の解像度を向上させる目的で、露光光としては、例えば、i線、KrF線(248nm)、ArF線(193nm)等の短波長側の単一波長光、すなわち平行光成分の多い光が好適に用いられている。そのため、半導体の製造過程において用いられる位相シフトマスクは、通常、透過部および半透過部については、短波長側の単一波長光の基準に位相が調整される。
よって、上述のように平行成分の多い光(短波長側の単一波長光)に対して透過部および半透過部の位相が調整された半導体装置の製造過程における位相シフトマスクを、上述した平行光成分が少ない光(混合波長光)を使用する画像表示装置の製造過程におけるフォトマスクに適用した場合は、上記位相シフトマスクの透過部の透過光が半透過部の直下に回りこみやすくなり、半透過部の透過光では打ち消しきれず、半透過部に対応するフォトレジスト膜に、上記フォトレジスト膜を感光させる程度の露光光が照射されることが推量される。その結果、得られるレジストパターンの厚さが小さくなったり、レジストパターンの側壁部が小さくなったりするものと推量される。
一方、第2態様の位相シフトマスクは、暗領域および明領域が寸法の異なる位相シフト部および非位相シフト部で構成されていることから、両領域は同等の露光光の透過率を有し、各領域の透過光の位相が反転したものとなる。よって、第2態様の位相シフトマスクを介して上述した混合波長光を露光光としてフォトレジスト膜に照射した場合、暗領域における透過光を従来の半透過部における透過光よりも多いものとすることができるため、暗領域に回り込んだ明領域の透過光(回り込み光)を十分に打ち消すことができ、暗領域に対応するフォトレジスト膜に上記フォトレジスト膜を感光させる程度の露光光が照射されることを抑制することが可能となると推量される。
以下、第2態様の位相シフトマスクの詳細について説明する。
〔位相シフトマスク〕
第2態様の位相シフトマスクは、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さい方を暗領域として用い、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の大きい方を明領域として用いるものである。また、暗領域の寸法と明領域の寸法とが所定の値を有することを特徴とするものである。
また、第2態様の位相シフトマスクを用いて被加工材上のフォトレジスト膜を露光してレジストパターンを作製する場合において、暗領域は、フォトレジスト膜において感光されない領域に対応する位相シフトマスクの領域(フォトレジスト膜を露光させない領域)であり、明領域はフォトレジスト膜において感光される領域に対応する位相シフトマスクの領域(フォトレジスト膜を露光させる領域)である。
第2態様の位相シフトマスクは、上記暗領域の寸法が0.6μm〜2.75μmの範囲内であることを特徴とするものである。上記暗領域は、通常、露光装置の解像限界未満の寸法である。
具体的な暗領域の寸法としては、暗領域のパターン形状、第2態様の位相シフトマスクの用途等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、なかでも0.8μm〜2.5μmの範囲内、特に1.0μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。
より具体的には、暗領域のパターン形状がライン状である場合、暗領域の寸法(線幅)としては、0.6μm以上、なかでも0.8μm以上、特に1.0μm以上であることが好ましい。また、暗領域の寸法(線幅)としては、2.05μm以下、なかでも2.0μm以下、特に1.9μm以下であることが好ましい。
また、暗領域のパターン形状がスクエア状である場合は、暗領域の寸法(スクエアの短辺方向の幅)としては、1.3μm以上、なかでも1.4μm以上、特に1.6μm以上であることが好ましい。また、暗領域の寸法(スクエアの短辺方向の幅)としては、2.75μm以下、なかでも2.5μm以下、特に2.3μm以下であることが好ましい。
暗領域の寸法が上記値に満たない場合は、暗領域を透過する位相反転した光が、明領域から回り込んでくる光を打ち消すだけの光量を得ることが出来ないため良好なレジストパターン形状を得ることが出来ない可能性があるからである。
また、暗領域の寸法が上記値を超える場合は、第2態様の位相シフトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光した場合に、暗領域の透過光の量が多くなり、暗領域の透過光がフォトレジスト膜を露光してしまうため、暗領域に対応するレジストパターンの中央部が露光されてしまう可能性があるからである。
また、第2態様の位相シフトマスクにおいては、前記明領域の寸法と前記暗領域の寸法との比が、前記暗領域の寸法を1とした場合に、前記明領域の寸法が1.5以上であることを特徴とする。
上記明領域の寸法としては、暗領域の寸法との比が上述した値以上であればよく、解像限界未満の寸法であってもよく、解像限界以上の寸法であってもよい。具体的な明領域の寸法については、暗領域の寸法との比が上述した値以上となるように、種々のパターン形状に応じて適宜決定することができる。
第2態様の位相シフトマスクは、その大きさが330mm×450mm以上であることを特徴とするものである。位相シフトマスクの大きさが上述の値以上であることにより、高精細な構成を備える画像表示装置を製造することが可能となる。
また、第2の位相シフトマスクの大きさとしては、その用途等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば、330mm×450mm〜1600mm×1800mm程度とすることができる。
第2態様の位相シフトマスクにおける透明基板、位相シフト部、非位相シフト部、その他の構成については、上述した「1.第1態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、第2態様の位相シフトマスクにおいては、露光装置の解像限界未満の寸法を有し、金属クロム等の遮光膜により構成される遮光部を有していてもよい。このような遮光部としては、例えば、位相シフトマスクにおいて明領域、暗領域、および露光装置の解像限界以上の遮光部で構成されるマスクパターンについての補正を行う補正パターンとして好適に用いることができる。
補正パターンの寸法およびパターン形状等については、第2態様の位相シフトマスクの用途、および露光装置等に応じて適宜選択することができる。
〔位相シフトマスクの製造方法〕
第2態様の位相シフトマスクの製造方法については、上述した「1.第1態様」の項で説明した位相シフトマスクの製造方法の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
〔レジストパターン形成方法〕
第2態様の位相シフトマスクを用いたレジストパターン形成方法については、第2態様のマスクを用いること以外は、上述した「1.第1態様」の項で説明したレジストパターン形成方法の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等により何ら制限されるものではない。
〔試験例1〕
掘り込み部により構成される寸法1μmの位相シフト部及び寸法3μmの非位相シフト部が交互に並列してなるラインアンドスペース状のパターンを有する位相シフトマスク(実施例1)を介して、被加工材上のフォトレジスト膜を露光した場合において、位相シフトマスクを透過し、当該フォトレジスト膜に照射される光(照射光)の光強度をシミュレーションにより求めた。
当該シミュレーションは、リソグラフィー用シミュレーションソフトを使用して行い、シミュレーションにおける露光条件としては、液晶ディスプレイ用大型露光機(解像限界:3.5μm,NA:0.083、コヒーレントファクター:0.75)を用い、光源は365nm、405nm及び436nmの3波長混合光源とした。また、位相シフトの設定としては、波長365nmの露光光を基準として180度位相が反転するものとし、位相シフトマスクにおける露光光の透過率は100%とした。また、レジストとしては、ポジ型フォトレジストA(AZ社製,製品名:AZ1500)を使用した。
結果を表1に示す。なお、表1においてAverageは「フォトレジスト膜への照射光強度の算術平均値」を表し、Maxは「フォトレジスト膜への照射光強度の最大値」を表し、Minは「フォトレジスト膜への照射光強度の最小値」を表し、Contrastは「MaxとMinとの差分」を表す。
また、位相シフト部を金属クロムからなる遮光層に変更した以外は、実施例1と同様の構成を有するバイナリーマスク(比較例1)を用い、当該バイナリーマスクを介して、被加工材上のフォトレジスト膜に露光した場合において、当該フォトレジスト膜への照射光の光強度を実施例1と同様にしてシミュレーションにより求めた。結果を表1にあわせて示す。
さらに、位相シフト部を、透明基板2A上に設けられた透過率5%の位相シフト膜に変更した以外は、実施例1と同様の構成を有するハーフトーン型位相シフトマスク(比較例2)を用い、当該ハーフトーン型位相シフトマスクを介して、被加工材上のフォトレジスト膜に露光した場合において、当該フォトレジスト膜への照射光の光強度を実施例1と同様にしてシミュレーションにより求めた。結果を表1にあわせて示す。
Figure 0006232709
表1に示すように、実施例1の位相シフトマスクは、フォトレジスト膜への照射光強度の最小値(Min)を、従来のバイナリーマスク(比較例1)やハーフトーン型位相シフトマスク(比較例2)に比して顕著に低下させ得ることが確認された。このフォトレジスト膜への照射光強度の最小値(Min)は、位相シフト部の透過光の光路上に位置するフォトレジスト膜への照射光の強度であるため、実施例1の位相シフトマスクによれば、位相シフト部による遮光効果に優れたものとすることができる。
また、実施例1の位相シフトマスクは、フォトレジスト膜への照射光強度の最大値(Max)と最小値(Min)との差分(Contrast)を、従来のバイナリーマスク(比較例1)やハーフトーン型位相シフトマスク(比較例2)に比して顕著に増大させ得ることが確認された。この差分(Contrast)が大きいほど解像度を向上させ得ることから、実施例1の位相シフトマスクによれば、高解像度でのレジストパターン形成が可能であると考えられる。
〔試験例2〕
実施例1の位相シフトマスク、比較例1のバイナリーマスク及び比較例2のハーフトーン型位相シフトマスクを介した露光により形成されるレジストパターン(ラインパターン寸法:2μm、スペースパターン寸法:2μm)を、レジストプロファイルのシミュレーションにより比較した。結果を表2に示す。なお、シミュレーションに関する条件(シミュレーションソフト、露光装置、位相シフト、レジスト等に関する条件)等は、試験例1と同様である。結果を表2に示す。
Figure 0006232709
表2に示すように、実施例1の位相シフトマスクによれば、レジストパターンの側壁角度を、従来のバイナリーマスク(比較例1)やハーフトーン型位相シフトマスク(比較例2)に比して顕著に増大させ得ることが確認された。このように、実施例1の位相シフトマスクにより形成されるレジストパターンの側壁角度が大きいことで、画像表示装置等の製造過程における大面積での露光時に、基板上の場所によってレジストパターン形状等にバラツキが生じるのを抑制することができる。
なお、実施例1の位相シフトマスク、比較例1のバイナリーマスク及び比較例2のハーフトーン型位相シフトマスクを用いて形成されるラインアンドスペース状のレジストパターンにおいて、いずれもラインパターンの寸法及びスペースパターン寸法が2μmであった。
〔試験例3〕
位相シフト部及び非位相シフト部の寸法を表3に示すようにして変更した以外は、実施例1と同様の構成を有する位相シフトマスク(実施例2〜8)を用い、当該位相シフトマスクを介した露光により、それぞれ露光条件を変更することで所定寸法(ラインパターン寸法:2μm,スペースパターン寸法:2μm)のレジストパターンを形成した場合において、試験例2と同様にしてレジストプロファイルのシミュレーションにより比較した。
結果を表3に示す。また、実施例1の位相シフトマスクを用いて形成されるレジストパターンのプロファイルも表3にあわせて示す。
Figure 0006232709
表3に示すように、位相シフト部の寸法Xと非位相シフト部の寸法Yとの比(X:Y)が1:1.5〜1:5.6とすることで、良好な側壁角度θを有するレジストパターンを形成可能であることが確認された。特に、当該比(X:Y)を1:1.8〜1:4とすることで、より良好な側壁角度θを有するレジストパターンを形成可能であり(実施例1〜4、実施例6)、1:1.8〜1:3とすることで、特に良好な側壁角度θを有するレジストパターンを形成可能であることが確認された(実施例1〜3)。
なお、実施例1〜8についてはいずれも、ピッチ寸法4μm、ラインパターン寸法2μm、スペースパターン寸法2μmのラインアンドスペースパターンのレジストパターンが得られるように露光量を設定した。
〔試験例4〕
位相シフト部及び非位相シフト部の寸法を表4に示すようにして変更した以外は、実施例1と同様の構成を有する位相シフトマスク(実施例9)を用い、当該位相シフトマスクを介した露光により形成されるレジストパターンを、試験例2と同様にしてレジストプロファイルのシミュレーションにより比較した。結果を表4に示す。なお、実施例1の位相シフトマスクを用いて形成されるレジストパターンのプロファイルも表4にあわせて示す。
Figure 0006232709
表4に示すように、位相シフト部の寸法X及び非位相シフト部の寸法Yの合計(X+Y)が露光装置の解像限界(試験例4においては3.5μm)未満であってもレジストパターンの形成は可能であるが(実施例9)、当該合計(X+Y)が露光装置の解像限界以上であることで、良好なレジスト角度θを有するレジストパターンを形成可能であることが確認された(実施例1)。
〔試験例5〕
試験例2におけるポジ型フォトレジストAを他のポジ型フォトレジストB(東京応化社製,製品名:ip3600)に変更した以外は同様にして、実施例1の位相シフトマスク、比較例1のバイナリーマスク及び比較例2のハーフトーン型位相シフトマスクのそれぞれを介した露光により形成されるレジストパターンを、レジストプロファイルのシミュレーションにより比較した。結果を表5に示す。
Figure 0006232709
表5に示すように、フォトレジストの種類に応じて、形成されるレジストパターンの側壁角度θは変動し得るが、いずれのフォトレジストにおいても実施例1の位相シフトマスクを用いることで、比較例1のバイナリーマスク及び比較例2のハーフトーン型位相シフトマスクに比べ、良好な側壁角度θを有するレジストパターンを形成可能であることが確認された。
〔試験例6〕
下記の表6に示される寸法を有するスクエア形状(図13参照)の掘り込み部により構成される位相シフト部を暗領域とし、非位相シフト部を明領域として用いる位相シフトマスク(実施例10〜12、参考例1〜3)を介して、被加工材上のフォトレジスト膜を露光した場合において、露光により形成されるレジストパターンを、レジストプロファイルのシミュレーションにより求めた。なお、シミュレーションに関する条件(シミュレーションソフト、露光装置、位相シフト、レジスト等に関する条件)等は、試験例1と同様である。また、露光量については、下記の表6に示されるレジストパターンの寸法が得られるようにそれぞれ変更した。
なお、図13は試験例6における位相シフトマスクの暗領域および明領域について説明するための図である。また、図13では暗領域が1のスクエア形状(孤立スクエア)である例について示している。また、暗領域の寸法は、図13中W1で示される距離である。
Figure 0006232709
表6に示すように、実施例10〜12においては、側壁角度θを良好なものとすることができることが確認された。
〔試験例7〕
下記の表7に示される寸法を有するライン形状(図14参照)の掘り込み部により構成される位相シフト部を暗領域とし、非位相シフト部を明領域として用いる位相シフトマスク(実施例13〜14、参考例4〜5)を介して、被加工材上のフォトレジスト膜を露光した場合において、露光により形成されるレジストパターンを、レジストプロファイルのシミュレーションにより求めた。なお、シミュレーションに関する条件(シミュレーションソフト、露光装置、位相シフト、レジスト等に関する条件)等は、試験例1と同様である。また、露光量については、下記の表7に示されるレジストパターンの寸法が得られるようにそれぞれ変更した。
なお、図14は試験例7における位相シフトマスクの暗領域および明領域について説明するための図である。また、図14では暗領域が1のライン形状(孤立ライン)である例について示している。また、暗領域の寸法は、図14中W2で示される距離である。
Figure 0006232709
表7に示すように、実施例13〜14においては、側壁角度θを良好なものとすることができることが確認された。
〔試験例8〕
試験例6における孤立スクエアの暗領域の寸法を下記の表8に示す寸法に変更した実施例15〜18、および参考例6の位相シフトマスクを用いたこと、および露光量について下記の表8に示されるレジストパターンの寸法が得られるようにそれぞれ変更したこと以外は、試験例6と同様にして、露光されたレジストパターンをレジストプロファイルのシミュレーションにより求めた。
なお、表8中の膜減り率は、レジストパターンの最大厚さに対する、レジストパターンの最大厚さおよび最小厚さの差を比率で表わしたものである。
Figure 0006232709
表8に示すように、実施例15〜実施例18に比べて、参考例6においては膜減り率が大きくなることが確認できた。
〔試験例9〕
試験例7における孤立ラインの暗領域の寸法を下記の表9に示す寸法に変更した実施例19〜21、および参考例7の位相シフトマスクを用いたこと、および露光量について下記の表9に示されるレジストパターンの寸法が得られるようにそれぞれ変更したこと以外は、試験例7と同様にして、露光されたレジストパターンをレジストプロファイルのシミュレーションにより求めた。
なお、表9中の膜減り率は、レジストパターンの最大厚さに対する、レジストパターンの最大厚さおよび最小厚さの差を比率で表わしたものである。
Figure 0006232709
表9に示すように、実施例19〜実施例21に比べて、参考例7においては膜減り率が大きくなることが確認できた。
試験例6〜9から、0.6μm以上の複数の寸法を有するライン状のレジストパターンの形成においては、本発明における暗領域および明領域ならびに遮光膜(例えば、クロム膜)等により構成される遮光部等を組み合わせることにより、1枚の位相シフトフォトマスクを用いて形成することができることが確認された。
本発明の位相シフトマスクは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の製造過程において用いられる露光装置の解像限界未満の寸法を有するレジストパターンの形成に有用である。
1A,1B…位相シフトマスク
2A,2B…透明基板
3A,3B…位相シフト部
4A,4B…非位相シフト部
5A,5B…遮光部
6A,6B…パターン領域
11A,11B…被加工材(基板)
12A,12B…フォトレジスト膜
13A,13B…レジストパターン

Claims (7)

  1. g線、h線、i線の混合波長光を用いた露光装置からの露光により当該露光装置の解像限界未満の設計寸法のレジストパターンを被加工材上に形成するために用いられる位相シフトマスクであって、
    透明基板と、
    前記透明基板上に設けられてなり、前記露光装置からの露光光に所定の位相差を付与す
    る凹状又は凸状の位相シフト部と、
    前記位相シフト部に隣接する非位相シフト部と
    を備え、
    前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの少なくともいずれか一方が、前記露光装置の解像限界未満の寸法であって、かつ前記位相シフト部の寸法と前記非位相シフト部の寸法とが異なり、
    前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さいいずれか一方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させない機能を果たし、他方が前記被加工材上のフォトレジスト膜を露光させる機能を果たすものであり、
    前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の小さい暗領域の寸法が、0.70μm〜2.75μmの範囲内であり、前記位相シフト部及び前記非位相シフト部のうちの寸法の大きい明領域の寸法と前記暗領域の寸法との比が、前記暗領域の寸法を1とした場合に、前記明領域の寸法が1.5以上であり、
    前記透明基板上における前記位相シフト部及び前記非位相シフト部を含むパターン領域の大きさが、一辺300mm以上であり、
    少なくとも前記パターン領域内には、前記露光装置の解像限界未満の寸法の、遮光膜により構成される遮光部が設けられていないことを特徴とする位相シフトマスク。
  2. 前記位相シフト部の寸法と前記非位相シフト部の寸法との比が、1:1.5〜1:5.6又は1.5:1〜5.6:1であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスク。
  3. 前記位相シフト部の寸法と、当該位相シフト部に隣接する前記非位相シフト部の寸法との合計が、前記露光装置の解像限界以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相シフトマスク。
  4. 前記パターン領域内に、前記露光装置の解像限界以上の寸法の、遮光膜により構成される遮光部を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の位相シフトマスク。
  5. 前記凹状の位相シフト部は、前記透明基板に設けられた掘り込み部であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の位相シフトマスク。
  6. 前記凸状の位相シフト部は、前記透明基板上に設けられた透過膜により構成されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の位相シフトマスク。
  7. 露光装置の解像限界未満の設計寸法を有するレジストパターンを被加工材上に形成する方法であって、
    前記露光装置を用い、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の位相シフトマスクを介して、前記被加工材上に設けられたフォトレジスト膜を混合波長光により露光する工程と、
    露光された前記フォトレジスト膜を現像することにより前記被加工材上に所定のレジストパターンを形成する工程と
    を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
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