JP6232768B2 - 照光スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は照光スイッチに関する。具体的には、押ボタンの操作によりスイッチ接点の開閉動作とともに内蔵の光源を点灯又は消灯する照光スイッチに関する。
照光スイッチは、一対のスイッチ接点間を開閉する開閉機構部と光源とをケーシング内に備えており、その前面に押ボタンを有している。そして、押ボタン操作により開閉機構部を動作させてスイッチ接点間を開成又は閉成し、また光源を点灯又は消灯する。このような照光スイッチでは、発光部分(面光源装置)の輝度分布を均一にするために光源と押ボタンとの間に拡散板を配置している。また、照光スイッチは、発光色で照光スイッチの種類や用途などを認識できるよう、光源と押ボタンとの間にカラープレートを備えている。
図1は、従来の照光スイッチに内蔵されている発光部分の構成を示す概略図である。複数個の光源11(LED)の前方には乳白色の拡散板12が配置され、さらに拡散板12の前方にカラープレート13が配置されている。
このような面光源装置では、図1に矢印で示すように、光源11から前方へ出射した白色光が、拡散板12を透過する際に拡散されて広がるので、光源11の正面(光源の主光線の出射方向)における輝度が小さくなり、輝度分布の均一化が図られる。
しかし、図1のような構造の面光源装置では、拡散板12による光の拡散が不十分で、拡散板12の前面における輝度分布の均一性が低いという問題があった。図2は、約12mmの距離で並んだ2個の光源11の前方に幅が25mmの拡散板12を配置した構造において、拡散板12を透過した直後における光量の分布をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。図2の横軸は、光源11間の中央から測った、拡散板12の表面に平行な方向における距離Lxである。図2の縦軸は、拡散板12を透過した直後の光量を示す。この図から分かるように、光源11の正面付近では光量が大きく、光源11どうしの中間や拡散板12の端縁では光量が低下している。そのため、光源11の正面が明るく光って輝度の均一性が悪く、照光スイッチの商品としての見栄えが劣っている。
なお、上記従来例では、複数個の光源を有する照光スイッチについて述べたが、1個の光源で構成された照光スイッチでも、光源の正面が明るく光って押ボタンの周辺部分が暗くなり、見栄えが悪い。
別な照光スイッチとしては、特許文献1に開示されたものがある。この照光スイッチでは、光源と押ボタンとの間に少なくとも2枚のフィルタ、例えば第1フィルタと第2フィルタを空間を空けて配置し、光拡散用フィルタを少なくとも二層構造としている。
特許文献1の照光スイッチでは、光拡散用フィルタを少なくとも2枚使用しているので、光拡散用フィルタによる光拡散効果を高めることができ、輝度の均一性を高めることができる。しかし、その反面で、光拡散用フィルタによる光の拡散度合いが大きいため、全体としての輝度が低くなりすぎるという欠点がある。さらに、光拡散用フィルタが2枚以上必要になるので、部材コストが高くつく。また、2枚の光拡散用フィルタ間に空間を必要とするので、照光スイッチの前後方向(つまり、押ボタンの表面に垂直な方向)の長さが大きくなるという不具合がある。
特開2000−231851号公報
本発明の目的とするところは、発光部の輝度分布の均一性を高めることができ、しかも、全体としての輝度の低下の小さな照光スイッチを提供することにある。
本発明に係る照光スイッチは、押ボタンと、前記押ボタンの操作により接点間を開閉する接点開閉機構部と、前記押ボタンの操作により点灯または消灯する複数個の光源とを備えた照光スイッチにおいて、前記光源に対向させて光偏向プレートを設け、前記光偏向プレートの前記光源と反対側の面の、少なくとも前記光源の主軸付近に共通な一方向に延びた複数条の光学パターンと光透過部とを設けてあり、前記光学パターンは、頂角が67°以上105°以下となる一対の傾斜面を有する断面三角プリズム状に形成され、前記光透過部は、前記光学パターンの稜線または谷線部分に沿って設けられた、平坦面または緩やかな曲面または前記傾斜面よりも緩やかな傾斜角の傾斜面のいずれかによって形成され、複数個の前記光源は、前記光学パターンの延びている方向と直交する方向に沿った間隔が、前記光学パターンの延びている方向に沿った間隔よりも大きくなるように配置されていることを特徴としている。特に、前記光源の主軸付近における前記光学パターンの頂角が、73°以上82°以下もしくは88°以上100°以下であることが好ましい。
本発明に係る照光スイッチによれば、光学パターンで光を元の方向へ反射させることができるので、光源の正面方向の輝度を小さくすることができる。さらに、光透過部は光源の正面方向へ光を出射させて光源の正面方向の輝度を大きくすることができる。よって、光学パターンの作用と光透過部の作用を調整することにより照光スイッチの輝度分布を均一化することができる。光透過部は、例えば凹凸パターンである光学パターンの頂部又は底部に設けることができる。
本発明に係る照光スイッチのある実施態様では、4個の前記光源が矩形状に配置されている。
本発明に係る照光スイッチの別な実施態様は、前記光偏向プレートの表面において、少なくとも前記光源の主軸から次式:
r=Lz×tanθ
I(θ)=k×sinθ×cosθ/〔tan(θ+Δθ)−tan(θ−Δθ)〕=0.8
ただし、Lzは光源と光偏向プレートとの距離
Δθ=0.1
kはI(0.0001)=1によって決まる値
nは前記光源の指向性を表すパラメータ
で決まる半径rの範囲内に光学パターンを設けていることを特徴としている。少なくともこの半径rの範囲内の光学パターンを最適化しておけば、照光スイッチの輝度分布を均一化することができる。
本発明に係る照光スイッチのさらに別な実施態様は、前記光偏向プレートが、透明又は半透明の乳白色材料によって形成されていることを特徴としている。また、前記光偏向プレートに、微細な光拡散材を分散させていてもよい。さらに、前記光偏向プレートの、前記光学パターンを形成された面に対して反対側の面に、光を拡散させるための凹凸を形成してもよい。これらの実施態様によれば、光学パターンに入射した光のうち光学パターンで反射して戻る光の光量を調整することができ、輝度分布をより均一化することができる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
図1は、従来の照光スイッチに用いられている面光源装置の概略断面図である。 図2は、光源の前方に配置された拡散板を透過した直後における光の光量分布を示す図である。 図3は、本発明の実施形態1による照光スイッチの斜視図である。 図4は、図3に示す照光スイッチの分解斜視図である。 図5は、図3に示す照光スイッチの断面図である。 図6(A)は、照光スイッチに用いられている光偏向プレートの一例を示す平面図である。図6(B)は、図6(A)のA−A線に沿った断面を拡大して示す図である。 図7(A)−図7(D)は、それぞれ異なる形状の光偏向プレートを示す一部拡大断面図である。 図8(A)−図8(D)は、さらに異なる形状の光偏向プレートを示す一部拡大断面図である。 図9(A)−図9(C)は、さらに異なる形状の光偏向プレートを示す一部拡大断面図である。 図10(A)は、透明プレートを透過する光源の光の挙動を示す図である。図10(B)は、断面三角形のプリズムを形成されたプリズムプレートを透過する光源の光の挙動を示す図である。 図11は、図10(A)に示した透明プレートを透過した直後の光量分布と、図10(B)に示したプリズムプレートを透過した直後の光量分布と、本発明の実施形態1にかかる光偏向プレートを透過した直後の光量分布を模式的に示す図である。 図12は、本発明の実施形態1の照光スイッチに用いられている光偏向プレートの、光源の正面近傍における光の挙動を示す図である。 図13は、光学パターンの頂角とプリズム効率との関係を示す図である。 図14(A)、図14(B)及び図14(C)は、光学パターンの頂角の定義と、光学パターンの有効斜面率の定義とを説明するための図である。 図15は、光学パターンの頂角と最低有効斜面率との関係を示す図である。 図16(A)は、頂角が90°の光学パターンにおける光の挙動を示す図である。図16(B)は、頂角が75°の光学パターンにおける光の挙動を示す図である。 図17は、光学パターンを設けておかなければならない領域の求め方を説明するための図である。 図18(A)−図18(C)は、光偏向プレートの異なる断面形状を示す概略断面図である。 図19は、さらに別な光偏向プレートを示す概略断面図である。 図20(A)−図20(C)は、さらに別な光偏向プレートを示す概略平面図である。 図21(A)及び図21(B)は、さらに別な光偏向プレートを示す概略平面図である。 図22(A)及び図22(B)は、さらに別な光偏向プレートを示す概略平面図である。 図23(A)及び図23(B)は、さらに別な光偏向プレートを示す概略平面図である。
21 照光スイッチ
22 光源
24 光偏向プレート
25 カラープレート
26 押ボタン
30 光学パターン
32、33 光透過部
34 反射シート
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
(実施形態1の構造)
以下、図3−図9を参照して本発明の実施形態1による照光スイッチの構造を説明する。図3は本発明の実施形態1による照光スイッチ21の全体斜視図である。図4は、照光スイッチ21の分解斜視図である。図5は、照光スイッチ21の断面図である。また、図6−図9は、種々の光偏向プレート24の構造を示す概略断面図である。
図3及び図4に示すように、この照光スイッチ21では、光源22を内蔵したホルダー23の上方に光偏向プレート24を配置し、その上にカラープレート25を重ね、さらにその上に押ボタン26を配置している。なお、照光スイッチ21の前後方向とは、押ボタン26の表面に垂直な方向であるが、以下の説明においては、図3−図5に描かれた照光スイッチ21の向きに従って、照光スイッチの前方を上方といい、照光スイッチの後方を下方ということがある。
樹脂製のホルダー23は、ホルダー固定部23aとホルダー可動部23bとからなる。ホルダー固定部23aは、照光スイッチ21を回路基板などに実装する際に、その回路基板などに固定される部分である。ホルダー固定部23aの上面には、小さな光源22が取り付けられている。また、ホルダー固定部23aの上面には、白色樹脂シートなどの反射シート34を敷いている。光源22としては一般に白色LEDや小型ランプが用いられるが、その種類や数は特に限定されるものではない。例えば、光源の種類としては、砲弾型LED、ランプ型LED、LEDチップなどを用いることができる。光源の数も、複数個であってもよく1個であってもよいが、図示例では4個の光源22を矩形状に配置している。
光源22は1個の発光体である必要はなく、複数の発光体からなるもの(例えば、赤、緑、青などの複数個のLEDチップを一体に封止したもの)でもよい。また、発光体を封止した複数個の光源を近接させて配置したもの(複数個の光源で、1個の光源22とみなせるもの)であってもよい。
ホルダー可動部23bは、ホルダー固定部23aに組み付けられている。ホルダー可動部23bは、上下に貫通した形状を有しており、ホルダー固定部23aに対して上下にスライド自在となっている。さらに、ホルダー可動部23bは、ホルダー固定部23aとホルダー可動部23bの間に介在するスプリング27によって上方へ弾性的に付勢されている。一方、ホルダー可動部23bの両側面に設けた係合部29がホルダー固定部23aの下面に引っ掛かることでホルダー可動部23bが上方へ抜けて外れないようになっている。
光偏向プレート24及びカラープレート25はホルダー可動部23bの上面に重ねられ、ホルダー可動部23bに固定された押ボタン26の下面とホルダー可動部23bの上面との間に挟み込まれている。
しかして、押ボタン26を押すと、ホルダー可動部23bが下方へ押し下げられ、スプリング27が押し縮められる。また、押ボタン26を離すと、押ボタン26及びホルダー可動部23bがスプリング27の弾性反発力によって押し戻され、元の位置に復帰する。
また、ホルダー固定部23aとホルダー可動部23bの間には、一対のスイッチ接点(可動接点と固定接点)間を開閉する接点開閉機構部28が設けられている。押ボタン26を押すとホルダー可動部23bが下降し、それによって接点開閉機構部28が動作して一対のスイッチ接点間が開状態(オフ)から閉状態(オン)に切り替わり、それと同時に光源22が点灯する。そして、押ボタン26及びホルダー可動部23bが元の位置に戻っても、スイッチ接点間は閉状態に保たれ、光源22は点灯状態に保たれる。もう一度押ボタン26を押すとホルダー可動部23bが下降し、それによって接点開閉機構部28が動作して一対のスイッチ接点間が閉状態(オン)から開状態(オフ)に切り替わり、それと同時に光源22が消灯する。そして、押ボタン26及びホルダー可動部23bが元の位置に戻っても、スイッチ接点間は開状態に保たれ、光源22は消灯状態に保たれる。よって、照光スイッチ21が点灯状態であるか消灯状態であるかにより、照光スイッチ21がオン状態であるか、オフ状態であるかを直感的に認識することができる。
なお、接点開閉機構部28の具体的な構造は省略する。このような動作をする接点開閉機構部28の構造としては、一般に用いられているものであってもよく、特殊な構造のものであってもよい。また、別な例としては、スイッチ接点間が開状態(オフ)のときに光源22が点灯し、スイッチ接点間が閉状態(オン)のときに光源22が消灯するようになっていてもよい。
照光スイッチ21内に納められた発光部分(面光源装置)は、光源22と、光源22の前方に位置する光偏向プレート24と、反射シート34からなり、光偏向プレート24は光源22の主軸と直交するように配置されている。図6(A)は、光偏向プレート24の平面図である。図6(B)は図6(A)のA−A線に沿った断面を拡大して示した図である。図6(A)には、併せて光源22の位置を示している。光偏向プレート24は、屈折率が大きな透明材料(ガラス、プラスチックなど)によって形成されている。光偏向プレート24の上面すなわち光源22と反対側の面には、断面略三角形のプリズム状をした多数の光学パターン30が平行に配列している。
光偏向プレート24の上面に垂直な方向から見て、光源22のX方向における間隔Dxは、光源22のY方向における間隔Dyと等しいか、それよりも大きくなっている。光学パターン30は、光偏向プレート24の一辺と平行な方向(Y方向)に均一な断面形状で延びており、光偏向プレート24の他辺と平行な方向(X方向)に沿って一定ピッチPchで並んでいる。図6(B)に示すように、光偏向プレート24に形成された光学パターン30は、略二等辺三角形の断面形状を有しているが、光学パターン30の頂部(稜線部分)と底部(谷線部分)のうち少なくとも一方に光透過部が形成されている。例えば、図6(B)に示す例では、光学パターン30の頂部に沿って、略円弧状に丸味を帯びた曲面によって光透過部32が形成されており、光学パターン30の底部に沿って、平坦な光透過部33が形成されている。
図6(A)及び図6(B)に示す光偏向プレート24の寸法例を挙げると、つぎの通りである。
X方向における光偏向プレート24の幅: 25mm
光学パターン30の頂角: 90°
光学パターン30の配列ピッチPch: 0.24mm
光透過部32の曲率半径: 0.03mm
光偏向プレート24は、図6(B)に示したような断面形状に限らない。例えば、図7(A)に示す例では、円弧状に丸味を帯びた曲面によって光学パターン30の頂部のみに光透過部32を設けている。図7(B)に示す例では、平坦面によって光学パターン30の頂部のみに光透過部32を設けている。図7(C)に示す例では、円弧状に丸味を帯びた曲面によって光学パターン30の底部のみに光透過部33を設けている。図7(D)に示す例では、平坦面によって光学パターン30の底部のみに光透過部33を設けている。
また、図7(A)の光透過部32は、上方へ膨らんだ曲面となっているが、図8(A)のように下方へ窪んだ曲面であってもよい。同様に、図7(C)の光透過部33は、下方へ窪んだ曲面となっているが、図8(D)のように上方へ膨らんだ曲面であってもよい。さらに、光学パターン30の頂部に設けた光透過部32は、図8(B)に示すように、比較的緩やかな傾斜角で上方へ膨出した(あるいは、下方へ窪んだ)略屋根形の傾斜面であってもよい。同様に、光学パターン30の底部に設けた光透過部33も、図8(C)に示すように、比較的緩やかな傾斜角で上方へ膨出した(あるいは、下方へ窪んだ)略屋根形の傾斜面であってもよい。
さらに、図7に示したような頂部の光透過部32と底部の光透過部33を組み合わせてもよい。例えば図9(A)のように曲面状の光透過部32と曲面状の光透過部33を組み合わせて光学パターン30を断面波形状にしたり、図9(B)のように平坦な光透過部32と平坦な光透過部33を組み合わせたり、図9(C)のように平坦な光透過部32と曲面状の光透過部33を組み合わせたり、組合せ方は自由である。
このように光学パターン30の頂部に曲面や平坦面の光透過部32を設けてあれば、光学パターン30の上にカラープレート25が重ねて置かれた場合でも、頂部が尖ったプリズムのように光学パターン30の先端が潰れることがなく、光学パターン30の強度が高くなる。
カラープレート25は、透明又は半透明のプラスチック又はガラス製のプレートである。カラープレート25は、照光スイッチ21の照光色を決めるものであって、赤、青、緑、黄、橙、アンバー、ピュアホワイトなどに着色されている。カラープレート25は、表面に微細な凹凸を設けるなどの方法によって光を拡散させる機能を有していてもよい。カラープレート25は、光偏向プレート24の凸部31の上に重ねられており、図5に示すように、光偏向プレート24の光学パターン30を形成された面とカラープレート25の下面との間には小さな間隙が形成されている。ただし、光偏向プレート24を通過した後の光をカラープレート25によって広げる必要はないので、カラープレート25と光偏向プレート24の間に空間は必要ない。よって、カラープレート25の下面と光偏向プレート24の光学パターン30を形成された面との距離がゼロであっても差し支えない。カラープレート25には、微細な凹凸などの光拡散機能が付与されていてもよい。押ボタン26は、無着色透明又は無着色半透明のプラスチック成形品であって、ホルダー可動部23bに嵌合するようになっている。
(実施形態1の光学的作用)
上記のような構造の照光スイッチ21によれば、照光スイッチ21における輝度分布の均一性を高くすることができる。以下、その理由(光学的作用)を説明する。なお、光偏向プレート24及び光学パターン30は、上記のように種々の形状のものを用いることが可能であるが、以下においては、図6(A)及び図6(B)に示した光偏向プレート24を用いた場合について説明する。
図10(A)は、光源22の前方に配置された平板状の透明プレート41における光の挙動を示す概略図である。図10(B)は、光源22の前方に配置されたプリズムプレート42における光の挙動を示す概略図である。このプリズムプレート42は、光透過部32、33を有しない断面三角形のプリズム43を形成されている。また、図11は、2個の光源22の前方に透明プレート41、又はプリズムプレート42、又は本発明の実施形態1による光偏向プレート24を配置した場合を想定し、透明プレート41又はプリズムプレート42又は光偏向プレート24を透過した直後の光量の分布を模式的に表した図である。図11の横軸は、光源22間の中央からプレート表面と平行な方向に図った距離Lxを示す。図11の縦軸は、プレート表面を通過した直後の光量を表している。ただし、図11の縦軸の光量は、光源22間の中央における光量が1となるように規格化している(光源間の中央における光量との比で表している)。図11の実線eは、光源22の前方に透明プレート41を配置した場合であり、破線fは、光源22の前方にプリズムプレート42を配置した場合であり、太実線gは、光源22の前方に光偏向プレート24を配置した場合である。
光源22の前方に透明プレート41を置いた場合には、図10(A)に示す光R1のように、光源22から正面方向へ出射した光R1は大部分が透明プレート41を透過するので、光源22の正面(光源の主光線の出射方向)で光量が最大となり、光源22の正面が明るく光る。ただし、透明プレート41を用いた場合、光源22間の中央における光量に対する光源22の正面における光量の比は光源22の指向特性により異なり、ランバート分布の光源22(指向特性の半値角が60°の光源)では約1.1倍となり、指向特性の半値角が30°の光源22では約1.7倍となる。
光源22の前方にプリズムプレート42を置いた場合には、図10(B)に示す光R1のように、光源22から正面方向へ出射した光R1は大部分がプリズム43により回帰反射して元の方向に戻る。よって、光源22の正面では光がプリズムプレート42を透過しにくくなる。そのため、プリズムプレート42を用いた場合には、図11において破線fで示すように、透明プレート41の場合と反対に光源22の正面で光量が低下して暗くなる。プリズムプレート42を用いた場合の光源正面における光量の低下も、光源22の指向特性によって異なり、指向特性の狭い光源22ほど光源正面における光量の低下がより顕著になる。
これに対し、光源22の前方に本実施形態の光偏向プレート24を配置した場合には、図12に示すように、光源22から正面方向へ出射した光のうち一部の光R1は光学パターン30によって回帰反射して元の方向に戻る。それと同時に光源22から正面方向へ出射した光のうち一部の光R2は光透過部32、33を透過して光源22の正面方向へ出射される。よって、本実施形態によれば、プリズム状の光学パターン30によって光源22の正面方向の光量を低下させ、それと同時に光透過部32、33によって光源22の正面方向の光量を増加させることができるので、光源22の正面方向における光量の減少と増加を調整することで、図11に示す太実線gのように光量の分布を均一化することができ、照光スイッチ21の輝度分布を均一化することができる。
すなわち、図11の実線eで示された光量分布のうち光量(比)が1以上の部分を1に近づけて輝度分布を均一化することが困難であることから、本実施形態では、光学パターン30によって光源22の正面方向における光量(比)を大きく減少させた後、光透過部32、33によって光源22の正面方向における光の漏れを大きくし、そのバランスによって輝度分布の均一性を得られるようにしている。また、光学パターン30で回帰反射した光R1は、反射シート34で反射させることによって再利用できるので、照光スイッチ21の発光部分が暗くなりにくい。また、光偏向プレート24の前方に大きな空間を必要としないので、照光スイッチ21のサイズが大きくなるのを防ぐことができる。
つぎに、上記のような作用効果を得るために最適な条件を説明する。まず、光学パターン30の頂角について説明する。図13は、光偏向プレート24に設けた光学パターン30の頂角φとプリズム効率との関係を示す図である(シミュレーションによる)。光学パターン30の頂角φとは、図14(A)及び図14(B)に示すように、光学パターン30の断面において、光透過部32、33以外の斜面どうしのなす角度である。また、図14(C)に示すように、斜面どうしのなす角度がφ1、φ2というように複数存在する場合には、それぞれの角度φ1、φ2を頂角φとみなせばよい(つまり、φ1、φ2がそれぞれ頂角φに関する下記の条件を満たせばよい)。また、入射光量Piの光が光源の主軸にほぼ平行に光学パターン30に入射したとき、そのうちのPrの光量の光が光学パターン30によって元の方向へ反射されたとすれば、その比100×Pr/Pi[%]をプリズム効率という。よって、プリズム効率が100%とは、光源の主軸とほぼ平行に光学パターン30に入射した光がすべて元の方向へ反射される場合であり、プリズム効率が0%とは、光源の主軸とほぼ平行に光学パターン30に入射した光がすべて光学パターン30を透過する場合である。なお、光源は完全な点ではなく発光幅があるので、光源の主軸から多少傾いた光も考慮する必要があり、光源の主軸とほぼ平行な光として、光源の主軸に対して±5°以下の傾きを有する光線も考慮することが望ましい。
明るく光る箇所(すなわち、光源の正面)の光量と暗く見える箇所(すなわち、光源間の中央)の光量との差が20%以上であると、光源の位置が局所的に明るく光って見える(これはLED目玉と呼ばれることがある)。そのため、光偏向プレート24の性能としては、プリズム効率が20%以上であること要求される。図13のシミュレーション結果によれば、光学パターン30の頂角φが67°以上105°以下であればプリズム効率が20%以上であるので、光学パターン30の頂角φを67°以上105°以下とすれば、光源の箇所が局所的に明るく光るのを防ぐことができ、輝度分布を均一化できることが分かる。もちろん、光透過部32、33に引いた接線どうしのなす角度は、上記頂角の角度範囲外となっていても構わない。
つぎに、図15は、光偏向プレート24に設けた光学パターン30の頂角φと最低有効斜面率との関係を示す図である(シミュレーションによる)。同じ高さで光学パターン30の断面における左右の面に引いた接線どうしのなす角度が67°以上105°以下である領域の水平方向における幅をWa、Wbとし、光学パターン30の配列ピッチ(光学パターン30の幅)をPchとするとき、100×(Wa+Wb)/Pch[%]を有効斜面率と定義する。大雑把にいえば、有効斜面率とは、図14(A)−図14(C)に示すように、光学パターン30のうち光透過部32、33以外の領域の幅(光偏向プレート24の上面と平行な方向における幅)をWa、Wbとするとき、100×(Wa+Wb)/Pch[%]で表される値である。
最低有効斜面率とは、プリズム効率から各頂角φにおいて最低必要な有効斜面率を計算したものである。すなわち、上記のように輝度を均一にするためには、光偏向プレート24の性能としてプリズム効率が20%以上であることが必要である。しかし、プリズムの頂角によってプリズム効率が異なるので、プリズム効率を20%以上とするために最低必要な有効斜面率は、プリズムの頂角の関数として決まる。このプリズム効率を20%以上とするために最低必要な有効斜面率を最低有効斜面率という。例えば、プリズム効率が100%である頂角90°のプリズムを考えると、(最低)有効斜面率が20%で光偏向プレートとしてのプリズム効率20%に達する(すなわち、100%×20%=20%)が、プリズム効率が60%である頂角70%のプリズムでは、(最低)有効斜面率が約33%以上ないと光偏向プレートとしてのプリズム効率は20%に達しない(すなわち、60%×33%≒20%)。図15は、プリズムの頂角φとプリズム効率20%を達成するために必要な有効斜面率(最低有効斜面率)との関係を表している。
なお、光学パターン30が一定の断面で一方向に延びている場合には、上記のように光学パターン30などの幅を用いて有効斜面率を定義することができるが、面積を用いれば有効斜面率を一般化することができる。すなわち、頂角が67°以上105°以下である領域の、光偏向プレート24に垂直な方向から見たときの面積の合計をSaとし、光透過部32、33も含めた光学パターン30の、光偏向プレート24に垂直な方向から見たときの面積をSpとするとき、有効斜面率は、100×Sa/Sp[%]と定義することができる。
光学パターン30を金型成形する場合には、有効斜面率が低いほうが光学パターン30の製作が容易になる。金型製作をする場合、V溝部分などには必ずアールがつくためである。光学パターン30の有効斜面率が30%以下であれば、通常の機械加工で容易に金型を作製することができる。したがって、光学パターン30の有効斜面率は、図15のハッチング領域にあればよい。よって、図15によれば、光学パターン30の頂角φが73°以上82°以下、あるいは88°以上100°以下であれば、光学パターン用の金型製作が容易になり、また輝度分布の均一化にも寄与できることが分かる。特に、この範囲のうちでも、プリズム頂角φが90°の場合には、図16(A)に示すように1個の光学パターン30で主軸方向の光を回帰反射させることができ、またプリズム頂角φが75°の場合には、図16(B)に示すように2個の光学パターン30で主軸方向の光を回帰反射させることができる。よって、光学パターン30の頂角φが90°又は75°の場合には、光透過部32、33以外の領域において高い効率で光を回帰反射させることができ、光偏向プレート24の設計が容易になる。
つぎに、光学パターン30を設ける領域について説明する。光学パターン30は、必ずしも光偏向プレート24の全面に設ける必要はなく、光源の主軸を中心とするある範囲内に設けてあればよい。図17に示す半径rの円形領域35は、光偏向プレート24の上面において最低限光学パターン30を設けておかなければならない領域である。Lzは光源22と光偏向プレート24の上面との間の距離である。θは、光源22から光偏向プレート24の上面のある点に引いた線分が、光源22の主軸となす角度である。
光源22からLzだけ離れた平面(光偏向プレート24の上面)において、光源22の主軸とθの角度をなす方向における光量は、つぎのI(θ)で表される。
I(θ)=k×sinθ×cosθ/〔tan(θ+Δθ)−tan(θ−Δθ)〕
ここで、nは光源22の指向性を表すパラメータであって、例えばランバート光ではn=1となる。Δθは微小な角度変化で、0.1°程度であればよい。kは任意の定数であるが、I(0.0001)=1となるように決められる。I(0.0001)=1となるように規格化したとき、光偏向プレート24の上面には、少なくともI(θ)≧0.8を満たす円形領域内に、先に示した頂角と有効斜面率を持つ光学パターン30を設ければよい。したがって、最低限光学パターン30を設けなければならない円形領域35の半径rは、次の2式より定まる。
I(θ)=0.8
r=Lz×tanθ
上記のような光学パターン30の頂角に関する条件や有効斜面率に関する条件などは、少なくともこの円形領域35内で満たしていればよく、円形領域35の外側では満たしていなくても差し支えない。
なお、輝度分布の不均一は、光源22の配列ピッチの大きな方向、すなわち図6(A)のX方向で起こりやすい。したがって、光偏向プレート24は、光学パターン30の配列方向が光源22の配列ピッチの大きな方向と平行となるように配置することが好ましい。
(その他の変形例)
光学パターン30は、一定のピッチで配列されている必要はない。たとえば、図18(A)に示すように、光学パターン30の配列ピッチが徐々に変化していてもよい。また、光学パターン30の大きさ(断面積)も一定である必要はない。図18(B)に示す例では、頂角が同じ光学パターン30を一定ピッチで配列しているが、光学パターン30の高さが徐々に変化している。また、図18(C)に示す例でも、頂角が同じ光学パターン30を一定ピッチで配列しているが、光学パターン30の頂部に設けた光透過部32の曲率半径を徐々に変化させている。なお、光学パターン30のピッチが大きいと光学パターン30が目に見えるので、光学パターン30のピッチは1mm以下であることが望ましい。また、光学パターン30の断面は左右非対称であっても差し支えない。
また、光偏向プレート24の光学パターン30を設けた面と反対面には、図19に示すように、微細な凹凸などの拡散パターン36を設けてもよい。かかる変形例によれば、光偏向プレート24で回帰反射する光の効率を調整することができるので、輝度分布の微調整を行うことができる。あるいは、光偏向プレート24を透明又は半透明の乳白色材料で成形したり、光偏向プレート24内に微細なビーズなどの拡散材料を分散させたりしてもよい。これらの場合にも、光偏向プレート24の内部で光を拡散させることで回帰反射する光の効率を調整することが可能になり、輝度分布の微調整を行うことができる。
また、図20−図23は、種々の光学パターン30を表している。図20(A)は、2個の光源22が横に並んでいる場合である。この場合には、光源22どうしを結ぶ方向に直交する方向に光学パターン30が延びていることが望ましい。また、図20(B)に示すように、光源22のピッチが短い方向と平行に光学パターン30が配列していても差し支えない。また、図17において説明した光学パターン30の必要な円形領域35の外側であれば光学パターン30のない領域があってもよい。たとえば、図20(C)では、光源22間の中央部に光学パターン30のない領域37を設けている。ただし、光学パターン30のある領域と光学パターン30のない領域をはっきり分けると、その境界が目で見えてしまうので、グラデーションを入れて徐々に光学パターン30をなくすことが望ましい。
図21(A)は、四角錐形状(ピラミッド形状)又は四角錐台形状の光学パターン30を格子状に配列したものである。この場合にも、図21(B)のように光学パターン30のない領域37を設けてもよい。このような形状の光学パターン30の場合には、有効斜面率は光偏向プレート24に垂直な方向から見た面積を用いて計算すればよい。
図22(A)又は図22(B)のように光源22が斜めに並んでいる場合には、斜め方向に延びた光学パターン30を斜め方向に配列させてもよい。
また、図23(A)に示すように、光源22の主軸位置を中心として同心円状に光学パターン30を配置してもよい。この場合にも、図21(B)のように光学パターン30のない領域37を設けてもよい。

Claims (7)

  1. 押ボタンと、
    前記押ボタンの操作により接点間を開閉する接点開閉機構部と、
    前記押ボタンの操作により点灯または消灯する複数個の光源と、
    を備えた照光スイッチにおいて、
    前記光源に対向させて光偏向プレートを設け、
    前記光偏向プレートの前記光源と反対側の面の、少なくとも前記光源の主軸付近に共通な一方向に延びた複数条の光学パターンと光透過部とを設けてあり、
    前記光学パターンは、頂角が67°以上105°以下となる一対の傾斜面を有する断面三角プリズム状に形成され、
    前記光透過部は、前記光学パターンの稜線または谷線部分に沿って設けられた、平坦面または緩やかな曲面または前記傾斜面よりも緩やかな傾斜角の傾斜面のいずれかによって形成され、
    複数個の前記光源は、前記光学パターンの延びている方向と直交する方向に沿った間隔が、前記光学パターンの延びている方向に沿った間隔よりも大きくなるように配置されていることを特徴とする照光スイッチ。
  2. 4個の前記光源が矩形状に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の照光スイッチ。
  3. 前記光偏向プレートの表面において、少なくとも前記光源の主軸から次式:
    r=Lz×tanθ
    I(θ)=k×sinθ×cosθ/〔tan(θ+Δθ)−tan(θ−Δθ)〕=0.8
    ただし、Lzは光源と光偏向プレートとの距離
    Δθ=0.1
    kはI(0.0001)=1によって決まる値
    nは前記光源の指向性を表すパラメータ
    で決まる半径rの範囲内に光学パターンを設けていることを特徴とする、請求項1に記載の照光スイッチ。
  4. 前記光源の主軸付近における前記光学パターンの頂角が、73°以上82°以下もしくは88°以上100°以下であることを特徴とする、請求項に記載の照光スイッチ。
  5. 前記光偏向プレートは、透明又は半透明の乳白色材料によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の照光スイッチ。
  6. 前記光偏向プレートに、微細な光拡散材を分散させていることを特徴とする、請求項1に記載の照光スイッチ。
  7. 前記光偏向プレートの、前記光学パターンを形成された面に対して反対側の面に、光を拡散させるための凹凸を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の照光スイッチ。
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