JP6232884B2 - 加飾シート - Google Patents
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Description
項1. 基材層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
前記表面層及び前記保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする、加飾シート。
項2. 前記電離放射線硬化性樹脂としてポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む、項1に記載の加飾シート。
項3. 更に、前記電離放射線硬化性樹脂として、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートを含む、項2に記載の加飾シート。
項4. ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能性ウレタン(メタ)アクリレートの質量比が、50:50〜99:1である、項3に記載の加飾シート。
項5. 前記凹凸保護層の厚みが10〜100μmである、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 基材層上に、凹凸形状を有し、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物からなる表面層が積層された積層体を形成する第1工程、及び
前記第1工程で得られた積層体の表面層上に、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布して硬化させることにより凹凸保護層を形成する第2工程
を含む、加飾シートの製造方法。
項7. 成形樹脂層、基材層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
前記表面層及び前記保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品。
項8. 項1〜5のいずれかに記載の加飾シートの基材層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を形成する工程を含む、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
項9. 項7に記載の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を剥離する工程を含む、加飾樹脂成形品の製造方法。
本発明の加飾シートは、少なくとも、基材層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、当該表面層及び凹凸保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。なお、本明細書において、特に言及しない限り、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味し、他の類似する表記も同様の意である。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは少なくとも、基材層1、凹凸形状を有する表面層2、及び剥離可能な凹凸保護層3がこの順に積層された積層構造を有する。
本発明の加飾シートの積層構造の例として、基材層1/絵柄層5/表面層2/凹凸保護層3が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3が順に積層された積層構造;基材層1/絵柄層5/透明樹脂層7/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3が順に積層された積層構造等が挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層1/絵柄層5/表面層2/凹凸保護層3が順に積層された加飾シートの断面図を示す。図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層1/絵柄層5/透明樹脂層7/プライマー層4/表面層2/凹凸保護層3が順に積層された加飾シートの断面図を示す。
加飾シートの各層の組成
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たす樹脂シート(樹脂フィルム)である。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や成形樹脂との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。当該熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル樹脂(以下「ASA樹脂」表記することもある)、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂及びアクリル樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
[表面層2]
表面層2は、凹凸形状を有しており、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成される。このように、凹凸形状を有する表面層を、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物にて形成し、且つ後述する特定の凹凸保護層で当該表面層を覆うことによって、真空成形や射出成形時に生じる凹凸形状の変形や消失を抑制し、加飾樹脂成形品に優れた意匠感及び手触り感を付与することが可能になる。
<凹凸形状>
表面層2に形成される凹凸形状については、特に制限されず、付与すべき意匠感や手触り等に応じて適宜設定すればよい。当該凹凸形状としては、例えば、ヘアライン模様、木目模様、幾何学模様(ドット、ストライプ、カーボン)等が挙げられる。
<電離放射線硬化性樹脂>
表面層2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。なお、ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層の形成において好適に使用される。
ポリカーボネート(メタ)アクリレート
電離放射線硬化性樹脂として使用されるポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されない。また、当該(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、通常2個以上、好ましくは2〜6個が挙げられる。
<多官能性ウレタン(メタ)アクリレート>
多官能性ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にウレタン結合を有し、かつ末端又は側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば、特に制限されない。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。また、ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋、硬化を良好にするという観点から、1分子当たりの官能基の数として、好ましくは2〜12個が挙げられる。表面保護層2の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂組成物に、上記のポリカーボネート(メタ)アクリレートに加えて、ウレタン(メタ)アクリレートをさらに含んでいてもよい。ウレタン(メタ)アクリレートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
<他の添加剤>
また、表面層2の形成に使用される樹脂組成物には、表面層2に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
<表面層2の厚み>
表面層2の硬化後の厚みについては、特に制限されないが、例えば、0.01〜20μm、好ましくは0.01〜15μm、更に好ましくは0.01〜12μmが挙げられる。このような範囲の厚みを充足することによって、凹凸形状をより一層効果的に表出させて、優れた意匠感及び手触り感を備えさせることができる。
<表面層2の形成>
表面層2は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物が、凹凸形状を備えさるように所定の層の上に形成すればよく、その具体的方法については特に制限されるものではない。表面層2に凹凸形状を付与する方法としては、例えば、エンボス加工を施す方法、表面層2を形成する樹脂組成物を凸部を形成させる部分のみに塗布して硬化させる方法等が挙げられるが、エンボス加工を施す方法が好ましい。
第1法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層を積層させる側にエンボス加工を施した後に、表面層2の形成に使用される樹脂組成物を塗布して当該樹脂組成物を硬化させる方法。
第2法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層を積層させる側に表面層2の形成に使用される樹脂組成物を塗布して当該樹脂組成物を硬化させた後に、表面層2側にエンボス加工を施す方法。
第3法:基材層1、及び必要に応じて設けられる他の層を順に積層させて、表面層2以外を有するシートを調製し、当該シートの表面層を積層させる側の凸部を形成させる部分のみに表面層2の形成に使用される樹脂組成物を塗布して当該樹脂組成物を硬化させる方法。
[凹凸保護層3]
凹凸保護層3は、表面層2上に表面層2と接面した状態で設けられる層であり、表面層2との界面から剥離可能な状態で積層されており、成形樹脂と一体成形された後に剥離される層である。また、凹凸保護層3は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物から形成される。このように、凹凸が形成されている特定組成の表面層2を、特定組成の凹凸保護層で被覆した状態にすることによって、真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失を抑制し、加飾樹脂成形品に優れた意匠感及び手触り感を付与することが可能になる。
<電離放射線硬化性樹脂>
凹凸保護層3の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂の種類、好ましいもの等については、前記表面層2の形成に使用されるものと同様である。とりわけ、電離放射線樹脂の中でも、表面層2の欄で例示した前記(1)の電離放射線硬化性樹脂と前記(2)の電離放射線硬化性樹脂を組み合わせについては、真空成形や射出成形時に表面層2の凹凸形状の変形や消失を抑制する作用のみならず、成形樹脂と一体成形された後に剥離する際の剥離容易性も備えさせ得るため、凹凸保護層3において好適に使用される。また、凹凸保護層3の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂と、前記表面層2の形成に使用する電離放射線硬化性樹脂とは同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
<他の添加成分>
凹凸保護層3の形成に使用される樹脂組成物には、電離放射線硬化性樹脂以外に、成形性の向上等のために、必要に応じて、他の樹脂成分が含まれていてもよい。このような電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;塩化ビニル樹脂;ウレタン樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリイミド;ポリ乳酸;ポリビニルアセタール樹脂;液晶性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<凹凸保護層3の厚み>
凹凸保護層3の厚みについては、特に制限されないが、例えば5〜100μmが挙げられる。また、成形樹脂と一体化させた後に凹凸保護層を剥離させ易くするという観点からは、凹凸保護層3の厚みとして好ましくは10〜100μm、更に好ましくは15〜100μmが挙げられる。なお、ここで、凹凸保護層3の厚みは、硬化樹脂を用いる場合には硬化後の保護層の厚みを意味する。
<凹凸保護層3の形成>
保護層の形成は、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で、硬化後の表面層3に塗工し、当該樹脂組成物に電離放射線を照射して硬化させればよい。なお、電離放射線の照射条件については、前記表面層2の形成の場合と同様である。
[プライマー層4]
プライマー層4は、表面層2の延伸部に微細な割れや白化を生じ難くすること等を目的として、基材層1と表面層2との間、絵柄層5を設ける場合には絵柄層5と表面層2との間及び/又は基材層1と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。
[絵柄層5]
絵柄層5は、加飾シートに装飾性を付与する目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は、基材層1とプライマー層4の間、又は隠蔽層6を設ける場合は隠蔽層6と表面層2の間等に、必要に応じて設けられる層である。
[隠蔽層6]
隠蔽層6は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合であれば基材層1とプライマー層2の間、又は絵柄層5を設ける場合であれば基材層1と絵柄層5の間に、必要に応じて設けられる層である。
[透明樹脂層7]
透明樹脂層7は、耐薬品性や耐傷付き性を向上させる目的で、基材層1と表面層2の間、プライマー層4を設ける場合は基材層1とプライマー層4の間、絵柄層5を設ける場合は絵柄層5と表面層2の間、又は基材層1上にプライマー層4と絵柄層5をこの順に設ける場合はプライマー層4と絵柄層5の間等に、必要に応じて設けられる層である。透明樹脂層7は、インサート成形法によって成形樹脂と一体化される加飾シートにおいて、好適に設けられる層である。
[接着層8]
接着層8は、加飾樹脂成形品の成形の際に成形樹脂との密着性を高めることを目的として、基材層1の裏面(表面層2とは反対側の面)に、必要に応じて設けられる層である。
加飾シートの製造方法
本発明の加飾シートは、例えば、下記の第1及び2工程を経て製造することができる。
前記第1工程で得られた積層体の表面層2上に、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布して硬化させることにより凹凸保護層3を形成する第2工程。
2.凹凸保護層付き加飾樹脂成形品
本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品は、少なくとも成形樹脂層9、基材層1、凹凸を有する表面層2、及び凹凸保護層3を順に有しており、当該表面層2及び凹凸保護層3が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物から形成されていることを特徴とする。図5に、本発明の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の好適な一態様について、その断面構造を示す。
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得る工程、及び
前記工程で得られた成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する工程。
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂成形材料を射出、充填して固化させることにより、形成された樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる射出成形工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す工程。
3.加飾樹脂成形品
前記凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を剥離除去することにより、表面に凹凸形状が付与された加飾樹脂成形品が得られる。前記凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から支持体を剥離除去すると、加飾樹脂成形品の表面に表面層2が現れ、その凹凸形状により優れた意匠感と手触り感が表出される。図6に、凹凸保護層が除去された加飾樹脂成形品の好適な一態様について、その断面構造を示す。
[加飾シートの製造]
実施例1〜6
基材層として、ABS樹脂フィルム(厚み200μm)を用いた。当該基材層上に、アクリル樹脂を含むインキ組成物を用いて、木目柄の絵柄層(厚さ5μm)をグラビア印刷により形成した。絵柄層上に、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7部を含む2液硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を含むプライマー層用樹脂組成物を塗布し、乾燥させて厚みが2μmのプライマー層を形成し、基材層/絵柄層/プライマー層が順に積層された積層体を得た。
比較例1
凹凸保護層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で、加飾シートを製造した。
比較例2
凹凸保護層を形成しなかったこと以外は、実施例6と同様の条件で、加飾シートを製造した。
比較例3
表面層の形成において、熱硬化性溶剤系アクリル樹脂を使用して硬化させたこと以外は、実施例1と同様の条件で、加飾シートを製造した。
比較例4
表面層の形成において、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7部を含む2液硬化型アクリルウレタン樹脂を使用して硬化させたこと以外は、実施例1と同様の条件で、加飾シートを製造した。
比較例5
凹凸保護層の形成において、主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7部を含む2液硬化型アクリルウレタン樹脂を使用して硬化させたこと以外は、実施例1と同様の条件で、加飾シートを製造した。
[加飾樹脂成形品の製造]
各加飾シートを赤外線ヒーターで160℃に加熱し、軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、型の内部形状に沿うように予備成形して型締した。その後、ポリカーボネートとABSの混合樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該加飾シートと成形樹脂とを一体化成形し、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品を得た。次いで、得られた凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を手で剥離することにより、加飾樹脂成形品を得た。
[性能評価]
各実施例及び比較例で得られた加飾シート及び加飾樹脂成形品について、以下の示す方法で、凹凸形状、凹凸の手触り感、凹凸保護層の剥離作業性、三次元成形性を評価した。
<凹凸形状の評価>
加飾樹脂成形品の表面の凹凸形状を評価するために、表面粗さ・輪郭形状測定機(株式会社東京精密製ハーディサーフE−35A)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、及び十点平均高さ(Rz)測定した。
<手触り感の評価>
加飾樹脂成形品の表面を手で触り、その手触り感について、以下の判定基準に従って評価した。
◎:凹凸感が強く認識された。
○:凹凸感が認識された。
△:僅かであるが凹凸感が認識された。
×:凹凸感を認識できなかった。
<凹凸保護層の剥離作業性>
凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から、凹凸保護層を剥離した際の作業性について、以下の判定基準に従って評価した。
○:凹凸保護層を1つの膜の状態で剥離でき、一度の剥離作業で全ての凹凸保護層を剥離できた。
△:凹凸保護層を剥離できたが、凹凸保護層を1つの膜の状態で剥離できず、複数回の剥離作業が必要であった。
×:凹凸保護層が表面層に強く結合しており、剥離できなかった。
<三次元成形性>
各加飾シートを赤外線ヒーターで120℃に加熱し、軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、型の内部形状に成形した。成形後の加飾シートを冷却後、型から離型し、以下の判定基準に従って、三次元成形性を評価した。
○:表面保護層に割れや白化が全く認められなかった。又は三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが実用上問題なし。
△:型の形状に追従できずに、表面層に塗膜割れや白化が見られた。
×:型の形状に追従できずに、表面層に著しい塗膜割れや白化が見られた。
<評価結果>
結果を表1に示す。この結果から、基材層上に形成させた凹凸を有する表面層を電離放射線硬化性樹脂の硬化物で形成し、且つその上に電離放射線硬化性樹脂の硬化物で形成した凹凸保護層を積層させることにより、射出成形に供しても、凹凸形状の変形や消失を抑制できており、加飾樹脂成形品に優れた意匠感及び手触り感を付与できていた。また、凹凸保護層を電離放射線硬化性樹脂の硬化物で形成することにより、射出成形後の凹凸保護層の剥離作業性も良好であり、とりわけ、凹凸保護層が、ポリカーボネートアクリレートとウレタンアクリレートを併用した電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなり、厚みが25μm以上の場合には、凹凸保護層の剥離作業性が極めて良好になることも確認された。これに対して、凹凸保護層及び表面層のいずれか一方を電離放射線硬化性樹脂以外で形成した場合には、凹凸保護層を剥離できず、加飾シートとして使用することができなかった。なお、表1には示していないが、凹凸保護層を電離放射線硬化性樹脂の硬化物で形成した場合には、寸法安定性があり、長時間保存しても、凹凸保護層の収縮や剥がれ等が生じないことも確認されている。
表面層及び凹凸保護層の形成に使用した樹脂組成物の略号は、以下に示す通りである。
(EB1)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量;10,000) :95質量部
4官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量;6,000):5質量部
(EB2)
3官能ペンタエリスリトールアクリレート(重量平均分子量;300):30質量部
アクリルポリマー(重量平均分子量120,000) :70質量部
(溶剤系アクリル)
熱硬化性溶剤系アクリル樹脂
(2液硬化型アクリル/ウレタン)
主剤(アクリルポリオール/ウレタン、質量比9/1)100部と硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート)7部を含む2液硬化型アクリルウレタン樹脂
2 表面層
3 凹凸保護層
4 プライマー層
5 絵柄層
7 透明樹脂層
9 成形樹脂層
Claims (9)
- 基材層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
前記表面層及び前記保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする、加飾シート。 - 前記電離放射線硬化性樹脂としてポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の加飾シート。
- 更に、前記電離放射線硬化性樹脂として、多官能性ウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項2に記載の加飾シート。
- ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能性ウレタン(メタ)アクリレートの質量比が、50:50〜99:1である、請求項3に記載の加飾シート。
- 前記凹凸保護層の厚みが10〜100μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
- 基材層上に、凹凸形状を有し、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物からなる表面層が積層された積層体を形成する第1工程、及び
前記第1工程で得られた積層体の表面層上に、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を塗布して硬化させることにより凹凸保護層を形成する第2工程
を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。 - 成形樹脂層、基材層、凹凸形状を有する表面層、及び剥離可能な凹凸保護層がこの順に積層されてなり、
前記表面層及び前記保護層が、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シートの基材層側に、樹脂を射出することにより成形樹脂層を形成する工程を含む、凹凸保護層付き加飾樹脂成形品の製造方法。
- 請求項7に記載の凹凸保護層付き加飾樹脂成形品から凹凸保護層を剥離する工程を含む、加飾樹脂成形品の製造方法。
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