以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 本発明の基本的な実施形態 >>>
図1は、本発明の基本的な実施形態に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。図示のとおり、このコンテンツ提供システムは、配信処理装置100、複数n台(n≧2)の利用権管理装置200、配信制御装置300によって構成されており、インターネットNを介して、複数m台(m≧2)の利用者端末400にコンテンツを提供する機能を果たす。
ここでは、複数n台の利用権管理装置200のそれぞれに200(1),200(2),... のように番号を付し、複数m台の利用者端末400のそれぞれに400(1),400(2),... のように番号を付して示すことにする。たとえば、利用権管理装置200(i)は、n台のうちの第i番目(1≦i≦n)の装置であり、利用者端末400(j)は、m台のうちの第j番目(1≦j≦m)の端末ということになる。また、任意の利用権管理装置あるいは任意の利用者端末を指す場合には、単に、利用権管理装置200あるいは利用者端末400と呼ぶことにする。
なお、ここでは、このコンテンツ提供システムを利用した代表的なビジネス形態を例示するため、配信処理装置100の保守運用が事業者Xによって行われ、配信制御装置300の保守運用が事業者Yによって行われ、利用権管理装置200(1)〜200(n)の保守運用が事業者Z1〜Znによって行われる場合を例にとり、更に、利用者端末400(1)〜400(m)を用いたコンテンツの利用が、利用者U1〜Umによって行われる場合を例にとった説明を行うことにする。図1における家のシンボルはこれら事業者を示し、人のシンボルはこれら利用者を示している。
もちろん、ここに示すビジネス形態は、その代表的な一例を示すものであり、このコンテンツ提供システムの利用形態は、図示の例に限定されるものではない。たとえば、実際には、図示の事業者XとYとを同一事業者が兼務してもかまわないし、事業者XとZ1とを同一の事業者が兼務してもかまわないし、事業者YとZ1とを同一の事業者が兼務してもかまわない。要するに、個々の装置の保守運用は、実社会におけるビジネス展開に応じて、任意の事業者に行わせるようにしてかまわない。
このコンテンツ提供システムは、個々の利用者が取得している利用権の範囲内で、利用者の要求に応じたコンテンツを利用者端末400に対して提供する機能を果たす。配信処理装置100は、多数のコンテンツを格納しており、利用者端末400に対して利用者所望のコンテンツをインターネットNを介して配信する配信処理を実行し、配信制御装置300は、この配信処理を制御する役割を果たす。この配信処理の制御は、利用権管理装置200に格納されている利用権取得情報に基づいて行われる。
すなわち、利用権管理装置200は、個々の利用者についてのコンテンツ利用権を管理する機能を有し、配信制御装置300は、利用者端末400からの要求に応じて利用権管理装置200に対して照会を行い、照会結果に基づいて配信処理装置100からの配信処理を制御する処理を行う。具体的には、配信処理装置100内に用意されているコンテンツのうち、特定の利用者が利用可能なコンテンツのリストを当該利用者の端末400に送信する処理が行われる。当該利用者が、リストから所望のコンテンツを要求すると、配信処理装置100から、要求に応じたコンテンツCが当該端末400に配信されることになる。
続いて、このような配信制御のより具体的な仕組を、図2を参照しながら説明する。図2は、図1に示すコンテンツ提供システムの一部の詳細構成を示すブロック図である。この図2には、図1に示す各構成要素のうち、配信処理装置100と、第i番目の利用権管理装置200(i)と、配信制御装置300と、第j番目の利用者端末400(j)とが示されている。実際には、図1に示すとおり、複数n台の利用権管理装置200と複数m台の利用者端末400がインターネットNに接続されることになるが、図2では、このうち、第i番目の利用権管理装置200(i)と第j番目の利用者端末400(j)とを用いた利用形態を代表例として述べることにする。各ブロック間の矢印は、インターネットNを介したデータの流れを示している。
配信処理装置100には、複数のコンテンツCを格納するコンテンツ格納部110と、各コンテンツに対応する書誌情報Bを格納する書誌情報格納部120と、利用者端末400からのコンテンツ要求に応じてコンテンツ格納部110内のコンテンツCを送信するコンテンツ送信部130と、配信制御装置300からの書誌情報要求に応じて書誌情報格納部120内の書誌情報Bを送信する書誌情報送信部140と、コンテンツ格納部110および書誌情報格納部120に対して、新たなコンテンツCおよび新たな書誌情報Bの追加処理および既存のコンテンツCおよび既存の処理情報Bの変更もしくは削除処理を行う機能をもったコンテンツ管理部150と、が備わっている。
コンテンツ管理部150に対するコンテンツの追加・変更・削除の指示は、この配信処理装置100の保守運用を行う事業者Xによって行われる。この配信処理装置100における情報の送受はインターネットNを介して行われるため、実際には、配信処理装置100は、インターネットNに接続されたサーバコンピュータによって構成することができる。
一方、第i番目の利用権管理装置200(i)には、図示のとおり、利用者情報格納部210(i)、利用者情報読出部220(i)、利用者認証部230(i)、利用者情報書込部240(i)が備わっている。添字(i)は、第i番目の利用権管理装置200(i)の構成要素であることを示す。
ここで、利用者情報格納部210(i)には、個々の利用者についての利用者情報Uが格納されている。個々の利用者情報Uは、それぞれが、個々の利用者について、利用者識別子IDと利用者認証コードAと当該利用者が利用権を取得しているコンテンツを示す利用権取得情報Rとを対応づけた情報になっている。たとえば、第j番目の利用者Ujについて、利用者情報格納部210(i)に格納されている利用者情報U(i,j)は、図示のとおり、利用者識別子ID(i,j)と、利用者認証コードA(i,j)と、利用権取得情報R(i,j)とを対応づけた情報になる。添字(j)は、第j番目の利用者Ujについての情報であることを示す。
利用者識別子ID(i,j)は、この第i番目の利用権管理装置200(i)において、第j番目の利用者Ujを特定するためのデータであり、一般的には、当該利用者Ujについてのアカウントを示すコードを利用すればよい。利用者認証コードA(i,j)は、この第i番目の利用権管理装置200(i)において、当該利用者Ujを認証するためのデータであり、一般的には、当該利用者Ujが設定したパスワードを利用すればよい。また、利用権取得情報R(i,j)は、この第i番目の利用権管理装置200(i)において、第j番目の利用者Ujが利用権を取得したコンテンツを特定するためのデータであり、一般的には、当該コンテンツについてのコンテンツ識別子を利用すればよい。
もちろん、利用者情報格納部210(i)には、他の利用者(必ずしも、このコンテンツ提供システムを利用する全利用者である必要はない)についての利用者情報も格納されている。図では、第(j+1)番目のユーザについての利用者情報U(i,j+1)と、第(j+2)番目のユーザについての利用者情報U(i,j+2)とが格納されている状態が例示されている。もちろん、第(j+1)番目のユーザについての利用者情報U(i,j+1)は、利用者識別子ID(i,j+1)と、利用者認証コードA(i,j+1)と、利用権取得情報R(i,j+1)とを対応づけた情報になる。
利用者認証部230(i)は、外部からのアクセスがあったときに、利用者認証コードAを用いて認証を行う機能を有し、利用者情報書込部240(i)は、この利用者認証部230(i)による認証がなされたことを条件として、外部からのアクセスに応じて利用者情報格納部210(i)に対する情報の書き込みもしくは書き換えを行う機能を有する。また、利用者情報読出部220(i)は、利用者認証部230(i)による認証がなされたことを条件として、外部からのアクセスに応じて利用者情報格納部210(i)から利用権取得情報Rを読み出して返信する機能を有する。
利用権管理装置200における情報の送受もインターネットNを介して行われるため、実際には、この利用権管理装置200も、インターネットNに接続されたサーバコンピュータによって構成することができる。
一方、配信制御装置300には、図示のとおり、利用者端末400に対してリスト提示情報Lを送信する機能を果たすリスト送信部310と、利用権管理装置200に対して利用権の照会を行う利用権照会部320とが備わっている。
利用権照会部320は、第j番目の利用者端末400(j)から、第i番目の利用権管理装置200(i)に格納されている利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を含むリスト要求があったときに、当該第i番目の利用権管理装置200(i)に対して、当該リスト要求に含まれている利用者識別子ID(i,j)に対応する利用権取得情報R(i,j)を照会するアクセスを当該利用者認証コードA(i,j)を用いて行い、返信されてきた利用権取得情報R(i,j)を受信する。
リスト送信部310は、配信処理装置100に格納されている書誌情報Bのうち、利用権照会部320が受信した利用権取得情報R(i,j)に応じたコンテンツCについての書誌情報Bを含む情報を、利用可能コンテンツを示すリストを提示するためのリスト提示情報Lとして、リスト要求を行った利用者端末400(j)に送信する処理を行う。
この配信制御装置300における情報の送受もインターネットNを介して行われるため、実際には、この配信制御装置300も、インターネットNに接続されたサーバコンピュータによって構成することができる。
これに対して、利用者端末400は、本発明に係るコンテンツ提供システムにおける配信処理装置100から配信されるコンテンツCを閲覧(コンテンツCが電子書籍等のコンテンツである場合)もしくは再生(コンテンツCが音楽や動画等のコンテンツである場合)する機能を有する端末装置であり、実際には、パソコン、スマートフォン、電子タブレットなど、インターネットに接続して利用することが可能な端末装置(コンピュータ)に、専用のアプリケーションプログラム(ビューワープログラム等)をインストールすることによって実現できる。
前述したとおり、本発明に係るコンテンツ提供システムは、配信処理装置100、複数n台(n≧2)の利用権管理装置200、配信制御装置300によって構成されるシステムであるが、当該コンテンツ提供システムに、利用者端末400を付加した全体によって、コンテンツ閲覧・再生システムが構成されることになる。図1に示すブロック図は、このコンテンツ閲覧・再生システムの全容を示している。
図2に示されている利用者端末400(j)は、第j番目の利用者Ujが利用する第j番目の端末装置であり、図示のとおり、リスト提示部410(j)、リスト要求部420(j)、コンテンツ要求部430(j)、コンテンツ保存部440(j)、コンテンツ利用部450(j)が備わっている。
リスト要求部420(j)は、配信制御装置300に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を含むリスト要求を送信する機能を果たす。ここで、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)は、第j番目の利用者Ujについて、第i番目の利用権管理装置200(i)に登録されているデータであり、利用者Ujの操作入力により、リスト要求部420(j)に取り込まれ、リスト要求とともに配信制御装置300へ送信されることになる。
したがって、リスト要求部420(j)が配信制御装置300に対してリスト要求を送信する際には、既に、第j番目の利用者Ujについての利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)が、第i番目の利用権管理装置200(i)に事前登録されている(すなわち、利用者情報格納部210(i)内に利用者情報U(i,j)の一部を構成するデータとして格納されている)ことが前提となる。
このような事前登録の具体的な方法については、§2で述べることにする。図2において、一部が破線で示されている書込用外部アクセスの矢印は、このような事前登録の処理を行う際のデータの流れを示している。この事前登録は、実際には、本発明に係るコンテンツ提供システムとは別の何らかのシステムを利用して行われることになる。
利用者端末400(j)から配信制御装置300に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を含むリスト要求が行われると、利用権照会部320から利用権管理装置200(i)に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を用いた照会が行われ、当該照会に応じて、利用権取得情報R(i,j)が返信されてくることは既に述べたとおりである。そして、リスト送信部310が、この利用権取得情報R(i,j)に応じたコンテンツCについての書誌情報Bを含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行うことも既に述べたとおりである。
リスト提示部410(j)は、こうして配信制御装置300から送信されてきたリスト提示情報Lに基づいて、利用者端末400(j)の画面上に、利用可能コンテンツを示すリストを提示する処理を行う。利用者Ujは、このリストの中から、利用を希望する特定のコンテンツを選択し、当該コンテンツに対する要求指示を入力する。
コンテンツ要求部430(j)は、利用者Ujの操作により、リスト上で選択された選択コンテンツについてのコンテンツ要求をコンテンツ送信部130に送信する処理を行う。コンテンツ送信部130は、コンテンツ格納部110から、要求されたコンテンツCを取り出し、これを利用者端末400(j)に送信する。
なお、後述するように、書誌情報Bには、対応するコンテンツCの入手に必要なキー情報Kが含まれている。したがって、コンテンツ要求部430(j)は、リスト提示部410(j)がリスト提示情報Lとして受信した書誌情報B内のキー情報Kをコンテンツ要求に含ませてコンテンツ送信部130に送信することができる。コンテンツ送信部130は、利用者端末400から、キー情報Kを含むコンテンツ要求を受けて、当該要求に応じたコンテンツCの送信を行うことになる。
こうして配信処理装置100から利用者端末400(j)に対して送信されてきたコンテンツCは、コンテンツ保存部440(j)によって受信され、保存される。図には、このようにしてコンテンツ保存部440(j)内に複数のコンテンツCが保存されている状態が示されている。
コンテンツ利用部450(j)は、利用者Ujからの利用指示に基づいて、コンテンツ保存部440(j)に保存されている所定のコンテンツCを閲覧もしくは再生する処理を行う。かくして、利用者Ujは、利用権を取得している特定のコンテンツをインターネットNを介してダウンロードした上で、これを閲覧したり再生したりすることが可能になる。なお、ここでは、コンテンツをダウンロードして利用する例を述べるが、いわゆるストリーミングの形態で配信を受け、これを利用するようにしてもかまわない。この場合、コンテンツ保存部440(j)内のコンテンツは一時的に保存された後、消去されることになる。
以上、図2を参照しながら、第i番目の利用権管理装置200(i)の基本構成および基本動作を述べたが、全n台の利用権管理装置200の基本構成および基本動作も全く同様である。また、図2では、第j番目の利用者端末400(j)の基本構成および基本動作を述べたが、全m台の利用者端末400の基本構成および基本動作も全く同様である。
もちろん、n台の利用権管理装置200では、各利用者の利用権や個人情報はそれぞれ独立して管理されている。たとえば、図1に示す例の場合、第1の利用権管理装置200(1)は事業者Z1によって保守運用されており、第2の利用権管理装置200(2)は事業者Z2によって保守運用されている。各事業者Z1,Z2は、それぞれ独自の運用方法によって、個々の利用者に利用者識別子を付与し、個々の利用者の利用者認証コードを保持し、個々の利用者が取得した利用権の情報を管理している。そして、通常、これらの利用者情報は、個々の利用者の氏名・住所・生年月日・メールアドレス・電話番号などの個人情報に紐付けされて登録されている。
したがって、全く同じ第j番目のユーザUjに関するデータであっても、事業者Z1によって保守運用されている利用権管理装置200(1)内に登録されている利用者識別子ID(1,j)および利用者認証コードA(1,j)と、事業者Z2によって保守運用されている利用権管理装置200(2)内に登録されている利用者識別子ID(2,j)および利用者認証コードA(2,j)とは、それぞれ別個独立したデータになっており、両者間に関係は全くない。当然ながら、利用者識別子ID(一般的には、アカウント)を構成するデータの文字数や構成規則、利用者認証コードA(一般的には、パスワード)を構成するデータの文字数や構成規則などもそれぞれ別個独立して設定されている。
しかも、通常、利用者識別子IDや利用者認証コードAといった情報は、個々の事業者が秘密に保管すべき個人情報であり、これらが外部に公開されることはない。したがって、事業者Z1は、自己の顧客として登録されている第j番目のユーザUjについて、自己が管理する利用権管理装置200(1)に登録されている利用者識別子ID(1,j)および利用者認証コードA(1,j)を把握しているのは当然であるが、別な利用権管理装置200において、当該ユーザUjについてどのような利用者識別子IDおよび利用者認証コードAが設定されているかを知る由もない。
要するに、複数n台の利用権管理装置200内の利用者情報格納部210には、同一の利用者について、それぞれ別個独立した利用者識別子および利用者認証コードが格納されていることになる。それでも、本発明に係るコンテンツ提供システムでは、利用権取得情報Rについて、予め取り決めた共通のデータフォーマットを用いるようにすれば、利用権照会部320は、n台の利用権管理装置200のどれに照会を行ったとしても、共通のデータフォーマットで記述された利用権取得情報Rを得ることができ、この利用権取得情報Rを利用して、前述したように、利用者端末400に対してリスト提示情報Lを送信することができる。
このように、本発明に係るコンテンツ提供システムでは、複数n台の利用権管理装置200によって別個独立して管理されている利用権を利用して、配信処理装置100から統一的なコンテンツ配信を行うことが可能になる。同一の配信処理装置100から配信するコンテンツは、同一の標準フォーマットで記述したデータにすることができるので、利用者端末400を、パソコン、スマートフォン、電子タブレットなどのコンピュータに専用のアプリケーションプログラム(ビューワープログラム等)をインストールすることによって構成する場合でも、単一のビューワープログラム等をインストールするだけで十分である。
<<< §2. 本発明の具体的な処理動作 >>>
続いて、図2に示す本発明の基本的な実施形態に係るコンテンツ提供システムの処理動作を具体的なデータを例示しながら説明する。本発明に係るコンテンツ提供システムによって提供することができるコンテンツは、たとえば、電子書籍、音楽、動画など、様々なデジタルコンテンツであるが、ここでは便宜上、電子書籍を提供する例について説明を行うことにする。
図3は、図2に示すコンテンツ格納部110および書誌情報格納部120に格納された具体的なデータ群の一例を示す図である。ここで、C(x)なる符号は個々のコンテンツを示し、B(x)なる符号はコンテンツC(x)に対応する書誌情報を示している。図示の例の場合、xは4桁の数字で表現され、コンテンツ格納部110には、コンテンツC(0101)〜C(9861)が格納され、書誌情報格納部120には、これに対応して書誌情報B(0101)〜B(9861)が格納されている。書誌情報B(0101)は、コンテンツC(0101)についての書誌情報ということになる。
図4は、コンテンツCおよび書誌情報Bの具体的なデータ構造の一例を示す図である。この例の場合、コンテンツCは、コンテンツ識別子CIDとコンテンツデータCDとによって構成されている。コンテンツデータCDは、当該コンテンツCの本体データであり、電子書籍の場合、所定のフォーマットで記述された書籍の内容を示すデータということになる。コンテンツ識別子CIDは、個々のコンテンツCを特定するために付与された固有のコードである。個々のコンテンツCを他のコンテンツと区別できるように、少なくともこのコンテンツ提供システムにおいて、個々のコンテンツCにそれぞれユニークなコードが付与される。電子書籍のコンテンツの場合、たとえば、当該書籍のISBN(International Standard Book Number)等をコンテンツ識別子CIDとして利用することができる。
一方、図示の例における書誌情報Bは、コンテンツ識別子CID、書誌データBD、キー情報Kによって構成されている。書誌情報B内のコンテンツ識別子CIDは、コンテンツC内のコンテンツ識別子CIDに対応するものであり、書誌情報Bは、このコンテンツ識別子CIDによって特定のコンテンツCに紐付けされている。書誌データBDは、当該書誌情報Bの本体データであり、この例の場合、対応するコンテンツC(電子書籍)についてのタイトル、著者名、出版年を示すデータによって構成されている。そして、キー情報Kは、対応するコンテンツCの入手に必要な情報であり、利用者端末400は、このキー情報Kを利用して、コンテンツ送信部130に対してコンテンツ要求を与え、コンテンツCを入手することになる。
キー情報Kとしては、コンテンツCの入手を可能にする情報であればどのようなデータを用いてもかまわないが、図示の例の場合、コンテンツ格納部110内における対応するコンテンツCの所在を示すURLと、当該コンテンツCの送信を許可するための許可コードとを含む情報を、キー情報Kとして用いるようにしている。もちろん、所在を示すURLと許可コードのうち、いずれか一方のみをキー情報Kとして用いるようにしてもかまわない。後述するように、利用者端末400は、このようなキー情報Kを含んだ書誌情報Bに基づいて、コンテンツCのダウンロードを行うことになる。
図5は、図4に示すデータ構造をもったコンテンツCおよび書誌情報Bの具体的なデータ例を示す図であり、符号C(0501)で示されるコンテンツと符号B(0501)で示される書誌情報の具体的な内容が例示されている。すなわち、この例の場合、コンテンツC(0501)は、コンテンツ識別子CID(0501)とコンテンツデータCD(0501)とによって構成され、コンテンツデータCD(0501)は、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の電子書籍データになっている。
一方、書誌情報B(0501)は、この電子書籍のタイトル「蜘蛛の糸」、著者名「芥川龍之介」、出版年「1918」を示すためのデータ(この例の場合、テキストデータ)であり、コンテンツ識別子CID(0501)によって、コンテンツC(0501)に紐付けされている。もちろん、書誌データは、必ずしもテキストデータである必要はなく、画像データや音声データを書誌データとして用いるようにしてもかまわない。そして、キー情報K(0501)は、コンテンツC(0501)の入手に必要な情報であり、ここに示す例の場合、コンテンツ格納部110内に格納されているコンテンツC(0501)の所在を示すURLと、当該コンテンツCの送信を許可するための許可コードとを含む情報によって構成されている。
したがって、この図5に示すような書誌情報B(0501)を取得した利用者端末400は、配信処理装置100に対して、キー情報K(0501)を用いたコンテンツ要求を行うことができる。この例の場合、利用者端末400内のコンテンツ要求部430が、キー情報K(0501)に含まれているURLを指定し、キー情報K(0501)に含まれている許可コードを伴うコンテンツ要求を行うことになる。
このようなコンテンツ要求を受けたコンテンツ送信部130は、利用者端末400からのコンテンツ要求に含まれるURLによって示される格納場所(コンテンツ格納部110内の所定の場所)に格納されているコンテンツC(0501)を読み出し、これを当該利用者端末400に対して送信する処理を行う。このとき、コンテンツ送信部130は、利用者端末400からのコンテンツ要求に含まれる許可コードが正しいことを確認した上で、要求に応じたコンテンツC(0501)を当該利用者端末400に対して送信する。したがって、ここに示す実施例の場合、コンテンツ要求に含まれているURLと許可コードとの双方が正しい場合にのみ、コンテンツC(0501)が利用者端末400に送信されることになる。
続いて、第i番目の利用権管理装置200(i)に対して、第j番目の利用者Ujが利用者としての登録を行い、いくつかのコンテンツについての利用権を取得する手順を説明する。前述したとおり、ここに示す実施例の場合、第i番目の利用権管理装置200(i)の保守運用は事業者Ziによって行われている。ここで、事業者Ziは、電子書店を主たる業務とする者であってもよいし、全く別な主業務を営む者であってもかまわない。
前者の形態の場合、事業者Ziは、配信処理装置100の保守運用を行う事業者Xを兼ねることもできる。もちろん、事業者Ziと事業者Xとは全く別な事業者であってもかまわない。たとえば、電子書店を主たる業務とする事業者Ziは、本発明に係るコンテンツ提供システムとは全く別のコンテンツ提供システム(以下、「既存システム」という)を利用して、独自のコンテンツ提供ビジネスを展開していてもかまわない。この場合、事業者Ziは、当該既存システム内の配信処理装置を用いてコンテンツを配信していることになるが、当該サービスで蓄積された顧客情報をそのまま本発明に係るコンテンツ提供システムに流用することが可能になり、顧客に対して、より品揃えが豊富なサービス提供が可能になる。
たとえば、電子書店を展開している事業者Ziが取り揃えるコンテンツの中には、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」なる電子書籍が含まれていなかった場合、この事業者Ziが運営する既存システムから直接的には当該電子書籍を配信することはできない。したがって、従来の既存システムのみを利用してビジネスを展開していた場合、事業者Ziは、「蜘蛛の糸」の購入を希望する顧客に対するビジネスチャンスを失うことになる。
これに対して、この事業者Ziが、本発明に係るコンテンツ提供システムの一翼を担うようになれば、自己の顧客に対して間接的に「蜘蛛の糸」なる電子書籍の提供を行うことができるようになる。これは、事業者Ziが、「蜘蛛の糸」なる電子書籍を直接的には取り扱っていなかったとしても、本発明に係るコンテンツ提供システムを用いて、「蜘蛛の糸」の利用権を販売するという形で、顧客に当該電子書籍を間接的に提供することが可能になるためである。
上例の場合、図2に示す利用権管理装置200(i)内の利用者情報格納部210(i),利用者認証部230(i),利用者情報書込部240(i)は、既存システム内の同等の機能を果たす構成要素をそのまま流用して構成することができる。別言すれば、図2に示す利用権管理装置200(i)は、この既存システムに、利用者情報読出部220(i)を付加することによって構成することができる。
図2において、利用者端末400(j)から利用権管理装置200(i)に向かう一部破線で示す矢印(書込用外部アクセス)は、この既存システムを用いたルートにより、利用者情報の書き込みや書き換えが行われることを示している。通常、利用者Ujを新たな顧客として登録する場合、利用者情報書込部240(i)によって、当該利用者Ujの氏名・住所・生年月日・メールアドレス・電話番号などの個人情報が取り込まれ(図2に示す利用者情報U(i,j)には、このような個人情報の図示は省略されている)、更に、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)が設定される。
こうして、顧客としての初期登録が完了した後、当該利用者Ujが何らかのコンテンツについての利用権を購入した場合、利用者情報U(i,j)内の利用権取得情報R(i,j)内の情報が更新されることになる。もちろん、利用者情報書込部240(i)による書き込みや書き換えは、利用者認証部230(i)による認証がなされたことを条件として行われる。したがって、利用者Ujは、書込用外部アクセスを行う際に、利用者識別子ID(i,j)として機能するアカウントデータと、利用者認証コードA(i,j)として機能するパスワードデータを入力して、当該外部アクセスを行うことになる。
このように、アカウントとパスワードにより利用者を認証して、コンテンツの利用権を販売する処理は、既に、様々な電子商取引システムで利用されている公知の技術であるため、ここでは詳しい説明は省略する。本発明に係るコンテンツ提供システムでは、利用者情報格納部210内に、少なくとも、利用者識別子ID(i,j),利用者認証コードA(i,j),利用権取得情報R(i,j)を含む利用者情報が、個々の利用者ごとに格納された状態になっていれば足り、このような利用者情報を格納するための具体的な手段は、どのようなものであってもかまわない。
また、上例では、コンテンツの利用権を販売する形態、すなわち、利用者が利用権を有償で取得する形態を述べたが、利用権の付与は必ずしも有償で行う必要はなく、無償で付与してもかまわない。たとえば、電子書店を運営している事業者Ziが、顧客に対して過去の購入実績に応じたポイントを発行し、所定量のポイントと引き換えに、顧客所望の電子書籍の利用権を無償で付与するようなサービスを行うことも可能である。
このような利用権の無償付与は、事業者が、電子書店とは全く別な主業務を営む者である場合にも有効である。たとえば、本発明に係るコンテンツ提供システムを利用したビジネスに、第(i+1)番目の事業者Z(i+1)として、信販会社が参入した場合を考えてみよう。事業者Z(i+1)の主たる業務が、クレジットカードを利用した信販業務であり、電子書籍を提供するビジネスには全く関与していなかったとする。そのような状況でも、事業者Z(i+1)は、利用権管理装置200(i+1)の保守運用を行うことにより、電子書籍を提供するビジネスに間接的に関与することが可能になる。
信販会社であれば、個々の顧客のクレジットカード情報をはじめとする個人情報を保有しているので、第j番目の利用者Ujについての利用者情報U(i+1,j)のうち、利用者識別子ID(i+1,j)および利用者認証コードA(i+1,j)は、既存システムに保存されているものをそのまま利用することができる。したがって、この情報に更に利用権取得情報を付加できるようにし、既存システムに利用者情報読出部220(i+1)を追加することにより、利用権管理装置200(i+1)を用意することが可能である。
この場合、たとえば、クレジットカードの利用ポイントとの引き換えに、利用者が所望する電子書籍の利用権を無償で付与するようなサービスを行うことが可能である。もちろん、クレジットカードに課金することにより利用権を有償販売するようにすれば、電子書店を運営する設備を一切もたない信販会社でありながら、電子書店のビジネスに参入することも可能になる。
このように、本発明に係るコンテンツ提供システムを利用したビジネスに参入すれば、信販会社、金融会社、保険会社、旅行会社、物流会社など、本来は、コンテンツ提供ビジネスとは全く無関係な業務を営む事業者であっても、コンテンツ提供ビジネスに参入することができる。しかも、コンテンツを配信する設備を用意する必要はなく、個々の顧客に利用権を付与し、配信制御装置300からの照会に応じて、利用権取得情報を返信する機能をもった利用権管理装置を用意すれば足りる。この利用権管理装置は、既存システムに、利用権取得情報を管理して照会に応じる機能を付加するだけで実現することができるため、新規参入する場合でも、事業者の負担は少ない。
図6は、図2に示す利用権管理装置200(i)に格納された第j番目の利用者Ujに関する利用者情報U(i,j)内の利用権取得情報R(i,j)の具体的なデータ例を示す図である。この例の場合、利用権取得情報R(i,j)は、利用者Ujが現時点で取得しているコンテンツ(電子書籍)のコンテンツ識別子CIDの集合体によって構成されている。図6には、10組のコンテンツについてのコンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)からなる利用権取得情報R(i,j)が例示されている。これは、利用者Ujが、現時点で、10組のコンテンツC(0501)〜C(0510)についての利用権を取得していることを示すものである(ここでは、説明の便宜上、C(0501)〜C(0510)という連番で10組のコンテンツの利用権が取得された例を示すが、実用上は、これらの番号は離散的な値になるのが一般的である。)。
前述したとおり、コンテンツ識別子CIDは、個々のコンテンツCを特定することが可能な固有のコードであれば、どのようなコードを用いてもかまわない。電子書籍の場合、ISBN等をコンテンツ識別子CIDとして利用することができる。図3に示す例の場合、コンテンツ格納部110には、固有のコンテンツ識別子CIDによって特定されるコンテンツC(0101)〜C(9861)が格納されており、書誌情報格納部120には、各コンテンツC(0101)〜C(9861)についての書誌情報B(0101)〜B(9861)がコンテンツ識別子CIDに紐付けて格納されている。
そこで、第i番目の利用者情報格納部210(i)には、図6に例示するように、第j番目の利用者Ujが利用権を取得しているコンテンツのコンテンツ識別子CIDの集合体を、当該第j番目の利用者についての利用権取得情報R(i,j)として格納しておけばよい。この利用権取得情報R(i,j)が、書込用外部アクセスを受けた利用者情報書込部240(i)によって書き込まれたり、書き換えられたりすることは、既に述べたとおりである。個々のコンテンツについての利用権は、上述したとおり、有償により(利用者の購入行為により)取得することもできるし、無償により(種々の事業者のサービス行為により)取得することもできる。
ここでは、利用者Ujについて、図6に示すような利用権取得情報R(i,j)が設定され、利用者情報格納部210(i)に格納された状態になっているという前提において、当該利用者Ujが、取得している利用権の範囲内で、所望のコンテンツを利用者端末400(j)にダウンロードして利用する場合の手順を以下に説明する。
この場合、利用者Ujは、まず、利用者端末400(j)のリスト要求部420(j)に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を入力し、リスト要求を行う旨の指示を与える。ここで、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)は、事業者Ziのサービスを利用する際の初期登録において設定したデータであり、通常、アカウントおよびパスワードとして事業者Ziから通知されたデータということになる。もちろん、この利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)は、利用者情報格納部210(i)内に利用者情報U(i,j)の一部として格納されている。
リスト要求部420(j)は、利用者Ujの上記指示に応じて、配信制御装置300内の利用権照会部320に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を伴うリスト要求を行う。このリスト要求を受けた利用権照会部320は、§1で述べたように、利用権管理装置200(i)に対して、当該リスト要求に含まれている利用者識別子ID(i,j)に対応する利用権取得情報R(i,j)を照会するアクセスを、利用者認証コードA(i,j)を用いて行う。
なお、実際には、図1に示すように、合計n台の利用権管理装置200が用意されているので、利用者端末400(j)から配信制御装置300に対して与えられるリスト要求には、どの利用権管理装置200に対する要求であるかを指定する情報を含ませておくようにする。図示の例の場合、リスト要求には、第i番目の利用権管理装置200(i)に対する要求であることを指定する情報が含まれていることになる。
利用権照会部320からの照会を受けた利用権管理装置200(i)では、まず、利用者認証部230(i)による認証が行われる。利用者情報格納部210(i)内を検索して、与えられた利用者識別子ID(i,j)を含む利用者情報U(i,j)を特定し、そこに含まれていた利用者認証コードA(i,j)が与えられた利用者認証コードA(i,j)と合致することを確認する。両者が合致すれば、正しい認証結果が得られたことになるので、利用者情報読出部220(i)によって、利用者情報U(i,j)内の利用権取得情報R(i,j)が読み出され、配信制御装置300に対して返信される。
利用権照会部320は、照会に応じて返信されてきた利用権取得情報R(i,j)を受信し、これをリスト送信部310に引き渡す。リスト送信部310は、この利用権取得情報R(i,j)に含まれているコンテンツ識別子CIDに紐付けられた書誌情報Bを含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する。具体的には、図6に例示するような利用権取得情報R(i,j)が引き渡された場合、リスト送信部310は、配信処理装置100の書誌情報格納部120に格納されている多数の書誌情報Bのうち、図6に示す10組のコンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)に紐付けられた書誌情報B(0501)〜B(0510)を含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行うことになる。
別言すれば、利用権取得情報R(i,j)を参照することにより、書誌情報格納部120に格納されている多数の書誌情報Bの中の一部を選択して、選択された書誌情報Bを含むリスト提示情報Lが利用者端末400(j)に送信されることになる。このような選択処理を行う具体的な方法として、ここでは2通りの方法を説明する。
第1の方法は、取捨選択処理を、配信制御装置300内のリスト送信部310に担わせる方法である。この場合、リスト送信部310から書誌情報送信部140に対して、書誌情報格納部120に格納されているすべての書誌情報B(図3のB(all))を送信する旨の書誌情報要求を行うようにし、書誌情報送信部140が、当該書誌情報要求に応じて、書誌情報格納部120内の全書誌情報B(all)を送信する処理を行うようにする。そして、リスト送信部310が、書誌情報送信部140から送信されてきた全書誌情報B(all)の中から、利用権取得情報R(i,j)によって利用権が取得されていることが示されているコンテンツCに対応する書誌情報Bを選択し、選択した書誌情報Bをリスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行えばよい。
なお、この第1の方法を採る場合、書誌情報送信部140側でコンテンツの取捨選択処理を行う必要はないので、書誌情報送信部140からリスト送信部310への書誌情報B(all)の送信を行う際には、利用権取得情報R(i,j)は必要ない。したがって、リスト送信部310から書誌情報送信部140への書誌情報要求およびこれに応じて行われる書誌情報送信部140からリスト送信部310への書誌情報B(all)の送信は、利用権照会部320による照会を待たずに(利用権取得情報R(i,j)の入手を待たずに)行うことが可能であり、任意のタイミングで行うことができる。
別言すれば、コンテンツ管理部150によりコンテンツの追加・変更・削除が行われない限り、書誌情報格納部120に格納されている書誌情報B(all)に変わりはないので、第1の方法を採る場合は、コンテンツの追加・変更・削除が行われたときに書誌情報送信部140からリスト送信部310への書誌情報B(all)の送信を行えば十分である。この場合、リスト送信部310から書誌情報送信部140に与える書誌情報要求は、たとえば、「1日1回、全書誌情報を送信せよ」とか、「内容に変更があったときに、変更部分のみの情報を送信せよ」といった指示だけで十分である。
これに対して、第2の方法は、取捨選択処理を、配信処理装置100内の書誌情報送信部140に担わせる方法である。この場合、リスト送信部310が、書誌情報送信部140に対して、利用権取得情報R(i,j)を含む書誌情報要求を与えるようにする。そして、書誌情報送信部140が、書誌情報格納部120内の書誌情報Bの中から、利用権取得情報R(i,j)によって利用権が取得されていることが示されているコンテンツCに対応する書誌情報Bを選択し、選択した書誌情報Bをリスト送信部310に送信する処理を行うようにする。リスト送信部310は、書誌情報送信部140から送信されてきた書誌情報Bを含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行えばよい。
いずれの方法を採っても、利用者端末400(j)に送信されるリスト提示情報Lには、配信処理装置100に格納されている書誌情報Bのうち、利用権取得情報R(i,j)に応じたコンテンツについての書誌情報Bが選択され、選択された書誌情報Bを含む情報が、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信されることになる。別言すれば、このリスト提示情報Lに含まれている書誌情報Bは、配信処理装置100が提供することが可能なコンテンツ、かつ、利用者Ujが利用権を取得しているコンテンツ、という論理積条件を満たすコンテンツについての書誌情報ということになる。すなわち、リスト提示情報Lは、利用者Ujが現時点で利用可能なコンテンツを示すリストを提示するために利用することができる情報ということになる。
図7は、図2に示す配信制御装置300から利用者端末400(j)に対して送信されるリスト提示情報Lの具体的なデータ例を示す図であり、図6に示す利用権取得情報R(i,j)に基づく取捨選択により得られたデータである。すなわち、図6に示す利用権取得情報R(i,j)によると、現時点で利用者Ujが利用権を取得しているコンテンツは、コンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)で特定される10組のコンテンツということになる。そこで、書誌情報格納部120に格納されている書誌情報Bのうち、コンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)を含む書誌情報B(0501)〜B(0510)があればこれらを選択して取り出し、これをリスト提示情報Lとすればよい。
図7に示すリスト提示情報Lは、10組の書誌情報B(0501)〜B(0510)ではなく、6組の書誌情報B(0501),B(0502),B(0505),B(0506),B(0507),B(0509)のみによって構成されている。これは、配信処理装置100には、コンテンツC(0503),C(0504),C(0508),C(0510)が、現時点では未収録であり、書誌情報格納部120には、これら未収録コンテンツに対応する書誌情報B(0503),B(0504),B(0508),B(0510)が格納されていないためである。
前述したように、コンテンツ格納部110内のコンテンツCや書誌情報格納部120内の書誌情報Bは、コンテンツ管理部150によって、適宜、追加・変更・削除されるため、配信処理装置100に収録されているコンテンツCや書誌情報Bは流動的であるが、リスト提示情報Lは、現時点で配信処理装置100が配信可能であり、かつ、ユーザUjが利用権を取得しているコンテンツのリストを提示するための情報として作成されることになる。
利用者端末400(j)のリスト提示部410(j)は、図7に例示するようなリスト提示情報Lを受信すると、ディスプレイ画面上に図8に例示するようなコンテンツリストを提示することができる。このコンテンツリストは、現在、利用者Ujが利用可能なコンテンツを示すリストであり、図示のとおり、利用可能な電子書籍のタイトル、著者名、出版年が掲載されている。図7に示すように、リスト提示情報Lは書誌情報Bの集合体であり、ここに示す実施例の場合、個々の書誌情報Bは図4に示すような書誌データBDを有している。したがって、リスト提示部410(j)は、図7に示すリスト提示情報Lを構成する6組の書誌情報B内の書誌データBDに基づいて、図8に例示するようなコンテンツリストを提示することができる。
このコンテンツリストには、「以下のコンテンツについての利用権が取得されており、利用可能です。」とのメッセージとともに、利用可能な6組のコンテンツの書誌情報が表の形式で示されている。また、その右脇欄には、「ダウンロード」ボタンが配置されている。利用者Ujは、このようなコンテンツリストを見ながら、所望のコンテンツについての「ダウンロード」ボタンを押す操作を行うことにより、当該コンテンツに対する要求指示を入力することができる。
なお、図示の例において、「高瀬舟」の欄には「ダウンロード」ボタンの代わりに「入手済」ボタンが表示されているが、これは、コンテンツ「高瀬舟」については、既にダウンロードが完了済みであり、コンテンツ保存部440(j)内に保存されていることを示している。このように、リスト提示部410(j)は、必要に応じて、コンテンツ保存部440(j)内の保存状態を確認して、既にダウンロード済みのコンテンツについては、「ダウンロード」ボタンの代わりに「入手済」ボタンを表示する処理を行うことができる。もちろん、コンテンツ保存部440(j)内に保存されているコンテンツがデータ不良を生じたような場合に対処できるように、「入手済」のコンテンツについても「入手済」ボタンを押すことにより、再度ダウンロードが可能になるようにしておいてもよい。
利用者Ujが、所望のコンテンツについて「ダウンロード」ボタンを押す操作を行って要求指示を入力すると、コンテンツ要求部430(j)は、配信処理装置100に対して、当該コンテンツについてのコンテンツ要求を行う。このコンテンツ要求は、§1で述べたとおり、書誌情報B内に含まれているキー情報Kを利用して行われる。たとえば、利用者Ujが、図8に示すコンテンツリストに表示されているコンテンツ「蜘蛛の糸」について「ダウンロード」ボタンを押す操作を行った場合に、どのような処理が行われるかを説明しよう。
図5に示すように、コンテンツ「蜘蛛の糸」の書誌情報B(0501)には、キー情報K(0501)が含まれている。ここに示す実施例の場合、このキー情報K(0501)は、図4で説明したように、配信処理装置100内のコンテンツC(0501)「蜘蛛の糸」の所在を示すURLと、当該コンテンツの送信を許可するための許可コードとによって構成される。そこで、コンテンツ要求部430(j)は、コンテンツ送信部130に対して、当該URLに格納されているコンテンツをダウンロードするためのコンテンツ要求を出す。このとき、当該コンテンツの送信を許可するための許可コードを併せて送信するようにする。
コンテンツ送信部130は、送信されてきた許可コードが正当なコードであることを確認した上で、指定されたURLに格納されているコンテンツC(0501)「蜘蛛の糸」を利用者端末400(j)に送信する処理を行う。当該送信を受けた利用者端末400(j)は、これを受信してコンテンツ保存部440(j)に保存する処理を行う。かくして、コンテンツ「蜘蛛の糸」は、コンテンツ保存部440(j)に格納される。
コンテンツ利用部450(j)は、必要に応じて、コンテンツ保存部440(j)に保存されているコンテンツCの一覧(その書誌情報Bの一覧)を表示する機能を有し、利用者Ujから特定のコンテンツについての利用指示が与えられると、これを閲覧・再生するための処理を行う。コンテンツが電子書籍の場合、利用者Ujが閲覧できるように、電子書籍の内容がディスプレイ画面上に表示されることになる。
以上、配信制御装置300から、第i番目の利用権管理装置200(i)に対して照会を行い、回答として得られた利用権取得情報R(i,j)に基づいてリスト提示情報Lを作成する例を述べたが、利用者Ujが複数の事業者から利用権を取得している場合には、これら複数の事業者が保守運用を行っている利用権管理装置200のそれぞれに照会を行うようにしてもよい。
たとえば、利用者Ujが、事業者Ziと事業者Z(i+1)との双方からそれぞれ別個独立して利用権を取得しているような場合、リスト要求部420(j)に対して、個々の事業者ごとに設定された利用者識別子と利用者認証コードとを入力してリスト要求を行うようにすればよい。具体的には、事業者Ziについて設定された利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)と、事業者Z(i+1)について設定された利用者識別子ID(i+1,j)および利用者認証コードA(i+1,j)とをリスト要求部420(j)に入力する操作を行えばよい。
この場合、リスト要求部420(j)から利用権照会部320に対して、ID(i,j),A(i,j)と、ID(i+1,j),A(i+1,j)との双方を伴うリスト要求がなされることになる。要するに、利用者端末400(j)から、複数台の利用権管理装置200(i),200(i+1)に格納されている利用者識別子および利用者認証コードをそれぞれ含むリスト要求が行われることになる。このようなリスト要求がなされた場合、利用権照会部320は、当該複数台の利用権管理装置200(i),200(i+1)のすべてに対して利用権取得情報を照会するアクセスを行い、当該複数台の利用権管理装置から返信されてきた利用権取得情報を受信すればよい。上例の場合、利用権管理装置200(i)からは利用権取得情報R(i,j)が返信され、利用権管理装置200(i+1)からは利用権取得情報R(i+1,j)が返信されることになる。
そして、リスト送信部310は、複数台の利用権管理装置200(i),200(i+1)から受信した利用権取得情報R(i,j),R(i+1,j)に応じたコンテンツについての書誌情報Bを含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信すればよい。たとえば、利用権管理装置200(i)から図6に示すような10組のコンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)を含む利用権取得情報R(i,j)が返信され、利用権管理装置200(i+1)から8組のコンテンツ識別子CID(0551)〜CID(0558)を含む利用権取得情報R(i+1,j)が返信されてきた場合、リスト送信部310は、これらを併せた合計18組のコンテンツ識別子に対応する書誌情報Bを、書誌情報格納部120内に格納されている多数の書誌情報Bの中から選択し、これをリスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行えばよい。
そうすれば、リスト提示部410(j)によって、コンテンツC(0501)〜C(0510)およびコンテンツC(0551)〜C(0558)という合計18組のコンテンツについてのコンテンツリストが提示されることになり、利用者Ujは、これらの中から所望のコンテンツをダウンロードして利用することができる。
こうして利用者Ujが利用権を取得した18組のコンテンツのうち、10組のコンテンツC(0501)〜C(0510)は、事業者Ziが展開するビジネスによって利用権を取得したものであり、8組のコンテンツC(0551)〜C(0558)は、事業者Z(i+1)が展開するビジネスによって利用権を取得したものである。しかも、事業者Ziおよび事業者Z(i+1)は、それぞれ別個独立したビジネス運営を行っており、それぞれ別個独立したシステムを用いて、個々の利用者の利用者識別子、利用者認証コード、その他の個人情報を管理している。
それにもかかわらず、上例の場合、合計18組のコンテンツが、配信処理装置100から統一的に配信されることになり、利用者Ujは、利用権の取得先が異なるのにもかかわらず、18組のコンテンツを統一的に取り扱うことができる。すなわち、ダウンロードのためのコンテンツリストや、閲覧・再生のためのコンテンツリストにおいて、18組のコンテンツは区別されることなく一覧表示され、統一して取り扱うことが可能になる。このように、本発明に係るコンテンツ提供システムでは、複数の管理装置によって別個独立して管理されている利用権を利用して、統一的なコンテンツ配信が可能になる点が大きなメリットである。
<<< §3. 本発明の変形例 >>>
これまで、本発明に係るコンテンツ提供システムの基本的な実施形態を図1および図2に示す構成を参照しながら説明した。ここでは、この基本的な実施形態に対するいくつかの変形例を述べることにする。なお、以下の説明では、便宜上、個々の変形例をそれぞれ個別に説明するが、必要に応じて、これらの変形例を組み合わせて利用することも可能である。
<3.1 第1の変形例:利用権を取得していないコンテンツのリスト提示>
前述した基本的な実施形態の場合、リスト提示部410によって提示されるコンテンツリストに掲載されるコンテンツは、図8に例示するように、利用者Ujがその時点で利用可能なコンテンツ、すなわち、配信処理装置100が配信可能なコンテンツのうち、利用者Ujが利用権を取得しているコンテンツのみであった。もちろん、リスト提示部410がコンテンツリストを提示する主目的は、利用者Ujに所望のコンテンツをダウンロードさせるためであるから、これまで述べてきた基本的な実施形態において、その時点で利用可能なコンテンツのみをコンテンツリストに掲載することは理にかなっている。
しかしながら、利用者に対する販売促進効果を狙う上では、配信処理装置100が配信可能なコンテンツのうち、まだ利用者が利用権を取得していないコンテンツを紹介することも十分に意義のあることである。ここに示す変形例は、このような観点から、まだ利用者が利用権を取得していないコンテンツについても、コンテンツリストに掲載する運用を行うためのものである。
利用権を取得していないコンテンツCについても、その書誌情報Bをコンテンツリストに掲載するには、当該コンテンツCについての書誌情報Bも、リスト提示情報Lに含めて利用者端末400に送信すればよい。ただ、利用権を取得していないコンテンツCについては、利用権が取得されるまでは、ダウンロードができないようにする必要がある。そのためには、利用権を取得していないコンテンツCの書誌情報Bについては、キー情報Kを省いた形で利用者端末400への送信が行われるようにすればよい。ここでは、これまで述べてきたキー情報Kを含む書誌情報を「完全書誌情報B」と呼び、キー情報Kを省いた形の書誌情報を「不完全書誌情報B′」と呼ぶことにする。
図9は、この完全書誌情報Bおよび不完全書誌情報B′の具体的なデータ例を示す図である。図9(a) に示す完全書誌情報B(0501)は、図5に示す書誌情報B(0501)と全く同じものである。既に§2で説明したとおり、この完全書誌情報B(0501)は、コンテンツ識別子CID(0501)と、電子書籍のタイトル・著者名・出版年を示す書誌データBD(0501)と、キー情報K(0501)と、によって構成されており、利用者端末400は、このキー情報K(0501)を用いたコンテンツ要求により、コンテンツC(0501)をダウンロードすることができる。
これに対して、図9(b) に示す不完全書誌情報B(0601)′は、コンテンツ識別子CID(0601)と、電子書籍のタイトル・著者名・出版年を示す書誌データBD(0601)と、によって構成されており、キー情報Kを含まない書誌情報になっている。もちろん、書誌情報格納部120には、もともとキー情報K(0601)を含んだ完全書誌情報B(0601)が用意されており、この完全書誌情報B(0601)の中から、意図的にキー情報K(0601)の部分を削除することにより、不完全書誌情報B(0601)′が作成されることになる。
図9(a) に示す完全書誌情報B(0501)が得られれば、タイトル・著者名・出版年といった書誌データをリストに表示することができる上に、キー情報K(0501)を用いて、コンテンツC(0501)をダウンロードすることができるが、図9(b) に示す不完全書誌情報B(0601)′が得られた場合、タイトル・著者名・出版年といった書誌データをリストに表示することはできるが、コンテンツC(0601)をダウンロードすることはできない。
この第1の変形例を実施する場合、配信制御装置300が作成するリスト提示情報Lには、利用権が取得されているコンテンツについてはキー情報Kを含む完全書誌情報Bが、それ以外のコンテンツ(コンテンツ格納部110内に格納されている全コンテンツから、利用権が取得されているコンテンツを除いたすべてのコンテンツでもよいし、そのうちの一部のコンテンツ(たとえば、お薦めのコンテンツ)でもよい)についてはキー情報Kを含まない不完全書誌情報B′が、それぞれ含まれているようにすればよい。
具体的には、書誌情報送信部140が、配信制御装置300からの書誌情報要求に応じて書誌情報格納部120内の書誌情報Bを送信する処理を行い、リスト送信部310が、書誌情報送信部140から送信されてきた書誌情報Bのうち、利用権取得情報R(i,j)によって利用権が取得されていることが示されているコンテンツについてはキー情報Kを含むそのままの形の完全書誌情報Bを、それ以外のコンテンツについてはキー情報Kを含まない不完全書誌情報B′を、それぞれ両者を区別して提示することが可能なリスト提示情報Lとして利用者端末400に送信すればよい。
あるいは、リスト送信部310が、利用権取得情報R(i,j)を含む書誌情報要求を書誌情報送信部140に対して与える処理を行い、書誌情報送信部140が、書誌情報格納部120内の書誌情報Bのうち、利用権取得情報R(i,j)によって利用権が取得されていることが示されているコンテンツについてはキー情報Kを含む完全書誌情報Bを、それ以外のコンテンツについてはキー情報Kを含まない不完全書誌情報B′を、それぞれリスト送信部310に送信する処理を行い、リスト送信部310が、書誌情報送信部140から送信されてきた完全書誌情報Bおよび不完全書誌情報B′を、両者を区別して提示することが可能なリスト提示情報Lとして利用者端末400に送信するようにしてもよい。
図10は、完全書誌情報Bおよび不完全書誌情報B′を含むリスト提示情報Lに基づいて利用者端末400のディスプレイ画面に表示されたコンテンツリストの一例を示す図である。この例の場合、コンテンツリストは、第1の表示領域A1と第2の表示領域A2とに分けて表示される。第1の表示領域A1には、「利用可能なコンテンツ」という見出しの通り、現時点で利用可能なコンテンツのリストが表示されており、§2で述べた例と同様に、利用者は所望のコンテンツの欄の「ダウンロード」ボタンを押すことにより、当該コンテンツをダウンロードすることができる。すなわち、これらのコンテンツについては、完全書誌情報Bが送信されてきているので、キー情報Kを用いたダウンロードが可能である。
これに対して、第2の表示領域A2には、「購入可能なコンテンツ」という見出しの通り、現時点で購入可能なコンテンツ(たとえば、まだ利用権が取得されていないコンテンツのうちの推奨品)のリストが表示されている。これらのコンテンツは、利用権が取得されていないため、現時点では利用することはできない。すなわち、これらのコンテンツについては不完全書誌情報B′しか送信されてきていないので、キー情報Kが欠落しており、ダウンロードを行うことはできない。
ただ、第2の表示領域A2に表示されているコンテンツであっても、利用権を取得する手続を行えば、利用が可能になる。利用者が、第2の表示領域A2内の特定のコンテンツの利用権を取得したいと考えて場合は、当該コンテンツの欄の「参照」ボタンを押すことにより、当該コンテンツの利用権を取得する処理(一例を後述する)が開始される。こうして利用権を取得すれば、当該コンテンツは、第1の表示領域A1に表示されることになる。結局、第2の表示領域A2は、利用者に新たなコンテンツの購入を促す販売促進機能を果たすことになる。
利用者端末400において、図10に示すようなコンテンツリストを表示させるには、リスト送信部310が、完全書誌情報Bをもつコンテンツを掲載した第1のリストと不完全書誌情報B′をもつコンテンツを掲載した第2のリストとを別個の領域に提示することが可能なリスト提示情報Lを作成し、これを利用者端末400に送信すればよい。
図11(a) は、完全書誌情報Bおよび不完全書誌情報B′を含むリスト提示情報Lに基づいて利用者端末400のディスプレイ画面に表示されたコンテンツリストの別な一例を示す図である。この例の場合、完全書誌情報Bが送信されてきた利用可能コンテンツと、不完全書誌情報B′が送信されてきた利用不能なコンテンツとが混在した状態で同一の領域内に表示されている。但し、各コンテンツの右脇欄には、「ダウンロード」ボタン、「入手済」ボタン、「参照」ボタンのいずれかが表示されている。
完全書誌情報Bが送信されてきたコンテンツについては、「ダウンロード」ボタンもしくは「入手済」ボタンが表示される(コンテンツ保存部440に保存されているコンテンツには「入手済」ボタン、保存されていないコンテンツには「ダウンロード」ボタンが表示される)。一方、不完全書誌情報B′が送信されてきたコンテンツについては、「参照」ボタンが表示される。これまで述べた例と同様に、利用者が「ダウンロード」ボタンを押すと、当該コンテンツがダウンロードされ、利用者が「入手済」ボタンを押すと、当該コンテンツが再ダウンロードされる。
これに対して、「参照」ボタンが表示されているコンテンツについては不完全書誌情報B′しか送信されてきていないので、キー情報Kが欠落しており、ダウンロードを行うことはできない。ただ、利用者が「参照」ボタンを押すことにより、当該コンテンツの利用権を取得する処理が開始される。具体的には、「参照」ボタンを押すと、たとえば、利用権を取得するための所定のWebページが表示される。
図11(a) に示すコンテンツリストにおいて、コンテンツ「怪人二十面相」についての「参照」ボタンを押した場合に表示されるWebページの一例を図11(b) に示す。このWebページは、コンテンツ「怪人二十面相」についての利用権を販売している事業者が開設したページである。たとえば、電子書店を主たる業務とする事業者Ziが開設したWebページの場合、§2で述べた事業者Ziの「既存システム」(本発明に係るコンテンツ提供システムとは別のシステム)によって表示されるページということになる。
利用者Ujが、当該Webページを利用して、コンテンツ「怪人二十面相」についての利用権を取得すると(すなわち、図11(b) に示す画面における「購入」ボタンを押すと)、図2に示す書込用外部アクセスが行われることになり、事業者Ziが保守運用を行っている利用権管理装置200(i)内の利用権取得情報R(i,j)に、当該コンテンツの利用権が追加される。
ここで、利用者Ujが再びコンテンツリストを表示させるために、リスト要求部420(j)にリスト要求の指示を与えれば、配信制御装置300から新たに送信されてくるリスト提示情報Lには、コンテンツ「怪人二十面相」についての完全書誌情報Bが含まれていることになる。したがって、図11(a) に示すコンテンツリストの「怪人二十面相」の右脇には、「参照」ボタンに代えて「ダウンロード」ボタンが表示されることになる。
利用者端末400において、図11(a) に示すようなコンテンツリストを表示させるには、リスト送信部310が、各コンテンツのタイトルの対応欄に、当該コンテンツが完全書誌情報Bをもつコンテンツか不完全書誌情報B′をもつコンテンツかの別を示す識別マークを提示することが可能なリスト提示情報を利用者端末に送信すればよい。図示の例は、完全書誌情報Bをもつコンテンツを示す識別マークとして「ダウンロード」もしくは「入手済」ボタンというマークを用い、不完全書誌情報B′をもつコンテンツを示す識別マークとして「参照」ボタンというマークを用いた例ということになる。
<3.2 第2の変形例:端末の識別>
図2に示す基本的な実施形態では、キー情報Kを含んだ書誌情報B(上述の変形例の完全書誌情報B)が利用者端末400(j)に送信される。そして、コンテンツ要求部430(j)が、このキー情報Kを用いてコンテンツ送信部130に対してコンテンツ要求を行うと、所望のコンテンツCの配信を受けることができる。もちろん、このような配信の仕組を採用する基本的な実施形態は、良識的な利用者を前提としたビジネス展開を行う上では何ら問題はない。しかしながら、一部の不正利用者による不正利用が行われる可能性は否定できない。
利用者端末400(j)に送信されてきた書誌情報Bに含まれているキー情報Kは、配信処理装置100から特定のコンテンツCをダウンロードする際に用いられる情報である。逆言すれば、このキー情報Kさえ入手できれば、利用権を取得していない利用者でも、当該コンテンツCをダウンロードすることができる。したがって、このキー情報Kを別な利用者端末にコピーすれば、当該別な利用者端末についてもコンテンツCをダウンロードすることが可能になってしまう。もしキー情報Kのコピーがインターネットを介して不正に流通すれば、利用権を取得していない利用者の端末におけるコンテンツの不正利用が蔓延することになる。
ここで述べる第2の変形例は、このような不正利用に対しても十分な対処を可能にするコンテンツ提供システムを実現するものである。その基本原理は、利用権を照会する際に、どの利用者端末からのリスト要求に基づく照会であったかを示す履歴を残しておくようにし、コンテンツ要求に応じてコンテンツCを送信する際に、当該履歴を参照して、正しいコンテンツ要求であることを確認する、というものである。
図12は、この第2の変形例に係るコンテンツ提供システムの一部の詳細構成を示すブロック図である。この第2の変形例に係るシステムの構成は、図2に示す基本的な実施形態に係るシステムの構成とほぼ同じであり、説明の便宜上、配信処理装置100、利用権管理装置200(i)、配信制御装置300、利用者端末400(j)については同じ符号を用いて示してある。ただ、これら各装置の中の一部の構成要素については、若干の変更がなされている。以下、この変更点についてのみ説明する。
まず、配信処理装置100については、図2に示すコンテンツ送信部130の代わりに、配信制御装置300への問い合わせ機能が付加されたコンテンツ送信部130′が用いられている。コンテンツ送信部130′は、利用者端末400(j)にコンテンツCを配信する際に、配信制御装置300への問い合わせを行い、正当なコンテンツ要求に応じた配信であることを確認した上で実際の送信を行う。
また、配信制御装置300については、図2に示す利用権照会部320の代わりに、若干機能を追加した利用権照会部320′が用いられている。この利用権照会部320′は、§1で述べた利用権照会部320の機能に加えて、更に、照会履歴情報H(i,j)を保存する処理機能と、コンテンツ送信部130′からの問い合わせを受けたときに、この照会履歴情報H(i,j)を参照して回答を行う処理機能とが付加されている。
一方、利用者端末400(j)については、図2に示すリスト要求部420(j)およびコンテンツ要求部430(j)の代わりに、若干機能を追加したリスト要求部420(j)′およびコンテンツ要求部430(j)′が用いられている。また、内部のいずれかの箇所に、端末識別子T(j)が格納されている。端末識別子T(j)としては、個々の利用者端末を特定することが可能な識別子であれば、どのような識別子を用いてもかまわない。たとえば、利用者端末400(j)に組み込まれているCPUのシリアル番号や、ネットワーク用通信機器に設定されているMACアドレスなどを端末識別子T(j)として利用することができる。
続いて、この図12に示す変形例に係るコンテンツ提供システムにおいて、利用者が所望した特定のコンテンツCが利用者端末400(j)にダウンロードされるまでの処理手順を順に説明する。
まず、利用者Ujがリスト要求部420(j)′に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者識別コードA(i,j)を入力して、リスト要求を行う旨の指示を与えると、リスト要求部420(j)′から利用権照会部320′に対してリスト要求が行われる。このように、リスト要求部420(j)′は、図2に示すリスト要求部420(j)と同様にリスト要求を行う機能を有しているが、このとき、利用者識別子ID(i,j)および利用者識別コードA(i,j)とともに、利用者端末400(j)に格納されている端末識別子T(j)を送信する機能を有している。
結局、利用権照会部320′は、利用者端末400(j)から利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)とともに、当該利用者端末400(j)を特定するための端末識別子T(j)を含むリスト要求を受けることになる。利用権照会部320′は、図2に示す利用権照会部320と同様に、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を用いて、利用権管理装置200(i)に対する照会を行い、利用者Ujについての利用権取得情報R(i,j)の返信を受ける。こうして利用権管理装置200(i)から返信されてきた利用権取得情報R(i,j)は、リスト送信部310に与えられるが、このとき、利用権照会部320′は、利用権取得情報R(i,j)に端末識別子T(j)を対応づけ、これらを照会履歴情報H(i,j)として保存する処理を行う。
その後の手順、すなわち、リスト送信部310が、書誌情報送信部140に対して書誌情報要求を行い、書誌情報Bを入手し、利用権取得情報R(i,j)に応じたリスト提示情報Lを利用者端末400(j)に送信する点は、これまで述べてきた基本的な実施形態と全く同様であり、利用者端末400(j)内のリスト提示部410(j)によってコンテンツリストの提示が行われる点も、これまで述べてきた基本的な実施形態と全く同様である。
利用者Ujが、このコンテンツリストに基づいて、特定のコンテンツについての要求指示を与えると、コンテンツ要求部430(j)′は、当該特定のコンテンツについての書誌情報Bに含まれるキー情報Kを用いて、コンテンツ送信部130′に対してコンテンツ要求を行うことになるが、このとき、端末識別子T(j)を併せて送信する。
一方、コンテンツ送信部130′は、利用者端末400(j)から、当該利用者端末を特定するための端末識別子T(j)を含むコンテンツ要求があることを条件に、当該コンテンツ要求に応じたコンテンツを送信する処理を行う。しかも、そのようなコンテンツ要求があった場合に、利用権照会部320′に対して、当該コンテンツ要求に応じた特定のコンテンツと当該コンテンツ要求に含まれていた端末識別子T(j)との組み合わせについての問い合わせを行い、正当な組み合わせである旨の回答が得られた場合にのみ当該特定のコンテンツを送信する処理を行う。
上述したとおり、利用権照会部320′には、照会を行った際に照会履歴情報H(i,j)が保存されているので、利用権照会部320′は、コンテンツ送信部130′から、特定の端末識別子T(j)と特定のコンテンツCとの組み合わせについての問い合わせを受けたときに、この照会履歴情報H(i,j)を参照することにより、当該特定の端末識別子T(j)に対応づけて保存されている利用権取得情報R(i,j)に当該特定のコンテンツCについての利用権が含まれていた場合に、正当な組み合わせである旨の回答を行う。
このように、この第2の変形例に係るコンテンツ配信システムでは、利用権照会部320′の機能によって、特定の利用者端末400(j)からのリスト要求に基づく照会によって得られた利用権取得情報R(i,j)が、当該特定の利用者端末400(j)の端末識別子T(j)に対応づけられ、照会履歴情報H(i,j)として保存される。そして、コンテンツ送信部130′が、特定の利用者端末400(j)からのコンテンツ要求に応じて特定のコンテンツを送信する際に、利用権照会部320′に対して端末識別子T(j)を用いた問い合わせを行うことになる。このため、照会履歴情報H(i,j)において正しい履歴が保存されている場合にのみ、配信処理装置100からの配信が行われることになり、利用権を取得していない利用者の端末におけるコンテンツの不正利用を抑止することができる。
前述したとおり、利用者端末400(j)は、実際には、パソコン、スマートフォン、電子タブレットなど、インターネットに接続して利用することが可能な端末装置(コンピュータ)に、専用のアプリケーションプログラム(コンテンツが電子書籍の場合は、ビューワープログラム)をインストールすることによって実現され、コンテンツ要求部430(j)′の機能も、このアプリケーションプログラムによって実現されることになる。すなわち、このアプリケーションプログラムは、利用者Ujからの要求指示があった場合に、端末識別子T(j)を所定の格納場所から読み出し、この端末識別子T(j)を伴ったコンテンツ要求をコンテンツ送信部130′に送信する処理を行うように設計されている。
したがって、もしこの利用者端末400(j)がリスト提示情報Lの一部として受信した特定のコンテンツについてのキー情報Kが不正にコピーされ、別な利用者端末400(x)に移されたとしても、当該利用者端末400(x)には、当該特定のコンテンツを不正にダウンロードすることはできない。なぜなら、当該利用者端末400(x)にインストールされたアプリケーションプログラムは、利用者端末400(x)の端末識別子T(x)を所定の格納場所から読み出してコンテンツ要求を行うことになるが、利用権照会部320′内には、端末識別子T(x)と当該特定のコンテンツとを対応づける照会履歴情報は存在しないので、コンテンツ送信部130′からの問い合わせがあった場合、正当な組み合わせである旨の回答が行われないからである。
図13は、この第2の変形例の特徴部分の処理機能を示すブロック図である。前述したとおり、利用権照会部320′には、照会が行われるたびに照会履歴情報が保存される。図には、複数の照会履歴情報が保存されている例が示されているが、ここで、照会履歴情報H(i,j)は、第j番目の利用者Ujが利用する利用者端末400(j)からのリスト要求に基づいて、第i番目の利用権管理装置200(i)に対する照会によって得られた利用権取得情報R(i,j)と端末識別子T(j)とを対応づけた情報になっている。図示の例の場合、利用権取得情報R(i,j)は、図6に示すとおり、10個のコンテンツ識別子CID(0501)〜CID(0510)によって構成されている。
同様に、照会履歴情報H(i+1,j)は、第j番目の利用者Ujが利用する利用者端末400(j)からのリスト要求に基づいて、第(i+1)番目の利用権管理装置200(i+1)に対する照会によって得られた利用権取得情報R(i+1,j)と端末識別子T(j)とを対応づけた情報であり、照会履歴情報H(i+2,j)は、第j番目の利用者Ujが利用する利用者端末400(j)からのリスト要求に基づいて、第(i+2)番目の利用権管理装置200(i+2)に対する照会によって得られた利用権取得情報R(i+2,j)と端末識別子T(j)とを対応づけた情報であり、照会履歴情報H(i,j+1)は、第(j+1)番目の利用者U(j+1)が利用する利用者端末400(j+1)からのリスト要求に基づいて、第i番目の利用権管理装置200(i)に対する照会によって得られた利用権取得情報R(i,j+1)と端末識別子T(j+1)とを対応づけた情報ということになる。
ここでは、図13の下段に示すように、コンテンツ要求部430(j)′からコンテンツ送信部130′に対して、特定のコンテンツC(0501)をダウンロードするためのコンテンツ要求が出された場合を考えよう。この例では、ダウンロードの対象となるコンテンツC(0501)についてのコンテンツ識別子CID(0501)、キー情報K(0501)、端末識別子T(j)を用いたコンテンツ要求が行われている。ここで、コンテンツ識別子CID(0501)は、ダウンロード対象となるコンテンツを特定するための情報として利用される。また、キー情報K(0501)は、当該コンテンツの所在を示すURLおよびダウンロードに必要な許可コードであり、端末識別子T(j)は、利用者端末400(j)を識別するコードである。
コンテンツ送信部130′は、許可コードの合致を条件として、キー情報K(0501)で指定されたURLに、コンテンツ識別子CID(0501)で特定されるデータとして格納されているコンテンツC(0501)を読み出し、利用者端末400(j)に送信する処理を実行するが、その際に、利用権照会部320′に対して、コンテンツ識別子CID(0501)と端末識別子T(j)との組み合わせについての問い合わせを行い、正当な組み合わせである旨の回答が得られた場合にのみ当該コンテンツC(0501)を送信することになる。
一方、コンテンツ識別子CID(0501)と端末識別子T(j)との組み合わせについての問い合わせを受けた利用権照会部320′は、端末識別子T(j)を含む照会履歴情報を検索し、対応づけて保存されている利用権取得情報の中に、コンテンツ識別子CID(0501)が含まれているか否かを調べる。図示の例の場合、端末識別子T(j)を含む情報として、照会履歴情報H(i,j),H(i+1,j),H(i+2,j)が検索されることになる。このうち、照会履歴情報H(i,j)において端末識別子T(j)に対応づけて保存されている利用権取得情報R(i,j)の中に、コンテンツ識別子CID(0501)が含まれていることが確認できる。したがって、コンテンツ送信部130′に対して、正当な組み合わせである旨の回答が行われる。
もし、不正な方法により、別な利用者端末400(x)からコンテンツC(0501)についてのコンテンツ要求が行われた場合は、問い合わせの対象となる組み合わせは、コンテンツ識別子CID(0501)と端末識別子T(x)との組み合わせということになるので、該当する照会履歴情報は検索されず、不当な組み合わせである旨の回答が行われる。
<3.3 第3の変形例:一時認証コードによる認証>
図2に示す基本的な実施形態では、利用者端末400(j)から配信制御装置300に対して行われるリスト要求に、利用者識別子ID(i,j)と利用者認証コードA(i,j)が含まれており、配信制御装置300は、これら利用者識別子ID(i,j)と利用者認証コードA(i,j)を用いて利用権管理装置200(i)に対する照会を行っている。
しかしながら、図1に例示する実施形態のように、配信制御装置300の保守運用を行う事業者Yと、利用権管理装置200(i)の保守運用を行う事業者Ziとが、全く別な事業者であった場合、利用者認証コードA(i,j)が配信制御装置300に伝達されることは必ずしも好ましくない。
そもそも利用者認証コードA(i,j)は、事業者Ziが電子商取引を行う上で、インターネット経由でのアクセスがあったときに、当該アクセスが利用者Ziからの真正なアクセスであることを認証するために利用するコードであり、一般的にはパスワードとして取り扱われている秘密コードである。そのような秘密コードが、事業者Ziとは全く別個の事業者Yが管理する配信制御装置300に引き渡されることは、セキュリティの観点からは好ましいことではない。
ここで述べる第3の変形例は、このようなセキュリティ上の問題を解決することができるコンテンツ提供システムを実現するものである。その基本原理は、利用者Ujが、事業者Ziから一時的認証コードα(一般に、ワンタイムパスワードと呼ばれている一時的に有効なコード)を発行してもらい、事業者Yが管理する配信制御装置300には、この一時的認証コードαを引き渡す形態にする、というものである。
図14は、この第3の変形例に係るコンテンツ提供システムの一部の詳細構成を示すブロック図である。この第3の変形例に係るシステムの構成は、図2に示す基本的な実施形態に係るシステムの構成とほぼ同じであり、説明の便宜上、配信処理装置100、利用権管理装置200(i)、配信制御装置300、利用者端末400(j)については同じ符号を用いて示してある。ただ、これら各装置の中の一部の構成要素については、若干の変更がなされている。以下、この変更点についてのみ説明する。
まず、利用者端末400(j)については、図2に示すリスト要求部420(j)の代わりに、若干機能を追加したリスト要求部420(j)''が用いられている。リスト要求部420(j)''は、図2に示すリスト要求部420(j)と同様にリスト要求を行う機能を有しているが、その前に、利用権管理装置200(i)に対して予備認証要求を行い、一時的認証コードαの発行を受ける付加機能を有している。
すなわち、利用者Ujがリスト要求部420(j)''に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者識別コードA(i,j)を入力して、リスト要求を行う旨の指示を与えると、まず、リスト要求部420(j)''から利用者認証部230(i)′に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者識別コードA(i,j)を伴う予備認証要求が行われる。そして、リスト要求部420(j)''は、この予備認証要求によって発行された一時的認証コードαを受信し、利用者識別コードA(i,j)の代わりに一時的認証コードαを用いたリスト要求を利用権照会部320に対して行うことになる。
利用者識別コードA(i,j)も一時的認証コードαも、数字や文字の羅列からなるコードという点では同じであるので、リスト要求部420(j)''が利用権照会部320に対して行うリスト要求の処理は、図2に示すリスト要求部420(j)が利用権照会部320に対して行うリスト要求の処理と全く同じである。したがって、この第3の変形例においても、利用権照会部320の機能は、図2に示す基本的な実施形態における利用権照会部320の機能と全く同じである。すなわち、利用権照会部320は、利用者端末400(j)から利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードα(利用者識別コードA(i,j)の代替コード)とを含むリスト要求があったときに、この一時的認証コードαを利用者認証コードA(i,j)の代替コードとして用いて利用権管理装置に対する照会を行い、その結果として、利用権取得情報R(i,j)の返信を受けることになる。
一方、利用権管理装置200(i)については、図2に示す利用者認証部230(i)の代わりに、一時的認証コードαの発行および認証機能が付加された利用者認証部230(i)′が用いられている。
利用者認証部230(i)′は、利用者端末400(j)のリスト要求部420(j)''から、利用者識別子ID(i,j)および利用者認証コードA(i,j)を含む予備認証要求があったときに、一時的認証コードαを発行し、利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードαとの対応関係を所定時間(たとえば、1分間)だけ一時的に保存するとともに、発行した一時的認証コードαを利用者端末400(j)に返信する予備認証処理を行う機能を有している。利用者端末400(j)が、この一時的認証コードαを用いてリスト要求を行う点は、既に述べたとおりである。
また、利用者認証部230(i)′は、利用権照会部320から一時的認証コードαを含む照会があったときに、一時的に保存されている上記対応関係を用いて認証を行う認証処理機能を有している。しかも、認証を行った後、上記対応関係の記録を削除する処理が行われる。結局、一時的認証コードαは、所定時間(たとえば、1分間)だけ有効なコードであり、しかも、1回認証が行われると無効となるコードということになる。この認証結果は利用者情報読出部220(i)に伝えられ、正しい認証が行われた場合には、利用者情報読出部220(i)から利用権照会部320に対して利用権取得情報R(i,j)が返信される。
図15は、この第3の変形例の特徴部分の処理機能を示すブロック図である。上述したように、まず、リスト要求部420(j)''から利用者認証部230(i)′に対して、利用者識別子ID(i,j)および利用者識別コードA(i,j)を伴う予備認証要求が行われる。利用者認証部230(i)′は、この予備認証要求を受けて、一時的認証コードαを発行し、利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードαとの対応関係を一時的に保存するとともに、一時的認証コードαをリスト要求部420(j)''に返信する。利用者認証部230(i)′に一時的に保存された対応関係は、所定時間の経過、もしくは、1回の認証によって消去される。
続いて、リスト要求部420(j)''が、利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードα(代替コード)とを用いて、利用権照会部320に対してリスト要求を行うと、利用権照会部320は、利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードα(代替コード)とを用いて、利用者情報読出部220(i)および利用者認証部230(i)′に対して照会を行う。利用者認証部230(i)′は、当該照会を受けて、利用者識別子ID(i,j)と一時的認証コードαとの対応関係が保存されているかを確認し、その結果を利用者情報読出部220(i)に伝える。利用者情報読出部220(i)は、正しい認証結果が得られた場合には、利用権照会部320に対して、利用者情報格納部210(i)から読み出した利用権取得情報R(i,j)を返信する。
このように、第3の変形例に係るコンテンツ配信システムでは、事業者Yが保守運用を行う配信制御装置300に対して、事業者Ziが秘密に管理している利用者認証コードA(i,j)が送信されることはない。その代わりに、配信制御装置300に対して一時的認証コードαが送信されることになるが、当該コードは一時的にのみ有効な暫定コードであるため、セキュリティ上のリスクは極めて小さい。かくして、この第3の変形例によれば、利用者認証コードA(i,j)に関するセキュリティ上の問題を解決することができる。
<3.4 第4の変形例:複数の配信処理装置>
本発明に係るコンテンツ提供システムは、図1に示すように、利用者についてのコンテンツ利用権を管理する利用権管理装置200を複数n台(n≧2)設けることが前提であり、これら複数の利用権管理装置によって別個独立して管理されている利用権を利用して、配信処理装置100から統一的なコンテンツ配信を行うことができるようにするシステムを提供するものである。そのため、これまで述べてきた基本的実施形態や各変形例では、いずれも1台の配信処理装置100のみが用いられていた。ここで述べる第4の変形例は、複数台の配信処理装置100を設け、それぞれからコンテンツの配信が可能になるようにしたものである。
図16は、この第4の変形例に係るコンテンツ提供システムの構成を示すブロック図である。図1に示す基本的な実施形態に係るシステムとの相違は、複数p台(p≧2)の配信処理装置100(1)〜100(p)が設けられている点である。図示されている配信処理装置100(k)は、p台のうちの第k番目(1≦k≦p)の装置ということになる。ここでは、配信処理装置100(1)〜100(p)の保守運用が、それぞれ異なる事業者X1,X2,..., Xk,... ,Xpによって行われる場合を例にとって以下の説明を行う。
一般に、デジタルコンテンツのフォーマットは、当該コンテンツを配信する事業者によって任意に定められる。特に、電子書籍に関しては、標準とすべきデータフォーマットが乱立しており、個々の事業者がそれぞれ独自のデータフォーマットでコンテンツの提供を行っているのが現状である。そこで、この図16に示す例においても、個々の事業者X1,X2,..., Xk,... は、それぞれ独自のデータフォーマットをもったコンテンツを配信する事業を展開しているものとしよう。
このように、コンテンツのフォーマットが異なると、配信を受けた利用者端末400において、コンテンツを閲覧したり再生したりするために用いるアプリケーションプログラムも、それぞれ異なったものを用意する必要がある。したがって、たとえば、第j番目の利用者Ujが、第j番目の利用者端末400(j)を用いて、すべての事業者X1〜Xpから配信されるコンテンツを閲覧したり再生したりするためには、利用者端末400(j)に、合計p組の閲覧・再生用のアプリケーションプログラムをインストールしておけばよい。もちろん、同じフォーマットを採用する事業者があれば、合計p組のアプリケーションプログラムのうちのいくつかは同一のプログラムになるが、ここでは便宜上、そのような重複するプログラムも含めてp組と数えることにする。
結局、上例の場合、利用者端末400(j)には、複数p通りの閲覧機能もしくは再生機能が組み込まれていることになり、p台の配信処理装置100(1)〜100(p)には、このp通りの閲覧機能もしくは再生機能にそれぞれ対応した固有のフォーマットで記述されたコンテンツが格納されていることになる。たとえば、図16に示す第k番目の配信処理装置100(k)は、第k番目のフォーマットで記述されたコンテンツを格納しており、この配信処理装置100(k)から配信されたコンテンツを閲覧・再生するためには、利用者端末400(j)に、第k番目のアプリケーションプログラムをインストールしておく必要がある。
そこで、個々の配信処理装置100(1)〜100(p)内の書誌情報送信部140(1)〜140(p)には、当該配信処理装置を特定する装置特定情報が付加された書誌情報Bを送信する機能をもたせておくようにし、配信制御装置300内のリスト送信部310には、装置特定情報が付加されたリスト提示情報を送信する機能をもたせておくようにする。
たとえば、第k番目の配信処理装置100(k)内の書誌情報送信部140(k)には、当該配信処理装置を特定する装置特定情報が付加された書誌情報B(k)を送信する機能をもたせておき、リスト送信部310には、この書誌情報B(k)に基づいて、装置特定情報が付加されたリスト提示情報L(k)を送信する機能をもたせておくようにする。そうすれば、利用者端末400(j)は、この装置特定情報を参照することにより、コンテンツ要求を行う対象となる配信処理装置を特定できるようになる。
続いて、この第4の変形例の特徴部分のより具体的な処理機能を、図17のブロック図を参照しながら説明しよう。このブロック図には、第4の変形例の特徴部分として、第k番目の配信処理装置100(k)と、配信制御装置300と、第j番目の利用者Ujが用いる利用者端末400(j)とが示されている。また、利用者端末400(j)内には、第k番目の閲覧・再生アプリV(k)、第(k+1)番目の閲覧・再生アプリV(k+1)、第(k+2)番目の閲覧・再生アプリV(k+2)がインストールされた状態が示されている。
ここで、第k番目の閲覧・再生アプリV(k)は、図16に示されている第k番目の事業者Xkが保守運用する配信処理装置100(k)から配信された第k番目のフォーマットをもつコンテンツを閲覧・再生するためのアプリケーションプログラムであり、当該プログラムを利用者端末400(j)を構成するコンピュータにインストールすることにより、図17に示すとおり、リスト提示部410(j,k)、リスト要求部420(j,k)、コンテンツ要求部430(j,k)、コンテンツ保存部440(j,k)、コンテンツ利用部450(j,k)が構築されることになる。
この第k番目の閲覧・再生アプリV(k)は、第k番目の配信処理装置100(k)からコンテンツの配信を受けてこれを利用するための働きをするアプリケーションプログラムであり、閲覧・再生アプリV(k)から見ると、配信処理装置100(k)が唯一の配信処理装置ということになる。したがって、閲覧・再生アプリV(k)を起動した状態に関する限り、この第4の変形例に係るコンテンツ配信システムは、図1,図2に示す基本的な実施形態に係るコンテンツ配信システムと全く同様の処理機能を果たすことになる。
すなわち、図17に示す配信処理装置100(k)は、図2に示す配信処理装置100と全く同じ機能を果たし、図17に示す利用者端末400(j)上で動作している閲覧・再生アプリV(k)によって構築された410(j,k),420(j,k),430(j,k),440(j,k),450(j,k)は、それぞれ図2に示す利用者端末400(j)を構成する410(j),420(j),430(j),440(j),450(j)と全く同様の機能を果たすことになる。
また、図17に示す利用者端末400(j)にインストールされている第(k+1)番目の閲覧・再生アプリV(k+1)は、第(k+1)番目の配信処理装置100(k+1)からコンテンツの配信を受けてこれを利用するための働きをするアプリケーションプログラムであり、閲覧・再生アプリV(k+1)から見ると、配信処理装置100(k+1)が唯一の配信処理装置ということになる。したがって、閲覧・再生アプリV(k+1)を起動した状態に関する限り、この第4の変形例に係るコンテンツ配信システムは、図1,図2に示す基本的な実施形態に係るコンテンツ配信システムと全く同様の処理機能を果たすことになる。
このように、利用者端末400(j)上で、ある特定の閲覧・再生アプリVを起動した状態において、当該起動アプリから見ると、全p台のうちのいずれか1つの配信処理装置が唯一の配信処理装置ということになる。したがって、ある特定の閲覧・再生アプリVを起動した状態において、当該起動アプリから見た動作は、これまで述べた基本的な実施形態に係るシステムの動作と全く同じになる。
たとえば、第k番目の閲覧・再生アプリV(k)を起動した状態で、利用者Ujがリスト要求部420(j,k)に対してリスト要求指示を与えると、リスト要求部420(j,k)から配信制御装置300に対してリスト要求が出されることになる。そこで配信制御装置300は、当該リスト要求に基づいて、図17には示されていない利用権管理装置200(i)に対して照会を行い、利用者Ujについての利用権取得情報R(i,j)を入手する。
続いて、配信制御装置300は、配信処理装置100(k)に格納されている書誌情報Bのうち、入手した利用権取得情報R(i,j)に応じたコンテンツCについての書誌情報Bを含む情報を、リスト提示情報Lとして利用者端末400(j)に送信する処理を行うことになる。
ただ、配信制御装置300から利用者端末400(j)にリスト提示情報Lを送信する際には、いずれの閲覧・再生アプリVに対して引き渡す情報であるかを特定する必要がある。そこで、この第4の変形例に係るシステムでは、配信処理装置100(k)内の書誌情報送信部140(k)が、配信制御装置300からの書誌情報要求に応じて書誌情報Bを送信する際に、当該配信処理装置100(k)を特定する装置特定情報が付加された書誌情報B(k)を送信するようにしている。
すなわち、配信制御装置300は、第k番目の配信処理装置100(k)を特定する装置特定情報が付加された書誌情報B(k)を受け取ることにより、やはり第k番目の配信処理装置100(k)を特定する装置特定情報が付加されたリスト提示情報L(k)を作成し、これを利用者端末400(j)に送信することができる。そうすれば、このリスト提示情報L(k)を受信した利用者端末400(j)は、このリスト提示情報L(k)に付加されている装置特定情報を参照することにより、コンテンツ要求を行う対象となる配信処理装置が、第k番目の配信処理装置100(k)であることを特定することができるので、当該配信処理装置100(k)に対してコンテンツ要求を行うのに適した処理を行うことができる。
より具体的には、第k番目の配信処理装置100(k)を特定するリスト提示情報L(k)を受信した利用者端末400(j)は、当該リスト提示情報L(k)を、第k番目の閲覧・再生アプリV(k)によって処理すればよい。すなわち、図17において、利用者端末400(j)が受信したリスト提示情報L(k)は、閲覧・再生アプリV(k)によって構築されたリスト提示部410(j,k)に与えられ、利用者Ujに対するリスト提示が行われる。こうして提示されたコンテンツリストに基づいて、利用者Ujが所定のコンテンツについての要求指示を与えると、今度は、コンテンツ要求部430(j,k)によって、第k番目の配信処理装置100(k)に対してコンテンツ要求が出され、配信されてきたコンテンツはコンテンツ保存部440(j,k)によって受信保存され、コンテンツ利用部450(j,k)によって閲覧・再生されることになる。
このように、利用者端末400(j)内に、複数の閲覧・再生アプリがインストールされていたとしても、個々のアプリケーションプログラムは、それぞれ別個独立した動作を行い、それぞれに対応した配信処理装置からコンテンツの配信を受け、これを閲覧・再生することができる。
この第4の変形例に係るコンテンツ提供システムの利点は、利用者Ujから見たときに、コンテンツの品揃えが充実する点である。たとえば、§2で述べた基本的な実施形態に係るシステムの場合、利用者Ujは、事業者Ziから、図6に示すような10個のコンテンツについての利用権を取得している。それにもかかわらず、この利用者Ujに対して提示されたコンテンツリストは、図8に示すものであり、6個のコンテンツしか掲載されていない。その理由は、配信処理装置100に品揃えの問題があるためである。具体的には、§2で述べたとおり、配信処理装置100には、コンテンツC(0503),C(0504),C(0508),C(0510)の4点が、その時点では未収録であるため、利用権を取得している10個のコンテンツのうち、配信処理装置100に収録されている6個のコンテンツのみが掲載されたコンテンツリストが提示される結果となったのである。
第4の変形例に係るコンテンツ提供システムを利用すれば、上例のような配信処理装置の品揃えの問題はある程度解消される。たとえば、第k番目の配信処理装置100(k)には未収録であっても、第(k+1)番目の配信処理装置100(k+1)には収録されているようなコンテンツが存在することになる。この場合、利用者Ujが、第k番目の閲覧・再生アプリV(k)を起動した場合に表示されるコンテンツリストに当該コンテンツは掲載されていないが、第(k+1)番目の閲覧・再生アプリV(k+1)を起動した場合に表示されるコンテンツリストには当該コンテンツが掲載されていることになる。したがって、当該コンテンツをダウンロードしたい場合には、第(k+1)番目の閲覧・再生アプリV(k+1)に対して、当該コンテンツを要求する指示を与えればよいことになる。