JP6235225B2 - 化粧料の製造方法 - Google Patents
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特許文献1〜3では、ヒドロキシカルボン酸亜鉛をエタノールとともに配合し、溶解させている。しかしながら、肌が敏感な女性にとっては、エタノールが含有されている化粧品を使用すると刺激に感じる人や匂いを気にする人もいるため、エタノールの含有量はできるだけ少なくすることが望まれる。
また、特許文献4では、水への溶解性が悪いため、ヒドロキシカルボン酸亜鉛を油相に分散させて配合している。しかしながら、このような方法では、化粧料中に十分な油相が必要となり、組成が制限されてしまう。
本発明は、ヒドロキシカルボン酸亜鉛を容易に溶解させることができ、エタノール含有量を少なくし、油相の量に依存せず、時間をかけずに化粧料を製造する方法に関する。
(A)ヒドロキシカルボン酸で表面処理した酸化亜鉛又はヒドロキシカルボン酸亜鉛塩 0.001〜0.9質量%、
(B)IOB1.3〜3.5の2価アルコール、トリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート及びエチルカルビトールから選ばれる1種又は2種以上 0.5〜30質量%、
(C)水
を含有し、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部を含有する混合物1を70℃以上で加熱混合する工程1と、成分(C)を含む残りの成分と混合物1とを混合する工程2とを備える化粧料の製造方法に関する。
このうち、ヒドロキシカルボン酸特有の匂いがより少なく、また皮脂分泌抑制効果を高める点で、p=0でq=7〜11のもの、p=1でq=6〜10のもの、p=2でq=5〜9のものがさらに好ましく、p=0でq=8のもの、p=1でq=7のもの、及びp=2でq=6のものがよりさらに好ましい。
ヒドロキシカルボン酸亜鉛塩(1a)、(1b)及び(1c)をそれぞれ1種以上配合する場合、これらの亜鉛塩を別個に入手して配合してもよいが、製造効率の観点から、これらの亜鉛塩を製造の過程で混合物として得られたものを、そのまま配合することが好ましい。
ここで、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、化合物の有機値に対する化合物の無機値の比に対応する値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標である。
本発明においては、小田、寺村らによる次式を用いて算出している。なお、無機性値及び有機性値は有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域 Vol.11,No.10(1957)p.719−725)に基づき、求められる。
IOB値=無機性値/有機性値
これらのうち、安定性の観点から、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコールが好ましく、成分(A)の溶解性をより高める点から、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールがより好ましい。
これらの油性成分は、1種又は2種以上を組合せて用いることができ、含有量は、保湿効果の点から、0.1質量%以上含有することができ、塗布時のさっぱりした感触の点から、15質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。
非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を組合せて用いることができ、含有量は、安定性の点から、0.1質量%以上含有することができ、肌へのマイルド性の点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤は、1種または2種以上を組合せて用いることができ、含有量は、安定性の点から、0.1質量%以上含有することができ、肌へのマイルド性の点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましく、0.3質量%以下がよりさらに好ましい。
また、化粧料中、エタノールの含有量は、肌へのマイルド性や、使用時に気になる匂いを抑制する点から、4質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましく、配合しないことがよりさらに好ましい。
高分子は、1種又は2種以上を組合せて用いることができ、含有量は、安定性の点から、化粧料中0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、塗布時ののばしやすさの点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。
本発明の製造方法は、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部を含有する混合物1を70℃で加熱混合する工程1と、成分(C)を含む残りの成分と混合物1とを混合する工程2とを備え、化粧料を得るものである。本発明においては、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部以外の、成分(C)を含む残りの成分を含有する混合物2を加熱攪拌した後、30℃以下まで冷却する工程3を備え、その後、混合物2に成分(A)及び成分(B)の一部又は全部を含有する混合物1を添加しながら撹拌する工程4を備えることが好ましい。なお、混合物2は、乳化物であってもよい。
また、混合物1には、成分(A)及び成分(B)以外の成分を混合物1中に20質量%以下含んでも良く、10質量%以下が好ましく、含まないことがさらに好ましい。
なお、pHは、pHメーター(HORIBA、pH METER F−52)を用いて、化粧料原液を測定するものである。
無機酸として、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、硝酸等が挙げられ、有機酸として、クエン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸、ホウ酸、アジピン酸等が挙げられ、高分子の酸として、カルボキシル基または、スルホ基を有する高分子等が挙げられ、塩基として、アルギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等が挙げられる。なお、高分子の酸としては、前記記載の高分子中のカルボキシル基を含むものであってもよく、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。これらの中で肌へのやさしさから、クエン酸、コハク酸、L−アルギニンが好ましい。
無機酸、有機酸、高分子の酸、塩基は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.7質量%がより好ましく、0.08〜0.4質量%がさらに好ましい。
透明または半透明とは、化粧料をガラス製のスクリュー管(マルエム製、No.4)に約5mL入れ、そのスクリュー管を立てて横から見て、スクリュー管の反対側に印刷物の文字を置き、スクリュー管を通してその文字を読める状態を言う。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
(B)IOB1.3〜3.5の2価アルコール、トリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート及びエチルカルビトールから選ばれる1種又は2種以上 0.5〜30質量%、
(C)水
を含有する化粧料の製造方法であって、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部を含有する混合物1を70℃以上で加熱混合する工程1と、成分(C)を含む残りの成分と混合物1とを混合する工程2とを備える化粧料の製造方法。
<3>混合物2が乳化物である前記<2>記載の化粧料の製造方法。
<4>混合物1に、成分(A)及び成分(B)以外の成分を混合物1中に20質量%以下含んでも良く、10質量%以下が好ましく、含まないことがさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<6>化粧料の(A)のうち、ヒドロキシカルボン酸で表面処理した酸化亜鉛において、ヒドロキシカルボン酸は、一般式(2)
<8>化粧料の成分(A)のうち、ヒドロキシカルボン酸で表面処理した酸化亜鉛において、用いる酸化亜鉛とヒドロキシカルボン酸の割合は、モル比で2:1〜1:5であるのが好ましく、2:1〜1:2であるのがより好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<10>化粧料の成分(A)のうち、ヒドロキシカルボン酸亜鉛塩は、一般式(1)
<11>化粧料の成分(A)のうち、ヒドロキシカルボン酸亜鉛塩(1)としては、ヒドロキシカルボン酸亜鉛塩(1a)、(1b)及び(1c)
を、それぞれ1種以上配合したものが好ましく、(1a):(1b):(1c)=60〜95:4〜35:1〜10(モル比)で配合したものがより好ましく、70〜85:10〜25:2〜8(モル比)で配合したものがさらに好ましい前記<10>記載の化粧料の製造方法。
<12>化粧料中、成分(A)としては、ヒドロキシカルボン酸と酸化亜鉛を反応させた、ヒドロキシカルボン酸亜鉛塩が好ましく、8−ヒドロキシウンデカン酸、9−ヒドロキシウンデカン酸、10−ヒドロキシウンデカン酸と酸化亜鉛を反応させた、8−ヒドロキシウンデカン酸亜鉛塩、9−ヒドロキシウンデカン酸亜鉛塩、10−ヒドロキシウンデカン酸亜鉛塩がより好ましく、10−ヒドロキシウンデカン酸亜鉛塩がさらに好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<14>化粧料中、成分(B)は、IOB1.6〜3.4が好ましく、IOB1.8〜2.6がより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<15>化粧料中、成分(B)は、分子量70〜1000のものが好ましく、70〜500がより好ましく、75〜200がさらに好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<17>化粧料中、成分(B)の含有量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、成分(B)の含有量は、化粧料中0.5〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1.5〜10質量%さらに好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<19>化粧料中、成分(C)水の含有量は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、99.4質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、97質量%以下がさらに好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<20>成分(A)を、成分(B)の全部または一部と、70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、好ましくは98℃以下、より好ましくは95℃以下で加熱撹拌して溶解させる前記<1>〜<19>のいずれか1記載の化粧料の製造方法。
<21>化粧料は、pH3〜7が好ましく、pH3.5〜6がより好ましく、pH4〜5.5がさらに好ましい前記<1>〜<20>記載の化粧料の製造方法。
表1〜表3に示す組成の化粧料を製造し、pHを測定するとともに、溶解性を評価した。また、実施例1及び13については、化粧料塗布前の肌のpHと塗布後のpHの変化を評価した。結果を表1〜表3に併せて示す。
成分(A)と成分(B)を90℃で加熱攪拌した後、成分(C)の水を含む室温の水相に添加し、さらに10分間攪拌して、化粧料を得た。なお、比較例1の加熱をしない場合は、成分(A)と成分(B)を加熱せず、室温で攪拌した後、室温の水相に添加し、10分間攪拌した。
(1)pH測定:
得られた化粧料の原液を、pHメーター(HORIBA、pH METER F−52、電極;スタンダードToupH電極 9615−10D)を用いて、25℃で測定した。
成分(A)と成分(B)を、マルエム社製、スクリュー管(No.4)に、全量で約5mLになるように計量し、マグネチックスターラー(ADVANTEC マグネチックスターラー SR-500)で攪拌しながら90℃で加熱した。その後、得られた混合液の外観を、目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、溶解した状態とは、肉眼で凝集物や沈殿が観察されない状態であり、混合液を入れたスクリュー管を立てて反対側に印刷物の文字を置き、スクリュー管を通してその文字を読める状態を言う。
○:均一に溶解している。
×:凝集物がある、または分離している。
得られた化粧料の外観を、室温で1時間放置後、目視により観察し、以下の基準で評価した。なお、溶解した状態は、(2)の記載と同様である。
○:均一に溶解している。
×:凝集物がある。または分離している。
pHメーター(HORIBA、pH METER F−52、電極;フラット形pH複合電極 6261−10C)を用い、腕の内側の肌のpHを測定する(pH−a)。次にpHを測定した肌の部位に化粧料を約0.1g塗布する。その後、3分間経過後、肌のpHを測定する(pH−b)。pH−aとpH−bからpHの変化ΔpHを計算する。ΔpHが小さいほうが、pH変化が小さいため肌にマイルドである。
表4に示す組成の化粧水を製造した。
成分(3)〜(12)及び(15)を80℃で加熱混合して溶解し、室温まで冷却して水相を調製する。成分(1)と成分(2)を90℃で加熱攪拌した状態でゆっくり水相に添加する。さらに、成分(13)及び(14)を加えて攪拌し、化粧水を得た。
表5に示す組成の美容液を製造した。
成分(3)〜(5)を加熱混合して溶解した後、あらかじめ加熱溶解させた成分(6)、(7)及び(17)の一部を添加し、室温まで冷却する。そこに、均一に混合した成分(8)〜(11)を添加し、あらかじめ成分(17)の一部に溶解した成分(12)を加えて攪拌する。成分(1)と成分(2)を90℃で加熱攪拌した状態でゆっくり添加する。成分(13)〜(16)を加えて攪拌し、美容液を得た。
Claims (5)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ヒドロキシカルボン酸で表面処理した酸化亜鉛又はヒドロキシカルボン酸亜鉛塩 0.001〜0.9質量%、
(B)IOB1.3〜3.5の2価アルコール、トリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェート及びエチルカルビトールから選ばれる1種又は2種以上 0.5〜30質量%、
(C)水 40〜99.4質量%
を含有し、油性成分の含有量が0〜15質量%であり、且つエタノールの含有量が0〜4質量%である化粧料の製造方法であって、成分(A)及び成分(B)の一部又は全部を含有し且つ成分(A)及び(B)以外の成分の含有量が0〜20質量%である混合物1を70℃以上で加熱混合する工程1と、成分(C)を含む残りの成分と混合物1とを混合する工程2とを備える化粧料の製造方法。 - 化粧料が、pH3〜7である請求項1記載の化粧料の製造方法。
- 成分(A)が、一般式(1)
(式中、p及びqは、p=0〜2、q=5〜11及びp+q=7〜11を満たす数を示す)
で表されるヒドロキシカルボン酸亜鉛塩である請求項1又は2記載の化粧料の製造方法。 - 化粧料中、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A)/(B)=0.0001〜0.5である請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料の製造方法。
- 化粧料の外観が、透明または半透明である請求項1〜4のいずれか1項記載の化粧料の製造方法。
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