JP6237618B2 - 熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
高熱伝導性熱可塑性樹脂を、例えば、通常良く用いられる射出成形法で成形しようとすると、その高熱伝導性が故に金型内に流入した樹脂が急速に冷却固化してしまい、金型内のゲート部が固化した後は、全く型内に樹脂を流入させることができなくなるという課題がある。高熱伝導性熱可塑性樹脂の射出成形におけるこのような問題を解決するためには、ホットランナーと特殊形状のゲートの組み合わせなど特殊な金型が必要となり、汎用金型での成形が不可能であることが普及の妨げとなっている。
また、フィラー分散状態は、熱伝導性熱可塑性樹脂の混練工程や熱伝導性などの物性において、重要となる。例えば、樹脂とフィラーの濡れ性が悪く、その界面に空隙(空気層)が形成されたり、フィラーの凝集体が生成したりすると、ストランドが不安定になりフィラー高充填化ができず、高熱伝導率化が阻害される。あるいは、フィラーの分散状態が不均一であると、熱伝導率が理論値に比べて悪化するなどの問題が生じる。
また、フィラーの種類によっては、吸湿性が高く、そのフィラーを含む樹脂組成物の耐湿熱性が問題になる事がある。
しかし、フィラーの粒子頻度の制御により、改善効果は得られるものの限界があり、なおも改善の余地がある。さらなる改善を施すにはフィラー種を変更する必要があった。耐水性フィラーとして一般的に知られているフィラーとしては、例えば、アルミナ、酸化亜鉛がある。しかし、アルミナは、モース硬度が非常に高く、混練時のスクリュー磨耗の懸念が大きい。また、酸化亜鉛は絶縁性がやや劣るため、絶縁用途としては不向きとされてきた。他成分を混合することにより、酸化亜鉛の絶縁性を上げる試みもなされているが、その処理による熱伝導率の低下が問題となっている。その他、最近では表面処理により耐水性を施した窒化アルミニウムなども開発されているが、コストが非常に高く、実用的に使用するのは困難である。
本発明の最大の特徴は、酸化亜鉛及びマグネシアを併用することで、非常に優れた耐湿熱性を実現しながら高い絶縁性をも付与できることである。
[1] 200℃、10kgf荷重時における溶融粘度が5〜10,000dPa・sであるポリエステル樹脂(A)70〜20体積部及び、熱伝導性フィラー(B)30〜80体積部を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、該熱伝導性フィラー(B)が酸化亜鉛及びマグネシアを含み、かつ平均粒径の異なる2種類以上の混合物であって、酸化亜鉛の平均粒径がマグネシアの平均粒径よりも小さいことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
[2] 200℃、10kgf荷重時における溶融粘度が5〜10,000dPa・sであるポリエステル樹脂(A)70〜20体積部及び、熱伝導性フィラー(B)30〜80体積部を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、該熱伝導性フィラー(B)が平均粒径の異なる2種類のフィラーからなり、平均粒径の小さい熱伝導性フィラーが酸化亜鉛、平均粒径の大きい熱伝導性フィラーがマグネシアであることを特徴とする[1]に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[3] 該熱伝導性フィラー(B)が、酸化亜鉛フィラー15〜56質量%、マグネシアフィラー85〜44質量%からなることを特徴とする[1]〜[2]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[4] 該熱伝導性フィラー(B)が、酸化亜鉛フィラー15〜45質量%、マグネシアフィラー85〜55質量%からなることを特徴とする[1]〜[2]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[5] 前記ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸であり、かつ前記ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分のうち40モル%以上が1,4−ブタンジオールであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[6] 前記ポリエステル樹脂(A)のグリコール成分のうち2モル%以上が、ポリアルキレンエーテルグリコールであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[7] 前記ポリアルキレンエーテルグリコールが、数平均分子量400〜4000のポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする[6]に記載の熱伝導性樹脂組成物。
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)は、200℃、10kgf荷重時における溶融粘度が5〜10,000dPa・sであることが必要である。10,000dPa・s超の高溶融粘度になると、フィラー高充填後の樹脂組成物の溶融粘度が著しく上昇し、良好な射出成形性が得られない。10,000dPa・s以下、好ましくは8,000dPa・s以下の溶融粘度を有するポリエステル樹脂を使用することで、フィラー高充填後でも良好な射出成形性を得ることができる。また、200℃での溶融粘度は低いほうが好ましいが、熱伝導性樹脂組成物の機械的強度を考慮すると下限としては5dPa・s以上が必要であり、好ましくは20dPa・s以上、より好ましくは100dPa・s以上、さらに好ましくは200dPa・s以上である。
ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸成分及びグリコール成分からなるポリエステル樹脂であることが好ましく、必要により、オキシ酸、環状エステル、3価以上のカルボン酸化合物、及び3価以上のアルコール化合物を共重合成分として含んでもよい。
耐熱性、機械的強度の観点から、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸成分として、そのメチルエステル誘導体を用いてもよい。ナフタレンジカルボン酸は、反応性、ポリマー鎖の立体構造などを考慮すると、その異性体の中でも特に2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのメチルエステル誘導体が好ましい。
該ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレンオキシド・プロピレンオキシド)共重合体、ポリ(エチレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重合体、ポリ(エチレンオキシド・プロピレンオキシド・テトラヒドロフラン)共重合体などが挙げられ、ポリエステル樹脂(A)のグリコール成分の合計量を100モル%としたとき、ポリアルキレンエーテルグリコールは、2モル%以上であることが好ましく、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上、特に好ましくは20モル%以上、最も好ましくは30モル%以上である。上限は耐熱性やブロッキングなどの取り扱い性を考慮すると60モル%以下、好ましくは50モル%以下である。
ポリエステル樹脂(A)は、グリコール成分の合計量を100モル%とすると、1,4−ブタンジオールとポリアルキレンエーテルグリコールの合計で、80モル%以上を占めることが好ましく、90モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上を占めることがさらに好ましく、100モル%であることも好ましい態様である。
これら酸化防止剤は、単独で、または複合して使用できる。添加量は、ポリエステル樹脂(A)に対して0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。0.1質量%未満だと熱劣化防止効果に乏しくなることがある。5質量%を超えると、他物性などに悪影響を与える場合がある。
水酸基含有化合物類としては、1,4−ブタンジオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジメチロールトリシクロデカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどの脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、4,4’−ビフェノールのエチレンオキサイド付加体またはプロピレンオキサイド付加体などの芳香族グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの脂環族グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール化合物などの水酸基含有化合物類又はそのエステル形成能を有する誘導体が挙げられる。
これらの内、3価以上のカルボン酸化合物、及び3価以上のアルコール化合物の共重合量としては、全カルボン酸成分100モル%または全アルコール成分100モル%に対して、好ましくは5モル%以下であり、より好ましくは3モル%以下である。
上記成分の共重合量としては、全カルボン酸成分の20モル%以下とすることが好ましい。より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。これら成分の割合が20モル%よりも高いと、結晶性が低下しすぎてブロッキングや成形性・耐熱性の悪化が問題となる場合がある。
樹脂に配合するフィラーは熱伝導率、耐水性、樹脂との相溶性がそれぞれ高く、硬度が低いほど好ましい。特に硬度が高いと生産時に機台を磨耗する懸念があるため、スクリューやバレル鋼材の硬度よりも低いほうが好ましい。これらの特性を満足するフィラーとして、酸化亜鉛やマグネシア、窒化ホウ素が好適である。特に酸化亜鉛、マグネシアを用いると、樹脂との相溶性、コストの観点から優れた樹脂組成物を得ることができる。
これは、マグネシアの耐湿熱性は粒径が大きいほど良好な傾向にあるためであり、かつ、最密充填の観点から、粒径が大きいフィラーは粒径の小さいフィラーよりも配合量が多いほうが好ましいためである。よってマグネシアの平均粒径は大きいほうが耐湿熱性に優れるとともにフィラー充填化が可能となる。なお、本発明での平均粒径はレーザー散乱粒度分布計などの粒度分布測定装置を用いて測定したものとする。
酸化亜鉛とマグネシアは比重が異なるため、混合比率としては質量割合で示した。しかし、本発明により得られる樹脂組成物の重要な特性である熱伝導性は、組成物中の熱伝導性フィラーの質量割合ではなく、体積割合が大きな意味を持つ。そのため、混合比率の体積割合を括弧内に併記した。
酸化亜鉛は絶縁性が低く、半導電性フィラーとして知られている。酸化亜鉛を樹脂に配合する場合、配合量が多いと酸化亜鉛同士のパスを形成するため、系としても半導電性となり、十分な絶縁性が得られない。よって、パスを形成しない範囲で酸化亜鉛を配合すれば、樹脂単体の絶縁性の寄与率が高くなり、系としても絶縁性とすることが可能となる。マグネシアは絶縁性フィラーのため、絶縁性に関してパスの形成有無は問題とならない。
この範囲を満足すれば、酸化亜鉛はパスを形成せず、良好な絶縁性を得ることが可能であるとともに、耐湿熱性、高熱伝導率にも優れた樹脂組成物を得ることができる。
酸化亜鉛フィラー28〜44質量%(20〜34体積%)、マグネシアフィラー72〜56質量%(80〜66体積%)を含有することがより好ましく、酸化亜鉛フィラー35〜43質量%(25〜32体積%)、マグネシアフィラー65〜57質量%(75〜68体積%)を含有することがさらに好ましい。
さらには電気伝導性を示す熱伝導性フィラーとして、黒鉛、炭素繊維、などの炭素材料、金属ケイ素、アルミニウム、マグネシウムなどの金属材料を例示することができる。
耐湿熱性、高熱伝導率に優れた樹脂組成物を得るためには、全フィラー量を100質量%とすると、酸化亜鉛フィラーとその他の電気伝導性を示す熱伝導性フィラーで15〜56質量%、マグネシアフィラーとその他の電気絶縁性を示す熱伝導性フィラーで85〜44質量%であれば良い。その他の熱伝導性フィラーの量は、15質量%以下であることが好ましい。
さらに絶縁性を高めた樹脂組成物を得るためには、全フィラー量を100質量%とすると、酸化亜鉛フィラーとその他の電気伝導性を示す熱伝導性フィラーで15〜45質量%、マグネシアフィラーとその他の電気絶縁性を示す熱伝導性フィラーで85〜55質量%であれば良い。その他の熱伝導性フィラーの量は、電気絶縁性を示す熱伝導性フィラーの場合は15質量%以下、電気伝導性を示す熱伝導性フィラーの場合は5質量%以下であることが好ましい。
この中でもサイドフィードを利用する方法は、分散性が良好となり、生産効率が良いため好ましい。
無機化合物の表面処理方法としては特に限定されず、通常の処理方法を利用できる。
本発明に係る熱伝導性樹脂組成物が、ポリエステル樹脂(A)、熱伝導性フィラー(B)以外の成分を含む場合も、同様に配合量を決定する。
本発明に係る熱伝導性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)中の熱伝導性フィラー(B)の分散性が非常に良いので、樹脂組成物中の空隙(空気層)がほとんどない。したがって、熱伝導性フィラー(B)が、配合比通り充填されているかどうかは、得られた熱伝導性樹脂組成物の比重を測定すれば、(A)、(B)各々の比重を基に確認する事ができる。
本発明に係る熱伝導性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と熱伝導性フィラー(B)の合計で、90体積%以上占めることが好ましい。熱伝導性樹脂組成物中の(A)と(B)の合計は、95体積%以上がより好ましく、97体積%以上がさらに好ましい。
島津製作所(株)製のフローテスター(CFT−500C型)を用いて測定した。200℃に設定した加熱体中央のシリンダー中に水分率0.1%以下に乾燥した樹脂試料を充填し、充填1分経過後、プランジャーを介して試料に荷重(10kgf)をかけ、シリンダー底部のダイ(孔径:1.0mm、厚み:10mm)より、溶融した試料を押出し、プランジャーの降下距離と降下時間を記録し、溶融粘度を算出した。
撹拌機、温度計、溜出用冷却器を装備した反応缶内に、ジメチルテレフタレート194質量部、1,4−ブタンジオール108質量部、数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール「PTMG2000」(三菱化学(株)製)600質量部、テトラブチルチタネート0.25質量部を加え、170〜220℃で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、255℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧にしてゆき、60分かけて255℃で665Paとした。そしてさらに133Pa以下で30分間重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A1)を得た。このポリエステル樹脂(A2)の組成は、テレフタル酸//1,4−ブタンジオール/PTMG2000=100//70/30モル%であり、融点は157℃で、溶融粘度は500dPa・sであった。
ポリエステル樹脂(A2)、(A3)は、ポリエステル樹脂(A1)と同様な方法により合成した。それぞれの組成及び物性値を下記に示す。
(A2):2,6−ナフタレンジカルボン酸//1,4−ブタンジオール/PTMG2000=100//60/40モル%、融点160℃、溶融粘度500dPa・s。
(A3):2,6−ナフタレンジカルボン酸//1,4−ブタンジオール/PTMG2000=100//70/30モル%、融点185℃、溶融粘度650dPa・s。
(B1):酸化亜鉛(堺化学工業(株)製LPZINC−2、熱伝導率54W/m・K、平均粒径2μm、体積固有抵抗109Ω・cm、比重5.61)
(B2):酸化亜鉛(堺化学工業(株)製LPZINC−11、熱伝導率54W/m・K、平均粒径11μm、体積固有抵抗109Ω・cm、比重5.61)
(B3):酸化亜鉛(堺化学工業(株)製LPZINC−20、熱伝導率54W/m・K、平均粒径20μm、体積固有抵抗109Ω・cm、比重5.61)
(B4):シランカップリング処理マグネシア(宇部マテリアルズ(株)製RF−10C−SC、熱伝導率42〜60W/m・K、平均粒径12.5μm、体積固有抵抗1017Ω・cm、比重3.58)
(B5):シランカップリング処理マグネシア(宇部マテリアルズ(株)製RF−10C−SC、熱伝導率42〜60W/m・K、平均粒径7.4μm、体積固有抵抗1017Ω・cm、比重3.58)
(B6):シランカップリング処理マグネシア(宇部マテリアルズ(株)製RF−50−SC、熱伝導率42〜60W/m・K、平均粒径53.6μm、体積固有抵抗1017Ω・cm、比重3.58)
(B7):リン酸エステルカップリング処理マグネシア(三共精粉(株)製MCP−50、熱伝導率42〜60W/m・K、平均粒径51.9μm、体積固有抵抗1017Ω・cm、比重3.58)
上記の方法で重合したポリエステル樹脂(A1)と、熱伝導フィラー(B2)、(B6)の混合物とを表1に示す割合で混合した後、180℃に予熱した東洋精機(株)製卓上型混練機ラボプラストミル20C200に投入し、20rpmで10分間混練した。
ポリエステル樹脂、熱伝導性フィラーの種類や配合量を、表1〜2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして混練した。なお、融点が比較的高いポリエステル樹脂(A3)を用いた実施例6の混練は200℃で行なった。
以下のようにして、熱伝導率、耐湿熱性、体積抵抗率の評価を行った。
各種測定に用いたシートサンプルは、テスター産業(株)製ヒートプレス機SA−302−Iを用いて作製した。所定の厚みを有する型枠内に樹脂組成物を入れ、ポリエステル樹脂(A)の融点+20℃程度の温度条件で2分間溶融後、100kgf/cm2の荷重をかけ、1分後に水につけて急冷し、所定の厚みのシートサンプルを得た。
比熱は、TAインスツルメンツ(株)製DSC2920を用いて測定した。樹脂組成物20.0mgをアルミパンに入れ、−30℃から10℃/分の昇温温度で100℃まで昇温し、100℃に達してから5分間保持した後に、10℃/分で降温した。同様に、基準物質としてサファイア27.0mgをアルミパンに入れ、同条件で測定した。さらに、ブランクとしてサンプルを入れていない空のアルミパンを同条件で測定した。それぞれのDSC曲線の23℃におけるHeat Flowの値を読み取り、下記式1により比熱容量を算出した。
Cpは試料比熱、C’pは23℃における基準物質(サファイア)比熱、hは空容器と試料のDSC曲線の差、Hは空容器と基準物質(サファイア)のDSC曲線の差、mは試料質量(g)、m’は基準物質(サファイア)質量(g)を表す。
(式1)
Cp=(h/H)×(m’/m)×C’p
比重は、東洋精機(株)製自動比重計D−H100を用いて測定した。ヒートプレスして得られた厚さ0.5mmのシートを、10mm×10mmのサイズにサンプリングし、水中置換法により比重測定を行った。
熱拡散率は、アイフェイズ(株)製の熱拡散係数測定装置ai−phase Mobile1を用いて測定した。ヒートプレス機で厚さ0.5mmのシート状に加工した混練樹脂組成物の、厚み方向の熱拡散率を測定した。
熱伝導率は、前記方法で求めた比熱、比重、熱拡散率から下式により算出した。
(式2)
熱伝導率(W/m・K)=比重×比熱(J/g・K)×熱拡散率(m2/sec)
ヒートプレスして得られた厚み1mmのシートサンプルを10mm×50mmのサイズに切断してサンプルを作製した。これを恒温恒湿槽に投入し、85℃×85%Rhの条件下におけるサンプルの膨張率を観察した。恒温恒湿槽投入前と恒温恒湿槽投入後1,000時間経過後の長さ、幅、厚さ(mm)をそれぞれ測定し、各方向における膨張率(恒温恒湿槽投入後の測定値(mm)/恒温恒湿槽投入前(mm))を算出した。さらにそれらの積をとり、体積膨張率(%)を算出した。このとき恒温恒湿槽投入前の膨張率を100%とする。なお、測定には定圧ノギスを使用した。
体積膨張率は小さいほど好ましい。体積膨張率が102%以下であると、脆性の悪化が小さく、良好である。膨張率が102%を超えると、脆性が悪化するため、高湿度下での使用は好ましくない。
ヒートプレスして得られた厚み0.5mmのシートサンプルを用いて、三菱油化(株)製の高抵抗率計ハイレスターIP MCP−HT260を用いて測定した。
体積抵抗率は大きいほど好ましく、体積抵抗率が1011Ω・cm以上であると絶縁用途として使用可能である。より好ましくは体積抵抗率が1012Ω・cm以上である。体積抵抗率が1011Ω・cm未満であると絶縁用途として使用するのに不十分である。
Claims (6)
- 200℃、10kgf荷重時における溶融粘度が5〜10,000dPa・sであるポリエステル樹脂(A)70〜20体積部及び、熱伝導性フィラー(B)30〜80体積部を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、該熱伝導性フィラー(B)が酸化亜鉛及び酸化マグネシウムを含み、かつ平均粒径の異なる2種類以上の混合物であって、酸化亜鉛フィラー15〜56質量%、酸化マグネシウムフィラー85〜44質量%からなり、酸化亜鉛フィラーの平均粒径は1〜20μm、酸化マグネシウムフィラーの平均粒径は40〜100μmであることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
- 200℃、10kgf荷重時における溶融粘度が5〜10,000dPa・sであるポリエステル樹脂(A)70〜20体積部及び、熱伝導性フィラー(B)30〜80体積部を含有する熱伝導性樹脂組成物であって、該熱伝導性フィラー(B)が平均粒径の異なる2種類のフィラーからなり、平均粒径の小さい熱伝導性フィラーが酸化亜鉛、平均粒径の大きい熱伝導性フィラーが酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 該熱伝導性フィラー(B)が、酸化亜鉛フィラー15〜45質量%、酸化マグネシウムフィラー85〜55質量%からなることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分のうち80モル%以上がテレフタル酸及び/またはナフタレンジカルボン酸であり、かつ前記ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分のうち40モル%以上が1,4−ブタンジオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)のグリコール成分のうち2モル%以上が、ポリアルキレンエーテルグリコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
- 前記ポリアルキレンエーテルグリコールが、数平均分子量400〜4,000のポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項5に記載の熱伝導性樹脂組成物。
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