JP6238060B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、例えば、車両駆動用の高出力電源として好ましく利用されている。上記リチウムイオン二次電池は典型的には、正極、負極およびセパレータを備える電極体と非水電解液とを含む構成を有する。この種の二次電池に関する従来技術を開示する文献として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、上記二次電池の放電電力が上限値を超えないように該放電を制御する制御装置に関する技術文献であり、電解液中の塩濃度の偏りを考慮して、ハイレート充放電による劣化(いわゆるハイレート劣化)を抑制することが開示されている。
特開2013−225397号公報
上記ハイレート劣化が発生する原因として、例えば次のようなことが考えられる。すなわち、ハイレート充放電を継続的に行うと、発熱による電解液の体積膨張や電極体の膨張によるポンプ効果等の影響で、電極体(特に負極)から電解液が排出される。その結果、電解液中の塩濃度にムラが生じる。この塩濃度ムラにより抵抗が上昇し、ハイレート劣化が発生していると考えられる。つまり、上記塩濃度ムラを抑制することができれば、ハイレート劣化を抑制する有効な手段となり得る。そこで、本発明者は鋭意検討したところ、上記塩濃度ムラの発生が電池の自己発熱(ジュール熱)に起因しており、特に、負極における発熱が上記塩濃度ムラの発生に大きく影響していることを知得した。さらに負極における電子抵抗を低減する手段を種々検討した結果、上記塩濃度ムラの発生を抑制し得る有効な手段を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、非水電解液の塩濃度ムラの発生を抑制し得るリチウムイオン二次電池を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明により、正極、負極およびセパレータを備えた電極体と、非水電解液と、を含むリチウムイオン二次電池が提供される。この二次電池において、前記負極は、負極活物質粒子を備える。また、前記負極活物質粒子は、コア粒子に対して金属めっき処理を施すことによって形成された複合粒子である。さらに、前記金属めっきに用いられる金属は、リチウムイオン非吸蔵性の金属である。そして、前記複合粒子における比表面積基準の金属めっき率は11%〜35%である。ここで、比表面積基準の金属めっき率は、めっき処理前のコア粒子の比表面積(BET比表面積。以下同じ。)をA[m/g]とし、めっき処理後の複合粒子の比表面積をB[m/g]としたとき、式:金属めっき率(%)=(A−B)/A×100;より求められる値である。
かかる構成によると、所定のめっき率で金属めっき処理が施された負極活物質粒子を用いることで、該活物質におけるLiイオンとの反応領域を良好に確保しつつ、負極の電子抵抗は有意に低減する。この抵抗低減によって電池の自己発熱が低く抑えられ、該自己発熱に起因する非水電解液の塩濃度ムラの発生が抑制される。
また、この明細書によると、リチウムイオン二次電池用負極活物質が提供される。この活物質は、コア粒子に対して金属めっき処理を施すことによって形成された複合粒子である。また、前記金属めっきに用いられる金属は、Liイオン非吸蔵性の金属である。そして、前記複合粒子における比表面積基準の金属めっき率は11%〜35%である。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池(以下「二次電池」と略す場合がある。)は、非水電解液の塩濃度ムラの発生が抑制されているので、ハイレートでの充放電に対する耐久性(ハイレートサイクル耐久性)に優れる。したがって、この特徴を活かして、ハイブリッド自動車(HV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等のような車両の駆動電源として好適に利用され得る。本発明によると、ここに開示される二次電池(複数の電池が接続された組電池の形態であり得る。)を搭載した車両が提供される。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、リチウムイオン二次電池に係る好適な実施形態を説明する。なお、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1に示すように、二次電池100は、電池ケース10と、電池ケース10内に収容される捲回電極体20と、を備える。電池ケース10は上面に開口部12を有しており、この開口部12は、捲回電極体20を開口部12から電池ケース10内に収容した後、蓋体14によって封止される。電池ケース10内にはまた、非水電解液25が収容されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部正極端子38の一部は電池ケース10内部で内部正極端子37に接続されており、外部負極端子48の一部は電池ケース10内部で内部負極端子47に接続されている。これら内部端子37,47は、捲回電極体20を構成する正極30,負極40にそれぞれ接続されている。
捲回電極体20は、長尺シート状の正極(正極シート)30と、長尺シート状の負極(負極シート)40と、を備える。正極シート30は、長尺状の正極集電体32とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された正極活物質層34とを備える。負極シート40は、長尺状の負極集電体42とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された負極活物質層44とを備える。捲回電極体20はまた、長尺シート状の2枚のセパレータ(セパレータシート)50A,50Bを備える。正極シート30および負極シート40は、2枚のセパレータシート50A,50Bを介して積層されている。該積層体は、長尺方向に捲回されることによって捲回体とされ、さらにこの捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。なお、電極体は捲回電極体に限定されない。電池の形状や使用目的に応じて、例えばラミネート型等、適切な形状、構成を適宜採用することができる。
次に、二次電池を構成する各構成要素について説明する。二次電池の正極を構成する正極集電体としては、例えばアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金からなる箔状のものを用い得る。正極活物質層は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。
正極活物質は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質の1種または2種以上を用い得る。例えば、スピネル構造または層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物、ポリアニオン型(例えばオリビン型)のリチウム遷移金属化合物等を用い得る。好ましい一態様では、正極活物質として、Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはNi、CoおよびMnのうちの少なくとも1種)を含むリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。具体例としては、LiNiO、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等が挙げられる。正極活物質層に占める正極活物質の割合は凡そ70〜97重量%(例えば75〜95重量%)とすることが好ましい。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックを好ましく用い得る。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;等の1種または2種以上を用い得る。なお、上記結着材は、正極活物質層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されてもよい。
正極集電体上への正極活物質層の目付量は、特に限定されず、良好な導電パスを確保する観点から、正極集電体の片面当たり例えば凡そ3〜45mg/cm(例えば12〜25mg/cm)とすることが好ましい。
負極を構成する負極集電体としては、例えば銅または銅を主成分とする合金からなる箔状のものを用い得る。負極集電体の形状は特に限定されず、例えばシート状、箔状、メッシュ状等の形態であり得る。
負極活物質層は負極活物質粒子を備える。負極活物質粒子は、コア粒子に対して金属めっき処理を施すことによって形成された複合粒子である。換言すると、当該複合粒子は、コア粒子と該コア粒子の表面の一部を覆う金属めっき部とから構成されている。上記複合粒子において、比表面積基準の金属めっき率は11%〜35%の範囲内である。金属めっき率が11%以上であることによって、電子抵抗が有意に低下し、電池の自己発熱が低く抑えられ、該自己発熱に起因する非水電解液の塩濃度ムラの発生が抑制される。その結果、ハイレートサイクル耐久性が向上する。また、金属めっき率が35%以下であることによって、上記活物質におけるLiイオンとの反応領域を良好に確保し得る。金属めっき率は、15%以上(例えば18%以上、典型的には25%以上)が好ましく、34%以下(例えば32%以下、典型的には30%以下)が好ましい。
上記コア粒子としては、従来からリチウムイオン二次電池の負極活物質粒子として用いられる物質の1種または2種以上を使用し得る。そのような粒子として、例えばグラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。上記天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであってもよい。また、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末を用いてもよい。その他、コア粒子として、チタン酸リチウム等の酸化物、ケイ素材料、スズ材料等の単体、合金、化合物、上記材料を併用した複合材料を用いることも可能である。コア粒子の比表面積は特に限定されないが、エネルギー密度や非水電解液含浸性等の観点から、1〜10m/g(例えば2〜5m/g、典型的には2.5〜4m/g)とすることが好ましい。また、コア粒子の粒径は、例えば1〜30μm(典型的には3〜20μm)程度とすることが適当である。なお、本明細書において「粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)を指すものとする。
金属めっきに用いられる金属(換言すると、金属めっき部を構成する金属)は、典型的にはLiイオン非吸蔵性の導電性物質である。めっき材料としてLiイオン吸蔵性の金属を用いた場合、Liイオン吸蔵時に金属めっき部が膨張し、めっきの脱離が発生する虞がある。Liイオン非吸蔵性の金属をめっき材料として用いることで、該金属のコア粒子からの脱離が防止される。また、上記金属は導電性物質であることから、電子抵抗を良好に低減し得る。Liイオン非吸蔵性の金属としては、NiやCu,Mn,Fe,Co,Zn,Ag,Au,In,周期表の4族、5族、6族に属する金属元素が挙げられる。なかでも、Ni、Cuが好ましく、Niがより好ましい。
金属めっきの方法は特に限定されず、湿式めっき法、乾式めっき法のいずれも採用可能である。湿式めっき法としては、無電解めっき法、電気めっき法が挙げられる。乾式めっき法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、PVD法等が挙げられる。なかでも、湿式めっき法が好ましく、無電解めっき法がより好ましい。コア粒子として天然黒鉛等のカーボン粒子を採用する場合、無電解めっき法が特に好適である。上記方法の具体的な条件は、金属めっき率が所定の範囲となるように技術常識に基づいて適宜設定すればよい。
ここに開示される技術の好ましい一態様として、無電解めっき法によるニッケルめっきについて説明する。この方法ではまず、硫酸ニッケル等のニッケル塩を含むめっき液を用意する。上記めっき液は、典型的には、例えば次亜リン酸ナトリウムやテトラヒドロホウ酸塩、ジメチルアミノボラン等の還元剤を含み得る。上記めっき液にめっき対象である粒子(コア粒子)を投入し、撹拌を行う。良好な金属膜を形成するため、塩化パラジウムへの浸漬等の活性化処理をコア粒子に対して事前に行っておくことが好ましい。めっき条件(めっき浴中におけるNi濃度や還元剤濃度、温度、撹拌時間、pHその他)は所望の金属めっき率となるよう適宜設定すればよい。例えば、めっき温度は凡そ60〜100℃の範囲で行うことが好ましい。めっき後、適宜洗浄や乾燥を行うことにより、金属めっき処理が施された複合粒子を得ることができる。
上記複合粒子の比表面積は、電子抵抗低減やLiイオン反応領域確保等の観点から、0.5〜9m/g(例えば1〜4m/g、典型的には1.5〜3m/g)とすることが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質粒子の他に、1種または2種以上の結着材や増粘材その他の添加材を必要に応じて含有し得る。結着材としては、例えば、正極活物質層に含有され得るものを好ましく用いることができる。負極活物質層に占める負極活物質粒子の割合は、凡そ90〜99重量%(典型的には97〜99重量%)とするのが適当である。また、負極活物質層に占める上記添加材の割合は、凡そ0.8〜10重量%(典型的には1〜3重量%)とすることが適当である。
負極集電体上への負極活物質層の目付量は、特に限定されず、良好な導電パスを確保する観点から、負極集電体の片面当たり例えば2〜40mg/cm(例えば5〜14mg/cm)とすることが好ましい。負極活物質層の密度も特に限定されず、例えば1.0〜3.0g/cm(例えば1.2〜2.0g/cm)程度とすることが好ましい。
正極と負極とを隔てるように配置されるセパレータは、正極活物質層と負極活物質層とを絶縁するとともに、電解液の移動を許容する部材であればよい。セパレータの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂(典型的にはポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))で構成されたものが挙げられる。セパレータには、アルミナ等の無機フィラーから構成された耐熱層が設けられていてもよい。なお、電解液に代えて、例えば上記電解液にポリマーが添加されたような固体状(ゲル状)電解質を使用する場合には、当該電解質自体がセパレータとして機能し得るため、セパレータが不要になることがあり得る。
二次電池内に含まれる非水電解液は、少なくとも非水溶媒と支持塩とを含み得る。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム塩の1種または2種以上を用いることができる。なお、支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1〜5mol/Lの濃度とすることができる。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
<負極活物質粒子の用意>
(負極活物質粒子A〜D)
表1に示す比表面積を有する天然黒鉛粉末を負極活物質粒子A〜Dとして使用した。
(負極活物質粒子A−NiP−1〜5、B−NiP−1〜5)
コア粒子として負極活物質粒子AまたはBを使用した。この活物質コア粒子を1M塩化パラジウム水溶液に一昼夜浸漬した後、濾過処理を施して回収した。このコア粒子を、常法により、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いた無電解ニッケルめっき浴に供し、80℃で撹拌して、Ni−Pめっきが施された負極活物質粒子を得た。この負極活物質粒子は、コア粒子としての天然黒鉛粒子にNi−Pめっきが施された複合粒子である。なお、各負極活物質粒子における金属めっき率は、撹拌時間を変更することによって調整した。各負極活物質粒子の比表面積および金属めっき率を表1に示す。
(負極活物質粒子A−Sn−1〜4)
コア粒子として負極活物質粒子Aを使用した。このコア粒子を1M塩化パラジウム水溶液に一昼夜浸漬した後、濾過処理を施して回収した。このコア粒子を、常法により、無電解Cuめっき浴に供し80℃で撹拌してCuめっきを施した。次いで、回収した粒子を、常法により置換型Snめっき浴に浸漬させることでCuからSnへの置換を行い、Snめっきが施された負極活物質粒子を得た。この負極活物質粒子は、コア粒子としての天然黒鉛粒子にSnめっきが施された複合粒子である。なお、各負極活物質粒子における金属めっき率は、撹拌時間を変更することによって調整した。各負極活物質粒子の比表面積および金属めっき率を表1に示す。
(負極活物質A+NiP、B+NiP)
Ni:Pの比率が93:7のNiP粒子を用意した。このNiP粒子を0.6%の割合となるように負極活物質粒子A,Bにそれぞれ添加、混合することにより、NiP粒子が添加された負極活物質を得た。
<例1〜20>
[正極シートの作製]
正極活物質としてコバルト酸リチウムと、導電材としてABと、結着材としてPVdFとを、これらの材料の重量比が93:4:3となるようにN−ビニルピロリドンで混合して、ペースト状の組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状のアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、正極シートを作製した。この正極シートにおける正極活物質層の片面当たりの目付量(固形分基準)は15mg/cm(固形分基準)であった。
[負極シートの作製]
表1に示す負極活物質粒子と、結着材としてSBRと、増粘材としてCMCとを、これらの材料の重量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状の銅箔(厚さ10μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、各例に係る負極シートを作製した。この負極シートにおける負極活物質層の片面当たりの目付量(固形分基準)は8.5mg/cmであり、密度は1.3g/cmであった。
[角型リチウムイオン二次電池の作製]
作製した正極シートと、上記各例に係る負極シートとを、2枚の耐熱層付きセパレータシートが正極シートと負極シートの間に1枚づつ配置されるように積層し、この積層体を捲回することにより捲回体を作製した。そして、この捲回体を側面方向からプレスして拉げさせることにより、扁平形状の捲回電極体を作製した。セパレータシートは、耐熱層が正極シートと対向するように配置した。セパレータシートとしては、PEからなる長尺シート状の単層フィルム(厚さ:16μm)の片面にAl耐熱層(厚さ:3μm)が形成されたものを使用した。
上記捲回電極体につき、正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、非水電解液とともにアルミ製の角型電池ケースに収容した後、該電池ケースを密封した。非水電解液としては、ECとEMCとDECとを3:5:2の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1モル/Lの濃度で含有させたものを使用した。このようにして各例に係る角型リチウムイオン二次電池(理論容量:25Ah)を作製した。
[ハイレートサイクル耐久性]
各例に係る二次電池のハイレートサイクル耐久性を、ハイレート充放電サイクルにおいて抵抗が120%に上昇した時のサイクル数をカウントすることによって評価した。具体的には、各例に係る二次電池に対し、0℃の温度条件下にて5Cで30秒間の充電を行い、SOC40%の充電状態に調整した。その後、1Cで放電し、放電開始から10秒後の電圧を測定し、初期IV抵抗値(mΩ)を求めた。同様の条件で電池をSOC40%に調整した後、上記と同様の充放電を1サイクルとして上記充放電を1000サイクル繰り返した。サイクル毎に上記初期IV抵抗値の測定と同様にしてIV抵抗値(mΩ)を測定し、式:
(サイクル後IV抵抗値)/(初期IV抵抗値)×100
;により、上記充放電サイクルの前後における抵抗増加率(%)を求め、抵抗増加率(%)が120%に達したときのサイクル数を記録した。結果を表1に示す。
[低温抵抗]
各例に係る二次電池につき、IV抵抗試験を行った。温度25℃の環境下で充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した。その後、−15℃にて10Cの電流で10秒間のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量からIV抵抗値(mΩ)を求めた。得られた値を例2のIV抵抗値(mΩ)を100とする相対値に換算して示した。この相対値では、値が大きいほど抵抗が大きいことを示す。結果を表1に示す。
Figure 0006238060
表1に示されるように、Liイオン非吸蔵性の金属(具体的にはNi)を用いて11%〜35%のめっき率となるように金属めっき処理を施した負極活物質粒子を使用した例6〜例8、例11〜例13では、上記金属めっき処理を施さなかった負極活物質粒子を用いた例1〜4や、金属めっき率が11%未満または35%超の負極活物質粒子を用いた例5,9,10,14と比べて、有意に低温抵抗が低減し、ハイレートサイクル耐久性が向上した。この結果から、負極活物質粒子において金属めっき率を11%〜35%の範囲とすることにより、電子抵抗が低減し、非水電解液の塩濃度ムラを抑制したことがわかる。一方、Liイオン吸蔵性の金属(具体的にはSn)によって金属めっき処理を施した負極活物質粒子を用いた例15〜18では、低温抵抗は改善する傾向が認められたものの、ハイレートサイクル耐久性は低下した。これは、ハイレートでの充放電においてSnが活物質から脱離したためと推定される。Liイオン非吸蔵性の金属を添加混合した負極活物質を用いた例19〜20では、低温抵抗およびハイレートサイクル耐久性を有意に改善することはできなかった。この方法では、金属粒子が均一に分散せず、電子抵抗を低減することができなかったと考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
20 電極体(捲回電極体)
25 非水電解液
30 正極
40 負極
50A、50B セパレータ
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極、負極およびセパレータを備えた電極体と、非水電解液と、を含み、
    前記負極は、負極活物質粒子を備えており、
    前記負極活物質粒子は、炭素材料のコア粒子に対してNi−Pめっき処理を施すことによって形成された複合粒子であり、
    前記複合粒子における比表面積基準のNi−Pめっき率は11%〜35%である、リチウムイオン二次電池。
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