JP6252978B2 - エポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents
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Description
1. 下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂硬化剤。
2. 前記式(1)で表される化合物が下記式(2)で表される化合物である第1項記載のエポキシ樹脂硬化剤。
3. 前記式(2)で表される化合物が下記式(3)で表される化合物である第2項記載のエポキシ樹脂硬化剤。
6. 前記エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂、核水添BisA型ジグリシジルエーテル及びBisA型ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である第5項記載のエポキシ樹脂組成物。
7. 前記エポキシ樹脂に対する前記硬化剤の当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)が0.5〜1.2である第5項又は第6項記載のエポキシ樹脂組成物。
8. 硬化促進剤をさらに含む第5項から第7項のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
9. 酸化防止剤をさらに含む第5項から第8項のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
10. UV吸収剤をさらに含む第5項から第9項のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
11. 無機充填材をさらに含む第5項から第10項のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
12. 第5項から第11項のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
13. 第12項記載の硬化物を含む成形体。
また、本発明によれば、BisA型ジグリシジルエーテルを用いた場合、得られる硬化物(成形体)は、物性値のひとつであるTgが向上する。このため、前硬化後に離型できるまでの放冷の時間が短くて済み、型の数も少なくて済む。この場合、工場における手持ちの型の数が同数であれば、製造速度が向上し型取り効率が良くなる。したがって、本発明によれば、成形体の生産効率が上がるため、成形体の適用範囲の拡大につながる。
本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、下記式(1)で表される化合物を含む。また、本実施形態のエポキシ樹脂硬化剤は、下記式(1)で表される化合物からなることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物は、アダマンタン類に無水マレイン酸をラジカル付加させることにより得ることができる。
アダマンタン類に無水マレイン酸をラジカル付加させる際の反応温度としては、好ましくは120〜180℃の範囲、より好ましくは130〜170℃の範囲、さらに好ましくは150〜170℃の範囲である。
ラジカル発生剤滴下後の反応時間としては、好ましくは0.1〜10時間の範囲、より好ましくは0.5〜5時間の範囲、さらに好ましくは1〜3時間の範囲である。
本実施形態に用いるラジカル発生剤は、無水マレイン酸1molに対して、好ましくは0.001〜0.1molの範囲、より好ましくは0.005〜0.05molの範囲、さらに好ましくは0.02〜0.07molの範囲である。好ましいラジカル発生剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。中でもジ−tert−ブチルパーオキサイドがより好ましい。
本実施形態に用いるアダマンタン類と無水マレイン酸との反応は、無溶媒又は溶媒中で行うことができる。用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロベンゼン、シクロヘキサノン、ジブチルエーテル等が挙げられる。操作上無溶媒が好ましい。
このようにして得られた反応生成物は、蒸留、晶析、カラム分離等により精製可能である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(以下「主剤」ということがある)と上述のエポキシ樹脂硬化剤とを含む。本実施形態において用いられる主剤としては、特に限定されないが、例えば、脂環式エポキシ樹脂、核水添BisA型ジグリシジルエーテル及びBisA型ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。このようなエポキシ樹脂を主剤として用いると、上述のエポキシ樹脂硬化剤の効果がより一層発揮され、得られる硬化物の特性がより一層向上する。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との含有割合は、エポキシ樹脂に対する硬化剤の当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)が以下の範囲となるように調整することが好ましい。該エポキシ樹脂に対する硬化剤の当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)は、0.5〜1.2の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.7〜1.1の範囲、さらに好ましくは0.8〜1.0の範囲である。該当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)が前記範囲内であると、得られる硬化物は、Tgが高くなり、耐熱性や耐UV性に優れる傾向にある。なお、本明細書において当量とは、酸無水物基 −CH2−CO−O−CO−CH2−と、グリシジル環(エポキシ環)とが1対1で反応することを前提とした当量であり、酸無水物基1mol/グリシジル環1mol=当量比1とするものである。
なお、本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂に対する硬化剤の当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)は、エポキシ樹脂の当量(エポキシ当量)と硬化剤の当量(酸無水物当量)とをそれぞれ測定し、該測定値から計算することができる。また、エポキシ当量は、JIS K7236に準じて、0.1mol/Lの過塩素酸酢酸標準液によって電位差測定することにより求めることができる。さらに、酸無水物当量は、核磁気共鳴装置(NMR)、ガスクロマトグラフィー(GC)で成分分析を行い、該分析結果から計算で求めることができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、UV吸収剤の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、無機充填材の含有量は、好ましくは0.01〜80質量%であり、より好ましくは0.01〜50質量%であり、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、樹脂改質剤の含有量は、好ましくは0.01〜80質量%であり、より好ましくは0.01〜50質量%であり、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、シランカップリング剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
本実施形態の硬化物は、上述のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる。当該硬化方法は、上述したとおりである。本実施形態の硬化物は、上述したエポキシ樹脂硬化剤を用いることにより、エポキシ樹脂の高性能化を可能にし、表面硬度、耐UV着色性、ガラス転移点を改善させている。例えば、本実施形態の硬化物は、鉛筆硬度が3H以上であることが好ましく、耐UV着色性については400nmにおける光線透過率が70%まで低下する時間が450時間以上であることが好ましく、ガラス転移点が130℃以上であることが好ましい。
<硬化方法>
後述の実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物をビーカー内で攪拌機にて混合し、エポキシ樹脂組成物中の溶存不活性ガスを真空にて脱気した。その後、エポキシ樹脂組成物を、50mm角深さ3mmのシリコーン型に注型し、熱風乾燥機内にて、120℃、3時間、前硬化を行い、さらに、150℃、2時間、後硬化を行ない、硬化物を得た。
ガラス転移点(Tg)は、セイコーインスツルメンツ社製 熱分析システム EXSTRA6000 TMA(熱機械的測定装置)を使用して測定した。具体的には、N2気流下、1回目 昇温速度10℃/分にて、30℃から260℃まで、試料を圧縮および膨張させ、2回目 昇温速度10℃/分にて、30℃から330℃まで、試料を圧縮および膨張させることにより測定した。2回目の測定結果からTgを求めた。
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、鉛筆硬度を測定した。
耐UV着色性試験は、大日本プラスチックス株式会社製 アイ・スーパー・UVテスターSUV−W11の試験炉内に硬化物を設置し、55℃/50RH%の条件下、波長範囲295〜450nm(360〜380nmに最高強度ピークを有する)の光を照射面光強度68mW/cm2にて前記硬化物に照射して実施した。
前記耐UV着色性試験履歴前及び試験履歴後の硬化物について、分光光度計〔島津製作所(株)製分光光度計UV−3100〕にて光線透過率を測定した。また、前記耐UV着色性試験履歴前及び試験履歴後の硬化物について、株式会社アタゴ製、多波長アッべ屈折率計DR−M2にて屈折率を測定した。前記測定した光線透過率と、別途測定した屈折率より計算される表面反射率とから1mm厚み相当の前記硬化物の400nmにおける光線透過率を求めた。また、該測定を繰り返し行い、前記耐UV着色性試験履歴後の硬化物の400nmにおける光線透過率が、前記耐UV着色性試験履歴前の硬化物の400nmにおける光線透過率に対して、70%以下となるまでの前記耐UV着色性試験における照射時間を求めた。
(ジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔DMAMA〕(エポキシ樹脂硬化剤)の調製)
反応容器に、1,3−ジメチルアダマンタン1.6mol及び無水マレイン酸1molを仕込み、反応容器内の温度を160℃に保持した。該反応容器に、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド5.5mmolを少量の1,3−ジメチルアダマンタンに溶解させた溶液を3時間かけて滴下して反応を行った。滴下終了から3時間で反応を終了して反応生成物を得た。得られた反応生成物を減圧蒸留することにより対応する目的物(ジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物)を得た。反応終了後、得られたジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のガスクロマトグラフィにより求めた収率(GC収率)は、45mol%(無水マレイン酸基準)であった。後述の実施例及び比較例において、得られたジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物をエポキシ樹脂硬化剤として用いた。
なお、得られたジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、JEOL社製、100MHz)により同定した。該同定結果を以下に示す。
1H−NMR(CCl4/TMS)δ 0.85(s、6H,CH3);1.1−1.7(m,13H);2.0−2.7(m,3H,CH2,CH)
(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物〔ETAMA〕(エポキシ樹脂硬化剤)の調製)
反応容器に、1−エチルアダマンタン1.6mol及び無水マレイン酸1molを仕込み、反応容器内の温度を160℃に保持した。該反応容器に、ラジカル発生剤として、ジ−tert−ブチルパーオキサイド5.5mmolを少量の1−エチルアダマンタンに溶解させた溶液を3時間かけて滴下して反応を行った。滴下終了から3時間で反応を終了して反応生成物を得た。得られた反応生成物を減圧蒸留することにより対応する目的物(モノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物)を得た。反応終了後、得られたエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物のGC収率は63mol%(無水マレイン酸基準)であった。後述の実施例及び比較例において、得られたエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物をエポキシ樹脂硬化剤として用いた。
なお、得られたモノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、JEOL社製、100MHz)により同定した。該同定結果を以下に示す。
1H−NMR(CCl4/TMS)δ 0.90(t、3H,CH3);1.1−1.7(m,16H);2.0−2.7(m,3H,CH2,CH)
(DMAMA/BisA型エポキシ樹脂)
上記合成実施例1で調製したジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物(DMAMA)35.1質量部と、BisA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)社製、jER828)27.7質量部と、第4級ホスホニウムブロマイド(サンアプロ(株)社製、U−CAT5003)0.146質量部と、フェノール系酸化防止剤AO−50((株)ADEKA社製)0.509質量部とを混合して樹脂組成物(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量=0.90)を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上述の硬化方法により硬化物を得た。
得られた硬化物のTgは138℃であった。
(MH700G/BisA型エポキシ樹脂)
ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化(株)社製、MH700G)30.0質量部と、BisA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)社製、jER828)37.2質量部と、第4級ホスホニウムブロマイド(サンアプロ(株)社製、U−CAT5003)0.197質量部と、フェノール系酸化防止剤AO−50((株)ADEKA社製)0.544質量部とを混合して樹脂組成物(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量=0.90)を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上述の硬化方法により硬化物を得た。
得られた硬化物のTgは122℃であった。
(DMAMA/脂環式エポキシ樹脂)
上記合成実施例1で調製したジメチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物(DMAMA)42.0質量部と、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:ダイセル化学工業株式会社製、CEL2021P)22.5質量部と、第4級ホスホニウムブロマイド(サンアプロ(株)社製、U−CAT5003)0.175質量部、と、フェノール系酸化防止剤AO−50((株)ADEKA社製)0.526重量部とを混合して樹脂組成物(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量=0.90)を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上述の硬化方法により硬化物を得た。
得られた硬化物の耐UV着色性試験を実施したところ、硬化物の400nmにおける光線透過率が70%以下となるまでの照射時間は、450時間であった。
また、得られた硬化物の鉛筆硬度については、3Hであった。
(ETAMA/脂環式エポキシ樹脂)
上記合成実施例2で調製したモノエチルアダマンタン無水マレイン酸1付加物(ETAMA)25.4質量部と、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:ダイセル化学工業株式会社製、CEL2021P)13.6質量部と、第4級ホスホニウムブロマイド(サンアプロ(株)社製、U−CAT5003)0.110質量部と、フェノール系酸化防止剤AO−50((株)ADEKA社製)0.313質量部とを混合して樹脂組成物(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量=0.90)を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上述の硬化方法にて硬化物を得た。
得られた硬化物の耐UV着色性試験を実施したところ、硬化物の400nmにおける光線透過率が70%となるまでの照射時間は、460時間であった。
また、得られた硬化物の鉛筆硬度については、3Hであった。
(MH700G/脂環式エポキシ樹脂)
ヘキサヒドロ無水フタル酸及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物(新日本理化(株)社製 MH700G)36.0質量部と、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:ダイセル化学工業株式会社製、CEL2021P)30.0質量部と、第4級ホスホニウムブロマイド(サンアプロ(株)社製、U−CAT5003)0.229重量部と、フェノール系酸化防止剤AO−50((株)ADEKA社製)0.534質量部とを混合して樹脂組成物(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量=0.90)を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上述の硬化操作方法により硬化物を得た。
得られた硬化物の耐UV着色性試験を実施したところ、硬化物の400nmにおける光線透過率が70%となるまでの照射時間は、220時間であった。当該照射時間は実施例2の場合の約半分であった。
また、得られた硬化物の鉛筆硬度については、2Hであった。
Claims (8)
- エポキシ樹脂と、下記式(1)で表される化合物を含むエポキシ樹脂硬化剤とを含み、
前記エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂、核水添BisA型ジグリシジルエーテル及びBisA型ジグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、エポキシ樹脂組成物。
(式(1)中、Rは、メチル基、エチル基又は水酸基を示し、nは1〜3の整数である。) - 前記エポキシ樹脂に対する前記硬化剤の当量比(硬化剤の当量/エポキシ樹脂の当量)が0.5〜1.2である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 硬化促進剤をさらに含む請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
- 酸化防止剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- UV吸収剤をさらに含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 無機充填材をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
- 請求項7記載の硬化物を含む成形体。
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