以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る眼科撮影装置の構成について説明する概略構成図である。なお、本実施形態においては、被検者眼(眼E)の軸方向をZ方向、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。眼底の表面方向をXY方向として考えても良い。
<概要>
本発明の実施形態に係る眼科撮影装置の概要について説明する。本実施形態に関わる眼科撮影装置(光コヒーレンストモグラフィーデバイス)10は、干渉光学系100、観察光学系200、表示手段(モニタ)75、操作入力手段(操作部)74、制御部(CPU)70、を備える。
干渉光学系100は、走査手段(光スキャナ)108、検出器120を有し、被検眼の断層画像を得る。光スキャナ108は、光源102から発せられた光を被検眼上で二次元的に走査する。検出器120は、光源から発せられた測定光と参照光との干渉状態を検出する。
観察光学系200は、被検眼の動画の正面像を取得するために用いられる。観察光学系200としては、被検眼に赤外光を照射し、被検眼からの反射光を受光する受光素子を有し、受光素子からの受光信号に基づいて被検眼の正面像を得るものが挙げられる。例えば、SLOや眼底カメラが挙げられる。また、観察光学系200として干渉光学系100が用いられてもよい。この場合、干渉光学系100によって取得された三次元画像に基づいて、被検眼正面像が取得される。
なお、観察光学系200がSLOや眼底カメラの場合、制御部70は、観察光学系200によって取得された正面像と、干渉光学系100によって取得された正面像(例えば、三次元画像データに基づくOCT正面像(例えば、積算画像))との位置合わせ(マッチング)する。これにより、干渉光学系100によって取得された断層像と、観察光学系200によって取得された正面像との対応付けが行われる。
操作部74は、検者によって操作される。操作部74には、例えば、マウス74a、トラックボール、タッチパネルなどのユーザーインターフェースが用いられる。
モニタ75は、例えば、PCに設けられたディスプレイ、眼科撮影装置に設けられたディスプレイが用いられる。モニタ75は、タッチパネルであってもよい。なお、モニタ75がタッチパネルである場合に、モニタ75が操作部として機能する。
本実施形態において、制御部70は、制御手段と、表示制御手段と、再撮影設定手段と、を兼ねる。もちろん、それぞれ異なる制御部が設けられる構成でもよいし、一部の制御部が兼用される構成としてもよい。
<制御動作>
制御部70は、正面像上において設定された被検眼上の異なる複数の横断位置(撮影位置)にて、前光スキャナ108を制御して、測定光を走査し、各横断位置にて干渉信号を取得する。制御部70は、取得された各横断位置における干渉信号に基づいて生成される画像をモニタ75上に表示する。制御部70は、モニタ75上の干渉信号に基づいて生成される画像に対して、操作部74からの操作信号に基づいて、少なくとも1つ以上の再撮影用横断位置を設定する。制御部70は、設定された再撮影用横断位置にて測定光を走査し前記干渉信号を取得する。
例えば、異なる複数の横断位置にて撮影を行うスキャンとしては、種々のスキャンパターンが挙げられる。例えば、マルチスキャン、ラジアルスキャン、ラスタースキャン、クロススキャン等が挙げられる。また、ラインスキャンやサークルスキャン等の組み合わせによって構成されるスキャンパターンが挙げられる。
例えば、干渉信号に基づいて生成される画像は、正面像、断層像が挙げられる。この場合、例えば、モニタ75に表示される画像としては、少なくとも、正面像又は断層像の一方が表示される構成が挙げられる。
検者は、干渉信号に基づく正面像又は断層像から再撮影用横断位置を設定してもよいし、干渉信号の基づいて取得される撮影情報から設定する構成としてもよい。例えば、撮影情報としては、異なる各横断位置(スキャンライン)毎の断層像の加算平均処理に用いられた断層像の枚数や断層像の輝度分布、層検出結果等が挙げられる。
また、例えば、再撮影用横断位置設定時において、干渉信号に基づいて生成される画像は、静止状態の画像が用いられる。この場合、例えば、再撮影用横断位置設定時において、静止状態の断層像を用いる場合、検者は、モニタ75上の静止状態の断層像を確認し、再撮影を行う断層像を選択する。そして、制御部70は、モニタ75上の静止状態の断層像に対して、操作部74からの操作信号に基づいて選択された断層像の正面像上における横断位置(撮影位置)を再撮影用横断位置として設定する。このように、検者は、各横断位置での断層像を確認して、再撮影位置を設定できるため、検者の所望する撮影位置の断層像のみを再撮影の対象として選択でき、利便性が高くなる。また、断層像を確認して、再撮影を行うため、良好に撮影できなかった撮影位置を再撮影位置として、的確に選択することできる。
本実施形態において、さらに、再撮影において、制御部70は、トラッキング制御を行う。例えば、制御部70は、異なる複数の横断位置にて干渉信号を取得する際に観察光学系200によって取得した被検眼の第1正面像と、再撮影用横断位置にて干渉信号を取得する際に観察光学系200によって取得した第2正面像と、の位置ずれを画像処理により検出し、検出結果に基づいて光スキャナ108の駆動を制御し、再撮影用横断位置にて前記干渉信号を取得する。
例えば、再撮影の設定は、撮影した断層像を確認するための確認画面にて行う。例えば、一連の撮影動作において、制御部70は、モニタ75上の表示を干渉信号の取得を行うための撮影画面と、取得した干渉信号を確認するための確認画面と、で切り換えて表示する。
この場合、例えば、制御部70は、撮影画面において、正面像上において設定された被検眼上の異なる複数の横断位置にて、光スキャナ108を制御して、測定光を走査し、各横断位置にて干渉信号を取得する。制御部70は、撮影画面から確認画面に切換え、取得された各横断位置における干渉信号に基づいて生成される画像をモニタ75上に表示する。制御部70は、確認画面において、モニタ75上の画像に対して、操作部74からの操作信号に基づいて、少なくとも1つ以上の再撮影用横断位置を設定する。
制御部70は、確認画面から撮影画面に切換え、設定された再撮影用横断位置にて測定光を走査し、干渉信号を取得する。例えば、制御部70は、撮影画面において、光スキャナ108を制御し、確認画面において再撮影用横断位置として予め設定された走査位置にて測定光を横断方向に走査する。そして、制御部70は、自動又は手動により発生される撮影開始信号に基づいて、再撮影用横断位置での断層像を静止画として取得してもよい。
このような構成とすることによって、撮影直後において、撮影した複数の断層像の内、良好でない断層像が取得された撮影位置において、再撮影を行うことができるため、再撮影を手間無くスムーズに行うことができる。
また、撮影画面と確認画面の切換には、撮影画面と確認画面が別画面上に表示される構成の他、撮影画面と確認画面を同一画面上に表示し、撮影画面と確認画面の大小を切換えることにより、撮影画面と確認画面を切換えるような構成も含まれる。
なお、確認画面を表示している状態において、制御部70は、測定光のトラッキング制御、被検眼の移動に応じた光路長調整の少なくとも何れかを実行することにより、再撮影をスムーズに実施できる。なお、あえて、確認画面では、測定光の照射を停止することにより、被検眼の負担を軽減するようにしてもよい。 再撮影後、例えば、制御部70は、再撮影前にモニタ75上の画像に対して操作部74からの操作信号に基づいて選択された横断位置の干渉信号と、再撮影用横断位置にて取得された干渉信号と、を置き換える。また、例えば、制御部70は、再撮影前にモニタ75上の画像に対して操作部74からの操作信号に基づいて選択された横断位置の干渉信号と、再撮影用横断位置にて取得された干渉信号と、を加算平均処理する。このような構成とすることによって、複数の異なる横断位置で取得された全ての断層像を良好な断層像へ変更できる。これによって、複数の異なる横断位置での撮影によって構成されるスキャンパターンでの撮影を手間無くスムーズに行うことができる。
例えば、第1正面像としては、撮影開始時に取得された正面像を用いる構成が挙げられる。また、例えば、第1正面像としては、第2正面像より前に取得された正面像であればよい。例えば、正面像が取得されるたびに、新たに取得された正面像の1つ前に取得された正面像を第1正面像とするように、第1正面像を更新して設定いく構成が挙げられる。
例えば、第2正面像としては、リアルタイムに取得されている現在の正面像を用いる構成が挙げられる。
なお、本実施形態においては、上記実施形態に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う眼科撮影ソフトウェア(プログラム)をネットワークや各種記憶媒体を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置のコンピュータ(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。
例えば、光源から発せられた光を被検眼上で走査するための光スキャナ108と、光源から発せられた測定光と参照光との干渉信号を検出する検出器120と、を有し、被検眼の断層像を得るための干渉光学系100と、被検眼の正面像を取得する観察光学系200と、を備える眼科撮影装置10の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムが挙げられる。この場合、眼科撮影プログラムは、制御装置のプロセッサによって実行されることで、観察光学系200によって取得された正面像上において設定された被検眼上の異なる複数の横断位置にて、光スキャナ108を制御して、測定光を走査し、各横断位置にて干渉信号を取得する制御ステップと、制御ステップによって取得された異なる複数の横断位置における干渉信号に基づいて生成される画像をモニタ75上に表示する表示制御ステップと、モニタ75上の画像に対して、操作部74からの操作信号に基づいて、少なくとも1つ以上の再撮影用横断位置を設定する再撮影設定ステップと、再撮影設定ステップによって設定された前記再撮影用横断位置にて測定光を走査し、前記干渉信号を再取得する再撮影制御ステップと、を制御装置に実行させる。
<実施例>
以下、本実施形態に係る実施例を図面に基づいて説明する。図1は本実施例に係る眼科撮影装置の構成について説明する概略構成図である。以下の説明においては、眼科撮影装置として、被検眼の眼底撮影を行う眼底撮影装置を例に挙げて説明を行う。もちろん、眼科撮影装置としては、眼底撮影装置に限定されず、被検眼の前眼部撮影を行う前眼部撮影装置等が挙げられる。
装置構成の概略を説明する。本装置は、被検者眼Eの眼底Efの断層像を撮影するための光コヒーレンストモグラフィーデバイス(OCTデバイス)10である。OCTデバイス10は、干渉光学系(OCT光学系)100と、正面観察光学系200と、固視標投影ユニット300と、演算制御部(CPU)70と、を含む。
OCT光学系100は、眼底に測定光を照射する。OCT光学系100は、眼底から反射された測定光と、参照光との干渉状態を受光素子(検出器120)によって検出する。OCT光学系100は、眼底Ef上の撮像位置を変更するため、眼底Ef上における測定光の照射位置を変更する照射位置変更ユニット(例えば、光スキャナ108、固視標投影ユニット300)を備える。制御部70は、設定された撮像位置情報に基づいて照射位置変更ユニットの動作を制御し、検出器120からの受光信号に基づいて断層像を取得する。
<OCT光学系>
OCT光学系100は、いわゆる眼科用光干渉断層計(OCT:Optical coherence tomography)の装置構成を持ち、眼Eの断層像を撮像する。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー(光分割器)104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系100は、測定光学系106によって測定光を眼Eの眼底Efに導き,また、参照光を参照光学系110に導く。その後、眼底Efによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器(受光素子)120に受光させる。
検出器120は、測定光と参照光との干渉状態を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。例えば、Spectral-domain OCT(SD−OCT)、Swept-source OCT(SS−OCT)が挙げられる。また、Time-domain OCT(TD−OCT)であってもよい。
光スキャナ108は、測定光源から発せられた光を被検眼眼底上で走査させる。例えば、光スキャナ108は、眼底上で二次元的(XY方向(横断方向))に測定光を走査させる。光スキャナ108は、瞳孔と略共役な位置に配置される。光スキャナ108は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構50によって任意に調整される。
これにより、光源102から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。これにより、眼底Ef上における撮像位置が変更される。光スキャナ108としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。
参照光学系110は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー104に戻し、検出器120に導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。
参照光学系110は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
<正面観察光学系>
正面観察光学系(正面像観察デバイス)200は、眼底Efの正面画像を得るために設けられている。観察光学系200は、例えば、光源から発せられた測定光(例えば、赤外光)を眼底上で二次元的に走査させる光スキャナと、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザ検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。
なお、観察光学系200の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。また、OCT光学系100は、観察光学系200を兼用してもよい。すなわち、正面画像は、二次元的に得られた断層像を形成するデータを用いて取得されるようにしてもよい(例えば、三次元断層像の深さ方向への積算画像、XY各位置でのスペクトルデータの積算値、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データ、網膜表層画像、等)。
<固視標投影ユニット>
固視標投影ユニット300は、眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。投影ユニット300は、眼Eに呈示する固視標を有し、複数の方向に眼Eを誘導できる。
例えば、固視標投影ユニット300は、可視光を発する可視光源を有し、視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これにより、視線方向が変更され、結果的に撮像部位が変更される。例えば、撮影光軸と同方向から固視標が呈示されると、眼底の中心部が撮像部位として設定される。また、撮影光軸に対して固視標が上方に呈示されると、眼底の上部が撮像部位として設定される。すなわち、撮影光軸に対する視標の位置に応じて撮影部位が変更される。
固視標投影ユニット300としては、例えば、マトリクス状に配列されたLEDの点灯位置により固視位置を調整する構成、光源からの光を光スキャナを用いて走査させ、光源の点灯制御により固視位置を調整する構成、等、種々の構成が考えられる。また、投影ユニット300は、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
<制御部>
制御部70は、各構成100〜300の各部材など、装置全体を制御する。また、制御部70は、取得された画像を処理する画像処理部、取得された画像を解析する画像解析部、などを兼用する。制御部70は、一般的なCPU(Central Processing Unit)等で実現される。制御部70は、以下に示すように、断層像に基づいて眼底Efを解析する。
制御部70は、OCT光学系100の検出器120から出力される受光信号に基づいて画像処理により断層像を取得すると共に、正面観察光学系200の受光素子から出力される受光信号に基づいて正面像を取得する。また、制御部70は、固視標投影ユニット300を制御して固視位置を変更する。
メモリ(記憶部)72、モニタ75、コントロール部(操作部)74は、それぞれ制御部70と電気的に接続されている。制御部70は、モニタ75の表示画面を制御する。取得された眼底像は、モニタ75に静止画又は動画として出力される他、メモリ72に記憶される。メモリ72は、例えば、撮影された断層像(例えば、三次元断層像)、正面画像、各断層像の撮影位置情報等の撮影に係る各種情報を記録する。また、メモリ72は、眼科撮影装置の動作を制御するための制御プログラム(眼科撮影プログラム)を記憶している。制御部70は、操作部74から出力される操作信号に基づいて、OCT光学系100、正面観察光学系200、固視標投影ユニット300の各部材を制御する。操作部74は、検者によって操作される操作部材としてマウス74a、操作ノブ74b、74c等が接続されている。
なお、マウス74aには、検者の手によってマウス74a本体が二次元的に移動されたときの移動信号を検出するセンサと、検者の手によって、押圧されたことを検知するための左右2つのマウスボタンと、左右2つのマウスボタンの間に前後方向に回転可能なホイール機構とが設けられている。
なお、操作ノブ74b、74cは、左右方向に回転可能な構成となっている。
モニタ75は、装置本体に搭載された表示モニタであってもよいし、パーソナルコンピュータの表示モニタであってもよい。また、これらが併用された構成であってもよい。
<制御動作>
以上のような構成を備える装置において、その制御動作について説明する。図2は、制御動作の流れについて説明するフローチャートである。制御部70は、メモリ72に記憶された制御プログラムに従って、図2に示す処理を実行する。検者は、固視標投影ユニット300の固視標を注視するように被検者に指示した後、図示無き前眼部観察用カメラで撮影される前眼部観察像をモニタ75で見ながら、被検眼の瞳孔中心に測定光軸がくるように、操作部74(例えば、図示無きジョイスティック)を用いて、アライメント操作を行う。
そして、制御部70は、光スキャナ108の駆動を制御し、眼底上で測定光を所定方向に関して走査させ、走査中に検出器120から出力される出力信号から所定の走査領域に対応する受光信号を取得して断層像を形成する。また、制御部70は、OCT光学系100を制御し、断層像を取得すると共に、観察光学系200を制御し、眼底正面像を取得する。そして、制御部70は、OCT光学系100によって断層像、観察光学系200によって眼底正面像(正面像)を随時取得する。
なお、本実施例においては、異なる横断位置での複数のスキャンを組み合わせて構成されたスキャンパターンで断層像が取得される。以下の説明においては、スキャンパターンとして、マルチスキャンを例に挙げて説明をする。本実施例のマルチスキャンとしては、例えば、縦方向に5ライン、横方向に5ラインのスキャンラインによって構成されるマルチスキャンを例に挙げて説明する。もちろん、スキャンラインのライン数は、これに限定されず、変更可能である。なお、本発明は、マルチスキャンへの適用のみに限定されない。異なる横断位置での複数のスキャンを組み合わせて構成されたスキャンパターンに適用可能である。例えば、ラスタースキャン、ラジアルスキャン、クロススキャン等に適用可能である。
図3は、マルチスキャンにて撮影を行う場合におけるモニタ75に表示される撮影画面の一例を示す図である。制御部70は、モニタ75上に、観察光学系200によって取得された正面像20、指標25、断層像30、を表示する。指標25は、正面像20上における断層像の測定位置(取得位置)及びスキャンパターンを表す指標である。すなわち、スキャンパターンが変更されると、制御部70は、変更されたスキャンパターンに基づいて、指標の表示パターンを変更する。指標25は、モニタ75上の正面像上に電気的に重畳表示される。
断層像30としては、例えば、第1断層像30aと第2断層像30bがモニタ75上に表示される。例えば、第1断層像30aは、指標25を横方向(X方向)に通過する切断位置にて取得される断層像を示している。また、例えば、第2断層像30bは、指標25を縦方向(Y方向)に通過する切断位置にて取得される断層像を示している。
なお、本実施例において、マルチスキャンの撮影時における初期設定として、撮影画面の第1断層像30a及び第2断層像30bに表示される断層像は、マルチスキャンの中心位置26における横方向及び縦方向のスキャンの断層像を表示する構成としている。もちろん、異なるスキャン位置の画像が撮影時に表示されるようにしてもよい。また、第1断層像30a及び第2断層像30bに表示される断層像は、操作部の操作によって、変更可能である。例えば、マウス74aを操作し、検者が断層像の確認したい位置におけるスキャンラインを選択すると、選択されたスキャンラインで取得される断層像へと表示が変更される。
以下、断層像の撮影方法について説明する。図3に示されるように、断層像及び正面像が同一画面上に表示されたら、検者は、リアルタイムで観察されるモニタ75上の正面像から検者の撮影したい断層像の位置を設定する。ここで、検者は、マウス74aを用いて、ドラッグ操作を行うことによって、正面像に対して指標25を移動させていき、走査位置を設定する。
検者によって指標25が正面像20に対して移動されると、制御部70は、随時走査位置の設定を行い、これに対応する走査位置の断層像を取得する。そして、取得された断層画像を随時モニタ75の表示画面上に表示する。また、制御部70は、マウス74aから出力される操作信号に基づいて測定光の走査位置を変更すると共に、変更された走査位置に対応する表示位置に指標25を表示する。なお、走査位置の変更とともに、スキャンスキャンパターン設定欄35を操作部74によって選択することによって、スキャンパターンを変更することが可能である。
検者によって、スキャンパターンや走査位置等が設定され、図示無き撮影スイッチが選択されると、制御部70は、設定された走査位置に基づいて、正面像及び断層像の取得を行う。
制御部70は、マルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像と、その正面像上で設定されたマルチスキャンの走査位置の情報をメモリ72に記憶させる。なお、正面像は、再撮影時のトラッキング制御時に用いられる(詳細は後述する)。
また、制御部70は、正面像20上に設定された指標25の表示位置に基づいて、指標25の位置に対応する眼底の断層像が得られるように、光スキャナ108を駆動させて測定光を走査させる。なお、指標25の表示位置(モニタ75上における座標位置)と光スキャナ108による測定光の走査位置との関係は、予め定まっているので、制御部70は、設定した指標25の表示位置に対応する走査範囲に対して測定光が走査されるように、光スキャナ108の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する。
断層像の取得時において、制御部70は、複数のスキャンで構成されるスキャンパターンでの撮影の場合、各スキャン毎に順に断層像の取得を行う。例えば、上記記載のマルチスキャンで撮影を行う場合、横方向の全てのスキャンラインでの撮影を完了した後、縦方向の全てのスキャンラインでの撮影を行う。例えば、横方向の各スキャンラインでの撮影を行っていく場合、上端に位置するスキャンラインから順に下方向に向けて撮影を行っていく。すなわち、指標25における横方向上端の指標25aから下端の指標25bに向けて順に横方向の撮影を行っていく。
このとき、各スキャンラインでの断層像の撮影を複数回行う。例えば、上端の指標25aの位置での撮影を複数回行った後、次のスキャンラインの撮影位置へと移行をする。例えば、制御部70は、各スキャンラインで複数の断層像を取得しながら、断層像間の加算平均処理を行い、各スキャンライン毎に複数の断層像から加算平均画像を取得する。
ここで、加算平均処理について説明する。例えば、制御部70は、OCT光学系100よって取得された複数の断層像を加算平均処理することにより加算平均画像を取得する。制御部70は、各スキャンライン毎に、各スキャンラインの位置において、最初に取得された断層像を基準画像として設定し、加算平均処理を行う。制御部70は、各スキャンラインの位置で取得された断層像毎に、基準画像とその他の複数の断層像とのずれを画像処理により検出する。そして、制御部70は、ずれ検出結果に基づいて、加算処理の適否を判定処理すると共に、基準画像と各断層像とのずれを補正し、基準画像に対して複数の断層像を加算処理していく。なお、本実施形態においては、基準画像を最初に取得された正面像(最新の撮影画像)に設定したがこれに限定されない。例えば、複数の断層像の内で加算処理の基準とする基準画像設定をしてもよい。
制御部70は、基準画像に対して断層像を順に加算平均処理していく。そして、各断層像と基準画像とのずれ量を断層像毎に検出し、基準画像に対して各断層像の位置合わせを行う。すなわち、基準画像と各断層像を比較して、基準画像に対する各断層像の位置ずれ方向及び位置ずれ量を断層像毎に、画像処理により検出する。
ずれ量の検出方法としては、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)を用いることが可能である。
例えば、所定の基準画像(最初に取得した断層像)又は対象画像(基準画像を除く断層像)を1画素ずつ位置ずれさせ、基準画像と対象画像を比較し、両データが最も一致したとき(相関が最も高くなるとき)の両データ間の位置ずれ方向及び位置ずれ量を検出する手法が考えられる。また、所定の基準画像及び対象画像から共通する特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置ずれ方向及び位置ずれ量を検出する手法が考えられる。
本実施例においては、基準画像に対する各正面像を1画素単位でずらしながら、相関値(値が大きいほど画像間の相関が高くなる(最大1))を逐次算出する。そして、制御部70は、相関値が最大となるときの画素の偏位量(ずらした画素数)を位置ずれ量とし、また、ずらした方向を位置ずれ方向として算出する。
判定方法として、ずれ検出時に算出した相関値を用いて判定を行う。例えば、相関値が所定の閾値(例えば、0.4)より小さい場合に、加算処理に用いる断層像の対象から除外する。すなわち、相関値が小さい場合には、固視微動や装置と眼の間のずれ等が原因となって、基準画像と断層像で、撮影領域が大きく異なっている可能性が高い。なお、加算処理に用いる画像として、適正な画像であるか否かの判定においてはこれに限定されない。例えば、検出される位置ずれ量が許容範囲を超えた正面像を加算処理の対象から除外するようにしてもよい。
以上のように、位置ずれ量及び位置ずれ方向が検出され、加算処理に用いる画像としての適否が判定される。そして、制御部70は、加算処理用の画像として適正であると判定された画像に対して、位置ずれが補正されるように、位置ずれ量分、各正面像を基準画像に対して、それぞれ偏位させる。そして、位置ずれ補正後、制御部70は、基準画像に対して、断層像の画素値を加算させる。
このように、各スキャンラインでの複数の断層像を用いて、加算平均処理することによって、取得される断層像の画質が向上する。
横方向の撮影完了後、横方向の撮影と同様にして、縦方向の各スキャンラインでの撮影を行っていく。例えば、縦方向の各スキャンラインでの撮影を行っていく場合、左端に位置するスキャンラインから順に右方向に向けて撮影を行っていく。すなわち、指標25における縦方向の左端の指標25cから右端指標25dに向けて順に縦方向の撮影を行っていく。なお、撮影順序は上記に限定されない。例えば、縦方向のスキャンラインでの撮影が完了した後、横方向のスキャンラインでの撮影を行う構成としてもよい。また、縦方向と横方向のスキャンラインでの撮影が交互に行われる構成としてもよいし、複数の撮影毎に縦方向と横方向のスキャンラインでの撮影が切り換わる構成としてもよい。
上記のようにして、撮影が完了すると、制御部70は、取得した断層像をメモリ72に記憶させる。そして、制御部70は、モニタ75上の表示を撮影画面から確認画面へ変更する。図4は、マルチスキャンでの撮影後の確認画面の一例を示す図である。制御部70は、メモリ72より正面像及び断層像を呼び出す。制御部70は、モニタ75上に、正面像20、指標25、断層像30、を表示する。
例えば、確認画面に表示される正面像20は、マルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像が表示される。また、例えば、確認画面の第1断層像30a及び第2断層像30bに表示される断層像は、マルチスキャンの中心位置における横方向(第1断層像)及び縦方向(第2断層像)のスキャンの断層像を表示する構成としている。もちろん、異なるスキャン位置の画像が確認画面にて取得画像として表示されるようにしてもよい。なお、確認画面に表示される断層像は、加算平均処理によって取得された断層像が表示される。このとき、例えば、各スキャンラインでの断層像の加算平均処理に用いられた断層像の枚数が表示されるようにしてもよい。また、各スキャンラインでの全ての断層像の数と、撮影された断層像の内、加算平均処理が行われた断層像の数が表示されるようにしてもよい。また、断層像と正面像のスキャンラインとの対応関係が把握できるように、各スキャンライン毎に番号を付与し、各スキャンラインに対応する断層像に各スキャンラインと同様の番号を付与する構成としてもよい。
また、第1断層像30a上には、マルチスキャンを構成する複数の横方向のスキャンラインの内、第1断層像30aを取得している位置のスキャンラインを示すスキャン表示31が表示される。例えば、第1断層像30aが指標25の中心位置26を横方向に通過する切断位置にて取得される断層像である場合、スキャン表示31は、マルチスキャンを構成している複数の横方向のスキャンラインの内、中心位置のスキャンラインを示すように表示される。また、第2断層像30b上には、マルチスキャンを構成する複数の縦方向のスキャンラインの内、第2断層像30bを取得している位置のスキャンラインを示すスキャン表示32が表示される。
ここで、検者は、各スキャンラインでの撮影が良好に完了しているか確認を行う。例えば、検者は、マウス74aを操作し、モニタ75上において、図示無きポインタ(例えば、矢印、十字マーク等)を移動させ、第1断層像30a又は第2断層像30bの断層像を選択する。検者によって、断層像が選択されると、制御部70は、選択された断層像を囲むようにフレームFを表示する。この状態で、検者がマウス74aを用いてスクロール操作を行うことによって、表示された断層像が他の断層像の表示へと変更される。例えば、第1断層像30aに、横方向のスキャンラインでの撮影された断層像の内、中心位置の断層像が表示されていた場合、検者によってスクロール操作が行われると、第1断層像30aに表示された断層像が中心位置から上方向又は下方向のスキャンラインの位置で撮影された断層像へ変更される。また、表示される断層像の変更にとともに、断層像の取得位置を示すスキャン表示31,32の表示を対応するスキャンライン位置を示す表示へと変更する。
なお、本実施例においては、スクロール操作によって断層像が変更される構成としたがこれに限定されない。例えば、撮影された断層像が全て一覧表示される構成としてもよい。
図5は、第1断層像30aの断層像を変更後の確認画面の一例を示す図である。例えば、図5に示されるように、スキャンライン28の位置で取得された断層像が良好に撮影取得されていない場合、第1断層像30aには、良好な断層像が表示されない。このように、検者は、第1断層像30a及び第2断層像30bを変更して、取得された断層像を確認することによって、撮影が良好に行われたかどうかを確認することができる。
検者によって、マウス74aが操作され、各スキャンラインでの断層像の確認を行い、良好に撮影が行われていないスキャンラインを確認した場合、そのスキャンラインの位置で再撮影を行うことができる。なお、以下の再撮影の説明においては、スキャンライン28の位置にて良好に撮影が行われなかった場合を例として説明をする。
例えば、検者によって、マウス74aが操作され、断層像を確認して、再撮影を行うスキャンラインを選択する。例えば、検者によって、良好に撮影が行われなかったスキャンライン28が選択されると、制御部70は、指標25の内、選択されたスキャンライン28の色を変更する(図には記載しない)。もちろん、選択されたスキャンラインと選択されていないスキャンラインが異なる表示で表わされる構成であればよい。例えば、スキャンラインのサイズや形状等を変更する構成であってもよい。
検者によって、再撮影を行うスキャンライン28の選択が完了し、再撮影スイッチ34が選択されると、制御部70は、選択されたスキャンライン28の撮影位置において、再撮影を行うために、モニタ75の表示を確認画面から撮影画面へと変更する。なお、本実施例においては、1つのスキャンラインの再撮影を行う構成としたがこれに限定されない。複数のスキャンラインをまとめて選択して、再撮影を行う構成としてもよい。この場合、例えば、複数のスキャンラインが選択され、選択されたスキャンラインが再撮影の候補として設定される。そして、再撮影スイッチ34が選択されると、候補として設定された全ての断層像に対応する位置での、再撮影を行うようにする。
図6は、再撮影を行う場合におけるモニタ75に表示される撮影画面の一例を示す図である。例えば、モニタ75上には、正面像60、断層像65が表示される。正面像60には、現在取得中の正面像が表示されている。断層像65には、再撮影を行うスキャンラインとして選択されたスキャンライン28の位置で取得されている断層像が表示される。
このとき、被検眼の固視微動等によって、正面像が走査位置(撮影位置)に対してずれた場合、走査位置を設定した位置と同一の位置の断層像を取得するためには、走査位置を補正する必要がある。例えば、過去に撮影した際(マルチスキャン撮影時)のスキャンライン28の位置と、再撮影をする際のスキャンライン28の位置とで、撮影位置が異なる位置で撮影してしまうことがある。このため、制御部70は、トラッキング制御を行う。
以下、トラッキング制御について説明する。制御部70は、メモリ72に記憶されたマルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像と、その正面像上で設定されたマルチスキャンの走査位置情報を用いて、再撮影時の走査位置の補正を行う。制御部70は、まず、メモリ72に記憶された正面像と現在の正面像とを比較する。制御部70は、マルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像に対する現在の正面画像の位置ずれ方向及び位置ずれ量を画像処理により検出(演算)する。
制御部70は、マルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像データを基準画像とし、その基準画像とリアルタイムで取得される正面像との位置ずれを算出する。これにより、マルチスキャンでの撮影開始時に取得した正面像に対する位置ずれ情報が得られる。
上記のようにして、位置ずれが検出されると、制御部70は、過去に撮影した際のスキャンライン28の位置と、再撮影をする際のスキャンライン28の位置との位置ずれが補正されるように、光スキャナ108の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する。これによって、走査位置が補正される。このようにして、被検眼がずれた場合であっても、走査位置が補正され、常時、撮影位置を設定した部位と同一の部位の断層像が取得される。
ここで、検者によって、図示無き撮影スイッチが選択されると、制御部70は、スキャンライン28の位置における断層像を取得し、メモリ72に記憶させる。なお、複数のスキャンラインの位置において再撮影を行う場合、図示無き撮影スイッチが選択されると、各スキャンラインでの撮影が順に行われる。
なお、本実施例においては、位置ずれが補正されるように、光スキャナ108の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する構成としたがこれに限定されない。位置ずれが無くなり、基準画像とリアルタイムで取得される正面像が一致するまで、撮影を待機する構成としてもよい。この場合、基準画像とリアルタイムで取得される正面像が一致した際に、撮影が行われる構成や、一致した旨を報知し撮影を開始するタイミングを検者に報知する構成が挙げられる。
なお、上記トラッキング制御において、2つの画像間の位置ずれを検出する手法としては、上記記載の加算平均処理と同様にして、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)を用いることが可能である。
上記のようにして、再撮影が完了すると、制御部70は、モニタ75上の表示を撮影画面から確認画面へ変更する。図7は、再撮影後の確認画面の一例を示す図である。制御部70は、再撮影を行った断層像のデータと、再撮影前の断層像データと、を置き換える。
すなわち、制御部70は、再撮影を行うスキャンラインとして選択したスキャンライン28の撮影位置(横断位置)での断層像を、再撮影時に取得された断層像に変更する。そして、図7に示されるように、第1断層像30aにスキャンライン28の撮影位置に対応する断層像が表示されるようになる。これによって、マルチスキャンによって取得された各スキャンラインの断層像が全て良好な断層像となる。
なお、本実施例においては、再撮影を行った断層像のデータと、再撮影前の断層像データと、を置き換える構成としたがこれに限定されない。例えば、再撮影を行った断層像のデータと、再撮影前の断層像データと、を加算平均処理し、良好な断層像を取得する構成としてもよい。
検者は、再撮影が完了し、マルチスキャン全てのスキャンラインでの断層像が良好に撮影されたことを確認すると、撮影完了スイッチ36を選択する。検者によって、撮影完了スイッチ36が選択されると、制御部70は、モニタ75の表示を確認画面から撮影画面へと変更し、次の撮影を行うことができる状態にする。図8は、撮影完了後の撮影画面の一例を示す図である。制御部70は、撮影の完了した撮影データを撮影完了リスト37に表示する。検者によって、最終的に解析等に使用するために、撮影完了リスト37からメモリ72に記憶させた状態を維持するものと、メモリ72から削除する撮影データとが選択される。例えば、メモリ72に保存しておきたい撮影データにおいては、撮影データを選択し、図示無き決定スイッチを選択する。なお、再撮影において、撮影完了リスト37より再撮影を行う撮影を選択する構成としてもよい。この場合、撮影完了リスト37より再撮影を行う撮影をクリック操作等によって、選択する。制御部70は、選択された撮影に関してデータをメモリ72より呼び出し、その確認画面を表示する。これによって、確認画面より再撮影を行うスキャンラインを選択し、再撮影が可能となる。
図示無き決定スイッチを選択スイッチが選択されると、制御部70は、撮影を終了する。そして、モニタ75の表示を確認画面から解析画面へと変更する。解析画面では、取得した画像とともに、断層像の解析結果(例えば、層検出結果や層の厚みマップ等)が表示される。検者は解析結果を確認して、病変等の診断やフォローアップ撮影等の設定を行う。
以上のようにして、複数のスキャンを組み合わせて構成されたスキャンパターンにて、撮影を行う場合、再撮影を行いたい撮影位置のみの撮影を行うことが可能となるため、再撮影時間を短縮することができる。また、再撮影時において、トラッキング制御によって、精度よく、同一の撮影位置(横断位置)を撮影できる。
<変容例>
本実施例において、再撮影時において、検者は、撮影条件(例えば、走査条件)を変更できる。検者は、操作部74を操作することによって、撮影条件を変更することができる。以下、走査条件の変更を例に挙げて撮影条件の変更について説明する。走査条件の変更としては、スキャン長(スキャンの幅)、スキャンのパターン(走査パターン)、スキャンパターンの回転角度(走査中心を中心としてラインが回転される)、等の変更が挙げられる。走査条件が設定されると、制御部70は、予め取得された正面像(基準画像)と、現在の正面像と、を比較して、基準画像に対する現在の正面像の位置ずれ方向及び位置ずれ量を画像処理により検出(演算)する。
例えば、スキャンパターンを変更する場合、検者は、マウス74aを操作し、モニタ75上に表示されているスキャンパターン設定欄35より所望する走査パターンを選択し、走査パターンの変更を行う。スキャンパターン設定欄35には、種々の走査パターンが列挙されている。例えば、走査パターンとしては、クロス(十字)スキャン、サークルスキャン、ラスタースキャン、ラジアルスキャン等が考えられる。
検者によって、マウス74aが操作され、モニタ75上に表示されているスキャンパターン設定欄35の内、所定の走査パターンが選択されると、制御部70は、選択された走査パターンへの変更を行う。このとき、予め、スキャンパターン毎に走査中心位置が設定されており、制御部70は、過去のスキャンパターンの走査中心位置と、選択したスキャンパターンの走査中心位置とが一致するように、スキャンパターンを変更する。これによって、眼底上の同一部位に関する断層像が、異なるスキャンパターンにて取得される。
制御部70は、上記のような走査条件の変更後においても、トラッキング制御を継続する。走査条件が変更されると、制御部70は、例えば、走査条件変更前での走査位置の補正(トラッキング)に用いた正面像と、現在の正面画像と、を比較して、正面像に対する現在の正面像の位置ずれを画像処理により検出(演算)する。位置ずれが検出されると、制御部70は、走査条件変更後における走査位置のずれが補正されるように、光スキャナ108の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する。これによって、走査条件変更後における走査位置が補正される。
なお、再撮影時において、走査条件を変更する際に、複数の走査条件にて再撮影を行う構成としてもよい。この場合、設定された走査条件にて順に撮影が行われ、断層像が取得される。
なお、再撮影時の撮影位置の選択時において、再撮影前に所定のスキャンパターンによって取得した干渉信号に基づいて構築した断層像を表示するだけでなく、取得した干渉信号に基づいて異なるスキャンパターンの断層像を再構築し、表示するようにしてもよい。例えば、ラスタースキャンによって取得した断層像を表示するだけでなく、ラスタースキャンによって取得された干渉信号に基づいて、サークルスキャンの断層像を構築する。すなわち、共通の干渉信号から異なるスキャンパターンの断層像を構築し、表示する。このような構成によって、検者が所望する部位に関する断層像をより多くのパターンで確認することができるため、再撮影を行う部位の選択において、有用となる。
なお、本実施例においては、再撮影時に、走査条件の変更を例として挙げたがこれに限定されない。撮影条件に関する変更に対して、本発明は適用可能である。例えば、再撮影時において、被検者の固視が安定しない場合等に、固視標の条件(例えば、固視標のパターン、固視標の大きさ、固視位置、)を変更するようにしてもよい。
このように、再撮影時において、走査条件が変更可能であるため、走査条件を変更した際に、再度、走査位置を調整しなくてよい。このため、眼底上の同一部位(例えば、病変部)における断層像を様々なスキャンパターンにて容易に取得でき、手間とならない。また、眼底上の異なる部位の走査位置を設定しまうことを回避することができ、精度良く走査を行うことができる。また、同一部位から走査位置がずれることなく、撮影部位に応じたスキャンパターンに変更できるため、利便性が高い。また、再撮影前の撮影によって取得された断層像を観察して、所定の目標部位について詳細な撮影を行いたい場合に、詳細な撮影を行いたい領域を選択し、その部分に関して異なるスキャンパターンで撮影を行うことができる。このため、取得した種々の断層像から、選択部位に関してより詳細な情報を取得することが可能となる。
なお、本実施例においては、再撮影を行うスキャンラインを選択する構成としたがこれに限定されない。例えば、断層像を選択する構成としてもよい。例えば、断層像の選択方法としては、フレームFによって、囲まれた断層像を選択された断層像として取り扱う構成が挙げられる。断層像を選択する場合、マウス74aのクリック操作によって、選択される構成としてもよい。このとき、例えば、クリック操作を行った断層像が再撮影の候補として設定され、再撮影スイッチ34が選択されると、候補として設定された全ての断層像に対応する位置での再撮影を行う構成としてもよい。また、ダブルクリック操作によって、選択された断層像の再撮影が行われる構成としてもよい。また、これらの断層像の選択において、選択された断層像に対応するスキャンラインの色が変更される構成としてもよい。また、再撮影用に設定した断層像を表示している際には、フレームFの色を選択していない断層像と異なる色へと変更して表示する構成としてもよい。
また、再撮影を行うスキャンラインを選択する構成としては、干渉信号に基づいて生成される画像を用いる構成が挙げられる。例えば、横方向の複数のラインスキャンによって構成されるラスタースキャンによって取得された干渉信号に基づいて、OCT正面像を取得する。なお、OCT正面像は、断層像に基づいて取得されているため、OCT正面像の各位置とOCTによって取得された断層像は対応づけされている。この場合、例えば、検者は、OCT正面像を確認し、OCT正面像のデータが表示されていない部分のスキャンラインを選択して、再撮影を行う方法が挙げられる。なお、OCT正面像の取得方法は、測定光を二次元的に走査させ、XY各点について受光素子からの干渉信号のスペクトル強度を積算する方法が挙げられる。
なお、ラスタースキャン時には、ラスタースキャンを行った後に、縦方向のラインスキャンを行い、その断層像を取得する。そして、縦方向のラインスキャンによって取得された断層像を確認することで、複数の横方向のラインスキャンの内で、断層像を良好に取得できなかった撮影位置を容易に確認することができる。すなわち、縦方向のラインスキャンによって取得された断層像において、データの欠損部位を確認し、その部位に関する再撮影を行うように、スキャンラインを選択する構成としてもよい。
また、再撮影を行うスキャンラインを選択する構成としては、撮影情報に基づいて行う構成としてもよい。例えば、撮影情報としては、加算平均処理に関する情報、断層像の層検出結果、断層像の輝度情報等が挙げられる。例えば、検者は、各スキャンライン毎に表示される加算平均処理に用いられた断層像の加算平均処理枚数から、枚数の少ないスキャンラインを選択して、再撮影を行う構成が挙げられる。また、例えば、断層像の輝度情報を各スキャンライン毎に表示する。そして、検者は、輝度値が小さいスキャンラインを選択して、再撮影を行う構成等が挙げられる。なお、撮影情報の値に応じて、色分け表示するようにしてもよい。例えば、加算平均枚数が所定の閾値より小さい場合には、赤色で表示し、所定の閾値以上であれば、緑色で表示する構成とすればよい。
なお、本実施例においては、検者が断層像等を確認して、再撮影を行うスキャンラインを選択する構成としたがこれに限定されない。所定の条件に基づいて、自動的に再撮影を行ったほうがよいスキャンラインを抽出し、検者に提示する構成としてもよい。例えば、制御部70は、取得された断層像より各スキャンライン毎に加算平均処理に用いられた断層像の枚数から、所定の枚数に到達していなかったスキャンラインを抽出する構成が挙げられる。また、断層像の輝度情報を取得し、輝度値が所定の閾値を満たしていないスキャンラインを再撮影を行った方がよいスキャンラインとして抽出する構成が挙げられる。このような構成とすることによって、検者の手間が軽減され、再撮影をスムーズに行うことができる。また、再撮影を行うべき断層像を取り忘れるミスを低減することができる。
なお、本実施例において、各スキャンラインでの撮影位置で複数の断層像を撮影する際に、トラッキング制御を行うとよりよい。この場合、制御部70は、撮影開始時に取得した正面像と、撮影中に随時取得される現在の正面像とを比較し、撮影開始時の正面像に対する現在の正面像の位置ずれを画像処理により検出(演算)する。位置ずれが検出されると、制御部70は、走査条件変更後における走査位置のずれが補正されるように、光スキャナ108の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する。このような構成とすることよって、各スキャンラインでの複数の断層像を同一部位にて精度よく撮影する。これによって、加算平均処理に用いることのできる断層像が増加し、取得される断層像の画質の向上に繋がる。また、検者によって選択された撮影位置と異なる部位を撮影してしまう可能性を低くし、断層像の取得ミスの低減に繋がる。
なお、本実施例において、再撮影位置を所定の領域で設定する構成としてもよい。例えば、ラスタースキャンで撮影した断層像において、隣接する複数のラインスキャンを選択したい場合に、検者は、マウス74aのドラック操作によって、正面像上において所定の領域を選択する。そして、制御部70が選択された領域に含まれるスキャンラインの断層像の再撮影が行う構成としてもよい。
なお、本実施例においては、眼科撮影装置として、眼底を撮影する光断層像撮影装置について説明したがこれに限定されない。本発明は、前眼部の断層像を撮影する光断層像撮影装置においても、適用可能である。
なお、本発明においては、本実施例に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施例の機能を行う眼科撮影ソフトウェア(プログラム)をネットワークや各種記憶媒体を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置のコンピュータ(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。