(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの構成を示す図である。この蓄電池システムは、再生可能エネルギの一つである風力を利用した発電電力の変動を緩和するためのシステムであり、風力発電機110と送配電システム108の間に設けられた母線109に接続されている。図1に示す蓄電池システムは、複数の蓄電池セル101を直列接続してそれぞれ構成された2つの蓄電池ストリング111をそれぞれ有する複数の蓄電池バンク112と、各蓄電池バンク112にそれぞれ接続された複数の変換器102と、平準化制御装置103とを備える。
なお、図1では複数の蓄電池セル101を直列接続して蓄電池ストリング111を構成しているが、1つの蓄電池セル101を蓄電池ストリング111として用いてもよい。また、蓄電池バンク112は2つの蓄電池ストリング111を有しているが、3つ以上の蓄電池ストリング111を蓄電池バンク112内に設けてもよい。
風力発電機110は、回転翼等により風力を受けて得た発電機駆動力により発電を行い、発電によって得られた電力を母線109を介して送配電システム108に出力する。この風力発電機110で発電される電力量は、風力に応じて変化するために変動が大きい。こうした風力発電機110による発電電力の変動の緩和を行わずに、外部の送配電システム108と連系させることは、送配電システム108に与える影響を考慮すると、困難な場合が多い。そこで、本実施形態の蓄電池システムは、平準化制御装置103により変換器102を制御して蓄電池バンク112の充放電を行うことで、このような発電電力の変動を緩和する。
ここで、複数の蓄電池セル101を直列接続して蓄電池ストリング111としているのは、変換器102において十分に効率的な変換を行えるように、所定の充放電電圧を確保するためである。また、蓄電池バンク112内の2つの蓄電池ストリング111は、1つの変換器102に対して並列に接続されている。これは、単一の蓄電池セル101の大容量化には限界があるため、1つの変換器102あたりの電流量に対応する充放電電流を並列化によって確保するためである。
蓄電池バンク112内には、各蓄電池ストリング111に流れる電流を検出するための電流検出器120が設けられている。電流検出器120による各蓄電池ストリング111の電流検出結果を示す計測データは、電流検出器120から平準化制御装置103に出力される。
変換器102は、対応する蓄電池バンク112の充放電をそれぞれ行う。ここで図1に示すように、近年の風力発電機110の大容量化に伴って、母線109には複数の変換器102が並列に接続されている場合が多い。
平準化制御装置103には、図1に示すように、風力発電機110の発電電力を示す計測データ、送配電システム108への出力電力を示す計測データ、および電流検出器120による各蓄電池ストリング111の電流検出結果を示す計測データが入力される。平準化制御装置103は、これらの計測データに基づいて、変換器102の制御を行う。具体的には、風力発電機110により発電された電力の変動に対して、蓄電池バンク112からの充放電電力がおよそ逆位相となるように、変換器102を介して蓄電池バンク112を充放電させる。これにより、風力発電機110を送配電システム108に連系させることが可能となる程度まで、風力発電機110による発電電力の変動量を平準化する。
平準化制御装置103は、電流比較部104、充放電制御部105、モード設定部106および制御定数保持部107を有する。
電流比較部104は、電流検出器120により検出された各蓄電池ストリング111の電流を比較し、その比較結果を充放電制御部105およびモード設定部106に出力する。具体的には、並列接続された2つの蓄電池ストリング111の電流値の差分を算出し、その差分が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
充放電制御部105は、制御定数保持部107に保持された各種の制御定数を用いて、変換器102に対する制御演算を行い、その演算結果に応じた制御信号を変換器102に出力する。これにより、各変換器102による蓄電池バンク112の充放電を制御する。
モード設定部106は、電流比較部104による各蓄電池ストリング111の電流の比較結果に基づいて、いずれかの蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断する。その結果、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合は、当該蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度(DOD:Depth Of Discharge)の上限値を変更する指令を制御定数保持部107に対して出力すると共に、外部への制御信号として警報113を出力する。なお、ここでいう標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101とは、充放電時の電圧や電流の低下、内部抵抗値の増加など、一般的には充放電能力の低下につながるものである。
制御定数保持部107は、充放電制御部105が行う制御演算に用いるための各種の制御定数を記憶保持している。この制御定数は、各蓄電池バンク112が有する蓄電池ストリング111の電気的特性などに応じて設定されており、各蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値(充放電可能な電池容量の範囲)や、最大連続放電電荷量(連続して放電可能な電荷量の最大値)などを含む。
図2は、本発明の第1の実施形態における平準化制御装置103が実行する健全性モード変更タスクの処理フローを示す図である。この処理フローに示す健全性モード変更タスクは、図1の蓄電池システムが起動されたときや、所定の処理周期ごとに実行されるものである。
ここで、健全性モードとは、各蓄電池バンク112に対して、前述のような標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かに応じて設定される変数である。具体的には、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在しない蓄電池バンク112に対しては、当該蓄電池バンク112が正常な状態にあることを表すために、健全性モードの値を0に設定する。一方、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在する蓄電池バンク112に対しては、当該蓄電池バンク112が警戒すべき状態にあることを表すために、健全性モードの値を1に設定することとする。以下では、健全性モードの値が0に設定されている場合を「正常(0)」、健全性モードの値が1に設定されている場合を「警戒(1)」とそれぞれ称する。
なお、以降では、図1の蓄電池システムがn個の蓄電池バンク112を有しており、このn個の蓄電池バンク112を対象に図2の処理を行う場合を例として説明する。
ステップS501において、モード設定部106は、n個の各蓄電池バンク112に対する健全性モードの初期値として、正常(0)をそれぞれ設定する。なお、初回の起動時以降では、各蓄電池バンク112に対して前回設定されていたモードを図示しないデータ格納部に保存しておき、そのモードをステップS501で設定してもよい。
ステップS502において、電流比較部104およびモード設定部106は、各蓄電池バンク112に対するループ処理を開始する。ここでは、n個の蓄電池バンク112のうち、k番目の蓄電池バンク112(k=1〜n)を対象に、以降説明するステップS504〜S507のループ処理を行う。なお、kの値は、ループ処理を行う度に1ずつ増加される。
ステップS503において、電流比較部104は、k番目の蓄電池バンク112が有する2つの蓄電池ストリング111について、これらに流れる電流値を、ストリング電流値I1−kおよびI2−kとして電流検出器120から取得する。
ステップS504において、電流比較部104は、ステップS503で取得したストリング電流値I1−kとストリング電流値I2−kの差分を算出し、この差分が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。その結果、差分が閾値よりも大きければステップS505に進み、閾値以下であればステップS508に進む。
なお、信頼性向上のため、上記のステップS503およびS504の処理を複数回行うことで判定処理を行ってもよい。この判定処理の例としては、ストリング電流値のサンプリングを複数回行い、それぞれの差分が閾値を継続して超過するか否かの判定を行う方式が挙げられる。または、回数以外に、差分が閾値を超過する継続時間等に基づいて判定処理を行ってもよい。こうした判定処理は、ソフトウェアにより実現してもよいし、コンパレータとタイマーを適宜組み合わせる等の方法でハードウェアにより実現してもよい。
ステップS505において、モード設定部106は、k番目の蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断し、この蓄電池バンク112に対する健全性モードを警戒(1)に設定する。
ステップS506において、モード設定部106は、ステップS505で標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断して健全性モードを警戒(1)に設定したk番目の蓄電池バンク112に対して、この蓄電池バンク112に対応する放電深度の上限値を変更(減少)させる指令を制御定数保持部107に出力する。この指令に応じて、制御定数保持部107は、当該蓄電池バンク112に対して設定されている制御定数のうち放電深度の上限値を変更(減少)する。
たとえば、健全性モードが正常(0)のときに、放電深度の上限値を70%とし、充電状態(SOC:State Of Charge)が90%〜30%の範囲で蓄電池バンク112を運用していた場合、健全性モードを警戒(1)に設定したときには、放電深度の上限値を60%(SOCが90%〜40%)に変更する。ここで、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった蓄電池セル101では、他の蓄電池セル101と比べて、SOCが低い範囲において電気的特性(たとえば端子電圧)の隔たりが大きくなるのに対して、SOCが高い範囲では電気的特性の隔たりが比較的小さくなる傾向がある。したがって、上記のように放電深度の上限値を減少し、低いSOCでの運用を行わないようにすることで、いずれかの蓄電池セル101が標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった場合でも、当該蓄電池バンク112の2つの蓄電池ストリング111間における電流のアンバランスを比較的小さな値で推移させつつ、システムの運用を継続することができる。その結果、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が出現した場合でも、他の蓄電池セル101に与える悪影響を抑制し、最終的に多数の蓄電池セル101の特性の変化や交換に至る事態を回避できる。また、蓄電池システムの運用を継続することで、再生可能エネルギを利用した発電サイトの収益確保に寄与できる。
一般に、並列接続された蓄電池の場合、蓄電池間に電気的特性のアンバランスが存在すると、充放電を繰り返すことにより、通常はそのアンバランスがより拡大する方向に進む場合が多い。再生可能エネルギを利用した発電サイトにおいては、高価な蓄電池を多数使用しており、蓄電池の所定の寿命を確保する必要があることから、並列に接続された蓄電池間のバランスの確保は重要である。そのため本実施形態では、いずれかの蓄電池セル101の電気的特性が標準から有意に隔たりを生じたと判断した場合には、上記ステップS506で設定した新しい放電深度の上限値を参照して、充放電制御部105が変換器102に対して、変動緩和に必要な充放電の指令を行うようにしている。
なお、充放電制御部105にとって、蓄電池バンク112に対する放電深度の上限値を下げるということは、当該蓄電池バンク112の見かけ上の容量が縮小(減少)することになる。しかし、一般に再生可能エネルギを利用した発電サイトでは、経年変化等に備えて蓄電池の容量に余裕をもたせている場合が多いため、見かけ上の蓄電池容量が縮小(減少)したとしても、サイト全体の動作に重大な影響を与える確率は低い。また、蓄電池の容量に余裕がない場合においても、最大の蓄電池容量が必要となるタイミングは、たとえば最大発電電力が長時間継続した場合などであり、その頻度は比較的小さい。そのため、この場合であっても、見かけ上の蓄電池容量を減じた影響は限定的となる。
なお、それまでの蓄電池バンク112の残容量を前提に充放電制御部105が制御を行っているときに、健全性モードが警戒(1)に設定された場合、変更後の放電深度の上限値の適用は、次の制御サイクルからとしてもよい。また、通常の充放電電流値にバイアスを加え、徐々に変更後の放電深度の条件に適合するよう移行させても良い。
ステップS507において、モード設定部106は、外部に所定の警報113を出力する。この警報113は、図示しないネットワークや通信路を経由して、図示しない再生可能エネルギ利用サイトの制御コンソールや、上位系コントローラ、遠隔監視システム等に出力される。こうして出力された警報113を確認することで、再生可能エネルギ利用サイトのオペレータは、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となっており点検や交換の必要がある蓄電池セル101の出現を認識して、たとえば次回の点検時に備えて代替品を手配するなど、必要な措置を迅速に行うことができる。
ステップS508において、電流比較部104およびモード設定部106は、ループ処理を未実施の蓄電池バンク112があれば、ステップS502に戻ってループ処理を継続し、n個の蓄電池バンク112の全てに対してループ処理を実施済みであれば、ループ処理を終了する。ループ処理を終えたら図2の処理フローを終了し、健全性モード変更タスクの実行を完了する。
なお、以上説明した図2の処理フローにおいて、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在する場合に設定する健全性モードに複数のレベルを設けてもよい。たとえば、ステップS504の判定に用いる閾値を二段階に設定し、ストリング電流値の差分が上位の閾値よりも大きければ、ステップS505において、より強い警戒が必要であると判断し、健全性モードの値を2に設定する。以下では、健全性モードの値が2に設定されている場合を「厳重警戒(2)」と称する。この厳重警戒(2)の健全性モードが設定された場合、ステップS506では、警戒(1)が設定された場合と比べて、当該蓄電池バンク112の放電深度の上限値をより小さい値に変更することが好ましい。さらに、充放電制御部105の処理に割り込みをかけ、当該蓄電池バンク112の充放電を即時に中止してもよい。または、必要に応じて当該蓄電池バンク112を優先的に充放電してもよい。たとえば、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が低SOC状態であれば即時に充電を開始し、反対に高SOC状態であれば、即時に放電を開始する。ただし、こうした即時の充放電は、本来の発電電力の変動緩和動作に影響を与える可能性があるため、慎重に行うことが好ましい。より一般的には、蓄電池のコストと、風力発電電力の変動値逸脱のペナルティとをトレードオフした上で、即時の充放電停止を行うか否かを決定すればよい。
また、蓄電池バンク112中の2つの蓄電池ストリング111が直結の並列接続の場合は、充放電の中止後に流れる循環電流により、これらの間における充電状態のアンバランスが緩和される。たとえば、一方の蓄電池ストリング111内に低SOCの蓄電池セル101が存在する場合、他方の蓄電池ストリング111から当該蓄電池ストリング111に循環電流が流れることで、当該蓄電池ストリング111がある程度は充電される。そのため、単に充放電を中止するだけでも、応急措置とすることができる場合がある。
上記の例では、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合に、制御定数保持部107に格納されている定数のうち、当該蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値を変更(減少)させるようにした。しかし、これ以外の定数を変更してもよい。たとえば、最大連続放電電荷量を変更しても、放電深度の上限値を変更したのと類似の効果が得られる。これは、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった蓄電池セル101の電気的特性(たとえば電圧)が他の蓄電池セル101に対して有意に逸脱している場合であっても、時間的に連続した放電量(充電や休止を挟まない放電のみの連続放電量)が小さい範囲では、その影響が表面化しにくいためである。また、放電深度の上限値と最大連続放電電荷量の両方を変更してもよい。すなわち、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合に、蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値および最大連続放電電荷量の少なくとも一方を変更することで、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101による影響を抑えて蓄電池システムの運用を継続することができる。
なお、以上説明したような処理によって得られる効果としては、並列接続された複数の蓄電池ストリング111の電流バランスの維持以外にも、蓄電池ストリング111の電圧に基づいて算出されるSOC推定値の信頼性が向上する点がある。すなわち、蓄電池ストリング111の電圧(たとえば閉路電圧)に基づいてSOCを求める場合、放電深度の上限値の縮小または最大連続放電電荷量の縮小により、各蓄電池セル101の電圧のばらつきが小さい値で推移する。そのため、電気的特性(閉路電圧)の隔たりが大きい蓄電池セル101が蓄電池ストリング111中に存在する場合においても、その電圧から正しいSOC値を算出しやすくなる。逆に、放電深度の上限値の縮小や最大連続放電電荷量の縮小を行わない場合、SOCが低い範囲では、電気的特性の隔たりが大きな蓄電池セル101の電圧が他と比べて有意な差をもって低下するため、蓄電池ストリング111のSOC値を過小に評価してしまう可能性がある。
一部の蓄電池セル101における端子電圧の有意な変化は、蓄電池ストリング111全体に対して、状況によってはSOC換算で10%以上の誤差を与える場合がある。これは、起電力の低下に加え、放電電流と内部抵抗による電圧降下が相当程度発生するためと考えられる。上記のように、SOCが低い範囲で有意に低下した端子電圧値に基づきSOCを過小に評価してしまうと、それ以降の充電電荷量と回復した端子電圧から求めたSOC値との間に乖離が生じる。そのため、前述のような複数回のサンプリングによる各ストリング電流値の差分に基づく判定処理を行っている場合は、電池の異常と誤認される、あるいは蓄電池ストリング111の時間平均でのSOC値を誤認させる方向にバイアスをかけてしまう可能性がある。
図3は、電流比較部104における閾値の設定方法を説明するための図である。
図3(a)は、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が発生する前の測定期間で測定された各蓄電池セル群の電流と電圧のばらつき具合を示している。一方、図3(b)は、図3(a)の測定期間に加え、さらに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が発生した後の測定期間を加えた期間で測定された各蓄電池セル群の電流と電圧のばらつき具合を示している。なお、図3(a)、(b)では、蓄電池バンク112内の2つの蓄電池ストリング111の蓄電池セル101を所定個数ずつまとめたものを蓄電池セル群として、その電流および電圧の測定結果のばらつきを示している。また、図3(b)では、図2で説明したような放電深度の上限値の変更を行わずに測定を続けた場合の測定結果を示している。
図3(a)および(b)において、横軸の大きさは、放電電流が約0.13CA以上となる条件下での各蓄電池セル群の電流のばらつきを表している。ここでは、前述のストリング電流値I1−k、I2−kにより、以下の式(1)を用いて各電池セル群の電流のばらつきを算出した。一方、縦軸の大きさは、同じく放電電流が約0.13CA以上となる条件下での各蓄電池セル群の電圧のばらつきを標準偏差で表している。
|((I1−k)−(I2−k))/(I1−k)| (1)
電流比較部104における判定のための閾値は、図3(a)に示した平時の電流ばらつきの分布を考慮して設定することができる。たとえば図3(c)に示すように、平均値に4σ(σは標準偏差)を加えた値を閾値として設定し、ストリング電流値の差分がこの閾値を超えたか否かを電流比較部104において判定する。その結果、ストリング電流値の差分が閾値を超えたと判定された場合に、モード設定部106において健全性モードを警戒(1)に設定する。また、平均値に5σを加えた値を閾値として設定し、ストリング電流値の差分がこの閾値を超えたか否かを電流比較部104において判定する。その結果、ストリング電流値の差分が閾値を超えたと判定された場合に、モード設定部106において健全性モードを厳重警戒(2)に設定する。
なお、上記の閾値はあくまでも一例であり、たとえば電流のばらつきの分布が正規分布ではない場合などは、閾値を適宜増減させてもよい。また、蓄電池セル101の経年変化に応じて、全体的に電流や電圧のばらつきは増加傾向となるため、これを考慮して、運用開始からの期間の経過に伴って閾値を増減させてもよい。加えて、鉛蓄電池には使用開始後から総充放電量の増加に伴い蓄電池容量が増加する期間が存するものがある。左記期間経過後は、総充放電量の増加に伴い蓄電池容量は減少に転じる。よって総充放電量の増加に伴い蓄電池容量が増加するセルを含む期間においては、ばらつきの性状も当然変化するため、適宜閾値を調整するなどの措置が考えられる。
また、図1のような蓄電池システムでは一般に、各蓄電池セル101間の充電状態のばらつきを補正するため、均等充電と呼ばれる動作が例えば2週間などの周期で定期的に行われる。この均等充電の終了から次の均等充電を開始するまでのインターバル期間のうち、後期になるにしたがい、個々の蓄電池セル101のばらつきが増加する傾向がある。そのため、インターバル期間の初期では閾値を小さくし、インターバル期間内での時間の経過にしたがい、段階的にまたは連続的に閾値を増加させてもよい。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図1に示した再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムは、電流比較部104およびモード設定部106を備える。電流比較部104は、電流検出器120により検出された各蓄電池ストリング111の電流を比較する(ステップS504)。この電流比較部104による電流の比較結果に基づいて、モード設定部106は、蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断し(ステップS505)、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合に、蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値および最大連続放電電荷量の少なくとも一方を変更する(ステップS506)。このようにしたので、いずれかの蓄電池セル101に標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態が生じた場合にも、その影響を低減してシステムの運用を継続することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述の第1の実施形態において、図3(a)、(b)の縦軸に示した電圧のばらつきは、横軸に示した電流のばらつきと比較して、図3(a)と図3(b)の間での変化量が大きい。したがって、蓄電池セル101の電圧を個別に計測できる場合は、その電圧のばらつきに基づいて、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった蓄電池セル101の有無をより高精度に判断できる。さらに、電圧のばらつきと電流のばらつきの双方を用いれば、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル発生の判断の確実性をより一層増すことができるため、最終判定までの時間の短縮につながり、蓄電池保護の効果を高めることができる。その場合、必ずしも個々の蓄電池セル101について電圧の計測を行う必要はなく、たとえば10個等の蓄電池セル101をまとめて電圧測定の一単位とすることができる。このようにすれば、個々の蓄電池セル101の電圧を測定する場合と比べて、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セルの発生検出の精度(感度)はやや低下するものの、低コスト化が図れる。
本実施形態では、上記を踏まえて、各蓄電池ストリング111の電流のばらつきに加えて、さらに各蓄電池セル101の電圧のばらつきを用いて、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断する例を説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの構成を示す図である。この蓄電池システムは、図1に示した第1の実施形態に係る蓄電池システムと比較して、蓄電池バンク112に電圧検出器130がさらに設けられている点と、平準化制御装置103に電圧比較部131がさらに設けられている点が異なっている。
電圧検出器130は、各蓄電池バンク112内に設けられた2つの蓄電池ストリング111をそれぞれ構成する各蓄電池セル101の電圧を検出し、その検出結果を平準化制御装置103に出力する。
電圧比較部131は、電圧検出器130により検出された各蓄電池セル101の電圧を比較し、その比較結果をモード設定部106に出力する。具体的には、各蓄電池セル101の電圧値のばらつきの指標として標準偏差等を算出し、その値が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
モード設定部106は、電流比較部104による各蓄電池ストリング111の電流の比較結果と、電圧比較部131による各蓄電池セル101の電圧の比較結果に基づいて、いずれかの蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断する。その結果、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合は、第1の実施形態と同様に、当該蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値を変更する指令を制御定数保持部107に対して出力すると共に、外部への制御信号として警報113を出力する。
図5は、本発明の第2の実施形態における平準化制御装置103が実行する健全性モード変更タスクの処理フローを示す図である。この処理フローに示す健全性モード変更タスクは、図4の蓄電池システムが起動されたときや、所定の処理周期ごとに実行される。なお、図5では、図2に示した第1の実施形態における健全性モード変更タスクの処理フローと同じ処理を実行する処理ステップに対して、同一のステップ番号としている。以下では、この図2と同一ステップ番号の処理ステップについて、特に必要のない限りは説明を省略する。
ステップS510において、電流比較部104は、図2のステップS503と同様に、k番目の蓄電池バンク112が有する2つの蓄電池ストリング111について、これらに流れる電流値を、ストリング電流値I1−kおよびI2−kとして電流検出器120から取得する。一方、電圧比較部131は、k番目の蓄電池バンク112が有する2つの蓄電池ストリング111の各蓄電池セル101について、これらの電圧値を、セル電圧V1−k、V2−k、・・・V2m−kとして電圧検出器130から取得する。なお、ここでは2つの蓄電池ストリング111が合わせて2m個の蓄電池セル101を有しており、この2m個の蓄電池セル101の電圧値をそれぞれ取得する場合の例を説明する。
ステップS511において、電流比較部104は、図2のステップS504と同様に、ステップS510で取得したストリング電流値I1−kとストリング電流値I2−kの差分を算出し、この差分が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。一方、電圧比較部131は、ステップS510で取得したセル電圧V1−k、V2−k、・・・V2m−kのばらつき(標準偏差)を算出し、このばらつきが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。その結果、いずれの値も閾値より大きければステップS505に進み、いずれか少なくとも一方が閾値以下であればステップS508に進む。
なお、図2と同様に、信頼性向上のため、上記のステップS510およびS511の処理を複数回行うことで判定処理を行ってもよい。この場合、図2の処理フローよりも少ない回数の判定処理により、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを高い精度で判断することができる。電気的特性のばらつきの拡大によってSOCの低い蓄電池セル101が蓄電池ストリング111内に存在する場合、通常、当該蓄電池セル101の電圧値は、他の蓄電池セル101と比較して放電にともない急峻に低下する。そのため、上記のような判定処理の迅速化は、蓄電池の劣化モードであるサルフェーション防止等の観点から好ましい。
また、上記ステップS511では、ストリング電流値の差分とセル電圧のばらつきのいずれか一方のみを閾値と判定し、その値が閾値を超えたか否かによって標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断してもよい。その場合、ステップS510では、ステップS511の判定に使用しない方の測定値については取得しなくてもよい。すなわち、ステップS511では、電流比較部104によるストリング電流の比較結果および電圧比較部131によるセル電圧の比較結果の少なくとも一方に基づいて、蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断することができる。また、セル電圧の標準偏差などのばらつきを算出する際、前出の例では、2つのストリングあわせて2m個の電圧値に関し、演算を行う例を示したが、1つのストリング毎のm個の電圧値に関し、それぞればらつきの評価をおこなっても良い。個別の蓄電池ストリング毎の電圧のばらつきを評価することで、どちらの蓄電池ストリングに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セルが含まれているかの判定材料を得ることができる。更に、2つの蓄電池ストリングのうち、片方のみの電圧のばらつきと、ストリング電流の比較結果を用いることでも、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セルが含まれる蓄電池ストリングの判定が可能である。片方のみの電圧のばらつきの利用は、セル電圧の計測点数を削減できるため、より低コストで実現できる。また、上記ステップS511で、セル電圧のばらつきのみを閾値判定する場合、並列接続された複数の蓄電池ストリングによる構成のみでなく、単一の蓄電池ストリングによる構成にも適用できる。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図4に示した再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムは、電流比較部104、モード設定部106および電圧比較部131を備える。電流比較部104は、電流検出器120により検出された各蓄電池ストリング111の電流を比較し、電圧比較部131は、電圧検出器130により検出された各蓄電池セル101の電圧を比較する(ステップS511)。これらの電流比較部104による電流の比較結果および電圧比較部131による電圧の比較結果の少なくとも一方に基づいて、モード設定部106は、蓄電池バンク112に標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かを判断し(ステップS505)、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断した場合に、蓄電池バンク112を充放電する際の放電深度の上限値および最大連続放電電荷量の少なくとも一方を変更する(ステップS506)。このようにしたので、第1の実施形態と同様に、いずれかの蓄電池セル101に標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態が生じた場合にも、その影響を低減してシステムの運用を継続することができる。また、第1の実施形態と比べて、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在するか否かをより迅速かつ正確に判断することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった蓄電池セル101を含む蓄電池バンク112に代替して、他の蓄電池バンク112を動作させる例を説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの構成を示す図である。この蓄電池システムは、図1に示した第1の実施形態に係る蓄電池システムと比較して、平準化制御装置103に代替動作制御部114がさらに設けられている点が異なっている。
代替動作制御部114は、モード設定部106により蓄電池バンク112のいずれかに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断された場合に、当該蓄電池バンク112を除いた他の蓄電池バンク112のいずれかを、当該蓄電池バンク112の代替として動作させる。この代替動作は、いずれかの蓄電池バンク112の健全性モードが警戒(1)以上の場合、すなわち警戒(1)の場合や、前述のように厳重警戒(2)の場合(3種類以上のモードを設定可能とした場合も同様)に、蓄電池セル101の標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態をさらに拡大させてしまわないように、他の蓄電池バンク112を用いて種々の補助を行うものである。
たとえば、ある蓄電池バンク112の健全性モードが警戒(1)以上の場合に、前述のように放電深度の上限値を縮小する等の対策を行ったとしても、予期せぬ電流の不安定化や、電圧低下等の事象が発生するケースが考えられる。これは、蓄電池セル101として鉛蓄電池を使用した場合に、鉛蓄電池の性質上、その正確な電池状態の把握が困難であるために、SOCの把握に限界があることや、劣化モードが多様であることなどに起因する。
そこで、本実施形態では、健全性モードが警戒(1)以上の場合に、他の蓄電池バンク112を待機状態とすることで、その蓄電池バンク112を待機蓄電池バンクとして準備する。これにより、健全性モードが警戒(1)以上の蓄電池バンク112が状態の急変等によって充放電を中止した場合でも、待機蓄電池バンクとして準備しておいた蓄電池バンク112を用いて、発電電力の変動緩和動作を継続させるものである。ただし、送配電システム108との連係要件、すなわち変動のある風力発電機110の出力を外部の送配電システム108に連系させるための要件を超過した場合のペナルティと、他の蓄電池バンク112を待機状態とすることによる効率低下とをトレードオフした上で、待機蓄電池バンクを準備しないという選択も可能である。
待機蓄電池バンクの準備による効率低下の一例としては、均等充電のスケジューリングの自由度の低下がある。通常、変動緩和動作に関与していない蓄電池バンク112は、変動緩和蓄電池システム全体からみて、あるいは近隣の再生可能エネルギ利用サイトを含めたより広域のシステム全体からみて、最も効率の良いタイミングで均等充電を開始できる。たとえば、サイト内外の蓄電池バンク112で満充電から、あるSOC値に調整使用としているものがあるとすると、当該蓄電池バンク112の電荷を、均等充電を行う蓄電池バンク112への充電に割り当てる等のやり取りが可能である。しかし、待機蓄電池バンクを準備した場合、待機期間中は、上記のような変動緩和蓄電池システム全体からみて、最適なタイミングでの均等充電はできない。そのため、効率低下の要因となりうる。
代替動作制御部114は、健全性モードが警戒(1)以上の蓄電池バンク112を代替するための待機蓄電池バンクの割り当てと、これに関連する制御とを行う。
図7は、本発明の第3の実施形態における代替動作制御部114が実行する代替モード移行動作タスクの処理フローを示す図である。この処理フローに示す代替モード移行動作タスクは、所定の処理周期ごとに実行される。
ステップS520において、代替動作制御部114は、各蓄電池バンク112のうち、健全性モードが警戒(1)以上に設定された蓄電池バンク112の有無を確認する。具体的には、モード設定部106や制御定数保持部107内に保持されているモード設定情報をスキャンすることで、健全性モードが警戒(1)以上である蓄電池バンク112の有無を確認することができる。または、各蓄電池バンク112内にモード設定情報が保持されている場合は、これをスキャンしてもよい。その結果、健全性モードが警戒(1)以上である蓄電池バンク112(以下では、これを「被代替蓄電池バンク」と称する)が存在する場合はステップS521に進み、存在しない場合はステップS525に進む。
ステップS521において、代替動作制御部114は、休止状態にある蓄電池バンク112の有無を確認する。ここで、休止状態にある蓄電池バンク112とは、図6の蓄電池システム内で変動緩和動作に寄与していない蓄電池バンク112のことである。一般に、多数の蓄電池バンクで構成される変動緩和蓄電池システムでは、一部の蓄電池バンクに対して順次均等充電を行い、それ以外の蓄電池バンクを用いて変動緩和動作を行うことで、稼働率を向上させる場合がある。このような蓄電池システムでは、均等充電中または均等充電が完了した蓄電池バンクは、必要に応じて待機蓄電池バンクとして稼働することができる。そのため、ステップS521では、このような蓄電池バンクを休止状態にある蓄電池バンクとして認識する。なお、どの蓄電池バンクが休止状態にあるかの情報は、たとえば平時に均等充電のスケジューリングを行っている充放電制御部105が保持する方式としてもよい。または、代替動作制御部114が均等充電のスケジューリングをオーバーライドして受け持ち、どの蓄電池バンクが休止状態にあるかの情報もあわせて保持する方式としてもよい。その結果、休止状態にある蓄電池バンク112が存在する場合は、その蓄電池バンク112を待機蓄電池バンクに設定してステップS522に進み、存在しない場合はステップS525に進む。
ステップS522において、代替動作制御部114は、ステップS521で待機蓄電池バンクに設定した蓄電池バンク112に対する健全性モードを代替(-1)に設定し、この情報をモード設定部106内に格納する。
ステップS523において、代替動作制御部114は、ステップS521で設定した待機蓄電池バンクが、ステップS520で判断した被代替蓄電池バンクの代替対象である旨を認識して、代替動作を開始する。この代替動作は、健全性モードが警戒(1)以上の被代替蓄電池バンクが突然に充放電を停止した場合に備えて、待機蓄電池バンクを待機させるものである。その簡便な手法としては、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクのSOCを同期させることが挙げられる。これにより、あらゆるタイミングにおいて、待機蓄電池バンクを被代替蓄電池バンクの代替として用いることが可能となる。
ここで、SOCの同期が有効である理由は以下の通りである。変動緩和動作中において、被代替蓄電池バンクのSOCが高い状態になるのは、変動緩和の時定数(たとえば、20分間での許容電力変動率が10%の場合は、200分)以上の時間だけ風力発電機110の出力が高い状態が続き、それに伴って、風力発電サイトから送配電システム108への出力が定格付近まで上昇している場合と考えられる。こうした状態では、風速の更なる上昇によって生じる風力発電機110のカットオフに備えて、被代替蓄電池バンクを含めた各蓄電池バンク112のSOCを運用範囲の上限に近い値にしておく必要がある。一方、これとは逆に、風が弱くて風力発電機110の出力が0付近の場合は、突然の風速の上昇に備えて電力を吸収できるようにするために、各蓄電池バンク112のSOCを低い値にしておく必要がある。
よって、待機蓄電池バンクを被代替蓄電池バンクの代替として用いる場合、被代替蓄電池バンクが充放電を突然停止した後に、この被代替蓄電池バンクが本来放電すべき電荷量を待機蓄電池バンクが代替して放電できるように、発電の効率を重視すれば、両者は少なくとも同程度のSOC値にしておく必要がある。また、低SOC状態においても同様に、待機蓄電池バンクのSOCを、被代替蓄電池バンクが本来充電しうる電荷量を吸収できるだけのSOC値としておく必要がある。
ただし、風力発電機110が出力調整できるものである場合や、複数の風力発電機からなっており、発電機毎に起動または停止を任意に行うことで風力発電機110の出力を調整できるものである場合は、上記の限りではない。これは、風力発電を対象とした変動緩和に特徴的なもので、充電方向と放電方向において、蓄電池が備えるべき充電余力と放電余力が、非対称なことによる。例えば、長時間最大出力で風力発電機が発電を継続した場合には、風速増にともなう突然のカットオフに備え、最大電力値からの許容変化幅で系統への電力を漸減させるだけの放電余力を備えなければならない。一方、無風状態から突然風力発電機が最大出力で発電できる風が発生した場合においては、発電出力を下げる方向の操作は前述の調整により可能なため、充電余力に関しては必ずしも最大発電機出力に対応する量を備えておく必要はないことになる。そこで、発電の効率は下がるものの、待機蓄電池バンクを高いSOC値で待機させることは可能である。高いSOC値で待機させることにより、サルフェーションの防止や、電流積算によるSOC算出の基準点の確保の点で有利となる。
ステップS524において、代替動作制御部114は、ステップS523で代替動作を開始した待機蓄電池バンクに対して、被代替蓄電池バンクのバックアップ動作を開始させる。ここではまず、待機蓄電池バンクのSOCを被代替蓄電池バンクのSOCに近づけるためのSOC調整を行う。その後は必要に応じて、所定のバックアップ動作を開始する。このバックアップ動作の一例は、待機蓄電池バンクと被代替蓄電池バンクを同じSOCで運用することである。
たとえば、待機蓄電池バンクと被代替蓄電池バンクがそれぞれ1つの蓄電池バンク112で構成される場合は、両者の放電深度の上限値を通常の半分の大きさでそれぞれ運用する。このようにすると、被代替蓄電池バンクが突然に充放電を停止した場合に、待機蓄電池バンク単独で、被代替蓄電池バンクの放電電荷量と充電電荷量の双方をまかなうことができる。このとき、充放電を行うSOC範囲の中心値についても、必要に応じて変更することが好ましい。
また、待機蓄電池バンクがx個の蓄電池バンク112で構成され、被代替蓄電池バンクがy個の蓄電池バンク112で構成される場合は、放電深度の上限値を通常のy/(x+y)とすればよい。ただし、この値は、待機蓄電池バンクの健全性モードが警戒(1)以上となった場合の放電深度の上限値を上回らないようにすることが好ましい。
ステップS525において、代替動作制御部114は、図7に示した代替モード移行動作タスクを終了するか否かを判定する。代替モード移行動作タスクをまだ終了しない場合はステップS520に戻り、終了する場合は、図7の処理フローを終了する。
なお、ステップS521では、休止状態にある蓄電池バンク112の中から待機蓄電池バンクを選択することとしたが、変動緩和動作に利用している蓄電池バンク112の中から待機蓄電池バンクを選択してもよい。この場合、前述の方法に従って、当該蓄電池バンク112の放電深度の上限値や充放電を行うSOC範囲の中心値を所定の割合で変更することにより、上記と同様の効果を得ることができる。
前述のように、出力調整が可能な風力発電機110を利用する場合は、特に低SOC側についてはある程度の自由度があるため、待機蓄電池バンクと被代替蓄電池バンクのSOCを必ずしも厳密に同期させる必要はない。その他にも、サイト内での消費電力などのサイト毎の特徴にあわせて、待機蓄電池バンクと被代替蓄電池バンクのSOCの同期の程度は適宜調整可能である。
なお、代替動作中は、待機蓄電池バンクの均等充電を行うことができない。したがって、被代替蓄電池バンクと同時期に均等充電を行うか、または、待機蓄電池バンクの役割を健全性モードが正常(0)である複数の蓄電池バンク112間で順次入れ替えて、均等充電を行うことが好ましい。あるいは、複数の被代替蓄電池バンクについて突然の充放電停止が同時に発生する確率は低いと仮定して、待機蓄電池バンクの役割を、健全性モードが警戒(1)である他の蓄電池バンク112に割り当ててもよい。さらに状況に応じて、健全性モードが厳重警戒(2)である蓄電池バンク112に割り当ててもよい。
上記のような代替動作により、再生可能エネルギ利用サイトの効率が低下するが、この効率低下による収益減と、変動緩和の要件逸脱によるペナルティや蓄電池の劣化によるコストとをトレードオフした上で、最善の対策を選択してもよい。たとえば、所定期間における送配電システムへの出力電力が規定値から逸脱した時間の割合を表す逸脱率が送配電システムの要求値に対して余裕がある場合は、効率を優先して、あえて代替動作を行わない選択もある。一方、蓄電池の劣化は、総充放電量等、累積値に比例して進行するものと、断線や短絡等、単発的事象により離散的に進行するものとがある。そのため、後者の劣化が想定される場合は、発電の効率よりも蓄電池の保護を優先した方がコスト的に有利である。
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図6に示した再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムは、代替動作制御部114を備える。代替動作制御部114は、モード設定部106により複数の蓄電池バンク112のいずれかに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セルが存在すると判断された場合に、当該蓄電池バンク112を除いた他の蓄電池バンク112のいずれかを、当該蓄電池バンク112の代替として動作させる(ステップS523、S524)。このようにしたので、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断された蓄電池バンク112が充放電を停止した場合でも、発電電力の変動緩和動作を継続させることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、標準からの電気的特性の隔たりが大きい状態となった蓄電池セル101を含む蓄電池バンク112と他の蓄電池バンク112とを、仮想的に一つの蓄電池バンク112として組み合わせて動作させる例を説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの構成を示す図である。この蓄電池システムは、図1に示した第1の実施形態に係る蓄電池システムと比較して、平準化制御装置103に組み合わせ制御部115がさらに設けられている点が異なっている。
組み合わせ制御部115は、モード設定部106により蓄電池バンク112のいずれかに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断された場合に、当該蓄電池バンク112を除いた他の蓄電池バンク112のいずれかと当該蓄電池バンク112とを、仮想的に一つの蓄電池バンク112(以下では、これを「仮想蓄電池バンク」と称する)として組み合わせて動作させる。この組み合わせ動作の利点は、充放電制御部105からみて、ほぼ同一のやりとり(インターフェース)にて充放電動作を行えることである。これにより、充放電制御部105が複雑なロジックで構成されている場合においても、比較的小規模な改造にて対応させることができる。
なお、組み合わせ制御部115は、充放電制御部105から変換器102への出力と、制御定数保持部107から充放電制御部105への入力との間に介在している。これにより、制御定数保持部107から充放電制御部105に出力される、蓄電池バンク112の構成や状態を表す各種制御定数の値を、仮想蓄電池バンクの値へと置き換える。また、充放電制御部105から変換器102に出力される、仮想蓄電池バンクに対する充放電の制御信号を、元の蓄電池バンク112に対する充放電の制御信号へと置き換える。
図9は、本発明の第4の実施形態における組み合わせ制御部115が実行する代替組み合わせ動作タスクの処理フローを示す図である。この処理フローに示す代替組み合わせ動作タスクは、所定の処理周期ごとに実行されるものである。
ステップS540において、組み合わせ制御部115は、各蓄電池バンク112のうち、健全性モードが警戒(1)以上に設定された蓄電池バンク112(被代替蓄電池バンク)について、これの代替対象としての待機蓄電池バンクを選択する。ここでは、前述の第3の実施形態における図7のステップS520〜S522と同様の動作を行うことで、待機蓄電池バンクを選択することができる。
ステップS541において、組み合わせ制御部115は、被代替蓄電池バンクと、ステップS540で選択した待機蓄電池バンクとの組み合わせを、仮想蓄電池バンクとして設定する。そして、この仮想蓄電池バンクに対する諸元値の設定を行う。たとえば、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクを組み合わせた場合の放電深度の上限値(設定方法は第3の実施形態で説明済み)や電池容量(両者の電池容量の合計など)を仮想蓄電池バンクの放電深度の上限値や電池容量として設定すると共に、仮想蓄電池バンクの健全性モードを仮想(-2)に設定する。このとき、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクのSOCの平均値として仮想蓄電池バンクのSOCを算出しても、動作に影響はない。これは、元の組み合わせ前の放電深度の上限値よりも仮想蓄電池バンクの放電深度の上限値が小さくなるため、SOCの誤差に起因してSOCの運用範囲から逸脱する可能性が低いためである。また、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクを組み合わせて一つの仮想蓄電池バンクを生成することで、充放電制御部105からみた蓄電池バンク112の個数が変更となるため、充放電制御部105においては、変動緩和動作中に、動的に蓄電池個数が変化する場合に対応する機能が必要である。充放電制御部105は、動的な蓄電池個数の変化や、前述の放電深度の上限値の変化を、SOC値の動的な変動の機能の一部として容易に実装できる。これは、鉛蓄電池のSOC値の把握は一般に難しく、従来の運用においてもSOC値の不連続な変化に対応する機能が必要なことによる。
なお、元の組み合わせ前の被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクの諸元値から、上記のようにして設定した仮想蓄電池バンクの諸元値への変更は、充放電制御部105が制御定数保持部107から制御定数を読み取る際に、組み合わせ制御部115が間に介在して行う。一方、制御定数保持部107では、従来と同じく、実際の各蓄電池バンク112の諸元値に応じた制御定数の情報を格納する。もちろん、同一のインターフェースの原則からは外れるが、必要に応じて充放電制御部105が制御定数保持部107を直接にアクセスすることも可能である。
ステップS542において、組み合わせ制御部115は、ステップS541で設定した仮想蓄電池バンクに対する充放電指令を、元の組み合わせ前の被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクに振り分けるための設定を行う。たとえば、同一容量の蓄電池バンク112を被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクとしている場合は、仮想蓄電池バンクに対する放電指令を、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクに対して均等に振り分けるように設定する。すなわち、たとえば仮想蓄電池バンクに対する1kWの放電指令を、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクに対する0.5kWの放電指令に変換するように設定を行う。これ以外にも、被代替蓄電池バンクと待機蓄電池バンクの容量に応じて、任意の配分で振り分け設定を行うことができる。
ステップS543において、組み合わせ制御部115は、ステップS542で設定した振り分けに応じて、仮想蓄電池バンクを一体のものとして取り扱い、これに対する充放電を開始する。
ステップS544において、組み合わせ制御部115は、図9に示した代替組み合わせ動作タスクを終了するか否かを判定する。代替組み合わせ動作タスクをまだ終了しない場合はステップS540に戻り、終了する場合は、図9の処理フローを終了する。
以上説明した本発明の第4の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図8に示した再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムは、組み合わせ制御部115を備える。組み合わせ制御部115は、モード設定部106により複数の蓄電池バンク112のいずれかに標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セルが存在すると判断された場合に、当該蓄電池バンク112を除いた他の蓄電池バンク112のいずれかと当該蓄電池バンク112とを、仮想的に一つの蓄電池バンクとして組み合わせて動作させる(ステップS541〜S543)。このようにしたので、第3の実施形態と同様に、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在すると判断された蓄電池バンク112が充放電を停止した場合でも、発電電力の変動緩和動作を継続させることができる。さらに、充放電制御部105を改修しなくても、こうした処理を容易に実現することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第4の実施形態で説明した組み合わせ制御部115と同様の機能を、API(Application Programming Interface)により実現した例を説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの一構成例を示す図である。この蓄電池システムは、図1に示した第1の実施形態に係る蓄電池システムと比較して、平準化制御装置103に仮想化API116および充放電下層ドライバ118がさらに設けられている点が異なっている。
第4の実施形態で説明したように、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在する場合に、複数の蓄電池バンク112を仮想的に一つの蓄電池バンク112として組み合わせて動作させることは、多くの利点を有する。しかし、こうした仮想的な蓄電池の組み合わせ機能を平準化制御装置103に組み込むには、蓄電池バンク112に関する多くの知見が必要である。そのため、蓄電池バンク112の開発者と平準化制御装置103の開発者が異なる場合などは、実現の難易度が高い。そこで、本実施形態では、蓄電池バンク112の開発者が、第4の実施形態で説明したような組み合わせ制御部115の機能を実現するための仮想化API116を開発し、これを平準化制御装置103内に組み込むようにする。これにより、平準化制御装置103の開発者は、充放電制御部105や制御定数保持部107を特に改修することなく、従来と同じインターフェースで、仮想的な蓄電池の組み合わせ機能を実現することができる。
充放電下層ドライバ118は、変換器102を駆動するための下層インターフェースを担う部分であり、充放電制御部105から出力されて仮想API116により変換された充放電指令に基づいて、充放電制御信号を変換器102に出力する。
図11は、本発明の第5の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの別の一構成例を示す図である。この蓄電池システムは、図10に示したものと比較して、電流比較部104、モード設定部106および制御定数保持部107の機能を仮想化API117により実現している点が異なっている。
図11の構成では、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101の有無の判断と、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101が存在する場合に行う前述の各処理、すなわち放電深度の上限値の変更や、待機蓄電池バンクおよび仮想蓄電池バンクに関する処理を、仮想化API117により提供する。これにより、充放電制御部105は、標準からの電気的特性の隔たりが大きい蓄電池セル101の有無を特に意識することなく、常に健全な蓄電池バンク112として充放電制御を行うことができる。
なお、充放電制御部105は、蓄電池バンク112に関する各種諸元の変化に対して、動的に対応する必要がある。この点に関して、第4の実施形態の場合と同様に、充放電制御部105は、得られる測定値にはある程度の誤差が内包されていることを前提に制御を行っている。そのため、本実施形態のように、制御定数を動的に更新しつつ充放電制御部105が制御を行っても、特に問題は生じない。
以上説明した本発明の第5の実施形態によれば、第4の実施形態で説明したのと同様の作用効果を奏する。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、蓄電池バンク112と平準化制御装置103の間に蓄電池制御装置(BCU:Battery Control Unit)121を設け、この蓄電池制御装置121により、前述の電流比較部104、モード設定部106および制御定数保持部107の各機能を実現する例を説明する。
図12は、本発明の第6の実施形態に係る再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムの構成を示す図である。この蓄電池システムは、図1に示した第1の実施形態に係る蓄電池システムと比較して、蓄電池制御装置121が設けられている点が異なっている。
蓄電池制御装置121は、蓄電池バンク112と接続されており、電流比較部104、モード設定部106、制御定数保持部107、BCU制御部122および更新バックアップ部125を有する。なお、電流比較部104、モード設定部106および制御定数保持部107は、前述の各実施形態で説明したのと同様の機能をそれぞれ有している。
BCU制御部122は、蓄電池制御装置121が機能的に有する上記の各部分を統合的に制御すると共に、平準化制御装置103との間で行われる各種制御情報の通信を行う。BCU制御部122にはローカルコンソール123を接続可能であり、ローカルコンソール123を用いて、BCU制御部122が有する各部分の機能更新や、BCU制御部122から各蓄電池バンク112に関する制御情報の読み出し等を行うことができる。なお、蓄電池バンク112の点検時に、BCU制御部122は、点検対象の蓄電池バンク112に対する健全性モードを点検(-4)に設定する。これにより、当該蓄電池バンク112を変動緩和動作の対象から除外して、発電サイト全体としての変動緩和動作を継続しつつ、当該蓄電池バンク112の点検を行うことが可能となる。
BCU制御部122は、外部通信網124に接続されており、この外部通信網124を介して提供される更新情報を用いて、前述の各部分の機能更新を行うことができる。また、外部通信網124を介してBCU制御部122にアクセスすることで、各蓄電池バンク112の状態を遠隔監視することもできる。遠隔監視によって得られた各蓄電池バンク112の状態は、交換用の蓄電池の生産計画などに利用できる。すなわち、蓄電池バンク112において用いられる各蓄電池セル101のように、再生可能エネルギを利用した発電サイトの発電力の変動緩和に用いられる蓄電池は、自動車などの量産品で用いられるものとは異なり、事前の計画に従って生産される場合が多い。そのため、サイトの管理者から正式な交換要請が行われてから生産計画を立てると、調達のリードタイムが過大となる。これに対して、需要を予測して生産計画を立てることでリードタイムを短縮化することができるが、根拠の薄い需要予測に基づいた生産計画では無駄が生じやすい。そこで、遠隔監視によって得られた各蓄電池バンク112の状態を利用して、たとえば健全性モードが警戒(1)の場合は20%、厳重警戒(2)の場合は40%として需要を予測し、これを生産計画の根拠とすることで、生産効率を向上できる。
更新バックアップ部125は、BCU制御部122の機能更新を行っているときに、BCU制御部122が行う動作を一時的に代行する。一般に、BCU制御部122の更新と、平準化制御装置103の更新とは、同時に行われるとは限らない。そのため、BCU制御部122の停止や再起動を伴う更新作業中には、更新バックアップ部125により、このときに必要なBCU制御部122の機能を一時的に代行する。なお、こうした更新バックアップ部125の機能を、ローカルコンソール123や、外部通信網124を介して接続されたコンピュータ等により実現してもよい。
平準化制御装置103は、前述の充放電制御部105および充放電下層ドライバ118と、インターフェース部119とを有する。インターフェース部119は、充放電制御部105に入出力される信号を所定の変換法則に従って変換するものであり、第5の実施形態で説明した仮想化API116と同様の機能を有する。これにより、第5の実施形態と同様に、平準化制御装置103の開発者は、従来と同じインターフェースで、仮想的な蓄電池の組み合わせ機能を実現することができる。また、電流比較部104、モード設定部106および制御定数保持部107を蓄電池制御装置121内に設けたため、平準化制御装置103の構成を単純化することができる。そのため、平準化制御装置103の製造工程を簡素化し、作業量を大幅に低減することができる。
一方、蓄電池バンク112の開発者にとっては、蓄電池バンク112と蓄電池制御装置121を合わせて製造することで、本発明に係る機能を実現するための制御の最適化を容易に図ることができる。また、図12の蓄電池システムが接続される発電サイトの管理者の承諾を得ることで、平準化制御装置103を介さずに、種々の制御定数の更新や各種の機能更新等を容易に行うことができる。
以上説明した本発明の第6の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図12に示した再生可能エネルギ用変動緩和蓄電池システムは、蓄電池制御装置121および平準化制御装置103を備える。蓄電池制御装置121は、蓄電池バンク112と接続されており、電流比較部104およびモード設定部106を有する。平準化制御装置103は、蓄電池制御装置121と接続されており、充放電制御部105と、充放電制御部105に入出力される信号の変換を行うインターフェース部119とを有する。このようにしたので、蓄電池バンク112の開発者と平準化制御装置103の開発者が異なる場合でも、それぞれの作業効率を向上することができる。
なお、以上説明した各実施形態では、再生可能エネルギの一つである風力を利用した発電電力の変動を緩和する例を説明したが、たとえば太陽光など、他の再生可能エネルギを利用した発電電力の変動を緩和する蓄電システムにおいても、本発明を適用可能である。
また、以上説明した各実施形態は、それぞれ任意に組み合わせてもよい。
以上説明した各実施形態や各種の変化例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。