JP6276178B2 - シス−5−ヒドロキシ−l−ピペコリン酸の生物学的な製造方法 - Google Patents
シス−5−ヒドロキシ−l−ピペコリン酸の生物学的な製造方法 Download PDFInfo
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Description
a)L−リジン 6−アミノトランスフェラーゼ酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
b)ピロリン−5−カルボン酸リダクターゼ酵素活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
問題点1)このタンパク質を一般的な方法を用いて大腸菌で発現させた場合、不溶化して不活化する。
問題点2)このタンパク質をin vitroの反応に供した場合、速やかに変性する。
問題点3)このタンパク質をin vitroの反応に供した場合、L−ピペコリン酸から、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸と共に、シス−3−ヒドロキシピペコリン酸もほぼ同量蓄積する。
[1] 下記の(A)〜(F)のいずれか一のポリヌクレオチドを発現可能な状態で含む微生物により、L−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する工程を含む、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法:
(A)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(C)配列番号2に記載の塩基配列と少なくとも85%以上の同一性を有し、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[2] 微生物が、L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、発現可能な状態でさらに含み:
L−リジンを基質として、L−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成し、続いてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドがデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸へ変換される工程;および
デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する工程
をさらに含む、[1]に記載の製造方法。
[3] L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、フラボバクテリウム ルテセンス(Flavobacterium lutescens)由来である、[2]に記載の製造方法。
[4] 微生物が大腸菌であり、デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを元来有する、[2]または[3]に記載の製造方法。
[5] 下記の(A)〜(F)のいずれか一のポリヌクレオチド:
(A)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(C)配列番号2に記載の塩基配列と少なくとも85%以上の同一性を有し、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[6] [5]に記載のポリヌクレオチドを含む、形質転換用ベクター。
[7] L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、[6]に記載の微生物の形質転換用ベクター。
[8] α−ケトグルタル酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質および/またはデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、[6]または[7]に記載の微生物の形質転換用ベクター。
[9] [6]〜[8]のいずれか一に記載のベクターにより形質転換された、遺伝子組換え微生物。
[10] [5]に記載のポリヌクレオチド、およびL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドにより形質転換され、L−リジンを出発物質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する能力を有する、遺伝子組換え大腸菌。
[11] 下記の(d)〜(f)のいずれか一のタンパク質:
(d)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(e)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(f)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質。
[12] L−ピペコリン酸に、[11]に記載のタンパク質を作用させ、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する工程を含む、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
[13] L−リジンに、L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質を作用させ、L−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成し、続いてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドがデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸へ変換される工程;および
得られたデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸に、デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質を作用させ、L−ピペコリン酸を生成する工程
をさらに含む、[12]に記載の製造方法。
[14] シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を培養液1L当り50mg以上生産する能力を有する、[9]または[10]に記載の遺伝子組換え微生物または遺伝子組換え大腸菌。
(1)L−リジンを基質として、L−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成し、続いてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドがデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸へ変換される工程;
(2)デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する工程;および
(3)L−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する工程。
(A)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(C)配列番号2に記載の塩基配列と少なくとも85%以上の同一性を有し、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(d)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(e)配列番号25に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(f)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質。
本発明でポリヌクレオチドに関し、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」というときは、特に記載した場合を除き、いずれのポリヌクレオチドにおいても、ハイブリダイゼーションの条件は、Molecular Cloning. A Laboratory Manual. 2nd ed.(Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press)およびHybridization of Nucleic Acid Immobilization on Solid Supports(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 138,267−284(1984))の記載に従い、取得しようとするポリヌクレオチドに合わせて適宜選定することができる。例えば85%以上の同一性を有するDNAを取得する場合、2倍濃度のSSC溶液および50%ホルムアミドの存在下、45℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、60℃でフィルターを洗浄する条件を用いればよい。また90%以上の同一性を有するDNAを取得する場合、2倍濃度のSSC溶液および50%ホルムアミドの存在下、50℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1倍濃度のSSC溶液)を用い、65℃でフィルターを洗浄する条件を用いればよい。
(A’)配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B’)配列番号1に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(C’)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも85%以上の同一性を有し、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D’)配列番号24に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E’)配列番号24に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F’)配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
(d’)配列番号24に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(e’)配列番号24に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(f’)配列番号24に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質。
L−リジンの初発濃度は、例えば2〜32g/L、より特定すると4〜16g/Lとすることができ、α−ケトグルタル酸の初発濃度は、例えば0〜16g/L、より特定すると0〜8g/Lとすることができる。あるいはα−ケトグルタル酸の初発濃度は、例えば1〜16g/L、より特定すると2〜8g/Lとすることができる
また、塩は、無水物、または溶媒和物であってよく、溶媒和物には、水和物、メタノール和物、エタノール和物、プロパノール和物、および2−プロパノール和物が含まれる。
配列番号1の塩基配列を参考にして、5’末端にNcoIサイトを付加したプライマーlac−lat−NcoF2(配列番号9参照)および5’末端にSpeIサイトを付加したプライマーlat−XhoR(配列番号10参照)を設計し、作成した。次に、この2種のプライマーとフラボバクテリウム ルテセンス(Flavobacterium lutescens)IFO3084株ゲノムDNAをテンプレートとして用いてPCR反応を行った。PCR反応は、KOD−Plus−Ver.2(TOYOBO社)を用い、変性を98℃20秒間、アニーリングを60℃20秒間、伸長を68℃90秒間行う2段階の反応を30回繰り返した。このPCR増幅反応液からlatを含む約1.5kbpの大きさのDNA断片をWizard PCR Preps DNA Purification System(Promega社)によって回収した。得られたDNA断片を制限酵素NcoIとXhoIで消化したものをlat断片とした。
プラスミドpRSF−Cis(図2)、pRSF−CisShort、pRSF−PA、pRSF−LatCisおよびpRSFDuet−1を用いて、大腸菌ワンショットBL21(DE3)コンピテントセル(ライフテクノロジーズジャパン社)を形質転換した株をそれぞれBL21(DE3)/pRSF−Cis、BL21(DE3)/pRSF−CisShort、BL21(DE3)/pRSF−PABL21(DE3)/pRSF−LatCisおよびBL21(DE3)/pRSFDuet−1とした。これらの株をカナマイシン硫酸塩(25μg/ml)を含むM9SEED液体培地(3.39% Na2HPO4、1.5% KH2PO4、0.25%塩化カルシウム、0.5%塩化アンモニウム、1% カザミノ酸、0.002% チミン、0.1mM塩化カルシウム、0.1mM硫酸鉄、0.4% グルコース、0.001mM 塩化マグネシウム)に接種し、30℃で22時間220rpmで振とう培養した。この培養液10μLをカナマイシン硫酸塩(30μg/mL)とOvernight Express Autoinduction Systems(メルク社)を含むM9Cis培地(3.39% Na2HPO4、1.5% KH2PO、0.25% 塩化ナトリウム、0.5% 塩化アンモニウム、1% カザミノ酸、0.002% チミン、0.1mM 塩化カルシウム、0.1mM 硫酸鉄、80μg/ml 5−アミノレブリン酸、0.01%)に添加した後、30℃で9時間220rpmで振とう培養した。ここで40% L−リジン塩酸塩10μL(終濃度8g/L)、20% α−ケトグルタル酸 10μL(終濃度4g/L)、100mM IPTG 0.5μL(終濃度0.1mM)、および50% Glycerol 5μL(終濃度0.5%)を加え、さらに30℃、220rpmで振とう培養した。培養開始後24時間の時点で培養液の遠心上清を回収し、LC/MS分析サンプル調製に充てた。
カラム:CAPCELLPAK C18 SG120,4.6×150mm,5μm
流速:1.0mL/min
移動相:A;0.1%酢酸 B;アセトニトリル
グラジエント:0−9min(B:30−65%),9.01−12min(B:90%),12.01−15min(B:30%)
検出:340nm
注入量:5μL
カラム温度:40℃
MS:Agilent 6320 (Ion trap)
Mode:ESI/APCI positive
Scan Range:m/z 100−900
分析時間:15分
保持時間:L−リジン 10.0分
L−ピペコリン酸 8.5分
シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸 5.8分
プラスミドpRSF−Cis、pRSF−LotiおよびpRSF−MutCisを用いて大腸菌ワンショットBL21(DE3)コンピテントセルを形質転換した株をそれぞれBL21(DE3)/pRSF−CisおよびBL21(DE3)/pRSF−Lotiとした。また、プラスミドpRSF−MutCisLibraryを用いて大腸菌ワンショットBL21(DE3)コンピテントセルを形質転換した株のうちの一株を、BL21(DE3)/pRSF−MutCis1とした。これらの株を実施例2と同様に培養および分析を行い、L−ピペコリン酸およびシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸の量を測定した。測定結果を表2に示す。
プラスミドpRSF−Cis、およびpRSF−CisΔproCΔrocGを用いて大腸菌ワンショットBL21(DE3)コンピテントセルを形質転換した株をそれぞれBL21(DE3)/pRSF−CisおよびBL21(DE3)/pRSF−CisΔproCΔrocGとした。これらの株を実施例2と同様に培養および分析を行い、L−ピペコリン酸およびシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸の量を測定した。測定結果を表3に示す。
プラスミドpRSF−CisのproC遺伝子、rocG遺伝子、もしくはこれら両遺伝子を削る為、以下のプライマーを作製した。
プライマーproCrocGX−SpeR (配列番号27参照)
プライマーproCX−SpeR (配列番号28参照)
プライマーrocGX−SpeF (配列番号29参照)
プライマーproCX−SpeF (配列番号30参照)
配列番号2:cisの塩基配列
配列番号3:proCの塩基配列
配列番号4:lysPの塩基配列
配列番号5:rocGの塩基配列
配列番号6:melilotiの塩基配列
配列番号7:lotiの塩基配列
配列番号8:shortcisの塩基配列
配列番号9:プライマーlac−lat−NcoF2
配列番号10:プライマーlat−XhoR
配列番号11:プライマーlysP−SD−XhoF
配列番号12:プライマーlysP−KpnR
配列番号13:proC−SD−KpnF
配列番号14:プライマーproC−BamR
配列番号15:プライマーrocG−SD−BamF
配列番号16:プライマーrocG−XbaR
配列番号17:プライマーsegni−short−NdeF
配列番号18:プライマーsegni−cis−BglR
配列番号19:プライマーsegni−cis−NdeF2
配列番号20:プライマーlat−(Spe)AflR2
配列番号21:プライマーloti−SD−PacF
配列番号22:プライマーloti−AvrR
配列番号23:変異型cisの塩基配列
配列番号24:latがコードするタンパク質のアミノ酸配列
配列番号25:cisがコードするタンパク質のアミノ酸配列
配列番号26:変異型cisがコードするタンパク質のアミノ酸配列
配列番号27:プライマーproCrocGX−SpeR
配列番号28:プライマーproCX−SpeR
配列番号29:プライマーrocGX−SpeF
配列番号30:プライマーproCX−SpeF
Claims (13)
- 下記の(A)〜(F)のいずれか一のポリヌクレオチドを発現可能な状態で含む微生物により、L−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する工程を含む、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法:
(A)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、このときストリンジェントな条件が、2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる。)および50%ホルムアミドの存在下、50℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1倍濃度のSSC溶液を用い、65℃でフィルターを洗浄する条件である、ポリヌクレオチド;
(C)配列番号2に記載の塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を有し、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E)配列番号25に記載のアミノ酸配列において29個以下のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。 - 微生物が、L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、およびデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、発現可能な状態でさらに含み:
L−リジンを基質として、L−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成し、続いてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドがデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸へ変換される工程;および
デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する工程
をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。 - L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、フラボバクテリウム ルテセンス(Flavobacterium lutescens)由来である、請求項2に記載の製造方法。
- 微生物が大腸菌であり、デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを元来有する、請求項2または3に記載の製造方法。
- 下記の(A)〜(F)のいずれか一のポリヌクレオチド:
(A)配列番号2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;
(B)配列番号2に記載の塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、このときストリンジェントな条件が、2倍濃度のSSC溶液および50%ホルムアミドの存在下、50℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウムよりなる。)を用い、65℃でフィルターを洗浄する条件である、ポリヌクレオチド;
(C)配列番号2に記載の塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を有し、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(D)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(E)配列番号25に記載のアミノ酸配列において29個以下のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(F)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。 - 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含む、微生物の形質転換用ベクター。
- L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項6に記載の微生物の形質転換用ベクター。
- α−ケトグルタル酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質および/またはデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含む、請求項6または7に記載の微生物の形質転換用ベクター。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載のベクターにより形質転換された、遺伝子組換え微生物。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチド、およびL−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドにより形質転換され、L−リジンを出発物質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する能力を有する、遺伝子組換え大腸菌。
- 下記の(d)〜(f)のいずれか一のタンパク質:
(d)配列番号25に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(e)配列番号25に記載のアミノ酸配列において29個以下のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(f)配列番号25に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつL−ピペコリン酸を基質としてシス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質。 - L−ピペコリン酸に、請求項11に記載のタンパク質を作用させ、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸を生成する工程を含む、シス−5−ヒドロキシ−L−ピペコリン酸もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
- L−リジンに、L−リジンを基質としてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質を作用させ、L−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドを生成し、続いてL−アミノアジピン酸−デルタ−セミアルデヒドがデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸へ変換される工程;および
得られたデルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸に、デルタ1−ピペリデイン−6−カルボン酸を基質としてL−ピペコリン酸を生成する反応を触媒する活性を有するタンパク質を作用させ、L−ピペコリン酸を生成する工程
をさらに含む、請求項12に記載の製造方法。
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