JP6277672B2 - ロボット - Google Patents

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Description

この発明は、ロボット、特に、多関節アームを有するロボットに関するものである。
従来より、工場等の製造現場における工業製品の組み立て工程、あるいは溶接工程等の作業において、自動化や省力化のために産業用のロボットが多用されている。そして近年は、工業製品の小型化や高機能化に対応するための作業工程の複雑化に伴い、多数のリンクやジョイントなどのアーム部材が駆動軸(回転軸)により回動可能に組み合わされた多関節アームを有する多軸制御のロボットの需要が増えてきている。例えば特許文献1には、基体(胴体)の左右両側に6軸の多関節アームが連結されたロボットが開示されている。こうした6軸の多関節アームにおいては、人の腕の動きと同じような動きを実現すべく、例えば、肩部、上腕部、前腕部、手首部で構成されている。このような多関節アームの手首部となるリンクの先端側には、ロボットが行う所定の作業を実行するロボットハンドなどのエンドエフェクターが取り付けられる。
また、近年では、多関節アームの動作を人の腕の動きにさらに近づけるべく、捻り動作(ロール軸を回転軸として回転する動作)を行うための関節が上腕部に追加され、捻り動作を行うアームと屈伸動作(ロール軸と直交するヨー軸を回転軸として回転する動作)を行うアームとが交互に連結された7軸構成の多関節アームも開発されている。
このように、従来、人手で行っている作業を、産業用のロボットによって自動化しようとしたとき、既存のラインに導入可能とするためには人と同様なサイズのロボットであること、即ち小型化が求められる。上記したような6軸構成、あるいは7軸構成の多関節アームを有するロボットにおいて、多関節(多軸)アームの駆動によるエンドエフェクターの移動の自由度を大きくすることと、小型化とを同時に図るうえでは、ロボットの多関節アームにおいて隣り合うリンクどうしを回動可能に接続して駆動させる関節構造が支配的な要素となる。特に、多関節アームにおいてエンドエフェクターが取り付けられる最末端のリンクのコンパクト化が必要なのはもちろんのこと、その最末端のリンクの駆動軸が設置されるリンクの関節構造のコンパクト化がポイントになる。
例えば、最末端のリンクは、隣り合うリンクに対して屈伸動作を行うヨー軸により連結される。この第nリンクヨー軸として、駆動用回転源としての例えばモーターの回転軸を直接接続すると、モーターが第nリンク駆動軸の方向に迫り出すことになり、第n−1リンクの関節構造の大型化を招いてしまう。
これを回避し得る関節構造として、第nリンクの駆動用回転源と、第nリンクのヨー軸回りに回動する駆動軸を介して駆動用回転源により回動する駆動輪(駆動プーリー)と、タイミングベルトなどの無縁の動力伝達索条を介して駆動輪に連結された従動輪(従動プーリー)と、を第n−1リンクに配置した構成が有効であり、第nリンクと第n−1リンクとの関節構造の小型化に有利であることを発明者は見出した。
特開2008−188699号公報
しかしながら、上記のタイミングベルト駆動により第n−1に対して第nリンクを屈伸動作させる関節構造では、ロボットの多関節アームの回動角度を大きく確保したい方向に対して駆動軸が近づく方向に在ると、第n−1リンクが第nリンクの屈伸動作に干渉して、エンドエフェクターの移動の自由度が制約される虞があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るロボットは、基体と、複数のアーム部材と、前記複数のアーム部材を連結して回動させる関節駆動機構とを含む多関節アームと、を有し、前記多関節アームが、前記基体に対する肩軸回りに回動するように連結され、隣り合う前記アーム部材が、前記肩軸と平行なロール軸、または、前記ロール軸と直交なヨー軸のいずれかの軸回りに回動するように連結され、前記ヨー軸が、前記基体側から順に第1番目のヨー軸〜第n番目のヨー軸とすると(nは3以上の整数)、前記第n番目のヨー軸の前記関節駆動機構が、駆動源と、前記駆動源から伝達される動力によって回転する駆動輪と、無縁の動力伝達索条を介して前記駆動輪から動力を伝達されて前記第n番目のヨー軸として回転する従動輪と、を備え、前記第n番目のヨー軸の回転軸線と、前記第n−1番目のヨー軸の回転軸線と、を結ぶ仮想の直線上に、前記駆動輪が配置されないことを特徴とする。
本適用例における「平行」とは、完全に平行である構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含む意味であり、「直交」とは、完全に直交する構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含む意味である。
また、本適用例における「肩軸」とは、基体表面と交差する回転軸のことをいい、「ヨー軸」とは、所望の面に沿ってアーム部材の長手軸を旋回させる回転軸のことをいい、「ロール軸」とは、前記した「ヨー軸」と直交する回転軸のことをいう。
本適用例によれば、第n番目のヨー軸に駆動用回転源を直接接続する構造よりも、第n番目のヨー軸を設置するアーム部材の小型化が図れるとともに、第n番目のヨー軸の回転軸線と、第n番目のヨー軸に隣接するヨー軸の回転軸線とを結んだ仮想の線上とは異なる位置に駆動軸が配置されていることにより、第n番目のヨー軸が設置されたアーム部材において仮想の線を挟んで駆動軸とは反対側の領域に、第n番目のヨー軸回りに回動するアーム部材の屈伸動作させるスペースを広く確保することができる。
また、第n番目のヨー軸と、隣接するヨー軸とが一直線上に配置されているので、多関節アームの動作の特異点が抑えられ、エンドエフェクターの移動の連続性を高く確保できる。
したがって、高精度な作業を実行可能な小型・軽量のロボットを提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載のロボットにおいて、前記駆動輪は、前記多関節アームの回動角度が大きくなる方向に前記仮想の直線から離して配置されることを特徴とする。
本適用例によれば、仮想の線に対して関節アームの回動角度を大きくする方向の多関節アームの移動の自由度が高いロボットを提供することができる。例えば、エンドエフェクターにより、被作業物を鉛直方向上方に持ち上げる方向のロボットの基体寄りの作業に好適なロボットを提供できる。
[適用例3]上記適用例に記載のロボットにおいて、前記基体に複数の前記多関節アームを連結したことを特徴とする。
本適用例によれば、上記適用例に示された、可動領域が大きく確保され、特異点が抑えられ、小型・軽量化に有利な多関節アームを複数備えているので、多様な作業を高精度にて行うことが可能な小型のロボットを提供することができる。
実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図。 実施形態1のロボットに係る関節駆動機構の一例としてのアクチュエーターの正面構造を模式的に示す一部断面図。 実施形態1のロボットの関節駆動機構の別の構造を模式的に示す斜視図。 (a)は、実施例の評価において水準を振った関節駆動機構の各部の距離や角度の設定位置を示す多関節アームの部分拡大模式図、(b)は、本実施例の評価結果を示すグラフ。 実施形態2に係るロボットを模式的に示す説明図。
以下、本発明に係るロボットの一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
(実施形態1)
まず、本実施形態1に係るロボットの概略構成について説明する。図1は、実施形態1に係るロボットの概略構成を模式的に示す斜視図である。なお、実施形態における「回転」とは、正転及び逆転を意味する。
図1に示すロボット10は、基本的な駆動軸である回転軸を6つ有する6軸の垂直型多関節ロボットであり、人間の腕の構造を模して高さ方向(Z軸)に複数のアーム部材としてのリンク(腕木)が複数のアーム部材としてのジョイント(関節、継手)によって直列に接続された構成であるため、自由度が高く複雑な作業を行うことが可能である。
ロボット10は、基体としての基底部70および本体部71と、制御部72と、アーム部材としてのジョイント73、リンク74、ジョイント75、リンク76、ジョイント77、リンク78、ジョイント79、リンク80、およびエンドエフェクター(不図示)が取り付けられるリンク81を有し、隣り合うリンクおよび/またはジョイント同士が関節駆動機構により回動可能に連結された多関節アームと、を有している。
基底部70は、ロボット10の台座であり、工場内の作業スペースの床や、作業台などの平面に複数本のボルト(ネジ)によって強固に固定される。なお、固定場所は、水平面(X軸及びY軸を含む面)に限定するものではなく、ロボット10の重量、及び振動に耐え得る強度があれば、移動可能な台車上や、壁面、天井、あるいは後述するようなロボットユニットに設けられたアーム連結部などであっても良い。
制御部72には、図示はしないが、ロボット10を操作するための操作パネルに加えて、動作プログラムを入力するためのRS232Cや、USB(Universal Serial Bus)などのインターフェイス端子が設けられている。または、無線LAN(Local Area Network)端末や、赤外線送受信器などのインターフェイス装置を備えた構成であっても良い。
なお、制御部72は、ロボット本体とは別体に設けられていても良い。
本体部71の上には、ジョイント73、リンク74が、この順番に配置されている。
まず、ロボット10のジョイント73からリンク80までの多関節アーム構造(腕から手まで)は、本体部71をZ軸方向に貫く肩軸91を中心にして水平方向に旋回する。即ち、ジョイント73は、本体部71の表面と交差する回転軸である肩軸91回りに回動するように本体部71に連結されている。なお、本実施形態において「肩軸」とは、基体としての本体部71表面と交差する回転軸のことをいう。
また、エンドエフェクターが取り付けられるリンク81が、多関節アーム構造における一端(末端)であり、本体部71(基底部70側)に取り付けられたジョイント73がロボットアーム構造における他端(根元)に相当する。なお、以降の説明において、ロボットアーム構造におけるリンク81に近い側を「末端側」、基底部70に近い側を「根元側」という表現も用いる。
また、本体部71には、ロボットアーム構造を回転駆動するためのモーター、および複数のギヤを含む減速機構などが組み込まれている。また、以降説明する各回転軸の近傍にも、該当するリンクやエンドエフェクターを駆動するためのモーター、および減速機構などが組み込まれている。
ジョイント73の末端側に延在するように配置されたリンク74の末端側には、ジョイント75が組み合わされている。ジョイント75は、肩軸91と直交する第1番目のヨー軸92であって、リンク74をX軸方向に貫く第1番目のヨー軸92を中心にして回動するように駆動される。第1番目のヨー軸92は、リンク74の末端側に位置している。ここで、「直交」とは、完全に直交する構成に加えて、10°以内の範囲で交差している構成を含むものと定義する。
なお、本実施形態1の多関節アームにおいて、第1番目のヨー軸92と平行なヨー軸は、本体側から順に第1〜第nヨー軸と、追番にて名称を付す。
また、回転軸の延在方向は、ロボットが動作すると変化する(例えば、肩軸91回りに回動した場合)ため、図1に示す、回動角度が初期状態の角度である状態を前提として説明する。また、本実施形態において「ヨー軸」とは、所望の面に沿ってアーム部材の長手軸を旋回させる回転軸のことをいう。
リンク76は、ジョイント75の末端側に延在するように配置されている。
リンク76の末端側にはジョイント77が組み合わされており、さらにこのジョイント77の末端側にはリンク78が組み付けられている。リンク78は、ジョイント77の末端側に延在するように配置されている。リンク78が組み付けられたジョイント77は、リンク76の末端側をX軸方向に貫く第2番目のヨー軸93を中心にして駆動される。
そして、リンク78の末端側には、ジョイント79が組み合わされている。ジョイント79は、リンク78の末端側をX軸方向に貫くロール軸94を中心にしてジョイント79がリンク78に対して捻れ方向(ロール方向)に回動するように駆動される。
なお、本実施形態において「ロール軸」とは、前記した「ヨー軸」と直交する回転軸のことをいう。
また、ジョイント79の末端側には、リンク80が組み合わされており、このリンク80は、ジョイント79の末端側をX軸方向に貫く第3番目のヨー軸95を中心にして駆動される。
リンク80の末端側には、このリンク80に延在するようにリンク81が配置されている。リンク81は、リンク80の末端側をリンク80からリンク81の延在方向に沿うY軸方向、即ち、円柱状をなしたリンク81の略中心を貫くロール軸96を中心にしてリンク81がリンク80に対して捻れ方向に回動するように駆動される。
上述したように、多関節アームの末端側には、ロボット10が行う所定の作業を実行する機構としてのエンドエフェクターが組み合わされる(不図示)。エンドエフェクターは、ロボット10の用途により種々の形態のものを用いることができる。例えば、製造物の部品などを把持するロボットハンドなどの把持機構や、半田付けや溶接のような加工を行うツールをリンク81の末端側に取り付けることにより、種々の作業を実施するロボット10として用いることができる。
次に、上記した構成のロボット10の多関節アームの関節駆動機構について説明する。において、隣り合うアーム部材(リンク、ジョイント)同士を回動可能に連結する関節駆動機構について説明する。
まず、多関節アームの最末端のヨー軸である第3番目のヨー軸95とは異なる回転軸(関節)の関節駆動機構について図面を参照して説明する。図2は、関節駆動機構としてのアクチュエーター2の正面構造を模式的に示す一部断面図である。なお、図2では、多関節アームの各関節部において根元側のアーム部材(リンクまたはジョイント)を基本リンク110と呼び、その基本リンク110に対して回動させる末端側のアーム部材を回動リンク112として説明する。
図2において、アクチュエーター2は、モーター22、減速機24、減速機出力軸カラー26、減速機出力軸30、及び少なくとも一部としてモーター22のモーターフレーム32を有する動力伝達軸34で構成されている。
モーター22は、ローター38とローターシャフト40とステータ42とモーターフレーム32とを備えている。モーター22のローターシャフト40は、減速機24の入力軸と減速機24の内部で接続されている。ローター38の外周に、ステータ42とモーターフレーム32とが設けられている。ローターシャフト40の回転力は減速機24に伝達され、減速機24はこの回転力のトルクを増大させたトルク出力を出力する。
減速機24のフレーム36は、モーター22のモーターフレーム32(或いは動力伝達軸34)と接続されている。減速機24は、モーター22からの回転を減速し、回転のトルク出力を増大させて出力する。減速機24は、内部に入力軸の回転を減速する歯車機構(図省略)と、減速機出力軸30を支持する関節軸受機構(図省略)とを内蔵する。減速機24の歯車機構は波動歯車を用いてもよいが、他の減速機構を用いてもよい。
減速機出力軸カラー26は、減速機出力軸30に接続され、減速機24若しくは動力伝達軸34の外周に配置されている。減速機出力軸カラー26は、線条体28が減速機24と接触することを防止する。ここで、線条体28は、配線及び配管の少なくとも一方である。なお、線条体とは、電力線(電線)、信号線、気体を送る気体用配管、及び液体を送る液体用配管等を総称している。気体用配管には真空用配管も含まれる。
減速機出力軸30は、トルク出力を減速機24から回動リンク112に伝達する。減速機出力軸30の外周には、減速機出力軸30に接続される減速機出力軸外筒16が配置されている。減速機出力軸30には、回動リンク112、減速機出力軸外筒16、及び減速機出力軸カラー26が接続されている。減速機出力軸30は増大したトルク出力を回動リンク112に伝達する。減速機出力軸30とは、減速機24が出力したトルク出力を回動リンク112に伝達する全ての部材を対象とする。
動力伝達軸34は、減速機24のフレーム36と基本リンク110とを接続する部材である。動力伝達軸34は、少なくとも一部としてモーターフレーム32を有している。例えば、動力伝達軸34はモーターフレーム32と一体構造である。これにより、一体化による放熱特性向上で高負荷駆動ができる。動力伝達軸34は、モーター22のモーターフレーム32を兼ね、この中にモーター22を構成するローター38、ローターシャフト40、及びステータ42が組み込まれている。動力伝達軸34は、基本リンク110と接続されている。動力伝達軸34は、トルク出力の反力を減速機24のフレーム36から基本リンク110に伝達することによって、回動リンク112と基本リンク110とを互いに回動させる。動力伝達軸34の外周には、動力伝達軸34に接続される動力伝達軸外筒14が配置されている。
この他に、アクチュエーター2には、回転数検出部(位置検出器)44及びメカニカルブレーキ46が設けられるが、設ける位置は図示された位置以外でもよい。
回転数検出部44は基本リンク110の内部に配置されてもよい。これにより、基本リンク110と回動リンク112との間の長さを短くすることができ、関節駆動装置としてのアクチュエーター2を小型化することができる。回転数検出部44は、ユニット構造を使用してもよいし、モジュール構造を使用してもよい。
減速機出力軸30は、中心部を中空構造で構成され、モーター22の回転軸は、減速機出力軸30の中空構造の中を貫通させてメカニカルブレーキ46の入力軸に接続され、メカニカルブレーキ46のフレームは、回動リンク112の内部に配置されていてもよい。これにより、基本リンク110と回動リンク112との間の長さを短くすることができ、関節駆動装置としてのアクチュエーター2を小型化することができる。
次に、本発明の特徴であるロボット10の多関節アームにおける最末端側の関節駆動機構の詳細について図面を参照しながら説明する。図3は、ロボット10のジョイント79に対してリンク80を屈伸させる(ヨー軸を回転軸として回動させる)関節駆動機構の構造を模式的に示す斜視図であって、当該関節駆動機構以外の部材を一部省略するとともに、ジョイント79内部の関節駆動機構の構造を説明する便宜上、一部を透視して示す図である。
上記した複数のリンクやジョイントなどのアーム部材が、ロール軸およびヨー軸により連結された複数の関節駆動機構を有するロボット10の多関節アームにおいて、最末端側のヨー軸である第3番目のヨー軸95を回転軸とした関節駆動機構は、ジョイント79に設置されている(図1を参照)。
その第3番目のヨー軸95を含む関節駆動機構の詳細を示す図3において、ジョイント79には、第3番目のヨー軸95を回転軸として回動する従動輪としての従動プーリー86と、第3番目のヨー軸95の駆動回転源としてのモーター80Mと、そのモーター80Mにより第3番目のヨー軸95と同じ回転軸回りに回動する駆動軸97と、駆動軸97を介してモーター80M1により回動する駆動輪としての駆動プーリー85とを有している。そして、駆動プーリー85と従動プーリー86とは無縁の動力伝達索条としてのタイミングベルト87を介して連結されている。また、駆動プーリー85と従動プーリー86との間には、タイミングベルト87のテンションを調整するためにタイミングベルト87の動きに従って回動可能に接触させたプーリーを有するアイドラー88が配置されている。
以上、説明した構成のロボット10は産業用ロボットには限定されず、医療用ロボットや家庭用ロボットであっても良い。
上記したジョイント79に設置された関節駆動機構において、第3番目のヨー軸95の回転軸線と、多関節アームにおいて第3番目のヨー軸95に隣接する第2番目のヨー軸93の回転軸線とを結ぶ仮想の線P1上とは異なる位置に、駆動軸97がその回転軸線を位置させて配置されている。
これにより、第3番目のヨー軸95にも駆動用回転源としてのモーターを直接接続する構造よりも、第3番目のヨー軸95を設置するアーム部材としてのジョイント79の小型化が図れる。具体的には、第3番目のヨー軸95の軸方向にモーターが配置されることによる多関節アームの延伸方向と直交するアーム幅方向へのジョイント79の幅の増大が抑えられる。
しかも、第3番目のヨー軸95の回転軸線と、隣接するヨー軸である第2番目のヨー軸93の回転軸線とを結んだ仮想の線P1上とは異なる位置に回転軸線をずらして駆動軸97が配置されていることにより、ジョイント79において仮想の線P1を挟んで駆動軸97とは反対側の領域に、第3番目のヨー軸95回りに回動させたアーム部材としてのリンク80およびその末端側に組み込まれたリンク81や図示しないエンドエフェクターが干渉しないスペースを広く確保することができる。
また、第3番目のヨー軸95と、隣接するヨー軸である第2番目のヨー軸93とが一直線上に配置されているので、多関節アームの末端側に取り付けたエンドエフェクターにより所望の作業を実施すべく多関節アームを動作させてエンドエフェクターを所望の位置に移動させる制御を実施したときの特異点が抑えられ、エンドエフェクターの移動の連続性を高く確保することができる。
したがって、上記1のロボット10によれば、多関節アームを備えたロボットにおいて、高精度な作業を実行可能な小型・軽量のロボット10を提供することができる。
特に、上記実施形態1のロボット10では、駆動軸97が、仮想の線P1に対して多関節アームの回動角度を大きくする方向とは逆の方向にずらして配置されているので、多関節アームの回動角度を大きくする方向とは反対側の方向の多関節アームの移動の自由度が高いロボットを提供することができる。具体的には、多関節アームの最末端のリンク81に取り付けたエンドエフェクターにより、ロボット10の鉛直方向下方の本体部(基体)71側、即ち、人でいうところの手元付近の細かい作業に好適なロボット10を提供することができる。
次に、上記実施形態のロボット10を用いた作業の実施例について説明する。
本実施例は、ロボット10において、多関節アームの最末端側のヨー軸である第3番目のヨー軸95と、その第3番目のヨー軸95に隣接するヨー軸である第2番目のヨー軸93とを結んだ仮想の線P1に対して、駆動軸97を離した(ずらした)距離と、多関節アームを屈伸させたときのアーム各部が干渉し合う度合いとの関係について評価したものである。
図4(a)は、本実施例の評価において水準を振った各部の距離や角度の設定位置を示す多関節アームの部分拡大模式図であり、(b)は、本実施例の評価結果を示すグラフである。なお、上記実施形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、図4(a)において、第3番目のヨー軸95と第2番目のヨー軸93とを結んだ仮想の線P1から駆動軸97までの距離を数水準振り、第3番目のヨー軸95回り、および、第2番目のヨー軸93回りのそれぞれに屈伸動作を行ったときに、多関節アームの各アーム部材どうしが干渉し合うまでの動作角を測定した。具体的には、仮想の線P1から駆動軸97に引いた仮想の垂線P2の長さLを数水準振り、第3番目のヨー軸95を接点として、第3番目のヨー軸95からリンク80,81の中心を貫く仮想の線P80と仮想の線P1とが成す角である動作角R2、および、第2番目のヨー軸93を接点として、第2番目のヨー軸93からリンク76の中心を貫く仮想の線P76と仮想の線P1とが成す角である動作角R1をそれぞれ測定した。
本実施例の測定結果を図4(b)に示す。この結果によれば、仮想の線P1から駆動軸97に引いた仮想の垂線P2の長さLが20mmのときに、動作角R1と動作角R2との和が最大になることがわかる。したがって、仮想の線P1から駆動軸97までの距離を略20mm離して(ずらして)配置すると、多関節アームの可動域をより大きくできるので好ましい。なお、略20mmとは、20mmを設計値若しくは希望値として狙った値を指すものであり、例えば、10mm以内の範囲で20mmに近い長さを含む意味である。
(実施形態2)
次に、ロボットの実施形態2について、図面を参照して説明する。
図5は、実施形態2に係るロボットを模式的に示す説明図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図5において、本実施形態2のロボット200は、胴体部213に、実施形態1のロボット10と同じ構成の2つの第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bが設置されてなる双腕ロボットである。
ロボット200は、このロボット200を支持する架台211と、架台211に固設された円柱状の胴体部213と、胴体部213の架台211側とは反対側の上部に胴体部213から略直角に突設された第1アーム連結部215Aおよび第2アーム連結部215Bとを有している。
第1アーム連結部215Aの胴体部213側とは反対側の第1ロボットアーム10A設置面側は、第1アーム連結部215Aの突設方向に貫く第0回転軸J0AL回りに回動可能な第1アーム固定部J0Aを有している。そして、第1アーム固定部J0Aには、上記実施形態のロボット10と同一構成の第1ロボットアーム10Aの本体部71が固定されている。
同様に、第2アーム連結部215Bの胴体部213側とは反対側の第2ロボットアーム10B設置面側は、第2アーム連結部215Bの突設方向に貫く第0回転軸J0BL回りに回動可能な第2アーム固定部J0Bを有している。そして、第2アーム固定部J0Bには、上記実施形態1のロボット10と同一構成の第2ロボットアーム10Bの本体部71が固定されている。
6軸制御の第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bともに、第1アーム固定部J0Aおよび第2アーム固定部J0Bが第0回転軸J0ALおよび第0回転軸J0BLをそれぞれ有していることにより、実質的に7軸制御のロボット200として、第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bのそれぞれを多彩な軌道にて自由度の高い移動を実現することができる。
本実施形態2に係るロボット200によれば、上記実施形態1で説明したロボット10と同一構成の第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bを備えているので、多様な作業を高精度にて行うことが可能な、小型の双腕ロボット200を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
例えば、上記実施形態1では、駆動軸97が、仮想の線P1に対して多関節アームの回動角度を大きくする方向とは逆の方向にずらして配置され、ロボット10の鉛直方向下方の本体部(基体)71側、即ち、人が作業する場合の手前側手元付近の細かい作業に好適なロボット10を構成した例を説明した。
これに限らず、駆動軸97を、仮想の線P1に対して多関節アームの回動角度を大きくする方向にずらして配置する構成としてもよい。
このようにすれば、仮想の線P1に対して関節アームの回動角度を大きくする方向の多関節アームの移動の自由度が高いロボットを提供することができ、例えば、エンドエフェクターにより、被作業物を鉛直方向上方に持ち上げる方向のロボットの本体部(基体)寄りの領域の作業に好適なロボットを提供することができる。
また、上記実施形態2のロボット200は、第1ロボットアーム10Aおよび第2ロボットアーム10Bの二つのロボットアームを有する双腕ロボットである構成を説明した。これに限らず、3つ以上のロボットアームを備える構成としてもよい。
10,200…ロボット、10A…第1ロボットアーム、10B…第2ロボットアーム、71…基体としての本体部、72…制御部、73,75,77,79…アーム部材としてのジョイント、74,76,78,80,81…アーム部材としてのリンク、80M…駆動用回転源としてのモーター、85…駆動輪としての駆動プーリー、86…従動輪としての従動プーリー、87…無縁の動力伝達索条としてのタイミングベルト、88…アイドラー、91…肩軸、92…第1番目のヨー軸、93…第2番目のヨー軸、94,96…ロール軸、95…第3番目のヨー軸、97…駆動軸、P1…仮想の線、P2…仮想の垂線。

Claims (3)

  1. 基体と、複数のアーム部材と、前記複数のアーム部材を連結して回動させる関節駆動機構とを含む多関節アームと、を有し、
    前記多関節アームが、前記基体に対する肩軸回りに回動するように連結され、
    隣り合う前記アーム部材が、前記肩軸と平行なロール軸、または、前記ロール軸と直交なヨー軸のいずれかの軸回りに回動するように連結され、
    前記ヨー軸が、前記基体側から順に第1番目のヨー軸〜第n番目のヨー軸とすると(nは3以上の整数)、
    前記第n番目のヨー軸の前記関節駆動機構は、前記第n番目のヨー軸と前記第n−1番目のヨー軸とを結ぶ仮想の直線が延在する方向において前記第n番目のヨー軸の回転軸線と前記第n−1番目のヨー軸の回転軸線とによって挟まれる領域に配置された駆動源と、前記駆動源から伝達される動力によって回転する駆動輪と、無縁の動力伝達索条を介して前記駆動輪から動力を伝達されて前記第n番目のヨー軸として回転する従動輪と、を備え、
    記仮想の直線上に、前記駆動輪が配置されないことを特徴とするロボット。
  2. 請求項1に記載のロボットにおいて、
    前記駆動輪は、前記多関節アームの回動角度が大きくなる方向に前記仮想の直線から離して配置されることを特徴とするロボット。
  3. 請求項1または2に記載のロボットにおいて、
    前記基体に複数の前記多関節アームを連結したことを特徴とするロボット。
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