以下、添付図面である図1〜図10を参照しつつ、本発明における加熱調理器の好ましい実施例を説明する。
先ず、加熱調理器に搭載される熱風発生機構の詳細について、図1や図2に基づき説明すると、1はオーブン機能を有する加熱調理器の外郭をなす本体であり、本体1の内部には、食品などの被調理物を収納するために、前面を開口した調理室2が配設される。3は、本体1の内部で加熱された空気を調理室2内に送り込んで循環させる熱風ファンであり、熱風ファン3は、その回転軸となるシャフト4を中心として、シャフト4の周囲に複数枚のブレード5を放射状に配置して構成される。
7は、熱風ファン3を正方向または逆方向に回転駆動させるための熱風ファンユニットであって、この熱風ファンユニット7は、前述した熱風ファン3の他に、熱風ファン3の駆動源となる正逆回転可能なモータ(またはモータユニット)8と、熱風ファン3とモータ8との間に介在するベルト9と、により構成される。モータ8の回転軸となるシャフト11には、このシャフト11と共に回転するプーリー12が取付け固定される一方で、熱風ファン3のシャフト4にも、シャフト4と共に回転するプーリー13が取付け固定され、これらのプーリー12,13に無端状のベルト9を周回可能に懸架することで、モータ8の回転力が、動力伝達機構14としてのプーリー12、ベルト9、およびプーリー13を介してシャフト4に伝達し、熱風ファン3を正方向または逆方向に回転させる構成となっている。
16は、熱風ファン3の回転に応じた電気信号を出力するフォトインタラプタである。このフォトインタラプタ16は周知のように、例えば発光ダイオードなどの発光素子17と、例えばフォトトランジスタなどの受光素子18とを対向配置して構成され、発光素子17と受光素子18との間に、熱風ファン3のシャフト4に具備された被検知体としてのスリット板19が回転可能に配設される。スリット板19は、細長なスリット(透孔)を有する円板状の非透光部材からなり、熱風ファン3が回転して、スリット板19に開口形成したスリットが周期的にフォトインタラプタ16を通過するのに伴い、発光素子17からの光が受光素子18に到達する毎に、受光素子18から検知信号が出力されるようになっている。
なお、ここではフォトトランジスタ16による検知構成を示したが、熱風ファン3のシャフト4の回転数を電気信号に変換できるものであれば、他のあらゆる構成を適用できる。
21は、フォトインタラプタ16の発光素子17に発光駆動信号を送出すると共に、受光素子18からの検知信号を取り込んで、所望の回転数と回転方向で熱風ファン3が回転するように、制御対象であるモータ8の入力を制御するモータ駆動回路である。モータ駆動回路21は、図2に示すように、マイコン(マイクロコンピュータ)を含む制御回路23と、フォトインタラプタ16から出力される検知信号のカウント数に基づいて、熱風ファン3の回転数を算出し、その算出結果を検知回転数として制御回路23に送出する回転数算出回路24と、制御回路21からのモータ制御信号を受けて、モータ8の入力である電圧や電流を調整するモータ電源回路25と、により構成される。なお図2では、各構成間の電気的な伝達経路を実線で示し、機械的な伝達経路を破線で示してある。
制御回路23は、加熱調理器の各部を制御するもので、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、入出力デバイスなどを備えている。また、フォトインタラプタ16とモータ駆動回路21の回転数算出回路24は、熱風ファン3の単位時間当たりの回転数を検知する検知手段として構成される。特に、本実施例の制御回路23は、内蔵するタイマー手段(図示せず)の計時カウントに基いて、熱風ファン3が所定周期で正回転と逆回転を繰り返し、且つ熱風ファン3の回転方向が切替わるまでの、熱風ファン3が連続して正回転または逆回転している間に、回転数算出回路24で得られた熱風ファン3の検知回転数に基づいて、この検知回転数が予め設定した目標回転数となるように、熱風ファン3を所望の回転数で正回転または逆回転させるモータ制御信号を生成して、モータ8の入力を制御する制御手段としての機能を備えている。
制御回路23はその他に、前述したモータ8の入力を制御している状態で、回転数算出回路24で得られた熱風ファン3の検知回転数が0であるか、或いは著しく低い所定値以下の状態で所定時間連続したときに、図示しない表示手段や報知手段などにエラー信号を出力して、ユーザに異常が発生したことを即時知らせるエラー出力手段としての機能と、熱風ファン3の回転方向を切替える一定時間前になると、熱風ファン3の回転数が時間と共に次第に減衰するようにモータ8の入力を制御し、或いはモータ8の入力を遮断して、回転数算出回路24で得られた熱風ファン3の検知回転数が一定値になるか、或いは一定値を下回った時に、熱風ファン3の回転方向を反転させるために、それまでとは逆方向の電流がモータ8に供給されるように、当該モータ8を制御して、前記熱風ファンの回転方向を切替えるモータ切替手段としての機能を兼ね備えている。
なお制御回路23は、熱風ファン3の回転方向を切替える所定期間以外で、熱風ファン3が連続して正回転または逆回転している間に、熱風ファン3の検知回転数と目標回転数が一致するように、モータ8の入力を制御してもよいが、目標回転数を基準として、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力を制御してもよいし、図示しない操作手段からの操作入力により、制御回路23に備えた複数の調理メニューの中から、特定の調理メニューを選択した場合に、その選択した調理メニューに応じて、目標回転数を基準として、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力を制御してもよい。
次に、加熱調理器の全体的な構成について、図3や図4を参照しながら説明する。加熱調理器の本体1は略矩形箱状で、本体1の前面には、調理室2の前面を閉じる開閉可能な扉31の他に、前述した操作手段や表示手段などが配設される。調理室2を形成する周壁は、天井壁2aと、底壁2bと、左側壁2cと、右側壁2dと、奥壁2eとからなり、これらの各壁2a〜2eを何れも矩形平坦状とした調理庫内を形成している。調理室2内の高さ方向の略中央には、食品などの被調理物Sを載置する浅皿状の角皿32が着脱可能に設置される。したがって、調理室2に角皿32を配置することで、調理室2内には上下2段に区画された空間ゾーンが形成される。
33は、調理室2の奥部に備えた熱風循環ユニットである。この熱風循環ユニット33は、奥壁2eを共用とし、調理室2内に熱風を流通させる第1の通風部として、複数の通風孔34を開口形成した第1の熱風ケーシング35と、空気を加熱する加熱手段としての熱風ヒータ36と、調理室2内に加熱した空気を送り込んで循環させる熱風ファン3と、熱風ファン3を正方向或いは逆方向に回転させる熱風モータとしてのモータ8と、複数の通風孔34を覆い、調理庫2内に熱風を流通させる第2の通風部として、複数の通風孔38a,38bを開口形成した第2の熱風ケーシング39a,39bと、により構成され、第1の熱風ケーシング35の内部空間として形成された加熱室41には、熱風ヒータ36と熱風ファン3がそれぞれ配設される一方で、加熱室41の外部にはモータ8が配設される。
熱風ファン3は、軸方向に取り入れた空気を、回転時の遠心力によって、軸方向と直角な放射方向に吐き出すいわゆる遠心ファンとして設けられており、管状の熱風ヒータ36は熱風ファン3の放射方向を取り囲んで配置される。発熱部でもある熱風ヒータ36は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。なお、図4では熱風ファン3のシャフト4とモータ8のシャフト11が直結されているが、図1や図2に示すような動力伝達機構14を介在させた構成でも構わない。
第2の熱風ケーシング39a,39bに対向して、調理室2の奥壁2eの上部と下部には、複数個の第1の通風孔34がそれぞれ区分けして開口形成される。また、第1の通風孔34とは別に、調理室2の奥壁2eには、熱風ファン3の空気取り入れ部に対向して、調理室2内の空気を吸込む吸込み口42が開口形成される。図3に示すように、第1の通風孔34の全ては、第2の熱風ケーシング39a,39bで覆われており、第1の通風孔34から整流されていない熱風が、調理室2内に直接流れ込まれないように構成されている。
第2の熱風ケーシング39a,39bは、第1の通風孔34を調理室2側から覆うように、調理室2の後方壁面となる奥壁2eの上部と下部にそれぞれ独立して配設される。この第2の熱風ケーシング39a,39bは、第1の熱風ケーシング35と同様に、調理室2側に面して複数の透孔群からなる通風孔38a,38bをそれぞれ有している。但し、その内部の閉鎖された空間には何も設けていない。
ここで、奥壁2eの上部に設けた第2の熱風ケーシング39aに着目すると、当該第2の熱風ケーシング39aは、矩形状をなす奥壁2eの上端に沿って、熱風ヒータ36の横方向上直線部と重なり合い、且つ熱風ヒータ36の横方向上直線部よりも左右に等しく延びる横直線部43aと、この横直線部43aの左右両端でそれぞれ下方に屈曲し、奥壁2eの左端と右端に沿って、熱風ヒータ36の縦方向直線部の外側に位置して延びる縦直線部44aと、により構成される。また、奥壁2eの特に左右上方隅部から、より多くの熱風が調理室2内に供給されるように、第2の熱風ケーシング39aの中央部分よりも左右部分に、より多くの通風孔38aを開口形成している。とりわけ、縦直線部44aでは、単位面積当たりの通風孔38aの個数が、第2の熱風ケーシング39aの中で最も高くなっており、調理室2の左側壁2cと右側壁2dに沿って、調理室2内の左右上側部からより多くの熱風を、被調理物Sに向けて送り出す構成となっている。
同様に、奥壁2eの下部に設けた第2の熱風ケーシング39bも、奥壁2eの下端に沿って、熱風ヒータ36の横方向下直線部と重なり合い、且つ熱風ヒータ36の横方向下直線部よりも左右に等しく延びる横直線部43bと、この横直線部43bの左右両端でそれぞれ下方に屈曲し、奥壁2eの左端と右端に沿って、熱風ヒータ36の縦方向直線部の外側に位置して延びる縦直線部44bと、により構成される。また、奥壁2eの特に左右下方隅部から、より多くの熱風が調理室2内に供給されるように、第2の熱風ケーシング39bの中央部分よりも左右部分に、より多くの通風孔38bを開口形成している。とりわけ、縦直線部44bでは、単位面積当たりの通風孔38bの個数が、第2の熱風ケーシング39bの中で最も高くなっており、調理室2の左側壁2cと右側壁2dに沿って、調理室2内の左右下側部からより多くの熱風を、被調理物Sに向けて送り出す構成となっている。
本実施例では、熱風で調理を行なう時に、フォトインタラプタ16から出力される検知信号のカウント数に基づいて、所望の回転数と回転方向で熱風ファン3が動作するように、モータ駆動回路21がモータ8の駆動を制御すると共に、調理室2内の温度を検知する温度検知手段(図示せず)からの検知信号に基づいて、調理室2内が所望の温度となるように、制御回路23が熱風ヒータ36の通電を制御する構成を有する。そして、熱風ファン3が回転駆動すると、調理室2の内部から吸込み口42を通して第1のケーシング35の内部に吸引された空気が、熱風ファン3の放射方向に吹き出して、発熱した熱風ヒータ36に当たり、第1のケーシング35の内部で熱風が発生する。その熱風は、第1の熱風ケーシング35の通風孔34から第2の熱風ケーシング39a,39bに勢い良く流れ込んだ後、第2の熱風ケーシング39a,39b内の空間で拡散して、その勢いが緩和され、熱風ファン3の回転による方向性がなく、通風孔38a,38bから略真っ直ぐに整流された状態で調理室2の内部に吹き出される。こうして、調理室2の内外で熱風を循環させる経路が形成されることで、図4の白抜き矢印で示すような熱風の流れFが、調理室2内の角皿32より上方の空間ゾーンと、角皿32より下方の空間ゾーンでそれぞれ発生し、調理室2内の被調理物Sを加熱調理する構成となっている。
前述のように、熱風ファン3は正回転と逆回転を繰り返しながら、第1の熱風ケーシング35内で熱風ヒータ36に空気を送り出すが、正回転させる場合と逆回転させる場合で、熱風の吹き方や風量に顕著な差がなく、熱風の吹出し方向が正反対で風量が同様となる形状とすることが要求される。また、熱風の通路となる通風孔34や、第2の熱風ケーシング39a,39bや、第2の通風孔38a,38bは、調理室2の正面から見て、上下左右対称に配設される。こうして、調理室2の内部に吹き出される熱風の風量を、熱風ファン3の回転方向に拘らず、調理室2内の上下左右で均等に調整することにより、被調理物Sの加熱ムラを効果的に抑制する構成となっている。
次に、上記構成の加熱調理器についてその作用を説明する。予め調理室2内に被調理物を入れた状態で扉を閉め、キーにより熱風で調理を行なうような調理メニューを選択操作した後に、調理開始を指示入力すると、モータ駆動回路21は、熱風ファン3が所望の回転数で正方向または逆方向に回転駆動するようなモータ制御信号を制御回路23で生成し、この信号をモータ電源回路25に供給して、モータ8への入力を制御すると共に、熱風ヒータ駆動回路としての機能も兼ね備える制御回路23は、調理室2内の検知温度が所望の温度となるようなヒータ制御信号を生成し、この信号を図示しないヒータ電源回路に供給して、熱風ヒータ36への入力を制御する。
とりわけ本実施例のモータ駆動回路21は、フォトインタラプタ16から出力される検知信号の単位時間当たりのカウント数を、熱風ファン3の実際の回転数に相当する検知回転数として回転数算出回路24で算出しており、熱風ファン3の正回転時と逆回転時のそれぞれにおいて、この検知回転数が予め設定した目標回転数となるように、制御回路23がモータ8の入力ひいては熱風ファン3の回転数を制御している。そのため、個々の製品で正回転時と逆回転時に動力伝達機構14の撓みや滑り係数の違いがあっても、熱風ファン3の検知回転数に基づくモータ8への入力制御によって、ばらつきの少ない所望の目標回転数で、熱風ファン3を回転駆動させることが可能になる。
制御回路23は、熱風ファン3を正回転または逆回転させるモータ制御信号をモータ電源回路25に供給し、モータ8の入力を制御している状態で、回転数算出回路24で得られた熱風ファン3の検知回転数が一定時間、正常値よりも著しく低い値を示し続けたときに、ファンロックなどの異常が発生したと判断して、表示手段や報知手段などにエラー信号を出力する。こうして、ファンロックなどで加熱調理器が過度に発熱する前に異常を判定して、ユーザに異常が発生したことを即時知らせることが可能になる。
制御回路23は、熱風ファン3の回転方向を切替える一定時間前になると、熱風ファン3の回転数が時間と共に次第に減衰するようにモータ8の入力を制御し、或いはモータ8の入力を遮断して、回転数算出回路24で得られた熱風ファン3の検知回転数が一定値になるか、或いは一定値を下回った時に、熱風ファン3の回転方向を反転させるために、それまでとは逆方向の電流がモータ8に供給されるように、このモータ8の入力を制御する。このような熱風ファン3の回転方向を反転させる際の切替制御によって、動力伝達機構14を構成するベルト9の回転方向が急激に切替わるのを回避し、ベルト9の滑り音を抑制することが可能になる。
制御回路23は、目標回転数を基準として、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力を制御することができる。この場合、例えば操作手段からの操作入力により、特定の調理メニューを選択すると、その選択した調理メニューに応じて、目標回転数を基準として、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力が制御される。それにより調理室2に送り出す熱風の風量が一定ではなく、強弱を繰り返しながら変化し、調理室2の内部での温度分布のムラを抑えることが可能となる。
またこうした制御は、シュークリームのような調理メニューで、シュークリームの皮(シュー皮)をふんわり焼くための熱風量調節などに適用できる。つまり、熱風による加熱は火力が高い反面、材料の表面を乾燥させやすいという特徴がある。シュー皮の場合、加熱の終盤で一気に膨らむため、初期段階で生地の表面が乾燥してしまうと膨らみが悪く、硬い生地になりがちになる。そこで、シュークリームのような調理メニューを選択した場合、加熱の序盤は熱風量を控え目にするために、熱風ファン3の回転数を少なくし、加熱の終盤で熱風量を多くするために、熱風ファン3の回転数をさせるパターンとすることで、ふっくらとした焼き上がりと、サクッとした食感にシュー皮を仕上げることができる。
本体1内の空気(熱風)の流れについて、より具体的に説明すると、熱風ファン3が正回転または逆回転して、調理室2の内部から吸込み口42を通して第1のケーシング35内の加熱室41に空気が吸引されると、その空気は熱風ファン3の遠心力によって放射方向に吹き出し、熱風ファン3の略全周を取り囲む発熱した熱風ヒータ36に万遍なく当たって、調理室2と隔離された加熱室41で熱風が生成される。熱風ヒータ36に当った熱風は、第1の熱風ケーシング35の通風孔34から第2の熱風ケーシング39a,39bに勢い良く流れ込むが、閉鎖された第2の熱風ケーシング39a,39b内の空間で拡散して、その勢いが次第に緩和される。つまり、閉鎖空間である第2の熱風ケーシング39a,39b内に吹き込まれる熱風は、熱風ファン3による周回方向への方向性が失われ、通風孔38a,38bから略真っ直ぐに整流された状態で調理室2の内部に吹き出される。
調理室2の内部では、第2の熱風ケーシング39aの主に横直線部43aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの上部から扉31の背面に向けた熱風の流れが形成され、第2の熱風ケーシング39bの主に横直線部43bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの下部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成される。そして、これらの熱風の流れFは、角皿32の上部では、調理室2の内部の扉31の天井壁2aや背面に沿って周回し、角皿32の上面に沿って、その一部が角皿32に載置した被調理物Sに当たりながら、被調理物Sを正面側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。また、角皿32の下部では、調理室2の内部の扉31の底壁2bや背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sを下火効果で加熱するようにして、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
さらに重要なのは、本実施例では、第2の熱風ケーシング39aの主に縦直線部44aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの上両側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成され、第2の熱風ケーシング39bの主に縦直線部44bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの下両側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFがさらに形成される、ということである。これらの熱風の流れFは、角皿32の上部では、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、その一部が被調理物Sの両側部に当たりながら、被調理物Sを両側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。また、角皿32の下部では、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sの下火効果による加熱を両側部から促進するように、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
図5は、こうした第2の熱風ケーシング39a,39bに設けた通風孔38a,38bからの空気の流れFを示している。熱風ファン3の回転によって、通風孔38a,38bからは、図5に示すような流れFで整流された熱風が吹き出されるため、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず側部からも効果的に加熱することが可能になる。
以上のように本実施例では、加熱された空気を調理庫である調理室2内に送る正逆回転可能な熱風ファン3を備えた熱風ファンユニット7を搭載し、この熱風ファンユニット7は、モータ8から動力伝達機構14により熱風ファン3を回転駆動させる構成としたコンベクションオーブンなどの加熱調理器において、熱風ファン3の回転数を検知する検知手段として、フォトインタラプタ16と回転数算出回路24を備えると共に、回転数算出回路24からの検知回転数に基づいて、モータ8の入力を制御する制御手段としての制御回路23を備えている。
この場合、回転数算出回路24により得られた熱風ファン3の検知回転数に基づいて、熱風ファン3の駆動源となるモータ8を、熱風ファン3の正回転時と逆回転時でそれぞれ制御することができる。そのため、個々の製品で正回転時と逆回転時の何れにおいても、動力伝達機構14の撓みや滑り係数の違いに左右されることなく、所望の目標回転数で熱風ファン3を回転駆動させることができ、製品の違いに拘らず、モータ8への入力値に対する正回転と逆回転での熱風ファン3の回転数の差異を少なくすることが可能になる。
また、本実施例の制御回路23は、モータ8の入力値に対して、回転数算出回路24により得られた熱風ファン3の検知回転数が所定値以下の状態で所定時間連続すると、エラー信号を出力する構成となっている。
この場合、例えばモータ8に入力を与えているにも拘らず、熱風ファン3が回転しないいわゆるファンロックなどが原因で、モータ8の入力値に対して、回転数算出回路24により得られた熱風ファン3の検知回転数が一定時間、正常時よりも著しく低い所定値以下を示し続けたときに、制御回路23がこれを即時異常であると判断して、エラー信号を出力することで、製品としての加熱調理器が過度に発熱する前に異常を判定することが可能になる。
また、本実施例の制御回路23は、熱風ファン3の回転数を減衰するようにモータ8の入力を制御し、或いはモータ8の入力を遮断して、回転数算出回路24により得られた熱風ファン3の検知回転数が一定値以下になると、熱風ファン3の回転方向が反転するようにモータ8を制御して、熱風ファン3の回転方向を切替えるように構成している。
この場合、熱風ファン3の回転方向を切替える直前にモータ8の入力を下げて、回転数算出回路24による熱風ファン3の検知回転数が一定値以下になった時に、熱風ファン3の回転方向を反転させるようにモータ8を制御することで、急激な回転方向の反転による動力伝達機構14の滑り音を抑えることができる。
また、本実施例の制御回路23は、熱風ファン3が連続して正回転または逆回転している間に、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力を制御する構成としている。
この場合、熱風ファン3の回転方向が切替わるまでの間に、熱風ファン3の回転数を周期的、または一定のパターンに従って変化させることで、調理室2に送り出す熱風量の強弱を変化させて、調理室2内の温度分布のムラを抑えることが可能となる。
また特に、本実施例の制御回路23は、熱風ファン3が連続して正回転または逆回転している間に、選択された調理の種類に応じて、熱風ファン3の回転数が周期的或いは一定のパターンで変化するように、モータ8の入力を制御する構成としている。
この場合、選択された調理の種類毎に、熱風ファン3の回転方向が切替わるまでの間に、熱風ファン3の回転数を周期的、または一定のパターンに従って変化させることで、調理室2に送り出す熱風量の強弱を変化させて、調理室2内の温度分布のムラを抑えることが可能となる。
さらに本実施例では、被調理物を入れる調理庫である調理室2と、調理庫2内に熱風を循環供給する熱風循環ユニット33と、を備えた加熱調理器において、この熱風循環ユニット33は、調理室2内に熱風を流通可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシング35と、この第1の熱風ケーシング35内に配置され、モータ8により駆動される熱風ファン3と、第1の熱風ケーシング35内にあって、熱風ファン3の周囲に配置される加熱手段としての熱風ヒータ36と、第1の通風部を覆い、調理室2内に熱風を流通可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシング39a,39bと、により構成され、第1の通風部は、複数の通風孔34から形成され、また第2の通風部は、別の複数の通風孔38a,38bから形成され、第2の熱風ケーシング39a,39bを屈曲した形状で形成している。
この場合、第1の通風部である複数の通風孔34を覆う第2の熱風ケーシング39a,39bを屈曲した形状とすることにより、その屈曲した部位に設けた第2の通風部である通風孔38a,38bを通して、調理室2内の側部から被調理物Sを加熱することができ、加熱ムラのない調理を実現可能にした加熱調理器を提供できる。
次に、第2の熱風ケーシング39a,39bの変形例について、図6〜図10を参照しながら順に説明する。
図6に示す第1変形例において、第2の熱風ケーシング39aは、前述した横直線部43aの他に、横直線部43aの途中で分岐し、奥壁2eの左右両端に向けて下方に屈曲して延びる斜め直線部51aを備えて構成される。またここでも、奥壁2eの特に左右上方隅部から、より多くの熱風が調理室2内に供給されるように、第2の熱風ケーシング39aの中央部分よりも左右部分に、より多くの通風孔38aを開口形成しており、特に斜め直線部51aの基端となる分岐点より、調理室2の左側壁2c側や右側壁2d側で、横直線部43aや斜め直線部51aに、他の部位よりも多くの通風孔38aが形成される。
そしてこの例では、調理室2の内部において、第2の熱風ケーシング39aの横直線部43aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの上部から扉31の背面に向けた熱風の流れが形成され、第2の熱風ケーシング39bの横直線部43bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの下部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成される。そして、これらの熱風の流れFは、角皿32の上部では、調理室2の内部の扉31の天井壁2aや背面に沿って周回し、角皿32の上面に沿って、その一部が角皿32に載置した被調理物Sに当たりながら、被調理物Sを正面側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。また、角皿32の下部では、調理室2の内部の扉31の底壁2bや背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sを下火効果で加熱するようにして、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。さらに、横直線部43a,44bの両端部分に設けられた通風孔38a,38bから、調理室2内の四隅に向けて熱風の流れFが形成されるので、この部分での加熱ムラのない調理を実現できる。
加えて本例では、第2の熱風ケーシング39aの斜め直線部51aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの上両側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成され、第2の熱風ケーシング39bの斜め直線部51bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの下両側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFがさらに形成される。これらの熱風の流れFは、角皿32の上部では、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、その一部が被調理物Sの両側部に当たりながら、被調理物Sを両側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。また、角皿32の下部では、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sの下火効果による加熱を両側部から促進するように、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
こうして、熱風ファン3の回転によって、通風孔38a,38bからは、図6に示すような流れFで整流された熱風が吹き出されるため、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず側部からも四隅の部分を含めて効果的に加熱することが可能になる。
以上のように、本例の第2の熱風ケーシング39a,39bは、調理室2の左右壁面である左側壁2cや右側壁2dの付近に形成した分岐点で屈曲しており、第2の通気部となる通風孔38a,38bは、この分岐点より調理室2の左側壁2c側や右側壁2d側に形成されている。
この場合、第2の熱風ケーシング39a,39bを分岐させることにより、その分岐点より調理室2の左側壁2c側や右側壁2d側で、調理室2内の側部から被調理物Sを加熱することができ、より加熱ムラのない調理を実現できる。
図7に示す第2変形例において、第2の熱風ケーシング39aは、前述した横直線部43aの他に、この横直線部43aの左端で下方に屈曲し、奥壁2eの左端に沿って、熱風ヒータ36の縦方向直線部の外側に位置して延びる縦直線部44aを備えて構成される。縦直線部44aの先端(下端)部には、複数の通風孔38aが開口形成される。また、第2の熱風ケーシング39bは、前述した横直線部43bの他に、この横直線部43bの右端で上方に屈曲し、奥壁2eの右端に沿って、熱風ヒータ36の縦方向直線部の外側に位置して延びる縦直線部44bを備えて構成される。縦直線部44bの先端(上端)部には、複数の通風孔38aが開口形成される。こうして、調理室2内の上部と下部には、互いに独立した第2の熱風ケーシング39a,39bが設けられ、第2の熱風ケーシング39a,39bを上下に対向させて、それぞれ調理室2の内側に屈曲させている。
そして、調理室2の内部において、第2の熱風ケーシング39aの横直線部43aや、第2の熱風ケーシング39bの横直線部43bからの熱風の流れFは、図5に示したものと共通しており、第2の熱風ケーシング39aの縦直線部44aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの左上側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成され、第2の熱風ケーシング39bの縦直線部44bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの右下側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFがさらに形成される。これらの熱風の流れFは、角皿32の上部では、調理室2の内部の左側壁2cや扉31の背面に沿って周回し、その一部が被調理物Sの左側部に当たりながら、被調理物Sを左側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。また、角皿32の下部では、調理室2の内部の右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sの下火効果による加熱を右側部から促進するように、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
こうして、熱風ファン3の回転によって、通風孔38a,38bからは、図7に示すような流れFで整流された熱風が吹き出されるため、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず側部からも効果的に加熱することが可能になる。
以上のように、本例では、調理室2内の上部と下部に、互いに独立した第2の熱風ケーシング39a,39bを設け、これらの第2の熱風ケーシング39a,39bをそれぞれ対向する内側に屈曲させている。
この場合、調理室2内の上部と下部にそれぞれ独立して設けた第2の熱風ケーシングを39a,39b、上下に対向させることにより、第2の熱風ケーシング39a,39bの内側での加熱分布を改善して、より加熱ムラのない調理を実現できる。
図8〜図10は、図7の変形例に関連したもので、図8に示す第3変形例では、通風孔38a,39bが角皿32の上面の左側近傍と、角皿32の上面の右側近傍にそれぞれ位置しており、図9に示す第4変形例では、通風孔38a,38bが角皿32の下面の左側近傍と、角皿32の下面の右側近傍にそれぞれ位置しており、図10に示す第4変形例では、通風孔38a,38bが角皿32の上面および下面の左側近傍と、角皿32の上面および下面の右側近傍にそれぞれ位置している。
そして、図8に示す例では、角皿32の上部で、第2の熱風ケーシング39aの縦直線部44aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの左上側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成され、第2の熱風ケーシング39bの縦直線部44bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの右上側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFがさらに形成される。これらの熱風の流れFは、角皿32の上部で、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、その一部が被調理物Sの左右側部に当たりながら、被調理物Sを左右両側から直接的に加熱し、奥壁2eの略中央に形成した吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
こうして、熱風ファン3の回転によって、通風孔38a,38bからは、図8に示すような流れFで整流された熱風が吹き出されるため、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず特に側部から効果的に加熱することが可能になる。
以上のように、図8に示す例では、被調理物Sを載置する皿としての角皿32を調理室2内に設置し、加熱室2内の上部と下部に第2の熱風ケーシング39a,39bを設け、角皿32の上部に位置する第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、角皿32の下部に位置する第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bを、何れも角皿32の上面近傍に設置している。
この場合、第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bとにより、調理室2内に設置した角皿32の上面両側部から、その角皿32に載置した被調理物Sの両側部を効果的に加熱することが可能になる。
図9に示す例では、角皿32の下部で、第2の熱風ケーシング39aの縦直線部44aに設けられた通風孔38aによって、奥壁2eの左下側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFが形成され、第2の熱風ケーシング39bの縦直線部44bに設けられた通風孔38bによって、奥壁2eの右下側部から扉31の背面に向けた熱風の流れFがさらに形成される。これらの熱風の流れFは、角皿32の下部で、調理室2の内部の左側壁2cと右側壁2dや扉31の背面に沿って周回し、角皿32の下面に沿って、いわば被調理物Sの下火効果による加熱を左右両側部から促進するように、吸込み口42に向けて吸い込まれてゆく。
こうして、熱風ファン3の回転によって、通風孔38a,38bからは、図9に示すような流れFで整流された熱風が吹き出されるため、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず特に下火効果で効果的に加熱することが可能になる。
また、図10に示す例では、上述した図8と図9に示す例での熱風の流れFを、角皿32の上部と下部で同時に達成することができる。したがって、調理室2内の被調理物Sを、上下のみならず特に側部からと下火効果で効果的に加熱することが可能になる。
以上のように、図9に示す例では、角皿32の上部に位置する第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、角皿32の下部に位置する第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bを、何れも角皿32の下面近傍に設置している。
この場合、第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bとにより、調理室2内に設置した角皿32の下面両側部から、その角皿32の下火効果で被調理物Sを効果的に加熱することが可能になる。
また、図10に示す例では、角皿32の上部に位置する第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、角皿32の下部に位置する第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bを、何れも角皿32の上面と下面近傍に跨ぐようにして設置している。
この場合、第2の熱風ケーシング39aに設けた通風孔38aと、第2の熱風ケーシング39bに設けた通風孔38bとにより、調理室2内に設置した角皿32の上面両側部から、その角皿32に載置した被調理物Sの両側部を効果的に加熱することが可能になると共に、角皿32の下面両側部から、その角皿32の下火効果で被調理物Sを効果的に加熱することが可能になる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、熱風ファン3の検知回転数の違いに応じて、制御回路23から異なる内容のエラー信号を出力させてもよい。また、角皿32は平面視で角形である必要はなく、また被調理物Sを載置できれば、底面が板状ではなく網状のものでもよい。