JP6283786B2 - 畜養水の浄化 - Google Patents

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Description

粉末イオン交換樹脂の薬理作用に関する特許出願であって、イカで代表される長期飼育の難しかった水棲動物の人工飼育を容易にし、生存率を高めるための海水浄化システムを提供する。閉鎖水域に水棲動物を畜養する時に発生するラジカルに作用して毒性を弱める薬事作用を持つことを特徴とする平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂に関する。
イオン交換樹脂を用いて観賞魚の飼育水を浄化する特許は多いが、イオン交換樹脂の軟化作用であり、粉末イオン交換樹脂の場合は水の清澄度を維持して、有害窒素成分の発生を抑える為に生物濾過機能を高める濾過材としての利用であった。
イカの長期畜養は難しいとされ、瀕死の状態にあるイカを蘇生させる方策はなかった。イカ畜養水質の消長とイカ死亡率の関係を調べる過程で、アンモニアや亜硝酸等の有害窒素以外に、水質を判断する指標として畜養海水の紫外部吸収スペクトルの消長を調べることが重要であることを知った。
イカの畜養を続けると、畜養海水中に250〜200nmに吸収スペクトルを有するラジカルを発生する。前記ラジカルは、粉末イオン交換樹脂を作用させると瞬時に減少する。ラジカルを減少させることで、瀕死状態にあったイカの健康状態が次第に回復することを知った。モデル試験を通じて、畜養海水中に亜硝酸態窒素等を含有した蛋白分解成分を極微量滴下することで、前記250〜200nmに吸収スペクトルが発生することも確認した。前記畜養海水には、前記蛋白分解成分以外にも低分子炭素化合物に由来するラジカルが発生し、紫外部に吸収スペクトルを生成することは容易に推定出来る。
前記ラジカルは、電子を放出又は授与して安定な化合物に移行する。粉末イオン交換樹脂の保有する様イオン交換基又は陰イオン交換機が効果的に作用してラジカルから安定した化合物への移行を早めた為ラジカルの消失を促進し、結果として250〜200nmの吸収スペクトルの吸光度を減少させたものと思われる。
本願に適用して効果的なイオン交換樹脂は、平均粒径50ミクロン以下の微粒子状イオン交換樹脂、好ましくは水中で一面に分散し易い超微粒子状イオン交換樹脂がよく、装置としては、前記イオン交換樹脂包含吸着体を濾過層とする濾過機、好ましくはエアーリフト式濾過装置がよい。前記装置エレメントにラジカルを含有した汚染液を通流することで、処理液には前記紫外部吸収スペクトル濃度は瞬時に減少することを知見した。鮮魚店生簀には過密状態とも言えるイカが生息し、大多数のイカは数時間後には墨を吐いて衰弱死する。イカの畜養に由来する代謝物には有機物の分解反応に由来する各種ラジカルが存在し、250〜200nmに吸収スペクトルを発生する。前記吸収スペクトルが顕著で、吸光度の高い畜養水では水棲動物は活力が低下し、まもなく死亡することを知った。
これら知見に基づいて、粉末イオン交換樹脂と前記代謝物の作用効果を追求すると共に、利便性に優れたエアーリフト式濾過装置を考案し、粉末イオン交換樹脂吸着体の使用方法を追求した。その結果、粉末イオン交換樹脂を均一に含む液状組成物又は前記液状組成物を包含させた吸着シートを畜養水に共存させるだけで、イカの畜養期間を大幅に延長出来ることを知った。
料理業界、水産業界、鮮魚業界、養殖業界にて、イカ等の海水魚が加工前に死んでしまい経済的な損失が大きかった。粉末イオン交換樹脂を飼育海水に添加して水棲動物の生存率を高める技術である。イオン交換樹脂を用いて淡水を浄化する技術は定着しているが、塩類濃度の高い海水では不純物の脱着はあっても吸着機能は無いと考えられていた。従って イオン交換樹脂の薬理効果を利用した先行技術は見当たらない。イカの人工飼育に関しては、ノーベル生理学・医学賞受賞者で動物行動学の権威であるコンラート・ローレンツが人工飼育が不可能な動物として挙げていたが、1975年脳科学者の松本元が水槽内でのヤリイカの飼育に成功した。この時の手法が円形水槽に回転する水流を生じさせアンモニア濃度が高くならないように、アンモニア分解菌(亜硝酸菌)を濾過層内に生息させることにより、技術的に可能となった。しかし現実的にはかなり大きな装置になり一般的ではなかった。自然科学研究機構生理学研究所(岡崎市)にても神経の研究にイカを用いていたが、蒲郡から海水を運んでいた。
先行技術文献
1、理化学研究所脳科学総合研究センターにおけるイカ類飼育法の検討。
SUISANZOUSHOKU 51(4)391−400(2003)
2、ろ過装置を用いたスルメイカの生魚輸送法について。
石井洋 神水研業績NO.96 22
先行特許文献
特開2012−179001 特開2012−011348 特開2005−102674
生魚の加工前に死亡する魚体を少なくして、新鮮な海鮮料理を提供する為に、飼育海水の浄化剤として粉末イオン交換樹脂の固有技術を使用する海水の浄化方法と装置である。
本発明の課題は畜養であって、長期飼育を継続する魚の飼育目標とは大きく異なり、その作用効果は、調理直前までの短期間の生存率を高めることであり、薬理作用を持った安価な浄化剤と利便性に優れた浄化システムの開発である。
特に重要なことは、海洋から捕獲した水棲動物を活魚として消費者に届けることであり、最も重要なことは、即効性がある海水浄化剤を提供すること及び使用方法を見出すことである。輸送中の水棲動物の死亡を少なくし、海鮮料理店や高級ホテルで代表される消費地の生簀に生きたまま運搬することと、より簡単な浄化方法で前記消費現場にある生簀での生存率を高めることである。
閉鎖系水域の水棲動物飼育水の浄化方法であって、畜養を続けることで発生するラジカルに作用して、250〜200nmの吸収スペクトルを減少させることで、瀕死の水棲動物を延命させることを特徴とする薬理作用を持った平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂。
前記水棲動物がイカであることを特徴とする平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂。
我が国で上市されている粉末イオン交換樹脂は、平均粒径125ミクロンであって、平均粒径50ミクロン以下の微粒子状イオン交換樹脂は、粒状イオン交換樹脂を機械粉砕して調製した粉末イオン交換樹脂でも合成品でも良く、合成品として0.1ミクロン以下の超微粒子状イオン交換樹脂が生産されているが、我が国に於ける生産実績は無い。
イオン交換樹脂の粒径を微小化することで物理吸着機能は高まるが、取り扱いに難点が生じる。従って微小繊維状セルローズを混合したエマルジョンとして利用する。
不織布シート等の多孔性支持体に展着させた粉末イオン交換樹脂吸着体は、本願申請者が開発した現在特許申請中の製品(特願2015−123511)であって、前記粉末イオン交換樹脂吸着体を本願のエアーリフト式濾過機に適用することで相乗効果により粉末イオン交換樹脂の薬理効果を著しく高めることが判った。以下エアーリフト式濾過装置の特徴を示す。
前記粉末イオン交換樹脂吸着体を第1有底筒(A)に充填し、前記有底筒(A)を第2の有底筒(B)底部を上面にして固定して囲い、前記第1の有底筒(A)底部から前記第2有底筒(B)の底部中心を貫通して、水槽水液面に向かって垂直に伸びる通気用パイプ(C)を備え、前記パイプ頂部(D)にエアーと処理水の排水口を設けることを特徴とするエアーリフト式濾過装置(図2参照)。
前記エアーリフト式濾過装置を用いて、ラジカルを含む汚染水を通流すると、瞬時に紫外部吸収特性が変化し、250〜200nmの吸光度は著しく減少し、瀕死の状態のイカが蘇生することを知った。前記濾過装置は水槽全体に及ぶ緩やかな対流を造り、処理水のショートパスを防ぐことで、局部的な汚染水の滞留箇所をなくする。パイプ下部から導入されたエアーは狭い空間にある処理液を同伴してパイプ内で激しい気液反応を起ことで水質の低下を防ぎ、イカにとっても生存し易い水に改変したものと思われる。
浄化能力の低下した濾過エレメントに再生水やエアーを通流させる回路、好ましくは逆流する通路を設け、要に応じて浄化能力の低下した濾過エレメントの再生操作を実施する為に、パイプ頂部排出口から濾過エレメント吸入口に向けての流水通路を設け、処理液を逆流させることで、前記エレメントに蓄積した異物による閉塞を防止し、要に応じて前記流水通路を通じて、再生剤を通流して前記エレメントの吸着機能を回復させることを特徴とする前記エアーリフト式濾過装置。
本考案に適用して効果的な吸着剤としては、極微量存在するだけで水棲動物に重篤な危害を及ぼす放射性物質や亜硝酸体窒素を始めとする化合物に由来するラジカルを消失させる機能を持った化合物であればよい。このような機能を持った化合物として、平均粒径50μ以下の粉末イオン交換樹脂が良く、使用済みの粒状イオン交換樹脂を機械粉砕して調整しても良い。その他、各種ゼオライト、粉末炭、珪藻土、シリコチタネート、不溶性フェロシアン化鉄、結晶質四チタン酸、チタノシリケート、プルシアンブルー等の放射能吸着機能をもった化合物を採用することが出来る。
本発明のエアーリフト装置によれば、より高い浄化能力を発揮することが出来ることで、水棲動物の飼育を容易にし、従来長期畜養不可能とされていたイカの畜養期間を大幅に延長したことで、新鮮な生き魚料理を消費者に安価で提供することが出来る。
紫外部吸収スペクトル(セル長;10mm)実線:本発明による粉末イオン交換樹脂処理液点線:汚染した畜養海水 エアーリフト方式濾過装置断面図と海水の流れ A,粉末イオン交換樹脂吸着体を充填した第1有底筒(底、下面) B,第1有底筒(A)を覆う第2有底筒(底、上面) C,通気用パイプ D,処理水とエアーの排出口
微粒子状イオン交換樹脂包含不織布シート状濾過吸着体の調製方法
市販の粒状イオン交換樹脂を機械粉砕して調製した微粒子状強塩基性陰イオン交換樹脂(商品名、ダイヤイオンPA312、平均粒径:35ミクロン)50gと微粒子状強酸性陽イオン交換樹脂(商品名、ダイヤイオンPK316、平均粒径:27ミクロン)10gと微小繊維状化合物(商品名:セリッシュ)20gをホモゲナイズして調製した液状組成物に、ポリエステル不繊布シートを浸漬混合し、遠心分離して付着水を除いた後、乾燥することで微粒子状イオン交換樹脂を内蔵させた微粒子状粉末イオン交換樹脂吸着体(特許:特開2012−011348)を調製した。前記粉末イオン交換樹脂の交換基をNa形、HCO3形にする為に、前記粉末イオン交換樹脂濾過吸着体を重曹水溶液に浸漬した後、脱水乾燥して調製した。海水のpHは7.8と弱アルカリ性であり、使用直後の海水pHの急激な変動を避ける為に、必要な操作である。前記粉末イオン交換樹脂を包含させる濾過支持体にサンゴを選択することは、理にかなった良い方法である。
名古屋市にある某海鮮料理店のイカ飼育変形四角型水槽(容積1,000l)に適用されている飼育水を循環して使用するサンゴ床濾過装置に、本発明の繊維状濾過吸着体(容量5l)を追加してイカの生育状況を観察した。その結果、従来の飼育方法では、水槽投入後、数時間経過するだけで大多数のイカが墨を吐きだし、水槽壁に衝突することで、24時間も経過すると全てのイカが死亡していたが、本発明法では、殆どのイカが3日間以上経過しても水槽を静かに遊泳し、水槽壁に激突して死亡するイカは皆無であった。飼育中にイカ墨を吐くイカを認めたが、飼育水の変色や濁りはなく、飼育水の清澄度は良好で、イカ投入直後での光透過率:T720nm,1cmが98%であったものが100%まで上昇した。微粒子状粉末イオン交換樹脂が濁質成分と共に、イカ墨中の有害成分も効果的に吸着したものと推察できる。従来、イカの長期飼育は難しいとされ、長期間飼育する為には円形ドーナツ型水槽を用いることと、水壁に沿って旋回する水流を備えた特殊な水槽を適用して、水槽壁に激突して死亡するイカを少なくすることが最重要としていたが、本発明により必ずしも円形水槽を使用しなくても海水魚飼育水槽としては角型水槽で充分で、本発明の微粒子状粉末イオン交換樹脂を適用する効果が大きいことを知った。
今回の実験を通じて判ったことは、1週間経過後も加工前に死亡するイカは無く、海水の透過率はイカの投入直後が最も悪く、投入前の光の透過率T720nm、1cmの値:100%が投入直後96%に低下したが、日数の経過と共に透過率は上昇し、3日後の透過率は100%迄に上昇していた。粉末イオン交換樹脂を適用することによりイカの生存率が高まったこと、イカの飼育装置が簡便化し飼育方法が改善されること、更には新鮮なイカを安価で提供できることによる経済効果は甚大であることが判った。
通常のイオン交換樹脂を、塩類を多量に溶解した水溶液例えば海水に適用した先行実施例はない。
平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂を適用したこと、前記イオン交換樹脂の交換基を陽イオン交換基はナトリウム形とし、陰イオン交換基は炭酸または重炭酸形とすることで、海水のpH値が低下しないように工夫したこと等が効果的に作用したことが有効に作用したものと思われる。
天然の海水は弱アルカリ性であり、畜養海水のpHは次第に低下し、天然の海水の持つpH7.8を維持することの難しいことが判った。この対策として、マグネシウムクリンカー(MgO)少量を袋に入れ畜養海水に投入することで、pH低下を解消したばかりでなく、サンゴ石の海水中への溶解を防ぎ、微細化したサンゴ石の発生量を減少させる。このことによる効果は大きく、清掃作業が軽減する、予期しなかった大きな利点を認めた。
発泡スチロール容器(W×D×H=40×80×40cm)に海水を満たし、エアーレーションをしながら、浜名湖で水揚げされた生きた状態のスミイカ8杯を投入し、エアーレーションを実施しながら畜養実験を実施した(従来)。前記海水に粉末イオン交換樹脂包含多孔性吸着体(10×10×1cmのシート板)を浮遊させ、前記畜養実験と同様の実験をして、粉末イオン交換樹脂の薬理効果を確認した(実施例)。その結果、従来区は翌日にはイカは全滅し、墨を吐いていたが、粉末イオン交換樹脂シートを共存させた場合は、10杯中、1杯のスミイカしか死なず、墨も吐いていなかった。
粉末イオン交換樹脂シートを入れずにスミイカを畜養した場合の海水と、本発明の粉末イオン交換樹脂を包含させた吸着シートを浮遊させてスミイカを畜養した場合の海水について、紫外線吸収特性(セル長10mm)を求めた。結果を図1に示す。図1の縦軸は波長域(nm)を示し、横軸は吸光度を示す。また、何も入れずにスミイカを畜養した場合の海水と、粉末イオン交換樹脂を包含させた不織布シートを濾過層とするカラムに通流して浄化した処理水について、紫外線吸収特性(セル長10mm)を求めた。その結果、前記図1と同様の特性を示すことを確認した。本願に適用して最適と思われる濾過装置を追求した。その結果、エアーリフ式濾過装置に粉末イオン交換樹脂吸着体シートを適用することで粉末イオン交換樹脂の薬理作用が効果的に発揮されることが判った。
畜養水全体に作用して、優れたろ過能力や浄化能力を発揮する濾過機を開発することは重要であり、水棲動物すれば、薬理作用として発揮される。
名古屋地区の有名海鮮料理店の生簀に図2で示すエアーリフト式濾過装置に粉末イオン交換樹脂包含吸着体を約10リットル充填し、その効果を調べた。運搬トラックからイカと共に海水が同時に混入する為に、投入直後の海水の透明度は低下し、有害窒素成分も高く、入荷時には大多数のイカは衰弱し、墨を吐くイカも見られ、翌日には大多数のイカは死亡していたが、前記エアーリフト式濾過槽を設置することで、数時間も経てば海水の清澄度は上昇し、少数のイカが吐いたイカ墨は水槽全体に分散することもなく、前記エアーリフト式濾過装置に効率よく吸入され、清澄な処理液が得られることを確認した。エアーリフト式濾過装置を設置する以前の海水の紫外部吸収と設置後の海水の紫外部吸収スペクトルには大きな差異があり、250nm〜200nmに吸収スペクトルが、前記実施例2で示した図1と同一の傾向を示すことを確認した。エアーリフト濾過機設置前に亜硝酸態窒素濃度が0.8ppmであったが、濾過処理液中の濃度は0.05ppmに迄低下していた。前記濾過装置周辺の緩やかな還流水には、イカが集まり、濾過装置周辺の突起物には無数の卵を産みつけ、孵化したイカも観察された。あり、生育の場としても優れた環境を維持しているものと推定出来る。












Claims (2)

  1. 汚染した蓄養水に発生する200〜250nmに紫外部吸収特性を有する成分を瞬時に減少させる薬理作用を有する平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂であって、瀕死状態にある水棲動物を蘇生させることを特徴とする畜養水浄化用の平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂。
  2. 汚染した蓄養水が、イカの生簀及び又はイカ移送用の海水であることを特徴とする請求項1に記載の平均粒径50ミクロン以下の粉末イオン交換樹脂。
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