JP6283932B2 - 照明装置および映像表示装置 - Google Patents

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Description

本開示は、蛍光体を用いた照明装置およびそれを備えた映像表示装置に関する。
従来、プロジェクタにおいては、高輝度の高圧水銀ランプが光源として多く使用されてきた。しかし、高圧水銀ランプは寿命が短く、メンテナンスが煩雑になる問題があり、高圧水銀ランプの代わりに発光ダイオード(LED)やレーザ光源などの固体光源を映像表示装置の光源として用いることが提案されている。
レーザ光源は、高圧水銀ランプに比べて寿命が長く、また、指向性が高いために光利用効率も高い。さらに、その単色性により広い色再現範囲を実現できる。一方で、レーザ光はその干渉性の高さゆえに、スペックルノイズが生じて画質が劣化するという問題がある。
LED光源では、スペックルノイズは生じないが、光源の発光面積が大きいこと、緑色LEDの発光効率が低いことなどの理由により、高輝度の映像表示装置を実現することが難しいという問題がある。
これらの問題を解決するために、LED光やレーザ光を励起光として蛍光体を発光させ、映像表示装置に用いる光源装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2011−013313号公報
本開示は、蛍光体を用いても高輝度の光出力が可能な照明装置およびそれを用いた映像表示装置を提供する。
本開示のある実施形態に係る照明装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体が配置された少なくとも2つの蛍光体基板と、少なくとも2つの蛍光体基板の其々から出射された蛍光を空間的に合成する光学素子とを備える。
本開示のある実施形態に係る装置によれば、レーザ光源と蛍光体とを用いて、高輝度の蛍光を出力することができる。
実施形態に係る映像表示装置を示す図である。 (a)および(b)は、実施形態に係る映像表示装置が備える蛍光体ホイールを示す図である。 (a)および(b)は、実施形態に係る映像表示装置が備えるフィルターホイールを示す図である。 実施形態に係るレーザ光強度と蛍光体変換効率および蛍光体表面温度との関係を示す図である。 実施形態に係るレーザ光強度と照明装置の総合効率との関係を示す図である。 実施形態に係るレーザ光スポット直径と照明装置の総合効率との関係を示す図である。 実施形態に係る映像表示装置を示す図である。 実施形態に係る映像表示装置を示す図である。 実施形態に係る映像表示装置を示す図である。 実施形態に係る映像表示装置を示す図である。
以下では、本開示に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明を行う。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
プロジェクタでは、他の多くの蛍光体応用製品と異なり、その光源は点光源であることが求められ、点光源の光密度として例えば10W/mm2以上が求められる。このような光密度は、他の蛍光体応用製品における蛍光出力の光密度に比べて、一桁以上大きい密度になる。
本願発明者らは、レーザ光を励起光として蛍光体を発光させる照明装置において、高輝度の出力光を得るために鋭意研究を行った。レーザ光を励起光として蛍光体を発光させる照明装置において、プロジェクタに求められる高出力の光を実現しようとすれば、蛍光板に高出力のレーザ光を照射することが考えられる。しかし、高出力のレーザ光を蛍光体に照射すると、逆に蛍光出力が低下するという問題が発生した。蛍光体の技術分野では、温度が上昇すると蛍光出力が低下する温度消光と呼ばれる物理現象が公知であるが、レーザ光を励起光として蛍光体を発光させる場合において具体的にどのようなパラメータが大きく関与して蛍光出力が低下するのかの詳細については知られていない。このように、レーザ光を励起光として蛍光体を発光させる照明装置において、高輝度の蛍光を得ることは困難であった。
本願発明者らは、レーザ光を励起光として蛍光体を発光させる照明装置の研究を繰り返すうちに、蛍光出力の低下の要因としてレーザ光の光密度が大きく関わっていることを見出した。従来の他の多くの蛍光体応用製品では、求められる光密度が一桁以上小さかったため、今まで上記のような問題を考慮する必要がなかった。また、励起光源としてLEDを用いるプロジェクタにおいても、蛍光体に照射される光の密度は小さいので、今まで上記のような問題を考慮する必要がなかった。レーザ光を励起光として蛍光体を発光させるプロジェクタの研究において、上記のような問題は初めて認識された。
また、本願発明者らの研究により、蛍光体における波長変換では、蛍光体に入射するレーザ光(励起光)のうちの30〜50%程度が熱に変換されることが分かった。例えば、レーザ光強度が100Wの場合は、約30〜50Wの熱が蛍光体ホイールで発生していた。温度消光の影響を緩和するためは、蛍光体ホイール1つ当たりの発熱量を抑える必要がある。
本開示のある実施形態は、レーザ光源と蛍光体とを用いて高輝度の蛍光を出力することができる照明装置およびそれを用いた映像表示装置を提供する。
以下の実施形態の説明では、映像表示装置の一例としてプロジェクタを挙げて説明するが、実施形態はそれに限定されず、映像表示装置はテレビや他の表示装置などであってもよい。
(実施形態)
本実施形態に係る映像表示装置は、映像信号に応じて光を変調する1つの光変調素子を備えた映像表示装置であって、レーザ光を出力するレーザ光源と、レーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体が配置された2つの蛍光体基板と、それら2つの蛍光体基板の其々から出射される蛍光を空間的に合成する光学素子とを備える。
図1は、本実施形態に係る映像表示装置100の構成を示す図である。この例では、映像表示装置100はプロジェクタである。
映像表示装置100は、照明装置10と、映像生成部90と、映像生成部90によって生成された映像光をスクリーン(図示せず)へ投写する投写レンズ98とを備える。
照明装置10は、第1の光源装置12と、第2の光源装置14と、第1および第2光源装置12および14それぞれからの出射光を空間的に合成する光束合成素子62と、合成された光束を映像生成部90へと導光する導光光学系70と、フィルターホイール80とを備える。
第1の光源装置12と第2の光源装置14とは、それぞれの構成要素は同じであり、それら構成要素の配置が線対称となっているだけである。従って、説明の簡略化のため、以下では第1の光源装置12についてのみ説明する。
第1のレーザモジュール20および第2のレーザモジュール26は、5×5のマトリクス状に配置された、波長450nmの青色レーザ光を出力する半導体レーザ素子22および半導体レーザ素子28と、半導体レーザ素子の一つ一つに設けられたレンズ24およびレンズ30とを備える。レンズ24およびレンズ30は、半導体レーザ素子から広がり角を持って出射した光を平行な光束に集光する機能を有している。
各レーザモジュールからの出射光は、ミラー32によって空間的に合成される。第1および第2のレーザモジュールの各半導体レーザ素子は、いずれも等間隔に配置されているが、第1のレーザモジュール20からの出射光と第2のレーザモジュール26からの出射光は、ミラー32上で異なる位置に入射されるように、各レーザモジュールの位置が調整されている。そこで、ミラー32は、第1のレーザモジュール20からの出射光が入射される領域ではレーザ光に対して高透過となるARコーティング、第2のレーザモジュール26からの出射光が入射される領域ではレーザ光に対して高反射となるミラーコーティングが施されている。
ミラー32によって合成されたレーザ光は、レンズ34によって集光されながら、重畳される。レンズ34によって集光された光は、ダイクロイックミラー40に入射する前に、レンズ36と拡散板38を透過する。レンズ36は、レンズ34によって集光された光を、再び平行な光束に戻す機能を有し、拡散板38は、レーザ光の干渉性を低減させるとともに、レーザ光の集光性を調整する機能を有する。
ダイクロイックミラー40は、カットオフ波長を約480nmに設定した色合成素子である。従って、レンズ36によって略平行光化した光は、ダイクロイックミラー40によって反射され、蛍光体ホイール16へ照射される。
蛍光体ホイール16へと集光されるレーザ光スポットサイズを小さくして光利用効率を向上させるために、蛍光体ホイール16に照射されるレーザ光は、レンズ42、44によって集光される。
図2は、蛍光体ホイール(蛍光体基板)16の構成を示す図であり、図2(a)は図1と同じ側から見た蛍光体ホイール16の平面図であり、図2(b)は図2(a)の蛍光体ホイール16を右側から見た側面図である。
蛍光体ホイール16は、波長450nmの光によって主波長が570nmの黄色の光を発光する蛍光体が塗布された蛍光体領域112および蛍光体領域114と、波長約450nmの光によって主波長が552nmの緑色の光を発光する蛍光体が塗布された蛍光体領域116と、切欠き状になっている切欠き領域118とを有する。蛍光体領域112と蛍光体領域114とには同一の黄色蛍光体が塗布されている。いずれの蛍光体も、シリコン樹脂と混合した状態で、例えば、幅4mm、厚み150ミクロンで塗布されている。
これらの蛍光体が、表面に高反射コーティングが施された例えば直径65mmのアルミ基板104に塗布されており、さらに、アルミ基板104はモータ102に取り付けられ、回転制御される(例えば、10800rpm)。
蛍光体ホイール16は、3つの蛍光体領域112、114、116と、1つの切欠き領域118とで、画像の1フレーム(例えば、1/60秒)に対応している。すなわち、蛍光体ホイール16に照射された光は、1フレームの中で、蛍光体領域112に照射される第1セグメント、蛍光体領域114に照射される第2セグメント、蛍光体領域116に照射される第3セグメント、切欠き領域118に照射される第4セグメント、に時間的に分割される。この蛍光体ホイール16における第1から第4セグメントの切り替えは、第1の光源装置12と第2の光源装置14(図1)との間で同期される。
図1に戻り、第1、第2および第3セグメントの間、蛍光体ホイール16に照射された光は、黄色および緑色の光に変換されて、蛍光体ホイール16から反射される。これら黄色および緑色の蛍光は、レンズ44、42によって平行光化されて、ダイクロイックミラー40に戻り、ダイクロイックミラー40を透過する。
一方、第4セグメントの間、蛍光体ホイール16に照射された光は、蛍光体ホイール16の切欠き領域118を透過する。蛍光体ホイール16を透過した光を、再びダイクロイックミラー40に戻すために、光路にミラー50、52、58を配置する。また、蛍光体ホイール16を透過した光は、レンズ42、44によって集光されているため、レンズ46、48によって平行光化すると共に、延長された光路分をリレーするためのレンズ54と、レーザ光の干渉性を更に低減させるための拡散板56を光路に配置する。
蛍光体ホイール16を透過し、光路をリレーされてダイクロイックミラー40に戻った光は、ダイクロイックミラー40によって反射される。このようにして、蛍光体ホイール16を透過した光の光路と反射した光の光路とは、ダイクロイックミラー40によって空間的に合成される。
ダイクロイックミラー40によって合成された光は、レンズ60によって集光され、第1の光源装置12からの出射光となる。第1の光源装置12と同様に、第2の光源装置14からも光が出射される。
第1の光源装置12における蛍光体ホイール16と第2の光源装置14における蛍光体ホイールは同一の仕様であり、光源装置12、14からは同じ色特性を有する光が出射される。
第1の光源装置12および第2の光源装置14からの出射光は、光束合成素子62によって、空間的に合成される。光束合成素子62は台形プリズム64および66を有する。第1の光源装置12からの出射光は、台形プリズム64に入射される。台形プリズム64に入射した光は、角度45度の斜面である面64aで反射した後、台形プリズム64内部で全反射を繰り返し、ロッドインテグレータ72へと入射される。同様に、第2の光源装置14からの出射光は、台形プリズム66に入射され、角度45度の斜面で反射した後、内部で全反射を繰り返し、ロッドインテグレータ72へと入射される。台形プリズム64と台形プリズム66は同一の形状であり、各光源装置からの光を合成して同一方向に取り出すために、45度斜面が対向して配置されている。
また、各台形プリズム64および66の出射面サイズは、ロッドインテグレータ72の入射面サイズのちょうど半分となっており、台形プリズム64と台形プリズム66を図1に示すように密接して配置し、かつ、プリズム出射面とロッドインテグレータ72の入射面を近接して配置することで、台形プリズム64および台形プリズム66に入射した光を効率的にロッドインテグレータにカップリングすることが可能である。
ロッドインテグレータ72に入射した各光源装置からの光は、ロッドインテグレータ72内で照度が均一化された後、フィルターホイール80を通過する。
図3は、フィルターホイール80の構成を示す図である。図3(b)は図1と同じ側から見たフィルターホイール80の平面図であり、図3(a)は図3(b)のフィルターホイール80を左側から見た側面図である。
フィルターホイール80は、可視全域にわたって高透過であるガラス基板により構成される領域である可視光透過領域812と、波長600nm未満の光に対して高反射かつ波長600nm以上の可視域の光に対して高透過であるカラーフィルター基板により構成される領域であるカラーフィルター領域814とを有する。フィルターホイール80はモータ802に取り付けられ、回転制御される。なお、上記ガラス基板とカラーフィルター基板とは別々に形成されていてもよいし、一体に形成されていてもよい。
蛍光体ホイール16とフィルターホイール80とは、同じ回転数で同期して回転制御される。すなわち、フィルターホイール80は、可視光透過領域812とカラーフィルター領域814とで、1フレーム(例えば、1/60秒)となるように構成される。
さらに、蛍光体ホイール16における蛍光体領域114にレーザ光が照射され、蛍光体領域114から放たれる黄色蛍光は、フィルターホイール80におけるカラーフィルター領域814に入射されるようにタイミングが調整される。そのため、蛍光体領域114とカラーフィルター領域814のセグメント角度は同一である。カラーフィルター領域814は600nm未満の光を除去するため、蛍光体領域114から放たれる黄色蛍光は、短波長成分が除去され、赤色光となってフィルターホイール80から出射される。
フィルターホイール80を出射した光は、レンズ74、76にリレーされ、照明装置10からの出力光となって、映像生成部90に入射する。以上のように、照明装置10は、各種のレンズ、ミラーなどの光学部品を備える。
映像生成部90は、レンズ92と、全反射プリズム94と、1枚のDMD(Digital Mirror Device)96とを備える。レンズ92は、ロッドインテグレータ72の出射面の光をDMD96に結像させる機能を有している。レンズ92を介して全反射プリズム94に入射した光は、面94aによって反射され、DMD96へ導かれる。DMD96は、制御部(図示せず)によって、複数のミラーそれぞれに入射する各色光のタイミングに合わせ、かつ、入力される映像信号に応じて、制御される。DMD96によって変調された光は、全反射プリズム94を透過して投写レンズ98へ導かれる。投写レンズ98は、時間的に合成された映像光を、装置外部のスクリーン(図示せず)へ投写する。
本実施形態では、光変調素子であるDMD96として、対角サイズが例えば0.67インチのDMDを使用し、投写レンズ98のFナンバーは例えば1.7である。
本実施形態では、照明装置10は、時間的に切り替わる、赤色光、緑色光、青色光、黄色光の4色の光を出力している。ここで、赤色光は、赤色蛍光体から生成されるのではなく、黄色蛍光体からの黄色蛍光のうち、短波長成分を除去することにより生成される。すなわち、赤色光と黄色光は同一の黄色蛍光体から生成しており、本実施形態では、セリウム付活ガーネット構造蛍光体(Y3Al5O12:Ce3+)を使用した。一方、緑色光を生成する蛍光体としては、組成の異なる別のセリウム付活ガーネット構造蛍光体(Lu3Al5O12:Ce3+)を使用した。
高輝度の照明装置を得るためには、蛍光体を励起するレーザ光強度を大きくする必要があるが、レーザ光強度が大きくなると蛍光体効率が低下し、蛍光体温度も上昇する、という問題が発生する。そこで、本実施形態では、蛍光体基板を2つ備え、蛍光体基板1つあたりの発熱を抑制することにより、この影響を最小限に抑えて、高輝度かつ高効率の照明光を得るようにしている。以下に、その具体的な光学系のパラメータを説明する。
Lu3Al5O12:Ce3+は、Y3Al5O12:Ce3+に比べて、より温度消光特性に優れた蛍光体である。そのため、黄色蛍光体(Y3Al5O12:Ce3+)の特性に基づき、蛍光体に入射するレーザ光のパラメータを決定した。
図4に、本実施形態で使用した黄色蛍光体における、レーザ光強度と蛍光体の波長変換効率および蛍光体表面温度との関係を示す。実験条件として、黄色蛍光体は、表面に高反射コーティングが施された直径65mmの円形アルミ基板の外周付近全周に、シリコン樹脂と混合した状態で、幅4mm、厚み150ミクロンで塗布している。円形アルミ基板は回転モータに取り付けられて10800rpmで回転しており、円形アルミ基板の雰囲気の温度は60℃である。また、蛍光体上のレーザ光スポット直径は1.6mmである。蛍光体上のレーザ光スポットの空間強度プロファイルは略ガウス形状であり、ここで言うスポット直径とは、ピーク強度の13.5%になる全幅を表わす。
シリコン樹脂の長期信頼性を確保するためには、蛍光体温度を例えば略200℃以下にすることが考えられるが、より信頼性を高める上では、蛍光体温度を例えば略150℃以下にすることが考えられる。そこで、図4より、雰囲気温度60℃環境下にて、効率的に黄色蛍光体を使用するためには、例えば、レーザ光強度を略120W以下、より好ましくは、略100W以下にする。本実施形態では、合計50個の半導体レーザ素子による合成光として、光出力80Wのレーザ光を、スポット直径1.6mmで蛍光体ホイール16に入射した。すなわち、第1の光源装置12と第2の光源装置14の合計で160Wのレーザ光を2つの蛍光体ホイール16に入射した。
蛍光体基板を2つ用いる本実施形態の光学構成では、光束合成素子が必要になるため、蛍光体基板を1つだけ用いる光学構成に比べて、光束合成素子の追加による若干の光学損失が発生する。しかしながら、蛍光体基板1つあたりのレーザ光強度を半分にすることが出来るため、レーザ光強度が大きな領域では、発熱による蛍光体効率低下の抑制の効果の方が大きくなる。
図5に、蛍光体基板(蛍光体ホイール16)を1つ使用する場合と、2つ使用する場合について、照明装置10の総合効率(光学系の光利用効率×黄色蛍光体の波長変換効率)とレーザ光強度との関係を示す。蛍光体基板に入射するレーザ光の合計強度が140Wを超える領域では、総合効率の面でも、蛍光体基板を2つ使用し、1つの蛍光体基板あたりに入射するレーザ光強度を半減する方がよい。本実施形態では合計160Wのレーザ光を入射しているため、蛍光体基板を2つ使用する方が高効率となっている。
図6に、合計160Wのレーザ光を入射するときの、蛍光体上のレーザ光スポット直径と照明装置10の総合効率の関係とを表わす。エタンデュを小さくして光利用効率を向上させるためには、蛍光体ホイール16に照射されるレーザ光スポット直径は小さい方が望ましい。一方、レーザ光のスポット直径が小さくなると、蛍光体上の光密度が高くなるため、蛍光体の波長変換効率は低下する。そのため、例えば、光利用効率と蛍光体の波長変換効率の積が最も高くなるように、レーザ光強度に応じて適切なスポットサイズを決定する。
本実施形態では、DMD96のサイズと投写レンズ98のFナンバーを考慮すると、スポット直径1.6mmが最適であり、この値を採用した。蛍光体基板を2つ用いる構成では、2つの光源装置からの光束を合成して使用するため、蛍光体基板を1つだけ用いる構成に比べて、最適なスポット直径は小さくなっている。
本実施形態では、1つの照明装置10に2つの光源装置12および14を備え、其々の光源装置において、発光効率が高く温度消光特性に優れたセリウム付活ガーネット構造蛍光体が塗布された蛍光体基板を使用している。更に、蛍光体基板に入射するレーザ光の強度とスポット径を最適化することで、高効率化を実現している。
この様な光学構成を用いることにより、蛍光体温度の上昇を抑制しながら光出力を向上させることが出来るため、高輝度で長寿命の照明装置を実現することができる。
なお、図1に示す例では、2つの光源装置12および14は横並びで配置(図中のxy平面に沿って配置)されていたが、このような複数の光源装置は高さ方向(図中のz方向)に並んで配置されていてもよい。図7から図9は、2つの光源装置12が高さ方向(z方向)に並んで配置された照明装置10を示す図である。図8は、図7の平面図の左側からx方向に沿って照明装置10を見た側面図であり、図9は、図7の平面図の下側からy方向に沿って照明装置10を見た側面図である。なお、図7の平面図では2つの光源装置12同士が重なるため、図7では光源装置12を1つだけ図示しているが、実際には2つ存在している。
レーザモジュール20および26からレーザ光が出射されてから、レンズ60によって集光された光が光源装置12から出射されるまでの動作は、図1に示す光源装置12と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図7から図9に示す例では、2つの光源装置12からの出射光はそれぞれミラー200によってz方向に進路を変え、光束合成素子62に入射して空間的に合成される。すなわち、上側の光源装置12におけるレーザモジュール20および26と蛍光体ホイール16が配置された平面(xy平面)に垂直なz方向に沿って出射光は光束合成素子62に入射する。また、下側の光源装置12におけるレーザモジュール20および26と蛍光体ホイール16が配置された平面(xy平面)に垂直なz方向に沿って出射光は光束合成素子62に入射する。
この例では光束合成素子62は三角プリズム202および204を有する。上側の光源装置12からの出射光は、三角プリズム202に入射される。三角プリズム202に入射した光は、角度45度の斜面で反射した後、ロッドインテグレータ72へと入射される。同様に、下側の光源装置12からの出射光は、三角プリズム204に入射され、角度45度の斜面で反射した後、ロッドインテグレータ72へと入射される。
ロッドインテグレータ72に光が入射してからスクリーンに映像が投射されるまでの動作は、図1に示す映像表示装置100と同じであるので、ここでは説明を省略する。
このように、複数の光源装置12を高さ方向に並んで配置することにより、xy方向における映像表示装置100のサイズを小さくすることができる。
また、図1に示す例では、2つの光源装置12および14のそれぞれがレーザモジュール20および26を備えていたが、1つのレーザモジュールから出射されたレーザ光を2つの光源装置12および14に分配してもよい。図10は、1つのレーザモジュール300から出射されたレーザ光を2つの光源装置12および14に分配する映像表示装置100を示す図である。
レーザモジュール300は、複数の半導体レーザ素子28と、レンズ30と、レンズ301とを備えている。複数の半導体レーザ素子(例えば50個)を一箇所に集めることでレーザ光を高出力化することができる。
レンズ30およびレンズ301は、半導体レーザ素子28から出射されたレーザ光を光ファイバ302に入射させる。光ファイバ302は、例えばバンドルファイバであり、半導体レーザ素子28の個々の出力が小さくても、個々のレーザ光を光ファイバ302にカップリングすることで、高出力のレーザ光を得ることができる。光ファイバ302は、1つのレーザモジュール300から出射されたレーザ光を2つの光源装置12および14に分配する分配素子として機能する。なお、レーザモジュール300は2つ以上であってもよく、この場合も2つ以上のレーザモジュール300から光ファイバ302にレーザ光を入射させることで、レーザ光を光源装置12および14に分配することができる。
光源装置12および14に分配されて入射したレーザ光は、レンズ303によって略平行光化され、ダイクロイックミラー40によって反射され、蛍光体ホイール16へ照射される。すなわち、光ファイバ302は、1つのレーザモジュール300から出射されたレーザ光を2つの蛍光体ホイール16に分配し、2つの蛍光体ホイール16の其々に分配されたレーザ光が入射される。
蛍光体ホイール16に光が入射してからスクリーンに映像が投射されるまでの動作は、図1に示す映像表示装置100と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図10に示すように光源ユニットを1つにすることで、映像表示装置100のメンテナンスを容易にすることができる。また、レーザモジュール300から高出力のレーザ光が出射されても、2つの蛍光体ホイール16に分配されて入射するので、蛍光体ホイール1つあたりの発熱を抑制して変換効率を高く保ちつつ、高輝度の照明光を得ることができる。
(その他の実施形態)
上記の実施形態では、5×5のマトリクス状に配置された半導体レーザ素子により構成されるレーザモジュールを例示したが、半導体レーザ素子の数および配置はこれに限定されるものではなく、半導体レーザ素子1つあたりの光強度や、光源装置に所望される出力などに応じて適宜設定すればよい。また、レーザ光の波長も450nmに限定されるものではなく、例えば、405nmの光を出力する紫色半導体レーザ素子や、400nm以下の紫外線光を出力する半導体レーザ素子などを用いてもよい。
上記の実施形態では、青色のレーザ光によって、セリウム付活ガーネット構造蛍光体を励起し、黄色および緑色を主波長とする光を発光する構成を例示したが、赤色や青緑色を主波長とする光を発光させる蛍光体を用いてもよい。
上記の実施形態では、0.67インチの単板式のDMDを用いる構成を例示したが、異なるサイズのDMDを用いることもできる。また、3板式の光変調素子を用いる光学構成を採用してもよい。光学系のFナンバーについても、上記の例に特に限定されるものではない。
光変調素子サイズ、光学系のFナンバー、蛍光体の種類、蛍光体に入射されるレーザ光強度に応じて、蛍光体上のレーザ光スポット径の最適値は多少変動するため、映像表示装置の仕様に応じて、上記の実施形態で示したパラメータの最適化手法に基づき、適宜最適な値を設定することができる。
(まとめ)
以上、説明したように、本開示のある実施形態に係る照明装置10は、レーザ光を出射するレーザ光源22、28と、レーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体112、114、116が配置された少なくとも2つの蛍光体基板16と、少なくとも2つの蛍光体基板16の其々から出射された蛍光を空間的に合成する光学素子62とを備える。
ある実施形態において、蛍光体112、114、116は、例えばセリウム付活ガーネット構造蛍光体を含む。
ある実施形態において、蛍光体基板16の其々に入射されるレーザ光のピーク強度は、例えば60W以上120W以下である。
ある実施形態において、蛍光体基板16の其々に入射されるレーザ光のスポット直径は、例えば1.2mm以上2.00mm以下である。
ある実施形態において、蛍光は、例えばレーザ光源22、28および蛍光体基板16が配置された平面に垂直な方向に沿って光学素子62に入射する。
ある実施形態において、照明装置10はレーザ光源28から出射されたレーザ光を少なくとも2つの蛍光体基板16に分配する分配素子をさらに備えていてもよく、少なくとも2つの蛍光体基板16の其々に分配されたレーザ光が入射される。
本開示のある実施形態に係る映像表示装置100は、上記に記載の照明装置10と、照明装置10から出射された蛍光を変調する光変調素子96と、光変調素子96から出射された画像をスクリーンに投写する投写光学系98とを備える。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本技術は、高輝度の光を蛍光体によって発光させる映像表示装置に適用可能である。具体的には、プロジェクタのほか、テレビなどに、本技術は適用可能である。
10 照明装置
12、14 光源装置
16 蛍光体ホイール
20、26、300 レーザモジュール
22、28 半導体レーザ素子
24、30、34、36、42、44、46、48、54、60、74、76、92、301、303 レンズ
32、50、52、58、200 ミラー
38、56 拡散板
40 ダイクロイックミラー
62 光束合成素子
64、66 台形プリズム
64a 面
70 導光光学系
72 ロッドインテグレータ
80 フィルターホイール
90 映像生成部
94 全反射プリズム
94a 面
96 DMD
98 投写レンズ
102 モータ
104 アルミ基板
112、114、116 蛍光体領域
118 切欠き領域
802 モータ
812 可視光透過領域
814 カラーフィルター領域
100 映像表示装置
202、204 三角プリズム
302 光ファイバ

Claims (5)

  1. レーザ光を出射する第1のレーザ光源と、前記第1のレーザ光源のレーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体が配置された第1の蛍光体基板とを備えた第1の光源装置と、
    レーザ光を出射する第2のレーザ光源と、前記第2のレーザ光源のレーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体が配置された第2の蛍光体基板とを備えた第2の光源装置と、
    前記第1の光源装置および前記第2の光源装置の其々から出射されたレーザ光および蛍光を空間的に合成する光学素子と、
    を備え
    前記第1の光源装置はさらに、前記光学素子に対して前記第1の蛍光体基板から出射された蛍光を導く光学系を含んでおり、
    前記第1の光源装置および前記第2の光源装置は、前記第1のレーザ光源、前記第1の蛍光体基板、および前記光学系が配置された平面に対して垂直な高さ方向に所定の距離を隔てて、重なり合うように配置されており、
    前記平面は、前記第1のレーザ光源から出射されるレーザ光の主光線と、前記第1の蛍光体基板から出射される蛍光の主光線の光路を含む平面であり、
    前記光学素子は、前記高さ方向において、前記第1の光源装置と前記第2の光源装置との間の位置に配置されている、照明装置。
  2. 前記レーザ光源および前記蛍光体基板が配置された平面に垂直な方向に沿って前記蛍光が前記光学素子に入射するように、前記光学素子は、第1のミラーと、第2のミラーと、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、ロッドインテグレータとを備え、
    前記第1の三角プリズムおよび第2の三角プリズムは、前記ロッドインテグレータの一端側に配置され、
    前記第1の光源装置から得られるレーザ光および蛍光は、前記第1のミラーによって進路が変更され、前記第1の三角プリズムに入射し、
    前記第2の光源装置から得られるレーザ光および蛍光は、前記第2のミラーによって進路が変更され、前記第2の三角プリズムに入射し、
    前記第1の三角プリズムに入射した前記レーザ光および前記蛍光は、前記第1の三角プリズムで反射して、前記ロッドインテグレータに入射し、
    前記第2の三角プリズムに入射した前記レーザ光および前記蛍光は、前記第2の三角プリズムで反射して、前記ロッドインテグレータに入射する、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1および第2の蛍光体基板の其々に入射される前記レーザ光のピーク強度は、60W以上120W以下である、請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記第1および第2の蛍光体基板の其々に入射される前記レーザ光のスポット直径は、1.2mm以上2.00mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の照明装置と、
    前記照明装置から出射された蛍光を変調する光変調素子と、
    前記光変調素子から出射された画像をスクリーンに投写する投写光学系と、
    を備えた、映像表示装置。
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