JP6284719B2 - 蒸し物類用品質改良剤 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸し物類用品質改良剤に関する。
従来、蒸しパンや蒸し饅頭など、穀粉を主原料とする種々の蒸し物類が提供されているが、これらはいずれも常温又は低温下に長期間置くと老化して硬くなり、口溶け、風味が悪くなる。そこで、その老化を抑制する方法が種々提案されている。
例えば、小麦粉と乳化剤とからなる混合物を密閉容器中で撹拌しながら間接加熱処理して得られる熱処理混合物を、主原料の小麦粉に対して内割りで2〜50質量%含有する蒸し物類用小麦粉組成物(特許文献1)、小麦粉100質量部に、糖類180〜250質量部と、卵130〜200質量部とを配合した生地を混捏する工程と、混捏した生地に、65〜80℃に加熱した油脂75〜130質量部を練りこむ工程と、得られた生地を0〜10℃に3〜60時間静置する工程と、静置した生地を蒸し上げる工程とを含む、蒸し物の製造方法(特許文献2)などがある。
一方、パン・ケーキ等のベーカリー製品については、老化抑制に効果のある乳化剤を添加する方法があり、特にステアロイル乳酸ナトリウム(以下、「SSL」とも記載する)は海外で広く使用されている(非特許文献1)。しかし、このSSLを蒸し物類に添加しても、ある程度の老化抑制効果はあるものの十分な効果が得られないのが現状である。
特開2007−117002号公報、請求項1 特開2009−027960号公報、請求項1
日高徹著「食品用乳化剤 第2版」、幸書房、1991年3月1日発行、P154〜168
本発明は、ステアロイル乳酸ナトリウムを有効成分とし、蒸し物類の老化防止効果に優れた品質改良剤を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法により得られたSSL製剤は、非加熱の水に対する分散性に優れ、かつSSLそのものを添加する場合に比べて蒸し物類の老化防止効果に優れることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)から成っている。
(1)ステアロイル乳酸ナトリウム及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより得られることを特徴とする蒸し物類用品質改良剤。
(2)下記の測定方法により測定される分散度が1.0以下であることを特徴とする前記(1)に記載の蒸し物類用品質改良剤。
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
本発明の蒸し物類用品質改良剤は、蒸し物類の老化防止効果に優れている。
本発明で用いられるSSLは、ステアロイル基を親油性基、乳酸のカルボニウムイオンを親水性基とするナトリウム塩を主成分とするものであって、SSLとして公知のものであれば特に制限はない。例えば、ステアロイル基を主たるアシル基とするアシル化乳酸及びアシル化ラクトイル乳酸(ステアロイル乳酸等)とこれらのナトリウム塩、ステアリン酸を主成分とする脂肪酸及びそのナトリウム塩、縮合乳酸類及びそのナトリウム塩を含む混合物がSSLとして市販されており、本発明ではこれを用いることができる。
本発明の蒸し物類用品質改良剤は、SSL及び賦形剤を含有する液状組成物を乾燥して粉末化することにより製造できる。その好ましい方法の概略を以下の1)〜4)の工程に示す。
1)水100質量部に賦形剤(粉末化基材)として加工澱粉2〜30質量部及び加工澱粉以外の賦形剤10〜50質量部を加え、これを60〜90℃に加熱しながら溶解して水溶液を得る。
2)SSL10〜100質量部を60〜80℃に加熱しながら溶融して溶融液を得る。
3)1)の水溶液に2)の溶融液を加え、70〜90℃に加熱しながら攪拌機を用いて撹拌・分散して液状組成物を得る。
4)3)の液状組成物を乾燥し、粉末状の蒸し物類用品質改良剤(以下、「SSL製剤」ともいう)を得る。
なお、上記2)の工程において、SSLと共に「SSL以外の乳化剤及び/又は食用油脂」を使用しても良い。
上記加工澱粉としては、例えば澱粉とコハク酸のアルケニル誘導体とのエステルであるアルケニルコハク酸エステル化澱粉が好ましく用いられる。アルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、例えばオクテニルコハク酸エステル化澱粉、デセニルコハク酸エステル化澱粉、ドデセニルコハク酸エステル化澱粉、テトラデセニルコハク酸エステル化澱粉、ヘキサデセニルコハク酸エステル化澱粉、及びオクタデセニルコハク酸エステル化澱粉、並びにこれら澱粉をα化又は加水分解等の処理をしたものが挙げられる。これらの中でも、とりわけα化オクテニルコハク酸エステル化澱粉又はその塩が好ましい。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉は、加水分解の度合いにより、また加水分解をする時期、即ちエステル化反応の前か後かにより、水溶液としたときの粘度が異なる。上記製造方法においては、粉末状のSSL製剤に流動性を付与するため、例えば(a)15質量%に調整した水溶液の粘度(以下、単に「粘度」ともいう)が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のアルケニルコハク酸エステル化澱粉と(b)粘度が100〜250ミリパスカル秒の範囲内となるアルケニルコハク酸エステル化澱粉を選択して用いることが好ましい。(a)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、粘度が5ミリパスカル秒以上100ミリパスカル秒未満のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、例えば市販品のカプシュールST(商品名;粘度7ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)、ハイキャップ100(商品名;粘度7ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)、ピュリティーガムBE(商品名;粘度24ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)等を挙げることができる。また、(b)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、粘度が100〜250ミリパスカル秒のオクテニルコハク酸エステル化澱粉が好ましい。具体的には、例えば市販品のエヌクリーマー46(商品名;粘度245ミリパスカル秒;日本エヌエスシー社製)等を挙げることができる。
上記粘度は、第8版食品添加物公定書記載「28.粘度測定法」の「第2法回転粘度計法」に準じて測定される。
上記(a)及び(b)のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の使用比率(質量比)には特に制限はなく、1:99〜99:1の任意の比率で使用してよい。
上記加工澱粉以外の賦形剤としては、例えば、乳蛋白(例えば、酸カゼイン、カゼインナトリウム等)、植物性蛋白(大豆蛋白、小麦蛋白、エンドウ蛋白等)又はこれらの分解物、糖類、澱粉類、増粘多糖類・ガム質等が挙げられる。糖類としては、例えばブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、デキストリン、コーンシロップ等が挙げられる。また、澱粉類としては、例えばコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられる。また、増粘多糖類・ガム質としては、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、アラビアガム、ペクチン、大豆多糖類等が挙げられる。これらの中でも、特にデキストリンが好ましい。
デキストリンとしては、例えば、DE(Dextrose equivalent)値が3〜28のデキストリンが好ましく用いられる。このようなデキストリンとしては、パインデックス#2(商品名;DE値11;松谷化学工業社製)、パインデックス#3(商品名;DE値25;松谷化学工業社製)、パインデックス#4(商品名;DE値19;松谷化学工業社製)、M.P.D(商品名;DE値25;松谷化学工業社製)、サンデック#30(商品名;DE値3;三和澱粉工業社製)、サンデック#150(商品名;DE値17;三和澱粉工業社製)、サンデック#300(商品名;DE値28;三和澱粉工業社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
上記2)の工程においてSSL以外の乳化剤を使用する場合、その種類に特に制限はないが、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びレシチン等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル等が含まれる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が含まれる。
また、上記2)の工程において食用油脂を使用する場合、その種類に特に制限はないが、食用に適する動物性、植物性の油脂及びそれらの硬化油、エステル交換油、分別油等が挙げられる。植物性油脂としては、例えばサフラワー油、大豆油、綿実油、コメ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油等が挙げられる。
上記攪拌機としては、例えばTKホモミクサー(商品名;プライミクス社製)又はクレアミックス(商品名;エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機、若しくは、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ社製)等の均質化・湿式微細粒化装置が好ましく用いられる。該分散・乳化機の操作条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数2000〜20000rpm、攪拌時間1〜30分間を例示できる。
上記液状組成物の乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥等が挙げられ、中でも、乾燥及び粉末化が同時に実施可能な噴霧乾燥が好ましい。
噴霧乾燥を行うための装置に特に制限は無く、噴射式噴霧乾燥装置又は回転円盤式噴霧乾燥装置等、公知の装置を使用することができる。また、噴霧乾燥装置の操作条件としては、例えば分散液を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度120〜200℃、好ましくは140〜190℃、排気温度60〜140℃、好ましくは70〜90℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、粉末状のSSL製剤を得ることができる。
上記製造方法により製造されるSSL製剤100質量%中の各成分の含有量に特に制限はないが、例えばSSLが10〜60質量%、好ましくは25〜55質量%、加工澱粉が3〜30質量%、好ましくは5〜15質量%、加工澱粉以外の賦形剤が5〜60質量%、好ましくは25〜50質量%となるように調製するのが好ましい。
また、上記2)の工程において「SSL以外の乳化剤及び/又は食用油脂」を使用する場合、SSL製剤100質量%中のSSL以外の乳化剤及び食用油脂の含有量に特に制限はないが、例えばSSL以外の乳化剤が1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%、食用油脂が1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%となるように調整するのが好ましい。
本発明のSSL製剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分を含んでも良い。そのような成分としては、例えば、酸化防止剤、調味料、香辛料、増粘剤、安定剤、pH調整剤(例えばクエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、リン酸及びこれらの塩等)等が挙げられる。
また、本発明のSSL製剤は、非加熱の水に対する分散性に優れている。具体的には、本発明のSSL製剤は、下記方法により測定される分散度が1.0以下である。
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
本発明のSSL製剤の使用対象である蒸し物類としては、穀粉類(例えば小麦粉、米粉、そば粉等)を主原料とし、その他に例えば糖類(例えば砂糖、黒糖、液糖、蜂蜜等)、膨張剤(例えばベーキングパウダー、重曹、イーストパウダー等)、卵等を加えてなる生地(例えばドウ又はバッター)をそのまま、又はこれにより他の具材を包んで、蒸し調理した食品であれば特に制限はない。ここで、蒸し物類について「穀粉類を主原料とする」とは、例えば、蒸し物類の生地原材料100質量%中、穀粉類を10質量%以上、好ましくは20質量%以上含有することをいう。
上記蒸し物類としては、例えば、蒸しケーキ類、蒸しパン類の他、蒸し饅頭や中華饅頭等の蒸し饅頭類等が挙げられる。また、蒸しケーキ類には、蒸しカステラ、雁月、マーラーカオ等も含まれる。また、蒸し饅頭には、例えば茶饅頭、薬饅頭、よもぎ饅頭、酒饅頭、イースト饅頭、味噌饅頭、吹雪饅頭等も含まれる。また、中華饅頭としては、例えば甘いあんや具を内部に入れたあんまん、肉まん、カレーまん等が挙げられる他、何もフィリングを入れないものもこれに含まれる。
本発明のSSL製剤を蒸し物類に添加する方法に特に制限はなく、蒸し物類の製造工程において他の原材料と共に使用することができる。具体的には、例えば生地の調製工程において、小麦粉等の原材料と共にSSL製剤をミキシング(混捏)に供することができる。
本発明のSSL製剤を蒸し物類に使用する際の添加量に特に制限はないが、穀粉類100質量部に対し通常0.05〜3.0質量部、好ましくは0.1〜1.0質量部であることが、しっとりした食感を維持する観点から好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
[蒸し物類用品質改良剤の調製]
1L容ビーカーに水600gを仕込み、これにオクテニルコハク酸エステル化澱粉(商品名:ピュリティーガムBE;日本エヌエスシー社製)20g、オクテニルコハク酸エステル化澱粉(商品名:エヌクリーマー46;日本エヌエスシー社製)20g及びデキストリン(商品名:パインデックス#2;DE値11;松谷化学工業社製)140gを加え、80℃で加熱溶解して水溶液を得た。
次いで、500mL容ビーカーにSSL(商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)220gを仕込み、80℃で加熱溶解した溶融液を上記1L容ビーカー中の水溶液に加え、80℃で加熱しながら、攪拌機(商品名:TKホモミクサー;プライミクス社製)を用いて10000rpmで10分攪拌し、液状組成物1000gを得た。
その後、上記液状組成物を噴霧乾燥機(商品名:スプレードライヤーL−8i型;大川原化工機社製)を用いて熱風入口温度175℃、排気温度80℃の条件で噴霧乾燥し、粉末状のSSL製剤300g(実施品1;SSL含有量55質量%)を作製した。
[実施例2]
[蒸し物類用品質改良剤の調製]
実施例1のSSL220gに替えて、SSL(商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)160g、パーム油(商品名:RPO;植田製油社製)20g及びグリセリンコハク酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)40gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、粉末状のSSL製剤300g(実施品2;SSL含有量40質量%)を作製した。
[試験例1]
[20℃の水に対する分散度の測定]
上述した実施例1及び2で作製したSSL製剤(実施品1及び2)について、下記測定方法により20℃の水に対する分散度を測定した。なお、対照として、市販の粉末状のSSL(市販品A;商品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)についても同様に分散度を測定した。結果を表1に示す。
[測定方法]
1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
Figure 0006284719
ここで、上記分散度は、その値が低い程、20℃の水に対する分散性が高いことを意味する。従って、表1の結果から、実施例のSSL製剤(実施品1及び2)は、市販のSSL製剤に比べて非加熱の水に対する分散性に優れていることが明らかである。
[試験例2]
[蒸しケーキによる評価試験]
(1)原材料
1)薄力粉(商品名:バイオレット;日清製粉社製)
2)殺菌液卵(商品名:エクセルエッグHV;キューピータマゴ社製)
3)上白糖(フジ日本精糖社製)
4)製菓用油脂(商品名:フレンジーT;理研ビタミン社製)
5)製菓用起泡性乳化油脂(商品名:パティグラース−300;理研ビタミン社製)
6)ベーキングパウダー(商品名:BP(C);オリエンタル酵母工業社製)
7)SSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
(2)原材料の配合及び使用量
上記原材料を用いて作製した蒸しケーキ1〜4の配合割合を表2に示した。ここで、表2の配合割合は、使用する小麦粉を100質量部として表記した。また、蒸しケーキの製造に使用した小麦粉(薄力粉)の全量は300gとした。
Figure 0006284719
なお、表2の配合割合は、蒸しケーキ1〜3に添加されるSSLの量が、薄力粉100質量部に対し、約0.2質量部となるように調整されている。また、対照として、蒸しケーキ4にはSSLを添加していない。
(3)蒸しケーキの製造方法
表2に示した全ての原材料を5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;ワイヤーホイッパー装着;品川工業所社製)に入れ、該ミキサーにて、1分間低速で撹拌した後、生地比重が0.55になるまで高速で撹拌し、ケーキ生地を得た。得られたケーキ生地を50gに分割し、シリコンをコーティングした直径7cmのグラシン紙に置いてスチーマーボックス(型式:K−1DX;アサミ社製)に入れ、94℃で14分間蒸し上げ、蒸しケーキを得た。
(4)食感の評価
(3)で得た蒸しケーキを室温で30分間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存し、食感(しっとり感)について官能評価を行った。評価は、表3の評価基準により、10名のパネラーで行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。結果を表4に示す。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
Figure 0006284719
(5)老化防止の評価
(3)で得た蒸しケーキを室温で30分間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存した。保存後の蒸しケーキの中心部分から試験片(50mm×50mm×20mm)を得て、その厚さが20mmから10mmになるまで試験片を圧縮した時の荷重(gf)をレオメーター(型式:RHEONER II;山電社製)により測定した。測定は、プランジャー(底部の形状:50mm×50mmの正方形)をレオメーターに装着し、試料台上昇速度を1mm/secとして、10個の試験片について行い、その平均値を採用した。この数値が高い程、蒸しケーキが硬く老化が進行していることを意味する。結果を表4に示す。
Figure 0006284719
表4の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加した蒸しケーキ1及び2は、食感の評価がいずれも「◎」であり、老化防止評価では比較的少ない荷重を示し、製造から3日後においても柔らかさが持続していた。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加したもの及びSSL無添加の蒸しケーキ3及び4では、食感の評価が「△」以下であり、また老化防止評価では比較的大きな荷重を示し、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。
[試験例3]
[蒸しパンによる評価試験]
(1)原材料
1)薄力粉(商品名:バイオレット;日清製粉社製)
2)上白糖(フジ日本精糖社製)
3)粉末マルトース(商品名:サンマルト;林原商事社製)
4)殺菌液卵(商品名:エクセルエッグHV;キューピータマゴ社製)
5)製菓用油脂(商品名:フレンジーT;理研ビタミン社製)
6)膨張剤(商品名:イスパタ;アイコク社製)
7)SSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
(2)原材料の配合及び使用量
上記原材料を用いて作製した蒸しパン1〜4の配合割合を表5に示した。ここで、表5の配合割合は、使用する小麦粉を100質量部として表記した。また、蒸しパンの製造に使用した小麦粉(薄力粉)の全量は300gとした。
Figure 0006284719
なお、表5の配合割合は、蒸しパン1〜3に添加されるSSLの量が、薄力粉100質量部に対し、約0.2質量部となるように調整されている。また、対照として、蒸しパン4にはSSLを添加していない。
(3)蒸しパンの製造方法
表5に示した全ての原材料を5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;ワイヤーホイッパー装着;品川工業所社製)を用いて低速で2分間混合し、均一なバッターを得た。得られたバッターを、シリコンをコーティングした直径7cmのグラシン紙に80gずつ置いてスチーマーボックス(型式:K−1DX;アサミ社製)に入れ、98℃で14分間蒸し上げ、蒸しパンを得た。
(4)食感の評価
(3)で得た蒸しパンを室温で30分間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存し、食感(しっとり感)について官能評価を行った。評価は、表6の評価基準により、10名のパネラーで行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。結果を表7に示す。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
Figure 0006284719
Figure 0006284719
表7の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加した蒸しパン1及び2は、食感の評価がいずれも「◎」であり、製造から3日後においてもしっとりした食感が持続していた。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加したもの及びSSL無添加の蒸しパン3及び4では、食感の評価が「△」以下であり、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。
[試験例4]
[蒸し饅頭による評価試験]
(1)原材料
1)薄力粉(商品名:バイオレット;日清製粉社製)
2)上白糖(フジ日本精糖社製)
3)膨張剤(商品名:イスパタ;アイコク社製)
4)SSL(実施品1、実施品2及び市販品A)
(2)原材料の配合及び使用量
上記原材料を用いて作製した蒸し饅頭1〜4の配合割合を表8に示した。ここで、表8の配合割合は、使用する小麦粉を100質量部として表記した。また、蒸し饅頭の製造に使用した小麦粉(薄力粉)の全量は6.4kgとした。
Figure 0006284719
ここで、表8の配合割合は、蒸し饅頭1〜3に添加されるSSLの量が、薄力粉100質量部に対し、約0.2質量部となるように調整されている。また、対照として、蒸し饅頭4にはSSLを添加していない。
(3)蒸し饅頭の製造方法
表8に示した原材料のうち上白糖及び水を、30コート縦型ミキサー(型式:カントーミキサーHMS−30;ビーター装着;関東混合機工業社製)に設置したミキサーボールに入れて撹拌し、上白糖を水に溶解させた。次いで、篩に通した薄力粉及び残りの原材料(膨張剤及びSSL)の混合品を、ミキサーボールに入れて低速で3分間混合して得た生地を室温で30分間寝かせた。続いて、生地を包餡機(型式:火星人CN−500;レオン自動機社製)に投入し、生地15gにて餡(商品名:特上こし餡;池田屋商店社製)25gを包む包餡成型を下記条件にて行った。成型後の生地をスチーマーボックス(型式:K−1DX:アサミ社製)に入れ、100℃で13分間蒸し上げ、蒸し饅頭を得た。
<包餡機の使用条件>
先端ノズル:φ27LL
固定リング:φ35LL
アジテータ:S―6 速
シャッター:5−45
(4)食感の評価
(3)で得た蒸し饅頭を室温で30分間冷却した後、ポリエチレン製の袋に密封し、20℃で3日間保存し、食感(しっとり感)について官能評価を行った。評価は、表9の評価基準により、10名のパネラーで行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。結果を表10に示す。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
Figure 0006284719
Figure 0006284719
表10の結果から、本発明のSSL製剤(実施品1及び2)を添加した蒸し饅頭1及び2は、食感の評価がいずれも「◎」であり、製造から3日後においてもしっとりした食感が持続していた。これに対し、市販のSSL(市販品A)を添加したもの及びSSL無添加の蒸し饅頭3及び4では、食感の評価が「△」以下であり、満足できる結果が得られなかった。従って、本発明のSSL製剤を添加すると、SSLそのものを添加するよりも優れた効果を発揮することが明らかである。

Claims (1)

  1. ステアロイル乳酸ナトリウム及びアルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有する液状組成物を乾燥して粉末化する蒸し物類用品質改良剤の製造方法であって、該製造方法により得られる蒸し物類用品質改良剤は、下記の測定方法により測定される分散度が1.0以下であり、該蒸し物類用品質改良剤100質量%中、ステアロイル乳酸ナトリウムの含有量が10〜60質量%であり、アルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量が3〜30質量%であることを特徴とする蒸し物類用品質改良剤の製造方法。
    [測定方法]
    1)100ml容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に20℃の水47.5gを仕込み、これに同温度の試料を2.5g加え、同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:FBL−600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで60秒間撹拌し、混合液を作製する。
    2)目開き250μmのステンレス製のストレーナーに1)の混合液を流し込み、該ストレーナー上に残った残渣を回収する。
    3)2)の残渣をガラスシャーレ(内径70mm;高さ20mm)内に静置して105℃で2時間熱風乾燥した後、該ガラスシャーレに残った乾燥物の重量(g)を測定し、その値を分散度とする。
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