JP6284863B2 - 超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような超臨界流体を溶融樹脂に添加し発泡させる方法においては、金型腐食の問題が生じやすい。この問題は、通常の射出成形に使用されているポリカーボネート樹脂組成物で金型腐食の問題などが全くない樹脂組成物であっても、発生してしまい、特に金型キャビティ面に著しく錆が発生してしまうという重大な問題が生じる。
本発明は、以下の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物及び成形品である。
[2]さらに、リン系難燃剤(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100質量部に対して、3〜30質量部含有する上記[1]に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
[3]リン系難燃剤(C)が縮合リン酸エステル及び/又はホスファゼン化合物である上記[2]に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
[4]さらに、ABS樹脂(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、1〜50質量部含有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
[5]さらに、AS樹脂(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、1〜50質量部含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
[6]超臨界発泡に使用する気体が窒素である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を用いて超臨界発泡成形してなる成形品。
なお、本明細書において、「〜」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
ポリカーボネート樹脂(A)としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族−脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
本発明の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物は、ゴム質重合体(b1)に(メタ)アクリル酸エステル単量体(b2)をグラフト重合させてなるグラフト重合体、及び/又は、ゴム質重合体(b1)に(メタ)アクリル酸エステル単量体(b2)および芳香族ビニル単量体(b3)をグラフト重合させてなるグラフト共重合体(B)であって、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びアビエチン酸のいずれか1つ以上のカルボン酸又はそれらの塩の含有量の合計が0.05〜20質量%であり、かつ有機スルホン酸系化合物の含有量が0.5質量%以下であるグラフト共重合体(B)を含有する。このようなグラフト共重合体(B)を含有する。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(b2)は、1種を単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族ビニル単量体(b3)は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
このようなコア/シェル型グラフト共重合体において、ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、芳香族ビニル単量体成分及びメタアクリル酸エステル単量体成分は、10質量%以上含有するものが好ましい。
有機スルホン酸系化合物の含有量は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びアビエチン酸又はそれらの塩及び有機スルホン酸系化合物の含有量を所定の範囲とするためには、重合時にそれらを配合する量を調整することで可能である。また、その際、これらのカルボン酸又はそれらの塩や有機スルホン酸系化合物を上記の乳化剤として使用し、その量を調節することによっても製造可能である。また、これらカルボン酸又はそれらの塩及び有機スルホン酸系化合物の含有量は製造後のラテックスを水洗することなどによっても調整可能である。
本発明の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物は、リン系難燃剤(C)を含有することが好ましい。リン系難燃剤(C)を含有することで、超臨界発泡成形により得られた成形品の難燃性を改良することができる。
リン系難燃剤(C)としては、分子中にリンを含む化合物であり、低分子であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよいが、熱安定性の面から、下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステル化合物や一般式(2)および(3)で表されるホスファゼン化合物が特に好ましい。
上記一般式(1)で表される縮合リン酸エステル化合物は、kが異なる数を有する化合物の混合物であってもよく、かかるkが異なる縮合リン酸エステルの混合物の場合は、kはそれらの混合物の平均値となる。kは、通常0〜5の整数であり、異なるk数を有する化合物の混合物の場合は、平均のk数は好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.6〜1.5、さらに好ましくは0.8〜1.2、特に好ましくは0.95〜1.15の範囲である。
トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート(EHDP)、tert−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(tert−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(tert−ブチルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェート等の芳香族リン酸エステル類;
レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(RDP)、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート(RDX)、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェート(BDP)、ビフェニルビス−ジフェニルホスフェート等の縮合リン酸エステル類;
等が挙げられる。
上記一般式(2)及び(3)で表されるホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o−トリルオキシホスファゼン、m−トリルオキシホスファゼン、p−トリルオキシホスファゼン、o,m−トリルオキシホスファゼン、o,p−トリルオキシホスファゼン、m,p−トリルオキシホスファゼン、o,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1−6アルキルC6−20アリールオキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm−トリルオキシホスファゼン、フェノキシp−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p−トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p−トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6−20アリールC1−10アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン等が例示できる。
これらのうち、好ましくは、環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン、C6−20アリールオキシC1−3アルキルC6−20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)である。
このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。
このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10,000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。
このような架橋ホスファゼン化合物としては、下記一般式(4)で表わされる架橋基、例えば、4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ABS樹脂(D)を含有することが好ましい。
ABS樹脂は、通常、芳香族ビニル単量体成分、ジエン系ゴム質重合体成分及びその他の単量体成分からなる共重合樹脂であり、好ましいのは、芳香族ビニル単量体成分(d1)40〜80質量%、シアン化ビニル単量体成分(d2)10〜30質量%、ジエン系ゴム質重合体成分(d3)10〜30質量%及びその他の単量体成分(d4)0〜30質量%からなるABS樹脂(D)である。
芳香族ビニル単量体成分(d1)のABS樹脂(D)中の割合は、ABS樹脂(D)100質量%中、40〜80質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。
シアン化ビニル単量体成分(d2)のABS樹脂(D)中の割合は、ABS樹脂(D)100質量%中、好ましくは10〜30質量%の範囲であり、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは14質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは26質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。
その他の単量体成分(d4)のABS樹脂(D)中の割合は、ABS樹脂(D)100質量%中、好ましくは0〜30質量%の範囲であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、AS樹脂(E)を含有することも好ましい。
AS樹脂は、アクリロニトリル−スチレン系共重合体であり、アクリロニトリルとスチレン系単量体の1種又は2種以上との共重合体をいう。
また、AS樹脂(E)の分子量を反映するメルトフローレート(MFR)としては、220℃、荷重10kgで5〜50g/10分の範囲にあることが好ましく、10〜30g/10分がより好ましい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(F)を含有することも好ましい。離型剤(F)としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、フルオロポリマー(G)を含有することが好ましい。
フルオロポリマー(G)としては、例えば、フルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体である。具体例としてはジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルアルキルビニルエーテル共重合樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このフルオロエチレン樹脂としては、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、ケイ酸塩化合物(H)を配合することも好ましい。ケイ酸塩化合物(H)は、燃焼時の溶融樹脂のドリップを防止する効果が大きく、樹脂組成物の難燃性をより向上させ、剛性、寸法安定性を改良することができる。
ケイ酸塩化合物(H)の具体例としては、タルク、カオリン、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ワラストナイト、天然シリカ、合成シリカ、各種ガラスフィラー、ゼオライトおよびケイソウ土等、またはこれらの混合物を挙げることができるが、好ましくはタルク、マイカ、ワラストナイトであり、さらに難燃性・寸法安定性のバランスから最も好ましいのはタルクである。タルクは、上記の中でも、燃焼時の溶融樹脂ドリップ防止効果が特に大きい。
カップリング剤としては通常はシラン系、クロム系、チタン系等のカップリング剤が挙げられる。中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合物、ビニルトリクロロシラン化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン化合物等のシラン系カップリング剤を含むものが好ましい。この際、非イオン、陽イオン、陰イオン型等各種の界面活性剤や脂肪酸、金属石鹸、各種樹脂等の分散剤による処理を合わせて行うことが、機械的強度および混練性の向上の点で好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、安定剤を含有することが好ましく、安定剤としてはリン系安定剤やフェノール系安定剤が好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP−10」、城北化学工業社製「JP−351」、「JP−360」、「JP−3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、上記した以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する製造方法には制限はなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)及びグラフト共重合体(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は超臨界発泡成形により発泡成形品にされる。成形機としては射出成形機、押出し成形機、ブロー成形機などが使用されるが、射出成形機等が好ましく使用される。
超臨界発泡成形は、公知の各種方法が適用可能である。その具体例の一つを説明すると、先ず、得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットは、射出成形機のホッパーから成形機に投入され、成形機スクリューの搬送ゾーン、圧縮ゾーンにて加熱溶融された後、成形機スクリューの計量ゾーン及び圧縮ゾーンに送られる。そして、窒素または二酸化炭素ガスを超臨界流体としたものが計量ゾーン部に設けた注入口より注入され、この超臨界流体と溶融樹脂は加圧され単一相化され、射出成形機のノズルから射出され、スプルー、ランナー内を単一相を維持しながら流動し金型キャビティへ送られ、そして、ゲートを通過後に気泡核が発生し、気泡が拡大しながら金型内への充填が進行することにより、超臨界発泡成形が行われる。ここで、気泡核の生成は、金型において圧力が窒素または二酸化炭素の臨界圧力以下の圧力に圧力低下することで、窒素または二酸化炭素を過飽和状態にし、過飽和状態になった溶融樹脂組成物に多数のセル核が発生することにより行われる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、超臨界発泡成形により任意の形状に成形して成形品として用いる。この成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
なお、上記表1において、グラフト共重合体(B)中の、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びアビエチン酸又はそれらの塩の含有量の測定は、以下のようにして行った。
グラフト共重合体(B)2.4gをジクロロメタンに溶解させ、ヘキサンで再沈させた際の上澄みをろ過後、濃縮・乾燥させた。得られた乾固物を以下のGC法により測定した。
測定条件は以下の通りである。また定量には和光純薬社製のステアリン酸(特級)、パルミチン酸(特級)、オレイン酸、アビエチン酸をリファレンスとして使用した。
測定機器:GC/MS−QP2010(島津製作所社製)
カラム:UA1(MS/HT)
(フロンティア・ラボ社製、0.25mm×15m、膜厚0.25μm)
カラム温度:50〜350℃(12.5℃/min)
ガス流速:3ml/min
また、上記グラフト共重合体(B)中の有機スルホン酸系化合物の含有量の測定は、有機スルホン酸系化合物としてはドデシルベンゼンスルホン酸(塩)しか含有していないことがあらかじめ確認できたので、ドデシルベンゼンスルホン酸(塩)の含有量を以下のようにして測定した。
測定条件は以下の通りである。また定量には東京化成社製のドデシルベンゼンスルホン酸(ソフト型)をリファレンスとして使用した。
カラム:SunShell C18
(クロマニックテクノロジー社製、4.6×50mm、粒径2.7μm)
カラム温度:40℃
移動相:0.1mol/L
過塩素酸ナトリウムを含む水/アセトニトリル=45/55
流速:1.3mL/min
注入量:5μL
検出器:UV(230nm)
[樹脂ペレットの製造]
上記表1に記した各成分のうちC1成分以外を、以下の表2に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30α)に上流のフィーダーより供給し、さらにC1成分をバレルの途中より供給しながら、回転数250rpm、吐出量45kg/時間、バレル温度は実施例1、比較例1は280℃、それ以外は260℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。
金型腐食性の評価を以下のようにして行った。
通常成形については、得られた樹脂組成物のペレットを、予め80℃で6〜12時間予備乾燥し、日本製鋼所社製J85AD射出成形機を用いて、シリンダー温度は実施例1と比較例1は280℃、それ以外は260℃、金型温度は全て50℃、1サイクル30秒となる設定にて、通常の射出成形を実施した。
一方、超臨界発泡成形については、TREXEL社製のMuCell SCF装置(型式:SII−TRJ−10−A)を用いて超臨界状態にした窒素を、日本製鋼所J85AD射出成形機のシリンダーへと所定量注入し、溶融した樹脂組成物と混合させ金型内へ射出するという一連のサイクルにて超臨界発泡成形を実施した。樹脂組成物ペレットの予備乾燥、成形条件は通常成形と同じ条件で、超臨界窒素の注入量は通常成形品質量の0.2質量%の設定とした。
成形を200ショット実施した後、金型の入れ駒を取り外し、温度65℃、湿度85%の条件下で1時間放置した後の入れ駒の錆状態を目視で確認することで評価を行った。
キヤビティ部分の目視評価の基準は、以下の通りである。
A:錆腐食が目視では確認できない
B:錆腐食による変色がキャビティ面の面積の10%未満
C:錆腐食による変色がキャビティ面の面積の10%以上〜30%以下
D:錆腐食による変色がキャビティ面の面積の30%超〜60%以下
E:錆腐食による変色がキャビティ面の面積の60%より多い
なお、以下の実施例において、他の機械物性等の低下は特にみられなかった。
Claims (7)
- ポリカーボネート樹脂(A)99.5〜80質量部、ゴム質重合体に(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト重合させてなるグラフト重合体、及び/又は、ゴム質重合体に(メタ)アクリル酸エステル単量体および芳香族ビニル単量体成分をグラフト重合させてなるグラフト共重合体(B)0.5〜20質量部(但し、前記(A)成分と(B)成分の合計を100質量部とする。)を含有し、グラフト共重合体(B)中の、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸及びアビエチン酸のいずれか1つ以上のカルボン酸又はそれらの塩の含有量の合計が0.05〜20質量%であり、かつ有機スルホン酸系化合物の含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、リン系難燃剤(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100質量部に対して、3〜30質量部含有する請求項1に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- リン系難燃剤(C)が縮合リン酸エステル及び/又はホスファゼン化合物である請求項2に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、ABS樹脂(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、1〜50質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- さらに、AS樹脂(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)とグラフト共重合体(B)の合計100重量部に対して、1〜50質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 超臨界発泡に使用する気体が窒素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超臨界発泡成形用熱可塑性樹脂組成物を用いて超臨界発泡成形してなる成形品。
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| JP2016060864A (ja) | 2016-04-25 |
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