以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
●全体構成
図1は本発明の実施の形態における撮像素子を有する撮像装置であるカメラの概略構成を示したものである。図1において、第1レンズ群101は結像光学系の先端に配置され、光軸方向に進退可能に保持される。絞り兼用シャッタ102は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行うほか、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとしての機能も備える。第2レンズ群103は、絞り兼用シャッタ102と一体となって光軸方向に進退し、第1レンズ群101の進退動作との連動により、変倍作用(ズーム機能)を実現することができる。
第3レンズ群105(フォーカスレンズ)は、光軸方向の進退により焦点調節を行う。光学的ローパスフィルタ106は、撮影画像の偽色やモアレを軽減するための光学素子である。撮像素子107は2次元CMOSフォトセンサとその周辺回路からなり、結像光学系の結像面に配置される。上述した第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、第3レンズ群105、光学的ローパスフィルタ106は、結像光学系を構成している。
ズームアクチュエータ111は、不図示のカム筒を回動することで、第1レンズ群101ないし第3レンズ群103を光軸方向に進退駆動し、変倍操作を行う。絞りシャッタアクチュエータ112は、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して撮影光量を調節すると共に、静止画撮影時の露光時間制御を行う。フォーカスアクチュエータ114は、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。
撮影時の被写体照明用電子フラッシュ115で、キセノン管を用いた閃光照明装置が好適だが、連続発光するLEDを備えた照明装置を用いても良い。AF補助光発光部116は、所定の開口パターンを有したマスクの像を、投光レンズを介して被写界に投影し、暗い被写体あるいは低コントラスト被写体に対する焦点検出能力を向上させる。
121は、カメラ本体の種々の制御を司るカメラ内CPUで、演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイス回路等を有する。CPU121は、ROMに記憶された所定のプログラムに基づいて、カメラが有する各種回路を駆動し、AF、撮影、画像処理と記録等の一連の動作を実行する。また、本実施形態では、結像光学系の状態に応じた焦点検出補正値も記憶されている。
焦点検出補正値は、第3レンズ群105の位置に対応したフォーカス状態、第1レンズ群101の位置に対応したズーム状態、結像光学系のFナンバー毎に複数用意されている。そして、撮像素子107の出力信号を用いて後述する焦点調節を行う際には、結像光学系の第1レンズ群101、第3レンズ群105の位置及びFナンバーに対応した最適な焦点検出補正値が選択される構成となっている。
なお本実施形態では、焦点検出補正値をCPU121に記憶するように構成したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、交換レンズ式の撮像装置においては、結像光学系を有する交換レンズが不揮発性メモリを有し、そのメモリに上述の焦点検出補正値を記憶してもよい。この場合には、結像光学系の状態に応じて、焦点検出補正値を撮像装置に送信すればよい。
電子フラッシュ制御回路122は、撮影動作に同期して電子フラッシュ115を点灯制御する。補助光駆動回路123は、焦点検出動作に同期してAF補助光発光部116を点灯制御する。撮像素子駆動回路124は、撮像素子107の撮像動作を制御するとともに、取得した画像信号をA/D変換してCPU121に送信する。画像処理回路125は、撮像素子107が取得した画像のγ変換、カラー補間、JPEG圧縮等の処理を行う。
フォーカス駆動回路126は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ114を駆動制御し、第3レンズ群105を光軸方向に進退駆動して焦点調節を行う。絞りシャッタ駆動回路128は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッタ102の開口を制御する。ズーム駆動回路129は、撮影者のズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。
LCD等の表示器131は、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像と撮影後の確認用画像、焦点検出時の焦点検出領域の指標や合焦状態表示画像等を表示する。操作スイッチ群132は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等で構成される。着脱可能なフラッシュメモリ133は、撮影済み画像を記録する。
●撮像素子
次に、本実施形態における撮像素子107の撮像画素と焦点検出画素の配列の概略を図2に示す。図2は、本実施形態の2次元CMOSセンサー(撮像素子)の画素(撮像画素)配列を4列×4行の範囲で、焦点検出画素配列を8列×4行の範囲で示したものである。
画素群200は2行×2列の画素からなり、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。さらに、各画素は2列×1行に配列された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202により構成されている。
図2に示した4列×4行の画素(8列×4行の焦点検出画素)を面上に多数配置し、撮像画像(焦点検出信号)の取得を可能としている。本実施形態では、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、焦点検出画素の列方向周期PAFが2μm、焦点検出画素数NAFが横11150列×縦3725行=約4150万画素の撮像素子として説明を行う。
図2に示した撮像素子107の1つの画素200Gを、撮像素子107の受光面側(+z側)から見た平面図を図3(a)に示し、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図3(b)に示す。図3に示すように、本実施形態の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301及び302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。光電変換部301及び302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしても良い。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301及び302との間に、カラーフィルタ306が形成される。また、必要に応じて、各焦点検出画素毎にカラーフィルタの分光透過率を変えても良いし、カラーフィルタを省略しても良い。
図3に示した画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301及び302で受光される。光電変換部301及び302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層(不図示)に蓄積され、一方、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子107の外部へ排出される。光電変換部301及び302のn型層(不図示)に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換されて出力される。
図3に示した本実施形態の画素構造と瞳分割との対応関係を図4を参照して説明する。図4は、図3(a)に示した本実施形態の画素構造のa−a断面を+y側から見た断面図と結像光学系の射出瞳面を示す図である。なお、図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって概ね共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
また、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって概ね共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
また、瞳領域500は、光電変換部301及び302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を全て合わせた際の画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
図5は、本実施形態の撮像素子107と瞳分割との対応関係を示した概略図である。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502をそれぞれ通過した一対の光束は、撮像素子107の各画素にそれぞれ異なる角度で入射し、2×1に分割された第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で受光される。本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されている例である。必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行っても良い。
なお、上述した例では第1焦点検出画素と第2焦点検出画素から構成された撮像画素が複数配列されているが、本発明はこれに限られるものではない。必要に応じて、撮像画素と、第1焦点検出画素、第2焦点検出画素を個別の画素構成とし、撮像画素配列の一部に、第1焦点検出画素と第2焦点検出画素を部分的に配置する構成としても良い。
本実施形態では、撮像素子107の各画素の第1焦点検出画素201の受光信号を集めて第1焦点検出信号を生成し、各画素の第2焦点検出画素202の受光信号を集めて第2焦点検出信号を生成して焦点検出を行う。また、撮像素子107の各画素毎に、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
●デフォーカス量と像ずれ量の関係
以下、本実施形態の撮像素子107により取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と、像ずれ量との関係について説明する。図6は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図である。撮像面800に本実施形態の撮像素子107が配置され、図4、図5を参照して説明したように、結像光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dは、被写体の結像位置から撮像面までの距離を大きさ|d|とし、被写体の結像位置が撮像面より被写体側にある前ピン状態を負符号(d<0)、被写体の結像位置が撮像面より被写体の反対側にある後ピン状態を正符号(d>0)として定義される。被写体の結像位置が撮像面(合焦位置)にある合焦状態はd=0である。図6で、被写体801は合焦状態(d=0)の例を示しており、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)とする。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、一度、集光した後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、撮像素子107に配列された各画素を構成する第1焦点検出画素201(第2焦点検出画素202)により受光され、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)が生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴い、概ね、比例して増加していく。後ピン状態(d>0)でも、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となるが、同様である。
このように、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。
●焦点検出
本実施形態では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係性を用いて、位相差方式の第1焦点検出と、リフォーカス原理に基づいた方式(以下、「リフォーカス方式」と呼ぶ。)の第2焦点検出を行う。また、結像光学系の状態に合わせた焦点検出補正値を用いた補正も行う。主に、大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節するために、焦点検出補正値による補正を行った第1焦点検出の結果を用い、小デフォーカス状態から最良合焦位置近傍まで焦点調節するために第2焦点検出を行う。詳細は、後述する。
[焦点検出領域]
まず、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を取得する撮像素子107上の領域である焦点検出領域について説明する。図7は、撮像素子107の有効画素領域1000における焦点検出領域と、焦点検出時に表示器131に表示される焦点検出領域を示す指標を重ねて示したものである。本実施形態では、焦点検出領域は行方向に3つ、列方向に3つの、計9個設定している。行方向にn番目、列方向にm番目の焦点検出領域をA(n,m)と表し、この領域内の第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の信号を用いて、後述する第1焦点検出及び第2焦点検出を行う。また、同様に行方向にn番目、列方向にm番目の焦点検出領域の指標をI(n,m)と表す。
なお、本実施形態では、行方向に3つ、列方向に3つの焦点検出領域を設定した例を示している。しかしながら、上述した撮像素子107のように有効画素領域1000のどの画素からも第1焦点検出信号及び第2焦点検出信号が得られる撮像素子においては、焦点検出領域の数、位置、サイズを適宜設定してもよい。例えば、撮影者の指定した領域を中心に、所定の範囲を焦点検出領域として設定してもよい。
[位相差方式の第1焦点検出]
以下、本第1の実施形態における位相差方式の第1焦点検出について説明する。位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量(第1評価値)を計算し、相関(信号の一致度)が良くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量の大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する関係性から、像ずれ量を第1検出デフォーカス量に変換して焦点検出を行う。
図8に、第1の実施形態における第1焦点検出の処理の流れの概略図を示す。なお、図8の処理は、第1の実施形態における焦点検出信号生成手段、第1焦点検出手段である撮像素子107、画像処理回路125とCPU121によって実行される。
S110で、撮像素子107の有効画素領域1000に焦点検出領域を設定する。焦点検出信号生成手段により、焦点検出領域内の第1焦点検出画素201の受光信号から第1焦点検出信号を生成し、焦点検出領域内の第2焦点検出画素202の受光信号から第2焦点検出信号を生成する。
S120で、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に対して、それぞれ、信号データ量を抑制するために列方向に3画素加算処理を行い、さらに、RGB信号を輝度Y信号にするためにベイヤー(RGB)加算処理を行う。これら2つの加算処理を合わせて第1画素加算処理とする。
S130では、第1画素加算処理した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。以下、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の瞳ずれによるシェーディングについて説明する。図9に、撮像素子107の周辺像高における第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502、および結像光学系の射出瞳400の関係を示す。
図9(a)は、結像光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子107の設定瞳距離Dsが同じ場合である。この場合は、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、結像光学系の射出瞳400が、概ね、均等に瞳分割される。
これに対して、図9(b)に示した結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子107の設定瞳距離Dsより短い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳と撮像素子107の入射瞳の瞳ずれを生じる。そのため、結像光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。同様に、図9(c)に示した結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより長い場合、撮像素子107の周辺像高では、結像光学系の射出瞳と撮像素子107の入射瞳の瞳ずれを生じ、結像光学系の射出瞳400が、不均一に瞳分割されてしまう。周辺像高で瞳分割が不均一になるのに伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の強度も不均一になり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のいずれか一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなるシェーディングが生じる。
そこで、S130では、まず、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)のF値と、射出瞳距離に応じて、第1焦点検出信号の第1シェーディング補正係数と、第2焦点検出信号の第2シェーディング補正係数をそれぞれ生成する。そして、第1シェーディング補正係数を第1焦点検出信号に乗算し、第2シェーディング補正係数を第2焦点検出信号に乗算して、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。
位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関(信号の一致度)を基に、第1検出デフォーカス量の検出を行う。瞳ずれによるシェーディングが生じると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関が低下する場合がある。よって、位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関を改善し、焦点検出性能を良好とするために、シェーディング補正処理を行うことが望ましい。
S140では、シェーディング補正処理した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、第1フィルター処理を行う。第1の実施形態の第1フィルター処理の通過帯域例を、図10の実線901で示す。第1の実施形態では、位相差方式の第1焦点検出により、大デフォーカス状態での焦点検出を行うため、第1フィルター処理の通過帯域は低周波帯域を含むように構成される。必要に応じて、大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節を行う際に、デフォーカス状態に応じて、第1焦点検出時の第1フィルター処理の通過帯域を、図10の1点鎖線のように、より高周波帯域に調整しても良い。
次に、S150では、第1フィルター処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせる第1シフト処理を行い、信号の一致度を表す相関量(第1評価値)を算出する。
第1フィルター処理後のk番目の第1焦点検出信号をA(k)、第2焦点検出信号をB(k)、焦点検出領域に対応する番号kの範囲をWとする。さらに、第1シフト処理によるシフト量をs1、シフト量s1のシフト範囲をΓ1とすると、相関量(第1評価値)CORは、式(1)により算出される。
シフト量s1の第1シフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(k)とk−s1番目の第2焦点検出信号B(k−s1)を対応させ減算し、シフト減算信号を生成する。生成されたシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域に対応する範囲W内で番号kの和を取り、相関量(第1評価値)COR(s1)を算出する。必要に応じて、各行毎に算出された相関量(第1評価値)を、各シフト量毎に、複数行に渡って加算しても良い。
S160では、相関量(第1評価値)から、サブピクセル演算により、相関量が最小値となる実数値のシフト量を算出して像ずれ量p1とする。そして、算出した像ずれ量p1に、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)のF値、射出瞳距離に応じた第1変換係数K1をかけて、第1検出デフォーカス量(Def1)を検出する。
このように、本実施形態における位相差方式の第1焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、第1フィルター処理と第1シフト処理を行い、相関量を算出し、相関量から第1検出デフォーカス量を検出する。
本実施形態の撮像素子107では、第1焦点検出画素及び第2焦点検出画素が受光する光束と、撮像画素が受光する光束が異なり、結像光学系の各収差(球面収差、非点収差、コマ収差など)の焦点検出画素への影響と撮像信号への影響とが異なる。結像光学系の絞り値が小さく、開口が大きい(被写体が暗い)と差異がより大きくなる。そのため、結像光学系の絞り値が小さく、開口が大きい時に、位相差方式の第1焦点検出により算出される検出合焦位置(第1検出デフォーカス量が0となる位置)と、例えば、撮像信号のMTFピーク位置等の最良合焦位置との間に差が生じる場合がある。特に、結像光学系の絞り値が所定絞り値以下の場合に、位相差方式の第1焦点検出の焦点検出精度が低下する場合がある。
図11は、第3レンズ群105が最良合焦位置にある場合の、第1の実施形態の撮像素子107の周辺像高における第1焦点検出信号(破線)と第2焦点検出信号(実線)の例を示す。ここでは、最良合焦位置にあるが、結像光学系の各収差の影響により、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の信号形状が異なる例を示している。図12は、同じく第3レンズ群105が最良合焦位置にある場合の、シェーディング補正処理および第1フィルター処理後の周辺像高における第1焦点検出信号(破線)と第2焦点検出信号(実線)を示す。第3レンズ群105が最良合焦位置にあるが、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量p1が0ではない。このように、位相差方式の第1焦点検出により算出される検出合焦位置と、撮像信号の最良合焦位置との間には差が生じる。
図13は、第1の実施形態における位相差方式の第1焦点検出により得られた第1検出デフォーカス量(破線)の例を示す。横軸は、最良合焦位置をデフォーカス量0[mm]とした設定デフォーカス量であり、縦軸は位相差方式の第1焦点検出により得られた検出デフォーカス量である。なお、図11に示した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号は、図13の設定デフォーカス量0[mm]における第1焦点検出信号と第2焦点検出信号である。設定デフォーカス量0[mm]である最良合焦位置において、第1検出デフォーカス量が後ピン側に約50umオフセットしていることから、最良合焦位置と第1焦点検出により算出される検出合焦位置との間に約50umの差異が生じていることが分かる。
本実施形態では、焦点検出信号から算出される検出合焦位置と、撮像信号から求めることのできる最良合焦位置との差を抑制し、高精度な焦点検出を実現する。そのために、位相差方式の第1焦点検出に加えて、結像光学系の状態に合わせた焦点検出補正値を用いた補正と、結像光学系の最良合焦位置近傍で高精度な焦点検出が可能なリフォーカス方式の第2焦点検出を、焦点検出時の状況に応じて組み合わせて行う。
[リフォーカス方式の第2焦点検出]
以下、第1の実施形態におけるリフォーカス方式の第2焦点検出について説明する。
第1の実施形態のリフォーカス方式の第2焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトして加算し、シフト加算信号(リフォーカス信号)を生成する。そして生成されたシフト加算信号(リフォーカス信号)のコントラスト評価値を算出し、コントラスト評価値から撮像信号のMTFピーク位置を推定し、第2検出デフォーカス量を検出する。
第1の実施形態の撮像素子107により取得された第1焦点検出信号と第2焦点検出信号による1次元方向(列方向、水平方向)のリフォーカス処理の概略説明図を図14を参照して説明する。図14の撮像面800は、図5及び図6に示した撮像面800に対応している。図14では、iを整数として、撮像面800に配置された撮像素子107の列方向i番目の画素の第1焦点検出信号をAi、第2焦点検出信号をBiとして模式的に表している。第1焦点検出信号Aiは、瞳部分領域501を透過し、主光線角度θaでi番目の画素に入射した光束の受光信号を示す。同様に、第2焦点検出信号Biは、瞳部分領域502を透過し、主光線角度θbでi番目の画素に入射した光束の受光信号を示す。
第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biは、光強度分布情報だけでなく、入射角度情報も有している。よって、第1焦点検出信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面810まで平行移動させ、第2焦点検出信号Biを角度θbに沿って仮想結像面810まで平行移動させ、加算することで、仮想結像面810でのリフォーカス信号を生成できる。第1焦点検出信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面810まで平行移動させることは、列方向に+0.5画素シフトすることに対応する。また、第2焦点検出信号Biを角度θbに沿って仮想結像面810まで平行移動させることは、列方向に−0.5画素シフトすることに対応する。従って、第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biを相対的に+1画素シフトさせ、AiとBi+1を対応させて加算することで、仮想結像面810でのリフォーカス信号を生成できる。同様に、第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biを整数画素分シフトさせて加算することで、整数シフト量に応じた各仮想結像面でのシフト加算信号(リフォーカス信号)を生成できる。
生成されたシフト加算信号(リフォーカス信号)のコントラスト評価値を算出し、算出されたコントラスト評価値から撮像信号のMTFピーク位置を推定することで、リフォーカス方式の第2焦点検出を行う。
図15に、第1の実施形態における第2焦点検出の処理の流れの概略図を示す。なお、図15の処理は、第1の実施形態における焦点検出信号生成手段、第2焦点検出手段である撮像素子107、画像処理回路125とCPU121によって実行される。
S210で、撮像素子107の有効画素領域1000に焦点検出領域を設定する。焦点検出信号生成手段により、焦点検出領域内の第1焦点検出画素201の受光信号から第1焦点検出信号を生成し、焦点検出領域内の第2焦点検出画素202の受光信号から第2焦点検出信号を生成する。
S220で、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に対して、それぞれ、信号データ量を抑制するために列方向に3画素加算処理を行い、さらに、RGB信号を輝度Y信号にするためにベイヤー(RGB)加算処理を行う。これら2つの加算処理を合わせて第2画素加算処理とする。必要に応じて、3画素加算処理とベイヤー(RGB)加算処理のいずれか、または、これら両方の加算処理を省略しても良い。
S230では、第2画素加算処理した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、第2フィルター処理を行う。第1の実施形態の第2フィルター処理の通過帯域例を、図10の破線903及び点線904で示す。第1の実施形態では、リフォーカス方式の第2焦点検出により、小デフォーカス状態から最良合焦位置近傍まで焦点検出を行う。従って、第2フィルター処理の通過帯域は、第1フィルター処理の通過帯域よりも、高周波帯域を含むように構成される。必要に応じて、第2フィルター処理に被写体信号のエッジ抽出を行うラプラシアン型(2階微分型)[1、−2、1]フィルターを用いて、図10の点線904で示すように第2フィルター処理の通過帯域をより高周波帯域に調整しても良い。被写体の高周波成分を抽出して第2焦点検出を行うことにより、焦点検出精度をより向上することができる。
S240では、第2フィルター処理後の第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的に瞳分割方向にシフトさせる第2シフト処理を行い、加算してシフト加算信号(リフォーカス信号)を生成する。S240では、さらに、生成されたシフト加算信号からコントラスト評価値(第2評価値)を算出する。
第1フィルター処理後のk番目の第1焦点検出信号をA(k)、第2焦点検出信号をB(k)、焦点検出領域に対応する番号kの範囲をWとする。第2シフト処理によるシフト量をs2、シフト量s2のシフト範囲をΓ2として、コントラスト評価値(第2評価値)RFCONは、式(2)により算出される。
シフト量s2の第2シフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(k)とk−s2番目の第2焦点検出信号B(k−s2)を対応させて加算し、シフト加算信号を生成する。そして、シフト加算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域Wの範囲での最大値を取り、コントラスト評価値(第2評価値)RFCON(s2)を算出する。必要に応じて、各行毎に算出されたコントラスト評価値(第2評価値)を、各シフト量毎に、複数行に亘って加算しても良い。
S250では、コントラスト評価値(第2評価値)から、サブピクセル演算により、コントラスト評価値が最大値となる実数値のシフト量を算出してピークシフト量p2とする。ピークシフト量p2に、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)のF値、射出瞳距離に応じた第2変換係数K2をかけて、第2検出デフォーカス量(Def2)を検出する。必要に応じて、第1変換係数K1と第2変換係数K2を同一の値としても良い。
このように、本実施形態におけるリフォーカス方式の第2焦点検出では、第1焦点検出信号と前記第2焦点検出信号に、第2フィルター処理と第2シフト処理を行い、加算してシフト加算信号を生成し、シフト加算信号からコントラスト評価値を算出する。更に、コントラスト評価値から第2検出デフォーカス量を検出する。
第1の実施形態の撮像素子107では、図4、図5に示したように、第1焦点検出画素201が受光する光束と第2焦点検出画素202が受光する光束を加算したものが、撮像画素が受光する光束となる。リフォーカス方式の第2焦点検出では、位相差方式の第1焦点検出とは異なり、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシフト加算信号(リフォーカス信号)により焦点検出を行う。よって、第2焦点検出で用いられるシフト加算信号に対応する光束と、撮像信号に対応する光束が概ね一致するため、結像光学系の各収差(球面収差、非点収差、コマ収差など)のシフト加算信号への影響と撮像信号への影響も、概ね同じである。従って、リフォーカス方式の第2焦点検出により算出される検出合焦位置(第2検出デフォーカス量が0となる位置)と撮像信号の最良合焦位置(撮像信号のMTFピーク位置)が、概ね一致するため、位相差方式の第1焦点検出より高精度に焦点検出できる。
図11に示した第1の実施形態の撮像素子の周辺像高での撮像信号の最良合焦位置における第1焦点検出信号(破線)と第2焦点検出信号(実線)の例に、第2フィルター処理を施した後の第1焦点検出信号(破線)と第2焦点検出信号(実線)を図16に示す。また、第2フィルター処理後の第1焦点検出信号(破線)と第2焦点検出信号(実線)を、それぞれ、相対的に−2、−1、0、1、2シフトさせてシフト加算したシフト加算信号(リフォーカス信号)の例を図17に示す。シフト量の変化に伴い、シフト加算信号のピーク値が変化することが分かる。各シフト加算信号から算出されたコントラスト評価値(第2評価値)の例を図18に示す。
図13に、第1の実施形態におけるリフォーカス方式の第2焦点検出により得られた第2検出デフォーカス量(実線)の例を示す。横軸は、最良合焦位置をデフォーカス量0[mm]とした設定デフォーカス量であり、縦軸はリフォーカス方式の第2焦点検出により得られた検出デフォーカス量である。設定デフォーカス量0[mm]である最良合焦位置において、第2検出デフォーカス量は、第1焦点検出による第1検出デフォーカス量よりも小さく抑制され、高精度に焦点検出できることが分かる。
このように、本実施形態では、結像光学系の設定デフォーカス量0[mm]である最良合焦位置近傍において、リフォーカス方式の第2焦点検出の方が、位相差方式の第1焦点検出より、高精度に焦点検出できる。
[リフォーカス可能範囲]
一方、リフォーカス可能範囲には限界があるため、リフォーカス方式の第2焦点検出が高精度で焦点検出できるデフォーカス量の範囲は限定される。
第1の実施形態におけるリフォーカス可能範囲の概略説明図を図19に示す。許容錯乱円をδとし、結像光学系の絞り値をFとすると、絞り値Fでの被写界深度は±Fδである。これに対して、NH×NV(2×1)分割されて狭くなった瞳部分領域501(または502)の水平方向の実効絞り値F01(またはF02)は、F01=NHFと暗くなる。第1焦点検出信号(または第2焦点検出信号)毎の実効的な被写界深度は±NHFδとNH倍深くなり、合焦範囲がNH倍に広がる。実効的な被写界深度±NHFδの範囲内では、第1焦点検出信号(または第2焦点検出信号)毎に合焦した被写体像が取得されている。よって、図14に示した主光線角度θa(またはθb)に沿って第1焦点検出信号(または第2焦点検出信号)を平行移動するリフォーカス処理により、撮影後に、合焦位置を再調整(リフォーカス)することができる。よって、撮影後に合焦位置を再調整(リフォーカス)できる撮像面からのデフォーカス量dは限定されており、デフォーカス量dのリフォーカス可能範囲は、概ね、式(3)の範囲である。
許容錯乱円δは、δ=2ΔX(画素周期ΔXのナイキスト周波数1/(2ΔX)の逆数)などで規定される。必要に応じて、第2画素加算処理後の第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)の周期ΔX
AF(=6ΔX:6画素加算の場合)のナイキスト周波数1/(2ΔXAF)の逆数を許容錯乱円δ=2ΔX
AFとしても用いても良い。
リフォーカス方式の第2焦点検出が高精度で焦点検出できるデフォーカス量の範囲は、概ね式(3)の範囲に限定され、第2焦点検出により高精度に焦点検出が可能なデフォーカス範囲は、位相差方式の第1焦点検出可能なデフォーカス範囲以下の範囲である。図6に示したように、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号との水平方向の相対的なシフト量とデフォーカス量は、概ね比例する。従って、第1の実施形態では、リフォーカス方式の第2焦点検出の第2シフト処理のシフト範囲が、位相差方式の第1焦点検出の第1シフト処理のシフト範囲以下となるように構成される。
第1の実施形態における焦点検出では、結像光学系の大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節するために第1焦点検出を行い、結像光学系の小デフォーカス状態から最良合焦位置近傍まで焦点調節するために第2焦点検出を行う。従って、第2焦点検出の第2フィルター処理の通過帯域が、第1焦点検出の第1フィルター処理の通過帯域より高周波帯域を含むことが望ましい。また、第2焦点検出の第2画素加算処理の画素加算数が、第1焦点検出の第1画素加算処理の画素加算数以下であることが望ましい。
上述したように、結像光学系の絞り値が所定絞り値以下の場合に、位相差方式の第1焦点検出の焦点検出精度が低下する場合がある。従って、必要に応じて、結像光学系の絞り値が所定絞り値以下の場合に、位相差方式の第1焦点検出に加えて、リフォーカス方式の第2焦点検出により第2検出デフォーカス量を検出し、高精度な焦点検出を行うことが望ましい。
第1の実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されているため、撮像信号の水平方向のMTFピーク位置を検出することができる。必要に応じて、撮像信号の水平方向のMTFピーク位置と撮像信号のMTFピーク位置(撮像信号の水平垂直方向のMTFピーク位置の平均)との差分を補正値として保持し、第2検出デフォーカス量を補正しても良い。
上述の通り、第2検出デフォーカス量は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を用いて検出されるため、検出デフォーカス量は被写体の状況や結像光学系の製造誤差などの影響を受けにくい。一方で、第2検出デフォーカス量を検出できる範囲に制限が有ったり、コントラストが低い、照度が低いなど被写体の状況によって検出不能になる場合があったりする。このような第2検出デフォーカス量が検出できない場合にも、高精度な焦点調節を行うため、本実施形態では、焦点検出補正値を用いて第1検出デフォーカス量の補正を行う。
[焦点検出補正値]
以下、第1の実施形態における位相差方式の第1焦点検出に対して行う焦点検出補正値による補正について説明する。
上述の通り、焦点検出信号から算出される第1検出デフォーカス量で示される検出合焦位置と撮像信号の最良合焦位置との間には、差が生じる。第1の実施形態では、その差を抑制するための方法として、上述の第2焦点検出以外に、焦点検出補正値による補正を行うことも可能に構成されている。
図20は、CPU121に格納されている第1焦点検出で算出される第1検出デフォーカス量の補正値の例を示している。図20は、図7の焦点検出領域A(2,2)に対応した焦点検出補正値を示している。同様に、他の8個の焦点検出領域についても焦点検出補正値を記憶している。但し、結像光学系の光軸に対して対称な焦点検出領域については、設計上の焦点検出補正値は等しくなる。従って、9つの焦点検出領域に対して、4つの焦点検出補正値のテーブルを記憶していればよい。
図20において、結像光学系のズーム位置とフォーカス位置を8つのゾーンに分割し、その分割ゾーンごとに焦点検出補正値BP111~BP188を備える構成としている。従って、結像光学系の第3レンズ群105、第1レンズ群101の位置に応じて高精度な焦点検出補正値を得られる構成となっている。
本第1の実施形態では、焦点検出補正値を図20のように焦点検出領域ごとにテーブルデータを記憶するようにしたが、焦点検出補正値の記憶方法については、これに限らない。例えば、撮像素子と結像光学系の光軸の交点を原点とし撮像装置の水平方向、垂直方向をX軸、Y軸とした座標を設定し、焦点検出領域の中心座標における補正値をXとYの関数で求めてもよい。この場合、焦点検出補正値として記憶するべき情報量を削減することができる。
●焦点検出処理の流れ
次に、第1の実施形態における焦点検出処理の流れについて、図21のフローチャートを参照して説明する。第1の実施形態では、結像光学系のデフォーカス量の絶対値が閾値Th1以下になるまで位相差方式の第1焦点検出を行った後、第1検出デフォーカス量に対して焦点検出補正値による補正を行ってレンズ駆動する。これにより、結像光学系の大デフォーカス状態から小デフォーカス状態まで焦点調節を行う。その後、結像光学系のデフォーカス量の絶対値が閾値Th2(<閾値Th1)以下になるまでリフォーカス方式の第2焦点検出を行ってレンズ駆動し、結像光学系の小デフォーカス状態から最良合焦位置近傍まで焦点調節を行う。
S100で、位相差方式による第1焦点検出により第1検出デフォーカス量(Def1)を検出する。その後、S101で、第1検出デフォーカス量に対して補正を行い、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)を算出する。ここで行う補正は、上述の通り、結像光学系の状態に応じて、記憶されている補正値を用いて行う。補正後第1デフォーカス量(Def1´)の大きさ|Def1´|が閾値Th1より大きい場合は(S102でNO)、S103で、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)に応じてレンズ駆動を行い、S100に戻る。補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)の大きさ|Def1´|が閾値Th1以下の場合は(S102でYES)、S200に進む。
S200で、リフォーカス方式による第2焦点検出により第2検出デフォーカス量(Def2)を検出する。検出された第2デフォーカス量(Def2)の大きさ|Def2|が閾値Th2(<閾値Th1)より大きい場合は(S201でNO)、S202で、第2デフォーカス量(Def2)に応じてレンズ駆動を行い、S200に戻る。検出された第2デフォーカス量(Def2)の大きさ|Def2|が閾値Th2以下の場合は(S201でYES)、焦点調節動作を終了する。
第1の実施形態では、第1焦点検出で検出された第1検出デフォーカス量に対して、結像光学系の状態に応じて記憶された補正値を用いた補正を行い、その補正値を用いて合焦近傍までレンズ駆動を行う。これにより、被写体のコントラストが低い、照度が低いなどの理由で第2焦点検出が行えない場合でも、高精度な焦点調節を行うことができる。
また、補正された第1検出デフォーカス量を用いて、合焦近傍までレンズ駆動を行うため、補正を行わない場合と比べて、第2焦点検出を、より合焦近傍で行うことができる。これにより、第2焦点検出で焦点検出可能なデフォーカス範囲をより広く確保することができる。
第1の実施形態では、補正後の第1検出デフォーカス量に基づきレンズ駆動を行った後、第2焦点検出を行うため、高精度な焦点検出が可能となる。但し、2つの焦点検出処理を連続的に行うため、結像光学系の光軸方向に動く被写体に対して焦点検出し続けるコンティニュアスAF時には、焦点検出の時間間隔が長くなり、検出精度の悪化につながることがある。このようなコンティニュアスAF時やコンティニュアスAFと連続撮影を繰り返し行う場合には、第2焦点検出を省略してもよい。本発明では、第1検出デフォーカス量に対して焦点検出補正値による補正を行った結果で、コンティニュアスAFを行うことができるため、高精度な焦点調節状態を維持することができる。
第1の実施形態では、閾値Th2よりも閾値Th1の方が大きい値としたのは、第2焦点検出によって、より高精度に焦点検出を行うためである。第1焦点検出では、第2焦点検出が可能なデフォーカス範囲まで焦点調節を行えばよいので、閾値Th2に対して閾値Th1は大きくて良い。これにより、より高速に第1焦点検出から第2焦点検出に移行することができる。但し、第2焦点検出を省略する場合には、閾値Th1を小さくし閾値Th2と等しい値に設定してもよい。補正後の第1検出デフォーカス量に基づき焦点検出処理を終える場合にも、高精度な焦点調節を実現可能とするためである。
以上の構成により、焦点検出信号から算出される検出合焦位置と撮像信号の最良合焦位置との間の差を抑制し、高精度な焦点検出が可能となる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図22は、第2の実施形態における焦点検出処理の流れを示すフローチャートである。第2の実施形態では、第2焦点検出を行うか否かを条件により切替え、第2焦点検出処理を行わない場合には、高速に焦点検出を行う場合について説明する。それ以外の処理及び撮像装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図22のS100で、位相差方式による第1焦点検出により第1検出デフォーカス量(Def1)を検出する。その後、S101で、第1検出デフォーカス量に対して補正を行い、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)を算出する。ここで行う補正は、上述の通り、結像光学系の状態に応じて記憶されている補正値を用いて行う。補正後第1デフォーカス量(Def1´)の大きさ|Def1´|が閾値Th1より大きい場合は(S102でNO)、S103で、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)に応じてレンズ駆動を行い、S100に戻る。
補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)の大きさ|Def1´|が閾値Th1以下の場合は(S102でYES)、焦点検出領域の像高が、閾値Th3(第1の閾値)よりも小さいか否かを判定し、小さい場合には(S110でYES)、焦点調節動作を終了する。焦点検出領域の像高は、図7で例示した9つの焦点検出領域の中心と有効画素領域1000(撮影範囲)の中心との距離で算出される。一般に、焦点検出領域の像高が0に近いほど、結像光学系の各収差の個体ばらつきは小さい。そのため、第2焦点検出を行わなくても、焦点検出補正値による補正により、十分に高精度な焦点検出を行うことができる。そこで、第2の実施形態では、焦点検出領域の像高が閾値Th3より小さい場合には、第2焦点検出を行わないことにより、高速に焦点検出を行うことができる。
一方、焦点検出領域の像高が、閾値Th3以上の場合には(S110でNO)、S111において被写体距離が閾値Th4(第2の閾値)より遠いか近いかを判定する。被写体距離が閾値Th4より遠い場合には(S111でYES)、焦点調節動作を終了する。被写体距離は、結像光学系の第3レンズ群105の位置と対応付けてCPU121で記憶しておくことにより、第3レンズ群105の位置と第1検出デフォーカス量により、被写体距離を算出することができる。一般に、被写体距離は遠いほど、結像光学系の各収差の量は小さく、個体ばらつきも小さい。そのため、第2焦点検出を行わなくても、焦点検出補正値による補正により、十分に高精度な焦点検出を行うことができる。第2の実施形態では、被写体距離が閾値Th4より遠い場合には、第2焦点検出を行わないことにより、高速に焦点検出を行うことができる。
被写体距離が、閾値Th4以下の場合には(S111でNO)、第1の実施形態と同様にS200に進む。S200以降の処理は、第1の実施形態で図21を参照して説明した処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本第2の実施形態では、結像光学系の各収差の個体ばらつきが、小さいと見込まれる場合には、焦点検出補正値による補正で十分に高精度な焦点検出が行えるため、第2焦点検出を省略することにより、高速に焦点検出を行うことができる。なお、本第2の実施形態では、結像光学系の各収差の個体ばらつきの大きさの見込みを、焦点検出領域の像高と被写体距離の両方を用いて判定したが、いずれか一方を用いて判定してもよい。
また、結像光学系の各収差の個体ばらつきの大きさの判定方法としても、上記の方法に限らない。例えば、結像光学系のFナンバーによって第2焦点検出を行うか否かを判定することが考えられる。Fナンバーが小さい場合には、結像光学系の各収差の量が大きいため、個体ばらつきも大きい。そのため、Fナンバーが所定の値より大きい場合には、第2焦点検出を省略することが考えられる。
また、その他の方法として、焦点検出補正値として記憶されている補正値が、結像光学系の個体ばらつき(個体差)を含む値であるか否かに応じて、第2焦点検出を行うか否かを判定することが考えられる。撮像装置の製造時に、焦点検出補正値を個体毎に測定して記憶する場合には、焦点検出補正値は個体ばらつきを含むため、第2焦点検出を省略することが考えられる。特に、結像光学系を交換可能な交換レンズ式の撮像装置で、交換レンズによって焦点検出補正値が結像光学系の個体ばらつきを含むものと含まないものがある場合には、撮像装置に装着される交換レンズによって、第2焦点検出を行うか否かを切り替えればよい。
また、その他の方法として、結像光学系のもつ非点収差に対応して、焦点検出補正値を結像光学系の光軸に対して放射線方向の補正値と同心円方向の補正値を独立して記憶することが考えられる。この場合には、図20で例示した焦点検出補正値を、中央の焦点検出領域A(2,2)以外の焦点検出領域に対しては、結像光学系の光軸に対して放射線方向と同心円方向の2種類を記憶する。第2の実施形態の構成では、第1焦点検出、第2焦点検出は、水平方向の1方向に関して、焦点検出を行う。そのため、放射線方向と同心円方向の焦点検出補正値に差が大きい場合には、水平方向以外にコントラストがある被写体に対して第2焦点検出を行っても、高精度な焦点検出が行えない。そのため、放射線方向と同心円方向の焦点検出補正値に差が大きい場合には、第2焦点検出を省略することが考えられる。
本第2の実施形態では、閾値Th2よりも閾値Th1の方が大きい値としたのは、第2焦点検出によって、より高精度に焦点検出を行うためである。第1焦点検出では、第2焦点検出が可能なデフォーカス範囲まで焦点調節を行えばよいので、閾値Th2に対して閾値Th1は大きくて良い。これにより、より高速に第1焦点検出から第2焦点検出に移行することができる。但し、第2焦点検出を省略する場合には、閾値Th1を小さくし閾値Th2と等しい値に設定してもよい。補正後の第1検出デフォーカス量に基づき焦点検出処理を終える場合にも、高精度な焦点調節を実現可能とするためである。
上記の通り第2の実施形態によれば、焦点検出信号から算出される検出合焦位置と撮像信号の最良合焦位置との間の差を抑制し、高精度な焦点検出が可能となる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態では、第1検出デフォーカス量を補正する焦点検出補正値を、第1焦点検出で行うシフト処理の方向である水平方向と、結像光学系の放射線方向とが成す角度によって変更する。これにより、より高精度な焦点検出補正値を算出することができる。それ以外の処理及び撮像装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
第3の実施形態では、焦点検出補正値を、結像光学系の光軸に対して放射線方向の補正値と同心円方向の補正値を独立して記憶する。この場合には、第1の実施形態の図20で例示した焦点検出補正値を、中央の焦点検出領域A(2,2)以外の焦点検出領域に対しては、放射線方向と同心円方向の2種類を記憶する。
結像光学系のある状態における放射線方向の補正値をBPm、同心円方向の補正値をBPsとし、焦点検出領域の中心と有効画素領域1000の中心を結ぶ直線と水平方向のなす角度をθとすると、用いる焦点検出補正値BPは、下記の式(4)で算出される。
BP = BPm × cosθ + BPs × (1 - cosθ) …(4)
式(4)で算出される焦点検出補正値を用いて、第1検出デフォーカス量を補正する。これにより、より高精度に合焦近傍までレンズ駆動を行うことができるため、被写体のコントラストが低い、照度が低いなどの条件などで第2焦点検出が行えない場合でも、高精度な焦点調節を行うことができる。
また、より高精度な補正を行うため、第2焦点検出をより合焦近傍で行うことができる。これにより、第2焦点検出で焦点検出可能なデフォーカス範囲をより広く確保することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図23は、第4の実施形態における焦点検出処理の流れを示すフローチャートである。第4の実施形態では、位相差方式の第1焦点検出による第1検出デフォーカス量の検出と、リフォーカス方式の第2焦点検出による第2検出デフォーカス量の検出とを並列処理し、高速に焦点検出を行う例について説明する。なお、第2の実施形態において図22を参照して説明した処理と同様の処理には同じステップ番号を付している。それ以外の処理及び撮像装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図23のS100で、位相差方式による第1焦点検出により第1検出デフォーカス量(Def1)を検出し、S101で、第1検出デフォーカス量に対して補正を行い、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)を算出する。また、並列的に、S200で、リフォーカス方式による第2焦点検出により第2検出デフォーカス量(Def2)を検出する。
次に、S300において、第2シフト処理のシフト範囲内で第2検出デフォーカス量(Def2)が検出されている場合は、S301に進んで、第2検出デフォーカス量(Def2)を第3検出デフォーカス量(Def3)とする。検出されなかった場合は、S302に進んで、補正後第1検出デフォーカス量(Def1´)を第3検出デフォーカス量(Def3)とする。次のS303において、第3デフォーカス量(Def3)の大きさ|Def3|が閾値Th2より大きい場合は、S304で、第3デフォーカス量(Def3)に応じてレンズ駆動を行い、S100とS200に戻る。第3デフォーカス量(Def3)の大きさ|Def3|が閾値Th2以下の場合は、焦点調節動作を終了する。
上記の通り第4の実施形態によれば、焦点検出信号から算出される検出合焦位置と撮像信号の最良合焦位置との間の差を抑制し、高精度な焦点検出が可能となる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本第5の実施形態では、撮像素子107の幅画素の構成が図2に示すものと異なる。それ以外の処理及び撮像装置の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので、説明を省略する。
図24は、第5の実施形態における撮像素子107(2次元CMOSセンサー)の画素(撮像画素)配列を4列×4行の範囲で、副画素配列を8列×8行の範囲で示したものである。なお、図2に示す構成では、各画素が2列×1行の副画素に分割されているのに対し、図24に示す構成では、各画素が2列×2行の副画素241から副画素244により構成されているところが異なる。
図24に示した4列×4行の画素(8列×8行の副画素)を面上に多数配置し、撮像画像(副画素信号)の取得を可能としている。第5の実施形態では、画素の周期Pが4μm、画素数Nが横5575列×縦3725行=約2075万画素、副画素の周期PSUBが2μm、副画素数NSUBが横11150列×縦7450行=約8300万画素の撮像素子として説明を行う。
図24に示した撮像素子107の1つの画素200Gを、撮像素子107の受光面側(+z側)から見た平面図を図25(a)に示し、図25(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図25(b)に示す。図25に示すように、第5の実施形態の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(2分割)された光電変換部301から光電変換部304が形成される。光電変換部301から光電変換部304が、それぞれ、副画素241から副画素204に対応する。
第5の実施形態では、撮像素子107の各画素毎に、副画素241から副画素204の信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
また、第5の実施形態では、各画素毎に、副画素241と副画素243の信号を加算して第1焦点検出信号を生成し、副画素242と副画素204の信号を加算して第2焦点検出信号を生成することができる。これらの加算処理により、水平方向の瞳分割に対応した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を取得でき、位相差方式の第1焦点検出とリフォーカス方式の第2焦点検出を行うことができる。即ち、この場合、副画素241と副画素243とが第1焦点検出画素に対応し、副画素242と副画素244とが第2焦点検出画素に対応することになる。
同様に、第5の実施形態では、各画素毎に、副画素241と副画素242の信号を加算して第1焦点検出信号を生成し、副画素243と副画素244の信号を加算して第2焦点検出信号を生成することができる。これらの加算処理により、垂直方向の瞳分割に対応した第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を取得でき、位相差方式の第1焦点検出とリフォーカス方式の第2焦点検出を行うことができる。即ち、この場合、副画素241と副画素242とが第1焦点検出画素に対応し、副画素243と副画素244とが第2焦点検出画素に対応することになる。
上記の通り本第5の実施形態によれば、被写体が、水平方向及び垂直方向のいずれに高周波数成分を有する場合であっても、焦点検出信号から算出される検出合焦位置と撮像信号の最良合焦位置との間の差を抑制し、高精度な焦点検出が可能となる。
なお、第5の実施形態における撮像素子107を、第1〜第4の実施形態の撮像素子107として用いることが可能であることは言うまでもない。