JP6286966B2 - 蛍光標識用樹脂粒子およびその製造方法、並びに、これを含む免疫染色用蛍光標識剤 - Google Patents

蛍光標識用樹脂粒子およびその製造方法、並びに、これを含む免疫染色用蛍光標識剤 Download PDF

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Description

本発明は、免疫染色の際に励起光を長い時間照射しても蛍光色素が退色しにくい蛍光標識用樹脂粒子およびこれを含む免疫染色用蛍光標識剤に関する。
医学的診断の1つとして、病理診断が行なわれている。病理医は人体から採取した組織片から病気を診断し、治療や手術の要不要を臨床医に伝える。患者の状態と病理診断によって、内科系医師は薬物治療方針を、外科系医師は手術を行うか否かを決定する。
病理診断では、臓器摘出や針生検によって得た組織検体を厚さ数ミクロン程度に薄切して組織標本を作成し、様々な所見を得るために光学顕微鏡を用いて拡大観察することが広く行われている。多くの場合、標本は、採取した組織を固定するため脱水し、パラフィンブロック化した後、数μmの厚さに薄切りし、パラフィンを取り除いて作製される。
このような病理診断において、特定の疾患に関連する分子(抗原)の標本内における発現状況を観察するために、当該分子とそれに対する抗体および標識体からなる複合体との免疫反応を利用した免疫染色が行なわれている。免疫染色には従来、特定の基質と反応して発色する酵素を標識体として用いた色素染色法が用いられていた。たとえば、DAB染色は、ジアミノベンジジン(DAB)を基質とするペルオキシダーゼを酵素標識として用いる色素染色法である。しかしながら、DAB染色のような酵素標識による染色は、染色濃度が温度・時間などの環境条件により大きく左右されるため、染色濃度から実際の抗体の発現量を見積もることが難しいという課題がある。そのため、病理診断における免疫観察では、酵素標識の代わりに、定量性に優れる蛍光標識体を用いる蛍光標識法が、近年病理診断において用いられるようになってきている。
蛍光標識体としては、蛍光色素や無機ナノ粒子(半導体ナノ粒子、量子ドット等と称されることもある)、またはそれらの集積体の利用が知られている。たとえば、特許文献1には、1種または2種以上の有機色素および該有機色素よりも励起波長の長い有機蛍光色素(FRETの供与色素および受容色素)を含有する蛍光粒子であって、色素分子を閉じ込める固体粒子(母体)の主成分としてシリカを用いたものが記載されている。特許文献2には、病理診断情報生成方法(システム)において用いられる、蛍光有機色素(実施例ではテキサスレッドが用いられている)を含有する蛍光有機色素内包シリカナノ粒子が記載されている。
また、蛍光粒子を構成する材料に着目した試みもなされている。例えば、特許文献3には、輝度の高い蛍光粒子として、1種または2種以上の親水性の有機色素または有機蛍光色素(実施例では8−ヒドロキシ−1,3,6−ピレントリスルホン酸ナトリウム塩が用いられている)を含有する、メラミン・ホルムアルデヒド粒子が記載されている。
特開2009−300334号公報 特開2012−208106号公報 特表2008−543982号公報
顕微鏡により蛍光観察を行う蛍光標識法については、一般的に、レンズにより集光された励起光により蛍光体が褪色しやすいことが知られている。そのため蛍光体の蛍光強度を指標とした定量が困難であるという問題がある。このことから、また、蛍光体の輝点数を指標とする場合も、褪色による大幅な発光強度の減少は輝点数の減少を引き起こし、定量性を悪化させる。これらのことは、特に病理診断において大きな問題となる。また、免疫染色に基づく病理診断に際しては、長時間の観察、例えば、目視による観察が行われる等により、免疫染色に用いられた蛍光体に対する励起光照射が長時間にわたる場合がある。このように蛍光体が長時間の励起光照射にさらされる場合、発光強度の減少傾向が顕著に表れることがある。
特許文献1および2に記載されているようなシリカを母体とする蛍光体は、一般的に蛍光強度が弱く耐光性も低かった。
また、特許文献3に具体的に記載されている有機蛍光色素を用いた、メラミン・ホルムアルデヒド(メラミン樹脂)を母体とする蛍光色素内包粒子にも、蛍光強度および耐光性について改善の余地があった。
そこで、本発明は、免疫染色の際に励起光を長い時間照射しても蛍光色素が退色しにくい蛍光標識用樹脂粒子およびこれを含む免疫染色用蛍光標識剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、蛍光標識用樹脂粒子内に酸化防止剤を内包させると、励起光を長時間照射しても蛍光色素の退色を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上述した目的のうち少なくとも1つを実現するために、本発明の1つの側面を反映した蛍光標識用樹脂粒子は、有機樹脂と蛍光色素と酸化防止剤とを含み、該酸化防止剤が、1分子中に水酸基を2つ以上有するフェノール系酸化防止剤であり、該有機樹脂がメラミン樹脂であり、かつ、該有機樹脂からなる樹脂粒子内に、該蛍光色素と該酸化防止剤とが内包されてなる。
また、本発明のもう1つの側面を反映した免疫染色用蛍光標識剤は、このような蛍光標識用樹脂粒子、または、このような蛍光標識用樹脂粒子と生体関連結合性物質との複合体を含む。
また、本発明のさらにもう1つの側面を反映した上記蛍光標識用樹脂粒子の製造方法は、
(a−1)重合工程:前記有機樹脂の原料となる樹脂原料を、前記蛍光色素および前記酸化防止剤の存在下で重合させて、蛍光色素と酸化防止剤とを内包した樹脂粒子を製造する工程
を含む。
本発明の蛍光標識用樹脂粒子を用いて免疫染色を行うことにより、免疫染色を実施した際の退光性能が改善し、長時間にわたる良好な観察を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
〔蛍光標識用樹脂粒子〕
本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子は、有機樹脂と蛍光色素と酸化防止剤とを含み、かつ、該有機樹脂からなる樹脂粒子内に、該蛍光色素と該酸化防止剤とが内包されてなるものである。
すなわち、本発明においては、蛍光色素および酸化防止剤は少なくとも有機樹脂の分子構造(たとえばメラミン樹脂のような熱硬化性樹脂が有する三次元的な網目構造)によって粒子内に閉じ込められる。さらに、蛍光色素および酸化防止剤が有する官能基ないし部位と有機樹脂が有する官能基ないし部位との間に静電的相互作用(イオン結合)が働いているか、あるいはそれらの間で共有結合が形成されていることにより、蛍光色素がより強固に樹脂粒子に固定化されていることは、組織染色の透徹工程で用いられる有機溶媒(キシレン)によって蛍光色素が粒子外に溶出してしまうことを抑制できるため好ましい。
上記の「静電的相互作用」は、蛍光色素が正または負に荷電した置換基ないし部位を有し、樹脂分子がそれとは逆に荷電した置換基ないし部位を有している場合に働く。ここで、正または負に荷電した置換基ないし部位を有するとは、蛍光色素または樹脂が、中性、酸性または塩基性の水に溶解したときにそのような状態になっていればよい。負に荷電した置換基ないし部位としては、スルホ基(−SO3 -)が代表的であるが、そのほかにもフォスフォリル基、フェノール性水酸基、カルボキシル基などが挙げられる。正に荷電した置換基ないし部位としては、アミノ基(−NH3 +)が代表的であるが、そのほかにも、芳香族アミノ基、環状アミノ基(ピリジニル基、トリアゾリル基等)、ヒドラジニル基などが挙げられる。樹脂についての上記のような置換基ないし部位は、蛍光標識用樹脂粒子の製造工程に先立って、蛍光色素および樹脂原料(モノマー)に導入されていたものであってもよいし、たとえばメラミン樹脂、尿素樹脂等に含まれるアミノ基にH+がついてプロトン化されるような過程で形成されたものであってもよい。樹脂および蛍光色素(一分子あたり、あるいは所定の単位の分子量あたり)が有する荷電置換基等の数が多いほど静電的相互作用は強くなる傾向にあるので、所望の強さの静電的相互作用が働くようそれらの数を調節することが好ましい。
また、上記の「共有結合」としては、たとえば、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、C−N結合が挙げられる。たとえば、蛍光色素および樹脂原料(モノマー)として上記のような共有結合を形成しうる官能基ないし部位を有するものを選択し、樹脂の合成反応に先立ってあらかじめ反応させる前工程を設け、当該工程によって得られた誘導体化された樹脂原料を、必要に応じて他の樹脂原料(コモノマー)とともに、重合工程において反応させればよい。また、そのような前工程を設けず、あるいは設けたとしてもその未反応物について、重合工程において樹脂原料に添加されている蛍光色素が樹脂原料または生成した樹脂と反応して共有結合を形成するような様式であってもよい。
蛍光色素内包粒子の粒径は、組織切片の免疫染色等、用途に適した粒径であれば特に限定されないが、通常10〜500nmである。ただ、汎用の蛍光顕微鏡でも好適に輝点の観察が可能となる点で、30〜300nmであることが好ましい。平均粒径が300nmを超える場合、染色後の観察の際に細胞1個当たりの輝点数が減って輝点観察がしにくくなる場合があり、逆に平均粒径が30nm未満の場合、細胞1個当たりの輝点数が増えて輝点観察がしにくくなる場合があるからである。
また、粒径のばらつきを示す変動係数も特に限定されないが、通常は20%以下であり、好ましくは5〜15%である。このような粒径の蛍光色素内包粒子は、たとえば後述するような製造方法により得られる。
なお、蛍光色素内包粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し、蛍光色素内包粒子の断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径(面積円相当径)として測定することができる。蛍光色素内包粒子の集団の粒子サイズの平均(平均粒径)および変動係数は、十分な数(たとえば1000個)の蛍光色素内包粒子について上記のようにして粒子サイズ(粒径)を測定した後、平均粒径はその算術平均として算出され、変動係数は式:100×粒径の標準偏差/平均粒径、により算出される。
本発明の蛍光色素内包粒子は、励起光照射開始時に十分な初期発光強度を有しつつ、所定の時間励起光を照射した後にも一定の発光強度を保持することができる、つまり耐光性に優れたものとして作製することができる。初期発光強度や発光強度の保持率は、蛍光色素内包粒子の製造に係る様々な条件や材料の選択、また評価手法等によって変動するものであり、絶対的な評価基準を設けられるものではない。一例として、後述する実施例に示すような実施形態で、蛍光色素内包粒子を製造し、耐光性(励起光15分間照射後)を評価した場合、本発明の蛍光色素内包粒子は、初期発光強度を100%としたときに、好ましくは60%以上、より好ましくは75%以上の発光強度の保持率を有する。
また、上記有機樹脂としてメラミン樹脂を採用して得られる蛍光色素内包粒子では、冷暗所で長期保存した後の耐光性能も改善されており、特に、上記酸化防止剤として、1分子中に水酸基を2つ以上有するフェノール系酸化防止剤を用いたときに特に良好な耐光性能が得られるという利点もある。このときの長期保存後の耐光性能についても絶対的な評価基準を設けられるものではない。ただ、一例として、後述する実施例に示すような実施形態で、蛍光色素内包粒子を製造し、冷暗所(4℃)で3ヶ月保存後に耐光性(励起光15分間照射後)を評価した場合、本発明の蛍光色素内包粒子は、製造後1日経過したときにおける励起光15分照射後の発光強度を100%としたときに、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の発光強度の保持率を有する。
(有機樹脂)
本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子を構成する有機樹脂は、後述する蛍光色素および酸化防止剤を内包するためのコンテナーとして機能する。本発明で用いられる有機樹脂は、蛍光色素および酸化防止剤の機能を損なうものでない限り、特に限定はなく、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂
本発明において有機樹脂として用いうる熱硬化性樹脂として、たとえば、メラミン、尿素、グアナミン類(ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどを含む)、フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノールなどを含む)、キシレン、およびこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される構成単位を含むものが挙げられる。これらのモノマーは、何れか一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。所望によりさらに、一種または二種以上の上記化合物以外のコモノマーを併用してもよい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メタキシレン・ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。本発明においては、色素内包時の発光強度の観点から、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂に代表されるメラミン樹脂が好ましい。
これらの熱硬化性樹脂の原料としては、上述したようなモノマーそのもののみならず、モノマーとホルムアルデヒドやその他の架橋剤等の化合物とをあらかじめ反応させて得られるプレポリマーを用いてもよい。たとえば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の製造においては一般的に、メラミンとホルムアルデヒドとをアルカリ条件下で縮合して調製されるメチロールメラミンがプレポリマーとして用いられており、当該化合物はさらにアルキルエーテル化(水中での安定性を向上させるためのメチル化、有機溶媒中での溶解性を向上させるためのブチル化等)されたものであってもよい。
また、上記の熱硬化性樹脂は、その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が、電荷を持つ置換基、または共有結合を形成しうる置換基に置き換えられたものでもよい。このような熱硬化性樹脂は、公知の手法により少なくとも一つの水素が上記の置換基に置き換えられた(誘導体化された)モノマーを原料として用いることにより合成することができる。なお、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などは通常自ずとアミノ基またはこれに由来する部位から生成するカチオンを有し、フェノール樹脂、キシレン樹脂などは通常自ずと水酸基またはこれに由来する部位から生成するアニオンを有する。
このような熱硬化性樹脂は、公知の手法に従って合成することができる。たとえば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂は、前述したようにしてあらかじめ調製されたメチロールメラミンを、必要に応じて酸等の反応促進剤を添加した上で加熱して重縮合させることにより合成することができる。
熱可塑性樹脂
本発明において有機樹脂として用いうる熱可塑性樹脂は、特に限定はされないものの、たとえば、スチレン、(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステル、アクリロニトリル、ならびにこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単官能モノマー(一分子中に重合反応に関与する基、上記の例ではビニル基を一個持つモノマー)から形成される構成単位を含むものが挙げられる。これらのモノマーは、何れか一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。所望によりさらに、一種または二種以上の上記化合物以外のコモノマーを併用してもよい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレンとその他のモノマーとからなるスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステルとその他のモノマーとからなるアクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)、アクリロニトリルおよびその他のモノマーとからなるアクリロニトリル系樹脂が挙げられる。
ただ、本発明においては、色素内包時の発光強度の観点から、スチレン系樹脂が好ましい。ここで、本発明において「スチレン系樹脂」とは、置換基を有していても有していなくてもよいスチレンの単独重合体または共重合体である樹脂を指す。
上記の熱可塑性樹脂は、たとえばジビニルベンゼンのような多官能モノマー(一分子中に重合反応に関与する基、上記の例ではビニル基を二個以上持つモノマー)から形成される構成単位、つまり架橋部位を含んでいてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂は、その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が、電荷を持つ置換基、または共有結合を形成しうる置換基に置き換えられたものでもよい。このような熱可塑性樹脂は、たとえば4−アミノスチレンのように、少なくとも一つの水素が上記の置換基に置き換えられた(誘導体化された)モノマーを原料として用いることにより合成することができる。
さらに、上記の熱可塑性樹脂は、得られた蛍光標識用樹脂粒子を表面修飾するための官能基を有する構成単位を含んでいてもよい。たとえば、エポキシ基を有するメタクリル酸グリシジルのようなモノマーを原料とすることにより、エポキシ基が表面に配向した蛍光標識用樹脂粒子を調製することができる。このエポキシ基は、過剰のアンモニア水と反応させることによりアミノ基に変換することができる。このようにして形成されるアミノ基には、公知の手法に従って(必要に応じてリンカーとなる分子を介して)、各種の生体分子を導入することができる。
(蛍光色素)
本発明で用いられる蛍光色素は、特に限定されず、従来公知の如何なるものを用いても構わない。公知の方法により入手または作製することができる。
本発明の蛍光標識用樹脂粒子において、上記樹脂粒子に内包される蛍光色素は、例えば、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香環系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子、等の中から選択することができる。あるいはAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、DY系色素分子(登録商標、DYOMICS社製)、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子等の中から選択することができる。このような色素分子の総称は、化合物中の主要な構造(骨格)または登録商標に基づき命名されており、それぞれに属する蛍光色素の範囲は当業者であれば過度の試行錯誤を要することなく適切に把握できるものである。
ローダミン系色素分子の具体例としては、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、テキサスレッド、Spectrum Red、LD700 PERCHLORATE、などが挙げられる。
スクアリリウム系色素分子の具体例としては、SRfluor 680−Carboxylate、1,3−Bis[4−(dimethylamino)−2−hydroxyphenyl]−2,4−dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide, bis、1,3−Bis[4−(dimethylamino)phenyl]−2,4−dihydroxycyclobutenediylium dihydroxide, bis、2−(4−(Diethylamino)−2−hydroxyphenyl)−4−(4−(diethyliminio)−2−hydroxycyclohexa−2,5−dienylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、2−(4−(Dibutylamino)−2−hydroxyphenyl)−4−(4−(dibutyliminio)−2−hydroxycyclohexa−2,5−dienylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、2−(8−Hydroxy−1,1,7,7−tetramethyl−1,2,3,5,6,7−hexahydropyrido[3,2,1−ij]quinolin−9−yl)−4−(8−hydroxy−1,1,7,7−tetramethyl−2,3,6,7−tetrahydro−1H−pyrido[3,2,1−ij]quinolinium−9(5H)−ylidene)−3−oxocyclobut−1−enolate、などが挙げられる。
シアニン系色素分子の具体例としては、1−Butyl−2−[5−(1−butyl−1,3−dihydro−3,3−dimethyl−2H−indol−2−ylidene)−penta−1,3−dienyl]−3,3−dimethyl−3eiti−indolium hexafluorophosphate、1−Butyl−2−[5−(1−butyl−3,3−dimethyl−1,3−dihydro−indol−2−ylidene)−3−chloro−penta−1,3−dienyl]−3,3−dimethyl−3H−indolium hexafluorophosphate、3−Ethyl−2−[5−(3−ethyl−3H−benzothiazol−2−ylidene)−penta−1,3−dienyl]−benzothiazol−3−ium iodide、などが挙げられる。
芳香環系色素分子の具体例としては、N, N−Bis−(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−(4−tert−butylphenoxy)−perylen−3,4,9,10−tetracarbonacid diimide、N,N'−Bis(2,6−diisopropylphenyl)−1,6,7,12−tetraphenoxyperylene−3,4:9,10−tetracarboxdiimide、N,N'−Bis(2,6−diisopropylphenyl)perylene−3,4,9,10−bis(dicarbimide)、16,N,N'−Bis(2,6−dimethylphenyl)perylene−3,4,9,10−tetracarboxylic diimide、4,4'−[(8,16−Dihydro−8,16−dioxodibenzo[a,j]perylene−2,10−diyl)dioxy]dibutyric acid、2,10−Dihydroxy−dibenzo[a,j]perylene−8,16−dione、2,10−Bis(3−aminopropoxy)dibenzo[a,j]perylene−8,16−dione, 3,3'−[(8,16−Dihydro−8,16−dioxodibenzo[a,j]perylen−2,10−diyl)dioxy]dipropylamine、17−BIS(Octyloxy)Anthra[9,1,2−cde−]Benzo[RST]Pentaphene−5−10−Dione、Octadecanoicacid, 5,10−dihydro−5,10−dioxoanthra[9,1,2−cde]benzo[rst]pentaphene−16,17−diylester、Dihydroxydibenzanthrone、Benzenesulfonic acid, 4,4',4'',4'''−[[2,9−bis[2,6−bis(1−methylethyl)phenyl]−1,2,3,8,9,10−hexahydro−1,3,8,10−tetraoxoanthra[2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']diisoquinoline−5,6,12,13−tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis-,Benzeneethanaminium、 4,4',4'',4'''−[[2,9−bis[2,6−bis(1−methylethyl)phenyl]−1,2,3,8,9,10−hexahydro−1,3,8,10−tetraoxoanthra[2,1,9−def:6,5,10−d'e'f']diisoquinoline−5,6,12,13−tetrayl]tetrakis(oxy)]tetrakis[N,N,N−trimethyl−]、などが挙げられる。
オキサジン系色素分子の具体例としては、Cresyl violet、Oxazine170、EVOblue30、Nile Blueなどが挙げられる。
カルボピロニン系色素分子の具体例としては、CARBOPYRONIN 149などが挙げられる。
ピロメセン系色素分子の具体例としては、PYRROMETHENE650などが挙げられる。
Alexa Fluor系色素分子の具体例としては、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750など(以上インビトロジェン社製)が挙げられる。
BODIPY系色素分子の具体例としては、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)などが挙げられる。
Cy系色素分子の具体例としては、Cy3.5、Cy5、Cy5.5(以上GEヘルスケア社製)などが挙げられる。
DY系色素分子の具体例としては、DY−590、DY−610、DY−615、DY−630、DY−631、DY−632、DY−633、DY−634(以上DYOMICS社製)、などが挙げられる。
HiLyte系色素分子の具体例としては、HiLyte594、HiLyteFluor TR(以上アナスペック社製)などが挙げられる。
DyLight系色素分子の具体例としては、DyLight 594、DyLight633(以上サーモサイエンティフィック社製)などが挙げられる。
ATTO系色素分子の具体例としては、ATTO590、ATTO610、ATTO620、ATTO633、ATTO655など(以上ATTO−TEC社製)が挙げられる。
MFP系色素分子の具体例としては、MFP590、MFP631(以上Mobitec社製)などが挙げられる。
その他色素としては、C−Phycocyanin、Phycocyanin、APC(Allophycocyanin)、APC−XL、NorthernLights637(R&D Systems社製)、等が挙げられる。
また、これらの誘導体(蛍光色素として機能しうるもの、例えば、公知の誘導体)を挙げることができる。
(酸化防止剤)
本発明の蛍光標識用樹脂粒子には、上記蛍光色素と共に酸化防止剤も内包されている。この酸化防止剤は、一般に製品中の製品の酸化を抑制するために添加される抗酸化物質のことであり、長時間の励起光照射や長期間保存による蛍光色素の劣化を低減するために用いられるものである。
本発明で用いられる酸化防止剤は、蛍光色素の機能を損なわず、且つ、樹脂粒子内に導入可能である限り特に限定はされない。ただ、典型的な態様において用いることのできる酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤および不飽和炭化水素系の酸化防止剤が挙げられる。
本発明で用いることのできるフェノール系酸化防止剤として、天然物由来のフェノール類(naturally occurring phenols)およびヒンダードフェノール類(hindered phenols)等が挙げられる。
ここで、天然物由来のフェノール類の好適な例として、フェノール性水酸基を有する各種フラボノイド類(flavonoids)が挙げられ、具体的には、
クエルセチン、ルチン、ミリセチン、ミリシトリン、フィセチン、モリンなど、フェノール性水酸基を有する、フラボノール類(flavonols)及びその配糖体;
ヘスペレチン、ヘスペリジン、メチルヘスペリジン、ナリンゲニン、ナリンギンなど、フェノール性水酸基を有する、フラバノン類(flavanones)及びその配糖体;
アピゲニン、ルテオリンなど、フェノール性水酸基を有するフラボン類(flavones);
タキシフォリンなど、フェノール性水酸基を有するフラバノノール類(flavanonols)、
カテキン、ガロカテキン、没食子酸ガロカテキン、没食子酸エピガロカテキンなどのカテキン類(catechins);
ゲニステイン、ダイゼイン(4',7−ジヒドロキシイソフラボン)などのイソフラボン類(Isoflavones);並びに、
シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジンなど、フェノール性水酸基を有するアントシアニジン類(anthocyanidins)
などが挙げられる。
また、天然物由来のフェノール類の別の好適な例として、没食子酸、並びに、没食子酸プロピルなどの没食子酸エステル等のポリフェノール類(polyphenols)も挙げられる。
また、タンニン、トコフェロール、トコトリエノールなどもまた、フェノール系酸化防止剤として用いることができる。
また、ヒンダードフェノール類として、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、p−フェニルアゾフェノール、4−ニトロアニリン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、N,N'−ジサリチルアル−1,2−プロパンジアミン、トリエチレングリコール-ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール-ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2, 2−チオ-ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレイト、オクチル化ジフェニルアミン、2, 4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などが挙げられる。
本発明で用いることのできるアミン系酸化防止剤として、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の3級アミン;
フェノチアジン、フェニル-α-ナフチルアミン、p,p'-ジオクチルジフェニルアミンなどの芳香族アミン;
セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン;並びに、
カフェインなどのアルカロイド
が挙げられる。本発明においては、好適なアミン系酸化防止剤として芳香族アミンが挙げられ、その中でも特に好適なアミン系酸化防止剤としてフェノチアジンが挙げられる。
本発明で用いることのできるリン系酸化防止剤として、2−メルカプトベンゾイミダゾール、亜リン酸トリフェニル、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP HCl)、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン 10-オキシド等が挙げられる。
本発明で用いることのできる硫黄系酸化防止剤として、3,3−チオジプロピオン酸ジドデシル、2,2'−チオジエタノール等のスルフィドや、ジベンジルジスルフィド、DL−αリポ酸(チオクト酸)、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール等のジスルフィド、ジチオスレイトールやオクタンジオール等のチオールが挙げられる。
本発明で用いることのできる不飽和炭化水素系酸化防止剤として、ルテイン、リコピン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチン、ミキソキサントフィル、ゼアキサンチン、カロテン、レチノイン酸等のカロテン類やカロテノイド類、キサントフィル類、アスコルビン酸、トコトリエノール、不飽和脂肪酸類等が挙げられる。
以上に挙げた酸化防止剤のうち、上記蛍光色素の光退色抑制効果が大きいことから、フェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤は、蛍光標識の光退色の原因となる活性酸素の生成を抑制することにより、光退色をより効果的に防止することができる。
また、上記有機樹脂としてメラミン樹脂を採用した場合には、酸化防止剤として、水酸基を2個以上有するフェノール系酸化防止剤を用いることにより、長期間保存後の蛍光色素の輝度低下を抑えることもできるので、より好ましい。かかる場合、例えば、本発明の蛍光標識用樹脂粒子を冷暗所で3ヶ月保存した後でも製造当初と遜色ない発光性を維持することも可能である。これについて、本発明者は、酸化防止剤が粒子内部で架橋構造を取り、内部に留まる効果が高いためと推測している。
なお、使用するフェノール系酸化防止剤によっては、フェノール性水酸基に加えてアルコール性水酸基が含まれることもあるが、この場合、フェノール性水酸基とアルコール性水酸基とを合わせて2個以上有することが好ましい。
酸化防止剤は、いずれか一種を単独で用いても、複数種を混合して用いてもよい。
これら酸化防止剤は、蛍光顕微鏡観察に悪影響が無いよう、吸収波長450〜600nmで吸収が無いことが好ましく、発光波長500〜700nmで発光が無いことが好ましい。吸収があると蛍光標識の輝度低下につながる場合がある。また、発光があると蛍光顕微鏡観察時にノイズが増加する場合がある。なお、酸化防止剤吸収の吸収が無いとは、酸化防止剤の1mg/mL濃度のキシレン溶液を調整し、10mmセルに入れて吸光度測定を行なった際に、450nmおよび600nmにおける吸光度がともに0.5以下であることをいう。
〔蛍光標識用樹脂粒子の製造方法〕
上述した本発明の蛍光標識用樹脂粒子は、蛍光標識として必要な機能が損なわれない限り、特に製造方法に限定はない。ただ、典型的な態様において、本発明の蛍光標識用樹脂粒子は、下記重合工程を含む製造方法により得ることができる。
(重合工程)
本発明の蛍光標識用樹脂粒子の製造方法で行われる重合工程として、
(a−1)重合工程:上記有機樹脂の原料となる樹脂原料を、上記蛍光色素および上記酸化防止剤の存在下で重合させて、蛍光色素と酸化防止剤とを内包した樹脂粒子を製造する工程
が挙げられる。
ここで、上記工程(a−1)で用いることのできる樹脂原料は、上記有機樹脂に対応するモノマーであっても良く、あるいは、そのようなモノマーから得られるプレポリマーであっても良い。このようなモノマーおよびプレポリマーの具体例として、上記「有機樹脂」の項で上述したものが挙げられる。
なお、本明細書では、上記「蛍光色素と酸化防止剤とを内包した樹脂粒子」を「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」と呼ぶ場合がある。
上記蛍光色素および酸化防止剤は、工程(a−1)における重合反応の当初から存在していても良く、あるいは、この重合反応の途中から加えられても良い。
なお、上記重合反応は、上記蛍光色素および酸化防止剤の存在下で行うことを除いては、従来公知の条件および手法により行うことができる。
例えば、有機樹脂としてメラミン樹脂が用いられる場合、上記蛍光色素と上記酸化防止剤とメラミン樹脂との混合液にギ酸を加えて重縮合反応させることにより、蛍光色素と酸化防止剤とを内包したメラミン樹脂粒子を得ることができる。このときの反応は、例えば、水中で行うことができる。また、必要に応じて、適当な界面活性剤存在下で重合反応を行ってもよい。さらに、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の重縮合反応を促進するとともに、当該樹脂または蛍光色素に含まれるアミノ基のような官能基にプロトン(H+)を付与して荷電させ、静電的相互作用を起こしやすくすることを目的として、上記蛍光色素と上記酸化防止剤とメラミン樹脂との混合液に対し、適当な酸などの重合反応促進剤をさらに添加しても良い。
重合反応の条件(温度、時間等)は、樹脂の種類、原料混合物の組成などを考慮しながら適切に設定することができる。メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の合成については、反応温度は通常60〜200℃、反応時間は通常20〜120分間である。なお、反応温度は蛍光色素の性能が低下しない温度(耐熱温度範囲内)とすることが適切である。加熱は複数の段階に分けて行ってもよく、たとえば、相対的に低温で一定時間反応させた後、昇温して相対的に高温で一定時間反応させるようにしてもよい。
重合反応の終了後は、反応液から余剰の樹脂原料、蛍光色素、界面活性剤等の不純物を除去し、生成した蛍光標識用樹脂粒子を回収して精製すればよい。たとえば、反応液を遠心分離にかけ、不純物が含まれている上澄みを除去した後、超純水を加えて超音波照射して再度分散させて洗浄する。これらの操作は、上澄みに樹脂や蛍光色素に由来する吸光、蛍光が見られなくなるまで複数回繰り返し行うことが好ましい。
一方、有機樹脂として、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる場合、熱可塑性樹脂は、ラジカル重合、イオン重合(アニオン重合、他)など、公知の手法に従って合成することができる。熱可塑性樹脂を用いた内包型の蛍光標識用樹脂粒子もそれらの手法に準じて製造することができるが、たとえば、ソープフリー乳化重合法に従った重合工程により製造することが好ましい。
この場合の重合工程は、典型的には、蛍光色素と、樹脂原料と、重合開始剤とを含有する反応混合物を加熱して樹脂の重合反応を進行させ、この重合反応がある程度進行した後に、上記酸化防止剤をこの反応混合物に加えてさらに重合反応を進行させ、蛍光色素および酸化防止剤を内包する樹脂粒子を生成させる工程となる。ここで、上記酸化防止剤を重合反応当初から加える態様を排除するものではないものの、重合工程がラジカル重合によって行われる場合、ラジカルによる酸化防止剤の消耗を最小限に抑えるとともにラジカル重合を円滑に進めるため、上記酸化防止剤を重合反応の途中から加えることが好ましい。
重合開始剤、重合反応の条件(温度、時間等)は、樹脂の種類などを考慮しながら適宜設定することができる。熱可塑性樹脂の合成については、反応温度は通常20〜150℃、反応時間は通常10〜240分間である。ここで、重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの公知のものを用いることができるが、この重合工程がソープフリー乳化重合法に従って行われる場合、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジンなど水溶性の重合開始剤を用いることができる。
本発明では、上述した工程(a−1)により得られる蛍光色素と酸化防止剤とを内包した樹脂粒子それ自体を、本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子として用いてもよいし、あるいは、後述する表面修飾をさらに行うことにより、他の分子と結合を形成可能な官能基をさらに有する樹脂粒子としたものを、本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子として用いることもできる。
(表面修飾)
本発明では、上述した工程(a−1)により得られる「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」を、そのまま本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子として用いてもよいが、本発明の蛍光標識用樹脂粒子には、所要に応じて表面修飾を行うことができる。
ここで、本発明において行いうる表面修飾は、特に限定はされない。ただ、本発明の蛍光標識用樹脂粒子を免疫染色用蛍光標識剤として用いる場合、本発明の蛍光標識用樹脂粒子は、免疫染色の実施形態に応じた生体関連結合性物質を連結させた態様で用いられることになる。したがって、本発明の蛍光標識用樹脂粒子に施しうる表面修飾は、他の分子と結合を形成可能な官能基の導入の形で行われることが好ましい。
ここで、「他の分子と結合を形成可能な官能基」として、生化学の分野において一般的に用いられる官能基が挙げられ、そのような官能基の具体例として、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、マレイミド基、アルデヒド基などが挙げられる。なお、本明細書における以下の記載において、「他の分子と結合を形成可能な官能基」は、「反応性官能基」とも呼ばれる場合がある。
「他の分子と結合を形成可能な官能基」の導入方法としては、種々の従来公知の手法を用いることができる。
例えば、上述した工程(a−1)により得られる「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」が表面に水酸基を有する場合、「他の分子と結合を形成可能な官能基」を有するシランカップリング剤を当該水酸基と反応させることにより、当該「他の分子と結合を形成可能な官能基」を導入することができる。例えば、表面に水酸基を有する「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」を、アミノプロピルトリメトキシシランなどアミノ基を有するシランカップリング剤と反応させることにより、アミノ基を有する酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子を得ることができる。また、表面に水酸基を有する「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」への「他の分子と結合を形成可能な官能基」の導入は、活性エステルと「他の分子と結合を形成可能な官能基」とを有する適当なリンカー分子を当該水酸基と反応させることによって行うこともできる。これらのような導入方法は、特に、有機樹脂としてメラミン樹脂を採用してなる「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」に好適に適用しうる。
また、上述した工程(a−1)により得られる「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」が表面にエポキシ基を有する場合、例えば、このような「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」をアンモニア水で処理することにより、アミノ基を導入することができる。また、エポキシ基と反応性を有する官能基と、「他の分子と結合を形成可能な官能基」とを有する適当なリンカー分子を当該エポキシ基と反応させることによって、当該「他の分子と結合を形成可能な官能基」を導入することもできる。
また、「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」が表面に反応性官能基を何ら有していない場合であっても、例えばプラズマ処理等従来公知の適当な表面処理を施すことで一旦粒子表面に水酸基等を導入し、その後、表面に水酸基を有する「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」への「他の分子と結合を形成可能な官能基」の導入と同様の方法を適用しうる場合がある。
〔蛍光標識用樹脂粒子の用途〕
(免疫染色用蛍光標識剤)
本発明の蛍光標識用樹脂粒子の用途は特に限定されるものではないが、典型的には、試料(組織切片)に含まれる検出対象物質を標識し、免疫染色において蛍光観察できるようにするための、免疫染色用蛍光標識剤としての用途が挙げられる。すなわち、上述したような本発明の蛍光標識用樹脂粒子は、免疫染色の実施形態に応じた生体関連結合性物質を連結させて、複合体(コンジュゲート)として使用することが好適である。したがって、本発明に係る免疫染色用蛍光標識剤は、上記蛍光標識用樹脂粒子、または、上記蛍光標識用樹脂粒子と生体関連結合性物質との複合体を含む。ここで、「蛍光標識用樹脂粒子と生体関連結合性物質との複合体」は、上述した蛍光標識用樹脂粒子に生体関連結合性物質が連結した構造を有する複合体を指す。
検出対象物質は特に限定されるものではないが、病理診断においては一般的に、その目的に応じた抗原が選択される。たとえば、乳癌に関する病理診断においてはHER2を検出対象物質とすることができる。
本発明で用いられる生体関連結合性物質とは、生体物質と結合する性質を有するあらゆる種類の物質をいい、特に、生体物質と特異的または選択的に結合する性質を有する物質が挙げられる。生体関連結合性物質の具体例としては、蛋白質、核酸、糖鎖などが挙げられる。例えば、結合しようとする生体物質が抗原である場合には、「生体関連結合性物質」この抗原を特異的に認識する抗体である。また、結合しようとする生体物質が核酸分子である場合には、これに対応する相補的な配列を有する核酸分子である。
生体関連結合性物質の第一の例として、検出対象物質と特異的に結合する抗体(一次抗体)が挙げられる。蛍光標識用樹脂粒子と一次抗体とからなる複合体は、検出対象物質に直接結合して蛍光標識することができる(一次抗体法)。
生体関連結合性物質の第二の例として、検出対象物質と特異的に結合する抗体(一次抗体)に結合する抗体(二次抗体)が挙げられる。たとえば、一次抗体がマウスが産生した抗体(IgG)である場合、二次抗体は抗マウスIgG抗体となる。検出対象物質に結合している一次抗体に、蛍光色素固定化樹脂粒と二次抗体とからなる複合体が結合することにより、検出対象物質を間接的に蛍光標識することができる(二次抗体法)。
生体関連結合性物質の第三の例として、アビジン、ストレプトアビジンまたはビオチンが挙げられる。この場合、二次抗体は、蛍光標識用樹脂粒子と複合体化している物質と結合しうる物質と複合体化される。たとえば、蛍光標識用樹脂粒子とアビジンまたはストレプトアビジンとの複合体を用いる場合は、二次抗体とビオチンとの複合体が組み合わされて用いられる。検出対象物質に結合している一次抗体に、二次抗体とビオチンとの複合体が結合し、当該複合体にさらに蛍光色素固定化樹脂粒とアビジンまたはストレプトアビジンとからなる複合体が結合することにより、検出対象物質を間接的に蛍光標識することができる(ビオチン−アビジン法またはサンドイッチ法)。これとは逆に、蛍光標識用樹脂粒子とビオチンとの複合体を、二次抗体とアビジンまたはストレプトアビジンとの複合体と組み合わせて用いることもできる。
一次抗体は、選択された検出対象物質に応じて、それと特異的に結合するものを選択すればよい。たとえば、検出対象物質がHER2である場合、一次抗体としては抗HER2モノクローナル抗体を用いることができる。このような一次抗体(モノクローナル抗体)は、マウス、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、チキンなどを免疫動物とする一般的な手法により産生することができる。
二次抗体は、選択された一次抗体に応じて、それと結合するものを選択すればよい。たとえば、一次抗体がマウス抗HER2モノクローナル抗体である場合、二次抗体としては抗マウスIgG抗体を用いることができる。このような二次抗体も一般的な手法により産生することができる。
その他にも、検出対象物質を核酸分子とし、それに対応する生体関連結合性物質として、当該核酸分子と相補的な塩基配列を有する核酸分子を用いることも可能である。
蛍光標識用樹脂粒子に生体関連結合性物質が連結した複合体は、公知のいかなる手法によって作製されたものであってもよい。ここで、本発明の属する技術分野においては、蛍光標識体と生体関連結合性物質などとを連結するための様々な手法が知られており、本発明において上記工程(a−1)で得られた樹脂粒子を蛍光標識体として採用して、蛍光標識用樹脂粒子に生体関連結合性物質が連結した複合体を作製するにあたっても、そのような手法を利用することができる。
たとえば、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基、マレイミド基等の反応性官能基同士の間で起きる反応を利用して、蛍光標識体と生体関連結合性物質とを結合させることができる。ここで、蛍光標識体と生体関連結合性物質との結合は、蛍光標識体の表面に存在する第1の反応性官能基と生体関連結合性物質の分子中に存在する第2の反応性官能基とを結合させることにより行うことができる。たとえば、アミンとカルボン酸の反応によるアミド化、マレイミドとチオールの反応によるスルフィド化、アルデヒドとアミンの反応によるイミン化、エポキシとアミンの反応によるアミノ化を利用することができる。このような反応に関与する官能基は、樹脂粒子の表面にあらかじめ存在するもの(樹脂の原料モノマーに由来する官能基)、すなわち、上述した工程(a−1)により得られる「酸化防止剤・蛍光色素内包樹脂粒子」自体の表面に存在しうる官能基であってもよいし、あるいは、上記「表面修飾」の項で上述した方法により導入された上記「他の分子と結合を形成可能な官能基」など、樹脂粒子の表面に存在する官能基を公知の手法に従って変換した官能基や、表面修飾等により導入された官能基であってもよい。
また、蛍光標識体の表面に存在する第1の反応性官能基と生体関連結合性物質の分子中に存在する第2の反応性官能基とを直接的に結合することができない場合は、分子の両末端に、当該第1の反応性官能基と結合を形成可能な官能基と、当該第2の反応性官能基と結合を形成可能な官能基とを有する「リンカー分子」を介して結合させることもできる。このような反応は、必要な試薬類を添加して所定の時間経過させることにより行うことができる。
このような蛍光標識用樹脂粒子に生体関連結合性物質が連結した複合体の具体例としては、表面に水酸基を有する蛍光標識用樹脂粒子にシランカップリング剤(たとえばアミノプロピルトリメトキシシラン)を反応させてアミノ基を導入してアミノ修飾蛍光標識用樹脂粒子とし、一方でストレプトアビジンにチオール基導入試薬(たとえばN−スクシミジルSアセチルチオ酢酸)を反応させ、次いでヒドロキシルアミン等を用いてSアセチルの脱保護を行ってチオール基を導入して、チオール修飾ストレプトアビジンを得、最後に、アミノ基とチオール基の両方と反応性を有するマレイミド基を両端に有するPEG(ポリエチレングリコール)系のリンカー分子を、前記アミノ修飾蛍光標識用樹脂粒子および前記チオール修飾ストレプトアビジンと反応させて、蛍光標識用樹脂粒子とストレプトアビジンとを連結させる方法が挙げられる。
また、たとえばグリシジルメタクリレートを原料モノマーとして用いて樹脂(アクリル系樹脂)を合成した場合、蛍光標識用樹脂粒子の表面には当該モノマーに由来するエポキシ基が表れている。この蛍光標識用樹脂粒子にアンモニア水を添加することにより、そのエポキシ基をアミノ基に変換し、さらにそのアミノ基に所望の生体関連結合性物質などを連結させることができる。また、エポキシ基と反応性を有する官能基と、上述した「他の分子と結合を形成可能な官能基」とを有する適当なリンカー分子を、蛍光標識用樹脂粒子のエポキシ基と反応させることによって、当該「他の分子と結合を形成可能な官能基」を導入し、この「他の分子と結合を形成可能な官能基」を通じて、生体関連結合性物質などをさらに連結させることもできる。
さらに、本発明の別の側面において、本発明の蛍光標識用樹脂粒子を使用した組織免疫染色用キットが提供される。このキットは少なくとも、
本発明の蛍光標識用樹脂粒子、
本発明の蛍光標識用樹脂粒子と生体関連結合性物質との複合体、または
当該複合体を調製するための蛍光標識用樹脂粒子、生体関連結合性物質および試薬類
を含む。このキットはさらに、必要に応じて、一次抗体、二次抗体、前記生体関連結合性物質(たとえばストレプトアビジン)と組み合わせて用いられる他の生体関連結合性物質(たとえばビオチン)、所望の複合体を形成するための試薬類、その他の免疫組織染色に用いられる試薬類などを含んでいてもよい。
(免疫組織染色)
上述した本発明の免疫染色用蛍光標識剤を用いた免疫組織染色は、蛍光標識剤として、本発明の免疫染色用蛍光標識剤を用いることを除いては、従来公知の免疫組織染色と同様の方法に従って行うことができる。
すなわち、
(1a)本発明の免疫染色用蛍光標識剤を用いて組織切片を免疫染色する工程と、
(2)染色後の組織切片を蛍光観察する工程と、
を含む生体物質検出方法として、免疫組織染色を行うことができる。
ここで、所要により、前記工程(1a)の前に、あるいは、工程(1b)の後であって前記工程(2)の前に
(1b)形態観察用の染色剤を用いて組織切片を形態観察染色する工程
をさらに含んでいても良い。
ここで、通常、上記工程(1a)に先だって、
(0)組織切片の脱パラフィン処理、および抗原の賦活化処理を行う工程
が行われる。この工程(0)は、常法に従って行うことができる。
免疫染色工程(1a)は、前述したような蛍光標識剤(蛍光標識用樹脂粒子および生体関連結合性物質の複合体)の形態に応じて、検出対象物質を適切に標識することができるよう、必要な物質を順次組織切片に添加して反応させればよい。
形態観察染色工程(1b)は、常法に従って行うことができる。組織標本の形態観察に関しては、細胞質・間質・各種線維・赤血球・角化細胞が赤〜濃赤色に染色される、エオジンを用いた染色が標準的に用いられている。また、細胞核・石灰部・軟骨組織・細菌・粘液が青藍色〜淡青色に染色される、ヘマトキシリンを用いた染色も標準的に用いられている(これら2つの染色を同時に行う方法はヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)として知られている)。
通常、工程(1a)および(1b)の後、工程(2)の前に、エタノールに浸漬する脱水処理、キシレン等の有機溶媒に浸漬する透徹処理、封入剤を用いる封入処理などが行われる。
蛍光観察工程(2)では、上記工程により免疫染色および形態観察染色が施された組織切片に、用いられている蛍光色素に応じた適切な波長を有する励起光を照射することにより、その蛍光標識体が発する蛍光を観察する。このような工程により、その組織切片内に存在する抗原等の所定の生体分子を検出することができ、分子標的薬(たとえばヒト化抗HER2モノクローナル抗体である抗体医薬「ハーセプチン」(商標))の適用の適否を判定するための情報として利用することができる。
励起光の照射には、一般的な蛍光観察と同様の照射手段を用いればよく、たとえば、蛍光顕微鏡が備えるレーザ光源から、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させるフィルターを用いて、適切な波長および出力の励起光を染色された組織切片に照射すればよい。蛍光観察は、蛍光顕微鏡の鏡筒から行ってもよいし、蛍光顕微鏡に設置されたカメラが撮影した画像を別途表示手段(モニタ等)に表示して行ってもよい。蛍光色素によるが、蛍光顕微鏡の鏡筒からの目視によっては十分に蛍光を観察することができない場合であっても、カメラによる画像の撮影を通じて蛍光を観察することが可能な場合もある。必要に応じて所定の波長を選択的に透過させるフィルターを用いてもよい。
なお、本発明においては同一の組織切片に対して免疫染色および形態観察染色の両方が施されているが、形態観察染色による像を観察する際には、免疫染色用の蛍光色素を励起させるための励起光を照射する必要はなく、光学顕微鏡と同様の観察条件下で観察すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.酸化防止剤について
下記の実施例、参考例および比較例で使用した酸化防止剤の構造を下記の表に示す。
Figure 0006286966
2.各蛍光標識用樹脂粒子の調製
参考例1−1]ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包メラミン樹
脂ナノ粒子
(1)蛍光色素内包メラミン粒子の合成
Sulforhodamine 101(シグマアルドリッチ社製)2.5mg、酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン2.5mgを水22.5mLに加えた後、ホットスターラー上で70℃20分間加熱し、メラミン樹脂ニカラック(登録商標)MX-035(日本カーバイド工業社製;重量平均重合度:1.5)1.5gを加え、さらに5分間加熱撹拌した。ギ酸100μLを加え、60℃20分間で加熱撹拌した後、室温放冷した。冷却後、反応混合物を遠心用チューブに入れて遠心分離機に12,000rpmで20分間かけ、上澄み除去した。この粒子を1mL純水中に再分散し、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子としてブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子を得た。このブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子の平均粒径は、154nmであった。
なお、参考例1−1を含めて、各実施例、参考例および比較例で得られた蛍光色素内包粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて蛍光色素内包粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、1000個の蛍光色素内包粒子について、それぞれ断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径(面積円相当径)をそれぞれ求め、これらの直径の算術平均として求めた。
(2)蛍光色素内包メラミン粒子の表面修飾および蛍光色素内包メラミン粒子−ストレプトアビジン複合体の形成
上記(1)で得られた蛍光色素内包メラミン樹脂粒子、すなわち、上記ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子に対し、以下の方法によりストレプトアビジンとの複合体に導いた。
上記蛍光色素内包メラミン樹脂粒子:0.1mgをEtOH1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシランLS−3150(信越化学工業社製)2μLを加えて8時間反応させて表面アミノ化処理を行ない、アミノ修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子を得た。
得られたアミノ修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleimidopropionamido)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで、末端にマレイミド基が付いた蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(以下、マレイミド修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子)を得た。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ヒドロキシルアミンによるチオール基の脱保護を行い、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、チオール修飾ストレプトアビジンの溶液を得た。このチオール修飾ストレプトアビジンは、マレイミド修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子が有するマレイミド基に結合可能なストレプトアビジンである。
上記マレイミド修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子とチオール修飾ストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去して、最終的に、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体として、ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体を得た。
[実施例1−2]ルチン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えてルチンを用いたことを除いては、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(ルチン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子:平均粒径148nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包メラミン樹脂粒子につき、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(ルチン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
[実施例1−3]没食子酸プロピル・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えて没食子酸プロピルを用いたことを除いては、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(没食子酸プロピル・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子:平均粒径151nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包メラミン樹脂粒子につき、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(没食子酸プロピル・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
[実施例1−4]4',7−ジヒドロキシイソフラボン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えて4',7−ジヒドロキシイソフラボンを用いたことを除いては、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(4',7−ジヒドロキシイソフラボン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子:平均粒径145nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包メラミン樹脂粒子につき、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(4',7−ジヒドロキシイソフラボン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
参考例1−5]フェノチアジン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えてフェノチアジンを用いたことを除いては、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(フェノチアジン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子:平均粒径152nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包メラミン樹脂粒子につき、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(フェノチアジン・Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
[比較例1]
酸化防止剤を用いなかったことを除いては、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子:平均粒径152nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包メラミン樹脂粒子につき、参考例1−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(Texas Red色素内包メラミン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
参考例2−1]ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子
(1)蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の合成
蛍光色素としてTexas Redが内包されたポリスチレンナノ粒子を、以下のようなソープフリー乳化重合法により作製した。
アルゴンバブリングした純水中5mLにグリシジルメタクリレート(メタクリル酸グリシジル)(東京化成工業社製)0.18g、ジビニルベンゼン0.05g、蛍光色素Sulforhodamine 101 acid chloride(同仁化学研究所社製、Texas Red色素)0.002gおよび4−アミノスチレン(東京化成工業社製)0.05gを加えた。撹拌しながら70℃に昇温し、水溶性アゾ重合開始剤であるV−50(和光純薬社製)を0.012g加え、12時間反応させた。
次いで、重合反応液に酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン0.05gを加え、70℃で3時間攪拌を行った。
その後、反応液を10000Gで20分遠心分離し、粒子を回収した。回収した粒子を純水に分散し再度遠心分離で回収する事で精製を行なった。その後、回収した粒子を再度5mLの純水に分散し、酸化防止剤として再度ブチルヒドロキシトルエン0.05gを加え、70℃で3時間撹拌を実施後、反応液を10000Gで20分遠心分離し、粒子を回収した。回収した粒子を純水に分散し再度遠心分離で回収する事で精製を行なうことにより、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子としてブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子を得た。このブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子の平均粒径は、161nmであった。
(2)蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の表面修飾および蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体の形成
上記(1)で得られた蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子、すなわち、上記ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子に対し、以下の方法によりストレプトアビジンとの複合体に導いた。
上記蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子を過剰の希釈アンモニア水(市販の濃アンモニア水(濃度28%)を同じ体積の水で2倍希釈したもの)に加え、粒子末端(グリシジルメタクリレート由来)のエポキシ基をアミノ基へと変換し、末端にアミノ基を持つ蛍光色素内包ポリスチレンナノ粒子(以下、アミノ修飾蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子)を得た。
得られたアミノ修飾蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有したPBS(リン酸緩衝液生理的食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようSM(PEG)12(サーモサイエンティフィック社製、succinimidyl−[(N−maleimidopropionamido)−dodecaethyleneglycol]ester)を混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分遠心分離を行い、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有したPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで、末端にマレイミド基が付いた蛍光色素内包ポリスチレンナノ粒子(以下、マレイミド修飾蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子)を得た。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬社製)をN−succinimidyl S−acetylthioacetate(SATA)を用いてチオール基付加処理を行ったのち、ヒドロキシルアミンによるチオール基の脱保護を行い、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、チオール修飾ストレプトアビジンの溶液を得た。このチオール修飾ストレプトアビジンは、マレイミド修飾蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子が有するマレイミド基に結合可能なストレプトアビジンである。
上記マレイミド修飾蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子と上記マレイミド基に結合可能なストレプトアビジンとを、EDTAを2mM含有したPBS中で混合し、1時間反応させた。10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去して、最終的に、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体として、ブチルヒドロキシトルエン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体を得た。
参考例2−2]
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えてルチンを用いたことを除いては、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子(ルチン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子:平均粒径154nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子につき、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(ルチン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
参考例2−3]
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエンに代えてフェノチアジンを用いたことを除いては、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子(フェノチアジン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子:平均粒径158nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子につき、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(フェノチアジン・Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
[比較例2]
酸化防止剤を用いなかったことを除いては、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(1)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子(Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子:平均粒径155nm)を得た。
そして、この蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子につき、参考例2−1と同様の条件・方法を用いて上記(2)の工程を行い、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体(Texas Red色素内包ポリスチレン樹脂ナノ粒子−ストレプトアビジン複合体)を得た。
3.ストレプトアビジン修飾蛍光色素内包粒子による免疫染色および評価
上記実施例1−〜1−4、参考例1−1,1−5、および比較例1で得られた蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体、並びに、上記参考例2−1〜2−3および比較例2で得られた蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体のそれぞれについて、下記「免疫染色」に記載の手順に従って免疫染色を行い、耐光性評価および保存性評価を行った。ここで、下記の記載において、上記蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体および蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体を包含する意味で「蛍光色素内包樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体」なる語が用いられることがある。
このとき、耐光性評価および保存性評価を行う際の顕微鏡観察は、下記「蛍光顕微鏡による発光強度の測定」に記載の手順に従って行った。
[免疫染色]
上記実施例1−〜1−4、参考例1−1,1−5、および比較例1で得られた蛍光色素内包メラミン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体、並びに、上記参考例2−1〜2−3および比較例2で得られた光色素内包ポリスチレン樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体をそれぞれ用いて、ヒト乳房組織の免疫染色を行なった。
染色切片はコスモ・バイオ社製の組織アレイスライド(CB−A712)を用いた。組織アレイスライドを脱パラフィン処理後、水に置換洗浄し、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)中で15分間オートクレーブ処理することで、抗原の賦活化処理を行った。抗原の賦活化処理後の組織アレイスライドを、PBS緩衝液を用いて洗浄後、1%BSA含有PBS緩衝液を用いて湿潤箱中で1時間ブロッキング処理を行った。ブロッキング処理後、1%BSA含有PBS緩衝液で0.05nMに希釈した抗HER2ウサギモノクローナル抗体(4B5)(ベンタナ社製)を組織切片と2時間反応させた。PBSで洗浄後、1%BSA含有PBS緩衝液で希釈したビオチン標識抗ウサギ抗体と30分反応させた。さらに、上記実施例、参考例または比較例で得られた蛍光色素内包樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体と2時間反応させ、その後洗浄を行うことにより、免疫組織化学染色切片が得られた。得られた免疫組織化学染色切片を4%中性パラホルムアルデヒド水系バッファ溶液中に10分間浸漬することにより、固定処理を行った。
[蛍光顕微鏡による発光強度の測定]
蛍光顕微鏡による発光強度の測定は、カールツァイス社製蛍光顕微鏡Axio Imager Z2の観察条件下(励起波長:最大励起波長−5nm、40倍、10分)で以下の手順に従って行われた。
上記実施例、参考例または比較例で得られた蛍光色素内包樹脂粒子−ストレプトアビジン複合体を用いて上記「免疫染色」に記載の手順に従い免疫染色および固定処理のなされた免疫組織化学染色切片をAPSコートガラスに載せ、蒸留水で洗浄後、キシレン系封入剤であるエンテランニュー(メルク社製)を滴下し、カバーガラスを被せ封入した。その後、上記切片の封入されたAPSコートガラスを蛍光顕微鏡のステージに載せ、蛍光色素の最大励起波長の−5nmで励起し、蛍光画像を取得した(初期発光強度)。このときの初期発光強度を観察開始時の輝度とした。
その後、15分間励起光を照射し続けた後に蛍光画像を取得し、このときの発光強度を励起光15分間照射後の輝度とした。
[評価法1:耐光性評価]
合成後1日経過後の粒子を用いて、上記の手順に従い免疫染色を実施し、免疫染色済みサンプル上の粒子輝度を上記の手順に従い蛍光顕微鏡により測定した。
観察開始時と、励起光15分間照射後の輝度とを比較して、観察開始時を100%としたときの照射後の輝度を耐光性指標として評価し、下記の基準に基づいて判定した。
結果判断:
○ 輝度が60%以上を保持している
× 輝度が60%未満である
[評価法2:保存性評価]
合成後3ヵ月冷暗所(4℃・遮光保存容器内)保存後の粒子を用いて、上記の手順に従い免疫染色を実施し、評価法1と同様の方法で、15分間励起光照射後の輝度を測定した。具体的には、合成後1日経過後の粒子についての励起光15分間照射後の輝度を100%としたときの、合成後3ヶ月経過後の粒子についての励起光照射後の輝度を保存性指標として評価し、下記の基準に基づいて判定した。
結果判断:
○ 照射後輝度が、合成1日後の15分励起光照射後の輝度の80%以上を保持している。
× 照射後輝度が、合成1日後の15分励起光照射後の輝度の80%未満である
Figure 0006286966

Claims (3)

  1. 有機樹脂と蛍光色素と酸化防止剤とを含み、
    該酸化防止剤が、1分子中に水酸基を2つ以上有するフェノール系酸化防止剤であり、
    該有機樹脂がメラミン樹脂であり、かつ、
    該有機樹脂からなる樹脂粒子内に、該蛍光色素と該酸化防止剤とが内包されてなる蛍光標識用樹脂粒子。
  2. 請求項1記載の蛍光標識用樹脂粒子、または、請求項1記載の蛍光標識用樹脂粒子と生体関連結合性物質との複合体を含む免疫染色用蛍光標識剤。
  3. (a−1)重合工程:前記有機樹脂の原料となる樹脂原料を、前記蛍光色素および前記酸化防止剤の存在下で重合させて、蛍光色素と酸化防止剤とを内包した樹脂粒子を製造する工程
    を含む、請求項1記載の蛍光標識用樹脂粒子の製造方法。
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