JP6288433B2 - 銅コイル材、銅コイル材の製造方法、銅平角線の製造方法、及び被覆平角線の製造方法 - Google Patents

銅コイル材、銅コイル材の製造方法、銅平角線の製造方法、及び被覆平角線の製造方法 Download PDF

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本発明は、コイルの巻線などに利用される被覆平角線、コイル用巻線の導体などに利用される銅平角線、コイル用巻線の導体などの素材に利用される銅コイル材、銅コイル材の製造方法、及び銅平角線の製造方法に関する。特に、比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材に適した銅コイル材、及びこの銅コイル材を生産性よく製造可能な銅コイル材の製造方法に関するものである。
モーターなどのコイル部品に備えるコイルの巻線には、従来、エナメル線と呼ばれる被覆線が汎用されている。この被覆線は、銅(いわゆる純銅)などからなる金属線を導体とし、この導体の表面にポリアミドイミドなどの樹脂からなる絶縁被覆を備える。上記導体として、断面が円形状の丸線の他、矩形状の平角線が代表的である。平角線を導体とする巻線は、占積率が高いコイルを形成可能なため、小型なことが望まれる自動車用コイル部品の構成材料などに適する。
上記平角線は、代表的には、伸線材に圧延加工(以下、平角加工と呼ぶことがある)を施すことで製造される。具体的には、連続鋳造圧延によって得られた銅荒引線に伸線加工及び熱処理を施した伸線材を素材(母線)とし、この素材に矩形状といった所望の形状に変形するための平角加工を施すことで、上記平角線が得られる(例えば、特許文献1の明細書の段落0041)。連続鋳造圧延によって量産可能である銅荒引線を用いることで、銅平角線の素材となる伸線材の生産性、ひいては銅平角線の生産性を高められる。
特開2013−052434号公報
比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材などに適した銅線材であって、伸びが高く、生産性にも優れるものの開発が望まれている。
近年、自動車用バッテリーやモーターなどの高出力化に伴って、これらのコイル部品に用いられるコイル用巻線の導体として、断面積が比較的大きいもの(例えば10mm程度)の需要が高まっている。大断面積の銅平角線を製造するには、より太い素材、即ち大断面積の銅素材(例えば12mm以上)が必要である。しかし、伸線加工と熱処理とを行う従来の製造方法では、伸びに優れる大断面積の銅素材を生産性よく製造することが難しい。銅素材の生産性が悪いことで、ひいては大断面積の銅平角線の生産性も低下する。
汎用の大きさである銅荒引線(例えば、線径(直径)がφ8mm〜φ9.5mm程度≒断面積が50mm〜70mm程度)を用いると、銅荒引線自体を量産できる上に汎用の伸線装置や連続処理炉などを利用可能である。そのため、上記汎用の大きさの銅荒引線を用いれば、大断面積の伸線材や熱処理材の量産に寄与できる。しかし、この銅荒引線から大断面積の伸線材を得ようとすると、この銅荒引線では断面積が小さいため、この銅荒引線から所定の断面積の伸線材にするまでの伸線加工度を大きくできない。伸線加工度が低いことで、伸線後に伸線材に熱処理を施しても十分に軟化できない。そのため、上記汎用の大きさの銅荒引線を用いて伸線加工を行った場合、完全に軟化されて十分な伸びを有する大断面積の銅素材を量産すること、即ち高い伸びを有し、長尺で、かつ大断面積である銅素材を製造することが難しい。伸びが不十分であると加工性に劣る。加工性に劣る銅素材に平角加工を施すと、形状精度や寸法精度に劣る銅平角線が形成される恐れがあり、銅平角線の歩留まりの低下を招く。ここで、コイルの巻線用導体などに利用される銅平角線は、形状精度や寸法精度の許容範囲が狭く、高い精度が求められる。そのため、銅平角線に用いられる銅素材には、形状不良や寸法不良の発生を低減できるように、十分な加工性を有すること、代表的には伸びに優れることが望まれる。なお、伸線後に熱処理を施していない伸線材(硬材)では、加工性に更に劣り、銅平角線の歩留まりの更なる低下を招く。
また、伸線加工度が低いと、銅荒引線に存在する欠陥を伸線工程で除去しきれずに伸線材に残存する恐れがある。伸線材に存在する欠陥は、銅平角線に残存し易い。ここで、平角線を被覆線の導体に用いる場合、平角線の表面に割れなどの表面欠陥が存在すると、この割れに起因して、絶縁被覆の形成時に膨れなどの不良が生じ得る。絶縁被覆の膨れ箇所は電気的弱点になることから、上記膨れが存在する被覆線は、所望の耐電圧特性を満たさない恐れがあり、不良品となる。従って、表面性状に劣る銅素材、詳しくは被覆線の歩留まりの低下を招くような表面欠陥を有する銅平角線が製造され得る銅素材も不良となる。
このように汎用の大きさの銅荒引線を用いて、伸線加工及び熱処理を施して大断面積の銅素材を製造すると、長尺材を製造できるものの伸びが不十分であり、更には表面性状の劣化による歩留まりの低下を招き得る。従って、伸びが高く、生産性にも優れる銅素材の開発が望まれる。
断面積がより大きい銅荒引線を用いれば、大きな伸線加工度を確保でき、伸線加工及び熱処理を施すことで、高い伸びを有し、表面性状にも優れる大断面積の銅素材が得られる。しかし、この銅素材は、以下の(1)〜(4)の点から生産性が良いとはいえない。
(1)太い銅荒引線は巻癖がつき易く、伸線加工前に巻癖を除去する工程や真直性を高める工程などが別途必要である。
(2)太い銅荒引線では剛性が高く連続して伸線加工を施し難いため、伸線工程での巻替回数が多い。例えば、1パスごとに繰り出しと巻き取りとを行う必要がある。
(3)より太い伸線材を得易いものの、太過ぎると連続処理炉を利用できず、バッチ炉でしか軟化できないことがある。
(4)バッチ炉を用いる場合には比較的短い銅素材しか製造できず、長尺な銅素材ができない。
そこで、本発明の目的の一つは、比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材に適しており、伸びが高く、生産性にも優れる銅コイル材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、大断面の銅平角線の素材に適しており、伸びが高い銅コイル材を生産性よく製造可能な銅コイル材の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、コイル用巻線の導体などに適した銅平角線、この銅平角線を備える被覆平角線、比較的大きな断面積を有する銅平角線を生産性よく製造可能な銅平角線の製造方法を提供することにある。
本発明の銅コイル材は、純銅又は銅合金から構成される銅線材がコイル状に巻き取られてなり、前記銅線材の断面積が12mm以上40mm以下であり、前記銅線材の破断伸びが30%以上であり、質量が100kg以上であり、前記銅線材の表面に潤滑層を備え、圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる。
本発明の銅コイル材の製造方法は、連続鋳造圧延材を用意する工程と、前記連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して銅線材を製造する工程と、前記銅線材の表面に潤滑層を形成した後、コイル状に巻き取って銅コイル材を製造する工程とを備え、前記銅コイル材は、巻き戻した前記銅線材に圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる。
本発明の銅コイル材は、伸びが高く、生産性にも優れる。本発明の銅コイル材の製造方法は、伸びが高い銅コイル材を生産性よく製造できる。
実施形態の銅コイル材を示す概略斜視図である。 コンフォーム押出装置の一例を示す概略構成図である。 実施形態の銅コイル材の製造方法、及び実施形態の銅平角線の製造方法の工程を説明する工程説明図である。
[本発明の実施の形態の説明]
本発明者らは、比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材に適した大断面積の銅素材を量産可能な製造方法を種々検討した。その結果、連続鋳造圧延によって得られた銅荒引線にコンフォーム押出を施すことで、伸線加工及び熱処理を施すことなく、伸びが高く、表面性状にも優れる長尺な銅線材が得られる、との知見を得た。また、この銅線材に圧延加工(平角加工)を施すことで、形状精度や寸法精度に優れる銅平角線が得られる、との知見を得た。
ここで、コンフォーム押出は、JIS規格における1000系アルミニウムといった純アルミニウムの押出(アルミニウム被覆鋼線、多孔偏心管など)に汎用されている。また、コンフォーム押出は、銅被覆鋼線といった銅被覆に利用されている。
コンフォーム押出は、断面円形状の丸線は勿論、種々の外形(例えば、矩形、多角形、楕円など)を有する異形押出材を成形可能である。また、コンフォーム押出は、種々の断面積を有する押出材の量産(長尺な押出材の生産)が可能である。そこで、銅荒引線にコンフォーム押出を施して、大断面積の銅平角線を直接製造することを試みたところ、所定の形状精度や寸法精度から外れた形状不良品や寸法不良品が得られた。この理由は、銅は、純アルミニウムよりも加工性に劣るためと考えられる。そこで、銅荒引線にコンフォーム押出を施し、得られた押出材に圧延加工(平角加工)を施したところ、銅平角線を高精度に形成できた。また、得られた銅平角線に絶縁被覆を施したところ、被覆の膨れが生じ難かった。そして、上記押出材は、高い伸びを有しており、表面性状も優れていた。従って、この押出材は、銅平角線の素材に好適に利用できる、といえる。本発明は、上記知見に基づくものである。最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1) 実施形態に係る銅コイル材は、純銅又は銅合金から構成される銅線材がコイル状に巻き取られてなり、圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる。上記銅線材の断面積が12mm以上40mm以下である。上記銅線材の破断伸びが30%以上である。銅コイル材の質量が100kg以上である。上記銅線材の表面に潤滑層を備える。
実施形態の銅コイル材は、以下の(A)〜(D)の点から、特に比較的大きな断面積を有する銅平角線(例えば、断面積が10mm程度以上)の素材に好適に利用することができる。特に、実施形態の銅コイル材は、伸びが高く加工性に優れることから上記素材に利用することで、形状精度及び寸法精度に優れる銅平角線を製造できる。
(A)高い伸びを有することから、平角状に変形するための圧延加工(平角加工)の加工性に優れる。
(B)断面積が特定の範囲であって質量が十分に大きいため銅線材が十分に長いといえ、長尺であることから銅平角線を量産できる。
(C)断面積が特定の範囲であることから、大きな断面積を有する銅平角線を形成可能である。
(D)潤滑層を備えることから、潤滑層を、銅線材の巻取時の潤滑材や銅コイル材を巻き戻して繰り出すときの潤滑材に利用できる。また、潤滑層を、巻き戻した銅線材に平角加工を施すときの潤滑材に利用でき、精度よく平角加工を行える。
また、実施形態の銅コイル材は、以下の(a)〜(d)の点から生産性にも優れる。
(a)例えば、連続鋳造圧延材(銅荒引線)にコンフォーム押出を施して得られた長尺な銅線材を巻き取ることで製造できることから、伸線工程及び熱処理工程の双方が不要であり、製造工程数が少ない。
(b)コンフォーム押出を利用することで伸線加工度を考慮する必要がないため、太い銅荒引線を用いなくてもよく、汎用の大きさの銅荒引線を用いることができる。
(c)連続鋳造圧延及びコンフォーム押出を利用することで、長尺材を容易に製造できる。
(d)潤滑層を備えるため、滑り性に優れることから、巻取時に銅線材を巻き取り易く、銅線材にキズなどがつき難い。
実施形態の銅コイル材がコンフォーム押出を経て製造された場合には、以下の点から、表面性状に優れる上に、伸びも更に高くなり易い。更には、伸びだけでなく、強度にも優れる銅コイル材となり易い。この銅コイル材は、圧延加工(平角加工)の加工性に更に優れており、銅平角線の素材、特に大断面積の銅平角線の素材に好適に利用できる。
・押出加工に基づく塑性変形によって表面欠陥がない新生面を形成可能である。
・押出時の動的再結晶化によって微細な結晶粒から構成される加工組織(微細な結晶組織)となる。
・押出時の塑性変形や動的再結晶化によって、割れや破断などの起点となり得る表面欠陥や粗大粒が低減される上に、均一的な大きさの結晶になり易い。
(2) 実施形態に係る銅コイル材の一例として、上記銅線材の平均結晶粒径が5μm以上40μm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、銅線材が微細な結晶組織から構成されていることで、伸びに優れる上に表面性状にも優れており、圧延加工(平角加工)の加工性に優れる。そのため、上記形態の銅コイル材を銅平角線の素材に用いることで、形状精度や寸法精度に優れる上に表面性状にも優れる銅平角線を生産性よく製造できる。
(3) 実施形態に係る銅コイル材の一例として、上記銅線材の引張強さが230MPa以上である形態が挙げられる。
上記形態は、伸びが高い上に強度にも優れることから、圧延加工(平角加工)の加工性に優れる。そのため、上記形態の銅コイル材を銅平角線の素材に用いると、割れや破断などが生じ難く、銅平角線を生産性よく製造できる。
(4) 実施形態に係る銅平角線は、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の実施形態の銅コイル材を巻き戻した上記銅線材に圧延加工を施して製造されている。
実施形態の銅平角線は、特定の断面積を有する銅コイル材を素材にしているため、比較的大きな断面積(例えば10mm程度以上)を有することができる。また、実施形態の銅平角線は、伸びが高い銅コイル材を素材にしているため、伸びが高い。更に、実施形態の銅平角線は、伸びが高く圧延加工(平角加工)の加工性に優れる実施形態の銅コイル材を素材にしているため、形状精度及び寸法精度にも優れる。加工性に優れることで平角加工の加工時に割れや破断が生じ難く、実施形態の銅平角線は、生産性にも優れる。銅コイル材がコンフォーム押出を経て製造されている場合には、表面性状に優れる銅コイル材を素材にしているため、実施形態の銅平角線は、表面性状にも優れる。このような実施形態の銅平角線は、コイル用巻線の導体などに好適に利用できる。
(5) 実施形態に係る被覆平角線は、上記実施形態の銅平角線からなる導体と、この導体の表面に形成された絶縁被覆とを備える。
実施形態の被覆平角線は、伸びに優れる実施形態の銅平角線を導体に備えることで、巻回などの曲げ加工が行い易く、コイルの巻線などに好適に利用できる。表面性状に優れる実施形態の銅平角線を導体にしている場合には、被覆の形成時に被覆の膨れが生じ難く、実施形態の被覆平角線は、生産性にも優れる。
(6) 実施形態に係る銅コイル材の製造方法は、以下の準備工程と、押出工程と、巻取工程とを備える。
(準備工程)連続鋳造圧延材を用意する工程。
(押出工程)上記連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して銅線材を製造する工程。
(巻取工程)上記銅線材の表面に潤滑層を形成した後、コイル状に巻き取って銅コイル材を製造する工程。
上記銅コイル材は、巻き戻した上記銅線材に圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる。
実施形態の銅コイル材の製造方法は、以下の(Α)、(Β)の点から、伸びが高く表面性状にも優れる銅コイル材(代表的には上述の実施形態の銅コイル材)を製造することができる。また、実施形態の銅コイル材の製造方法は、以下の(α)〜(ε)の点から、このような銅コイル材を生産性よく製造できる。
(Α) 押出時の動的再結晶化によって、微細で均一的な大きさの結晶粒を形成できる。
(Β) 押出加工に基づく塑性変形によって表面欠陥がない新生面を形成できる。
(α)伸線工程及び熱処理工程の双方が不要であり、製造工程数が少ない。
(β)押出条件を調整することで種々の断面積を有する銅線材を容易に製造可能であるため、連続鋳造圧延材として、太いものは勿論、汎用の大きさのものを用いることができる。
(γ)連続鋳造圧延及びコンフォーム押出のいずれも、長尺材を容易に製造できる。
(δ)連続鋳造圧延材は、動的再結晶化による微細な結晶組織を有しており、コンフォーム押出といった塑性加工の加工性に優れるため、押出時に過負荷になり難く、コンフォーム押出を良好に行える。
(ε)潤滑層を形成することで滑り性に優れるため、巻取時に銅線材を巻き取り易く、銅線材にキズなどをつけ難い。
特に、実施形態の銅コイル材の製造方法は、連続鋳造圧延以降に伸線工程及び熱処理工程を行うことなく、破断伸びが30%以上という高い伸びを有する銅コイル材を製造可能な点で、工業的意義が高い。また、実施形態の銅コイル材の製造方法によって製造された銅コイル材は、比較的大きな断面積を有する銅平角線(例えば、断面積が10mm程度以上)の素材に好適に利用することができる。この銅コイル材を巻き戻して銅線材に圧延加工(平角加工)を施すことで銅平角線を容易にかつ高精度に製造できることから、実施形態の銅コイル材の製造方法は、銅平角線の生産性の向上に寄与することができるといえる。
(7) 実施形態に係る銅コイル材の製造方法の一例として、上記連続鋳造圧延材の断面積が50mm以上750mm以下であり、上記銅線材の断面積が12mm以上40mm以下である形態が挙げられる。
上記形態は、連続鋳造圧延材及び銅線材の双方が十分な大きさを有することから、比較的大きな断面積を有する銅平角線(例えば、断面積が10mm程度以上)の素材に好適な銅コイル材を生産性よく製造することができる。
(8) 実施形態に係る銅平角線の製造方法は、以下の準備工程と、押出工程と、巻取工程と、圧延工程とを備える。
(準備工程)連続鋳造圧延材を用意する工程。
(押出工程)上記連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して銅線材を製造する工程。
(巻取工程)上記銅線材の表面に潤滑層を形成した後、コイル状に巻き取って銅コイル材を製造する工程。
(圧延工程)上記銅コイル材を巻き戻し、上記銅線材に圧延加工を施して銅平角線を製造する工程。
実施形態の銅平角線の製造方法は、上述の(Α)、(Β)及び(α)〜(ε)の点から伸びが高く表面性状にも優れる銅コイル材を生産性よく製造でき、この銅コイル材を素材に用いることで、伸びが高く表面性状にも優れる銅平角線を生産性よく製造することができる。特に、実施形態の銅平角線の製造方法では、コンフォーム押出後、銅線材の巻取前に潤滑層を形成することで銅線材を巻き取り易い上に、この潤滑層を上述(D)のように次の圧延加工(平角加工)用の潤滑材として利用できることから、銅平角線の生産性をより高められる。ここで、伸線後に熱処理を施した銅線材では、伸線材に潤滑材を塗布していても、熱処理によってこの潤滑材が焼失する。そのため、熱処理した伸線材を銅平角線の素材に用いると、巻き戻し時や平角加工時の滑り性が不十分なことがある。実施形態の銅平角線の製造方法は、潤滑層によって上記滑り性を高められることから、熱処理した伸線材を銅平角線の素材に用いる場合に比較して、素材(実施形態の銅線材)に平角加工をより高精度に施すことができる。その結果、実施形態の銅平角線の製造方法は、形状不良や寸法不良の発生を抑制して、形状精度及び寸法精度に優れる銅平角線を生産性よく製造できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態をより詳細に説明する。銅コイル材、銅平角線、被覆平角線の順に説明し、次に製造方法を説明する。
[銅コイル材]
実施形態の銅コイル材1は、図1に示すように長尺な銅線材10がコイル状に巻き取られたものであり、銅平角線の素材に利用される。銅線材10は、その表面に潤滑層12を備える。巻き取られた銅線材10がつくるターン間には、この潤滑層12が介在する。そのため、銅線材10を巻き戻して繰り出すとき、この潤滑層12によって銅線材10が滑り易い、即ち銅コイル材1は滑り性に優れ、繰り出しなどを行い易い。以下、銅コイル材1の主体である銅線材10をまず説明する。
(組成)
銅線材10の構成材料は、いわゆる純銅、又は銅合金(添加元素を含み、残部がCu及び不可避不純物)とする。純銅は、例えば、無酸素銅(Cu含有量が99.95質量%以上、酸素含有量が0.005質量%以下)、タフピッチ銅(Cu含有量が99.90質量%以上)、リン脱酸銅(例えば、Cu含有量が99.90質量%以上、P含有量0.015質量%未満)などが挙げられる。銅合金の添加元素は、例えば、錫(Sn),ニッケル(Ni),ケイ素(Si),鉄(Fe),リン(P),銀(Ag)及びクロム(Cr)の少なくとも1種の元素が挙げられる。各元素の含有量は、例えば、0.05質量%以上1質量%以下が挙げられ、複数種の添加元素を含む場合には合計含有量は、0.1質量%以上6質量%以下が挙げられる。純銅は、伸びや導電率が高い銅線材10や銅平角線を得易い。銅合金は、強度に優れる銅線材10や銅平角線を得易い。
なお、実施形態の銅平角線、実施形態の銅コイル材の製造方法などに用いる連続鋳造圧延材の構成材料も、上述の純銅又は銅合金とする。
(組織)
銅線材10は、代表的には、その表面から内部に至る実質的に全域に亘って、微細な結晶によって構成された形態が挙げられる。特に、銅線材10の平均結晶粒径が40μm以下であると、伸びや強度が高くなり易く加工性に優れて好ましい。例えば、この銅線材10に圧延加工(平角加工)を施した場合に銅線材10の全体を均一的に変形させられて割れなども生じ難く、この形態は、長尺な銅平角線を生産性よく製造できる。銅線材10の平均結晶粒径は、小さいほど、伸びに優れ、平角加工の加工性に優れる傾向にあることから、30μm以下、更に20μm以下が好ましい。銅線材10の結晶粒径は、代表的には押出条件によって調整できる。例えば、押出加工度を大きくすると、結晶粒径を小さくし易い。押出加工度を大きくし過ぎると、つまり、押出時の負荷を高め過ぎると、押出し難くなり、銅コイル材1の生産性の低下を招く。従って、銅線材10の平均結晶粒径は、5μm以上が好ましく、平角加工の加工性と押出時の加工性とを考慮すると、7μm以上、更に10μm以上が好ましい。
銅線材10の結晶粒径の測定は、銅線材10をその軸方向に平行な平面で切断した断面、いわゆる縦断面、又は銅線材10をその軸方向に直交する平面で切断した断面、いわゆる横断面をとり、この断面を用いて行う。銅線材10がコンフォーム押出を経て製造された場合には、縦断面でも横断面でも粒状の組織を確認できることから、結晶粒径の測定には、縦断面及び横断面のいずれも用いることができる。測定方法の詳細は後述する。
(形状)
銅線材10は、製造条件によって種々の外形(断面形状)を有することができる。特に、銅線材10が断面円形状の丸線であると、(1)コンフォーム押出などによって押し出し易く、形状精度や寸法精度に優れるもの、更に表面性状にも優れるものを製造し易い、(2)潤滑層12を均一的な厚さに形成し易い、(3)巻き取り易い、(4)圧延加工(平角加工)を均一的に施し易く、形状精度や寸法精度に優れる平角線を得易い、といった利点を有する。銅線材10がコンフォーム押出を経て製造される場合には、断面矩形状、多角形状、楕円状などに容易に成形可能であるが、上述の利点から丸線が好ましい。
(断面積)
銅線材10は、製造条件によって種々の大きさを有することができる。実施形態の銅コイル材1は、比較的大断面積を有する銅平角線を製造できるように、銅線材10の断面積がある程度大きいことを特徴の一つとする。具体的には、銅線材10の横断面における断面積が12mm以上40mm以下とする。銅線材10が丸線の場合には、線径(直径)がφ3.9mm以上7.1mm以下程度である。断面積が12mm以上であることで、断面積が10mm程度以上といった大断面積の銅平角線の素材に好適に利用できる。断面積が40mm以下であることで、銅線材10の巻き取り及び繰り出しが容易であり、次の工程に用いる平角加工装置への供給などを行い易い。銅線材10の断面積は、12.5mm以上33.5mm以下(線径ではφ4mm以上6.5mm以下)、更に12.5mm以上28.5mm以下(線径ではφ4mm以上6mm以下)とすることができる。
(質量)
実施形態の銅コイル材1は、銅平角線の素材とすることから、平角加工装置に連続供給して銅平角線を量産できるように長いことが好ましい。銅線材10が長いほど、銅コイル材1の質量が大きくなることから、銅コイル材1の質量は50kg以上が好ましく、実施形態の銅コイル材1では100kg以上とする。銅線材10の組成や断面積の大きさにもよるが、銅コイル材1の質量が100kg以上である場合、銅線材10の長さは例えば350m以上になる。銅コイル材1の質量は、150kg以上(例えば500m以上)、更に200kg以上(例えば700m以上)、更には300kg以上(例えば1000m以上)とすることができる。銅コイル材1の質量の上限は特に設けないが、5000kg以下、更に2000kg以下とすると、汎用の平角加工装置に供給し易かったり、搬送し易かったりすると期待される。
(表面性状)
銅線材10は、代表的には鋳造以降に少なくとも一つの塑性加工を経て製造されることで、割れなどの表面欠陥が少なく又は実質的になく表面性状に優れる。例えば、連続鋳造圧延材を用いて製造された場合には、圧延によって、鋳造工程で生じた表面欠陥(ヒケ、表面割れ、ブローホールなど)が除去されたり、動的再結晶化によって微細な結晶組織となったりすることで、表面性状に優れる銅線材10になり易い。特に、銅線材10がコンフォーム押出を経て製造された場合には、押出時に新生面が形成されて、割れなどの表面欠陥が無くなって、表面性状に非常に優れた銅線材10となる。塑性加工などによって、上述のような微細な結晶組織となることでも(例えば、平均結晶粒径が40μm以下)、銅線材10は、表面性状に優れる。
(機械的特性)
銅線材10は、伸びが高いことを特徴の一つとする。具体的には、銅線材10は、室温における破断伸びが30%以上を満たす。特に、銅線材10がコンフォーム押出を経て製造された場合には、銅線材10の全長に亘って高い伸びを有することができる。即ち、実施形態の銅コイル材10の代表的な形態では、その長手方向の任意の位置について破断伸びを測定した場合に30%以上という高い伸びを有する。銅線材10の組成や製造条件などによっては、室温における破断伸びが35%以上、更に40%以上を満たす形態とすることができる。
銅線材10の一例として、強度にも優れる形態、例えば、室温における引張強さが230MPa以上を満たす形態が挙げられる。銅線材10は、代表的には、上述のように表面性状に優れたり、微細な結晶組織によって構成されていたりすることで、このような高強度材である。銅線材10の組成や製造条件などによっては、室温における引張強さが240MPa以上、更に245MPa以上を満たす形態とすることができる。このように伸びだけでなく強度にも優れる銅線材10を素材にすることで、伸びや強度などの機械的特性に優れる銅平角線が得られる。
(導電率)
銅線材10は、上述のように純銅又は銅合金によって構成されることから、高い導電率を有することができる。銅線材10の組成や製造条件などにもよるが、銅線材10の室温における導電率が、98%IACS以上、更に99%IACS以上、更には100%IACS以上を満たす形態が挙げられる。
(潤滑層)
銅線材10は、その表面に潤滑層12を備えることを特徴の一つとする。潤滑層12は、銅線材10を巻き取る前に形成されて、銅線材10の巻取時の滑り性を高める機能、及び銅コイル材1を巻き戻して繰り出すときの滑り性を高める機能を有する。更に潤滑層12は、銅線材10に圧延加工(平角加工)を施すときの滑り性を高めることにも利用できる。潤滑層12は、これらの機能を奏する種々の材料、厚さを選択できる。
潤滑層12を構成する潤滑材は、例えば、鉱物油、合成油及び植物油などから選択される1種以上の油と表面活性剤との混合物、油脂と石鹸とを主成分としたものなどが挙げられる。具体的には、株式会社日本油剤研究所製のルーブライト(登録商標)、RichardsApex株式会社製の型番Lubro30FM、D.A.Stuart株式会社製の型番WM561などが挙げられる。銅製の線材に利用される公知の潤滑材を利用することができる。
潤滑層12の厚さは、例えば、0.004μm以上0.4μm以下程度が挙げられる。銅線材10の表面における潤滑材の付着量を0.5μg/cm以上50μg/cm以下程度とすることで、上述の範囲の厚さにすることができる。更に潤滑層12の厚さを0.007μm以上0.07μm以下、付着量を0.9μg/cm以上9μg/cm以下とすることができる。潤滑層12が上述の範囲で厚く、付着量が多いと、巻き取り時や繰り出し時の滑り性、圧延加工時の加工性に優れる。潤滑層12が上述の範囲で薄く、付着量が少ないと、保管時や搬送時などで荷崩れなどを防止でき、取扱い易い。潤滑層12の形成方法は後述する。
(用途)
実施形態の銅コイル材1は、銅平角線の素材、詳しくは銅コイル材1を巻き戻して圧延加工(平角加工)を施すことで形成される銅平角線の素材に好適に利用することができる。その他、銅コイル材1は、電線の導体といった種々の導電部材の素材に利用することができる。
[銅平角線]
実施形態の銅平角線は、上述の実施形態の銅コイル材1(銅線材10)を素材とし、この素材に圧延加工(平角加工)を施して、断面形状を矩形状に成形することで製造されたものである。
(組織)
実施形態の銅平角線は、上述の製造方法から、銅線材10と同様な組織を有する。即ち、この銅平角線は、代表的には銅線材10と同等程度の微細な結晶組織、又は銅線材10よりも微細な結晶組織によって構成される。
(形状)
実施形態の銅平角線は、横断面が矩形状であり、代表的には厚さtに対する幅wの比(w/t)が1超である偏平な形状、つまり厚さよりも幅が広い形状である。上記比(w/t)は適宜選択することができ、1.5以上、更に2以上、更には2.5以上とすることができる。なお、圧延条件によっては、銅平角線を、上記比(w/t)が1である正方形状の角線とすることができる。
(大きさ)
実施形態の銅平角線の断面積、幅w、厚さtは、圧延条件によって容易に変更することができる。特に、実施形態の銅平角線としては、断面積が5mm以上100mm以下程度、厚さtが0.5mm以上5mm以下程度、幅wが1mm以上20mm以下程度、が挙げられる。このような比較的大断面積を有する銅平角線をコイル用巻線の導体に用いることで、高出力のコイルを提供できる。断面積は、10mm程度とすることができる。なお、圧延条件によっては、断面積を実質的に変更することなく、横断面形状(外形)のみを変形可能である。
(機械的特性・導電率)
実施形態の銅平角線は、上述の銅線材10に圧延加工(平角加工)といった塑性加工が施されることで、加工硬化によって強度が高められる傾向にある。従って、実施形態の銅平角線として、室温における引張強さが上述の銅線材10よりも高い形態が挙げられる。一方、上述の平角加工に基づく加工歪みによって伸びや導電率が低くなる傾向にある。従って、実施形態の銅平角線として、室温における破断伸び及び導電率の少なくとも一方が上述の銅線材10よりも低い形態が挙げられる。
(用途)
実施形態の銅平角線は、伸びや強度に優れて巻回などの作業が行い易いことから、コイル用巻線の導体に好適に利用することができる。実施形態の銅平角線を導体とする場合には、そのまま利用してもよいし(裸線として利用する)、その表面に絶縁被覆を形成した被覆平角線として利用することもできる。その他、銅平角線は、適宜な長さに切断したり、プレス加工などによって所望の形状に変形したりして、種々の導電部材に利用することができる。
[被覆平角線]
実施形態の被覆平角線は、上述の実施形態の銅平角線20(図3)を導体として備え、この導体の表面に絶縁被覆(図示せず)を更に備える。
(導体)
実施形態の被覆平角線に備える導体は、上述の実施形態の銅平角線の組成、形状及び大きさを実質的に維持する。従って、この導体は、代表的には、断面積が5mm以上100mm以下程度、上述の比(w/t)が1超である偏平な矩形状である。導体の断面積は、10mm程度、厚さは0.5mm以上5mm以下程度、幅は、1mm以上20mm以下程度とすることができる。この導体は、実施形態の銅平角線に加工歪みの除去などを目的とした熱処理を施したものが挙げられる。熱処理を施すことで伸びや導電率を向上することができることから、実施形態の被覆平角線として、室温における破断伸び及び導電率の少なくとも一方が上述の実施形態の銅平角線よりも高い形態が挙げられる。実施形態の被覆平角線は、伸びに優れて巻回などの作業が行い易く、導電性にも優れることから、コイル用巻線に好適に利用することができる。特に、実施形態の被覆平角線が上述の大断面積を有する実施形態の銅平角線を備える場合には、高出力のコイル用巻線に好適に利用することができる。なお、上記熱処理によって結晶粒が若干成長するものの、熱処理前の銅平角線の結晶粒が上述のように微細であれば、熱処理後も微細な結晶組織とすることができる。
(絶縁被覆)
絶縁被覆の材質は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミド、ポリウレタン、ポリエステルなどの電気絶縁性に優れる樹脂が挙げられる。絶縁被覆の厚さは、所望の耐電圧特性に応じて選択するとよい。例えば、絶縁被覆の厚さは、0.01mm(10μm)以上0.5mm(500μm)以下程度、更には0.02mm(20μm)以上0.1mm(100μm)以下が挙げられる。
[銅コイル材の製造方法]
実施形態の銅コイル材1は、代表的には、銅素材にコンフォーム押出を施すことで製造することができる。コンフォーム押出を利用することで、(1)長尺な銅線材10を連続して製造できる(量産できる)、(2)高い伸びを有する銅線材10を製造できる、(3)押出時の塑性変形によって新生面を形成して表面性状に優れる銅線材10を製造できる、(4)種々の大きさの銅素材を利用でき、かつ種々の形状、大きさの銅線材10を製造できる(銅素材における大きさの選択の自由度が大きい、銅線材10の形状及び大きさの選択の自由度が大きい)、(5)押出時の動的再結晶化によって結晶粒を微細にして、微細な結晶組織から構成される銅線材10が得られる、といった多数の利点を有する。特に、銅素材として、再結晶組織を有するものを利用することで、銅素材自体が押出加工性に優れることから、形状精度や寸法精度、表面性状に優れる銅線材10を得易い。この形態は、動的再結晶化が可能な加工であるコンフォーム押出を、再結晶組織を有する銅素材に施す点を特徴とする。再結晶組織を有する銅素材として、鋳造材に圧延や伸線、押出、鍛造などの加工を施したものが挙げられる。特に、再結晶組織を有する銅素材として、連続鋳造圧延材を利用すると、銅素材を量産できることから、ひいては銅線材10の生産性の向上に寄与することができる。そこで、実施形態の銅コイル材の製造方法では、銅素材として連続鋳造圧延材を用いることを提案する。以下、実施形態の銅コイル材の製造方法に備える各工程(準備工程、押出工程、巻取工程)を順に説明する。
(準備工程)
この工程では、銅素材となる連続鋳造圧延材100(図3)を用意する。連続鋳造圧延材100は、連続鋳造に引き続いて圧延加工を施すことが可能な設備を利用することで製造可能である。連続鋳造は、例えば、双ベルト方式、ベルトアンドホイール方式、横引鋳造方式などが挙げられる。連続鋳造圧延は、例えば、コンチロッド方式、プロペルチ方式、SCR(Southwire Continuous Rod)方式などが挙げられる。市販の連続鋳造圧延材(銅荒引線)を利用することができる。
連続鋳造圧延材の形状、大きさ(線径、断面積、長さなど)は、適宜選択することができる。連続鋳造圧延材100は、代表的には、断面円形状の丸線が挙げられる。また、連続鋳造圧延材100は、コンフォーム押出後の銅線材10の断面積を12mm以上にできる程度の断面積を有することが好ましい。特に、連続鋳造圧延材100の断面積が50mm以上(丸線の場合には線径換算でφ7.98mm以上程度)であると、断面積が12mm以上の銅線材10を製造可能である上に、汎用装置で製造可能な大きさを含むことから連続鋳造圧延材100の生産性に優れ、ひいては銅線材10の生産性の向上に寄与することができる。連続鋳造圧延材100が大き過ぎると生産性の低下を招くことから、連続鋳造圧延材100の断面積は750mm以下(線径換算でφ30mm以下程度)が好ましい。連続鋳造圧延材100の断面積を700mm以下(線径換算でφ30mm未満程度)、更に365mm以下(線径換算でφ22mm未満程度)、更には270mm以下(線径換算でφ19mm未満程度)とすることができる。連続鋳造圧延材100の断面積を150mm以下(線径換算でφ15mm未満程度)、更に140mm以下(線径換算でφ13.5mm以下程度)とすると、(1)汎用装置で容易に製造可能であり、連続鋳造圧延材の生産性に更に優れて、銅線材10の生産性の更なる向上に寄与することができる、(2)巻癖などがつき難く、圧延加工(平角加工)を施す際に巻癖の除去や直進性を高めるための加工などを省略でき、銅平角線20の生産性の向上に寄与することができる、といった利点を有する。
(押出工程)
この工程は、用意した銅素材(連続鋳造圧延材100)にコンフォーム押出を施して銅線材10を製造する工程である。コンフォーム押出には、市販のコンフォーム押出装置を利用できる。以下、図2を参照してコンフォーム押出装置及び押出原理を説明する。
コンフォーム押出装置200は、回転可能に支持された円筒状のホイール210と、ホイール210の周方向に設けられて、素材となる線材(ここでは連続鋳造圧延材100)が配置される溝212と、溝212の開口部の一部を覆って蓋として機能するシュー220と、溝212に取り付けられて上記素材を堰き止めるアバットメント232と、堰き止められた材料を押し出すダイス234と、ダイス234を収納するダイチャンバ230とを備える。
回転するホイール210の溝212に、素材である連続鋳造圧延材100を挿入すると、ホイール210と素材との間の摩擦力によって素材が順次引き込まれる。引き込まれた素材がアバットメント232によって堰き止められ、かつ、溝212がシュー220によって閉塞されることによって、押出圧力が発生する。この押出圧力によって、ダイチャンバ230の材料溜まり箇所(アバットメント232とダイス234に囲まれた箇所)に素材が流れ込み、ダイス234によって、この素材を所望の形状に押し出して成形し、押出材(ここでは銅線材10)が製造できる。押出時、ダイス234近傍から屑(バリ)300が生じ得る。
押出時、素材は、摩擦熱や変形熱により発熱する。従って、別途、加熱手段を使用しなくても、高温状態(例えば、200℃以上)とすることができる。高温状態となることで、素材の塑性加工性(押出性)を高められる。冷却手段や加熱手段を別途用意して、ダイチャンバ230(ダイス234)の温度を調整することで、所望の押出状態とすることができる。得られた押出材(銅線材10)は、押出時の動的再結晶化と上述の熱とによって再結晶組織となっている。また、再結晶化によって微細な結晶組織を有する銅線材10は、高い伸び(破断伸びが30%以上)を有する上に、表面性状にも優れる。更には、この銅線材10は、強度にも優れる(例えば、引張強さが230MPa以上)。このように高い伸びなどを有する銅線材10をコンフォーム押出後に伸線加工及び軟化処理といった熱処理を別途施すことなく製造できる点で、実施形態の銅コイル材の製造方法は、銅平角線の素材に適した銅コイル材1を生産性によく製造できるといえる。
コンフォーム押出によって、所望の大きさの銅線材10が得られるように、好ましくは断面積が10mm以上程度の大断面積を有する銅平角線20を製造可能な12mm以上40mm以下の断面積を有する銅線材10が得られるように、ダイス234の大きさなどを選択する。なお、コンフォーム押出では、コンフォーム押出前後における大きさを実質的に変化させないこともできるし、変化させることもできる(押出前の素材に対して、押出材の方が大きいものも押出材の方が小さいものも押出できる)。つまり、コンフォーム押出によって断面積が12mm未満の銅線材や40mm超の銅線材を製造可能である。従って、実施形態の銅コイル材の製造方法は、断面積が12mm未満又は40mm超であり、高い伸びが望まれる銅線材の製造にも利用することができる。
(巻取工程)
この工程は、コンフォーム押出が施された銅線材10の外周に潤滑層12を形成してから巻き取って、銅コイル材1を製造する工程である。潤滑層12の形成方法は、例えば、(1)所定の形状に押し出された銅線材10を巻取前に冷却する場合に、冷却槽内の冷却媒体に潤滑材を添加しておき、銅線材10を冷却槽に浸漬通過させて冷却すると共に潤滑材を付着する方法、(2)巻取機の前に潤滑材の噴霧ノズルや塗布用ブラシ、潤滑材を含むスポンジなどを設けておき、ノズルから潤滑材を噴霧したりブラシやスポンジで撫でたりすることで、巻取機前を通過する銅線材10に潤滑材を付着する方法などが挙げられる。潤滑層12の形成方法には、線材に潤滑材を付着させる公知の方法を利用できる。冷却媒体に対する潤滑材の濃度(添加量)、冷却槽への浸漬時間、噴霧圧力、噴霧時間、銅線材10の走行速度、ブラシなどの押付力などを調整することで、潤滑層12の厚さ(付着量)を調整することができる。銅線材10の巻き取りは、公知の巻取機を利用することができる。銅線材10の表面に潤滑層12を備えることで、巻取時の滑り性に優れて巻き取り易い。銅線材10の断面積が40mm以下であれば、剛性が高過ぎず更に巻き取り易い。
[銅平角線の製造方法]
実施形態の銅平角線20は、上述の実施形態の銅コイル材1を巻き戻して、銅線材10を断面矩形状に変形するための圧延加工(平角加工)を銅線材10に施すことで製造することができる。そこで、実施形態の銅平角線の製造方法として、図3に示すように、上述の準備工程(連続鋳造圧延材100の用意)、押出工程(銅線材10の作製)、巻取工程(潤滑層12を備える銅線材10を巻き取った銅コイル材の作製)に加えて、圧延工程(銅平角線20の作製)を備えることを提案する。以下、圧延工程を説明し、準備工程、押出工程、巻取工程については既に説明しているため、詳細な説明を省略する。
(圧延工程)
この工程は、コンフォーム押出を経て製造された銅コイル材1に圧延加工(平角加工)を施して、断面形状を変化させて、銅平角線20を製造する工程である。圧延条件は、所望の厚さ、幅、断面積などを有する銅平角線20が得られるように適宜選択するとよい。コンフォーム押出を経ることで伸びが高い上に、微細な結晶組織を有して加工性に優れる銅線材10を素材とすることで、この圧延工程では、断面積が比較的大きい銅平角線20、具体的には断面積が10mm程度以上の銅平角線20を容易に加工できる。従って、実施形態の銅平角線の製造方法は、上述の大断面積を有する銅平角線20を生産性よく製造できる。
[被覆平角線の製造方法]
実施形態の被覆平角線は、例えば、上述の銅平角線20に熱処理を施して熱処理線材を形成する熱処理工程と、上記熱処理線材を導体とし、この導体の表面に絶縁被覆を形成する被覆工程とを備える製造方法によって製造することができる。
上記熱処理は、圧延加工(平角加工)によって導入された歪みの除去を主目的とする。歪みの除去によって、上述のように伸びや導電率の向上を図ることができる。熱処理条件は、例えば、加熱温度が100℃以上550℃以下程度、保持時間が0.2秒以上10時間以下程度、が挙げられる。熱処理は、バッチ処理及び連続処理のいずれを利用してもよい。連続処理とすると、長尺な銅平角線20に対して熱処理を連続的に行える上に、保持時間を短くできる。この熱処理を省略することもできる。
上記絶縁被覆の形成は、例えば、公知のエナメル線の製造に利用されている公知の手法を利用できる。代表的には、導体の表面に絶縁被覆を構成する樹脂を塗布する工程と、上記樹脂が塗布された導体を焼付炉に通して上記樹脂を乾燥・硬化させて焼付する工程とを、絶縁被覆が所定の厚さに達するまで1回又は複数回繰り返すことが挙げられる。
[試験例1]
純銅からなる線材を種々の条件で作製し、得られた線材の表面性状、組織、機械的特性を調べた。また、この線材から銅平角線を作製し、更にこの銅平角線を導体として備える被覆平角線を作製して、被覆状態を調べた。
原料として、純銅(Cu含有量が99.9質量%以上であるタフピッチ銅)を用意して、溶湯を作製した。作製した溶湯を用いて、コンチロッド方式の連続鋳造圧延によって、表1に示す断面積(mm)及び線径φ(直径、mm)を有する断面円形状の連続鋳造圧延材(銅荒引線)を作製した。
試料No.1−1〜No.1−4では、線径φ9.5mmの銅荒引線にコンフォーム押出を施して、断面円形状の銅線材(コンフォーム押出材)を100kg(長さ約400m、約250g/m)作製し、コイル状に巻き取った。押出条件は、押出速度を12m/min〜30m/min程度、チャンバ温度を200℃〜300℃程度とした。押出速度(m/min)は、ホイールの回転速度によって調整した。チャンバ温度は、ダイチャンバの近傍に温度調整機構(ここでは冷却手段)を配置し、冷却状態を制御して調整した。ここでは、銅線材の目標線径をφ6mmとして、コンフォーム押出を行った。得られた銅線材の断面積(mm)及び線径φ(直径、mm)を表1に示す。押し出した銅線材をコイル状に巻き取って銅コイル材を作製するにあたり、銅線材の巻取前に、銅線材の表面に市販の潤滑材を付着させて潤滑層を形成し(塗布量:3μg/cm)、潤滑層を備える銅線材を巻き取った。
試料No.1−101,No.1−102では、線径φ18.5mmの太い銅荒引線を用意した。この太い銅荒引線に伸線加工を施して断面円形状の伸線材(目標線径φ6mm)を作製し、この太い伸線材に熱処理を施して、熱処理が施された伸線材(以下、軟材(太)と呼ぶ)を作製した。軟化処理は、バッチ炉を用いて、240℃×3時間の条件で行った。
試料No.1−201,No.1−202では、線径φ8.0mmの銅荒引線を用意した。この銅荒引線に伸線加工を施して断面円形状の伸線材(目標線径φ3.2mm)を作製し、この細い伸線材に熱処理を施して、熱処理が施された伸線材(以下、軟材(細)と呼ぶ)を作製した。軟化処理は、連続処理炉を用いて行い、十分に軟化されるように条件を調整した。
得られた試料No.1−1〜No.1−4の銅線材について、目視による表面観察を行った。その結果を表1に示す。目視確認によって、割れ、しわなどの表面欠陥が実質的に認められない場合を表面性状に優れると評価してGoodと示し、目視確認可能な大きさの割れなどの表面欠陥が認められる場合を表面性状に劣ると評価してBadと示す。表面観察は、作製した100kgの銅線材について、その長手方向の任意の位置から50mを抽出し、この長さ50mの線材を試験片とし、試験片の全長に亘って行った。
得られた試料No.1−1〜No.1−4の銅線材、試料No.1−101,No.1−102の軟材(太)、試料No.1−201,No.1−202の軟材(細)について、室温における引張強さ(MPa)・破断伸び(%)、縦断面における平均結晶粒径(μm)を調べた。その結果を表1に示す。
引張強さ・破断伸びは、JIS Z 2201(1998)に準じて試験片を作製し、市販の引張試験機を用いて測定した。ここでは、標点距離GL=250mmとした。また、ここでは試料ごとに3個の試験片を用意した。各試験片は、作製した銅線材又は軟材について、その長手方向の任意の位置から抜き取って作製した。引張強さ及び破断伸びのいずれについても、3個の試験片の平均値を表1に示す。
平均結晶粒径は、以下のように測定した。各試料の縦断面をとり、縦断面の任意の位置について光学顕微鏡、又は走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察像に試験線を引き、試験線を分断する結晶粒の数を数えた。そして、(試験線の長さ/結晶粒の数)をその断面における結晶粒径とする。ここでは、試験線の長さを3mmとした。また、ここでは各試料について3個の断面をとり、断面ごとに5本の試験線を引き、各試験線に基づく結晶粒径をそれぞれ測定する。3個の断面の平均値、即ち合計15本の試験線に基づく結晶粒径の平均値を表1に示す。
得られた試料No.1−1〜No.1−4の銅線材、試料No.1−101,No.1−102の軟材(太)、試料No.1−201,No.1−202の軟材(細)に圧延加工(平角加工)を施して銅平角線を作製した。試料No.1−1〜No.1−4の銅線材は、銅コイル材を巻き戻して繰り出し、上述の潤滑層を備える状態で平角加工装置に供給した。銅線材及び軟材(太)を用いてそれぞれ、厚さt:2mm×幅w:5mm、(w/t)=2.5、断面積が10mmの銅平角線を作製した。軟材(細)を用いて、断面積が3mmの銅平角線を作製した。作製した各銅平角線に熱処理を施してから絶縁被覆(ポリイミド、いずれの試料も厚さ70μm)を形成して、上記銅平角線を導体とする被覆平角線を得た。なお、試料No.1−1〜No.1−4,No.1−101,No.1−102の銅平角線に施した熱処理の条件は、400℃×30秒とした。
作製した各被覆平角線について、市販の探傷装置を用いて、被覆の膨れの発生状態を調べた。その結果を表1に示す。ここでは、被覆形成設備に併設して市販の探傷装置を配置し、長尺な線材(ここでは被覆平角線)を走行させることで、被覆の形成に連続して、傷(膨れ)の発生数をカウントできるようにした(インライン方式を利用した)。
Figure 0006288433
表1に示すように連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して得られた試料No.1−1〜No.1−4の銅線材は、高い伸びを有し、表面性状にも優れることが分かる。詳しくは、これらの銅線材は、破断伸びが30%以上(ここでは40%以上)であり、割れなどの表面欠陥が実質的に存在しておらず、平滑な表面を有する。また、これらの銅線材は、微細な結晶組織で構成されていることが分かる。詳しくは、これらの銅線材は、平均結晶粒径が40μm以下である。また、これらの銅線材は、微細で、かつ均一的な大きさの結晶粒から構成されており、局所的に粗大な結晶粒が実質的に存在していないことを確認している。更に、これらの銅線材は、伸びに加えて強度にも優れることが分かる。詳しくは、これらの銅線材は、引張強さが230MPa以上(ここでは245MPa以上)であり、高強度である。そして、これらの銅線材は、比較的太い銅荒引線に伸線加工を施した後に軟化した試料No.1−101,No.1−102の軟材(太)と同等以上の伸び及び強度を備えることが分かる。
また、試料No.1−1〜No.1−4の銅線材に圧延加工(平角加工)を施した場合、圧延時に割れや破断が生じ難い上に、形状精度や寸法精度に優れる銅平角線を得ることができた(寸法誤差±0.005mm)。更に、この銅平角線を用いて作製した被覆平角線(試料No.1−1〜No.1−4)は、表1に示すように、被覆の膨れが生じ難く、膨れ発生率が非常に低いことが分かる。この理由の一つとして、伸びが高く、新生面の形成によって表面性状にも優れる銅線材を銅平角線の素材に用いたことで、平角加工を良好に行えて、平角加工を経た後も表面性状に優れた銅平角線が得られており、表面欠陥に基づく空気溜まりが形成され難かったためと考えられる。また、この理由の一つとして、潤滑層を備える銅線材を銅平角線の素材に用いたことで、潤滑層を平角加工時の潤滑材として利用できて、平角加工を精度よく施せたためと考えられる。なお、試料No.1−1〜No.1−4の銅線材は、潤滑層を備えることで、巻き戻し時や平角加工装置への供給時にも滑り性に優れて、供給などを良好に行えた。
このことから、断面積が12mm以上40mm以下であり、破断伸びが30%以上であり、かつ潤滑層を備える試料No.1−1〜No.1−4の銅線材は、断面積が10mm程度といった比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材として好適に利用できるといえる。
そして、この試験から、連続鋳造圧延材といった銅素材にコンフォーム押出を施すことで、伸びが高く(例えば破断伸びが30%以上)、表面性状にも優れる銅線材(試料No.1−1〜No.1−4)を製造できることが分かる。また、この製造方法は、連続鋳造圧延以降に伸線加工及び熱処理を施すことなく完全に軟化された上記銅線材を製造することができる。従って、この製造方法は、伸線加工及び熱処理を行う試料No.1−101,No.1−102に比較して製造工程数が少なく、上記銅線材を生産性よく製造できることが分かる。特に、この試験では、試料No.1−1〜No.1−4の銅線材の製造に断面積が50mm以上150mm以下という汎用の大きさの連続鋳造圧延材を用いており、連続鋳造圧延材自体も生産性に優れることからも、上記銅線材を生産性よく製造できるといえる。そして、上記銅線材を銅平角線の素材に利用することで銅平角線をも生産性よく製造できるといえる。従って、連続鋳造圧延材といった銅素材にコンフォーム押出を施すという製造方法は、比較的大断面積の銅線平角線の素材に好適な銅線材を生産性よく製造でき、ひいては比較的大断面積の銅平角線を生産性よく製造できるといえる。
一方、汎用の大きさの連続鋳造圧延材を用いて伸線加工及び熱処理を行って、破断伸びが30%以上の銅素材を製造しようとすると、試料No.1−201,No.1−202の伸線材(熱処理有り、軟材(細))から明らかなように、断面積が小さいもの(ここでは8mm<12mm)しか得られない。つまり、軟材(細)では、断面積が10mm程度といった比較的大きな断面積を有する銅平角線の素材に利用することができない。
他方、太い連続鋳造圧延材を用いた場合には、伸線加工及び熱処理を行っても、破断伸びが30%以上の銅素材(試料No.1−101,No.1−102の伸線材(熱処理有り、軟材(太))が得られる。しかし、この銅素材=軟材(太)は、伸線加工及び熱処理が必須であり、銅素材の生産性に劣る。また、この軟材(太)を用いて被覆線を製造すると、試料No.1−1〜No.1−4よりも被覆の膨れが生じ易いことが分かる。この理由は、伸線加工によって連続鋳造圧延材の表面欠陥などをある程度除去できるものの、新生面が形成される試料No.1−1〜No.1−4の銅線材に比較して欠陥が残存し易くなり、この残存欠陥に起因するキズが平角線に存在したため、と考えられる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能であり、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例えば、連続鋳造圧延材の組成・形状・断面積、銅線材の組成・形状・断面積・組織(結晶粒径など)、銅平角線の断面積・幅・厚さ、絶縁被覆の構成材料・厚さ、押出条件などを変化することができる。
本発明の被覆平角線は、自動車、各種の家庭用電気機器、時計などに利用されるエナメル線などのコイル用巻線、特に高出力化が望まれる自動車用コイル部品の巻線に好適に利用できる。本発明の銅平角線は、上記被覆平角線の導体に好適に利用できる。本発明の銅コイル材は、上記被覆平角線の導体の素材や上記銅平角線の素材に好適に利用できる。本発明の銅コイル材の製造方法は、銅コイル材(例えば、上記本発明の銅コイル材)の製造に好適に利用できる。本発明の銅平角線の製造方法は、銅平角線(例えば、上記本発明の銅平角線)の製造に好適に利用できる。
1 銅コイル材 10 銅線材 12 潤滑層 20 銅平角線
100 連続鋳造圧延材
200 コンフォーム押出装置 210 ホイール 212 溝
220 シュー 230 ダイチャンバ 232 アバットメント
234 ダイス 300 屑(バリ)

Claims (7)

  1. 純銅又は銅合金から構成される銅線材がコイル状に巻き取られてなり、
    前記銅線材の断面積が12mm以上40mm以下であり、
    前記銅線材の破断伸びが30%以上であり、
    質量が100kg以上であり、
    前記銅線材の表面に潤滑層を備え、
    圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる銅コイル材。
  2. 前記銅線材の平均結晶粒径が5μm以上40μm以下である請求項1に記載の銅コイル材。
  3. 前記銅線材の引張強さが230MPa以上である請求項1又は請求項2に記載の銅コイル材。
  4. 連続鋳造圧延材を用意する工程と、
    前記連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して銅線材を製造する工程と、
    前記銅線材の表面に潤滑層を形成した後、コイル状に巻き取って銅コイル材を製造する工程とを備え、
    前記銅コイル材は、巻き戻した前記銅線材に圧延加工を施して銅平角線を製造するための素材に用いられる銅コイル材の製造方法。
  5. 前記連続鋳造圧延材の断面積が50mm以上750mm以下であり、
    前記銅線材の断面積が12mm以上40mm以下である請求項に記載の銅コイル材の製造方法。
  6. 連続鋳造圧延材を用意する工程と、
    前記連続鋳造圧延材にコンフォーム押出を施して銅線材を製造する工程と、
    前記銅線材の表面に潤滑層を形成した後、コイル状に巻き取って銅コイル材を製造する工程と、
    前記銅コイル材を巻き戻し、前記銅線材に圧延加工を施して銅平角線を製造する工程とを備える銅平角線の製造方法。
  7. 請求項6に記載の銅平角線の製造方法によって製造された銅平角線に熱処理を施す工程と、
    前記熱処理が施された線材の外周に絶縁被覆を形成する工程とを備える被覆平角線の製造方法。
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