JP6288670B2 - 鋼材防食用下塗り材、鋼材の防食塗装方法及び防食鋼材 - Google Patents
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Description
鋼材の錆びは、水分と空気中の酸素により引き起こされるが、工場排気ガスに由来する硫酸イオン、海塩粒子に由来する塩化物イオンにより促進される。また寒冷地の道路設備においては、冬季に散布される解氷剤(塩化カルシウム)によっても促進される。
このため、鋼材表面には通常防食塗装が施される。防食効果を高めるため多くの場合、下塗り塗装後、中塗り、上塗り等の多層塗工が施される。
1.セメント系水硬化材(A)、細骨材(B)、亜硝酸型ハイドロカルマイト(C)、再乳化形粉末樹脂(D)及び増粘剤(E)を含む組成物が鋼材の防食効果に優れ、かつ、塗装性の良好な水硬化性下塗り材となること、上記水硬化性下塗り材がさらに消泡剤(F)及び流動性改良剤(G)を含む場合には防食効果及び塗装性の一層優れた下塗り材となること、また上記増粘剤(E)を粉末系増粘剤(E1)とし、上記消泡剤(F)を粉末系消泡剤(F1)とし、上記流動性改良剤(G)を粉末系流動性改良剤(G1)とすることで、防食性能がさらに高まり、その上水を加えるだけ塗装ができる粉末系の水硬化性下塗り材となること、
2.鋼材に防食塗装を施すに際して、上記の下塗り材の水硬化物にて下塗り層を形成させ、次いで弱溶剤エポキシ塗料を塗装して中塗り層を形成させる方法が鋼材に卓越した防食性能を付与できること、
3.鋼材表面に、上記の下塗り材の水硬化物よりなる下塗り層を形成させ、ついでその下塗り層に重ねて弱溶剤エポキシ樹脂塗料よりなる中塗り層を形成させ、さらにその中塗り層に重ねて、上塗り層を形成させてなる鋼材が卓越した防食鋼材となること、
を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)セメント系水硬化材(A) 、細骨材(B)、亜硝酸型ハイドロカルマイト(C)、再乳化形粉末樹脂(D)及び増粘剤(E)を含む鋼材防食用下塗り材。
(2)再乳化形粉末樹脂(D)がアクリル酸エステル系再乳化形樹脂である上記(1)の鋼材防食用下塗り材。
(3)さらに、消泡剤(F)及び流動性改良剤(G)を含む上記(1)の鋼材防食用下塗り材。
(4)さらに、消泡剤(F)及び流動性改良剤(G)を含む上記(2)の鋼材防食用下塗り材。
(5)セメント系水硬化材(A)100質量部 、細骨材(B)50〜150質量部、亜硝酸型ハイドロカルマイト(C)10〜100質量部、再乳化形粉末樹脂(D)5〜30質量部、増粘剤(E)0.05質量部〜1質量部、消泡剤(F)0.05〜0.5質量部及び流動性改良剤(G)0.05〜0.7質量部からなる上記(3)又は(4)の鋼材防食用下塗り材。
(6)上記(1)から(5)の態様において、増粘剤(E)として粉末系増粘剤(E1)、消泡剤(F)として粉末系消泡剤(F1)、流動性改良剤(G)として粉末系流動性改良剤(G1)を含む鋼材防食用粉末系下塗り材。
(7)上記粉末系増粘剤(E1)は、セルロース系増粘剤又はポリサッカライド系増粘剤である、上記(6)の鋼材防食用粉末系下塗り材。
(以下、上記(1)〜(7)の態様の鋼材防食用下塗り材を「本発明下塗り材」と称し、上記(6)、(7)の態様の鋼材防食用粉末系下塗り材を「本発明粉末系下塗り材」と称し、本発明下塗り材の水硬化物により形成される下塗り層を「本発明下塗り層」と称することがある。)
(8)鋼材表面に順次、
(ア)下塗り層を形成させる工程と、
(イ)上記工程(ア)にて形成された下塗り層に重ねて中塗り層を形成させる工程と、
(ウ)上記工程(イ)にて形成された中塗り層に重ねて上塗り層を形成させる工程と、
を含む鋼材防食塗装方法であって、
上記工程(ア)は、鋼材表面に本発明下塗り材の水硬化層を形成させる工程であり、
上記工程(イ)は、上記工程(ア)にて形成された水硬化層に重ねて、弱溶剤エポキシ樹脂塗料の硬化層を形成させる工程である、
ことを特徴とする鋼材防食塗装方法。
(9)鋼材表面に、下塗り層、中塗り層、上塗り層が順次形成された防食鋼材であって、
a)上記下塗り層は、本発明下塗り材の水硬化物よりなり、
b)上記中塗り層は、弱溶剤系エポキシ樹脂塗料の硬化膜よりなる、
ことを特徴とする防食鋼材。
(10)下塗り層の厚さは50〜500μmであり、中塗り層の厚さは20〜200μmである、上記(9)に記載の防食鋼材。
(以下、上記(9)、(10)の防食鋼材を「本発明防食鋼材」と称することがある。)
<鋼材防食用下塗り材>
上記(1)〜(7)に示した本発明下塗り材は、セメント系水硬化材(A)、細骨材(B)、再乳化形粉末樹脂(C)、亜硝酸型ハイドロカルマイト(D)及び増粘剤(E)を必須成分として含む。本発明下塗り材は水と混和することにより、塗装性が良好で、鋼材との密着性に優れ、かつ防食性能の卓越した鋼材防食用水硬化性下塗り材となる。
以下、本発明下塗り材について、その構成成分毎に説明する。
(A)セメント系水硬化材
本発明下塗り材はセメント系水硬化材を必須成分として含む。
本発明にいうセメント系水硬化材とは、セメントを主成分とする水硬化性組成物をいい、本発明下塗り材に水硬化性を付与する。これにより、本発明下塗り材と水との混和物を鋼材に塗布することにより、その表面に強固な水硬化性塗膜を形成することができる。また、セメント系水硬化材は水和反応により水酸化カルシウムを生成し、結果アルカリ性を呈するため、鋼材の錆発生を抑制する。
したがって、本発明にいうセメント系水硬化材としては、
(A1)セメント単独のほか、
(A2)セメント及びポゾラン活性材、
(A3)セメント及び潜在水硬材、又は
(A4)セメント、ポゾラン活性材及び潜在水硬材
よりなるものを挙げることができる。
上記(A1)〜(A4)のセメント系水硬化材はいずれも鋼材表面に強固な水硬化性塗膜を形成し得るが、セメントの一部をポゾラン活性材で置換したもの(A2)、セメントの一部を潜在水硬材で置換したもの(A3)、セメントの一部をポゾラン活性材及び潜在水硬材で置換したもの(A4)は、セメント単独の場合よりも緻密な塗膜が形成されるため、防錆効果が更に高まり好ましい。
ポゾラン活性材としては、シリカヒューム、フライアッシュ、火山灰、珪酸白土などを挙げることができる。これらのうち、シリカヒューム、フライアッシュは、ともに二酸化ケイ素含有量が高く、かつ、粒度が細かいので特に好ましい。
加えてシリカヒュームとフライアッシュはともに粒子形状が球状であるため、ベアリング効果により、下塗り材の流動性を高め、本発明下塗り材の塗装性も向上させる。すなわち、ローラーや刷毛へののりが良好で、ローラー塗装後の塗装ムラがなくなる。
上記シリカヒューム又はフライアッシュに代表されるポゾラン活性材がセメント系水硬化材に占める割合は、5〜20質量%の範囲が好ましい。
したがって、セメント系水硬化材が成分として潜在水硬材を含む場合には、本発明下塗り材は、高強度かつ緻密な硬化膜の層を長期にわたり形成するので、その塩化物イオンの遮蔽効果が長年月の間保持される。
上記高炉スラグ微粉末に代表される潜在水硬材がセメント系水硬化材に占める割合は、10〜40質量%の範囲が好ましい。
高炉スラグ微粉末は、その粒度の指標としてブレーン比表面積が4000(g/cm2)以上のものが好ましく、6000(g/cm2)以上のものがより好ましい。ここでブレーン比表面積とは、JISR5201(セメントの物理試験方法)に規定する、ブレーン空気透過装置を用いて測定される比表面積をいう(以下同じ)。
本発明下塗り材は細骨材を必須成分として含む。
下塗り材が細骨材を欠くと、下塗り層の塗膜強度が低くなり、鋼材に振動や衝撃が加わるとクラックが発生しやすくなり、結果鋼材の防食性が乏しいものとなってしまう。
細骨材が、セメント系水硬化材100質量部に対し50質量部以上含まれることにより、本発明下塗り層に一層高い強度が付与される。細骨材量は、セメント系水硬化材100質量部に対し、60質量部以上がより好ましく、80質量部以上が更に好ましい。
本発明下塗り材は亜硝酸型ハイドロカルマイトを必須成分として含む。
亜硝酸型ハイドロカルマイトは、鋼材の腐食要因である塩化物イオンを吸着するのみならず、鋼材の腐食抑制効果のある亜硝酸イオンを放出する作用を有する。下塗り材が亜硝酸型ハイドロカルマイトを欠く場合、下塗り層の鋼材防食性能は著しく劣ったものとなってしまい、本発明の目的を達することができない。
本発明下塗り材は再乳化形粉末樹脂を必須成分として含む。
再乳化形粉末樹脂は、本発明下塗り材の水硬化物の引っ張り強度、伸びを向上させると同時に鋼材との接着力を高める。下塗り材が再乳化形粉末樹脂を欠くと、下塗り層は鋼材との熱膨張率差に起因する歪みに抗しきれず、結果剥離やひび割れが生じてしまい、温度変化の激しい環境に耐えることが出来ない。
本発明において、下塗り層の補強を目的とする樹脂成分として再乳化形粉末樹脂を採用する理由は、以下の理由による。すなわち、本発明の主要成分を成す水硬化成分としてのセメント系水硬化材と、水硬化層への強度付与成分としての細骨材と、塩化物イオン捕捉成分としてのハイドロカルマイトと、再乳化形粉末樹脂成分とを、粉末状態のままミキサーにてあらかじめプレミックスすることが可能となり、結果下塗り層中に各成分がミクロに分散する。結果、下塗り材の塗装性が向上し、かつ水硬化した下塗り層の防食機能も高まる。
また、下塗層の補強を目的に、粉末状ではない樹脂成分、例えば樹脂エマルション等を使用する場合には、塗膜厚を確保するのに多くの塗布回数を必要とし、塗装施工性および塗膜の品質が悪くなる。
上記アクリル酸エステル系再乳化形粉末樹脂としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルのいずれか又はこれらの二以上のモノマー単位から構成されるものを挙げることが出来、(メタ)アクリル酸を構成モノマー単位として含んでいても良い。
本発明下塗り材は増粘剤を必須成分として含む。
増粘剤は、本発明下塗り材と水との混和物に適正な粘度を付与し、鋼材表面への塗装性を高める。下塗り材が増粘剤を欠くと薄肉塗装が極めて困難となる。
本発明下塗り材は消泡剤を任意成分として含むことができる。
消泡剤は、本発明下塗り材と水とを混和する際に、泡立ちと空気の巻き込みを抑制する。その結果本発明下塗り層中の微細孔(ピンホール)の生成が抑制され、結果本発明下塗り層の防食機能が一層高まる。
本発明下塗り材は流動性改良剤を任意成分として含むことができる。本発明にて流動性改良剤とは、その分散効果によりセメント系水硬化材粒子の凝集を抑制し、本発明下塗り材と水との混和物の流動性を高める効果を奏するものである。本発明の流動性改良剤には、当業者にはその性能により、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤として知られているもののほか、セメント系水硬化材と水との混練物に、後添加して混和し、攪拌することにより、当該混練物の流動性を増大させる効果を有する混和剤(当業者には流動化剤として知られている)が含まれる。
ポリカルボン酸塩としては、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド部分加水分解物、オレフィン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸(ポリオキシエチレン)エステル共重合体、アリル(EO)エーテル−無水マレイン酸−スチレン共重合体、アリル(EO)エーテル−マレイン酸−スチレン共重合体などを挙げることが出来る。
本発明下塗り材を構成する上記(A)〜(D)の各必須成分はいずれも粉末状成分である。従い、上記(E)〜(G)の各任意成分がいずれも粉末状である場合には、これら粉末成分をあらかじめ所望の比率にて配合し、プレミックスした鋼材防食用粉末系下塗り材とすることが出来る。プレミックスするためのミキサーとしては、タンブラーミキサー、V型混合機などのミキサーを好適に用いることができる。かかる粉末系下塗り材は、塗装するに際して、当該粉末系下塗り材と水とを混和するだけで、水硬化性の鋼材防食用塗材を調製することが出来るため、現場作業性に優れる。
<鋼材の防食塗装方法>
本発明の鋼材防食塗装方法は、以下の、下塗り層形成工程(ア)、中塗り層形成工程(イ)、および上塗り層形成工程(ウ)よりなる。
(ア)下塗り層形成工程
本発明の鋼材防食塗装方法においては、上記本発明下塗り材と水との混和物が鋼材表面に塗布される。下塗り材塗装性と下塗り層強度の観点から、本発明下塗り材と水の混合比を、下塗り材に含まれるセメント系水硬化材(A)の質量に対する水の質量の百分率が30〜80%の範囲に収まるように調製することが好ましい。
本発明の鋼材防食塗装方法では、上記下塗り層形成工程(ア)に引き続き中塗り層形成工程(イ)が施される。
本工程にて使用される中塗り材としては、本発明下塗り層との密着性の観点から、特定のエポキシ樹脂塗料が使用される。
すなわち、塗料は、希釈溶剤の種類に応じ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等に代表される高揮発性の溶剤を用いた強溶剤塗料と、ミネラルスピリット等に代表される低極性かつ低揮発性の溶剤を用いた弱溶剤塗料に類別されるが、本発明においては弱溶剤エポキシ樹脂塗料を用いることが必要である。弱溶剤エポキシ樹脂塗料に代えて強溶剤エポキシ樹脂塗料を用いると最終的に得られる鋼板は防食性能の劣ったものとなり、本発明の目的を達することができない。
本発明の鋼材防食塗装方法では、上記中塗り層形成工程(イ)に引き続き上塗り層形成工程(ウ)が施される。
本工程にて使用される上塗り材としては、上塗り材として常用の、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、塩化ゴム樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料等を挙げることが出来る。
これらの塗料のうち、耐候性(塗膜寿命)の観点からは、ウレタン樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、又はフッ素樹脂塗料が好ましい。
また上記塗料として、溶剤別に、それぞれ強溶剤塗料、弱溶剤塗料が入手できるが、本発明においては、そのいずれも使用することができる。弱溶剤塗料は低臭性(低揮発性)のため作業性に優れ、強溶剤塗料は耐候性に特に優れるため、目的に応じて使い分けることが出来る。
<防食鋼材>
本発明の防食鋼材は、
鋼材表面に下塗り層、中塗り層及び上塗り層が順次形成されてなる防食鋼材であって、
a)上記下塗り層は、本発明下塗り材の水硬化物よりなり、
b)上記中塗り層は、弱溶剤系エポキシ樹脂塗料の硬化膜よりなる、
ことを特徴とする防食鋼材である。
なお、以下の実施例、比較例においては、下記試験方法によった。
縦150mm、横100mm、厚さ1mmの、JIS K5600 1−4に規定するみがき鋼板を試験用鋼材とする。
試験用鋼材に順次下塗り、中塗り及び上塗り塗装を施した試験片に、クロスカットを入れる(カットを入れた試験片を「クロスカット試験片」と称する。)。クロスカット試験片を温度35℃に保った恒温室に置き、5%濃度食塩水を噴霧させる。300時間、500時間、800時間、1000時間、1500時間、及び2000時間経過後の試験片の状態を観察する。
1)下塗り材の調製と下塗り層の形成
下記組成にて各成分を配合し、ミキサーにて均一に混合して、粉末系下塗り材を調製した;
・早強ポルトランドセメント:100質量部、
・珪砂(粒子径500μm以上の成分が10質量%以下の市販品):90質量部、
・亜硝酸型ハイドロカルマイト(日本化学工業社製):15質量部、
・アクリル酸エステル系再乳化形粉末樹脂(ガラス転移温度10度C):14質量部、
・セルロース系増粘剤(粉末):0.2質量部、
・粉末系消泡剤:0.2質量部、
・粉末系流動性改良剤:0.3質量部。
調製した上記粉末系下塗り材の総量に水35質量部を加え、ミキサーにて均一に混合した。その混和物を試験用鋼材に塗装して、下塗り層を形成した。下塗り材の塗装性は良好で、重ね塗りを要することなく、一回の刷毛塗りにて、均一かつ平滑な下塗り層を形成することができた。下塗り層の厚さは300μmであった。下塗り塗装後、48時間経過させ、水硬化させた。
2)中塗り層及び上塗り層の形成
上記下塗り層に重ねて、弱溶剤2液エポキシ樹脂塗料(エポロMPプライマー、イサム塗料社製)を中塗り材として中塗り塗装をした。中塗り層の厚さは60μmであった。中塗り層形成後10時間をおいて、上記中塗り層に重ねて強溶剤2液系ウレタン樹脂塗料(ハイアート3000、イサム塗料社製)を上塗り材として上塗り塗装をした。上塗り層の厚さは30μmであった。かくして防食性能試験片を作成した。
3)塩水噴霧試験
上記防食性能試験片にクロスカットを入れ、当該クロスカット試験片を温度35℃に保った恒温室に置き、5%濃度食塩水を噴霧させた。300時間、500時間、800時間、1000時間、1500時間、及び2000時間経過後の試験片表面の状態を観察した。結果を表1、図2〜4に示す。
実施例1の下塗り材の調製において、亜硝酸型ハイドロカルマイトを加えなかった他は同様にして下塗り材を調製した。次いで実施例1にて用いたと同一の中塗り材、上塗り材を用いて、同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。結果を表1、図2〜4に示す。
実施例1において、セルロース系増粘剤を加えなかった他は同様にして、下塗り材を調製した。次いで防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。結果を表1に示す。なお、下塗り材の塗装性は不良であった。すなわち、塗液の伸びが悪く、鋼材表面に均一な塗面を形成するのが困難であり、平均厚さ300μmの下塗り層を形成させるのに都合三回の重ね塗りを要した。
実施例1において、中塗り材として、弱溶剤エポキシ樹脂塗料に代え、水性エポキシ樹脂塗料を用いた他は同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、中塗り材として、弱溶剤エポキシ樹脂塗料に代え、強溶剤エポキシ樹脂塗料を用いた他は同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、上塗り材として、シリコーン樹脂塗料を用いたほかは同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。2000時間経過後も、試験片表面に変化は認められなかった。
実施例1において、上塗り材として、フッ素樹脂塗料を用いたほかは同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。2000時間経過後も、試験片表面に変化は認められなかった。
実施例1において、再乳化形粉末樹脂14質量部に代えて、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン14質量部(固形分換算)を用いた他は同様にして、防食性能試験片、次いでクロスカット試験片を作成し、塩水噴霧試験を行った。1000時間経過時では、クロスカット部に錆(錆幅:1.6mm)が認められた。1500時間経過時では、錆の成長(錆幅3.0mm)とともに、膨れが認められた。2000時間経過時では、錆がさらに成長するとともに(錆幅5.2mm)、膨れがさらに増大していた。結果を図2〜4に示す。
なお、下塗り材の塗装性は不良であった。すなわち、塗液の伸びが悪く、鋼材表面に均一な塗面を形成するのが困難であった。すなわち、刷毛塗装時、均一な塗膜が出来ず、下地が透けて極端に薄塗りとなる箇所が生じた。そのため厚さ300μmの均一な下塗り層を形成させるのに三回以上の重ね塗りを要した。
2.下塗り層
3.中塗り層
4.上塗り層
Claims (13)
- 鋼材表面に順次、下塗り層を形成させる工程(ア)と、工程(ア)にて形成された下塗り層に重ねて中塗り層を形成させる工程(イ)と、工程(イ)で形成された中塗り層に重ねて上塗り層を形成させる工程(ウ)とを含む、鋼材防食塗装方法であって、
前記工程(ア)は、セメント系水硬化材(A) 、細骨材(B)、亜硝酸型ハイドロカルマイト(C)、再乳化形粉末樹脂(D)及び増粘剤(E)を含む鋼材防食用下塗り材の水硬化層を形成させる工程であり、
前記工程(イ)は、前記工程(ア)にて形成された水硬化層に重ねて、弱溶剤エポキシ樹脂塗料の硬化層を形成させる工程である、
ことを特徴とする鋼材防食塗装方法。 - セメント系水硬化材(A)は、ポルトランドセメントである請求項1に記載の鋼材防食塗装方法。
- セメント系水硬化材(A)は、ポルトランドセメント及びポゾラン活性材よりなる請求項1に記載の鋼材防食塗装方法。
- セメント系水硬化材(A)は、ポルトランドセメント及び潜在水硬材よりなる請求項1に記載の鋼材防食塗装方法。
- セメント系水硬化材(A)は、ポルトランドセメント、ポゾラン活性材及び潜在水硬材よりなる請求項1に記載の鋼材防食塗装方法。
- 前記ポゾラン活性材は、シリカヒューム又はフライアッシュである請求項3に記載の鋼材防食塗装方法。
- 前記ポゾラン活性材は、シリカヒューム又はフライアッシュである請求項5に記載の鋼材防食塗装方法。
- 前記潜在水硬材は高炉スラグ微粉末である、請求項4、5又は7のいずれか一項に記載の鋼材防食塗装方法。
- 再乳化形粉末樹脂(D)はアクリル酸エステル系再乳化形粉末樹脂である請求項1〜8のいずれか一項に記載の鋼材防食塗装方法。
- さらに消泡剤(F)及び流動性改良剤(G)を含む請求項9に記載の鋼材防食塗装方法。
- セメント系水硬化材(A)100質量部 、細骨材(B)50〜150質量部、亜硝酸型ハイドロカルマイト(C)10〜100質量部、再乳化形粉末樹脂(D)5〜30質量部、増粘剤(E)0.05〜1質量部、消泡剤(F)0.05〜0.5質量部及び流動性改良剤(G)0.05〜0.7質量部からなる請求項10に記載の鋼材防食塗装方法。
- 増粘剤(E)は粉末系増粘剤(E1)であり、消泡剤(F)は粉末系消泡剤(F1)であり、かつ流動性改良剤(G)は粉末系流動性改良剤(G1)である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の鋼材防食塗装方法。
- 粉末系増粘剤(E1)は、セルロース系増粘剤又はポリサッカライド系増粘剤である請求項12に記載の鋼材防食塗装方法。
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