以下、本発明に係る通信システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
この通信システムは、互いに通信可能な複数のセンサ及びコントローラを含む。センサは、コントローラからの指示に基づき、状態変化したときにその状態変化をコントローラに通知する常時送信方式か、又は状態変化の通知を抑制する送信抑制方式にて、コントローラへの通知を行う。これにより、送信抑制方式にて動作するセンサは、常時送信方式にて動作するセンサより、状態通知に伴う電力消費が抑えられる。また、コントローラは、残り駆動可能時間の推定値が小さいセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように各センサの動作方式を決定し、送信抑制方式にて動作しているセンサに対して状態問合せを行って、そのセンサの現在の状態を受信する。即ち、コントローラは、状態を問い合わせるセンサ数を制限して状態問合せに要する時間を短縮させるとともに、残電池容量が少ないセンサを消費電力量が少ない送信抑制方式にて動作させることにより、各センサの残電池容量を平準化させる。これにより、この通信システムでは、利便性を向上させ、センサの電池を長寿命化させるとともに、電池交換に要する運用コストを削減することを図る。
図1は、警備システム1の概略構成図である。警備システム1は、監視区域2となる事業所、店舗又は住宅などに設置され、監視区域2内の異常の有無を監視する。警備システム1は、警備装置10と、少なくとも一つのセンサ20とを有する。警備システム1は通信システムの一例であり、警備装置10とセンサ20は、特定小電力無線又は無線LANなどの無線ネットワークを介して互いに無線通信可能である。あるいは、警備装置10とセンサ20は、有線ネットワークを介して互いに接続されていてもよい。
警備装置10は、コントローラの一例であり、監視区域2内の壁面などに設置される。警備装置10は、インターネットなどの通信回線網50を介して監視センタ40内のセンタ装置41に接続されている。警備装置10は、センサ20から感知信号を受信し、必要に応じて遠隔のセンタ装置41に異常信号を送信する。
センサ20は、監視区域2内の各所に設置され、例えば監視区域2内への侵入者などの異常を感知すると、警備装置10に感知信号を送信する。センサ20には、例えば、人の存在を感知する防犯センサ、煙感知器又は熱感知器などの防災センサ、及び利用者により操作される非常ボタンなどが含まれる。このうち、防犯センサには、例えば、赤外線により人の存在を感知する赤外線センサ、入力画像から人の存在を感知する画像センサ、及び磁界の変化から窓、扉又は戸などの開放を感知する近接センサなどが含まれる。
警備装置10は、利用者の操作に応じて、例えば、センサ20により監視区域2内を監視する監視モード、及び監視区域2内を監視しない解除モードなどを含む複数のモードの何れかに設定可能である。監視モードに設定されているときには、警備装置10は、監視中のセンサ20から例えば窓、扉若しくは戸の開放又は人の存在などを示す感知信号を受信すると、監視区域2に異常が発生したと判定して、センタ装置41に異常信号を送信する。一方、解除モードに設定されているときには、警備装置10は、センサ20のうち、防犯センサが感知対象の事象を感知しても、そのセンサからの感知信号を無視する。ただし、防災センサ又は非常ボタンによる感知信号が入力されたときは、警備装置10は、何れのモードに設定されていても、センタ装置41に異常信号を送信する。
監視センタ40は、警備会社などが運営するセンタ装置41を備えた施設であり、管制員が監視区域2を常時監視している。センタ装置41は、一つ又は複数のコンピュータで構成されている。監視センタ40では、警備装置10からセンタ装置41が受信した異常信号に基づいて、対処すべき監視区域2の情報が表示部42に表示され、利用者に対する確認処理又は監視区域2への警備員の対処指示などの必要な措置がとられる。
図2は、警備装置10の概略構成図である。警備装置10は、センタ通信部11と、センサI/F12と、操作部13と、報知部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。
センタ通信部11は、通信回線網50に接続される通信インタフェースであり、通信回線網50を介してセンタ装置41との間で警備情報の通信を行う。警備情報とは、警備装置10の現在のモード及び監視区域2の異常有無などの、監視区域2において異常監視を行うために収集生成される情報である。センタ通信部11によるセンタ装置41との通信には、予め警備装置10に固有に設定されたID(識別情報)が付加される。
センサI/F12は、監視区域2内に設置されたセンサ20と接続され、センサ20との間で信号を送受信するための通信インタフェースであり、センサとの間で通信を行う通信部として機能する。センサI/F12は、例えば、特定小電力無線の通信規格に従って通信を行う無線通信手段である。ただし、通信規格は特定小電力無線に限らず、IEEE802.11諸規格のいずれかに準拠したいわゆる無線LAN又はBluetooth(登録商標)などの無線通信規格であってもよい。各センサ20には固有のセンサID(識別情報)が付与されており、センサI/F12とセンサ20の間で送受信される信号にはこのセンサIDが含まれる。
操作部13は、例えば、利用者が警備装置10のモードを監視モード又は解除モードなどに設定するためのスイッチである。また、操作部13は、例えば、監視区域2内に設置されている各センサ20の状態を確認するためのボタンを含んでもよい。利用者によりこれらのスイッチ又はボタンが選択されると、操作部13は、対応する信号を制御部16に入力する。
報知部14は、例えば、液晶ディスプレイ、スピーカなどで構成され、警備システム1の情報を、文字又は音声などにより利用者に出力する。なお、報知部14は、例えば液晶タッチパネルディスプレイにより操作部13と一体化されていてもよい。
例えば、操作部13が操作されて監視モードへのモード変更が指示されたときに、報知部14は、そのモード変更の可否を利用者に報知する。このとき、異常を感知しているセンサ20がある場合には、報知部14は、対象のセンサの設置場所と併せて、モード変更が不可である旨を利用者に報知する。一方、異常を感知しているセンサ20がない場合には、報知部14は、モード変更が可能である旨を利用者に報知する。また、報知部14は、操作部13が操作されて各センサ20の状態確認が指示されたときには、各センサ20の状態を利用者に報知する。
記憶部15は、ROM、RAM又はHDDにて構成され、警備装置10を動作させるための各種データ及び各種プログラムなどを記憶する。例えば、記憶部15は、警備装置10のID、警備装置10の現在のモード、センサ情報テーブル、消費電力特性テーブル、及び電力履歴情報テーブルなどを記憶する。
図3(A)〜図3(C)は、警備装置10の記憶部15に記憶される各種テーブルの例を示す図である。
図3(A)は、センサ情報テーブルの一例を示す。センサ情報テーブルは、警備装置10に登録されている各センサ20について、例えば、センサID、センサの種類、センサの設置場所、センサの動作方式、及びセンサの状態などを対応付けたテーブル情報である。センサの種類には、例えば、防犯センサ、防災センサ及び非常ボタンの3種類がある。センサの動作方式には、センサ20が状態変化したときにその状態変化を警備装置10に通知する常時送信方式と、センサ20が状態変化してもその状態変化の通知を抑制する送信抑制方式がある。
センサの状態には、例えば、「非感知状態」(第1の状態の一例)と「感知状態」(第2の状態の一例)がある。例えば、防犯センサについては、非感知状態と感知状態は、それぞれ、扉などの開放又は人の存在が感知されていない状態と感知されている状態に対応する。また、防災センサについては、非感知状態と感知状態は、それぞれ、煙又は熱などが感知されていない状態と感知されている状態に対応する。また、非常ボタンについては、非感知状態と感知状態は、それぞれ、そのボタンが押下されていない状態と押下されている状態に対応する。なお、センサの状態は、非感知状態と感知状態に限らず、例えば、「機器異常」、「要注意」(感知状態と非感知状態の中間状態)などを含んでもよい。
図3(B)は、消費電力特性テーブルの一例を示す。消費電力特性テーブルは、センサ情報テーブルに含まれる各センサ20について、例えば、センサID、1回の通信での消費電力、常時送信方式での単位時間当たりの消費電力、及び送信抑制方式での単位時間当たりの消費電力などを対応付けたテーブル情報である。これらの情報は、警備装置10が各センサ20の動作方式を決定する際に参照される。
図3(C)は、電力履歴情報テーブルの一例を示す。電力履歴情報テーブルは、センサ情報テーブルに含まれる各センサ20について、例えば、センサID、残電池容量、常時送信方式での累積動作時間、送信抑制方式での累積動作時間、及び警備装置10との通信回数などを対応付けたテーブル情報である。これらの情報は、各センサ20の動作方式を決定する際に制御部16により参照され、随時更新される。なお、常時送信方式での累積動作時間と送信抑制方式での累積動作時間は、動作方式の履歴情報の一例である。
制御部16は、CPU、ROM及びRAMなどを含むマイクロコンピュータ並びにその周辺回路で構成され、上述した各部を制御して警備装置10を動作させる。
図4は、警備装置10の制御部16の機能ブロック図である。制御部16は、上記のマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、状態問合せ部161と、モード設定部162と、異常判定部163と、通報部164と、動作方式決定部165とを有する。
状態問合せ部161は、操作部13が操作されて監視モードへのモード変更又は各センサ20の状態確認が指示されたときに、センサ20のうち、記憶部15のセンサ情報テーブルに送信抑制方式が記憶されているセンサに対してセンサI/F12を介して状態問合せを行う。そして、状態問合せ部161は、そのセンサの現在の状態を受信し、センサ情報テーブルに記憶されているセンサの状態と現在の状態が異なっていたときには、センサ情報テーブルの情報を更新する。後述するように、各センサ20は、送信抑制方式にて動作しているときには、状態変化があっても警備装置10へのその状態変化の通知を抑制する。したがって、センサ情報テーブルに送信抑制方式が記憶されているセンサ20については、センサ情報テーブルに記憶されているセンサの状態が現在も継続している場合と、その後そのセンサ20には状態変化が起こったがその状態変化の通知が抑止されている場合との2通りの可能性がある。このため、状態問合せ部161は、送信抑制方式にて動作するセンサ20に対して状態問合せを行って、そのセンサの現在の状態を確認する。
一方、センサ情報テーブルに常時送信方式が記憶されているセンサ20については、状態変化があるたびにその状態変化が通知されるため、状態問合せ部161は、それらのセンサ20に対して状態問合せを行わない。このように、状態を問い合わせるセンサ数を制限することにより、状態問合せ部161は、状態問合せに要する時間を短縮させる。
モード設定部162は、操作部13が操作されて警備装置10のモード変更が指示されたときに、警備装置10のモードを監視モード又は解除モードに切替え設定し、新たなモードを記憶部15に記憶する。これにより、警備装置10は、設定された新たなモードに従って動作する。
ただし、モード設定部162は、監視モードへのモード変更時には、記憶部15のセンサ情報テーブルに送信抑制方式が記憶されているセンサ20に対して状態問合せ部161が状態問合せを行った結果、センサ情報テーブルに記憶されている全てのセンサの状態が非感知状態であったときに限り、そのモード変更を許容する。このとき、モード設定部162は、報知部14を制御して、モード変更が可能である旨を利用者に報知する。一方、センサ情報テーブルに記憶されているセンサ20のうち、状態が感知状態であるセンサがあったならば、モード設定部162は、そのモード変更を許容せず、報知部14を制御して、対象のセンサの設置場所と併せて、モード変更が不可である旨を利用者に報知する。なお、モード設定部162は、解除モードなど、監視モード以外のモードへの変更時には、各センサ20の状態にかかわらず、そのモード変更を許容する。
異常判定部163は、センサ20から感知信号を受信すると、センサ情報テーブルを参照して、受信された感知信号に含まれるセンサIDと対応付けられたセンサの種類を特定する。また、異常判定部163は、記憶部15に保持されている警備装置10の現在のモードを参照する。そして、異常判定部163は、警備装置10が監視モードに設定されているときに、防犯センサ、防災センサ又は非常ボタンの何れかから感知信号を受信すると、異常であると判定する。また、異常判定部163は、警備装置10が解除モードに設定されているときに、防災センサ又は非常ボタンから感知信号を受信すると、異常であると判定する。また、異常判定部163は、警備装置10が解除モードに設定されているときに、防犯センサから感知信号を受信すると、異常でないと判定する(即ち、その感知信号を無視する)。
通報部164は、異常判定部163が異常であると判定したときに、センタ通信部11を介して異常信号をセンタ装置41に送信する。異常信号には、例えば、記憶部15に記憶された警備装置10のID、異常を感知したセンサのセンサID、並びにセンサ情報テーブルから特定されるそのセンサの種類及び設置場所などの情報が含まれる。
動作方式決定部165は、例えば、操作部13が操作されて警備装置10のモード変更が指示されたときに、各センサ20の動作方式を決定し、その動作方式を各センサ20に通知する処理(「動作方式決定処理」という)を実行する。監視モード以外のモードへの変更が指示されたときには、動作方式決定部165は、常時送信方式又は送信抑制方式での残り駆動可能時間の推定値が小さいセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサ20の動作方式を決定する。一方、監視モードへの変更が指示されたときには、動作方式決定部165は、例えば全てのセンサ20の動作方式を常時送信方式に決定する。そして、動作方式決定部165は、決定した各センサ20の動作方式を、センサ情報テーブルに記憶するとともに、センサI/F12を介して各センサ20に通知する。
なお、動作方式決定部165は、モード変更時にかかわらず、例えば1日1回などのように定期的に、動作方式決定処理を実行してもよい。また、動作方式決定部165は、監視モードへの変更が指示されたときであっても、監視モード以外のモードへの変更のときと同様に、残り駆動可能時間の推定値が小さいセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサ20の動作方式を決定してもよい。
動作方式決定部165は、各センサ20の残り駆動可能時間を推定するために、例えば、記憶部15の消費電力特性テーブルと電力履歴情報テーブルを参照し、各センサ20について、動作方式の履歴情報、通信回数、消費電力特性及び電池容量から、次の(1)式により残電池容量を算出する。
B=B0−P=B0−(Ct×At+M1×Pt1+M2×Pt2) ・・・(1)
そして、動作方式決定部165は、算出した残電池容量の値を電力履歴情報テーブルに記憶して、情報を更新する。
(1)式において、Bは現在の残電池容量、B0は電池容量の初期値、Pはセンサの動作開始時から現在までの消費電力量である。また、Ctは警備装置10との通信回数、Atは1回の通信での消費電力であり、括弧内の第1項は、警備装置10との通信による消費電力に相当する。また、M1は常時送信方式での単位時間当たりの消費電力、Pt1は常時送信方式での累積動作時間であり、括弧内の第2項は、常時送信方式での動作時における消費電力に相当する。また、M2は送信抑制方式での単位時間当たりの消費電力、Pt2は送信抑制方式での累積動作時間であり、括弧内の第3項は、送信抑制方式での動作時における消費電力に相当する。なお、(1)式では、センサ20の感知動作による消費電力も、常時送信方式での消費電力又は送信抑制方式での消費電力に含めている。
常時送信方式又は送信抑制方式での残り駆動可能時間の推定値は、B/M1又はB/M2である。残電池容量が少ないほど残り駆動可能時間の推定値は小さいと考えられるため、動作方式決定部165は、残電池容量が少ないセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサの動作方式を決定する。
あるいは、動作方式決定部165は、(1)式に代えて、次の(2)式により残電池容量を算出してもよい。
Bn=Bn−1−P=Bn−1−(Ct×At+M×Pt) ・・・(2)
ここで、Bnは現在の残電池容量、Bn−1は前回算出された残電池容量、PはBn−1の算出時から現在までの消費電力量である。ただし、初回のBnは電池容量の初期値B0とする。また、Mは現在の動作方式での単位時間当たりの消費電力、Ptは前回残電池容量が算出されてから現在までの経過時間である。(2)式を使用する場合、記憶部15の電力履歴情報テーブルには、センサID、現在の残電池容量、前回算出された残電池容量、警備装置10との通信回数、及び前回の残電池容量の更新時刻を記憶しておけばよい。
例えばリチウム電池は、電池寿命が長く、長期間にわたって電圧がほぼ一定に保たれるが、残電池容量が少なくなると電圧が急激に低下するという特性がある。このため、センサ20の電池としてリチウム電池を使用する場合には、動作方式決定部165は、例えば上記の(1)式又は(2)式により、各センサ20の残電池容量を算出する。ただし、例えばアルカリ電池のように、残電池容量が少なくなるにつれて電圧が徐々に低下する電池は、電圧の値から現在の残電池容量を推定することができる。このため、そのような電池をセンサ20に使用する場合は、動作方式決定部165は、上記の(1)式又は(2)式のような計算を行わずに、現在の電圧値に基づいて推定された残電池容量を各センサ20から直接取得してもよい。
また、動作方式決定部165は、状態問合せ部161が状態問合せを予め定められた時間内に実行可能であるように、送信抑制方式にて動作させるセンサの総数を制限する。センサの電池寿命を長期化させるためには、多くのセンサ20を低消費電力の送信抑制方式にすればよいが、監視モードへの移行時などに行われる状態確認に要する時間を短くする必要もあるため、送信抑制方式にできるセンサ数には限りがある。そこで、警備装置10では、利用者の利便性を考慮して、監視モードへの移行時などに状態確認が例えば3秒以内で行われるように、状態問合せ部161による状態問合せ時間に予め上限値を設定しておく。そして、動作方式決定部165は、状態問合せ時間の上限値に応じて、送信抑制方式にて動作させるセンサ20の総数にも上限値を設定しておき、送信抑制方式となるセンサ20の総数がその上限値を超えないように、各センサ20の動作方式を決定する。例えば、動作方式決定部165は、算出された残電池容量が少ない順にその上限値以下の個数のセンサ20を選択して送信抑制方式とし、残りのセンサ20を常時送信方式とする。これにより、状態確認に要する時間を上限値以下にするとともに、全体的に見て、各センサ20の消費電力量を抑えることができる。
なお、動作方式決定部165は、各センサ20の残電池容量までを算出せずに、(1)式又は(2)式における現在までの消費電力量Pを算出し、その値から各センサ20の残り駆動可能時間を推定してもよい。この場合、常時送信方式又は送信抑制方式での残り駆動可能時間の推定値は、例えば(1)式の記号を用いてB0−P/M1又はB0−P/M2と表される。消費電力量Pが多いほど残り駆動可能時間の推定値は小さいと考えられるため、動作方式決定部165は、消費電力量が多いセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサの動作方式を決定してもよい。この場合、動作方式決定部165は、算出された消費電力量が多い順に、上限値以下の個数のセンサ20を選択して送信抑制方式とし、残りのセンサ20を常時送信方式とすればよい。
あるいは、動作方式決定部165は、送信抑制方式にて動作した期間が短いセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサの動作方式を決定してもよい。送信抑制方式にて動作した期間が短いセンサであるほど、消費電力量が多い常時送信方式にて動作した期間が長いため、残り駆動可能時間の推定値は小さいと考えられる。このため、動作方式決定部165は、記憶部15の電力履歴情報テーブルを参照して、送信抑制方式での累積動作時間が短い順に、上限値以下の個数のセンサ20を選択して送信抑制方式とし、残りのセンサ20を常時送信方式としてもよい。なお、この場合は、動作方式決定部165は、上記の残電池容量又は消費電力量を算出しなくてもよい。
あるいは、動作方式決定部165は、警備装置10との通信回数が多いセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように、複数のセンサの動作方式を決定してもよい。警備装置10との通信回数が多いセンサであるほど、その通信により多くの電力を消費しているため、残り駆動可能時間の推定値は小さいと考えられる。このため、動作方式決定部165は、記憶部15の電力履歴情報テーブルを参照して、警備装置10との通信回数が多い順に、上限値以下の個数のセンサ20を選択して送信抑制方式とし、残りのセンサ20を常時送信方式としてもよい。この場合も、動作方式決定部165は、上記の残電池容量又は消費電力量を算出しなくてもよい。
なお、送信抑制方式での累積動作時間から残り駆動可能時間を推定する場合に、その累積動作時間が同程度のセンサ20が複数あったときは、動作方式決定部165は、警備装置10との通信回数が多いセンサを優先的に送信抑制方式としてもよい。
このように、各センサ20の残り駆動可能時間の推定値として、残電池容量、消費電力量、送信抑制方式での累積動作時間、又は警備装置10との通信回数を用いて、動作方式決定部165は各センサ20の動作方式を決定する。これにより、警備装置10は、残り駆動可能時間の推定値が小さいセンサを、消費電力量が少ない送信抑制方式にて動作させて、各センサ20の電池寿命を平準化させる。なお、各センサ20の残り駆動可能時間の推定値として残電池容量を用いる場合には、各センサ20の初期の電池容量が異なっていても、より厳密に各センサ20の電池寿命を平準化させることができる。
図5は、センサ20の概略構成図である。センサ20は、センシング部21と、無線通信部22と、記憶部23と、制御部24とを有する。
センシング部21は、センサ20の監視方向から入力される物理量に基づき、そのセンサが対象とする事象を感知する。センサ20が防犯センサであれば、センシング部21は、例えば、赤外線により人の存在を感知する熱線センサ、超音波により人の存在を感知するセンサ、入力画像から人の存在を感知する画像センサ、及び磁界の変化を感知して扉の開放を感知する近接センサなど、人の存在や建物の破壊を感知する公知の感知手段で構成される。また、センサ20が防災センサであれば、センシング部21は、例えば煙又は熱を感知する公知の感知手段で構成される。また、センサ20が非常ボタンであれば、センシング部21はスイッチで構成される。
無線通信部22は、警備装置10と無線信号を送受信するためのアンテナと、そのアンテナに接続される通信制御部とを備える。無線通信部22は、特定小電力無線などの通信規格に従って、警備装置10との間で通信を行う。無線通信部22から警備装置10に送信される無線信号には、少なくとも記憶部23に記憶された自己のセンサID及び通信アドレスが含まれる。無線通信部22は、コントローラとの間で通信を行うセンサ通信部として機能する。
無線通信部22は、センサ20の消費電力量を抑えるために、警備装置10から送信される信号を間欠受信によって受信する。例えば、無線通信部22は、通信レートに応じて決まる数十ミリ秒程度の受信状態と、数秒程度の切断状態とを交互に繰り返し、受信状態にあるときに、警備装置10からの信号を受信する。
記憶部23は、ROM、RAM又はHDDにて構成され、センサ20を動作させるための各種データ及び各種プログラムなどを記憶する。例えば、記憶部23は、センサ20の状態、センサID、通信アドレス、間欠受信間隔などを記憶する。また、記憶部23は、警備装置10から通知された動作方式(常時送信方式又は送信抑制方式)を記憶する。
制御部24は、CPU、ROM及びRAMなどを含むマイクロコンピュータ並びにその周辺回路で構成され、上述した各部を制御してセンサ20を動作させる。
図6は、センサ20の制御部24の機能ブロック図である。制御部24は、上記のマイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、状態通知部241と、送信抑止部242と、状態回答部243とを有する。
状態通知部241は、センシング部21が対象の事象を感知して非感知状態から感知状態に変化したときに、無線通信部22を介してその状態変化を警備装置10に通知する。即ち、状態通知部241は、センサ20が感知状態になったことを示す感知信号を警備装置10に送信させる。また、状態通知部241は、センシング部21が対象の事象を感知しなくなって感知状態から非感知状態に変化したときに、無線通信部22を介して警備装置10にその状態変化を通知する。即ち、状態通知部241は、センサ20が非感知状態になったことを示す非感知信号を警備装置10に送信させる。状態通知部241は、警備装置10からの指示に基づいて、常時送信方式又は送信抑制方式にて警備装置10への通知を行う。
送信抑止部242は、記憶部23に記憶されている動作方式を参照し、センサ20の動作方式が送信抑制方式であるときに、状態通知部241による警備装置10への状態変化の通知を抑止する。即ち、センサ20が警備装置10から送信抑制方式を指示されているときは、送信抑止部242は、その間ずっと状態通知部241が状態変化の通知を行わないようにする。
あるいは、送信抑止部242は、センサ20の動作方式が送信抑制方式であり、且つ警備装置10のモードが監視モード以外であるときに、状態通知部241による警備装置10への状態変化の通知を抑止してもよい。即ち、センサ20が送信抑制方式を指示されているときであっても、警備装置10のモードが監視モードであるときは、感知対象の事象を速やかに警備装置10に通知するため、送信抑止部242は、状態通知部241による通知の抑止を行わなくてもよい。この場合、警備装置10は、モード設定部162が警備装置10のモードを変更するたびに、新たなモードを各センサ20に通知しておく。そして、センサ20では、動作方式とともに警備装置10のモードを記憶部23に記憶しておき、送信抑止部242が記憶部23に記憶されている動作方式と警備装置10のモードを参照して、状態通知部241による通知を抑止するか否かを判定すればよい。
あるいは、送信抑止部242は、センサ20の動作方式が送信抑制方式であるときに、警備装置10のモードにかかわらず、センサ20が非感知状態から感知状態に状態変化したことに応じて、状態通知部241による新たな状態変化の通知を一定期間抑止してもよい。この場合、例えば、送信抑止部242は、センサ20が感知状態に変化した後、センサ20が非感知状態に変化してその非感知状態が予め定められた期間だけ継続するまで、状態通知部241による新たな状態変化の通知を抑止する。これを受けて、状態通知部241は、送信抑止部242による抑止が終了したときに、感知状態から非感知状態への状態変化を通知する。
なお、送信抑止部242は、センサ20の動作方式が送信抑制方式であるときに、センサが感知状態に変化した後、予め定められた期間だけ状態通知部241による新たな状態変化の通知を抑止し、状態通知部241は、送信抑止部242による抑止が終了したときに、感知状態から非感知状態への状態変化を通知してもよい。また、この場合、送信抑止部242は、センサ20について単位時間当たりの状態変化の頻度を計数し、その頻度が高いほど、上記の予め定められた長さの抑止期間を長い期間に設定してもよい。
状態回答部243は、警備装置10からの状態問合せに応じて、無線通信部22を介してセンサ20の現在の状態を警備装置10に通知する。センサ20の動作方式が送信抑制方式であるときには、送信抑止部242が状態通知部241による状態変化の通知を抑止するため、警備装置10がセンサ20の現在の状態を知るために、センサ20は警備装置10から状態問合せを受信することがある。状態回答部243は、センサ20の動作方式にかかわらず、この状態問合せに対して、センサ20の現在の状態を警備装置10に通知する。
図7は、警備装置10の動作方式決定処理の動作例を示したフローチャートである。図7に示すフローは、警備装置10の操作部13が操作されて警備装置10のモード変更が指示されたときに、記憶部15に予め記憶されたプログラムに従って、制御部16により実行される。
警備装置10のモード変更が指示されると、まず、モード設定部162は、そのモード変更が監視モードへの変更か否かを判定する(ステップS11)。監視モードへの変更である場合(ステップS11でYes)には、動作方式決定部165は、例えば全てのセンサ20について、動作方式を常時送信方式に決定し、新たな動作方式をセンサ情報テーブルに記憶するとともに、その新たな動作方式を各センサ20に通知する(ステップS12)。これにより、動作方式決定処理は終了する。
一方、監視モード以外のモードへの変更である場合(ステップS11でNo)には、動作方式決定部165は、センサ情報テーブルに記憶されているセンサ20のうちの1つを選択する(ステップS13)。次に、動作方式決定部165は、消費電力特性テーブルと電力履歴情報テーブルを参照することにより、例えば上記の(1)式又は(2)式を用いて、そのセンサについて、消費電力量を算出し(ステップS14)、残電池容量を算出する(ステップS15)。このとき、動作方式決定部165は、算出した残電池容量の値を電力履歴情報テーブルに記憶する。
そして、動作方式決定部165がまだ残電池容量を算出していないセンサ20がある場合には(ステップS16でYes)、動作フローはステップS13に戻る。この場合、動作方式決定部165は、他のセンサ20について上記のステップS13〜S16の動作を実行する。
一方、全てのセンサ20について残電池容量を算出した場合には(ステップS16でNo)、動作方式決定部165は、再度電力履歴情報テーブルを参照し、残電池容量が少ない順に、各センサ20に優先順位を割り当てる(ステップS17)。
次に、動作方式決定部165は、センサ情報テーブルに記憶されているセンサ20のうちの1つを選択し(ステップS18)、そのセンサに割り当てられた優先順位が、送信抑制方式とするセンサ数の上限値以下であるか否かを判定する(ステップS19)。そのセンサの優先順位が上限値以下である場合(ステップS19でYes)には、動作方式決定部165は、そのセンサの動作方式を送信抑制方式と決定する(ステップS20)。一方、そのセンサの優先順位が上限値より大きい場合(ステップS19でNo)には、動作方式決定部165は、そのセンサの動作方式を常時送信方式と決定する(ステップS21)。
次に、ステップS20又はS21により対象のセンサの動作方式が変更される場合(ステップS22でYes)には、動作方式決定部165は、そのセンサの新たな動作方式を、センサ情報テーブルに記憶するとともに、そのセンサに通知する(ステップS23)。一方、ステップS20又はS21により対象のセンサの動作方式が変更されない場合(ステップS22でNo)には、ステップS23は実行されず、動作フローは次に進む。
そして、動作方式決定部165がまだ動作方式を決定していないセンサ20がある場合には(ステップS24でYes)、動作フローはステップS18に戻る。この場合、動作方式決定部165は、他のセンサ20について上記のステップS18〜S23の動作を実行する。一方、動作方式決定部165が全てのセンサ20について動作方式を決定した場合には(ステップS24でNo)、動作方式決定処理は終了する。
なお、動作方式決定部165は、モード変更時にかかわらず、例えば1日1回などのように定期的に、動作方式決定処理を実行してもよい。この場合、上記のステップS11及びS12の動作は実行されない。また、動作方式決定部165が送信抑制方式での累積動作時間又は警備装置10との通信回数から動作方式を決定する場合には、残電池容量の算出は不要であるため、上記のステップS13〜S16は省略可能である。
図8は、警備装置10が監視モードへのモード変更の可否を判定する処理(モード変更判定処理)の動作例を示したフローチャートである。図8に示すフローは、警備装置10の操作部13が操作されて監視モードへのモード変更が指示されたときに、記憶部15に予め記憶されたプログラムに従って、制御部16により実行される。
監視モードへのモード変更が指示されると、まず、モード設定部162は、記憶部15のセンサ情報テーブルに記憶されているセンサ20のうちの1つについて、その動作方式を確認する(ステップS31)。ステップS31で確認されたセンサ20の動作方式が送信抑制方式であれば(ステップS32でYes)、状態問合せ部161は、センサI/F12を介してそのセンサ20に状態問合せを行う(ステップS33)。これにより、状態問合せ部161は、そのセンサ20の現在の状態を受信して、受信された状態を記憶部15のセンサ情報テーブルに記憶する。一方、ステップS31で確認されたセンサ20の動作方式が常時送信方式であれば(ステップS32でNo)、状態問合せ部161が状態問合せを行わずに、動作フローはステップS34に進む。
そして、モード設定部162は、まだ動作方式を確認していないセンサ20があるか否かを判定する(ステップS34)。まだ動作方式を確認していないセンサ20がある場合には(ステップS34でYes)、動作フローはステップS31に戻り、モード設定部162は他のセンサについて上記の各ステップの動作を実行する。一方、記憶部15に記憶されている全てのセンサ20について動作方式を確認した場合には(ステップS34でNo)、モード設定部162は、再び記憶部15のセンサ情報テーブルを参照し、感知状態が記憶されているセンサ20があるか否かを確認する(ステップS35)。
感知状態が記憶されているセンサ20がある場合には(ステップS35でYes)、モード設定部162は、監視モードへのモード変更を許容せず、モード変更が不可である旨を利用者に報知する(ステップS36)。このとき、モード設定部162は、感知状態が記憶されているセンサ20と、センサ情報テーブルから特定されるその設置場所も、併せて利用者に報知する。一方、感知状態が記憶されているセンサ20がない場合には(ステップS35でNo)、モード設定部162は、監視モードへのモード変更を許容して、モード変更が可能である旨を利用者に報知する(ステップS37)。これにより、モード設定部162は、動作を終了する。
以上説明したように、警備装置10は、残り駆動可能時間の推定値が小さいセンサであるほど優先的に送信抑制方式となるように各センサの動作方式を決定し、センサ20は、警備装置10からの指示に基づき常時送信方式又は送信抑制方式にて警備装置10への通知を行う。また、警備装置10は、送信抑制方式にて動作しているセンサに対して状態問合せを行って、そのセンサの現在の状態を受信する。これにより、警備システム1では、状態問合せに要する時間を短縮させ、センサの電池を長寿命化させるとともに、各センサの残電池容量を平準化させて電池交換に要する運用コストを削減することが可能になる。
なお、上記では、通信システムの一例として警備システム1を説明したが、通信システムは、異常を感知して監視センタに通報する警備システムに限らず、例えば扉の開閉状態などを示す各センサの状態をコントローラで確認するものであってもよい。