JP6302181B2 - トラックまたはバス用タイヤ - Google Patents
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本発明のトラックまたはバス用タイヤの構造を図に基づいて説明する。図1は、トラックまたはバス用タイヤの右半分の概略断面図であり、図2はビード部拡大図である。トラックまたはバス用タイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部3とビード部4とを有している。さらに、ビード部4にはビードコア5が埋設される。また、一方のビード部4から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア5のまわりに折り返して係止されるカーカスプライ6と、該カーカスプライ6のクラウン部外側には、4枚のプライよりなるベルト層7とが配置されている。
本発明の一実施の形態において、トラックまたはバス用タイヤの空気遮断層9は、図4に示すように1層構造を有する。空気遮断層は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を5質量%以上95質量%以下、ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分を5質量%以上95質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物からなる。
SIBSのイソブチレンブロック由来により、SIBSを含むポリマーフィルムは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSを含むポリマーフィルムを空気遮断層に用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
空気遮断層を構成するポリマー組成物は、ゴム成分を含む。ゴム成分はポリマー組成物に、ゴム成分を含む隣接部材との未加硫粘着性を与えることができる。さらに硫黄と加硫反応することにより、ポリマー組成物にカーカスやインスレーションなどの隣接部材との加硫接着性を与えることができる。
空気遮断層を構成するポリマー組成物は、硫黄を含む。
空気遮断層を構成するポリマー組成物は、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤、カーボンブラックなどの添加剤を含むことができる。
ルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドまたは、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが挙げられる。
空気遮断層は、ポリマー組成物を押出成形、カレンダー成形といったポリマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
本発明の一実施の形態において、トラックまたはバス用タイヤの空気遮断層9は、図5に示すように第1層PL1と第2層PL2とを備える。第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を30質量%以上70質量%以下、ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分を30質量%以上70質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物からなり、厚さが0.3mm以上2.0mm以下である。第2層は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(以下、SISともいう)およびスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体の少なくともいずれかを含むエラストマー組成物からなり、厚さが0.1mm以上0.8mm以下である。
第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を30質量%以上70質量%以下、ならびに天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムからなる群より選択される少なくとも1種のゴム成分を30質量%以上70質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物からなる。
ポリマー積層体の第2層は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体およびスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体の少なくともいずれかを含むエラストマー組成物からなる。
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体(SIS)のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISを含むポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISを含むポリマーフィルムを空気遮断層に用いた場合、該空気遮断層は、たとえばカーカスプライのゴム層との接着性に優れているため、耐久性に優れたタイヤを得ることができる。
エラストマー組成物は、SIS、SIBS以外の熱可塑性エラストマーを含むことができる。熱可塑性エラストマーとしては、たとえば、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブテン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレントリブロック共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。なお、これらの熱可塑性エラストマーはエポキシ基を有するエポキシ変性熱可塑性エラストマーであってもよい。
第2層は、エラストマー組成物に加え、ゴム成分を含んでも良い。ゴム成分としては、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のゴムを用いることができる。ゴム成分の配合量は、エラストマー組成物およびゴム成分の合計に対し、ゴム成分が20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。ゴム成分が20質量%未満であると、第2層がカーカス層と加硫接着しにくくなるおそれがあり、90質量%を超えると、第2層とカーカス層とが加硫接着しすぎるおそれがある。
エラストマー組成物は硫黄を含むことができる。硫黄は、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
エラストマー組成物はステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を含むことができる。これらの添加剤は実施の形態1と同様のものを用いることができる。
空気遮断層は、たとえば以下の方法で製造することができる。実施の形態1のと同様の方法で第1層を作製する。押出成形やカレンダー成形などによってエラストマー組成物をシート化して第2層を作製する。第1層と第2層とを貼り合わせてポリマー積層体を作製する。また、ポリマー組成物およびエラストマー組成物のそれぞれのペレットをラミネート押出や共押出などの積層押出をして作製することもできる。
実施の形態2の空気遮断層の構造を図5に基づき説明する。空気遮断層9は、図5に示すように、第1層PL1および第2層PL2から構成される。空気遮断層9を空気入りタイヤの空気遮断層に適用する場合、第2層PL2がカーカスプライ61に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2層PL2とカーカスプライ61との接着強度を高めることができる。したがって得られたタイヤは、空気遮断層とインナーライナーまたはカーカスプライ61のゴム層(インスレーション)とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性および耐久性を有することができる。
本発明のトラックまたはバス用タイヤは一般的な製造方法で製造することができる。トラックまたはバス用タイヤ1の生タイヤ内面を覆うようにに空気遮断層を配置して、他の部材とともに加硫成形することによって製造することができる。2層構造を有する空気遮断層を生タイヤに配置する際は、第2層PL2が、カーカスプライ(インナーライナーを用いる場合はインナーライナー)に接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。
カネカ(株)社製のSIBSTAR 102T(ショアA硬度25、スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:100,000)を用いた。
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
TSR20を用いた。
エクソンモービル(株)社製のエクソンクロロブチル 1068を用いた。
第1層で用いるポリマー組成物を作製した。ポリマー成分は表1および表2に示す配合にしたがって準備した。表中、空気遮断層が第1層のみからなる例は、1層構造の空気遮断層を意味する。
第2層で用いるエラストマー組成物を作製した。エラストマー成分は表1および表2に示す配合にしたがって準備した。
上記、ポリマー組成物およびエラストマー組成物を、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。その後、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイリップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃、フィルムゲージ:0.3mm)、またはインフレーション共押出機にて空気遮断層を作製した。
<破壊時伸び(Eb(%))>
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、各未加硫空気遮断層からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて、引張速度500mm/分で評価を行なった。この試験により、各空気遮断層について、破断時伸び(%)を測定した。
図1に示す基本構造及び図2に示すビード部構造を有する11R22.5PRサイズのトラックまたはバス用タイヤにおいて、空気遮断層をタイヤ内面に配置して生タイヤを製造し、次に加硫工程において150℃で35分間プレス成型して加硫タイヤを製造した。
[性能評価]
<空気遮断層の厚さのバラツキ>
タイヤ周上の4ケ所において空気遮断層の厚さの最大値と最小値を測定した。比較例1の測定値を基準にして、各実施例、比較例の最大値と最小値の差の相対値をとり指数表示とした。数値が小さいほどバラツキが小さいことを示す。また空気遮断層が破断した場合は、「破断」と表示している。
上述の方法で製造した11R22.5PRトラックまたはバス用タイヤをJIS規格リムに組み付け、初期空気圧900Kpaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を測定した。比較例1の値を基準として、各実施例、比較例の相対値をとり指数表示としている。値が小さいほど空気圧低下が小さいことを示す。
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用い、製造した11R22.5PRトラックまたはバス用タイヤをJIS規格リムに組み付け、荷重29.42kN、初期空気圧800kPa、速度80km/時間の条件下で、室温(38℃)にて走行させて、転がり抵抗を測定した。下記計算式により比較例1を基準(100)として、各配合の転がり抵抗を指数で表示した。転がり抵抗指数が小さいほど転がり抵抗が低減されていることを示す。(転がり抵抗指数)=(各実施例、比較例の転がり抵抗)/(比較例1の転がり抵抗)×100
<エアーイン性能>
加硫後のタイヤの内側を目視にて検査し、エアーインの大きさおよび数を評価した。結果は、比較例1を基準(100)として、各配合を指数表示した。値が小さいほど、エアーインが抑制され、良好であることを示す。
(注2)ステアリン酸:花王(株)社製の「ステアリン酸ルナックS30」
(注3)酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)社製の「亜鉛華1号
(注4)老化防止剤:大内新興化学(株)社製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン))
(注5)加硫促進剤:大内新興化学(株)社製の「ノクセラーDM」(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド))
(注6)カーボンブラック:東海カーボン(株)社製の「シーストV」(GPF、N660、N2SA 27m2/g)
<評価結果>
実施例1〜5は、空気遮断層が1層構造を有するタイヤであり、ポリマー組成物のE*が2.2〜4.5の範囲であった。得られたタイヤは、エアーインが抑制され、転がり抵抗も低減されていた。
Claims (5)
- タイヤ内面が空気遮断層で覆われたトラックまたはバス用タイヤであって、
前記空気遮断層は、厚さが0.7mm以上3.0mm以下で、ビード部のトウ先端からビードベースラインに沿って120mm以下の領域に、その端部が位置しており、
前記空気遮断層は、ポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物からなり、
前記ポリマー成分において、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体の含有量は50質量%以上60質量%以下であり、天然ゴムの含有量は5質量%以下であり、かつ、ブチルゴムの含有量は35質量%以上50質量%以下であり、
前記ポリマー組成物の動的弾性率(E*)の値が、2MPa以上5MPa以下である、トラックまたはバス用タイヤ。 - タイヤ内面が空気遮断層で覆われたトラックまたはバス用タイヤであって、
前記空気遮断層は、ビード部のトウ先端からビードベースラインに沿って120mm以下の領域に、その端部が位置しており、
前記空気遮断層は、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を60質量%以上70質量%以下、ならびにブチルゴムを30質量%以上40質量%以下含むポリマー成分100質量部に対して、硫黄を0.1質量部以上5質量部以下含むポリマー組成物からなる、厚さが0.3mm以上2.0mm以下の第1層と、
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体およびスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体からなるエラストマー組成物よりなる、厚さが0.1mm以上0.8mm以下の第2層とを備え、
前記第2層はカーカスプライ側に配置され、
前記ポリマー組成物および前記エラストマー組成物の動的弾性率(E*)の値が、2MPa以上5MPa以下である、トラックまたはバス用タイヤ。 - 前記スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体は、重量平均分子量が100,000以上290,000以下であり、かつスチレン成分含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項2に記載のトラックまたはバス用タイヤ。
- 前記ポリマー組成物は、ポリマー成分100質量部に対して、さらにステアリン酸1質量部以上5質量部以下、酸化亜鉛0.1質量部以上8質量部以下、老化防止剤0.1質量部以上5質量部以下、加硫促進剤0.1質量部以上5質量部以下、およびカーボンブラック5質量部以上80質量部以下を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトラックまたはバス用タイヤ。
- 前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は、重量平均分子量が50,000以上400,000以下であり、かつスチレン成分含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトラックまたはバス用タイヤ。
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