JP6308367B2 - 歯科用治療椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用治療椅子に関し、詳しくは、患者の体重値に応じて、椅子各部の姿勢調整時における衝撃の発生を軽減した歯科用治療椅子に関する。
歯科用治療椅子は、術者が患者の治療を行いやすくするために、椅子の昇降動作、バックレストの起倒動作など、種々の姿勢調整が可能となっている。そして、歯科用治療椅子を姿勢調整する際に、特に、駆動時と停止時に椅子の被調整部の急激な動作変化による衝撃(ショック)が生じることがあり、患者へ恐怖感を与えたり、腰、頸椎疾患の患者に対して痛みを与えたりすることがある。
このため、例えば、特許文献1では、座席シート、背板シートなどの被制御可動部を有する歯科用治療椅子において、その始動時及び/若しくは停止時に、被制御可動部の加速度及び/若しくは減速度を徐々に増大させ、その後、徐々に減少させて移動速度を所定の最高速度及び/若しくはゼロに達するように制御する制御手段を設けることが開示されており、加速度及び/若しくは減速度の制御を油圧機構の作動油の供給管路の途中に配設された油圧バルブの開閉制御によって行うことが開示されている。
また、特許文献2には、椅子の昇降用シリンダ及びバックレストの起倒用シリンダを駆動する油圧ポンプ駆動用モータの回転数を予めインバータにインプットされた加減速時間設定に基づいて制御し、駆動開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に回転数を減じるようにした椅子が開示されており、駆動開始時及び終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消するとされている。
特開2003−325595号公報 特開2008−142455号公報
特許文献1、2に開示された椅子では、基本的に油圧シリンダ内に供給する作動油の量を、油圧バルブの開閉制御あるいは、油圧ポンプの回転数制御によって、徐々に増やしたり減らしたりすることによって起動時および停止時の衝撃の発生を軽減するようにしている。しかしながら、特許文献1、2に開示された椅子では、患者の体重値については考慮されておらず、座席シートの昇降や背板シートの起倒は同じ制御方法で行われる。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、患者の体重値に応じて油圧回路の衝撃吸収の大きさを自動調整することにより、患者の体重差による衝撃の差を少なくするとともに、油圧回路の脈動を軽減することをその目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、油圧シリンダ、油圧ポンプ、制御弁を有する油圧回路によって、着座部の姿勢調整を行う歯科用治療椅子において、前記着座部にかかる荷重を検出する加重センサと、前記油圧回路にピストン型アキュムレータを設け、該ピストン型アキュムレータのピストンにかかる荷重を前記荷重センサの出力に応じて変更することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記荷重センサが検出した荷重の変化量
が大きいほど、前記ピストンにかかる荷重を大きくすることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記アキュムレータを、バネで荷重されたピストンを内部に有するシリンダから構成し、前記ピストンに係る荷重の変更は、前記バネの圧縮量の変更によって行うことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1の発明において、前記アキュムレータが、前記油圧シリンダと前記制御弁との間に設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1の発明において、前記油圧シリンダは、前記歯科用治療椅子のコンタシートの昇降用の油圧シリンダ、または、バックレストの起倒用の油圧シリンダであることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1の発明において、前記荷重センサが検出した荷重の変化量に応じて、さらに前記油圧ポンプの時間当たり吐出量を変更することを特徴とするものである。
本発明によれば、患者の体重値に応じて油圧回路の衝撃吸収の大きさを調整することにより、患者の体重差による衝撃の差をなくすとともに、油圧回路の脈動を軽減することができ、患者へ恐怖感や痛みを与えることを防止できる。
本発明が適用される歯科用治療椅子の一例を説明するための概略構成図である。 本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路の一例を示すブロック図である。 本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路を制御するための機能ブロックの一例を説明するための図である。 本発明に係る歯科用治療椅子の動作フローの一例を説明するための図である。 本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路の他の例を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の歯科用治療椅子に係る好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明が適用される歯科用治療椅子の一例を説明するための概略構成図である。歯科用治療椅子1は、基台2と、基台2に設けられたコンタシート(座席シート)3、バックレスト4、およびレッグレスト5などからなる着座部を有している。基台2は接地部との間に昇降用シリンダ10が設けられており、昇降用シリンダ10のピストンロッド10cを昇降用シリンダ10から引き出すことにより基台2を上昇させ、ピストンロッド10cを昇降用シリンダ10内に引き込むことにより基台2を下降させている。
バックレスト4は、基台2に対して軸部8を中心に回動自在に設けられており、コンタシート3に対する角度を変更することが可能になっている。本実施形態では、起倒用シリンダ20が基台2に固定されており、バックレスト下方側の軸部6と起倒用シリンダ20のピストンロッド20cに設けた軸部7との間にリンク21が設けられている。そして、起倒用シリンダ20のピストンロッド20cを起倒用シリンダ20から引き出すことによりバックレスト4を寝かし、ピストンロッド20cを起倒用シリンダ20内に引き込むことによりバックレスト4を起こしている。昇降用シリンダ10および起倒用シリンダ20は本発明の油圧シリンダに相当する。
基台2と昇降用シリンダ10との間には、基台2を含み基台2より上部の着座部の質量を計測するための荷重センサ22が設けられている。荷重センサ22は、例えば、ひずみゲージを使用して質量を電気信号に変換するロードセルを用いることができる。そして、後述するように、歯科用治療椅子への患者の着座前後の荷重変化から、患者の体重値を算出している。荷重センサ22としては種々のものを用いることができる。
基台2、コンタシート3、バックレスト4、および、レッグレスト5などの着座部の昇降、あるいはバックレスト4の起倒は、術者が図示しない操作パネルを操作することによって可能となっており、術者は、歯科用治療椅子1の各部を上下動、起倒させて、患者を治療しやすい姿勢にすることにより施術等を行うことができる。なお、本実施形態では、主として患者の体重がかかる着座部の上下動やバックレスト4の起倒を歯科用治療椅子1の調整部位として説明するが、歯科用治療椅子の他の部位、例えば、安頭台やフットレストなども姿勢調整可能に設けてもよい。
図2は、本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路の一例を示すブロック図である。図2で示す油圧回路100は昇降用シリンダ10を駆動するためのものであり、コントローラ30、油圧ポンプ40、ポンプ駆動モータ41、オイルタンク42、制御弁51、52、および、アキュムレータ60を備えている。コントローラ30は、図示しない操作パネルからの術者の操作に応じて、ポンプ駆動モータ41による油圧ポンプ40の起動および停止、各制御弁51、52の開閉動作等を行うためのものである。
本実施形態では、昇降用シリンダ10は単動シリンダとして構成されており、シリンダチューブ10a内にピストン10bが設けられており、このピストン10bにピストンロッド10cが設けられている。シリンダチューブ10aとピストン10bとがなすシリンダ室10dに作動油を供給することによってシリンダチューブ10aからピストンロッド10cを引き出し、シリンダチューブ10aを上昇させている。一方、シリンダチューブ10aの下降は、シリンダ室10dから作動油を排出することによって行われる。
油圧回路100は、油圧ポンプ40と、オイルタンク42とを有している。油圧ポンプ40はポンプ駆動モータ41によって駆動され、オイルタンク42から作動油を昇降用シリンダ10に供給している。ポンプ駆動モータ41の回転数を変更することにより油圧ポンプ40からの作動油の吐出量を変更することができる。油圧ポンプ40とポンプ駆動モータ41は、これらが一体化された電動ポンプから構成してもよい。オイルタンク42は、昇降用シリンダ10から排出された作動油を蓄えて、再度、油圧ポンプに供給している。
油圧ポンプ40と昇降用シリンダ10との間には、制御弁51、52が設けられている。制御弁51、52は、本実施形態では、2ポート単動常時閉電磁弁を用いており、非通電時には閉弁状態にあり通電時に開弁状態となる。なお、制御弁としては2ポート単動常時閉電磁弁に限らず、2ポート単動常時開電磁弁でもその他の制御弁を用いてもよい。制御弁51は、油圧ポンプ40から昇降用シリンダ10のシリンダ室10dに作動油を供給するための制御弁であり、制御弁52は昇降用シリンダ10のシリンダ室10dから作動油をオイルタンク42に排出するための制御弁である。
制御弁51と制御弁52とは同時に開弁状態になることはなく、制御弁51と制御弁52をともに閉弁状態に維持することにより、着座部の位置を任意の位置で維持することができる。着座部を上昇させる場合は、制御弁51を開弁状態にし、制御弁52を閉弁状態にすることで、作動油をシリンダ室10dに供給し、シリンダチューブ10aを上昇させている。また、着座部を下降させる場合は、制御弁51を閉弁状態にし、制御弁52を開弁状態にすることで、患者と着座部の自重によって、シリンダ室10dから制御弁52を介して作動油をオイルタンク42に排出している。
本発明では、椅子の昇降動作時の衝撃を緩和するために、昇降用シリンダ10のシリンダ室10dと制御弁51,52との間にアキュムレータ60を配置している。本実施形態のアキュムレータ60は、ピストン型のアキュムレータであり、シリンダチューブ61、ピストン62、バネ荷重調整用ピストン63を有している。ピストン62とバネ荷重調整用ピストン63との間にはバネ64が設けられており、ピストン62はバネ荷重がかかった状態でシリンダチューブ61a内を移動可能に設けられている。アキュムレータ60のシリンダチューブ61は、本発明のアキュムレータのシリンダに相当する。
バネ荷重調整用ピストン63には、シリンダチューブ61に対して回転を阻止した状態で挿抜可能なネジ付きの調整軸65が設けられており、調整軸65は内周にネジを設けた歯車66に挿通されている。そして、バネ調整用モータ67によって歯車66を正逆回転させることにより、調整軸65をシリンダチューブ61に対して挿抜できるようになっている。調整軸65はシリンダチューブ61に押し込まれることによりバネ64を圧縮し、バネ64の反発力がピストン62に加わる。このため、バネ調整用モータ67の正逆回転によってバネ64の圧縮量を変更し、ピストン62に加わる荷重を調整できるようにしている。バネ調整用モータ67としては、回転方向と回転数の制御が容易なステッピングモータを用いることができる。
シリンダチューブ61とピストン62とによって形成されたシリンダ室68には、作動油の入出力ポートが設けられている。この入出力ポートは共通の1つのポートであってもよい。そして、シリンダ室68内の作動油の圧力と、バネ54の反発力が釣り合う位置でピストン62が静止することになる。なお、バネ荷重調整用ピストン63は、本実施形態ではピストンとして構成しているが、バネ64を圧縮伸張できる部材であればピストンでなくてもよい。さらに、調整軸65もネジ付きのものを用いているが、外部からバネを圧縮伸張できる機構であれば、他の機構のものを利用してもよい
油圧回路100の制御弁51、52を急速に閉じたり、負荷の急変が生じたりすると油圧回路の配管に衝撃圧力が発生し、騒音や配管機器の破損の原因となる。しかしながら、本実施形態では、アキュムレータ60のシリンダ室68内の作動油の容量が変化可能であるため、制御弁51、52の開閉による衝撃を緩和することができる。また、油圧ポンプから吐出される作動油にはポンプの構造上から脈動が含まれるため、騒音や振動を発生させ、油圧回路の作動を不安定にしたり、機器類の破損を招いたりするが、アキュムレータ60によって、作動油の脈動を減衰することができる。
すなわち、シリンダ室68内の作動油の圧力とバネ54の反発力が釣り合う位置でピストン62が静止している状態において、油圧回路の上流側で圧力変化による衝撃や脈動が生じた場合、その圧力変化の大きさに応じてピストン62がシリンダチューブ61の軸方向に移動し、それによってシリンダ室68内の作動油の体積変化が生じる。この体積変化によって衝撃や脈動が吸収され、アキュムレータ60の下流への圧力変化の伝搬が防止できる。
このため、アキュムレータ60は油圧ポンプ40の下流側直下に配置してもよいが、昇降用シリンダ10のシリンダ室10dの圧力変動を緩和するためには、制御弁51,52とシリンダ室10dとの間に設けておくことが望ましい。
さらに、本発明ではアキュムレータの特性を患者の体重値に応じて変更しているので、この点について以下に説明する。図3は、本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路を制御するための機能ブロックの一例を説明するための図である。
油圧回路100のコントローラ30は、操作受付部31、荷重値算出部32、バネ調整量算出部33、バネ調整用モータ回転数設定部34、ポンプ駆動モータ回転数設定部35、および、操作出力部36を有している。これらのコントローラ30の機能は、図示しないCPU、ROM、RAMを有するマイコンと、ROMに予め記憶した制御プログラムを実行することによって実現できる。
操作受付部31は、操作パネル23を操作することによって術者からの歯科用治療椅子1の各部の姿勢調整の指令信号を受け付け、所定の操作を行うように操作出力部36に姿勢調整の指令信号を伝えている。荷重値算出部32は、荷重センサ22からの出力信号を受けて、荷重値(質量)を算出するためのものであり、荷重値に変化があった場合にはその差分を出力する。これにより、歯科用治療椅子1に患者が座った際の荷重変化から患者の体重値を算出している。
バネ調整量算出部33は、患者の体重値に応じてアキュムレータ60のバネ64の調整量(圧縮量)を算出するためのものであり、患者の体重が重いほどバネ64を縮め、患者が軽いほどバネ64を伸ばすようにしている。患者の体重値に対するバネ64の調整量は、歯科用治療椅子の基台部2から上部の重量によっても影響を受けるため、ルックアップテーブルとして予めデータ化しておくことで、処理のスピードアップを図ることができる。バネ調整用モータ回転数設定部34は、アキュムレータ60のバネ64の調整量に応じて、バネ調整用モータ67の回転方向と回転数を設定するためのものである。本実施形態では、バネ調整量算出部33を設けているが、荷重値算出部32で得た患者の体重値から直接バネ調整用モータ67の回転方向と回転数を求めるようにしてもよい。
なお、アキュムレータ60には、バネ荷重調整用ピストン63の位置、あるいは、調整軸65の引き込み量を検出するための図示しないセンサが設けられており、このセンサからの検出値に基づいて、歯科用治療椅子1に患者が乗っていない時には、予め、バネ荷重調整用ピストン63が初期位置として所定の位置に来るようにバネ調整用モータ67を回転させている。同じく、歯科用治療椅子1に患者が乗っていない時には、歯科用治療椅子1の高さも初期位置になるように昇降用シリンダ10が駆動される。
ポンプ駆動モータ回転数設定部35は、操作パネル23からの指令に基づいて、ポンプ駆動モータ41の回転数を設定することにより、油圧ポンプ40からの作動油の時間当たりの吐出量を変更し、油圧ピストンの動作速度を所定の速度に設定するためのものである。例えば、術者が、歯科用治療椅子1の各部の姿勢調整を早く行いたい場合には、操作パネル23を操作することによって、ポンプ駆動モータ41の時間当たりの回転数(回転速度)を高くすることによって、油圧ピストンの動作を早めることが可能となっている。あるいは、姿勢調整の速度が速すぎて怖がる患者、腰、頸椎疾患の患者、貧血等を起こしやすい患者の場合には、椅子の姿勢調整動作を低速モードにすることにより、不安感の緩和、腰、頸椎への負担軽減、貧血防止につながる。
さらに、例えば、小児のように一般に体重の軽い患者の場合にも、歯科用治療椅子1の姿勢調整をゆっくり行うことで、患者に与える不安感を軽減するようにしてもよい。このため、ポンプ駆動モータ回転数設定部35は荷重値算出部32から患者の体重値信号を受けて、ポンプ駆動モータ41の回転数を設定するように構成してもよい。
操作出力部36は、操作受付部31からの操作信号、バネ調整用モータ回転数設定部34からのバネ調整用モータ67の回転方向と回転数の信号、ポンプ駆動モータ回転数設定部35からのポンプ駆動モータ41の回転数の信号を受けて、制御弁51,52、バネ調整用モータ67、ポンプ駆動モータ41に対して、これらを動作させるための信号を出力する。制御弁51,52、バネ調整用モータ67、ポンプ駆動モータ41はコントローラ30の操作出力部36からの信号に基づいて、それぞれ所定の動作を行う。
次に、歯科用治療椅子1の動作について説明する。図4は、本発明に係る歯科用治療椅子の動作フローの一例を説明するための図である。
まず、初期状態において、コントローラ30の荷重値算出部32は荷重センサ22からの出力信号をウォッチングしており、荷重センサ22からの出力信号が変化して荷重変化があるかどうかを判定する(ステップS1)。ここで初期状態とは、歯科用治療椅子が予め定められた初期位置に姿勢調整され、アキュムレータの調整軸65も予め定められた所定位置にある状態をいう。そして、ステップS1で荷重変化がない場合(NOの場合)は、ウォッチングを続け、荷重変化があった場合(YESの場合)は、荷重の変化量、すなわち患者の体重値を算出するとともに、算出した変化量をバネ調整量算出部33に出力する(ステップS2)。
なお、ステップS1で最初に荷重変化があった場合は、歯科用治療椅子1に患者が乗った場合であり、この時、油圧回路100の制御弁51、52はともに閉弁状態にある。このため、患者の体重に相当する圧力が昇降用シリンダ10のシリンダ室10d内の作動油を介してアキュムレータのシリンダ室68に伝わり、アキュムレータ60のピストン62は体重による圧力とバネ64の反発力とが平衡するまで下方に移動することになる。また、この影響で、歯科用治療椅子1の基台2も若干下方に移動することになる。
次に、バネ調整量算出部33は、荷重値算出部32から入力した荷重の変化量に応じて、バネ64の調整量を算出し、算出した調整量をバネ調整用モータ回転数設定部34に伝える(ステップS3)。バネ調整用モータ回転数設定部34は、バネ調整量算出部33から入力した調整量に応じて、バネ調整用モータ67の回転方向と回転数を設定し、操作出力部36に設定値を出力する(ステップS4)。さらに、操作出力部36は、バネ調整用モータ67の回転方向と回転数の設定値に基づいて、バネ調整用モータ67を駆動する(ステップS5)。これにより、バネ64を所定量圧縮伸張させ、ピストン62に加わる荷重の調整が行われる。
なお、バネ調整用モータ67の回転方向は、調整軸65の初期位置によって変化するものであり、調整軸65の初期位置、すなわち、バネ荷重調整用ピストン63の初期位置を充分下方に設定することにより、バネ調整用モータ67を一方向に回転させることで、ピストン62に加わる荷重を調整するようにしてもよい。
次に、ステップS6に移り、コントローラ30の操作受付部31は、操作パネル23から操作入力があったかどうかを判定する。操作入力がない場合(NOの場合)は待機し、操作入力があった場合(YESの場合)は、終了操作であるかどうかを判定する(ステップS7)。そして、終了操作でない場合(ステップS7でNOの場合)は、ポンプ駆動モータ回転数設定部35は、操作パネルからの操作信号あるいは荷重値算出部32からの体重値に応じて、ポンプ駆動モータ41の時間当たりの回転数(回転速度)を設定する(ステップS8)。
ステップS8の後はステップS9に移り、操作出力部36は姿勢調整のための操作に応じた制御弁の開閉と、ステップS8で設定した時間当たりの回転数となるようにポンプ駆動モータ41の駆動を行う。なお、最初にステップS9の動作を行うケースとしては、通常、歯科用治療椅子1を上昇させる動作となる。ステップS9を終了するとステップS6に戻り、次の操作入力を待つ。
ステップS7において、操作入力が終了操作であった場合(YESの場合)、ステップS10に移り、操作出力部36は、制御弁51、52、ポンプ駆動モータ41、および、バネ調整用モータ67を駆動して、歯科用治療椅子1を初期状態の位置に戻した後、動作を終了する。ここで、終了操作は、通常治療が終わり、患者が歯科用治療椅子1から降りた後の操作となる。
以上、本発明の実施形態として、歯科用治療椅子1の昇降用シリンダ10を対象に説明したが、本発明はバックレスト4の起倒用シリンダ20についても適用可能である。図5は、本発明に係る歯科用治療椅子の油圧回路の他の例を説明するための図である、図5に示す油圧回路100は、起倒用シリンダ20を駆動するためのものであり、コントローラ30、油圧ポンプ40、ポンプ駆動モータ41、オイルタンク42、制御弁53〜56、および、アキュムレータ60’、60”を備えている。コントローラ30、油圧ポンプ40、油圧ポンプ駆動用モータ41、および、オイルタンク42については、それぞれ、図2で示した油圧回路100のものが共通で使われるため、その説明を省略する。
起倒用シリンダ20は複動シリンダとして構成されており、シリンダチューブ20a内にピストン20bが設けられており、このピストン20bにピストンロッド20cが設けられている。起倒用シリンダ20は、シリンダチューブ20aとピストン20bとがなすシリンダ室20dに作動油を供給するとともにピストンロッド側のシリンダ室20eから作動油を排出することによってシリンダチューブ20aからピストンロッド20cを引き出し、シリンダ室20eに作動油を供給するとともにシリンダ室20dから作動油を排出することによってシリンダチューブ20aへピストンロッド20cを引きこんでいる。
制御弁53は、油圧ポンプ40から起倒用シリンダ20のシリンダ室20eに作動油を供給するための制御弁であり、制御弁54は起倒用シリンダ20のシリンダ室20eから作動油をオイルタンクに排出するための制御弁である。さらに、制御弁55は、油圧ポンプ40から起倒用シリンダ20のシリンダ室20dに作動油を供給するための制御弁であり、制御弁56は起倒用シリンダ20のシリンダ室20dから作動油をオイルタンクに排出するための制御弁である。制御弁53〜56は、本実施形態では、図2で示した油圧回路の制御弁51,52と同様に、2ポート単動常時閉電磁弁を用いているが、2ポート単動常時開電磁弁あるいはその他の制御弁を用いてもよい。
制御弁53と制御弁54、および、制御弁55と制御弁56とは、それぞれ同時に開弁状態になることはなく、バックレスト4の姿勢を維持する場合は、制御弁53〜56のすべてが閉弁状態に維持される。バックレスト4を起こす場合は、制御弁53と制御弁56を開弁状態にすることで、シリンダ室20eに作動油を供給するとともにシリンダ室20dから作動油を排出することによって、ピストンロッド20cを引き込む方向にピストン20bを移動させている。この間、制御弁54,55は閉弁状態が維持される。
また、バックレスト4を倒す場合は、制御弁55と制御弁54を開弁状態にすることで、シリンダ室20dに作動油を供給するとともにシリンダ室20eから作動油を排出することによって、ピストンロッド20cを引き出す方向にピストン20bを移動させている。この間、制御弁53,56は閉弁状態が維持される。歯科用治療椅子1の姿勢調整を行わないとき、すなわち、着座部の位置を動かさないときは、各制御弁51〜56は閉弁状態にあり、油圧ポンプ40も駆動されない。
そして、バックレスト4の起倒動作における起動時と停止時のバックレスト4の動作に伴う衝撃を緩和するために、起倒用シリンダ20のシリンダ室20eと制御弁53,54との間にアキュムレータ60’を、起倒用シリンダ20のシリンダ室20dと制御弁55,56との間にアキュムレータ60”をそれぞれ配置している。アキュムレータ60’、60”は、図2に示した油圧回路100のアキュムレータ60と同じ構成のピストン型のアキュムレータであり、それぞれのバネ調整用モータ67’、67”を駆動することにより、それぞれのピストン62’、62”に加わる荷重を調整できるようにしている。
そして、患者の体重値に応じて、それぞれのピストン62’、62”に加わる荷重を調整している点は、昇降用シリンダ10に設けたアキュムレータ60と同様であるのでその説明を省略する。これにより、バックレスト4の起倒時の衝撃を、患者の体重値に応じて油圧回路の衝撃吸収の大きさを自動調整することにより、患者の体重差による衝撃の差を少なくするとともに、油圧回路の脈動を軽減することができる。
なお、バックレスト4に荷重センサ22とは別の第2の荷重センサを設け、この第2の荷重センサで検出した荷重値に基づいて、ピストン62’、62”に加わる荷重を調整するようにしてもよい。この場合、バックレスト4の起倒動作に応じて第2の荷重センサに加わる荷重が変化するため、これに応じて、ピストン62’、62”に加わる荷重を調整することになる。例えば、バックレスト4を倒す場合は、第2の荷重センサにかかる荷重がバックレスト4の傾斜角の増大とともに大きくなるため、これに応じて、アキュムレータ60”のピストン62”に加える荷重を大きくすることとなる。また、バックレスト4を起倒する際に、操作パネルからの操作信号あるいは患者の体重値に応じて、ポンプ駆動モータ41の時間当たりの回転数を設定することにより、バックレスト4の動作速度を変更するようにしてもよい。
1…歯科用治療椅子、2…基台、3…コンタシート、4…バックレスト、5…レッグレスト、6,7,8…軸部、10…昇降用シリンダ、20…起倒用シリンダ、10a,20a…シリンダチューブ、10b,20b…ピストン、10c,20c…ピストンロッド、10d,20d,20e…シリンダ室、21…リンク、22…荷重センサ、23…操作パネル、30…コントローラ、31…操作受付部、32…荷重値算出部、33…バネ調整量算出部、34…バネ調整用モータ回転数設定部、35…ポンプ駆動モータ回転数設定部、36…操作出力部、40…油圧ポンプ、41…ポンプ駆動モータ、42…オイルタンク、51〜56…制御弁、60,60’,60”…アキュムレータ、61…シリンダチューブ、62,62’,62”…ピストン、63…バネ荷重調整用ピストン、64,64’,64”…バネ、65…調整軸、66…歯車、67,67’,67”…バネ調整用モータ、100…油圧回路。

Claims (6)

  1. 油圧シリンダ、油圧ポンプ、制御弁を有する油圧回路によって、着座部の姿勢調整を行う歯科用治療椅子において、前記着座部にかかる荷重を検出する加重センサと、前記油圧回路にピストン型アキュムレータを設け、該ピストン型アキュムレータのピストンにかかる荷重を前記荷重センサの出力に応じて変更することを特徴とする歯科用治療椅子。
  2. 前記荷重センサが検出した荷重の変化量が大きいほど、前記ピストンにかかる荷重を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の歯科用治療椅子。
  3. 前記アキュムレータを、バネで荷重されたピストンを内部に有するシリンダから構成し、前記ピストンに係る荷重の変更は、前記バネの圧縮量の変更によって行うことを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用治療椅子。
  4. 前記アキュムレータが、前記油圧シリンダと前記制御弁との間に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の歯科用治療椅子。
  5. 前記油圧シリンダは、前記歯科用治療椅子のコンタシートの昇降用の油圧シリンダ、または、バックレストの起倒用の油圧シリンダであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の歯科用治療椅子。
  6. 前記荷重センサが検出した荷重の変化量に応じて、さらに前記油圧ポンプの時間当たり吐出量を変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載の歯科用治療椅子。
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