JP6312366B2 - 床下梁材、および床下梁材の支持構造 - Google Patents

床下梁材、および床下梁材の支持構造 Download PDF

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Description

この発明は、床下梁材、および床下梁材の支持構造に関するものであり、特に、鋼製の床下梁材、および鋼製の床下梁材の支持構造に関するものである。
床板等を支持する部材として、床板の下部に配置される根太や大引といった床下梁材がある。大引は、基礎としてのコンクリートによって形成された土間の上に複数本所定の間隔を開けて鉛直上方に延びるように配置される束の上に配置される。また、根太は、大引の上に格子状となるよう複数配置される。そして、これら大引や根太は、部屋の床を構成する床板等を支持する。
従来においては、大引等の材質として、木材が多用されていた。しかし、昨今では、鋼製のものも用いられている。鋼製大引は、軽量化や低コストの観点から、所定の板厚の鋼板を折り曲げて形成される。このような鋼製大引は、いわゆる中空状である。
鋼製大引については、特開2000−73527号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2000−73527号公報
床下梁材については、床板等を支持する部材として用いられることから、撓みに対する復元力もさることながら、高い強度が求められる。特許文献1に開示の鋼製大引については、その外形形状が略矩形状である。そして、矩形状を構成する長辺が、鉛直方向に延びるように配置される。こうすることにより、略矩形状の鋼製大引において、強度の強い方向で使用することができる。すなわち、鋼製大引を強軸使いとして、高い強度を確保することができる。
しかし、鋼製大引をこのように使用すると、鋼製大引自体が占有する鉛直方向の長さ寸法が長くなってしまう。そうすると、鋼製大引の上に床板等が配置されて形成される居住空間が狭くなってしまうことになる。具体的には、部屋の天井高さは自ずから決まってしまうことが多いため、土間に対して、床板等が高く設置されてしまうと、居住空間として確保できる部屋の鉛直方向の長さが短くなってしまう。特に昨今では、より広い居住空間の確保が求められており、強軸使いをできるだけ避けたいという要望がある。この場合、単に上記した鋼製大引を、矩形状を構成する短辺が鉛直方向に延びるように配置する弱軸使いとすると、居住空間を広く確保することができる。しかし、この場合、大引として求められる強度が不十分となる。なお、鋼板の板厚を厚くして強度を確保することも考えられるが、重量が重くなることに加え、材料費のアップを引き起こすこととなり、好ましくない。
この発明の目的は、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる床下梁材を提供することである。
この発明の他の目的は、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる床下梁材の支持構造を提供することである。
この発明の一実施形態に係る床下梁材は、その外形形状が略矩形状となるよう、鋼板をロール状に折り曲げて形成される鋼製の床下梁材である。床下梁材は、矩形状を構成する一方側の長辺に、折り曲げられた鋼板の両端部が位置している。ここで、前記鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.4t以下である。
このような床下梁材によると、矩形状を構成する一方側の長辺に、折り曲げられた鋼板の両端部が位置しており、いわゆる弱軸使いとして用いて、床下梁材としての鉛直方向の長さを短くすることができる。この場合、鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.4t以下であるため、弱軸使いとして用いた場合であっても、生産性の低下のおそれを低減し、強度を高く維持することができる。したがって、このような床下梁材によると、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる。ここで、床下梁材については、床の下に配置され、梁として用いられる部材をいう。
また、両端部は、かしめられて接続されているよう構成してもよい。
また、矩形状を構成する他方側の長辺には、内方側に凹むリブが設けられているよう構成してもよい。
また、リブは、複数設けられているよう構成してもよい。
また、鋼板の板厚は、t<1.6mmの関係を有するよう構成してもよい。
また、ロールフォーミング加工により形成されているよう構成してもよい。
また、大引または根太を含むよう構成してもよい。
また、この発明の他の局面においては、床下梁材の支持構造は、上記したいずれかの床下梁材と、床下梁材を鉛直下方側から支持する支持部とを備える。
また、この発明のさらに他の局面においては、床下梁材の支持構造は、その外形形状が略矩形状である中空の鋼製の床下梁材と、床下梁材を鉛直下方側から支持する支持部とを備える。床下梁材は、矩形状を構成する長辺側が、支持部に対向するよう設けられている。ここで、鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.4t以下である。
このような構成の床下梁材の支持構造によれば、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる。
このような床下梁材によると、矩形状を構成する一方側の長辺に、折り曲げられた鋼板の両端部が位置しており、いわゆる弱軸使いとして用いて、床下梁材としての鉛直方向の長さを短くすることができる。この場合、鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.4t以下であるため、弱軸使いとして用いた場合であっても、強度を高く維持することができる。したがって、このような床下梁材によると、強度を高く維持しながら、居住空間を広く確保することができる。
この発明の一実施形態に係る床下梁材としての鋼製大引の外観を示す斜視図である。 図1に示す鋼製大引を図1中の矢印IIで示す鋼製大引の長手方向から見た図である。 図1に示す鋼製大引を備える鋼製大引の支持構造の一部を示す概略図である。 図3に示す鋼製大引の支持構造を、図3中の矢印IVの方向から見た図である。 この発明の他の実施形態に係る鋼製大引を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る鋼製大引を示す図である。 圧縮試験装置を示す概略図である。 図7に示す圧縮試験装置を図7中の矢印VIIIの方向から見た図である。 従来の鋼製大引を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る床下梁材としての鋼製大引の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す鋼製大引を図1中の矢印IIで示す鋼製大引の長手方向から見た図である。図3は、図1に示す鋼製大引を備える床下梁材の支持構造の一部を示す概略図である。図4は、図3に示す鋼製大引の支持構造を、図3中の矢印IVの方向から見た図である。
図1〜図4を参照して、この発明の一実施形態に係る鋼製大引11は、長手方向に延びる角材であって、中空状である。鋼製大引11の長さは、おおよそ数m程度である。鋼製大引11は、長手方向に真直ぐに延びる形状である。
鋼製大引11の形状については、鋼製大引11の長手方向から見た場合に、その外形形状が略矩形状である。鋼製大引11はおおよそ、一対の長辺12a、12bと、一対の短辺13a、13bから構成されている。一対の長辺12a、12b同士、および一対の短辺13a、13b同士はそれぞれ対向するように設けられている。長辺12a、12bの長さは同じであり、図2中の長さLで示される。短辺13a、13bの長さも同じであり、図2中の長さLで示される。なお、長さLについては、例えば、100mmが選択され、長さLについては、例えば、50mmが選択される。そして、鋼製大引11の外形形状は、矩形状を構成する4つの角部14a、14b、14c、14dを有する構成である。具体的には、一方側の長辺12aと一方側の短辺13aとの間に角部14aが形成され、他方側の長辺12bと一方側の短辺13aとの間に角部14bが形成され、他方側の長辺12bと他方側の短辺13bとの間に角部14cが形成され、一方側の長辺12aと他方側の短辺13bとの間に角部14dが形成される。なお、鋼製大引11については、長手方向に垂直に延びる平面で切断した場合の断面の外形形状についても、図2に示す外形形状と同じである。
鋼製大引11は、一枚の平板状の鋼板を折り曲げて形成されている。具体的には、上記した外形形状が略矩形状となるよう、一枚の平板をロールフォーミング加工することにより形成されている。具体的には、ロールフォーミング加工により、一枚の矩形状の平板の鋼板を、4つの角部を形成するように矩形状に徐々に折り曲げていき、形成される。このように構成することにより、その外形形状が略矩形状である鋼製大引11を効率的に製造することができ、コストダウンを図ることができる。なお、この場合、鋼製大引11の製造時において使用される鋼板の板厚tについては、1.2mmが選択される。ここで、角部14a〜14dの曲率半径については、生産性を考慮し、ロールフォーミング加工に用いる部材の摩耗量の低減の観点から、できるだけ大きい方が好ましいものとなる。
一枚の鋼板の端部15a、15b同士は、かしめにより接合されている。具体的には、かしめ部16については、鋼板の一方側の端部15aを折り返し、鋼板の他方側の端部15bを折り返し、それぞれの端部15a、15bのうちの折り返し部分が係合するようにして設けられている。かしめ部16は、長辺12aのうち、図2に示す紙面左右方向において、中央に設けられている。かしめ部16については、中空状の鋼製大引11のうち、内方側に突出するように両端部15a、15b同士を折り曲げて設けられる。図2中の長さLで示すかしめ部16の左右方向の長さは、例えば、おおよそ9.4mmが選択される。このように構成することにより、確実に両端部15a、15bを接続することができる。
図3に示すように、この端部15a、15b同士が接合されたかしめ部16は、矩形状を構成する一方側の長辺12aに配置される。すなわち、両端部15a、15bは、矩形状を構成する一方側の長辺12aに位置することになる。なお、矩形状を構成する一方側の長辺12aの外側面17aは、平らとなるよう構成されている。
鋼製大引11のうち、矩形状を構成する他方側の長辺12bには、その一部が中空状の内方側に突出した上面リブ18a、18bが設けられている。第一の上面リブ18aは、中空状の鋼製大引11の内方側に向かって台形状に突出するように設けられている。具体的には、第一の上面リブ18aは、他方側の外側面17bから傾斜して互いに近づくように延びる第一の傾斜部19a、および第二の傾斜部19bと、第一および第二の傾斜部19a、19b同士の端部を接続する平坦部20aとから構成されている。図2に示す場合において、平坦部20aを構成する外側面21aは、外側面17bと平行となるように設けられている。第二の上面リブ18bについても同様に、第一の傾斜部19c、第二の傾斜部19d、平坦部20bから構成されている。
第一の上面リブ18aの左右方向の長さL、および第二の上面リブ18bの左右方向の長さLについてはそれぞれ、例えば、約28.5mmが選択される。また、第一および第二の上面リブ18a、18bは、図2に示すように、長手方向から見た場合に、図2中の一点鎖線で示す鋼製大引11の紙面左右方向の中心22aを中心として、左右対称となるように設けられている。図2中の長さLで示す第一の上面リブ18aと第二の上面リブ18bとの左右方向の間隔としては、例えば、約20mmが選択される。第一の上面リブ18aは、長手方向に延びるように設けられている。第一の上面リブ18aのうち、長辺12bの外側面17bから内方側に突出する突出量については、図2中の長さLで表される。第二の上面リブ18bについても同じ構成である。長さLとしては、例えば、2.4mmが選択される。
鋼製大引11のうち、矩形状を構成する一方側の短辺13aには、その一部が内方側に突出する第一の側面リブ23aが設けられている。また、矩形状を構成する他方側の短辺13bには、その一部が内方側に突出する第二の側面リブ23bが設けられている。第一の側面リブ23aの構成について説明すると、第一の側面リブ23aについても、中空状の鋼製大引11の内方側に向かって台形状に突出するように設けられている。すなわち、第一の側面リブ23aは、一方側の外側面24aから傾斜して互いに近づくように延びる第一の傾斜部25b、および第二の傾斜部25aと、第一および第二の傾斜部25b、25a同士の端部を接続する平坦部26aとから構成されている。図2に示す場合において、平坦部26aを構成する外側面27aは、外側面24aと平行となるように設けられている。第二の側面リブ23bについても同様に、第一の傾斜部25d、第二の傾斜部25c、平坦部26bから構成されている。第二の側面リブ23bは、第一の側面リブ23aと対向するように設けられている。第一および第二の側面リブ23a、23bはそれぞれ、鋼製大引11のうち、上下方向の中央に設けられている。具体的には、第一の側面リブ23aが設けられた一方側の短辺13a、および第二の側面リブ23bが設けられた他方側の短辺13bは、図2中の二点鎖線で示す鋼製大引11の上下方向の中央22bを中心として、上下対称となるよう構成されている。第一および第二の側面リブ23a、23bの上下方向のそれぞれ長さLについては、例えば、20mmが選択される。また、図2中の長さLで示す短辺13aの外側面24aからの第一の側面リブ23aの内方側に突出する突出量、および短辺13bの外側面24bからの第二の側面リブ23bの内方側に突出する突出量については、約1.2mmが選択される。
次に、上記した鋼製大引11を支持する鋼製大引の支持構造31の構成について説明する。鋼製大引の支持構造31は、上記した構成の鋼製大引11と、鋼製大引11を鉛直下方側から支持する支持部としての束32とを備える。束32についても、鋼製のものが用いられる場合がある。束32は、上下方向に長さを変えることができるよう構成されている。
束32はいわゆる棒状であって、図3および図4中の一点鎖線で示すコンクリート等によって形成される土間33の上に配置される。具体的には、束32の一方側の端部、すなわち、下方側の端部34aが土間33の上に取り付けられるようにして、鉛直方向に延びるように設けられる。そして、束32の他方側の端部34b、具体的には、束32の上方側の端部34b上に、鋼製大引11が載置されるようにして配置される。具体的には、束32の上端部34bには、鋼製大引11を受ける大引受け具35が取り付けられており、この大引受け具35上に鋼製大引11の一方側の長辺12aが対向するように取り付けられる。この場合、この鋼製大引11の大引受け具35側に、折り曲げられた鋼板の両端部から構成される上記したかしめ部16が位置するよう配置される。なお、ビス等を用いて大引受け具35と鋼製大引11とを固定することにしてもよい。この場合、一方側の長辺12aの外側面17aは、平らであり、大引受け具35の上側面36についても平らに構成されているため、それぞれの部材を接触させた際の接触面積を広くして当接させることができ、多くの荷重を受ける際に、局所荷重の増加を低減することができる。
すなわち、鋼製大引11は、一方側の長辺12aを鉛直下方側に配置して、いわゆる弱軸使いで用いられる。こうすることにより、床下梁材としての鋼製大引11をいわゆる弱軸使いとして用いて、床下梁材としての鉛直方向の長さを短くすることができる。したがって、床レベルを低く設定することができ、居住空間を広く確保することができる。この場合、具体的には、強軸として使用した場合に比べて、高さ方向に対し、50mmも空間を広く確保することができる。
束32は、所定の間隔を開けて複数設けられる。そして、複数の束32によって、一本の鋼製大引11が下方側から支持されるようにして設けられる。複数の束32については、図3に示す場合については、紙面表裏方向、図4に示す場合については、紙面左右方向に配置される。
ここで、鋼製大引11について、鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部14a、14b、14c、14dの曲率半径R、R、R、Rは、それぞれ、1.0t以上2.4t以下であるよう構成されている。具体的には、矩形状を構成する4つの角部14a〜14dの曲率半径をそれぞれ曲率半径R、R、R、Rとすると、1.0t≦R≦2.4tであり、1.0t≦R≦2.4tであり、1.0t≦R≦2.4tであり、1.0t≦R≦2.4tである。ここで、曲率半径R〜Rについては、角部14a〜14dの内側面の曲率半径である。この場合、具体的には、鋼板の板厚t1は、1.2mmであり、曲率半径R〜Rについては、2.4mmであるので、曲率半径R〜Rは、鋼板の板厚tの2倍である。
このように構成することにより、弱軸使いとして用いた場合であっても、強度を高く維持することができる。すなわち、角部14a〜14dの曲率半径R〜Rを2.4t以下として、強度を確保することができる。また、角部14a〜14dの曲率半径R〜Rを1.0t以上として、ロールフォーミング加工等による部材の摩耗量を低減して、生産性の低下のおそれを低減することができる。したがって、このような鋼製大引11によると、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる。なお、角部14a〜14dの曲率半径R〜Rについては、好適には、2.0t以下のものが採用される。
なお、上記の実施の形態については、2つの上面リブ18a、18bを設ける構成とし、それぞれ内方側に突出する左右方向の長さ、すなわち、上面リブ18a、18bの幅を28.5mmとしたが、この上面リブの幅については、上記した間隔よりも狭めることとしてもよい。図5は、この場合の鋼製大引を示す図であり、図2に対応する。
図5を参照して、この発明の他の実施形態に係る鋼製大引41は、その外形形状が略矩形状であって、一対の長辺42a、42bと、一対の短辺43a、43bから構成されている。また、鋼製大引41の外形形状は、矩形状を構成する4つの角部44a、44b、44c、44dを有する構成である。また、鋼製大引41は、一方側の長辺42a側に設けられ、鋼板の両端部45a、45b同士が接合されたかしめ部46と、他方側の長辺42b側に設けられた二つの上面リブ47a、47bと、一対の短辺43a、43b側に設けられた2つの側面リブ48a、48bとを備える構成である。
ここで、図5中の長さL10で示す2つの上面リブ47a、47bの左右方向の長さは、24.5mmが選択される。他の構成については、図2に示す場合と同様である。すなわち、図5中の長さL11で示す第一の上面リブ47aと第二の上面リブ47bとの左右方向の間隔としては、約20mmが選択される。また、鋼板の板厚tは、1.2mmであり、角部44a〜44dの曲率半径はそれぞれ、2.4mmであって、鋼板の板厚tの2倍である。このように構成してもよい。
また、上記の実施の形態においては、他方側の長辺に2つの上面リブを設ける構成としたが、これに限らず、一つの上面リブを設ける構成としてもよいし、上面リブを設けない構成としてもよい。さらには、側面リブを設けない構成としてもよい。図6は、この場合の鋼製大引を示す図であり、図2、図5に対応する。
図6を参照して、この発明のさらに他の実施形態に係る鋼製大引51は、その外形形状が略矩形状であって、一対の長辺52a、52bと、一対の短辺53a、53bから構成されている。また、鋼製大引51の外形形状は、矩形状を構成する4つの角部54a、54b、54c、54dを有する構成である。鋼製大引51には、一方側の長辺52a側において鋼板の両端部55a、55b同士が接合されたかしめ部56が設けられているが、他方側の長辺52bは平らであり、上記した上面リブは設けられていない構成である。さらに、一対の短辺53a、53bについても平らであり、上記した側面リブが設けられていない構成である。他の構成については、上記した図2、図5等に示す鋼製大引と同じである。すなわち、鋼板の板厚tは、1.2mmであり、角部54a〜54dの曲率半径はそれぞれ、2.4mmであって、鋼板の板厚tの2倍である。このように構成することにしてもよい。
次に、これらのような鋼製大引11、41、51の強度について説明する。図7および図8は、鋼製大引の強度を試験する圧縮試験装置を示す概略図である。図8は、図7に示す圧縮試験装置を矢印VIIIの方向から見た図ある。図7および図8を参照して、圧縮試験装置の構成および試験方法について、簡単に説明する。
圧縮試験装置61は、試験体としての鋼製大引62を載置するH型鋼等の土台部63と、鋼製大引62の上に配置される加力用治具64と、加力用治具64の上に配置されるピン治具65と、ピン治具65の上に配置されるロードセルとしての圧縮載荷板66とを備える。
圧縮試験については、まず試験体としての鋼製大引62を土台部63の上に載置する。この場合、鋼製大引62のかしめ部が形成された側が上側となるように配置する。次に、鋼製大引62の上に、加力用治具64、ピン治具65、圧縮載荷板66を順次配置する。ここで、加力用治具64については、上記した鋼製大引の支持構造31における束に備えられた大引受け具に相当する部材となる。なお、図の長さL12に示す加力用治具64の幅については、束に備えられる大引受け具に相当する80mmが選択される。
このように配置した後、圧縮載荷板に図7中の矢印VIIで示す方向に徐々に荷重を加える。この場合、まず、予備荷重として1500N(ニュートン)まで加力し、変形、損傷の有無を確認する。その後、続けて4306Nまで加力し、除荷後、弾性変位を算出する。弾性変位の値については、その値の低い方が良好である。併せて、変形や損傷の有無を確認する。この4306Nの加力を、設定荷重1とした。その後、再び加力を行い、続けて6459Nまで加力し、除荷後、弾性変位を算出する。この6459Nの加力を、設定荷重2とした。その後、再び加力を行い、最大荷重を確認する。この最大荷重については、その値が高い方が良好である。なお、試験時における加力の速度は、約0.05mm/秒である。また、計測については、万能試験機、ダイヤルゲージを用いた。
なお、図1および図2に示す鋼製大引11の場合を実施例1として挙げ、図5に示す鋼製大引41の場合を実施例2として挙げ、図6に示す鋼製大引51の場合を実施例3として挙げている。これらの圧縮試験の結果を、以下の表1に示す。
また、比較例1として、以下のものを用いた。図9は従来における鋼製大引を示す図であり、図2等に対応する。図9を参照して、従来における鋼製大引101は、その外形形状が略矩形状であって、一対の長辺102a、102bと、一対の短辺103a、103bから構成されている。また、鋼製大引101の外形形状は、矩形状を構成する4つの角部104a、104b、104c、104dを有する構成である。また、鋼製大引101は、一方側の長辺102a側に設けられ、鋼板の両端部105a、105b同士が接合されたかしめ部106が設けられているが、他方側の長辺102bは平らであり、一対の短辺103a、103bについても平らである。そして、鋼板の板厚tは、1.2mmであり、角部104a〜104dの曲率半径R、R、R、Rはそれぞれ、3.3mmである。すなわち、角部104a〜104dの曲率半径R〜Rはそれぞれ、鋼板の板厚tの2.8倍である。
Figure 0006312366
表1を参照して、設定荷重1の弾性変位、設定荷重2の弾性変位、最大荷重の観点からすると、実施例1〜実施例3は、製品として合格レベルであった。また、設定荷重1について、比較例1においては、弾性変位が0.785mmであった。これに対し、実施例1については、弾性変位が0.520mmであり、比較例1に対して66.2%程度で収まった。また、実施例2については、弾性変位が0.466mmであり、比較例1に対して59.3%程度で収まった。また、実施例3については、弾性変位が0.659mmであり、比較例1に対して83.9%程度で収まった。
設定荷重2について、比較例1においては、弾性変位が1.000mmであった。これに対し、実施例1については、弾性変位が0.639mmであり、比較例1に対して63.9%程度で収まった。また、実施例2については、弾性変位が0.580mmであり、比較例1に対して58.0%程度で収まった。また、実施例3については、弾性変位が0.782mmであり、比較例1に対して78.2%程度で収まった。
最大荷重について、比較例1においては、15398Nであった。これに対し、実施例1については、17664Nであり、比較例1に対して114.7%の割合であった。また、実施例2については、17840Nであり、比較例1に対して115.9%の割合であった。また、実施例3については、18077Nであり、比較例1に対して117.4%の割合であった。
これらの結果からすると、設定荷重1および設定荷重2の弾性変位の双方については、実施例1〜実施例3は、比較例1に対していずれも良好であり、実施例2、実施例1、実施例3の順に良好であることが把握できた。また、最大荷重については、実施例1〜実施例3は、比較例1に対していずれも良好であり、実施例3、実施例2、実施例1の順に良好であることが把握できた。すなわち、複数のリブを設けることにより、また、リブの幅を比較的長く構成することにより、より強度を高く維持することができると考えられる。
以上より、このような鋼製大引、および鋼製大引の支持構造によると、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる。
なお、上記の実施の形態においては、鋼板の端部同士がかしめにより接合されていることとしたが、これに限らず、例えば、端部同士を溶接により接合することにしてもよいし、敢えて端部同士を接合しなくともよい。
ここで、鋼製大引の支持構造として、その外形形状が略矩形状である中空の鋼製大引と、鋼製大引を鉛直下方側から支持する支持部とを備え、鋼製大引は、矩形状を構成する長辺側が、支持部に対向するよう設けられており、鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.4t以下であるよう構成してもよい。すなわち、角パイプのような端部同士を接合する接合部を有しない構成であっても、上記した構成、すなわち、鋼板の板厚をtとし、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径をそれぞれ、1.0t以上2.4t以下とする構成として、弱軸使いとして用いることにより、低コストを実現しながら、高強度を維持し、居住空間を広く確保することができる。
なお、上記の実施の形態において、鋼板の板厚tについては、1.2mmであるよう構成することとしたが、これに限らず、鋼板の板厚t<1.6mmの関係を有するよう構成してもよい。このように構成することにより、材料費のダウンをより確実に実現することができると共に、軽量化を図ることができる。
また、上記の実施の形態においては、鋼板をロール状に折り曲げる際に、ロールフォーミング加工を行うこととしたが、これに限らず、他の工法により、鋼板をロール状に折り曲げてその外形形状を略矩形状とするようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、矩形状を構成する4つの角部の曲率半径はそれぞれ同じであるよう構成したが、これに限らず、4つの角部のそれぞれについて異なった曲率半径であってもよい。すなわち、鋼板の板厚tとそれぞれの角部の曲率半径との関係において、1.0t以上2.4t以下の関係を満たすものであれば、どのような曲率半径を用いてもよい。
また、上記の実施の形態においては、鋼製大引は、略矩形状としたが、一方側の長辺が他方側の長辺よりもやや長い構成や、やや短い構成の台形形状であっても適用される。
なお、上記の実施の形態においては、床下梁材として鋼製大引を備えることとしたが、これに限らず、床下梁材としては、根太や他の床下に用いられる部材等が挙げられる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る床下梁材および床下梁材の支持構造は、低コストの実現を図りながら、高強度を維持すると共に、広い居住空間の確保が要求される場合において、有効に利用される。
11,41,51,62,101 鋼製大引、12a,12b,42a,42b,52a,52b,102a,102b 長辺、13a,13b,43a,43b,53a,53b,103a,103b 短辺、14a,14b,14c,14d,44a,44b,44c,44d,54a,54b,54c,54d,104a,104b,104c,104d 角部、15a,15b,34a,34b,45a,45b,55a,55b,105a,105b 端部、16,46,56,106 かしめ部、17a,17b,21a,24a,27a 外側面、18a,18b,47a,47b 上面リブ、19a,19b,19c,19d,25a,25b,25c,25d 傾斜部、20a,20b,26a,26b 平坦部、22a,22b 中心、23a,23b,48a,48b 側面リブ、31 鋼製大引の支持構造、32 束、33 土間、35 大引受け具、36 上側面、61 圧縮試験装置、63 土台部、64 加力用治具、65 ピン治具、66 圧縮載荷板。

Claims (7)

  1. その外形形状が略矩形状となるよう、一枚の鋼板が4つの角部でロール状に折り曲げられて形成される鋼製の床下梁材であって、
    矩形状を構成する一対の長辺と一対の短辺とを備え、
    前記一対の長辺のうち使用状態において下方側に位置する一方側の長辺は、折り曲げられた鋼板の両端部がかしめられて接続されたかしめ部を含み
    前記鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する前記4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.0t以下であり、
    前記一対の長辺のうち使用状態において上方側に位置する他方側の長辺、および、前記一対の短辺の各々には、その一部が内方側に突出するリブが設けられ、使用状態において下方側に位置する前記一方側の長辺の外側面は、平らに構成されている、床下梁材。
  2. 前記他方側の長辺において、前記リブは、複数設けられている、請求項に記載の床下梁材。
  3. 前記鋼板の板厚は、t<1.6mmの関係を有する、請求項1または2に記載の床下梁材。
  4. ロールフォーミング加工により形成されている、請求項1〜のいずれかに記載の床下梁材。
  5. 大引または根太を含む、請求項1〜のいずれかに記載の床下梁材。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の床下梁材と、
    前記床下梁材を鉛直下方側から支持する支持部とを備える、床下梁材の支持構造。
  7. その外形形状が略矩形状となるよう、一枚の鋼板が4つの角部でロール状に折り曲げられて形成される鋼製の床下梁材と、前記床下梁材を鉛直下方側から支持する支持部とを備え、
    前記床下梁材は、矩形状を構成する一対の長辺と一対の短辺とを備え、
    前記一対の長辺のうち、前記支持部に対向する一方側の長辺は、折り曲げられた鋼板の両端部がかしめられて接続されたかしめ部を含み
    前記鋼板の板厚をtとすると、矩形状を構成する前記4つの角部の曲率半径はそれぞれ、1.0t以上2.0t以下であり、
    前記一対の長辺のうちの他方側の長辺、および、前記一対の短辺の各々には、その一部が内方側に突出するリブが設けられ、前記一方側の長辺の外側面は、平らに構成されている、床下梁材の支持構造。
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