JP6344914B2 - フレキシブル銅張積層板及びフレキシブル回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル回路基板(FPC)に用いられるフレキシブル銅張積層板および当該フレキシブル銅張積層板を材料として使用したフレキシブル回路基板に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機などに代表される電子機器は、小型化、薄型化、軽量化が急速に進み、これらに使用される材料に対して、小スペースにおいても部品を収納できる高密度で高性能な材料が望まれるようになっている。フレキシブル回路基板においても、スマートフォン等の高性能小型電子機器の普及に伴い、部品収納の高密度化が進展したため、今まで以上に、より狭い筐体内にフレキシブル回路基板を収納する必要が出てきている。そのためフレキシブル回路基板の材料であるフレキシブル銅張積層板においても材料面からの耐折り曲げ性の向上が求められている。以下、本明細書では、FPCの上面側が略180℃反転して下面側になるように折り曲げることを「はぜ折り」と呼ぶことがある。
このような用途への適用を意図したものとして、特許文献1では、フレキシブル銅張積層板に使用するポリイミドベースフィルムやカバーフィルムの弾性率を制御することによって、フレキシブル回路基板トータルのスティフネス性を低減させることにより、耐折り曲げ性を向上させるという技術が提案されている。しかしながら、ポリイミドやカバーフィルムの特性の制御のみでは、電子機器内に折り畳んで収納するという厳しい屈曲モードに対しては不十分であり、十分な耐折り曲げ性に優れたフレキシブル回路基板に使用し得るフレキシブル銅張積層板を提供することができない。
また、特許文献2では、電子機器内への高密度化の観点から、銅箔側からのアプローチとして、銅箔の結晶粒径サイズに着目して、耐スプリングバック性を抑えた熱処理用銅箔が提案されている。この提案は、銅箔中に種々の適切な添加剤を入れた圧延銅箔を用いて、結晶粒の肥大化に充分な熱量を加えることにより結晶粒径を大きく成長させ、その結果、銅箔の耐スプリングバック性を改良しようという技術である。
しかしながら、スマートフォンに代表される小型電子機器に対しては、更なる高密度化が要請されており、前記従来技術だけでは、その要請に応えることが難しい。
高密度配線のフレキシブル回路基板を得る手段として、材料として用いるフレキシブル金属張積層板の金属層の薄肉化が有効であることは一般的に知られており、ポリイミドフィルム上にスパッタリング法や電解めっき法等によって薄い金属層を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、金属層を薄くするというアプローチだけでは、設計に制約を受けてしまうなどの理由により限界がある。
特開2007−208087号公報 特開2010−280191号公報 特開平11−268183号公報
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高密度配線を形成するのに適した銅箔層を有するのみならず、断続的な繰り返し摺動に耐え得、しかも狭い筐体内でも配線回路の断線や割れを防止し得る、優れた耐折り曲げ性を有するフレキシブル銅張積層板、及びフレキシブル回路基板を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、銅箔及びポリイミドフィルムが積層したフレキシブル銅張積層板のはぜ折り過程の弾塑性変形の特性に着目することで、前記課題を解決し得るフレキシブル銅張積層板を提供し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明のフレキシブル銅張積層板は、ポリイミド絶縁層(A)と、該ポリイミド絶縁層(A)の一方の面に設けられた第1の銅箔層(B1)と、該ポリイミド絶縁層(A)のもう一方の面に設けられた第2の銅箔層(B2)と、を備えている。本発明のフレキシブル銅張積層板は、以下のa及びbの構成:
a)第1の銅箔層(B1)は、厚さ(T1)が5〜20μmの範囲内であり、この厚さ(T1)と、厚さ方向の断面における平均結晶粒径(D1)との関係において、(T1)×(D1)≦100μmである銅箔からなること;
b)第2の銅箔層(B2)は、厚さが5〜20μmの範囲内であり、引張弾性率が10〜25GPaの範囲内であり、厚さ方向の断面における平均結晶粒径が40〜70μmの範囲内であり、X線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面の回折強度(I)との比(I/I)が12〜30の範囲内である銅箔からなること;
を具備する。
本発明のフレキシブル銅張積層板は、更に、cの構成;
c)前記ポリイミド絶縁層(A)は、厚さが7〜17μmの範囲内であり、25℃における引張弾性率が2〜9GPaの範囲内であること;
を具備していてもよい。
本発明のフレキシブル銅張積層板は、更に、dの構成;
d)前記ポリイミド絶縁層(A)と前記第2の銅箔層(B2)との厚みの比[第2の銅箔層(B2)の厚み/ポリイミド絶縁層(A)の厚み]が、0.48〜2.4の範囲内であること;
を具備していてもよい。
本発明のフレキシブル回路基板は、上記いずれかに記載のフレキシブル銅張積層板の第2の銅箔層(B2)を利用して、配線回路の少なくとも一部を屈曲部に使用する。
本発明のフレキシブル回路基板は、少なくとも屈曲部に相当する位置の第1の銅箔層(B1)が除去されていてもよい。
本発明のフレキシブル銅張積層板は、配線基板に要求される高い耐折り曲げ性を発現し得ることから、電子機器内に折り曲げた状態での接続信頼性に優れたフレキシブル回路基板用材料を提供することができる。従って、本発明のフレキシブル銅張積層板は、特に、スマートフォン等の小型液晶周りの折り曲げ部分等の耐折り曲げ性が要求される電子部品に好適に用いられる。また、本発明のフレキシブル銅張積層板は、配線基板に要求される断続的な繰り返し摺動に耐え得る性能と、高密度配線を形成するのに有利な銅箔層を有しているので、ハードディスクドライブにおけるリードライトケーブル用のフレキシブル回路基板用材料としても好適に用いられる。
フレキシブル銅張積層板の第1の銅箔層を部分的に除去して得たフレキシブル回路基板の断面説明図(一部)である。 実施例で用いた試験回路基板片の銅配線の様子を示す平面説明図である。 折り曲げ試験での試料ステージと試験回路基板片との様子を示す側面説明図である(試料ステージ上に試験回路基板片を固定した状態図)。 折り曲げ試験での試料ステージと試験回路基板片との様子を示す側面説明図である(試験回路基板片の折り曲げ箇所をローラーで押さえる手前の状態図)。 折り曲げ試験での試料ステージと試験回路基板片との様子を示す側面説明図である(試験回路基板片の折り曲げ箇所をローラーで押さえた状態図)。 折り曲げ試験での試料ステージと試験回路基板片との様子を示す側面説明図である(折り曲げ箇所を開いて試験片を平らな状態に戻した状態図)。 折り曲げ試験での試料ステージと試験回路基板片との様子を示す側面説明図である(折り曲げ箇所の折り目部分をローラーで押さえて均す状態図)。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<フレキシブル銅張積層板>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、ポリイミド絶縁層(A)と、該ポリイミド絶縁層(A)の一方の面に設けられた第1の銅箔層(B1)と、該ポリイミド絶縁層(A)のもう一方の面に設けられた第2の銅箔層(B2)とから構成される。このフレキシブル銅張積層板は、第1の銅箔層(B1)と第2の銅箔層(B2)をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成し、フレキシブル回路基板として使用される。この場合は、
第1の銅箔層(B1)を高密度配線の銅配線として形成し、第2の銅箔層(B2)を折り曲げ部位に該当する銅配線として形成することが有利である。
<銅箔>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板において、第1の銅箔層(B1)の厚さ(T1)は5〜20μmの範囲内であり、好ましくは6〜19μmの範囲内がよい。第1の銅箔層(B1)の厚さ(T1)が5μmに満たないと、フレキシブル銅張積層板の製造時、例えば、第1の銅箔層(B1)上にポリイミド絶縁層(A)を形成する工程において第1の銅箔層(B1)自体の剛性が低下し、その結果、フレキシブル銅張積層板上にシワ等が発生する問題が生じる。また、第1の銅箔層(B1)の厚さ(T1)が20μmを超えると、エッチング液によるエッチングで形成された銅配線の裾引き量が大きくなることで隣接する配線間での絶縁不良が生じ、配線回路の微細化が困難となる傾向になる。
また、第1の銅箔層(B1)の厚さ(T1)と、厚さ方向の断面における平均結晶粒径(D1)との関係において、(T1)×(D1)が100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下とすることがよい。このような範囲とすることで、例えばエッチング液によるエッチングで形成された銅配線を微細化することが可能となる。なお、(T1)×(D1)の下限値は特に制限されないが、(T1)×(D1)をより小さくすることでエッチング液による銅配線の形成時の銅箔厚み方向に対するエッチング速度が上昇するため、銅配線にアンダーカットが生じ易くなってしまうことから、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上とすることがよい。なお、本発明で規定する銅箔層の厚さ方向の断面における平均結晶粒径は、後記実施例に記載した測定方法によって求めることができる。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板において、第1の銅箔層(B1)の表面は、粗化処理されていてもよく、好ましくは、ポリイミド絶縁層(A)と接する第1の銅箔層(B1)の表面の表面粗さ(Rz)は0.7〜2.5μmの範囲内、好ましくは0.7〜2.2μm、より好ましくは0.8〜1.6μmの範囲内がよい。表面粗さ(Rz)の値が、上記下限値に満たないとポリイミド絶縁層(A)との接着信頼性の担保が困難となり、上記上限値を超えるとエッチング液によるエッチングにて形成した銅配線の直線性が損なわれ、微細配線回路の形成に支障が出易くなる。なお、表面粗さRzはJIS B0601の規定に準じて測定される値である。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板において、第2の銅箔層(B2)の厚さは5〜20μmの範囲内であり、好ましくは8〜19μmの範囲内がよい。第2の銅箔層(B2)の厚さが5μmに満たないと、フレキシブル銅張積層板の製造時、例えば、第2の銅箔層(B2)上にポリイミド絶縁層(A)を形成する工程において第2の銅箔層(B2)自体の剛性が低下し、その結果、フレキシブル銅張積層板上にシワ等が発生する問題が生じる。また、20μmを超えると、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)を折り曲げた際の銅箔層(又は銅配線)に加わる曲げ応力が大きくなることにより耐折り曲げ性が低下することとなる。
また、第2の銅箔層(B2)の引張弾性率は、10〜25GPaの範囲内であり、好ましくは10〜20GPaの範囲内がよい。第2の銅箔層(B2)の引張弾性率が10GPaに満たないと、フレキシブル銅張積層板の製造時、例えば、第2の銅箔層(B2)上にポリイミド絶縁層(A)を形成する工程において第2の銅箔層(B2)自体の剛性が低下し、その結果、フレキシブル銅張積層板上にシワ等が発生する問題が生じる。また、第2の銅箔層(B2)の引張弾性率が25GPaを超えると、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)を折り曲げた際の銅箔層(又は銅配線)に加わる曲げ応力が大きくなることにより耐折り曲げ性が低下することとなる。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板において、第2の銅箔層(B2)の厚さ方向の断面における平均結晶粒径は40〜70μmの範囲内である。このような範囲とすることで、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)を折り曲げた際に発生する銅箔層(又は銅配線)のクラックの伸展を抑制でき、結果として耐折り曲げ性を向上させることができる。
また、第2の銅箔層(B2)は、厚み方向でのX線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面の回折強度(I)との比(I/I)が12〜30の範囲内である。このような範囲とすることで、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)の耐折り曲げ性を向上させることができる。ここで、I値及びI値はX線回折法によって測定することができ、銅箔層の厚み方向のX線回折とは、銅箔層の表面(銅箔層が圧延銅箔からなる場合は圧延面)における配向性を確認するものであり、(200)面の回折強度(I)はX線回折で求めた(200)面の強度積分値を示す。また、回折強度(I)は、微粉末銅(関東化学社製銅粉末試薬I級、325メッシュ、純度99.99%以上)の(220)面の強度積分値を示す。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板において、第2の銅箔層(B2)の表面は、粗化処理されていてもよく、第2の銅箔層(B2)の剛性との関係を考慮すれば、好ましくは、ポリイミド絶縁層(A)と接する第2の銅箔層(B2)の表面の表面粗さ(十点平均粗さ;Rz)は0.1〜1.5μmの範囲内であるのがよい。表面粗さ(Rz)の値が、上記下限値に満たないとポリイミド絶縁層(A)との接着信頼性の担保が困難となり、上記上限値を超えるとフレキシブル銅張積層板(又はFPC)を繰り返し折り曲げた際に、その粗化表面の凹凸がクラック発生の起点となりやすく、その結果、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)の耐折り曲げ性を低下させることとなる。なお、表面粗さRzはJIS B0601の規定に準じて測定される値である。
<ポリイミド絶縁層>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板においては、ポリイミド絶縁層(A)の厚さは、第2の銅箔層(B)の厚みや剛性などに応じて、所定の範囲内の厚さに設定することができるが、例えば、7〜17μmの範囲内であるのが好ましく、8〜13μmの範囲内であるのがより好ましい。ポリイミド絶縁層(A)の厚さが上記下限値を下回ると、電気絶縁性が担保出来ないことや、ハンドリング性の低下により製造工程にて取扱いが困難になるなどの問題が生じる傾向になる。一方、ポリイミド絶縁層(A)の厚みが上記上限値を超えると、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)を折り曲げた際の銅箔層(又は銅配線)に加わる曲げ応力がより大きくなることとなり、その耐折り曲げ性を著しく低下させてしまう傾向になる。
また、ポリイミド絶縁層(A)の23℃における引張弾性率は、好ましくは2〜9GPaの範囲内、より好ましくは4〜9GPaの範囲内であるのがよい。ポリイミド絶縁層(A)の引張弾性率が2GPaに満たないとポリイミド自体の剛性が低下することによって、フレキシブル銅張積層板を回路基板へ加工する際にシワの発生などのハンドリング上の問題が生じることがある。反対に、ポリイミド絶縁層(A)の引張弾性率が9GPaを超えるとフレキシブル銅張積層板(又はFPC)の折り曲げに対する剛性が上昇する結果、フレキシブル銅張積層板(又はFPC)を折り曲げた際に銅配線に加わる曲げ応力が上昇し、耐折り曲げ性が低下してしまう。
<ポリイミド絶縁層(A)と第2の銅箔層(B2)との厚みの比>
また、本実施の形態では、更に、構成dとして、ポリイミド絶縁層(A)と第2の銅箔層(B2)との厚みの比[第2の銅箔層(B2)の厚み/ポリイミド絶縁層(A)の厚み]が0.48〜2.4の範囲内にあることが好ましい。この厚み比が0.48未満、あるいは2.4より大きくなると、折り曲げ時に塑性変形した部分が伸ばされる際の最大引張りひずみが大きくなることにより、耐折り曲げ性が低下することとなる。
<ポリイミド絶縁層(A)と第2の銅箔層(B2)との厚みの合計>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、その厚み[つまり、ポリイミド絶縁層(A)と第2の銅箔層(B2)との合計の厚み]が12〜37μmの範囲内、好ましくは16〜32μmの範囲内がよい。フレキシブル銅張積層板の厚みが12μmに満たないと、フレキシブル銅張積層板の銅箔を配線回路加工してなるフレキシブルプリント配線板の剛性が低下し、折り曲げによる弾塑性変形が生じやすい傾向になる。一方、フレキシブル銅張積層板の厚みが37μmを超えるとFPCを折り曲げた際に銅配線により大きな曲げ応力が加わることとなり、その耐折り曲げ性を著しく低下させてしまう。
<フレキシブル銅張積層板の製造>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、第1の銅箔層(B1)、ポリイミド絶縁層(A)及び第2の銅箔層(B2)がこの順番で積層するものであるが、有利には、第1の銅箔層(B1)を高密度配線の銅配線として形成し、第2の銅箔層(B2)を折り曲げ部位に該当する銅配線として形成することがよい。このような観点から、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、第1の銅箔層(B1)となる銅箔(以下、第1銅箔という。)の表面にポリイミド前駆体樹脂溶液(ポリアミド酸溶液ともいう。)を塗工し、次いで、乾燥、硬化させて片面銅張積層板を製造した後、当該片面銅張積層板のポリイミド絶縁層(A)側の面に第2の銅箔層(B2)となる銅箔(以下、第2銅箔という。)を熱圧着する方法が好ましい。回路配線となる第1銅箔上に直接ポリアミド酸溶液を塗工する方法、いわゆるキャスティング法によって得られるポリイミド絶縁層は、長手方向と横方向の線熱膨張係数の差を抑えることができ、寸法安定性を向上させることができるので、第1銅箔層(B1)を配線回路加工して高密度配線を形成するのに有利である。ポリイミド絶縁層(A)の形成におけるポリアミド酸の熱処理条件は、例えば、塗工されたポリアミド酸溶液を160℃未満の温度範囲内で段階的に昇温することで乾燥させたのち、更に300〜400℃まで段階的に昇温させて硬化する方法がある。
ポリイミド絶縁層(A)は、単層のみから形成されるものでもよいが、ポリイミド絶縁層(A)と第1の銅箔層(B1)及び第2の銅箔層(B2)との接着性等を考慮すると複数層からなるものが好ましい。ポリイミド絶縁層(A)を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリアミド酸溶液の上に他のポリアミド酸溶液を順次塗布して形成することができる。ポリイミド絶縁層(A)が複数層からなる場合、同一の構成のポリイミド前駆体樹脂を2回以上使用してもよい。
ポリイミド絶縁層(A)について、より詳しく説明する。上述の通り、ポリイミド絶縁層(A)は複数層とすることが好ましいが、その具体例としては、ポリイミド絶縁層(A)を、熱膨張係数30×10−6/K未満の低熱膨張性のポリイミド層(i)と、熱膨張係数30×10−6/K以上の高熱膨張性のポリイミド層(ii)と、を含む積層構造とすることが好ましい。より好ましくは、ポリイミド絶縁層(A)は、低熱膨張性のポリイミド層(i)の少なくとも一方、好ましくはその両側に、高熱膨張性のポリイミド層(ii)を有する積層構造とし、高熱膨張性のポリイミド層(ii)が直接銅箔と接するようにすることがよい。ここで、「低熱膨張性のポリイミド層(i)」とは、熱膨張係数30×10−6/K未満、好ましくは1×10−6〜25×10−6/Kの範囲内、特に好ましくは3×10−6〜20×10−6/Kの範囲内のポリイミド層をいう。また、「高熱膨張性のポリイミド層(ii)」とは、熱膨張係数30×10−6/K以上のポリイミド層を言い、好ましくは30×10−6〜80×10−6/Kの範囲内、特に好ましくは30×10−6〜70×10−6/Kの範囲内のポリイミド層をいう。このようなポリイミド層は、使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望の熱膨張係数を有するポリイミド層とすることができる。
上記ポリイミド絶縁層(A)を与えるポリアミド酸溶液は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合して製造することができる。この際、重合される樹脂粘度は、例えば、500cps以上35,000cps以下の範囲内とすることが好ましい。
ポリイミドの原料として用いられるジアミンとしては、例えば、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、4,4'-メチレンジ-o-トルイジン、4,4'-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4'-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3'-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,7-ジアミノジベンゾフラン、1,5-ジアミノフルオレン、ジベンゾ-p-ジオキシン-2,7-ジアミン、4,4'-ジアミノベンジルなどが挙げられる。
また、ポリイミドの原料として用いられる酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
上記ジアミン及び酸無水物は、それぞれ1種のみを使用してもよく2種以上を併用することもできる。また、重合に使用される溶媒は、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種又は2種以上併用して使用することもできる。
本実施の形態において、熱膨張係数30×10−6/K未満の低熱膨張性のポリイミド層(i)とするには、原料の酸無水物成分としてピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、ジアミン成分としては、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、2-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリドを用いることがよく、特に好ましくは、ピロメリット酸二無水物及び2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニルを原料各成分の主成分とするものがよい。
また、熱膨張係数30×10−6/K以上の高熱膨張性のポリイミド層(ii)とするには、原料の酸無水物成分としてピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を、ジアミン成分としては、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンを用いることがよく、特に好ましくはピロメリット酸二無水物及び2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを原料各成分の主成分とするものがよい。なお、このようにして得られる高熱膨張性のポリイミド層(ii)の好ましいガラス転移温度は、260℃以上であり、280〜320℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移温度をこのような範囲にすることで、フレキシブル銅張積層板をFPCに加工する際に求められる、銅箔層とポリイミド絶縁層(A)との間の接着強度や寸法安定性、部品実装時の半田接合に要求される半田耐熱性が優れたものとなる。
また、ポリイミド絶縁層(A)を低熱膨張性のポリイミド層(i)と高熱膨張性のポリイミド層(ii)との積層構造とした場合、好ましくは、低熱膨張性のポリイミド層(i)と高熱膨張性のポリイミド層(ii)との厚み比(低熱膨張性のポリイミド層(i)/高熱膨張性のポリイミド層(ii))が2〜12の範囲内であるのがよい。この比の値が、2に満たないとポリイミド絶縁層(A)全体に対する低熱膨張性のポリイミド層(i)が薄くなるため、ポリイミドフィルムの寸法特性の制御が困難となり、銅箔をエッチングした際の寸法変化率が大きくなり、12を超えると高熱膨張性のポリイミド層(ii)が薄くなるため、ポリイミド絶縁層(A)と銅箔との接着信頼性が低下する。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板の製造に用いられる第1銅箔は、電解銅箔を使用することが好ましい。電解銅箔は、圧延銅箔と比較して、フレキシブル銅張積層板の製造時、例えば、銅箔上にポリイミド層を形成する工程における剛性の低下を抑制しやすいので有利である。
また、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板の製造に用いられる第1銅箔は、フレキシブル銅張積層板の製造時における熱履歴(例えば300〜400℃で10〜60分間の加熱)の影響を受けた後、その平均結晶粒径(D1)が、好ましくは1〜10μmの範囲内、より好ましくは1〜5μmの範囲内となるような電解銅箔を使用することがよい。このような電解銅箔としては、市販品を使用でき、その具体例としては、古河電工株式会社製のWS箔、日本電解株式会社製のHL箔、三井金属鉱業株式会社製のHTE箔などが挙げられる。また、これらの市販品を含めて、それ以外のものを使用した場合であっても、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板における第1の銅箔層(B1)が所定の範囲内となるように、例えばポリイミド絶縁層(A)の形成後に、エッチングなどの化学研磨によって銅箔層の薄肉化を行うことも可能である。この場合、エッチング後の第1の銅箔層(B1)における表面側(ポリイミド絶縁層(A)に接していない側)の表面粗度(Rz)は、1.7μm以下となるようにすることが好ましい。このような表面粗度の値とすることで、第1銅箔層(B1)を配線回路加工して銅配線を形成する際に、配線間隔のバラつきを抑えることができる。
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板の製造に用いられる第2銅箔は、圧延銅箔を使用することが好ましい。圧延銅箔としては、銅箔上にポリイミド層を形成する工程や熱圧着工程及び後工程のアニール時に(200)面結晶配向が進行するように添加元素としてAgやSnを添加した銅合金箔等が挙げられる。公知のものとして、JX日鉱日石金属株式会社製のHA箔や株式会社SHカッパープロダクツ製のHPF箔が挙げられる。
次に、本発明の実施の形態における第2銅箔と片面銅張積層板との加熱圧着条件について説明する。ラミネート温度t、すなわち加熱圧着工程における熱プレスロールの温度としては、第2銅箔との接着層のポリイミドとの接着性の観点から、高熱膨張性のポリイミド層(ii)のポリイミドのガラス転移温度以上とする必要があり、好ましくは300〜400℃の範囲内であることがよい。また、加熱ロール間の線圧を50〜500Kg/cm、ロール通過時間を2〜5秒間の条件下で加熱圧着することが望ましい。ラミネートの雰囲気としては大気雰囲気、イナート雰囲気が挙げられるが、銅箔酸化変色防止の観点から、イナート雰囲気であることが望ましい。ここで、イナート雰囲気とは、不活性雰囲気と同義であり、窒素やアルゴン等の不活性ガスで置換され実質的に酸素を含まない状態をいう。
ここで、第2銅箔の熱処理による(200)面の結晶配向について詳細に説明する。一般的に前述した銅箔は熱処理により軟化が進み、弾性率が低下し柔らかくなるとともに、(200)面の優先配向が進行し立方体組織が発達する。(200)面の結晶配向については、半軟化温度以上の温度にて所定の時間処理することにより進行するが、少なくとも300℃以上の温度で10秒〜60秒が必要である。本発明の実施の形態のように一対の熱プレスロールにより加熱圧着する方法においては、その生産性を確保する観点からロールによる圧着が10秒以内の瞬時に実施されるため、加熱圧着工程の後に再加熱工程のアニール工程を組み合わせることが必要となる。
再加熱工程(アニール処理)は、ラミネート温度t以上の温度で熱処理することが必要である。ラミネート温度t以下の温度であると、一度、加熱圧着工程において部分的に再結晶化した銅箔の結晶組織を再度結晶成長させることができず、(200)面の結晶配向による立方体組織が十分進行することができない。つまり、加熱圧着工程のラミネートで進んだ部分的再結晶を十分進行させるには、再加熱工程の熱処理温度tをラミネート温度t以上に設定することが重要となる。この場合、後工程の再加熱工程の温度は、300℃以上の場合、10秒〜60秒程度の処理時間で十分である。一方で、400℃を超えて設定した場合は、ポリイミドの耐熱劣化や加熱による反り等の問題が生じてくるため、400℃以下に設定することが好ましい。
このような再加熱工程を経ることで、前記加熱圧着工程後の第2銅箔の厚み方向でのX線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面の回折強度(I)との比(I/I)が12〜30の範囲内となる。また、再加熱工程を経ることによって、第2の銅箔層(B2)の厚さ方向の断面における平均結晶粒径を40〜70μmの範囲内に制御できる。
再加熱工程のアニールの手段は制限されないが、連続して搬送される第2銅箔及び片面銅張積層板を均一な温度環境下で置くことを考慮すると、工程の一区画を炉型ブースとし、熱風で加熱することが好ましい。また、熱風には、銅箔表面の変質等の影響を防止するために加熱窒素を用いることが好ましい。この窒素による加熱は温度条件をより高くするには限界があることから、その他の加熱手段を付加することができる。好ましい加熱手段は搬送路の近傍に加熱ヒーターを設けることが挙げられる。なお、加熱ヒーターは複数個設置することも可能で、その種類は同じであっても異なるものであってもよい。
<FPC>
本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、主にFPC材料として有用である。すなわち、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板の金属箔を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPCを製造できる。
本実施の形態のFPCは、屈曲又は折り曲げ部分に使用される配線回路部品であって、屈曲又は折り曲げ部分に使用される配線回路が実質的に片面のみに設けられているFPCとして使用することができる。好適には、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板の第2の銅箔層(B2)を利用して配線回路を形成し、配線回路の少なくとも一部を屈曲部として使用するのがよい。すなわち、本発明の実施の形態では、屈曲又は折り曲げ部分に使用される配線回路を実質的に片面のみに設けることで、繰り返し屈曲やはぜ折りなど耐折性に優れたFPCとすることができる。
図1は、第1の銅箔層(B1)の一部を除去して、屈曲部を形成するためのFPCの様子を示す模式図である。除去する第1の銅箔層(B1)は、FPCの種類や用途によっても異なるが、第1の銅箔層(B1)の主要部(すなわち80%以上)が除去され、図1に示すように、配線回路として機能するような箇所は残さずに、屈曲予定部10に係らない箇所にのみ第1の銅箔層(B1)が残存するようにするのがよい。
上記のようにしたFPCは、第2の銅箔層(B2)により形成された配線回路は、屈曲させた際、外側に位置するようにしてもよく、内側に位置するようにしてもよい。また、FPCに形成される屈曲部については、2つ折り等によって形成されるもののほか、例えば摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲又はスライド屈曲から選ばれたいずれかの繰り返し動作を伴うような屈曲部であっても優れた耐屈曲性を示すことができる。
以上のように、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、配線基板に要求される高い耐折り曲げ性を発現し得ることから、電子機器内に折り曲げた状態での接続信頼性に優れたFPC用材料を提供することができる。従って、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、特に、スマートフォン等の小型液晶周りの折り曲げ部分等の耐折り曲げ性が要求される電子部品に好適に用いられる。また、本実施の形態のフレキシブル銅張積層板は、配線基板に要求される断続的な繰り返し摺動に耐え得る性能と、高密度配線を形成するのに有利な銅箔層を有しているので、ハードディスクドライブにおけるリードライトケーブル用のFPC用材料としても好適に用いられる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。なお、下記の実施例における各特性評価は、以下の方法により行った。
[引張弾性率の測定]
引張弾性率の測定にあたり銅箔に関しては、真空オーブンを用いてフレキシブル銅張積層板の処理工程と同等の熱処理を与えた銅箔を用いた。また、ポリイミド層に関しては、フレキシブル銅張積層板をエッチングして銅箔を完全に除去したポリイミドフィルムを用いた。このようにして得られた材料を、株式会社東洋精機製作所製ストログラフR−1を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張弾性率の値を測定した。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
セイコーインスツルメンツ製のサーモメカニカルアナライザーを使用し、250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
[ガラス転移温度の測定]
銅箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布、熱処理し積層体とした。この積層体の銅箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルム(10mm×22.6mm)を動的粘弾性測定装置(DMA)にて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度Tg(tanδ極大値)を求めた。
[銅箔の厚さ方向断面の平均結晶粒径の測定]
サンプルを準備し、IP(イオンポリッシュ)法により、銅箔の長手方向(MD方向)に沿って銅箔の断面形成を行い(厚み方向に切った断面)、TSL社製OIM(ソフトウェアVer5.2)を用いてEBSD(後方散乱電子線回折パターン法)により、銅箔断面の結晶粒径及び配向状態の分析を行った。その分析は、加速電圧20kV、試料傾斜角70°の条件にて行い、また、分析の範囲は、銅箔の長手方向に沿って500μmの幅で分析した。分析にて得られた逆極点図方位マップより、Σ3CSL(双晶粒界)を結晶粒界とし2〜5°の粒界を結晶粒界としない条件にて粒度分布解析を行い、結晶の面積比率による加重平均にて結晶粒径の算出を行った。
[XRDによる結晶方位I/Ioの測定]
銅箔の(200)面結晶方位についてはMo対陰極を用いたXRD法により微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面回折強度(Io)に対して試料の(200)面回折強度(I)を算出しI/Io値として定義した。
[表面粗さ(Rz)の測定]
接触式表面粗さ測定機((株)小坂研究所製SE1700)を用いて、銅箔とポリイミド絶縁層との接触面側の表面粗さを測定した。
[エッチングファクターの測定]
銅箔面にフィルム状レジストでL/S=50μm/10μmのレジストパターン(60μmピッチ回路)を形成し、塩化第二鉄(液温50℃、0.2MPa)でエッチングし、回路ボトム幅が30μm前後のところで、10本の回路についてエッチングファクター(EF)を算出し、平均値を求めた。エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(ダレが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、回路上面の幅方向端部からの垂線と樹脂基板との交点からのダレの長さの距離をDとした場合において、このDと銅箔の厚さHとの比:H/Dを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、ダレが小さくなることから、微細配線回路の加工性が優れることを意味する。このエッチングファクターの値が2.5以上である場合を「良好」、2.5未満である場合を「不良」と評価した。
[はぜ折りの測定(折り曲げ試験)]
銅張積層板の銅箔をエッチング加工し、その長手方向に沿ってライン幅100μm、スペース幅100μmにて長さが40mmの10列の銅配線51を形成した試験片(試験回路基板片)40を作製した(図2)。試験片40における銅配線51のみを表した図2に示したように、その試験片40における10列の銅配線51は、U字部52を介して全て連続して繋がっており、その両端には抵抗値測定用の電極部分(図示外)を設けている。
試験片40を、二つ折りが可能な試料ステージ20及び21上に固定し、抵抗値測定用の配線を接続して、抵抗値のモニタリングを開始した(図3)。折り曲げ試験は、10列の銅配線51に対して、長手方向のちょうど中央部分にて、銅配線51が内側になって向き合うように折り曲げて行った。この際、ウレタン製のローラー22を用いて、折り曲げ箇所40CのギャップHが0.3mmとなるように制御しながら、折り曲げた線と並行にローラー22を移動させ、10列の銅配線51を全て折り曲げた後(図4及び図5)、折り曲げ部分を開いて試験片40を平らな状態に戻し(図6)、折り目がついている部分を再度ローラー22にて抑えたまま移動させ(図7)、この一連の工程をもってはぜ折り回数1回とカウントするようにした。このような手順で折り曲げ試験を繰り返し行う間、常時、銅配線51の抵抗値をモニタリングし、所定の抵抗(3000Ω)になった時点を銅配線51の破断と判断し、その時までに繰り返した折り曲げ回数をはぜ折り測定値とした。このはぜ折り測定値が100回以上である場合を「良好」、100回未満である場合を「不良」と評価した。
なお、折り曲げ試験において、最初から折り曲げられた状態の試験片40を用いる場合は、一旦展開して折り曲げを解消させた状態を折り曲げ回数ゼロとし、上記手順で折り曲げ回数をカウントする。
実施例、比較例に記載のフレキシブル銅張積層板の製造方法について次に示す。
[ポリアミド酸溶液の合成]
(合成例1)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入して容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が12wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸aの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸aから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、55×10−6/K、ガラス転移温度は312℃であった。
(合成例2)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m-TB)を投入して容器中で攪拌しながら溶解させた。次に、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が15wt%、各酸無水物のモル比率(BPDA:PMDA)が20:80となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸bの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸bから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、7×10−6/K、ガラス転移温度は385℃であった。
(合成例3)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m-TB)および4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)を各ジアミンのモル比率(m-TB:DAPE)が60:40となるように投入して容器中で攪拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が16wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸cの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸cから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、10×10−6/K、ガラス転移温度は409℃であった。
(実施例1)
第一銅箔として、厚さ12μmで長尺状の電解銅箔(日本電解株式会社製 HLB箔)上に、合成例1で調製したポリアミド酸aの樹脂溶液を連続的に塗布乾燥し、更にその上に合成例2で調整したポリアミド酸bの樹脂溶液と樹脂溶液aを順次塗布し、120℃で約3分間乾燥した。その後、最終的に300℃以上、約2分間の熱処理を行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPaの長尺状の片面フレキシブル銅張積層板を得た。次に、この片面フレキシブル銅張積層板のポリイミド層の表面に対して、第二銅箔として、厚さ12μmの長尺状の圧延銅箔(JX日鉱日石金属株式会社製 HA箔)を加熱圧着した。ラミネート装置としては、ラミネートする長尺状の基材を巻出し軸からガイドロールを経由して搬送し、イナート雰囲気下の炉内において一対の対向する金属ロール(表面粗さRa=0.15μm)により加熱圧着させる方式を適用した。熱圧着条件は、温度360℃、圧力130Kg/cmとし、通過時間を2〜5秒とした(ラミネート:加熱圧着工程)。その後、380℃の加熱熱風炉にて60秒間加熱処理を行って(再加熱工程)、両面フレキシブル銅張積層板を得た。このときのポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比は1.0であった。
上記で得られた両面フレキシブル銅張積層板における、ポリアミド酸の樹脂溶液を塗布した銅箔(「キャスト面銅箔」という)について、EBSD分析より算出した厚さ方向断面の平均結晶粒径は3.5μm、(T1)×(D1)=42μm、そのエッチングファクターは3.0であり、良好な微細配線加工性を示した。また、加熱圧着工程でラミネートした銅箔(「ラミネート面銅箔」という)について、引張弾性率は14GPa、EBSD分析より算出した厚さ方向断面の平均結晶粒径は56.7μm、厚み方向でのX線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面回折強度(Io)との比I/Ioは18.5であった。キャスト面銅箔をエッチングにて除去し、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値は148回であり、良好な耐折り曲げ性を示した。結果を表1〜3に示す。
(実施例2)
第二銅箔として、厚さ18μmで長尺状の圧延銅箔(JX日鉱日石金属株式会社製 HA箔)を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPa、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が1.5の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(実施例3)
第二銅箔として、厚さ12μmで長尺状の圧延銅箔(JX日鉱日石金属株式会社製 HA−V2箔)を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPa、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が1.0の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(実施例4)
第一銅箔として、厚さ18μmで長尺状の電解銅箔(古河電気工業株式会社製 F2−WS箔)を用いたこと以外は実施例2と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPa、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が1.5の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(実施例5)
第一銅箔として、厚さ6μmで長尺状の電解銅箔(日本電解株式会社製 SEED−S箔)を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPa、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が1.0の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(実施例6)
第一銅箔上に、合成例1で調製したポリアミド酸aの樹脂溶液を連続的に塗布乾燥し、更にその上に合成例3で調整したポリアミド酸cの樹脂溶液とポリアミド酸aの樹脂溶液を順次塗布してポリイミド層の全膜厚が16μm、引張弾性率が5GPaのポリイミド層を形成したこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が0.75の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(比較例1)
第一銅箔として、厚さ18μmで長尺状の圧延銅箔(JX日鉱日石金属株式会社製 BHY−22B−T箔)上に、実施例1と同様にして樹脂溶液a/樹脂溶液b/樹脂溶液aを順次塗布乾燥し、最終的に300℃以上、約2分間の熱処理を行うことでポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPaの長尺状の片面フレキシブル銅張積層板を得て、更に第二銅箔として、厚さ6μmで長尺状の電解銅箔(日本電解株式会社製 SEED−S箔)を用い、上記片面フレキシブル銅張積層板のポリイミド層の表面に実施例1と同様に加熱圧着し、その後、380℃の加熱熱風炉にて60秒間加熱処理を行って両面フレキシブル銅張積層板を得た。このときのポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比は0.5であった。
上記で得られた両面フレキシブル銅張積層板におけるキャスト面銅箔の厚さ方向断面の平均結晶粒径は10.0μm、(T1)×(D1)=180μmであった。エッチングファクターは2.1であり、微細配線加工性としては実用上不十分であることを示した。また、ラミネート面銅箔の引張弾性率は55GPa、EBSD分析より算出した厚さ方向断面の平均結晶粒径は1.8μm、厚み方向でのX線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面回折強度(Io)との比I/Ioは0.34であった。キャスト面銅箔をエッチングにて除去し、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値は66回であり、実用上において不十分な耐折り曲げ性を示した。結果を表1〜3に示す。
(比較例2)
第一銅箔として、厚さ12μmで長尺状の圧延銅箔(JX日鉱日石金属株式会社製 BHY−22B−T箔)を、第二銅箔として、厚さ12μmで長尺状の電解銅箔(日本電解株式会社製 HLB箔)を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が12μm、引張弾性率が7GPa、ポリイミド層と第二銅箔層の厚みの比が1.0の長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(比較例3)
片面フレキシブル銅張積層板のポリイミド層の表面と第二銅箔を加熱圧着した後の加熱熱風炉での加熱処理を除いた以外は実施例3と同様にして両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
(比較例4)
片面フレキシブル銅張積層板のポリイミド層の表面と第二銅箔を加熱圧着した後の加熱熱風炉での加熱処理を除いた以外は実施例2と同様にして両面フレキシブル銅張積層板を得た。表1〜3には、第一銅箔層の厚さ方向断面の平均結晶粒径、(T1)×(D1)、エッチングファクターを示した。また、第二銅箔層の引張弾性率、厚さ方向断面の平均結晶粒径、I/Io、ラミネート面銅箔をエッチングすることで配線形成したFPCのはぜ折り測定値を併せて示している。
Figure 0006344914
Figure 0006344914
Figure 0006344914
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10:屈曲予定部
20、21:試料ステージ
22:ローラー
40:試験片
40C:試験片の折り曲げ箇所
51:銅配線
52:銅配線のU字部

Claims (6)

  1. ポリイミド絶縁層(A)と、該ポリイミド絶縁層(A)の一方の面に設けられた第1の銅箔層(B1)と、該ポリイミド絶縁層(A)のもう一方の面に設けられた第2の銅箔層(B2)と、を備えたフレキシブル銅張積層板であって、以下のa及びbの構成:
    a)第1の銅箔層(B1)は、前記ポリイミド絶縁層(A)と接する表面の表面粗度(Rz)が0.7〜2.5μmの範囲内であり、厚さ(T1)が5〜20μmの範囲内であり、この厚さ(T1)と、加熱圧着後の厚さ方向の断面における平均結晶粒径(D1)との関係において、(T1)×(D1)が10.8〜59μm の範囲内である銅箔からなること;
    b)第2の銅箔層(B2)は、前記ポリイミド絶縁層(A)と接する表面の表面粗度(Rz)が0.1〜1.5μmの範囲内であり、厚さが5〜20μmの範囲内であり、引張弾性率が10〜25GPaの範囲内であり、加熱圧着後の厚さ方向の断面における平均結晶粒径が40〜70μmの範囲内であり、加熱圧着後のX線回折によって求めた(200)面の回折強度(I)と微粉末銅のX線回折によって求めた(220)面の回折強度(I)との比(I/I)が15.4〜18.5の範囲内である銅箔からなること;
    を具備するフレキシブル銅張積層板。
  2. 更に、cの構成;
    c)前記ポリイミド絶縁層(A)は、厚さが7〜17μmの範囲内であり、25℃における引張弾性率が2〜9GPaの範囲内であること;
    を具備する請求項1に記載のフレキシブル銅張積層板。
  3. 更に、dの構成;
    d)前記ポリイミド絶縁層(A)と前記第2の銅箔層(B2)との厚みの比[第2の銅箔層(B2)の厚み/ポリイミド絶縁層(A)の厚み]が、0.48〜2.4の範囲内であること;
    を具備する請求項1又は2に記載のフレキシブル銅張積層板。
  4. 電子機器の筐体内に上面側が180度反転して下面側になるように折り曲げるはぜ折りによって折り畳んで収納されるフレキシブル回路基板に用いられるものである請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフレキシブル銅張積層板の第2の銅箔層(B2)を利用して、配線回路の少なくとも一部を屈曲部に使用するフレキシブル回路基板。
  6. 少なくとも屈曲部に相当する位置の第1の銅箔層(B1)は除去されている請求項5に記載のフレキシブル回路基板。
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