以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を図1〜図10を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10(以下、単に、「遊技機10」という。)は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zで遊技板11を覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技板11の前面に形成された遊技領域R1の全体が視認可能となっている。なお、遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより上方の両角位置には、それぞれスピーカー25,25が設けられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、操作ハンドル28が備えられている。そして、操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球(本発明の「遊技媒体」に相当する。)が遊技領域R1に向けて弾き出される。なお、上皿26に備えた球排出ボタン29を押すと上皿26に収容されている遊技球が下皿27へと移動する。
図2に示すように、遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、遊技板表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技板表示窓11Hに遊技板11の裏面側から表示装置30が対向している。表示装置30は、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面30Gとなっている。
遊技板11の前面中央には、表示画面30Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。具体的には、表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓11Hに嵌め込まれて、遊技板表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
表示装飾枠23の左側の下方には、風車19が設けられ、遊技領域R1の左側を流下してきた遊技球の進路を中央側へ変更可能になっている。また、表示装飾枠23の左側部には、表示装飾枠23の下辺部に形成されたステージ24へ遊技球を案内するためのワープ路22が備えられている。
表示装飾枠23の下方には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが上下に並べて設けられ、それら始動入賞口14A,14Bの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。
図3に示すように、第1の始動入賞口14Aと第2の始動入賞口14Bの間の空間は、演出用役物31によって占められている。この演出用役物31は、環状装飾部32の内側に駆動役物33を備えた構造になっている。
また、演出用役物31の両側部の下方には、第2の始動入賞口14Bを挟むように対峙した1対のサイド壁44,44が備えられている。1対のサイド壁44,44の上面は、第2の始動入賞口14Bへ近づくに従って下方に下るように傾斜し、それら1対のサイド壁44,44と演出用役物31との間に、遊技球を側方から受け入れて第2の始動入賞口14B側へ転動させるサイド誘導路35R,35Lが形成されている。このように、本実施形態の遊技機10では、遊技球は、演出用役物31によって第2の始動入賞口14Bへの上方からの進入が規制され、サイド誘導路35R,35Lによって側方からのみ進入可能となっている。
図2に示すように、表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が備えられている。また、表示装飾枠23の下方における右側、即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bの右側には、大入賞口15が設けられ、この大入賞口15のさらに右側にサイド入賞口21が備えられている。
また、遊技領域R1の下端における中央部には、遊技球を遊技領域R1の後面側に排出するためのアウト口16が設けられている。また、図示はしないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に、遊技領域R1の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20及びサイド入賞口21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20又はサイド入賞口21へ遊技球が入球(入賞)すると、その遊技球は遊技板11の裏側に取り込まれ、例えば、1個の入球につき15個の賞球が上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄の当否判定が行われる。ここで、本実施形態の遊技機10では、通常の遊技状態では、普通図柄の当否判定が当たりとなる確率は低く設定されており、後述する「大当たり遊技」後に、普通図柄の当否判定が当たりとなる確率が高くなる「時短遊技」に突入する。従って、本実施形態の遊技機10では、通常の遊技状態においては、表示装飾枠23の左側を流下するように遊技球を打ち出す、所謂、「左打ち」を行い、「時短遊技」中においては、表示装飾枠23の右側を流下するように遊技球を打ち出す、所謂、「右打ち」を行う、というように、2種類の打ち方を遊技者に提供可能な構成となっている。なお、「時短遊技」は、「大当たり遊技」の終了後、第1〜第2の始動入賞口14A,14Bへの入賞回数が、例えば、100回に達するか、或いは、その「時短遊技」中に「大当たり遊技」へ移行した場合に終了する。
第1の始動入賞口14Aは、一般入賞口20やサイド入賞口21と同様に、ポケット構造になっていて、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。なお、上述したステージ24のうち第1の始動入賞口14Aの真上に位置する部分には、球導入路24Aが形成されていて、ステージ24を転動する遊技球は、球導入路24Aから第1の始動入賞口14Aへ向けて流下可能となっている。
図3に示すように、第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、開閉扉50にて前方が閉塞されることで、遊技球の入球(入賞)が規制されている。開閉扉50は、上述した普通図柄の当否判定の結果が当たりとなったときに、下端部を中心に回動して所定時間だけ前側に倒される(図3には、前側に倒された開閉扉50が示されている。)。そして、このとき、上述したサイド誘導路35R,35Lを転動してきた遊技球が、開閉扉50に受け止められ、その開閉扉50の裏面を誘導面50Mとして、第2の始動入賞口14Bへと誘導される。
なお、本実施形態では、第2の始動入賞口14Bが本発明の「入賞口」に相当し、サイド誘導路35R,35Lのうち右側のサイド誘導路35Rが本発明の「第1流路」に、左側のサイド誘導路35Lが本発明の「第2流路」に、それぞれ相当する。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき4個の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄の当否判定が行われる。その判定結果は、表示装置30の表示画面30Gにて表示される。
具体的には、表示画面30Gには、通常、左、中、右の3つの特別図柄(図示せず)が横並びに停止表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したことを契機に、これら3つの特別図柄が変動表示(上下方向にスクロール表示)され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄が停止表示される。始動入賞口14A,14Bへの入賞に起因した当否判定結果が当たり(以下、「大当たり」という)の場合には、3つの特別図柄が全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、その後、遊技状態が「大当たり遊技」に移行する。これに対し、判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、通常の遊技状態が続行する。
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が「大当たり遊技」になると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が上皿26に払い出される。なお、可動扉15Tが開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、「大当たり遊技」は、最大で、例えば、16ラウンドまで継続され、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの終了条件が先に満たされた場合に終了する。
上述した各入賞口14A,14B,15,20,21の何れにも入賞しなかった遊技球は、アウト口16に全て取り込まれる。アウト口16は、遊技領域R1の下端部に配置されて、前方に開口している。アウト口16に取り込まれた遊技球は、図示しない球回収装置に回収される。
なお、本実施形態のアウト口16には、第2の始動入層口14Bの真下に位置する中央アウト口16Aと、中央アウト口16Aの両側に配置されたサイドアウト口16B,16Bとが備えられている。中央アウト口16Aは、上述した1対のサイド壁44,44の間に位置し、サイドアウト口16Bは、サイド壁44の隣りに配置されている。そして、サイド誘導路35R,35Lを通って第2の始動入賞口14B側へ案内され、第2の始動入賞口14Bに入球せずに下方に流下してきた遊技球は、中央アウト口16Aから排出され、サイド誘導路35R,35Lへ進入せずにガイドレール12に受け止められて中央アウト口16A側に案内された遊技球は、サイド壁44,44で堰き止められて、サイドアウト口16B,16Bから排出される。
ところで、本実施形態では、第1と第2の始動入賞口14A,14B及び開閉扉50は、図4に示す始動入賞口ユニット41を遊技板11に取り付けることで、遊技領域R1内に配置される。具体的には、始動入賞口ユニット41における前後方向の中間位置からは、複数の取付片41Tが側方に張り出し、始動入賞口ユニット41は、遊技領域R1の下端部中央に形成された図示しないユニット取付孔に前側から挿通されて、遊技板11の前面に取付片41Tを重ねた状態に固定される。
図5に示すように、始動入賞口ユニット41は、ユニット本体41Hに、開閉扉50と前面カバー43を組み付けてなる。ユニット本体41Hは、その前端部に、第1の始動入賞口14A、演出用役物31、第2の始動入賞口14Bを上から順番に並べて備え、演出用役物31の駆動役物33と開閉扉50を駆動するための各駆動部42を後部に有している。なお、ユニット本体41Hの後部には、駆動部42のほかに、第1と第2の始動入賞口14A,14Bに入球した遊技球を遊技板の後面側に誘導する入賞球誘導路47や、第2の始動入賞口14Bに入球した遊技球を検出する球検出センサ(図示せず)が備えられている。
詳細には、ユニット本体41Hは、上述した複数の取付片41Tを前端寄り位置に有し、それら取付片41Tよりも前方に、演出用役物31の環状装飾部32が突出している。そして、その環状装飾部32の上端部に第1の始動入賞口14Aが固定されている。また、環状装飾部32の真下には、取付片41Tとほぼ同じ前後位置で遊技板11と平行な入賞口構成壁46が備えられていて、この入賞口構成壁46の前面に、第2の始動入賞口14Bが開口している(図5参照)。
なお、入賞口構成壁46の底面46Aには、底部中央溝46Mが形成されている。また、入賞口構成壁46の両側には、側方に張り出して先端部が下方に折れ曲がった溝構成壁48,48が設けられ、この溝構成壁48,48と入賞口構成壁46との間に、底部サイド溝48M,48Mが形成されている。そして、図3に示すように、遊技板11の図示しないユニット取付孔に始動入賞口ユニット41が取り付けられると、ガイドレール12と遊技板11とに形成された中央排出溝11Mと、上述した底部中央溝46Mとの溝開口同士が合わさって中央アウト口16Aが形成され、底部サイド溝48M,48Mの溝開口がガイドレール12の湾曲ガイド部12Gで閉塞されて、サイドアウト口16B,16Bが形成される。
図5に示すように、前面カバー43は、ユニット本体41Hの入賞口構成壁46の前面に開閉扉50を挟んで固定される。図6に示すように、前面カバー43の裏面からは、上述したサイド壁44,44が突出している。サイド壁44,44は、前面カバー43の下端寄り部分の両側部に配置され、ユニット本体41Hに前面カバー43が組み付けられたときに、第2の始動入賞口14Bの両側で入賞口構成壁46に突き当てられる(図4参照)。そして、このとき、入賞口構成壁46と前面カバー43とによって前後方向に挟まれると共に、環状装飾部32とサイド壁44,44とによって上下方向に挟まれたサイド誘導路35R,35Lが形成される。
また、図6には、開状態の開閉扉50が示されている。同図に示すように、開閉扉50は、開状態では、1対のサイド壁44,44の間で、後側が若干下るように配置され、回動ピン61Pを回転可能に支持する1対のピン支持部61,61が後端部の両側部に配置されている。なお、詳細には、ピン支持部61は、サイド壁44よりも後側に配置され、ピン支持部61に支持された回動ピン61Pは、サイド壁44とユニット本体41Hの入賞口構成壁46(図5参照)とに挟持される。
1対のピン支持部61,61のうち一方のピン支持部61からは、サイドレバー62が上方に突出している。サイドレバー62は、駆動部42(図4及び図5参照)によって回動ピン61Pの中心軸回りに回転駆動される。これにより、開閉扉50は、鉛直方向に延びた待機位置と、待機位置から前倒しにされた作動位置(図6参照)との間を回動して、第2の始動入賞口14Bを開閉する。そして、開閉扉50の裏面が、サイド誘導路35R,35Lを転動してきた遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと誘導する誘導面50Mになっている。
以下、開閉扉50のピン支持部61側の端部、即ち、開状態における後端部を「基端部」と、ピン支持部61とから離れた側の端部、即ち、開状態における前端部を「先端部」と、それら基端部と先端部とを結ぶ方向を「開閉扉50の突出方向」と適宜称して、開閉扉50について詳説する。
図7及び図8に示すように、開閉扉50の誘導面50Mには、右側のサイド誘導路35Rを転動してきた遊技球を第2の始動入賞口14Bへ向けて案内する第1誘導路71と、左側のサイド誘導路35Lを転動してきた遊技球を第2の始動入賞口14Bへ向けて案内する第2誘導路72とを形成する誘導突部51が設けられている。
具体的には、誘導突部51は、開閉扉50の先端部に配置された中央突部54と、開閉扉50の両側部で中央突部54よりも基端側に配置された第1対向突部56及び第2対向突部57とを備えてなる。
図8に示すように、中央突部54は、開閉扉50の突出方向における中間位置から先端に亘って配置され、全体の形状が開閉扉50の基端側へ向かうに従って幅狭な形状となっている。そして、中央突部54の側面には、開閉扉50の右端部から左右方向の中央へ向かうにつれて基端側を向くように湾曲した第1円弧面52Mと、開閉扉50の左端部から左右方向の中央に向かうにつれて基端側を向くように湾曲した第2円弧面53Mとが、設けられている。
詳細には、中央突部54は、開閉扉50を左右に二分する扉中央線L1より右側に位置して基端側を向いた面が第1円弧面52Mとなった第1円弧面構成体52と、扉中央線L1より左側に位置して基端側を向いた面が第2円弧面53Mとなった第2円弧面構成体53とで構成され、第1円弧面構成体52は、扉中央線L1を対称軸として第2円弧面構成体53と線対称な円弧面構成体の右端部を切除した形状となっている。言い換えれば、中央突部54は、扉中央線L1に対して対称な突部の右端部が切除された非対称形状となっている。
図7に示すように、第1対向突部56は、開閉扉50の基端部における右側部に配置され、開閉扉50の基端側の右隅部から第1円弧面構成体52へ向かうにつれて下るように傾斜した傾斜面56Mを上面に有した略三角錘状をなしている。そして、誘導面50Mのうち中央突部54と第1対向突部56に挟まれた部分に、遊技球が1つだけ通過可能な幅の第1誘導路71が形成されている(図8参照)。
また、第2対向突部57は、開閉扉50の基端部における左側部に配置され、開閉扉50の基端側の左隅部から第2円弧面構成体53へ向かうにつれて下るように傾斜した傾斜面57Mを上面に有した略三角錘状をなしている。そして、誘導面50Mのうち中央突部54と第2対向突部57に挟まれた部分に、遊技球が1つだけ通過可能な幅の第2誘導路72が形成されている(図8参照)。なお、図7に示すように、上述したサイドレバー62は、第2対向突部57の基端側の左隅部から突出しているが、図8〜図10では、省略されて示されている。
また、図8に示すように、誘導面50Mの基端部で第1対向突部56と第2対向突部57とに挟まれた部分のうち第1誘導路71にも第2誘導路72にも属さない部分には、第1誘導路71と第2誘導路72と第2の始動入賞口14Bとに連絡した三角形状をなして、遊技球が1つだけ入ることが可能な大きさの合流領域73が形成されている。これにより、第1誘導路71又は第2誘導路72を通過してきた遊技球は、合流領域73に1つずつ受け入れられて、第2の始動入賞口14Bへと誘導される。
ここで、図8に示すように、第1対向突部56と第2対向突部57を上方から見た形状は共に、開閉扉50の基端縁と側端縁に辺部を有した直角三角形状になっていて、それら直角三角形の左右方向の幅は、同じになっている。そして、第1対向突部56における開閉扉50の先端側の頂点P1は、第2対向突部57における開閉扉50の先端側の頂点P2よりも開閉扉50の基端側に配置されている。また、上述のごとく、第1円弧面構成体52は、扉中央線L1を対称軸として第2円弧面構成体53に線対称な円弧面構成体の右端部を切除した形状をなしている。これらにより、第1誘導路71の幅W1は、第2誘導路72の幅W2よりも大きくなっている。このように、本実施形態では、誘導突部51(中央突部54、第1対向突部56及び第2対向突部57)は、第1誘導路71の幅W1が第2誘導路の幅W2よりも大きくなるような非対称形状に構成されている。
なお、本実施形態では、第1円弧面52Mと第2円弧面53Mとが、それぞれ、本発明の「第1誘導部」と「第2誘導部」にも相当し、中央突部54(第1円弧面構成体52及び第2円弧面構成体53)と、第1対向突部56と、第2対向突部57とによって、本発明の「非対称減速部」が構成されている。
始動入賞口ユニット41の構成に関する説明は以上である。次に、開閉扉50の誘導面50Mを転動する遊技球の動作について説明する。
開閉扉50が開状態となったときに、遊技球がサイド誘導路35R,35Lを転動してくると、遊技球は、誘導面50Mに形成された第1誘導路71と第2誘導路72を通って、第2の始動入賞口14Bへ誘導される。
図9には、左側のサイド誘導路35Lと右側のサイド誘導路35Rとから遊技球が、開閉扉50の誘導面50Mに転動してきた場合が示されている。左側のサイド誘導路35Lから転動してきた遊技球は、中央突部54の第1円弧面52Mに沿って第1誘導路71を通過し、合流領域73を経て第2の始動入賞口14Bへと誘導される。また、右側のサイド誘導路35Lから転動してきた遊技球は、中央突部54の第2円弧面53Mに沿って第2誘導路72を通過し、合流領域73を経て第2の始動入賞口14Bへと誘導される。
ここで、遊技球が、左右のサイド誘導路35R,35Lから誘導面50Mに、同時に同じ速度で転動してくると、それら2つの遊技球が合流領域73へ同時に進入しようとして、合流領域73で球詰まりが発生することが考えられる。しかしながら、本実施形態では、上述したように、誘導突部51が、第1誘導路71の幅W1が第2誘導路72の幅W2よりも大きくなるような非対称形状に構成されているので、第1誘導路71を通る遊技球は、第2誘導路72を通る遊技球に比べて、誘導路の側壁と衝突する回数が少なくなり、第1誘導路71を通る遊技球の転動の減速度合いが、第2誘導路72を通る遊技球の転動の減速度合いよりも小さくなる。その結果、第1誘導路71を通る遊技球の方が先に、合流領域73に進入し、合流領域73での球詰まりを抑えることができる。
なお、本実施形態では、第1対向突部56と第2対向突部57の傾斜面56M,57Mが、第1と第2の円弧面構成体52,53へ向かうにつれて下るように傾斜しているので、第1誘導路71と第2誘導路72を転動してきた遊技球が第1対向突部56と第2対向突部57に乗り上げても、傾斜面56M,57Mによって第1誘導路71と第2誘導路72に戻すことが可能になっている。しかも、傾斜面56Mの誘導面50Mに対する傾斜は、傾斜面57Mの誘導面50Mに対する傾斜よりも急になっているので(図7参照)、第1対向突部56に乗り上げた遊技球の方が誘導路に速く戻される。
ところで、右側のサイド誘導路35Rを転動してくる遊技球には、第1誘導路71へと向かう正規の移動軌跡を外れたものもある。ここで、本実施形態では、図10(A)及び図10(B)に示すように、第1誘導路71の入口で開閉扉50の誘導面50Mの先端よりも基端側に収まって転動する遊技球の移動軌跡が「正規の移動軌跡」となっていて、第1誘導路71の入口で誘導面50Mの先端からはみ出して転動する遊技球が、正規の移動軌跡から外れた遊技球となっている。なお、図10(A)及び図10(B)には、誘導面50Mの先端と同じ前後位置にある基準面が1点鎖線で示されている。
右側のサイド誘導路35Rから正規の移動軌跡を外れた遊技球が転動してくると、その遊技球は、図10(A)に示すように、開閉扉50の誘導面50Mに受け止められて第1円弧面構成体52の右端部と当接し、サイド誘導路35R側へ跳ね返される。ここで、上述したように、開状態の開閉扉50は、基端側が下るように傾斜しているので、跳ね返された遊技球は、開閉扉50の基端側へと移動して、開閉扉50の先端よりも基端側に収まる。即ち、遊技球は、正規の移動軌跡へと戻る。そして、正規の移動軌跡に戻された遊技球は、第1誘導路71を通って第2の始動入賞口14Bへと誘導される。
このように、正規の移動軌跡から外れた遊技球は、第1円弧面構成体52の右端部によって進路変更され、正規の移動軌跡に戻される。即ち、本実施形態では、第1円弧面構成体52の右端部によって、本発明の進路変更部55が構成されている。そして、本実施形態では、この進路変更部55により、右側のサイド誘導路35Rを複数の遊技球が転動してきた場合であっても、それら遊技球を1個ずつ第1誘導路71へ進入させることが可能となっている。
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。
遊技機10では、遊技者により操作ハンドル28が操作されると、遊技球が遊技領域R1に順次打ち込まれる。通常の遊技状態では、遊技球が始動ゲート18を通過したことを契機に開閉扉50が開状態となる確率が低くなっているため、多くの場合、左打ちが行われる。そして、ランダムに流下した遊技球の一部が第1の始動入賞口14Aに入球すると、その入球に基づいて大当たり遊技の当否判定が行われ、その判定結果が当たりであると、大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が終了すると、時短遊技が開始される。この時短遊技では、遊技球が始動ゲートを通過したことを契機に開閉扉50が開状態となる確率が高くなっているので、多くの場合、右打ちが行われる。そして、右側のサイド誘導路35Rを転動してきた遊技球が、開状態の開閉扉50に受け止められると、遊技球は、開閉扉50の裏面(誘導面50M)に形成された第1誘導路71を通って第2の始動入賞口14Bへと誘導される。第2の始動入賞口14Bに遊技球が入球すると、第1の始動入賞口14Aと同様に、大当たり遊技の当否判定が行われる。
ここで、右打ちを実行しているときに、例えば、遊技者が操作ハンドル28を緩める等すると、遊技球が遊技領域R1の右側と左側を流下する。そして、2つの遊技球が、左右のサイド誘導路35R,35Lを通って、開閉扉50の誘導面50Mに同時に受け止められ(図9参照)、誘導面50Mを同じ速度で転動すると、始動入賞口14B付近で球詰まりが発生するという事態が起こり得る。しかしながら、本実施形態の遊技機10では、誘導突部51が、第1誘導路71を通って第2の始動入賞口14Bへ向かう遊技球の減速度合いと、第2誘導路72を通って第2の始動入賞口14Bへ向かう遊技球の減速度合いとが異なるような非対称形状に構成されているので、遊技球を1個ずつ第2の始動入賞口14Bへ受け入れることが可能となる。これにより、第2の始動入賞口14B付近で遊技球が詰まることが抑制される。
なお、ここで、第1誘導路71と第2誘導路72の形状が異なることで各々流下する遊技球の軌跡が変わったり、速度が変わるなどの理由で、仮に、各誘導路71,72から流下された2つの遊技球が合流領域73へ同時に進入しようとした場合であっても、各々の遊技球が衝突して、一方の遊技球が他方の遊技球を弾くことにより、一方の遊技球が合流領域73に進入して第2の始動入賞口14Bに誘導され、その後に他方の遊技球が合流領域73に進入して第2の始動入賞口14Bに誘導されることで、球詰まりを抑制することが可能である。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)図11に示す開閉扉50Vのように、誘導面50Mのうち中央突部54と第1対向突部56とに挟まれた部分、即ち、第1誘導路71の転動面を平坦にする一方で、中央突部54と第2対向突部57とに挟まれた部分、即ち、第2誘導路72の転動面に複数の突起72Tを設けて、本発明の「非対称減速部」を形成してもよい。この構成によっても、第1誘導路71を通る遊技球の減速度合いを、第2誘導路72を通る遊技球の減速度合いよりも小さくすることができ、第2の始動入賞口14B付近での球詰まりを抑えることが可能になる。
なお、図11に示す例では、第1対向突部56と第2対向突部57とが、上記実施形態の開閉扉50のように、扉中央線L1に対して非対称対称となっているが、両対向突部56,57を扉中央線L1に対して対称としてもよい。図11の構成によれば、第1誘導路71を通る遊技球の減速度合いと、第2誘導路72を通る遊技球の減速度合いとの差を大きくすることができる。
(2)中央突部54に進路変更部55を設けない構成としてもよい。具体的には、第1円弧面構成体52を、扉中心線L1に対して第2円弧面構成体53と線対称な構成としてもよい。
(3)右側のサイド誘導路35Rからの遊技球が開閉扉50の誘導面50Mを転動するときの減速度合いを、左側のサイド誘導路35Lからの遊技球が開閉扉50の誘導面50Mを転動するときの減速度合いよりも大きくなるように構成してもよい。具体的には、上記実施形態の開閉扉50を、左右反転させた構成として、左側のサイド誘導路35Lから転動してきた遊技球が第1誘導路71を通り、右側のサイド誘導路35Rから転動してきた遊技球が第2誘導路72を通るようにしてもよい。
(4)図12に示す開閉扉50Wのように、第1誘導路71が開閉扉50Wの左右方向の中央へ近づくにつれて第2の始動入賞口14Bへ向かう円弧状となる一方で、第2誘導路72が第2の始動入賞口14Bへ向かって蛇行しながら延びた形状となるように誘導突部51Wを構成してもよい。具体的には、誘導突部51Wは、上記実施形態と同様に、中央突部54W、第1対向突部56W及び第2対向突部57Wとで構成され、中央突部54Wと第1対向突部56Wの互いの対向面が円弧状に形成される一方、中央突部54Wと第2対向突部57Wの互いの対向面が波形に形成されている。なお、第1誘導路71は、第2誘導路72と同じ幅であっても、第2誘導路72より幅広であってもよい。
(5)なお、本発明では、入賞口(第2の始動入賞口14B)を開閉する開閉扉に誘導突部を備えた構成であったが、入賞口に対して前後に進退し、上面を誘導面にして遊技球を入賞口へと誘導する入賞補助突片に誘導突部を備えた構成であっても、本発明と同様の効果を奏することが可能となる。即ち、「前方に開放して遊技媒体を受け入れ可能であって遊技媒体1個分以上2個分未満の大きさに設定された入賞口と、入賞口内に収まった待機位置と、入賞口の下辺開口縁から前方に突出しかつ上面を誘導面として遊技媒体を入賞口へ案内する作動位置との間を移動する入賞補助部材とを備えた遊技機」において、入賞補助部材の誘導面に、本発明に係る誘導突部を設けた構成とすれば、本発明と同様の効果を奏することが可能となる。なお、入賞補助部材には、本発明の開閉扉及び上述の入賞補助突片が含まれる。
[上記実施形態の構成のまとめ]
上記実施形態には、以下の[1]〜[7]の構成が含まれている。
[1]
前方に開放して遊技媒体を受け入れ可能であって遊技媒体1個分以上2個分未満の大きさに設定された入賞口と、前記入賞口の下方開口縁を中心に回動して前記入賞口を開閉する開閉扉とを備え、開状態の前記開閉扉の裏面を誘導面にして遊技媒体を前記入賞口へ誘導する遊技機において、
前記入賞口の両側に、開状態の前記開閉扉の前記誘導面に向けて両側方から遊技媒体を転動させる第1流路及び第2流路を設け、
前記誘導面には、前記第1流路からの遊技媒体を前記入賞口に向けて誘導すると共にその遊技媒体の前記第2流路への進入を規制する第1誘導路と、前記第2流路からの遊技媒体を前記入賞口へ向けて誘導すると共にその遊技媒体の前記第1流路への進入を規制する第2誘導路と、前記入賞口の前方に位置して前記第1誘導路と前記第2誘導路の各誘導路を通過した遊技媒体を1個だけ受け入れて前記入賞口へ誘導可能な合流領域とを形成する誘導突部が設けられ、
前記誘導突部は、前記第1誘導路及び前記第2誘導路を遊技媒体1個だけ通過可能な幅にすると共に、前記第1流路及び前記第2流路から前記第1誘導路及び前記第2誘導路に遊技媒体が同時に進入した場合に、前記第1誘導路を通って前記入賞口へ向かう遊技媒体の全体と、前記第2誘導路を通って前記入賞口へ向かう遊技媒体の全体とが前記合流領域に同時に進入しないような非対称形状に構成されたことを特徴とする遊技機。
[1]の構成では、第1流路と第2流路の両流路から第1誘導路と第2誘導路に遊技媒体が同時に進入した場合であっても、それら遊技媒体の全体は、合流領域に同時に進入しないので、遊技媒体が1個だけ通過可能な大きさの入賞口付近で遊技媒体が詰まることを抑えることが可能となる。
[2]
前記誘導突部は、前記第1誘導路を通って前記入賞口へ向かう遊技媒体の減速度合いと、前記第2誘導路を通って前記入賞口へ向かう遊技媒体の減速度合いとが異なるような非対称形状に構成されたことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
特に、[2]の構成では、誘導突部を、第1誘導路を通って入賞口へ向かう遊技媒体の減速度合いと、第2誘導路を通って入賞口へ向かう遊技媒体の減速度合いとが異なるような非対称形状に構成すれば、第1流路と第2流路の両流路から開閉扉の誘導面に、遊技媒体が同じ速度で同時に転動してきた場合であっても、遊技媒体を1個ずつ入賞口へ受け入れることが可能となる。
[3]
前記誘導突部は、前記第1誘導路の幅が前記第2誘導路の幅よりも大きくなるような非対称形状に構成されたことを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
なお、誘導突部の非対称形状としては、第1誘導路と第2誘導路の何れか一方の転動面にのみ突起が設けられた非対称形状であってもよいし、第1誘導路と第2誘導路の転動面の間で、摩擦係数が異なるように面粗さを異ならせた非対称形状であってもよいし、[3]の構成のように、第1誘導路の幅が第2誘導路の幅よりも大きくなるような非対称形状であってもよい。
[4]
前記誘導突部は、前記第1誘導路の入口で、前記第1流路から前記第1誘導路へ向かう正規の移動経路から外れた遊技媒体と当接してその進路を変更し、その遊技媒体を前記正規の移動経路に戻す進路変更部を備えて非対称形状としたことを特徴とする[1]乃至[3]のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
[4]の構成では、第1流路から第1誘導路へ向かう正規の移動経路から外れた遊技媒体は、進路変更部によって正規の移動経路に戻されるので、第1流路を複数の遊技媒体が転動してきた場合であっても、それら遊技媒体を1個ずつ第1誘導路へ進入させることが可能になる。
[5]
前記誘導突部には、
開状態の前記開閉扉の前端から前後方向の中間位置に亘って配置され、前記第1流路側の端部から幅方向の中央へ向かうに従って前記入賞口へ向かうように湾曲した第1円弧面と、前記第2流路側の端部から幅方向の中央へ向かうに従って前記入賞口へ向かうように湾曲した第2円弧面とを側面に有した中央突部と、
前記第1円弧面と対向して前記中央突部との間に前記第1誘導路を形成する第1対向突部と、
前記第2円弧面と対向して前記中央突部との間に前記第2誘導路を形成する第2対向突部とが備えられ、
前記第1円弧面と前記第1対向突部との間の間隔を、前記第2円弧面と前記第2対向突部との間の間隔よりも広くしたことを特徴とする[1]乃至[4]のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
[5]の構成では、第1流路から転動してきた遊技媒体を中央突部の第1円弧面に沿わせて入賞口へと案内し、第2流路から転動してきた遊技媒体を中央突部の第2円弧面に沿わせて入賞口へと案内することができる。
[6]
前記中央突部は、前記開閉扉を横方向に二分する扉中央線より前記第1流路側に位置して前記入賞口側を向いた面が前記第1円弧面となった第1円弧面構成体と、前記扉中央線より前記第2流路側に位置して前記入賞口側を向いた面が前記第2円弧面となった第2円弧面構成体とで構成され、
前記第1円弧面構成体は、前記扉中央線を対称軸として前記第2円弧面構成体と線対称な円弧面構成体の前記第1流路側の端部を切除した形状をなし、
前記第1円弧面構成体の前記第1流路側の端部が、前記第1誘導路の入口で、前記第1流路から前記第1誘導路へ向かう正規の移動経路から外れた遊技媒体と当接してその進路を変更し、その遊技媒体を前記正規の移動経路に戻す進路変更部になっていることを特徴とする[5]に記載の遊技機。
[6]の構成では、第1円弧面構成体が、扉中央線を対称軸として第2円弧面構成体と線対称な円弧面構成体の第1流路側の端部を切除した形状をなしているので、第1誘導路の入口が広くなり、第1誘導路の入口で遊技媒体が詰まることが抑えられる。しかも、第1円弧面構成体の第1流路側の端部が進路変更部となっているので、第1流路を複数の遊技媒体を転動してきた場合であっても、それら複数の遊技媒体を1個ずつ第1誘導路へ向かわせることができる。
[7]
前方に開放して遊技媒体を受け入れ可能であって遊技媒体1個分以上2個分未満の大きさに設定された入賞口と、前記入賞口の下方開口縁を中心に回動して前記入賞口を開閉する開閉扉とを備え、開状態の前記開閉扉の裏面を誘導面にして遊技媒体を前記入賞口へ誘導する遊技機において、
前記入賞口の両側に設けられ、開状態の前記開閉扉の前記誘導面に向けて両側方から遊技媒体を転動させる第1流路及び第2流路と、
前記誘導面に設けられ、前記第1流路及び前記第2流路との間で遊技媒体が移動することを規制する誘導突部と、
前記誘導突部のうち前記第1流路に臨んだ縁部に形成され、前記第1流路から転動してきた遊技媒体の転動方向を変更して前記入賞口へと案内する第1誘導部と、
前記誘導突部のうち前記第2流路に臨んだ縁部に形成され、前記第2流路から転動してきた遊技媒体の転動方向を変更して前記入賞口へと案内する第2誘導部とを備え、
前記誘導面には、前記第1誘導部により案内される遊技媒体の減速度合いと前記第2誘導部により案内される遊技媒体の減速度合いとを異ならせる非対称減速部が設けられたことを特徴とする遊技機。
[7]の構成では、第1流路と第2流路の両流路から開閉扉の誘導面に、遊技媒体が同じ速度で同時に転動してきた場合であっても、誘導面には、誘導突部の第1誘導部により入賞口へと案内される遊技媒体の減速度合いと、誘導突部の第2誘導部により入賞口へと案内される遊技媒体の減速度合いとを異ならせる非対称減速部が備えられているので、遊技媒体を1個ずつ入賞口へ受け入れることが可能となる。これにより、入賞口付近で遊技媒体が詰まることが抑制される。