JP6355015B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、電動モータの駆動力をボールねじ機構に伝達するベルトの張力調整をする際に、ベルトを露出させることができないハウジング構成においても、容易にベルト張力調整を行うことができるパワーステアリング装置を提供することである。
実施例1のパワーステアリング装置1について説明する。実施例1のパワーステアリング装置1は、電動モータ40の駆動力をボールねじ機構26を介して転舵軸10に伝達することで運転者の操舵力に対するアシスト力を付与するものである。
〔パワーステアリング装置の構成〕
図1はパワーステアリング装置1の正面図である。図2はパワーステアリング装置1を軸方向から見た図である。図3は図1のA-A断面図である。図4は図2のB-B断面図である。図5は転舵軸10とナット20の正面図である。図6は図5のC-C断面図である。
パワーステアリング装置1は、運転者が操舵したステアリングホイールの回転を、転舵輪を転舵させる転舵軸10に伝達する操舵機構2と、転舵軸10にアシスト力を付与するアシスト機構3とを有している。
操舵機構2は、ステアリングホイールに連結する操舵入力軸80と、操舵入力軸80と一体に回転するピニオン81を有している。ピニオン81は、転舵軸10の外周に形成されたラック13と噛み合っている。
ボールねじ機構26は、ナット20と出力プーリ27とを有している。出力プーリ27の外見は円筒状の部材であって、ナット20に一体回転可能に固定されている。電動モータ40の駆動軸40aには円筒状の入力プーリ35が一体に回転するように固定されている。ナット20の回転軸を第一基準軸線L1とし、入力プーリ35の回転軸を第二基準軸線L2とする。第二基準軸線L2は、第一基準軸線L1に対して径方向にオフセットするように配置される。なお、ナット20に一体に固定されている出力プーリ27も第一基準軸線L1を回転軸としている。
ナット20は、転舵軸10を包囲するように環状に形成され、転舵軸10に対し回転自在に設けられている。ナット20の内周には、螺旋状に溝が形成されており、この溝がナット側ボールねじ溝21を構成している。転舵軸10の外周には前述のラック13が形成されている部分とは軸方向に離れた位置に螺旋状の溝が形成されており、この溝が転舵軸側ボールねじ溝11を構成している。
転舵軸10にナット20を挿入した状態で、ナット側ボールねじ溝21と転舵軸側ボールねじ溝11とによってボール循環溝12を形成している。ボール循環溝12内には金属製の複数のボール22が充填されている。ナット20が回転するとボール循環溝12内をボール22が移動することにより、ナット20に対して転舵軸10が長手方向に移動する。
図7はパワーステアリング装置1のアシスト機構3付近の拡大断面図である。図8はナット20の斜視図である。図9はナット20を径方向外側から見た図である。
ナット20はベアリング24によって減速機収容部32に回転自在に軸支されている。ベアリング24は、アウタレース24aとインナレース24cとを有している。アウタレース24aとインナレース24cとの間にボール24dが設けられている。また、アウタレース24aとインナレース24cとの間をシールするシール部材24eが設けられている。インナレース24cは、ナット20の軸方向一端側(操舵機構2側)に、ナット20と一体に形成されている。
ナット20のインナレース24cよりも軸方向他端側は、本体部20aを構成している。本体部20aの外周には、ボール循環溝12の一端と連通する第一接続通路20eが形成されている。また本体部20aの外周には、ボール循環溝12の他端と連通する第二接続通路20fが形成されている。第一接続通路20eと第二接続通路20fとの間には、管状の接続部材23が係合される係合溝20gが形成されている。第一接続通路20eには接続部材23の一端側が挿入され、第二接続通路20fには接続部材23の他端側が挿入されている。
本体部20aの外周には、一対の雌ねじ部20b,20cが形成されている。一対の雌ねじ部20b,20cを結ぶ線は、第一接続通路20eと第二接続通路20fとを結ぶ線と交差するように形成されている。雌ねじ部20b,20cには、接続部材23をナット20に固定する固定金属83がねじにより締結されている(図5参照)。ボール循環溝12内のボール22は、接続部材23内を通過することにより、第一接続通路20eと第二接続通路20fとの間を往来可能とされている。
図10は減速機収容部32を電動モータ40側から見た図である。
減速機収容部32の電動モータ40側には、入力プーリ挿入部32aが開口している。入力プーリ挿入部32aを電動モータ40側から見ると、入力プーリ35の回転軸である第二基準軸線L2を中心とする円形に形成されている。この入力プーリ挿入部32aに、入力プーリ35が挿入されている。
入力プーリ挿入部32aの外周側には、減速機収容部側インロー結合部32hが形成されている。減速機収容部側インロー結合部32hは、周辺の電動モータ40側表面に比べて凹状に形成されている。減速機収容部側インロー結合部32hを電動モータ40側から見ると、第二基準軸線L2から偏心した位置にある第五基準軸線L5を中心とする円形に形成されている。
電動モータ40は、減速機収容部側インロー結合部32hにモータハウジング側インロー結合部43aを嵌合させた状態で、3本のねじ42により減速機収容部32に固定されている。減速機収容部32にねじ42が挿入される3つのねじ孔のうち2つのねじ孔32cは長穴形状に形成されている。また残りの1つのねじ孔32dは、ねじ42の径に対して大径に形成されている。これにより、電動モータ40はモータハウジング43とともに第五基準軸線L5を中心に所定範囲内で回動可能となる。電動モータ40を第五基準軸線L5を中心に回動させることにより第二基準軸線L2が移動する。そして、入力プーリ35と出力プーリ27との間の距離が変化するため、ベルト28の張力を調整することができる。これらの構成によりベルト張力調整機構44を構成している。
図11は図1におけるD-D断面図である。図12は図1におけるE-E断面図である。図13はベルト張力測定孔32b付近の拡大断面図である。図14はベルト張力測定孔32bを軸方向から見た図である。図11および図12は、図を見やすくするため一部断面図として示していない部分もある。
減速機収容部32にはベルト張力測定孔32bが開口している。減速機収容部32は封止部材45により封止されている。
封止部材45はスクリュである。封止部材45のベルト張力測定孔32bに挿入される側の先端部分には、雄ねじが形成された雄ねじ部45aを有している。また、雄ねじ部45aの根元側には、雄ねじ部45aよりも大径に形成されたシール当接部45bが形成されている。シール当接部45bには雄ねじが切られていない。
ベルト張力測定孔32bは、ベルト張力測定孔32bを介して減速機収容部32を外側から内部を目視するとベルト28の幅方向両端のうち一方側がベルト張力測定孔32bとオーバラップするように形成されている(図14)。ベルト張力測定孔32bの奥側(減速機収容部32の内周側)には、封止部材45の雄ねじ部45aに螺合する雌ねじ部32b1が形成されている。雌ねじ部32b1よりも外側(減速機収容部32の外周側)には、雌ねじ部32b1よりも大径に形成されたシール当接部32b2が形成されている。シール当接部32b2には雌ねじは切られていない。封止部材45のシール当接部45bとベルト張力測定孔32bのシール当接部32b2との間にOリング46が挟持されている。ベルト張力測定孔32bの外側の開口端部外周には表面が凹状に形成された凹状部32b3が形成されている。凹状部32b3は、封止部材45をベルト張力測定孔32bに固定した際に、大径部45cの端面が当接し、大径部45cからの軸力を受ける受面となっている。
図15は図1におけるD-D断面図である。図15は図11と同様の断面図であるが、図を見やすくするため断面を示すハッチングの記載を省略している。
ベルト28のうち、入力プーリ35の外周面に接する領域を入力プーリ接触領域P1とする。出力プーリ27の外周面に接する領域を出力プーリ接触領域P2とする。入力プーリ接触領域P1と出力プーリ接触領域P2との間の1対の領域のうち、ベルト張力測定孔32bと対向する側を第一中間領域P3とし、他方を第二中間領域P4とする。また、第一中間領域P3におけるベルト28の長手方向を第三基準軸線L3とする。
減速機収容部32の内周面であってベルト28の第一中間領域P3と対向する領域(以下、第一対向領域P5)に突出部32fが形成されている。突出部32fは、ベルト張力測定孔32bが設けられる範囲を含んで形成されている。突出部32fは、第三基準軸線L3方向の所定範囲において、減速機収容部32の内側に突出して形成されている。突出部32fとベルト28の外周面との最短距離は、第一対向領域P5の第三基準軸線L3方向の所定範囲以外の領域とベルト28の外周面との最短距離に比べて、短くなるように形成されている。
減速機収容部32の内周面であってベルト28の入力プーリ接触領域P1と対向する領域(以下、入力プーリ対向領域P7)と入力プーリ35とのクリアランス(図15に格子でハッチングを示したS2の部分)は、ベルト28の厚みの三倍以上となるように形成されている。同じく、減速機収容部32の内周面であってベルト28の出力プーリ接触領域P2と対向する領域(以下、出力プーリ対向領域P8)と出力プーリ27とのクリアランス(図15に格子でハッチングを示したS2の部分)は、ベルト28の厚みの三倍以上となるように形成されている。
突出部32fは、ベルト張力調整機構44による入力プーリ35の回転軸(第二基準軸線L2)の移動に伴い、ベルト28の第一中間領域P3が突出部32fに最も接近した状態においても、ベルト28の外周面と突出部32fとが接触しないように形成されている。そして、ベルト張力調整機構44は、ベルト28の第一中間領域P3が突出部32fに近づくほどベルト28の張力が低下するように構成されている。
減速機収容部32の内周面のうち出力プーリ27の回転軸方向の一方側(電動モータ40側)の面には、部分的に突出して形成されたリブ32eが形成されている。突出部32fはリブ32eと連続して形成されている。
図16は、ベルト張力測定孔32bにピン部材47が挿入された状態の減速機収容部32の断面図である。
減速機収容部32は、複数の成形型を用いた型成形により形成されている。減速機収容部32が型成形される際に、ベルト張力測定孔32bに相当する部分にはピン部材47が設けられている。ピン部材47は、成形型が取り外された後にベルト張力測定孔32bの軸方向(第四基準軸線L4方向)に引きぬかれベルト張力測定孔32bが形成される。
ベルト張力測定孔32bの外周側には逃げ部32gが形成されている。逃げ部32gのベルト張力測定孔32b側の側面は、ピン部材47がベルト張力測定孔32bから露出している部分の外周面よりも所定距離離間するように形成されている。図14には、点線M1によりピン部材47がベルト張力測定孔32bから露出している部分の外周面の範囲を示している。また点線M2により成形型の形成線を示している。
ベルト28の張力は、ベルト張力測定器により測定される。ベルト張力測定器は、ベルト張力測定孔32b内に挿入され、ベルト28の幅方向の一方側を弾く機構を有している。ベルト張力測定器によってベルト28の固有振動数を計測することができ、この固有振動数からベルト28の張力を求めている。なお、ベルト張力測定孔32bにベルト張力測定器の全体が挿入される必要はなく、一部が挿入可能になっていれば良い。
実施例1のようにベルト28の張力調整をする際に、ベルト28を露出させることができない構造の場合、減速機収容部32の外周面から内周面に貫通する貫通孔(ベルト張力測定孔32b)を形成する必要がある。このような構成とすることにより、パワーステアリング装置1を新規に組み立てるときだけだけでなく、後日電動モータ40を取り替えるときなどにもベルト28の張力を測定することができる。
ベルト張力測定孔32bは、ベルト28の張力を測定した後には封止部材45により封止されなければならない。封止部材45がベルト張力測定孔32bから脱落しないためには、封止部材45の雄ねじ部45aと、ベルト張力測定孔32bの雌ねじ部32b1の螺合部分を十分な長さ確保しなければならない。螺合部分を確保するために減速機収容部32の外周側に肉を盛ると、減速機収容部32が大型化し他の装置と干渉するおそれがある。
これにより、ベルト張力測定孔32b付近の肉厚を確保することができるため、螺合部分の長さを十分に確保することができる。よって、封止部材45の締結強度を確保することができる。また、肉を減速機収容部32の内周側に盛るため、減速機収容部32の大型化を抑制し、他の装置との干渉を抑制することができる。また減速機収容部32の内周面のうち、突出部32fを設けた以外の領域においては、ベルト28の外周面とのクリアランスを確保することができる。よって、ベルト張力調整機構44により入力プーリ35の偏心量を調整することによってベルト28の張力調整を行う場合にも、減速機収容部32の内周面とベルト28の外周面との干渉を抑制することができる。
ベルト28の張力測定をする際には、ベルト28の幅方向の端部を弾き、その振動を測定することにより高精度に測定することができる。ベルト張力測定孔32bを、ベルト28の幅方向端部とオーバラップするように設けたため、ベルト28の幅方向端部を弾きやすくなる。
第一対向領域P5における第三基準軸線L3方向両端部のうち出力プーリ27に近い側の端部と、ベルト28の出力プーリ接触領域P2の外周面との最短距離をd1とする。また出力プーリ対向領域P8とベルト28の出力プーリ接触領域P2の外周面との最短距離をd2とする。このとき実施例1では、突出部32fを、距離d1が距離d2以上となるように形成した(図11)。
実施例1では、減速機収容部32の第一対向領域P5とベルト28の出力プーリ接触領域P2との最短距離が、減速機収容部32の出力プーリ対向領域P8とベルト28の出力プーリ接触領域P2との最短距離以上となるように形成した。
これにより、減速機収容部32の第一対向領域P5とベルト28の出力プーリ接触領域P2との間においても、十分なクリアランスを確保することができる。よって、ベルト28が切断したときであっても、出力プーリ27と減速機収容部32の内周面との間にベルト28が挟まることを抑制し、出力プーリ27の回転が阻害されるのを抑制している。
これにより、ベルト28が突出部32fに最も接近した時であってもベルト28の外周面が突出部32fと接触することを抑制することができる。
また実施例1では、ベルト28の第一中間領域P3が突出部32fに近づくほどベルト28の張力が低下するようにベルト張力調整機構44を構成するようにした。
ベルト28の張力調整は、ベルト28の張力が低い状態から高い状態に変化させるほうが調整しやすい。つまり、張力調整時にはベルト28が突出部32fに接近した状態から遠ざかるため、ベルト28の外周面が突出部32fに接触することを抑制することができる。
リブ32eと突出部32fとが分離した形状の場合、減速機収容部32を型成形する際の型の耐久性が悪くなる。リブ32eと突出部32fとを連続して形成することにより、型の耐久性を向上させることができる。
また実施例1では、ベルト張力測定孔32bの外側の開口端部外周に表面が凹状に形成された凹状部32b3が形成した。この凹状部32b3を、封止部材45をベルト張力測定孔32bに固定した際に、大径部45cの端面が当接し、大径部45cからの軸力を受ける受面とした。
これにより、減速機収容部32の外周面からの、封止部材45の頭部45dの突出を少なくすることができ、他の装置との干渉を抑制することができる。
これにより、封止部材45に加硫接着等の処理を施すことなく、ベルト張力測定孔32bのシール性を確保することができる。
また実施例1では、ベルト張力測定孔32bの外周側に逃げ部32gを形成した。逃げ部32gのベルト張力測定孔32b側の側面を、ピン部材47がベルト張力測定孔32bから露出している部分の外周面よりも所定距離離間するように形成した。
減速機収容部32を型成形する際の型は、逃げ部32gとピン部材47の外周面との間を埋めるように形成される。この部分の肉厚が薄いと型の強度が低下してしまう。逃げ部32gとピン部材47との距離が所定距離離間しているため、型の肉厚を確保し、型の耐久性を向上させることができる。
(1) ステアリングホイールの回転に伴い転舵輪を転舵させる転舵軸10と、転舵軸10の外周側に設けられ、螺旋状の溝形状を有する転舵軸側ボールねじ溝11と、転舵軸を包囲するように環状に設けられたナット20と、ナットの内周側に設けられ、螺旋状の溝形状を有し、転舵軸側ボールねじ溝と共にボール循環溝12を構成するナット側ボールねじ溝11と、ボール循環溝12内に設けられた複数のボール22と、から構成され、転舵軸10に対するナット20の回転に伴いボール循環溝12内を複数のボール22が移動し、ナット20に対して転舵軸10を転舵軸10の長手方向に移動させるボールねじ機構26と、転舵軸10を包囲するように円筒状に形成され、ナット20の回転に伴い回転する出力プーリ27と、ナット20の回転軸を第一基準軸線L1としたとき、回転軸となる第二基準軸線L2が第一基準軸線L1に対し径方向にオフセットするように配置され、円筒状に形成された入力プーリ35と、出力プーリ27と入力プーリ35とを跨ぐように設けられ、入力プーリ35の回転を出力プーリ27に伝達するベルト28と、入力プーリ35を回転駆動する電動モータ40と、出力プーリ27、入力プーリ35およびベルト28を収容する減速機収容部32(ハウジング)と、減速機収容部32に設けられた貫通孔であって、減速機収容部32の外部からベルト28の張力を測定するための機器が挿入可能な位置に形成されたベルト張力測定孔32bと、ベルト張力測定孔32b内に挿入されることによりベルト張力測定孔32bを封止する封止部材45と、ベルト28の張力を測定するための機器によるベルト28の張力の測定結果に基づき、ベルト28の張力を調整するベルト張力調整機構44と、ベルト28のうち、入力プーリ35の外周面に接する領域を入力プーリ接触領域P1、出力プーリ27外周面に接触する領域を出力プーリ接触領域P2、入力プーリ接触領域P1と出力プーリ接触領域P2との間の1対の領域のうちベルト張力測定孔32bと対向する側を第一中間領域P3、他方側を第二中間領域P4、第一中間領域P3におけるベルト28の長手方向を第三基準軸線L3、減速機収容部32の内周面のうちベルト28の第一中間領域P3におけるベルト28の外周面と対向する領域を第一中間領域P3との対向領域としたとき、第一中間領域P3との対向領域(第一対向領域P5)のうちベルト張力測定孔32bの隣接部を含む第三基準軸線L3方向所定範囲に設けられ、第一中間領域P3との対向領域のうち所定範囲以外の領域に比べベルト28の外周面との最短距離が短くなるように形成された突出部32fと、を有するようにした。
よって、封止部材45とベルト張力測定孔32bとの螺合部分の長さを十分に確保することができ、封止部材45の締結強度を確保することができる。また、減速機収容部32の大型化を抑制し、他の装置との干渉を抑制することができる。また、減速機収容部32の内周面とベルト28の外周面との干渉を抑制することができる。
よって、ベルト28の幅方向端部を弾きやすくなり、ベルト28の張力を精度よく測定することができる。
(3) 減速機収容部32の内周面のうち出力プーリ接触領域P2におけるベルト28の外周面と対向する領域を出力プーリ接触領域P2との対向領域(出力プーリ対向領域P8)としたとき、第一中間領域P3との対向領域(第一対向領域P5)における第三基準軸線L3方向両端部のうち出力プーリ27に近い側の端部と出力プーリ接触領域P2との最短距離を、ベルト28の出力プーリ接触領域P2と出力プーリ接触領域P2との対向領域との間の距離のうちの最短距離以上となるように形成した。
よって、ベルト28が切断したときであっても、入力プーリ35または出力プーリ27と減速機収容部32の内周面との間にベルト28が挟まることを抑制し、出力プーリ27の回転が阻害されるのを抑制している。
(4) ベルト張力調整機構44を、出力プーリ27の回転軸と入力プーリ35の回転軸との距離が変化するように入力プーリ35の回転軸の位置を移動可能に構成し、突出部32fを、入力プーリ35の回転軸の移動に伴い第一中間領域P3が突出部32fに最も接近した状態においても第一中間領域P3と接触しないように形成するようにした。
よって、ベルト28の外周面が突出部32fに接触することを抑制することができる。
(5) ベルト張力調整機構44を、第一中間領域P3が突出部32fに近づくほどベルト28の張力が低下するように構成するようにした。
よって、ベルト28の外周面が突出部32fに接触することを抑制することができる。
よって、減速機収容部32を型成形する際の型の耐久性を向上させることができる。
(7) 封止部材45は、ベルト張力測定孔32b内に挿入され外周側に雄ねじが形成された雄ねじ部45aと、雄ねじ部45aよりも大径に形成された頭部45dと、
を有するスクリュであって、ベルト張力測定孔32bは、ベルト張力測定孔32bの内周側に形成され雄ねじ部45aと螺合する雌ねじ部32b1と、ベルト張力測定孔32bの両端部のうち減速機収容部32の外側の端部において頭部45dが挿入可能に形成され、ベルト張力測定孔32bに封止部材45を固定したとき頭部45dが当接し頭部45dからの軸力を受ける軸力受け面を有する凹状部32b3と、を有するようにした。
よって、他の装置との干渉を抑制することができる。
よって、封止部材45に加硫接着等の処理を施すことなく、ベルト張力測定孔32bのシール性を確保することができる。
(9) 減速機収容部32は複数の成形型を用いた型成形により形成され、ベルト張力測定孔32bは、減速機収容部32の型成形時にベルト張力測定孔32bの形成部分にピン部材47が設けられ、減速機収容部32の離型時においてピン部材47が引き抜かれることにより形成され、ピン部材47が引き抜かれるときのピン部材47の移動方向を第四基準軸線L4方向としたとき、減速機収容部32を形成する形成線を、ベルト張力測定孔32bの外側開口端から第四基準軸線L4方向の径方向外側に離間した位置に設けるようにした。
よって、減速機収容部32の成形型の耐久性を向上させることができる。
以上、本発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば実施例1では、ナット20に連通孔41を形成している例を示したが、ナット20に連通孔41を形成しなくとも良い。
また実施例1では、封止部材45をベルト張力測定孔32bにねじにより固定していたが、圧入等の他の方法で固定するようにしても良い。どのような固定方法であっても突出部32fを設けることにより、封止部材45とベルト張力測定孔32bとの接触面積を増大させることができる。これにより、封止部材45のベルト張力測定孔32bに対する固定力を高めることができる。
前記ハウジングは、前記ハウジングの内側面のうち前記出力プーリの回転軸方向両端面のうち一方側と対向する面であって、前記出力プーリ接触領域の両端部と対向する1対の部分の間を接続するように形成されたリブを備え、
前記突出部は、前記リブと連続して形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
(D) 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記封止部材は、
前記ベルト張力測定孔内に挿入され外周側に雄ねじが形成された雄ねじ部と、
前記雄ねじ部よりも大径に形成された頭部と、
を有するスクリュであって、
前記ベルト張力測定孔は、
前記ベルト張力測定孔の内周側に形成され前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部と、
前記ベルト張力測定孔の両端部のうち前記ハウジングの外側の端部において前記頭部が挿入可能に形成され、前記ベルト張力測定孔に前記封止部材を固定したとき前記頭部が当接し前記頭部からの軸力を受ける軸力受け面を有する凹状部と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
前記凹状部と前記頭部との間に挟持されるシール部材を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
(F) 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ハウジングは複数の成形型を用いた型成形により形成され、
前記ベルト張力測定孔は、前記ハウジングの型成形時に前記ベルト張力測定孔形成部分にピン部材が設けられ、前記ハウジングの離型時において前記ピン部材が引き抜かれることにより形成され、
前記ピン部材が引き抜かれるときの前記ピン部材の移動方向を第四基準軸線方向としたとき、前記ハウジングを形成する京成線は、前記ベルト張力測定孔の外側開口端から前記第四基準軸線方向の径方向外側に離間した位置に設けられることを特徴とするパワーステアリング装置。
11 転舵軸側ボールねじ溝
12 ボール循環溝
20 ナット
20a 本体部
20e 第一接続通路
20e4 接続部材第一挿入部(接続部材挿入部)
20e5 第一小径部(小径部)
20e6 第一段部(段部)
20e7 段部側第一当接部(段部側当接部)
20f8 第一接続通路側テーパ部
22 ボール
23 接続部材
23g 接続部材側第一当接部(接続部材側当接部)
23i 接続部材側第一テーパ部(接続部材側テーパ部)
Claims (3)
- ステアリングホイールの回転に伴い転舵輪を転舵させる転舵軸と、
前記転舵軸の外周側に設けられ、螺旋状の溝形状を有する転舵軸側ボールねじ溝と、
前記転舵軸を包囲するように環状に設けられたナットと、
前記ナットの内周側に設けられ、螺旋状の溝形状を有し、前記転舵軸側ボールねじ溝と共にボール循環溝を構成するナット側ボールねじ溝と、
前記ボール循環溝内に設けられた複数のボールと、
から構成され、前記転舵軸に対する前記ナットの回転に伴い前記ボール循環溝内を前記複数のボールが移動し、前記ナットに対して前記転舵軸を前記転舵軸の長手方向に移動させるボールねじ機構と、
前記転舵軸を包囲するように円筒状に形成され、前記ナットの回転に伴い回転する出力プーリと、
前記ナットの回転軸を第一基準軸線としたとき、回転軸となる第二基準軸線が前記第一基準軸線に対し径方向にオフセットするように配置され、円筒状に形成された入力プーリと、
前記出力プーリと前記入力プーリとを跨ぐように設けられ、前記入力プーリの回転を前記出力プーリに伝達するベルトと、
前記入力プーリを回転駆動する電動モータと、
前記出力プーリ、前記入力プーリおよび前記ベルトを収容するハウジングと、
前記ハウジングに設けられた貫通孔であって、前記ハウジングの外部から前記ベルトの張力を測定するための機器が挿入可能な位置に形成されたベルト張力測定孔と、
前記ベルト張力測定孔内に挿入されることにより前記ベルト張力測定孔を封止する封止部材と、
前記ベルトの張力を測定するための機器による前記ベルトの張力の測定結果に基づき、前記ベルトの張力を調整するためのベルト張力調整機構と、
前記ベルトのうち、前記入力プーリ外周面に接する領域を入力プーリ接触領域、前記出力プーリ外周面に接触する領域を出力プーリ接触領域、前記入力プーリ接触領域と前記出力プーリ接触領域との間の1対の領域のうち前記ベルト張力測定孔と対向する側を第一中間領域、他方側を第二中間領域、前記第一中間領域における前記ベルトの長手方向を第三基準軸線、前記ハウジングの内周面のうち前記第一中間領域における前記ベルトの外周面と対向する領域を前記第一中間領域との対向領域としたとき、前記第一中間領域との対向領域のうち前記ベルト張力測定孔の隣接部を含む前記第三基準軸線方向の所定範囲に設けられ、前記第一中間領域との対向領域のうち前記所定範囲以外の領域に比べ前記ベルトの外周面との最短距離が短くなるように形成された突出部と、
を有し、
前記ベルト張力調整機構は、
前記第二基準軸線に対し径方向にオフセットした所定軸線を中心に前記入力プーリの回転軸を所定範囲内で回動させることが可能であり、
前記ベルトの前記第一中間領域が前記突出部に近づく方向に前記入力プーリの回転軸が前記回動するときは、前記出力プーリの回転軸と前記入力プーリの回転軸との距離が短くなって前記ベルトの張力が低下し、
前記ベルトの前記第一中間領域が前記突出部から遠ざかる方向に前記入力プーリの回転軸が前記回動するときは、前記出力プーリの回転軸と前記入力プーリの回転軸との距離が長くなって前記ベルトの張力が増大するように構成される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ベルト張力測定孔は、前記ハウジングの外部から前記ベルト張力測定孔を介して前記ハウジングの内部を目視したとき、前記ベルトの幅方向両側端のうち一方側が前記ベルト張力測定孔とオーバラップするように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記ハウジングの内周面のうち前記出力プーリ接触領域における前記ベルトの外周面と対向する領域を前記出力プーリ接触領域との対向領域としたとき、
前記第一中間領域との対向領域における前記第三基準軸線方向両端部のうち前記出力プーリに近い側の端部と前記出力プーリ接触領域との最短距離は、前記ベルトの前記出力プーリ接触領域と前記出力プーリ接触領域との対向領域との間の距離のうちの最短距離以上となるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
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