JP6357664B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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[1.有機EL表示装置]
まず、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10の一部切り欠き斜視図である。図2は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10のピクセルバンクの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、有機EL表示装置10は、複数個の薄膜トランジスタが配置されたTFT基板(TFTアレイ基板)20と、下部電極である陽極41、有機材料からなる発光層であるEL層42及び透明な上部電極である陰極43からなる有機EL素子(発光部)40との積層構造により構成される。
ここで、画素30における画素回路31の回路構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る有機EL表示装置10における画素回路31の構成を示す電気回路図である。
以下では、本実施の形態に係るTFT基板20に形成される薄膜トランジスタについて、図4を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタは、ボトムゲート型、かつ、チャネル保護型の薄膜トランジスタである。
基板110は、電気絶縁性を有する材料から構成される基板である。例えば、基板110は、無アルカリガラス、石英ガラス、高耐熱性ガラスなどのガラス材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂材料、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)などの半導体材料、又は、絶縁層をコーティングしたステンレスなどの金属材料からなる基板である。
ゲート電極120は、酸化物半導体層140との間にゲート絶縁層130を挟んで、酸化物半導体層140に対向する位置に設けられている。本実施の形態では、ゲート電極120は、基板110上に所定形状で形成される。ゲート電極120の膜厚は、例えば、20nm〜300nmである。なお、ゲート電極120は、基板110の上方に、例えば、バッファ層(アンダーコート層)などを介して形成されてもよい。
ゲート絶縁層130は、酸化物半導体層140の、シリコンリッチ絶縁層150とは反対側に設けられた絶縁層である。本実施の形態では、ゲート絶縁層130は、ゲート電極120と酸化物半導体層140との間に形成される。具体的には、ゲート絶縁層130は、ゲート電極120を覆うようにゲート電極120上及び基板110上に形成される。ゲート絶縁層130の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
酸化物半導体層140は、薄膜トランジスタ100のチャネル層として用いられる。酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向するように、基板110の上方に所定形状で形成される。具体的には、酸化物半導体層140は、ゲート電極120に対向する位置に、かつ、ゲート絶縁層130上に島状に形成される。酸化物半導体層140の膜厚は、例えば、30nm〜150nmである。
シリコンリッチ絶縁層150は、酸化物半導体層140に積層された第1シリコン絶縁層の一例である。シリコンリッチ絶縁層150は、絶縁層160と酸化物半導体層140との間に設けられた、絶縁層160よりシリコン濃度が高い絶縁層である。シリコンリッチ絶縁層150は、酸化物半導体層140を覆うように、ゲート絶縁層130上に形成される。
絶縁層160は、シリコンを含む絶縁層であり、シリコンリッチ絶縁層150の、酸化物半導体層140とは反対側に積層された第2シリコン絶縁層の一例である。絶縁層160は、シリコンリッチ絶縁層150上に形成される。絶縁層160の膜厚は、例えば、50nm〜500nmである。
第1絶縁層161は、酸化物半導体層140上に設けられた絶縁膜である。本実施の形態では、第1絶縁層161は、シリコンを含む絶縁層であり、例えば、シリコン酸化膜である。なお、第1絶縁層161は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。第1絶縁層161の膜厚は、例えば、5nm〜40nmである。
第2絶縁層162は、第1絶縁層161上に設けられた絶縁膜である。例えば、第2絶縁層162は、シリコンを含む絶縁層であり、本実施の形態では、シリコン酸化膜である。なお、第2絶縁層162は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜でもよい。第2絶縁層162の膜厚は、例えば、絶縁層160としての膜厚が500nm以下となるような厚さである。つまり、第2絶縁層162の膜厚は、第1絶縁層161の膜厚と合わせて500nm以下となるような厚さである。
ドレイン電極170d及びソース電極170sは、絶縁層160上に所定形状で形成される。例えば、ドレイン電極170d及びソース電極170sは、第2絶縁層162上に、基板水平方向に離間して対向配置されている。具体的には、ドレイン電極170d及びソース電極170sはそれぞれ、コンタクトホールを介して酸化物半導体層140(具体的には、シリコンドープ層142)に接続されるように、第2絶縁層162上に形成される。ドレイン電極170d及びソース電極170sの膜厚は、例えば、100nm〜500nmである。
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造方法について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の製造工程を示す概略断面図である。
まず、図5Aの(a)に示すように、基板110を準備し、基板110の上方に所定形状のゲート電極120を形成する。例えば、基板110上に金属膜をスパッタリングによって成膜し、フォトリソグラフィ及びエッチングによって金属膜を加工することにより、所定形状のゲート電極120を形成する。なお、ゲート電極120を形成する前に、基板110の表面にシリコン酸化膜などのアンダーコート層を形成してもよい。
次に、図5Aの(b)に示すように、基板110の上方にゲート絶縁層130を形成する。例えば、ゲート電極120を覆うようにゲート絶縁層130をプラズマCVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition:PE−CVD)又はスパッタリングによって成膜する。
次に、図5Aの(c)に示すように、基板110の上方に、かつ、ゲート電極120に対向する位置に所定形状の酸化物半導体層140を形成する。例えば、ゲート絶縁層130上に酸化物半導体膜をスパッタリングによって成膜する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングによって酸化物半導体膜を加工することにより、所定形状の酸化物半導体層140を形成する。スパッタリングは、例えば、DCマグネトロンスパッタリング装置又はRFマグネトロンスパッタリング装置を用いることができる。
次に、図5Aの(d)に示すように、酸化物半導体層140上にシリコンリッチ絶縁層150を形成する。例えば、酸化物半導体層140を覆うように、全面にシリコンリッチのシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。例えば、平行平板型(容量結合型)のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度T1で、シリコンリッチ絶縁層150を成膜する。
次に、図5Bの(e)に示すように、シリコンリッチ絶縁層150上に第1絶縁層161を形成する。例えば、シリコンリッチ絶縁層150上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度T2で、第1絶縁層161を成膜する。
次に、図5Bの(f)に示すように、第1絶縁層161上に第2絶縁層162を形成する。例えば、第1絶縁層161上にシリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、第1絶縁層161上に、第2温度T2以上の温度の第3温度T3で第2絶縁層162を成膜する。
次に、図5Bの(g)に示すように、第2絶縁層162(絶縁層160)上にドレイン電極170d及びソース電極170sを形成する。具体的には、まず、絶縁層160及びシリコンリッチ絶縁層150の一部をエッチング除去することで、コンタクトホールを形成する。つまり、酸化物半導体層140(具体的には、シリコンドープ層142)の一部を露出させるためのコンタクトホールを絶縁層160及びシリコンリッチ絶縁層150に形成する。
続いて、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100の積層方向における元素の濃度分布について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態において作製したサンプルの積層方向における元素の濃度分布を示す図である。
図7には、2つのサンプル(サンプルA及びサンプルB)のそれぞれの濃度分布を示している。サンプルAとサンプルBとでは、InWOから構成される酸化物半導体を覆うシリコン酸化膜の形成方法が異なっている。
図7は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析によるサンプルA及びサンプルBの積層方向における元素の濃度分布を示している。具体的には、図7の(a)はシリコンの濃度分布を示し、図7の(b)はインジウムの濃度分布を示している。なお、図7に示すサンプルA及びサンプルBは、シリコン酸化膜の成膜温度が250℃のものである。
続いて、サンプルA及びサンプルBの酸化物半導体層140のX線回折(XRD)による測定結果について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bはそれぞれ、サンプルA及びサンプルBの酸化物半導体層のXRDによる測定結果を示す図である。
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタ100は、少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層140と、酸化物半導体層140に積層されたシリコンリッチ絶縁層150と、シリコンリッチ絶縁層150の、酸化物半導体層140とは反対側に積層された絶縁層160とを備え、シリコンリッチ絶縁層150は、絶縁層160よりシリコン濃度が高く、酸化物半導体層140は、シリコンリッチ絶縁層150に接触する表層部にシリコンがドープされたシリコンドープ層142を有する。
続いて、実施の形態2に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法について説明する。本実施の形態では、実施の形態1と比較して、薄膜トランジスタの構成は同じであり、製造方法が異なっている。このため、以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図9は、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
酸化物半導体層140を形成した後、図9の(a)に示すように、酸化物半導体層140上にアモルファスシリコン層250を形成する。例えば、酸化物半導体層140を覆うように、全面にアモルファスシリコン膜をプラズマCVDによって成膜する。例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、酸化物半導体層140を構成する酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度T1でアモルファスシリコン層250を成膜する。
次に、図9の(b)に示すように、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を行うことで、アモルファスシリコン層250を酸化する。つまり、アモルファスシリコン層250をN2Oプラズマ251に曝すことにより、アモルファスシリコン層250を酸化する。これにより、シリコンリッチ絶縁層150を形成する。具体的には、酸化性プラズマ処理として、N2Oプラズマ処理を行う。酸化性プラズマ処理は、例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を利用することができる。具体的には、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を、結晶化温度Tc以上の第2温度T2で行うことで、シリコンリッチ絶縁層150を形成する。
次に、図9の(c)に示すように、シリコンリッチ絶縁層150上に、絶縁層260を形成する。例えば、シリコンリッチ絶縁層150上に、シリコン酸化膜をプラズマCVDによって成膜する。具体的には、シリコンリッチ絶縁層150上に、結晶化温度Tc以上の第3温度T3で絶縁層260を成膜する。
ここで、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を用いてサンプルCを作製した。サンプルCは、実施の形態1に係るサンプルBと同様に、シリコンリッチ絶縁層150及びシリコンドープ層142を備えている。このときのシリコンリッチ絶縁層150は、アモルファスシリコン層250が酸化性プラズマ処理によって酸化されたものである。
以上のように、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法は、第1形成工程は、酸化物半導体の結晶化温度Tcより低い第1温度T1でアモルファスシリコン層250を成膜する工程と、アモルファスシリコン層250に酸化性プラズマ処理を、酸化物半導体の結晶化温度Tc以上の第2温度T2で行うことで、シリコンリッチ絶縁層150を形成する工程とを含む。
続いて、上述した実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の変形例について、図11を用いて説明する。図11は、本変形例に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す概略断面図である。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
20 TFT基板
21 バンク
30 画素
30B、30G、30R サブ画素
31 画素回路
32、33、100 薄膜トランジスタ
32d、33d、170d ドレイン電極
32g、33g、120 ゲート電極
32s、33s、170s ソース電極
34 キャパシタ
40 有機EL素子
41 陽極
42 EL層
43 陰極
50 ゲート配線
60 ソース配線
70 電源配線
110 基板
130 ゲート絶縁層
140 酸化物半導体層
141 InXO層
142 シリコンドープ層
150 シリコンリッチ絶縁層
160、260 絶縁層
161 第1絶縁層
162 第2絶縁層
250 アモルファスシリコン層
251 N2Oプラズマ
343 凹凸
Claims (10)
- 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層に積層された第1シリコン絶縁層と、
前記第1シリコン絶縁層の、前記酸化物半導体層とは反対側に積層された第2シリコン絶縁層とを備え、
前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
前記酸化物半導体層は、前記第1シリコン絶縁層に接触する表層部にシリコンがドープされたシリコンドープ層を有し、
積層方向におけるシリコン濃度分布において、前記シリコンドープ層と前記第1シリコン絶縁層との界面に、シリコン濃度のピークが存在する
薄膜トランジスタ。 - 前記ピークにおけるシリコン濃度は、1.0×1022atoms/cm2以上3.0×1022atoms/cm2以下である
請求項1に記載の薄膜トランジスタ。 - 前記第1シリコン絶縁層の膜厚は、1nm以上15nm以下である
請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。 - 前記薄膜トランジスタは、さらに、
前記酸化物半導体層の、前記第1シリコン絶縁層とは反対側に設けられたゲート絶縁層と、
前記酸化物半導体層との間に前記ゲート絶縁層を挟んで、前記酸化物半導体層に対向する位置に設けられたゲート電極とを備える
請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。 - 前記酸化物半導体は、さらに、タングステンを含む
請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ。 - 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記酸化物半導体層上に第1シリコン絶縁層を形成する第1形成工程と、
前記第1シリコン絶縁層上に第2シリコン絶縁層を形成する第2形成工程とを含み、
前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
前記第1形成工程及び前記第2形成工程の少なくとも一方において、前記第1シリコン絶縁層に含まれるシリコンが前記酸化物半導体層の表層部にドープされることで、前記酸化物半導体層の表層部にシリコンドープ層が形成され、
前記第1形成工程では、前記酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度で前記第1シリコン絶縁層を成膜し、
前記第2形成工程では、前記酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度で前記第2シリコン絶縁層を成膜する
薄膜トランジスタの製造方法。 - 少なくともインジウムを含む酸化物半導体から構成される酸化物半導体層を備える薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記酸化物半導体層上に第1シリコン絶縁層を形成する第1形成工程と、
前記第1シリコン絶縁層上に第2シリコン絶縁層を形成する第2形成工程とを含み、
前記第1シリコン絶縁層は、前記第2シリコン絶縁層よりシリコン濃度が高く、
前記第1形成工程及び前記第2形成工程の少なくとも一方において、前記第1シリコン絶縁層に含まれるシリコンが前記酸化物半導体層の表層部にドープされることで、前記酸化物半導体層の表層部にシリコンドープ層が形成され、
前記第1形成工程は、
前記酸化物半導体の結晶化温度より低い第1温度でアモルファスシリコン層を成膜する工程と、
前記アモルファスシリコン層に酸化性プラズマ処理を、前記酸化物半導体の結晶化温度以上の第2温度で行うことで、前記第1シリコン絶縁層を形成する工程とを含む
薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記第2形成工程では、(i)前記第1シリコン絶縁層上に前記第2温度で第1絶縁層を成膜し、(ii)前記第1絶縁層上に、前記第2温度以上の第3温度で第2絶縁層を成膜することで、前記第2シリコン絶縁層を形成する
請求項6又は7に記載の薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記薄膜トランジスタの製造方法は、さらに、前記第1シリコン絶縁層を形成する前に、前記酸化物半導体層を所定の膜厚だけエッチングするエッチング工程を含む
請求項6〜8のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記酸化物半導体は、さらに、タングステンを含む
請求項6〜9のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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