以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド車両1(以下、単に車両1と記載する)の全体ブロック図を説明する。車両1は、トランスミッション8と、エンジン10と、駆動軸17と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、駆動輪72と、充電装置78と、SOC回復スイッチ150と、アクセルペダル160と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
トランスミッション8は、出力軸16と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機58とを含む。
ECU200は、車輪速センサ14と、電流センサ152と、電圧センサ154と、電池温度センサ156と、ペダルストロークセンサ162と等の各種センサから各種信号を受信する。
このような構成を有する車両1は、エンジン10および第2MG30のうちの少なくとも一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。2経路のうちの一方の経路は減速機58を介して駆動輪72へ動力が伝達される経路であり、他方の経路は第1MG20へ動力が伝達される経路である。
第1MG20および第2MG30は、たとえば、三相交流回転電機である。第1MG20および第2MG30は、PCU60によって駆動される。
第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電してPCU60を経由してバッテリ70を充電するジェネレータ(発電装置)としての機能を有する。また、第1MG20は、バッテリ70からの電力を受けてエンジン10の出力軸であるクランク軸を回転させる。これによって、第1MG20は、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動輪72に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてPCU60を経由してバッテリ70を充電するためのジェネレータとしての機能を有する。
エンジン10は、複数個(本実施の形態においては4個)の気筒112を含むガソリンエンジンであって、ECU200からの制御信号S1に基づいて制御される。エンジン10としては、図1に示される形式に特に限定されるものではない。
このような構成を有するエンジン10において、ECU200は、複数の気筒112の各々に対して適切な時期に適切な量の燃料を噴射したり、複数の気筒112への燃料の噴射を停止したりすることによって、複数の気筒112の各々の燃料噴射量を制御する。
動力分割装置40は、エンジン10の発生する動力を、出力軸16を経由した駆動軸17への経路と、第1MG20への経路とに分割可能に構成される。動力分割装置40としては、サンギヤ、プラネタリキャリアおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。たとえば、第1MG20のロータをサンギヤに接続し、エンジン10の出力軸をプラネタリキャリアに接続し、かつ、出力軸16をリングギヤに接続することによって、動力分割装置40に、エンジン10と第1MG20と第2MG30とを機械的に接続することができる。
第2MG30のロータとも接続された出力軸16は、減速機58を経由して、駆動輪72を回転駆動するための駆動軸17と機械的に連結される。なお、第2MG30の回転軸と出力軸16との間に変速機をさらに組み込んでもよい。
PCU60は、バッテリ70から供給される直流電力を交流電力に変換し、第1MG20および第2MG30を駆動する。また、PCU60は、第1MG20および第2MG30が発電した交流電力を直流電力に変換し、バッテリ70を充電する。たとえば、PCU60は、直流/交流電力変換のためのインバータ(図示せず)と、インバータの直流リンク側とバッテリ70との間で直流電圧変換を実行するためのコンバータ(図示せず)とを含むように構成される。
バッテリ70は、蓄電装置であり、再充電可能な直流電源である。バッテリ70としては、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。バッテリ70の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いて充電される他、後述する外部電源302から供給される電力を用いて充電されてもよい。なお、バッテリ70は、二次電池に限らず、直流電圧を生成できるもの、たとえば、キャパシタ、太陽電池、燃料電池等であってもよい。
バッテリ70には、電流センサ152と、電圧センサ154と、電池温度センサ156とが設けられる。電流センサ152は、バッテリ70の電流IBを検出して、検出結果を示す信号をECU200に送信する。電圧センサ154は、バッテリ70の電圧VBを検出して、検出結果を示す信号をECU200に送信する。電池温度センサ156は、バッテリ70の電池温度TBを検出して、検出結果を示す信号をECU200に送信する。
ECU200は、バッテリ70の電流IBと、電圧VBと、電池温度TBとに基づいてバッテリ70の蓄電量(以下、SOC(State Of Charge)と記載する)を推定する。ECU200は、たとえば、電流と、電圧と、電池温度とに基づいてOCV(Open Circuit Voltage)を推定し、推定されたOCVと所定のマップとに基づいてバッテリ70のSOCを推定してもよい。あるいは、ECU200は、たとえば、バッテリ70の充電電流と放電電流とを積算することによってバッテリ70のSOCを推定してもよい。
充電装置78は、車両1の停止中において、充電プラグ300が車両1に取り付けられることによって外部電源302から供給される電力を用いてバッテリ70を充電する。充電プラグ300は、充電ケーブル304の一方端に接続される。充電ケーブル304の他方端は、外部電源302に接続される。充電装置78の正極端子は、PCU60の正極端子とバッテリ70の正極端子とを接続する電源ラインPLに接続される。充電装置78の負極端子は、PCU60の負極端子とバッテリ70の負極端子とを接続するアースラインNLに接続される。なお、充電プラグ300等を用いた接触給電によって外部電源302から車両1のバッテリ70に電力が供給される充電方法に加えてまたは代えて、共鳴法や電磁誘導等の非接触給電によって外部電源302から車両1のバッテリ70に電力が供給される充電方法が用いられてもよい。
車輪速センサ14は、駆動輪72の回転速度Nwを検出する。車輪速センサ14は、検出された回転速度Nwを示す信号をECU200に送信する。ECU200は、受信した回転速度Nwに基づいて車速Vを算出する。なお、ECU200は、回転速度Nwに代えて第2MG30の回転速度に基づいて車速Vを算出するようにしてもよい。
アクセルペダル160は、運転席に設けられる。アクセルペダル160には、ペダルストロークセンサ162が設けられる。ペダルストロークセンサ162は、アクセルペダル160のストローク量(踏み込み量)APを検出する。ペダルストロークセンサ162は、ストローク量APを示す信号をECU200に送信する。なお、ペダルストロークセンサ162に代えてアクセルペダル160に対する車両1の乗員の踏力を検出するためのアクセルペダル踏力センサを用いてもよい。
ECU200は、エンジン10を制御するための制御信号S1を生成し、その生成した制御信号S1をエンジン10へ出力する。また、ECU200は、PCU60を制御するための制御信号S2を生成し、その生成した制御信号S2をPCU60へ出力する。
ECU200は、エンジン10およびPCU60等を制御することによって車両1が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体、すなわち、バッテリ70の充放電状態、エンジン10、第1MG20および第2MG30の動作状態を制御する制御装置である。
ECU200は、運転席に設けられたアクセルペダル160のストローク量APおよび車速Vに対応する車両要求パワーを算出する。ECU200は、算出された車両要求パワーに応じて、第1MG20のトルク、第2MG30のトルク、または、エンジン10の出力を制御する。
本実施の形態において、ECU200は、バッテリ70のSOCの低下を許容して(SOCを維持しないで)バッテリ70の電力を消費して走行するモード(以下、CD(Charge Depleting)モードと記載する)と、エンジン10が動作または停止される制御モードであって、バッテリ70のSOCの低下を抑制して(SOCを維持する場合を含む)走行するモード(以下、CS(Charge Sustaining)モードと記載する)とを含む制御モードのうちのいずれかの制御モードに従って、PCU60およびエンジン10を制御する。
なお、CDモードとしては、SOCを維持しないものに特に限定されるものではなく、たとえば、バッテリ70のSOCを維持して走行することよりEV走行によってバッテリ70の電力を消費して走行することを優先するモードであってもよい。また、制御モードとしては、CDモードおよびCSモード以外の制御モードが含まれてもよい。また、制御モードは、走行時における車両1の制御に限定して用いられるものではなく、走行時および停止時における車両1の制御に用いられる。
ECU200は、たとえば、CDモードとCSモードとを自動で切り替える。ECU200は、たとえば、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aよりも大きい場合には、CDモードに従ってPCU60およびエンジン10を制御し、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aよりも小さい場合には、CSモードに従ってPCU60およびエンジン10を制御する。なお、制御モードを切り替えるため設けられるスイッチやレバー等の操作部材がユーザにより操作されたことを受けて、ECU200がCDモードとCSモードとを切り替えてもよい。
CDモードに従った車両1の走行時においては、発電のためのエンジン10の動作が抑制されるため(すなわち、バッテリ70のSOCの低下が許容されるため)、バッテリ70のSOCは維持されず、走行距離の増加に応じてバッテリ70の電力が消費され、バッテリ70のSOCは、減少していく。
ECU200は、CDモード時においては、車両要求パワーがエンジン10の始動しきい値Pr(1)を超えない限りにおいて、第2MG30の出力のみで車両1が走行するようにPCU60を制御する。
ECU200は、CDモード時に第2MG30の出力のみで車両1が走行している場合に、車両要求パワーがエンジン10の始動しきい値Pr(1)を超えた後に(すなわち、車両要求パワーを第2MG30の出力のみで満足させることができないと判定された後に)、エンジン10を始動させて、第2MG30の出力とエンジン10の出力とで車両要求パワーを満足させるようにPCU60とエンジン10とを制御する。すなわち、CDモードは、発電のためのエンジン10の動作を抑制しつつ、車両要求パワーを満たすためのエンジン10の動作が可能な制御モードである。なお、車両要求パワーに代えて車両1の実パワーがエンジン10の始動しきい値を超える場合にエンジン10を始動させてもよい。また、ECU200は、CDモード時に車両要求パワーがエンジン10の停止しきい値を下回る場合には、エンジン10を停止させる。CDモード時の停止しきい値は、始動しきい値Pr(1)以下の値の予め定められた値である。
CSモードに従った車両1の走行時においては、発電のためのエンジン10の動作が可能となり、バッテリ70のSOCを維持したり、あるいは、バッテリ70のSOCを回復させたりすることによって、バッテリ70のSOCの低下が抑制される。
ECU200は、たとえば、CSモード時にバッテリ70のSOCが所定の制御範囲内(たとえば、上述の切替しきい値Aを含む制御範囲内)になるようにバッテリ70の充放電制御を実行してもよいし、バッテリ70のSOCが所定の目標SOC(たとえば、上述の切替しきい値A)を維持するようにバッテリ70の充放電制御を実行してもよい。
バッテリ70の充電制御としては、たとえば、第2MG30の回生制動により生じる回生電力を用いた充電制御と、エンジン10の動力を用いた第1MG20の発電電力を用いた充電制御とを含む。
ECU200は、CSモード時においては、バッテリ70のSOCが所定の制御範囲や所定の目標SOCを大きく超えている場合には、車両要求パワーがエンジン10の始動しきい値Pr(2)を超えない限りにおいて、第2MG30の出力のみで車両が走行するようにPCU60を制御する。
ECU200は、上述のようにCSモード時に第2MG30の出力のみで車両1が走行している場合に、車両要求パワーがエンジン10の始動しきい値Pr(2)を超えた後に(すなわち、車両要求パワーを第2MG30の出力のみで満足させることができないと判定された後に)、エンジン10を始動させて、第2MG30の出力とエンジン10の出力とで車両要求パワーを満足させるようにPCU60とエンジン10とを制御する。すなわち、CSモードは、発電のためのエンジン10の動作も、車両要求パワーを満たすためのエンジン10の動作も可能な制御モードである。また、ECU200は、CSモード時に車両要求パワーがエンジン10の停止しきい値を下回る場合には、エンジン10を停止させる。CSモード時の停止しきい値は、始動しきい値Pr(2)以下の値の予め定められた値である。
なお、本実施の形態においては、CDモード時の始動しきい値Pr(1)は、CSモード時の始動しきい値Pr(2)よりも高いものとし、CDモード時の停止しきい値は、CSモード時の停止しきい値よりも高いものとして説明する。始動しきい値Pr(1)およびPr(2)は、いずれも、第2MG30の出力の上限値以下であって、かつ、バッテリ70の出力の上限値(Wout)以下の値である。このようにすると、CDモード時とCSモード時とでエンジン10の稼動する機会に差異が生じることとなる。
また、ECU200は、SOC回復スイッチ150からSOC回復スイッチ操作信号を受けると、エンジン10を動作させてバッテリ70のSOC値を所定の目標まで増加させるSOC回復制御を実行する。このSOC回復制御は、CSモードにおけるSOCの制御態様の一つであって、SOC値の制御目標を通常時(CSモード中であって、SOC回復制御の非実行時)よりも高めてSOC値を増加させるための制御であり、CSモード時において、SOC値を固定的な目標に維持するための通常のCSモード中のSOCの制御態様とは異なるものである。
SOC回復スイッチ150は、SOC回復制御の実行をユーザが要求するための操作装置である。ユーザがSOC回復スイッチ150をオン操作することによって、SOC回復制御が実行される。そのため、CDモードが選択されることに備えてSOC値を予め高めておくことができる。これにより、CDモードの選択をある程度の期間継続することが可能となる。
以下に、図2を用いてSOC回復制御実行時のSOCの変化の一例を説明する。たとえば、図2に示すように、バッテリ70が満充電状態(バッテリ70のSOCが満充電しきい値Cに到達している状態)である場合に、車両1がCDモードで走行を開始する場合を想定する。なお、満充電しきい値Cは、たとえば、外部電源302を用いてバッテリ70を充電する場合に設定されるバッテリ70のSOCの上限値である。
CDモードで走行する場合には、EV走行が行なわれる頻度が、HV走行が行なわれる頻度よりも高くなるなどしてバッテリ70の電力が消費するため、時間が経過するとともに、バッテリ70のSOCが低下していく。
そして、時間T(0)にて、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aに到達する場合に、制御モードがCDモードからCSモードに切り替えられる。
その後に、SOC回復スイッチ150が操作されない場合には、切替しきい値Aを目標値としてバッテリ70のSOCが制御されるため、図2の上段のグラフの破線に示すように、しきい値Aを制御中心としてバッテリ70のSOCが変動する。
一方、時間T(1)において、SOC回復スイッチ150が操作されてオン状態になる場合には、バッテリ70のSOCの上限値である満充電しきい値Cを目標値としてバッテリ70のSOCが制御される。そのため、図2の上段のグラフの実線に示すように、時間が経過するとともに、エンジン10の動力を用いた発電等によってバッテリ70のSOCが増加していく。
時間T(2)にて、バッテリ70のSOCが満充電しきい値Cに到達する場合には、制御モードがCSモードからCDモードに切り替えられる。その後、バッテリ70のSOCが再びしきい値Aを下回ると制御モードがCDモードからCSモードへと切り替えられる。
しかしながら、以上のような構成を有するハイブリッド車両において、ユーザからの充電要求に応じてバッテリ70を充電する場合には、ユーザからの充電要求に応じたバッテリ70の充電を実施しない場合と比較して、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aから満充電しきい値Cまで充電されるため、バッテリ70のSOCの使用領域が拡大することとなる。「使用領域」とは、ECU200による充電制御あるいは放電制御によりとり得るSOCの最大値と最小値との間の領域をいうものであり、図2においては、SOC回復制御を実行する場合には、SOC回復制御を実行しない場合と比較して、切替しきい値Aから満充電しきい値CまでSOCが増加されるため、このSOCの増加量分だけバッテリ70のSOCの使用領域が拡大することとなる。
使用領域の拡大により充放電時に発生する熱量や電流の増加により、電流積算や電池温度等に基づいて推定されるSOCの推定誤差が蓄積されて、SOCの推定精度が悪化する場合がある。その結果、バッテリ70のSOCの上下限値の推定精度が悪化し、バッテリ70の劣化が促進する場合がある。
そこで、本実施の形態においては、ECU200が、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、SOC回復スイッチ150を用いた回復制御の実行の要求履歴がある場合には、SOCの使用領域を制限する点を特徴とする。
このようにすると、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、回復制御の要求履歴がある場合には、SOCの使用領域が制限されるので、ユーザからの充電要求に応じてSOCが満充電しきい値になるまでバッテリ70が充電されることによるSOCの使用領域の拡大が抑制される。これにより、SOCが上下限値を超えることを抑制することができる。そのため、バッテリ70の劣化の促進を抑制することができる。
本実施の形態において、ECU200は、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、要求履歴がある場合には、バッテリ70のSOCの満充電しきい値を要求履歴がない場合の満充電しきい値Cよりも低い値Dに変更する。
さらに、本実施の形態において、ECU200は、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、要求履歴がある場合には、CDモードからCSモードへと切り替えるためのバッテリ70のSOCの切替しきい値を要求履歴がない場合の切替しきい値Aよりも高い値Bに変更する。
図3に、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。ECU200は、要求履歴判定部202と、切替しきい値設定部204と、満充電しきい値設定部206とを含む。なお、これらの構成は、プログラム等のソフトウェアにより実現されてもよいし、ハードウェアにより実現されてもよい。
要求履歴判定部202は、CDモードからCSモードに切り替わった後に、SOC回復スイッチ150の操作による回復制御の実行の要求履歴があるか否かを判定する。要求履歴判定部202は、たとえば、CDモードからCSモードに切り替わったときにオン状態にされるモードフラグと、SOC回復スイッチ150が操作された場合(SOC回復スイッチ操作信号を受けた場合)にオン状態にされる操作フラグとの状態に基づいて回復制御の実行の要求履歴があるか否かを判定する。要求履歴判定部202は、たとえば、モードフラグと操作フラグとがいずれもオン状態である場合に、回復制御の要求履歴があると判定する。
なお、モードフラグは、たとえば、CSモードからCDモードに切り替えられた場合にオフ状態にされる。また、操作フラグは、SOC回復スイッチ150が操作された場合にオン状態にされた後においては、ユーザがシステム起動/停止用の操作部材を操作等して車両1のシステムが停止状態になるときあるいは次回車両1のシステムが起動したときにオフ状態にされる。
切替しきい値設定部204は、要求履歴判定部202によって回復制御の要求履歴があると判定される場合には、切替しきい値としてしきい値Bを設定する。切替しきい値設定部204は、要求履歴判定部202によって回復制御の要求履歴がないと判定される場合には、切替しきい値としてしきい値Aを設定する。
満充電しきい値設定部206は、要求履歴判定部202によって回復制御の要求履歴があると判定される場合には、満充電しきい値としてしきい値Dを設定する。満充電しきい値設定部206は、要求履歴判定部202によって回復制御の要求履歴がないと判定される場合には、満充電しきい値としてしきい値Cを設定する。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200で実行される制御処理について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、CDモードからCSモードに切り替えられた後にSOC回復スイッチ150を用いた回復制御の実行の要求履歴があるか否かを判定する。回復制御の実行の要求履歴があると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、処理はS106に移される。
S102にて、ECU200は、切替しきい値としてしきい値Bを設定する。S104にて、ECU200は、満充電しきい値としてしきい値Dを設定する。S106にて、ECU200は、切替しきい値としてしきい値Aを設定する。S108にて、ECU200は、切替しきい値としてしきい値Cを設定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について図5を用いて説明する。
たとえば、図5に示すように、バッテリ70が満充電状態(バッテリ70のSOCが満充電しきい値Cに到達している状態)である場合に、車両1がCDモードで走行を開始する場合を想定する。
このとき、CDモードが選択されているため(S100にてNO)、切替しきい値としてしきい値Aが設定され(S106)、満充電しきい値としてしきい値Cが設定される(S108)。また、CDモードで走行する場合には、EV走行が行なわれる頻度がHV走行が行なわれる頻度よりも高くなるなどしてバッテリ70の電力が消費するため、時間が経過するとともに、バッテリ70のSOCが低下していく。
そして、時間T(3)にて、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aに到達する場合に、制御モードがCDモードからCSモードに切り替えられる。
その後に、SOC回復スイッチ150が操作されない場合には、SOC回復制御の実行の要求履歴がないと判定されるため(S100にてNO)、切替しきい値としてしきい値Aが設定され(S106)、満充電しきい値としてしきい値Cが設定される(S108)。そのため、切替しきい値Aを目標値としてバッテリ70のSOCが制御されるため、図5の上段のグラフの破線に示すように、切替しきい値Aを制御中心としてバッテリ70のSOCが変動する。
一方、時間T(4)において、SOC回復スイッチ150が操作されてオン状態になる場合にはSOC回復制御の実行の要求履歴があると判定されるため(S100にてYES)、切替しきい値としてしきい値Bが設定され(S102)、満充電しきい値としてしきい値Dが設定される(S104)。そのため、満充電しきい値Cよりも小さい満充電しきい値Dを目標値としてバッテリ70のSOCが制御される。そのため、図5の一点鎖線に示すように、エンジン10の動力を用いた発電等によって、時間が経過するとともにバッテリ70のSOCが増加していく。時間T(5)にて、バッテリ70のSOCがしきい値Dに到達する場合には、制御モードがCSモードからCDモードに切り替えられる。その後、時間T(6)にて、バッテリ70のSOCが切替しきい値Bに到達すると制御モードがCDモードからCSモードへと切替えられる。そのため、切替しきい値Aよりも大きい切替しきい値Bを制御中心としてバッテリ70のSOCが変動する。このように、満充電しきい値がしきい値Cからしきい値Dへと変更され、切替しきい値がしきい値Aからしきい値Bに変更されることによって、図5の実線に示す満充電しきい値がしきい値Cであって、かつ、切替しきい値がしきい値Aである場合よりもバッテリ70のSOCの使用領域を狭めることができる。
なお、CDモードからCSモードに切り替えられるまでに(たとえば、時間T(3)までに)、SOC回復スイッチ150が操作された場合には(S100にてYES)、切替しきい値としてしきい値Aが設定され(S106)、満充電しきい値としてしきい値Cが設定される(S108)。そのため、バッテリ70のSOCが設定された満充電しきい値Cになるまで充電が行なわれる。その後、CDモードが選択される場合には、切替しきい値Aに到達するCDモードの選択が継続される。そして、バッテリ70のSOCが切替しきい値Aに到達する場合には、CSモードに切り替えられる。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両1によると、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、SOC回復スイッチ150を用いたSOCの回復制御の要求履歴があると判定される場合には、満充電しきい値を要求履歴がない場合よりも低い値(満充電しきい値D)に変更したり、切替しきい値を要求履歴がない場合よりも高い値(切替しきい値B)に変更したりすることによってバッテリ70のSOCの使用領域が制限されるので、ユーザからの充電要求に応じてバッテリ70のSOCが満充電しきい値Dまでバッテリ70が充電されることによるSOCの使用領域の拡大が抑制される。これにより、SOCが上下限値を超えることを抑制することができる。そのため、バッテリ70の劣化の促進を抑制することができる。したがって、ユーザからの充電要求に応じて蓄電装置を充電する場合に蓄電装置の劣化の促進を抑制するハイブリッド車両を提供することができる。
以下に変形例について説明する。本実施の形態においては、CDモードからCSモードへと切り替わった後に、SOC回復スイッチ150を用いたSOCの回復制御の要求履歴があると判定される場合には、満充電しきい値と切替しきい値の両方を変更するものとして説明したが、たとえば、満充電しきい値と切替しきい値のとのうちの少なくともいずれか一つを変更するようにしてもよい。
本実施の形態においては、SOC回復制御の実行によりバッテリ70のSOCが満充電しきい値に到達した場合には、CDモードに切り替えられるものとして説明したが、たとえば、バッテリ70のSOCが満充電しきい値に到達した場合にCSモードを維持し、ユーザによるCDモードを選択するためのスイッチの操作や、SOC回復制御の停止の操作によってCDモードが選択されるようにしてもよい。
本実施の形態においては、SOC回復スイッチ150は、ハードウェアであるものとして説明したが、たとえば、ディスプレイの前面にタッチパネルが配置されており、ディスプレイに表示されたSOC回復スイッチ150に対応する画像と重複するタッチパネル上の所定領域に対してタッチ操作が行なわれることによりSOC回復制御の実行が要求されるようにしてもよいし、あるいは、音声入力手段等を用いてSOC回復制御の実行が要求されるようにしてもよい。
本実施の形態において、SOC回復制御は、CSモード中における、通常時とSOCの目標値が異なる制御態様の一つとして説明したが、たとえば、CSモードやCDモードとは異なる制御モード(たとえば、SOC回復モード)として選択されるようにしてもよい。
本実施の形態においては、CDモードからCSモードに切り替わった後に、SOC回復スイッチ150を用いたSOCの回復制御の要求履歴があると判定される場合に、バッテリ70のSOCの使用領域を制限するものとして説明したが、たとえば、CDモードからCSモードへの切り替わった後に加えて、CDモードからCSモードへ切り替えられる前にSOC回復スイッチ150を用いたSOCの回復制御の要求履歴があると判定される場合に、バッテリ70のSOCの使用領域を制限してもよい。なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。