JP6363473B2 - インプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明におけるインプリント用光硬化性組成物は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)を含むラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)としてα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、α−アミノアルキルフェノン系開始剤及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤から選ばれる少なくとも1種のラジカル開始剤(B2)、さらに3級アミン(C)を必須成分とする。
以下、インプリント用光硬化性組成物の各成分について説明する。
本発明において、ラジカル重合性単量体成分(A)は、硬化してパターン等となる硬化膜の主成分となるものであり、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)((メタ)アクリル系重合性単量体(A1))を含むものである。先ずは、この(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)について説明する。
(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)は、分子内に1つの(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、又は分子内に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体であってもよく、それぞれ単独であっても、両方を含んでいてもよい。
(メタ)アクリル系重合性単量体の中でも、酸素による重合阻害を軽減し、硬化性を向上できる点から、(メタ)アクリル基、及び水酸基を有する重合性単量体(A1a)(以下、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)とする場合もある。)を用いることが好ましい。水酸基を有することで水素結合による重合場での官能基濃度、および粘度の増加により、硬化を促進させると推定されている。また、水酸基を導入することによる基板との密着性向上も期待できる点からも、水酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)を用いることが好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)の使用量としては、ラジカル重合性単量体成分(A)100質量%中に、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。中でも、塩素エッチング耐性、硬化膜の硬化性を考慮すると、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
また、シリコーン系樹脂からなるモールドを使用してインプリントを行う場合には、以下に例示する(メタ)アクリル系重合性単量体を使用することが好ましい。シリコーン系樹脂からなるモールドは繰返し使用回数の増加に伴い劣化が起こる。この劣化は、モールドをインプリント用光硬化性組成物からなる塗膜と接触させた際、シリコーン樹脂の細孔にインプリント用光硬化性組成物が浸透することにより、ガス透過性の低下、及びモールドの膨潤が発生し、これによりモールドパターンの寸法変化、欠陥の発生、離型性の低下に繋がる。したがって、シリコーン系樹脂からなるモールドを使用する場合、モールドの繰返し使用回数の増加による劣化を抑制する点から、シリコーン系樹脂に浸透し難い重合性単量体を使用することが好ましい。シリコーン系樹脂としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用する場合には、特に、(1)ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分極項(dP)が4.0以上であるか、又は(2)分子サイズが0.70nm以上となる(メタ)アクリル重合性単量体を使用することが好ましい(以下、(1)又は(2)の要件を満足する(メタ)アクリル系重合性単量体を非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体とする場合もある。)。当然のことながら、(1)(2)の少なくとも1方の要件を満足すればよく、両方の要件を満足するものであってもよい。
また、硬化膜をエッチングマスクとして用いる場合、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができる点から、分子内にο−フェニルフェノキシ基、フルオレン等の芳香環を有する重合性単量体、または環状構造を有する重合性単量体(以下、環状基含有(メタ)アクリル系重合性単量体とする場合もある。)を用いることが好ましい。具体的には、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−[2−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}エトキシ]フェニル〕プロパン、9,9−ビス[4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ}フェニル]フルオレン、1,3−アダマンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、本発明のインプリント用光硬化性組成物に含まれるラジカル重合性単量体成分(A)としては、上記(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)の他、(メタ)アクリル基を有さない重合性単量体(A2)(以下、他の重合性単量体(A2)とする場合もある)を含んでも構わない。具体的には、ビニル基などを有する重合性単量体が挙げられる。ただし、(メタ)アクリル基を有さない重合性単量体(A2)の使用量としては、ラジカル重合性単量体成分(A)中に0〜20質量%とすることが好ましく、0質量%((メタ)アクリル系重合性単量体(A1)のみ)とすることがより好ましい。
本発明において、ラジカル重合性単量体成分(A)における配合割合は、特に制限されるものではないが、硬化性、およびパターンの均一性を考慮する場合には、以下の配合割合とすることが好ましい。具体的には、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)5質量%以上50質量%以下、(A1a)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)(以下、水酸基を含まない(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)とする場合もある)50質量%以上95質量以下であることが好ましい(ただし、これらラジカル重合性単量体の合計は100質量%である。)。より好ましくは、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体5質量%以上20質量%以下、(A1a)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)80質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物に配合する光重合開始剤(B)は、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤(B2)とを含むものである。
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)は、短波長側に主吸収領域を持ち、インプリント用光硬化性組成物の表面を硬化させるのに優れた効果を発揮する光重合開始剤である。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を使用することにより、酸素存在下における光インプリント後の硬化膜の最表層の硬化性を著しく向上することができる。
ラジカル重合開始剤(B2)は、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種である。そのため、光重合開始剤(B)の組み合わせとしては、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)との組み合わせ、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)との組み合わせ、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)との組み合わせ
が考えられる。なお、ラジカル重合開始剤(B2)として、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)の両者を使用する場合には、両者の合計量がラジカル重合開始剤(B2)の配合量に該当する。
α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)を具体的に例示すれば、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 379)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 369)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 907)等が挙げられる。このうち、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤との組み合わせにおいて、表面硬化性が最も優れるという点で、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 379)を使用することが最も好ましい。前記α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)は、1種、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上のα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)を使用する場合には、2種以上の合計量をα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)の配合量と見なす。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)を具体的に例示すると、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 819)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、LUCIRIN TPO)等が挙げられる。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤との組み合わせにおいて、表面硬化性が最も優れるという点で、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 819)を使用することが最も好ましい。前記アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)は、1種、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)を使用する場合には、2種以上の合計量をアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)の配合量と見なす。
本発明において、光重合開始剤(B)の配合割合は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を1〜6質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を1〜6質量部としなければならない。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、ラジカル重合開始剤(B2)が少な過ぎる場合には光照射しても酸素存在下では未硬化、またはパターン精度が不十分となるため好ましくない。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、ラジカル重合開始剤(B2)が多過ぎる場合にも硬化性の悪化、またインプリント用硬化性組成物の保存安定性の観点から好ましくない。硬化性、保存安定性等の効果を考慮すると、光重合開始剤(B)の好適な配合割合は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を2〜4質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を2〜4質量部とすることが好ましい。その中でも、優れた効果を発揮するためには、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とラジカル重合開始剤(B2)との質量比((B1)/(B2))が1〜2となることが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物に配合する3級アミン(C)は、特に制限されるものではなく公知の化合物が使用できる。この3級アミン(C)を配合することにより、酸素存在下における光インプリント後の硬化膜の最表層の硬化性を著しく向上できる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分を必須成分とし、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。以下、これら任意の配合成分について説明する。
本発明のインプリント用光硬化性組成物には、その他の公知の添加剤を配合できる。具体的には、界面活性剤、重合禁止剤等を配合することができる。界面活性剤は塗膜の均一性の点から、重合禁止剤は保存中に重合しないように安定化させるために配合される。
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤が使用できる。中でも、インプリント用光硬化性組成物がシリコンウエハ等の基板へ塗布されるものの場合、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布しやすい点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。例えば、特開2014−57016号公報に記載されている界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体的な例としては、高級アルキル硫酸の金属塩類、脂肪族カルボン酸の金属塩類、高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ジエステルの金属塩類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類、4級アンモニウム塩類、アルキルジメチルアミンオキシド類、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アミドアミノ酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類等を挙げることができる。その中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等を使用することが好ましい。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
また、他の添加成分として、レプリカモールド(パターン面)からの離型性を向上し、基板上に再現性に優れた形状のパターンを形成できることから、ハイパーブランチポリマーのような球状微粒子を配合することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましく、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、0.1〜10質量部の割合で配合することが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、塗膜の形成を容易にするため、有機溶媒と混合して塗膜剤として使用することもできる。本発明においては、インプリント用光硬化性組成物からなる塗膜を基板上に形成するが、本発明のインプリント用光硬化性組成物において、比較的粘度の高いものは、基板への塗布性や塗膜均一性を考慮すると、有機溶媒で希釈して塗膜剤とすることが好ましい。ただし、有機溶媒は必須の成分ではなく、インプリント用光硬化性組成物のみで塗膜を形成できる場合には、有機溶媒を混合する必要はない。
有機溶媒を混合する場合、使用される有機溶媒としては、本発明のインプリント用光硬化性組成物が溶解する有機溶媒であれば、何ら制限なく使用できる。例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、t−ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、その他のアルコール類等を挙げることができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、インプリント均一性を考慮すると、25℃における粘度が1〜500mPa・secであることが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、ラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)、3級アミン(C)の他、必要に応じて配合される他の重合開始剤、その他添加成分を混合することにより製造できる。塗膜剤とする場合には、さらに有機溶媒を混合することが好ましい。これら成分の添加順序は特に制限されるものではないが、先ず、ラジカル重合性単量体成分(A)、及び必要に応じて配合される有機溶媒を十分に混合して均一な状態とした後、その他の成分を混合するのが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物を用いたパターン形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法は、塗膜形成工程、硬化工程、及びパターン転写工程を含む。これら工程について説明する。本発明のインプリント用光硬化性組成物は、酸素の存在下で硬化させて使用するものである。そのため、少なくとも、下記の硬化工程を酸素存在下で実施する。硬化工程を酸素存在下で実施するためには、空気中で硬化工程を実施してやればよい。その他の工程については、特に制限されるものではないが、酸素存在下で実施することができる。以下に各工程について説明する。
前記方法により調製したインプリント用光硬化性組成物、又は必要に応じて有機溶媒を混合した塗膜剤(インプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤)を、基板上に塗布する。該基板は、特に制限されるものではなく、シリコン基板、炭化ケイ素基板、第13族元素の窒化物単結晶基板、サファイア基板等が挙げられる。
次に、酸素存在下(空気中)において、所望のパターンが形成されているモールドのパターン形成面を、前記塗膜と接触させる。ここで用いるモールドは、空気を透過する特性を持つシリコーン樹脂からなるインプリント用モールドであり、一般的によく用いられるPDMS(ポリジメチルシロキサン)モールドを例に説明する。なお、PDMSモールドのパターンは、特に制限されるものではない。ただし、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、薄膜であっても硬化し易いため、例えば、基板から凸部の最長距離が0.01〜10μmのもののパターンを転写する場合に好適に使用できる。
光照射(光重合)した後、硬化した塗膜からPDMSモールドを分離(離型)することにより、該PDMSモールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成することができる。基板上に硬化膜よりなるパターンが形成されたものをレジスト積層体とする。
本発明のインプリント用光硬化性組成物から得られる硬化膜は、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いることができる。サファイア基板のエッチングには主に塩素系ガスが用いられ、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス、アルゴンガス等を混合して使用することもできる。以下にLEDのPSS加工方法、具体的にはレジスト積層サファイア基板から円錐形状の凹凸パターンを形成するサファイア基板をドライエッチングにて加工する方法について説明する。
(インプリント用光硬化性組成物の調製)
ラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)、3級アミン(C)、その他添加剤から構成されるインプリント用光硬化性組成物を実施例、および比較例に示す割合にて調製した。
2インチのサファイア基板(片面鏡面仕上げ、厚さ430μm、面方位c面)上に、4500rpm、20秒の条件にてスピンコートし、インプリント用光硬化性組成物を塗布した(塗膜を形成した。)。なお、有機溶媒をインプリント用光硬化性組成物に加えて塗膜剤とし、塗膜厚が0.9〜1.0μmに収まるように有機溶媒量を調整した。
円錐台形状のホールパターンを形成したPDMSモールド(総研化学(株)製、フレフィーモ PDMS HOP80−1700/1700、凹型円錐台形状パターン、上部直径D1=1.5μm、下部直径D2=2.1μm、高さH=1.7μm、側面と底面のなす角度θ=80°)、及びナノインプリント装置(SCIVAX(株)製、X−300H)を使用した。上記のようにして得られたインプリント用光硬化性組成物の塗膜を有するサファイア基板に、大気下(空気中)で荷重をかけずに該PDMSモールドを接触させ、UV照射(波長365nm、20mW/cm2)を4分行い、該塗膜を硬化させると共にPDMSモールドのパターンに対応した硬化膜からなるパターンを転写した(PDMSモールドを離型した。レジスト積層体の製造。)。
反応性イオンエッチング装置(サムコ(株)製、RIE−230iPC)を用いて、上記のようにして得られたパターンを形成したレジスト積層サファイア基板の塩素系ガスによるドライエッチングを行った。ドライエッチング条件は、アンテナ電力500W、バイアス電力200W、ガス流量 三塩化ホウ素/塩素/アルゴン=30/20/50(sccm)、圧力0.6Paである。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、光インプリント後の硬化膜の硬化性を評価した。レジスト積層サファイア基板を割り、円錐台の側面をSEMで観察し、上面の接線と側面の接線の交点から上面の接線より硬化膜が乖離した点との距離を測定した(図4参照、符号42の長さを測定した)。任意の円錐台10個について測定し、その平均値を硬化性評価の値として使用した。なお、硬化性が悪く、上面に平坦部がない場合、さらには硬化せず、パターンが形成されなかった場合には「×」として評価した。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ドライエッチング後に形成された基板表面のパターン形状を評価した。円錐形状を有し、サイズのばらつきが5%未満の場合は「○」、形状が円錐形状でない、もしくはサイズのばらつきが5%以上の場合には「×」として評価した。
インプリント前後のPDMSモールドの重量差から、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み量を評価した。
ドライエッチングを20分間実施し、そのときのレジストパターン、及びサファイアのエッチング量から、それぞれのエッチング速度を算出した。サファイアのエッチング速度を、レジストパターンのエッチング速度で除した値を、サファイア選択比とした。サファイア選択比の値が大きいほど、レジストパターンは、サファイア基板と比較して、塩素系ガスによるエッチングを受けにくく、エッチング耐性が高いことを示している。
(ラジカル重合性単量体成分(A))
(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)
水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)
HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート(和光純薬工業(株)製)。
702A;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
AMP−10G;フェノキシエチル(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−LEN−10;2−(ο−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
ABE−300;エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−TMPT;トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
AM−30G;メトキシトリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−200;テトラエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−DCP;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−NOD−N;1,9−ノナンジオールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)
IRGACURE 127;2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 184;1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 379;2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)。
LUCIRIN TPO;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)。
MDEA;2,2’−メチルイミノジエタノール(和光純薬工業(株)製)。
HQME;ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)。
BHT;ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業(株)製)。
DAA;ジアセトンアルコール(和光純薬工業(株)製)。
表2に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製した。具体的には、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、IRGACURE 127 0.1g、IRGACURE 379 0.1g、MDEA 0.1g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合した。これにDAA 15.0gを加え、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過することで塗膜材を作製し、スピンコートにてサファイア基板に塗膜を形成した。その後、光インプリントを実施し、レジスト積層サファイア基板を得た。得られたレジスト積層サファイア基板は2つに割り、一方を硬化膜の硬化性評価、もう一方はドライエッチングを行った後、基板表面のパターン形状評価を行った。また、光インプリント前後のPDMSモールドの重量を測定し、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み評価を行った。評価結果は表3に示した。
表2に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作することで、各評価を行った。なお、DAAの配合量はスピンコート後の塗膜が0.9〜1.0μmに収まるように調整した。評価結果は表3に示した。
表4に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製した。具体的には、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、IRGACURE 127 0.2g、IRGACURE 379 0.2g、MDEA 0.2g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合し。これにDAA 15.0gを加え、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過することで塗膜材を作製し、スピンコートにてサファイア基板に塗膜を形成した。その後、光インプリントを実施し、レジスト積層サファイア基板を得た。得られたレジスト積層サファイア基板は3つに割り、1つを硬化膜の硬化性評価、残りはドライエッチングを行い、基板表面のパターン形状評価、およびサファイア選択比評価を行った。また、光インプリント前後のPDMSモールドの重量を測定し、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み評価を行った。評価結果は表5に示した。
表4に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製し、実施例29に示す手順と同様に操作することで、各評価を行った。なお、DAAの配合量はスピンコート後の塗膜が0.9〜1.0μmに収まるように調整した。評価結果は表5に示した。
32 インプリント用光硬化性組成物
33 PDMSモールド
41 硬化膜(円錐台パターンの側面)
42 円錐台の上面と側面の接線の交点と上面の接線から硬化膜が乖離した点との距離
Claims (8)
- 酸素の存在下で硬化させて使用するインプリント用光硬化性組成物であって、
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)を含むラジカル重合性単量体成分(A)、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と、
α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤(B2)と、を含む光重合開始剤(B)、並びに
3級アミン(C)を含み、
前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)が、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを含み、
前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を1〜6質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を1〜6質量部、前記3級アミン(C)を1〜5質量部含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物。 - 前記ラジカル重合開始剤(B2)におけるα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)が、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンを含むことを特徴とする請求項1記載のインプリント用光硬化性組成物。
- 前記ラジカル重合開始剤(B2)におけるアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント用光硬化性組成物。
- 前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)が、水酸基を有する重合性単量体(A1a)を含み、前記ラジカル重合性単量体成分(A)中に5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインプリント用光硬化性組成物。
- 請求項1〜4の何れかに記載のインプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する塗膜形成工程、
酸素の存在下、パターンが形成されたモールドのパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる硬化工程、及び
該モールドを硬化した塗膜から分離して、該モールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成するパターン転写工程
を含むことを特徴とする、ベース基板上にパターンが形成されたレジスト積層体の製造方法。 - 前記モールドが、シリコーン系樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載のレジスト積層体の製造方法。
- 前記ベース基板が、サファイア基板であることを特徴とする請求項5又は6に記載のレジスト積層体の製造方法。
- 請求項5〜7の何れかに記載の方法によりレジスト積層体を製造した後、該レジスト積層体に形成したパターンをマスクとして、該レジスト積層体のパターンを形成した面と塩素系ガスとを接触させてエッチングすることを特徴とする、パターンが形成された基板の製造方法。
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