JP6363473B2 - インプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法 - Google Patents

インプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法 Download PDF

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本発明は、インプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法に関する。
近年、半導体集積回路は、微細加工により微細化された高精度なものが生産されている。微細加工は、高精度の半導体集積回路の他にも、液晶パネル等の反射防止層形成、偏光フィルム・有機ELパネル・LED(Light emitting diode)基板における光取り出し効率向上等の光学・照明用途、自動車用窓ガラスの撥水加工、立体的な細胞培養技術等のバイオテクノロジー、二次電池、太陽電池、燃料電池等のエネルギー開発等において、必要な技術である。このような微細加工の方法の一つとして、ナノインプリント技術が利用されている。
ナノインプリント技術とは、基板上に形成したいパターンに対応するパターンの凹凸を有するモールドを、基板表面に形成された塗膜上に型押しし、塗膜を硬化させた後、分離(離型)することにより、所望のパターンを該基板表面に転写する工程を含んでおり、低コストで量産化が可能な微細加工技術として期待されている。
このナノインプリント技術は、基板表面に形成する塗膜材の特性により二種類に大別される。1つは、塗膜材として熱可塑性樹脂を用い、それをガラス転移温度以上に加熱して塑性変形させ、モールドを押し付けた後、冷却して塗膜材を硬化させることによりパターンを転写する熱インプリント法である。
もう1つは、モールド、または基板の少なくとも一方が透明であるものを使用し、塗膜材として液状の光硬化性組成物を用い、モールドを押し付けて塗膜と接触させ、次いでモールド、または基板を介して光を照射して該塗膜材を硬化させることによりパターンを転写する光インプリント法である。
熱ナノインプリント法は、加熱・冷却の熱サイクルがあるため、スループットが低く、温度による寸法変化、パターン精度の低下という問題点がある。これに対して、光インプリント法は、熱サイクルがないため、スループットに優れ、温度による寸法変化等が小さい。そのため、光インプリント法は、ナノインプリント技術において広く利用されるようになっており、該方法に好適に用いられるインプリント用光硬化性組成物の開発が進められている。
インプリントに用いられるモールドとしては、石英ガラスやシリコン基板に電子線描画により作製されたマスターモールドを複製したレプリカモールドが一般的に使用されている。これは、マスターモールド(原版)は非常に高価であるため、破損等のリスクを最小限にとどめるためである。
光インプリント法は、インプリント時の圧力環境により減圧方式と常圧方式の2種類に分けられる。
減圧方式は、チャンバー内を減圧にして空気を抜き、減圧下でモールドを押し付け、パターン転写する方式である(図1参照)。レプリカモールドには、ポリエチレンテレフタレート(PET)や環状ポリオレフィン樹脂(COP)等の樹脂フィルムモールドが多く用いられる。
一方、常圧方式は、空気中でモールドを押し付け、パターン転写する方式である(図2参照)。レプリカモールドには、シリコーン系樹脂、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)モールドを用いることが必須である。常圧方式(図3参照)は、空気中でインプリントを行うために、インプリントの際に必ずモールド内に空気が入り込むことになる。PDMSは、ガス透過性が通常のプラスチックの10〜100倍と非常に高いため、モールドを通して入り込んだ空気を抜くことが可能である(図3a、b参照)。そのために、空気中でもパターン欠陥がなく、パターン転写を行うことができる(図3c参照)。この常圧方式を用いたインプリント例としては特許文献1を挙げることが出来る。
常圧方式の光インプリント法は、減圧工程が不要であることから、減圧方式に比べると製造にかかる時間が短く、装置コストも安価となるため、量産性に優れるという特徴を持つ。一方、ガス透過性に優れたシリコーン系樹脂のモールドを使用するため、酸素による重合阻害を受けやすいラジカル重合系のインプリント用光硬化性組成物は、光照射しても硬化せず、パターンが転写できないとの問題があるため、酸素による重合阻害を受けないカチオン重合系のインプリント用光硬化性組成物が、現在使用されている。
カチオン重合系の重合性単量体としては、主としてエポキシ基を有する重合性単量体を指し、例えばビスエノールA型エポキシ系重合性単量体、フェノールノボラック型エポキシ系重合性単量体、クレゾールノボラック型エポキシ系重合性単量体、脂肪族グリシジルエーテル化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の脂環型エポキシ系重合性単量体等が挙げられる。
また、カチオン重合系のインプリント用光硬化性組成物に使用されるカチオン重合開始剤は、アリールスルホニウム又はアリールヨードニウム錯塩、ハロゲン含有錯イオンの芳香族スルホニウム又はヨードニウム塩並びにII、V及びVI族元素の芳香族オニウム塩が知られている(特許文献2、3参照)。
しかしながら、インプリントの使用用途によっては、カチオン重合系の硬化膜(重合性単量体を含む硬化性組成物からなる塗膜を硬化させた膜)では性能が十分に満足できない場合があった。例えば、半導体やLEDのPSS(Patterned Sapphire Substrate)の作製時のエッチングマスクとしてインプリントを用いる場合には、高い塩素エッチング耐性が要求されるが、従来のカチオン重合系の硬化膜では十分に満足できない場合があった。
高い塩素エッチング耐性を示す硬化膜としては、他の成分を含まれるが、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(以下、(メタ)アクリル系重合性単量体とする場合もある。なお、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基、またはアクリル基を指すものである。)を主成分とするインプリント用硬化性組成物からなる硬化膜が知られている。例えば、減圧方式において該インプリント用硬化性組成物を光硬化させた膜は、高い塩素エッチング耐性を示すことが知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、(メタ)アクリル系重合性単量体を主成分とするインプリント用硬化性組成物は、専らラジカル重合開始剤を使用した光ラジカル重合により硬化されるものであって、前記の通り、常圧方式には不適であった。酸素による重合阻害は、空気中の酸素によりラジカル重合を阻害することが知られており、硬化膜が薄膜であるほど、また空気との界面近傍の塗膜ほど、酸素と接触する確率が高くなるため、塗膜(インプリント用硬化性組成物)が硬化し難いことが知られている。
インプリントにおいては、ナノオーダーからマイクロオーダーの薄膜の領域で使用(塗膜形成、塗膜の硬化)すること、また、空気との界面にあたる硬化膜の最表層まで十分に硬化する必要があるため、他の用途よりも、酸素による重合阻害の影響を特に受けやすい。そのため、ラジカル重合系のインプリント用光硬化性組成物にて、酸素存在下でパターンを転写するのは難しく、本用途に適したインプリント用光硬化性組成物はこれまでのところ提供されていなかったのが現状である。
特開2014−146695号公報 特公昭52−14278号公報 特開平5−239402号公報 特開2014−3284号公報
以上のことを考慮すると、(メタ)アクリル系重合性単量体を主成分とするインプリント用光硬化性組成物、酸素存在下で十分に硬化することができれば、インプリント技術の生産性、汎用性を向上できることになる。
したがって、本発明の目的は、酸素存在下でも硬化可能な(メタ)アクリル系重合性単量体を主成分とするインプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、酸素存在下でも硬化可能なラジカル重合系のインプリント用光硬化性組成物について検討を行った。その結果、表面硬化性に優れた光重合開始剤であるα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤と、内部硬化性に優れた光重合開始剤としてα−アミノアルキルフェノン系開始剤、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤から選ばれる少なくとも1種の開始剤とを併用し、さらに、酸素により重合活性が低下したパーオキシラジカルと反応し、重合活性の高いラジカルを発生する3級アミンを、それぞれ特定量配合することにより、酸素存在下でも硬化可能なラジカル重合系のインプリント用光硬化性組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、酸素の存在下で硬化させて使用するインプリント用光硬化性組成物であって、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)を含むラジカル重合性単量体成分(A)、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤(B2)と、を含む光重合開始剤(B)、並びに3級アミン(C)を含み、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を1〜6質量部、前記光ラジカル重合開始剤(B2)を1〜6質量部、前記3級アミン(C)を1〜5質量部含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物である。
また、好ましくは前記光ラジカル重合開始剤(B2)におけるα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)が、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンを含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物である。
また、好ましくは前記光ラジカル重合開始剤(B2)におけるアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物である。
また、前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)が、水酸基を有する重合性単量体(A1a)を含み、前記ラジカル重合性単量体成分(A)中に5質量%以上50質量%以下含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物である。
第二の本発明は、前記インプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する塗膜形成工程、酸素の存在下、パターンが形成されたモールドのパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる硬化工程、及び該モールドを硬化した塗膜から分離して、該モールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成するパターン転写工程を含むことを特徴とする、ベース基板上にパターンが形成されたレジスト積層体の製造方法である。中でも、前記モールドは、シリコーン系樹脂からなることが好ましく、前記ベース基板が、サファイア基板であることが好ましい。
さらに、第三の本発明は、前記レジスト積層体を製造した後、該レジスト積層体に形成したパターンをマスクとして、該レジスト積層体のパターンを形成した面と塩素系ガスとを接触させてエッチングすることを特徴とする、パターンが形成された基板の製造方法である。
光インプリント法において、特定の重合開始剤、3級アミンを特定量配合することにより、従来では困難であった、酸素存在下であっても十分に硬化することができる、(メタ)アクリル系重合性単量体を主成分とするインプリント用光硬化性組成物を提供できる。その結果、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、インプリントを常圧方式で実施することが可能となり、得られる硬化膜も塩素エッチング耐性の高いものとなり、半導体やLEDのPSSの作製時に好適に使用できる。
減圧方式インプリントのフロー図 常圧方式インプリントのフロー図 常圧方式での充填のイメージ図 光インプリント後の硬化膜の硬化性評価の模式図
本発明は酸素存在下でも硬化可能なラジカル重合系のインプリント用光硬化性組成物、及び該組成物を用いたレジスト積層体の製造方法に関する。
以下、順を追って説明する。まず、インプリント用光硬化性組成物について説明する。
(インプリント用光硬化性組成物)
本発明におけるインプリント用光硬化性組成物は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)を含むラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)としてα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、α−アミノアルキルフェノン系開始剤及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤から選ばれる少なくとも1種のラジカル開始剤(B2)、さらに3級アミン(C)を必須成分とする。
以下、インプリント用光硬化性組成物の各成分について説明する。
(ラジカル重合性単量体成分(A))
本発明において、ラジカル重合性単量体成分(A)は、硬化してパターン等となる硬化膜の主成分となるものであり、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)((メタ)アクリル系重合性単量体(A1))を含むものである。先ずは、この(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)について説明する。
((メタ)アクリル系重合性単量体(A1))
(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)は、分子内に1つの(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、又は分子内に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体であってもよく、それぞれ単独であっても、両方を含んでいてもよい。
(メタ)アクリル基を分子内に1有する単官能重合性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート誘導体、(メタ)アクリロイルモルホリン等の脂肪族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化アルキルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化アルキルフェノール(メタ)アクリレート、ο−フェニルフェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−(ο−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(ο−フェニルフェノキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−[2−(ο−フェニルフェノキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子内に2個の(メタ)アクリル基を有する2官能重合性単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジアクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−((メタ)アクリロイルオキシメトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−(メタ)アクリロイルオキシブチロキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]フルオレン等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、分子内に3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体としては、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンタントリオールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル基の数だけではなく、他の機能性基を有する、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)、シリコーン系樹脂に浸透し難い非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体、及び/又は、環状基あるいは環状構造を有する(メタ)アクリル重合性単量体等を使用することができる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)
(メタ)アクリル系重合性単量体の中でも、酸素による重合阻害を軽減し、硬化性を向上できる点から、(メタ)アクリル基、及び水酸基を有する重合性単量体(A1a)(以下、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)とする場合もある。)を用いることが好ましい。水酸基を有することで水素結合による重合場での官能基濃度、および粘度の増加により、硬化を促進させると推定されている。また、水酸基を導入することによる基板との密着性向上も期待できる点からも、水酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)を用いることが好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)の使用量としては、ラジカル重合性単量体成分(A)100質量%中に、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。中でも、塩素エッチング耐性、硬化膜の硬化性を考慮すると、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
シリコーン系樹脂に浸透し難い非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体
また、シリコーン系樹脂からなるモールドを使用してインプリントを行う場合には、以下に例示する(メタ)アクリル系重合性単量体を使用することが好ましい。シリコーン系樹脂からなるモールドは繰返し使用回数の増加に伴い劣化が起こる。この劣化は、モールドをインプリント用光硬化性組成物からなる塗膜と接触させた際、シリコーン樹脂の細孔にインプリント用光硬化性組成物が浸透することにより、ガス透過性の低下、及びモールドの膨潤が発生し、これによりモールドパターンの寸法変化、欠陥の発生、離型性の低下に繋がる。したがって、シリコーン系樹脂からなるモールドを使用する場合、モールドの繰返し使用回数の増加による劣化を抑制する点から、シリコーン系樹脂に浸透し難い重合性単量体を使用することが好ましい。シリコーン系樹脂としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用する場合には、特に、(1)ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分極項(dP)が4.0以上であるか、又は(2)分子サイズが0.70nm以上となる(メタ)アクリル重合性単量体を使用することが好ましい(以下、(1)又は(2)の要件を満足する(メタ)アクリル系重合性単量体を非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体とする場合もある。)。当然のことながら、(1)(2)の少なくとも1方の要件を満足すればよく、両方の要件を満足するものであってもよい。
ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質がある物質にどのくらい溶けるのかを示す溶解性の指標で、溶解性を多次元のベクトルで表し、そのベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断する。このベクトルは[分散項(dD)、極性項(dP)、水素結合項(dH)]で表される。ハンセン溶解度パラメータを算出する場合には、HSPソフトに構造式を入力し、計算することで求められる。具体的には、チャールズハンセンらによって開発されたソフトフェア(ソフト名:Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)Version 4.1.03)で求めることができる。このソフトによれば、PDMSは(dD、dP、dH)=(12.3、0.3、0.4)と求まる。(メタ)アクリル系重合性単量体のPDMSへの浸透は極性項(dP)と相関性が高く、4.0以上であれば浸透はし難くなる。
また、重合性単量体の分子サイズは、重合性単量体の構造式をソフトウェア(ソフト名:Chem Bio 3D Ultra Version12.0)に入力し、AM1法にて構造最適化を行った後、MOPACの出力ファイル記載のMOLECULAR DIMENSIONSにおける、最長の原子間長さ方向に対して垂直な面内において最長となる原子間長さを採用している。この分子サイズは重合性単量体の分子が通過することができる最も小さな円の直径に相当し、PDMSの持つシロキサン鎖の螺旋構造により形成される細孔のサイズより大きな分子サイズを有することで、PDMSへの浸透はし難くなる。
非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体として、(1)の要件を満足する重合性単量体を具体的に例示すれば、メトキシ-トリエチレングルコールアクリレート(dP=5.9)、テトラエチレングリコールジアクリレート(dP=6.1)、トリプロピレングリコールジアクリレート(dP=6.5)、フェノキシエチルアクリレート(dP=5.4)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(dP=5.5)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(dP=13.2)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(dP=6.7)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(dP=6.9)等が挙げられる。
また、(2)の要件を満足する重合性単量体を具体的に例示すれば、2−(ο−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(分子サイズ0.92nm)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(分子サイズ1.08nm)、トリメチロルプロパントリアクリレート(分子サイズ0.81nm)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子サイズ1.20nm)等が挙げられる。
さらに、(1)、(2)の両方の要件を満足する重合性単量体を具体的に例示すれば、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(dP=5.7,分子サイズ1.03nm)等が挙げられる。
環状基または環状構造を有する(メタ)アクリル重合性単量体
また、硬化膜をエッチングマスクとして用いる場合、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができる点から、分子内にο−フェニルフェノキシ基、フルオレン等の芳香環を有する重合性単量体、または環状構造を有する重合性単量体(以下、環状基含有(メタ)アクリル系重合性単量体とする場合もある。)を用いることが好ましい。具体的には、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−[2−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}エトキシ]フェニル〕プロパン、9,9−ビス[4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ}フェニル]フルオレン、1,3−アダマンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル基を有さない重合性単量体(A2)
また、本発明のインプリント用光硬化性組成物に含まれるラジカル重合性単量体成分(A)としては、上記(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)の他、(メタ)アクリル基を有さない重合性単量体(A2)(以下、他の重合性単量体(A2)とする場合もある)を含んでも構わない。具体的には、ビニル基などを有する重合性単量体が挙げられる。ただし、(メタ)アクリル基を有さない重合性単量体(A2)の使用量としては、ラジカル重合性単量体成分(A)中に0〜20質量%とすることが好ましく、0質量%((メタ)アクリル系重合性単量体(A1)のみ)とすることがより好ましい。
ラジカル重合性単量体成分(A)の好適な配合割合
本発明において、ラジカル重合性単量体成分(A)における配合割合は、特に制限されるものではないが、硬化性、およびパターンの均一性を考慮する場合には、以下の配合割合とすることが好ましい。具体的には、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)5質量%以上50質量%以下、(A1a)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)(以下、水酸基を含まない(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)とする場合もある)50質量%以上95質量以下であることが好ましい(ただし、これらラジカル重合性単量体の合計は100質量%である。)。より好ましくは、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体5質量%以上20質量%以下、(A1a)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)80質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
また、ポリジメチルシロキサンに対する非浸透性を考慮する場合には、ラジカル重合性単量体成分(A)100質量%中に、非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体が90質量%以上100質量%以下、より好ましくは95質量%以上100質量%以下、最も好ましくは100質量%(非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体のみ)の配合割合とすることが好ましい。
また、硬化体のエッチング耐性を考慮する場合には、ラジカル重合性単量体成分(A)100質量%中に、環状基含有(メタ)アクリル系重合性単量体が40質量%以上100質量%以下、より好ましくは70質量%以上100質量%以下の配合割合とすることが好ましい。
(光重合開始剤(B))
本発明のインプリント用光硬化性組成物に配合する光重合開始剤(B)は、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤(B2)とを含むものである。
なお、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)以外のラジカル重合性開始剤を、本発明の効果を阻害しない範囲、例えば、光重合開始剤(B)100質量部当たり、5質量部以下の範囲で含むこともできる。以下に各光重合開始剤について説明する。
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)は、短波長側に主吸収領域を持ち、インプリント用光硬化性組成物の表面を硬化させるのに優れた効果を発揮する光重合開始剤である。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を使用することにより、酸素存在下における光インプリント後の硬化膜の最表層の硬化性を著しく向上することができる。
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を具体的に例示すると、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 127)、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、DAROCUR 1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 2959)等が挙げられる。このうち、表面硬化性が最も優れるという点で、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 127)を使用することが最も好ましい。前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)は、1種、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上のα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を使用する場合には、2種以上の合計量をα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)の配合量と見なす。
ラジカル重合開始剤(B2)
ラジカル重合開始剤(B2)は、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種である。そのため、光重合開始剤(B)の組み合わせとしては、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)との組み合わせ、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)との組み合わせ、
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)との組み合わせ
が考えられる。なお、ラジカル重合開始剤(B2)として、α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)の両者を使用する場合には、両者の合計量がラジカル重合開始剤(B2)の配合量に該当する。
ラジカル重合開始剤(B2)に該当するα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)、及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)は、長波長側に主吸収領域を持ち、内部硬化性に優位な重合開始剤である。これらラジカル重合開始剤(B2)とα−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と組み合わせることで、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)単独の場合よりも、酸素存在下における光インプリント後の硬化膜の最表層の硬化性を向上できる。
α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)
α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)を具体的に例示すれば、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 379)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 369)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 907)等が挙げられる。このうち、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤との組み合わせにおいて、表面硬化性が最も優れるという点で、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 379)を使用することが最も好ましい。前記α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)は、1種、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上のα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)を使用する場合には、2種以上の合計量をα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)の配合量と見なす。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)を具体的に例示すると、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 819)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、LUCIRIN TPO)等が挙げられる。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤との組み合わせにおいて、表面硬化性が最も優れるという点で、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE 819)を使用することが最も好ましい。前記アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)は、1種、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)を使用する場合には、2種以上の合計量をアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)の配合量と見なす。
(光重合開始剤(B)の配合割合)
本発明において、光重合開始剤(B)の配合割合は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を1〜6質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を1〜6質量部としなければならない。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、ラジカル重合開始剤(B2)が少な過ぎる場合には光照射しても酸素存在下では未硬化、またはパターン精度が不十分となるため好ましくない。α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)、ラジカル重合開始剤(B2)が多過ぎる場合にも硬化性の悪化、またインプリント用硬化性組成物の保存安定性の観点から好ましくない。硬化性、保存安定性等の効果を考慮すると、光重合開始剤(B)の好適な配合割合は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を2〜4質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を2〜4質量部とすることが好ましい。その中でも、優れた効果を発揮するためには、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)とラジカル重合開始剤(B2)との質量比((B1)/(B2))が1〜2となることが好ましい。
(3級アミン(C))
本発明のインプリント用光硬化性組成物に配合する3級アミン(C)は、特に制限されるものではなく公知の化合物が使用できる。この3級アミン(C)を配合することにより、酸素存在下における光インプリント後の硬化膜の最表層の硬化性を著しく向上できる。
3級アミン(C)による、酸素存在下における重合阻害の低減効果は以下のように考えられる。ラジカル重合で生成した炭素ラジカルに酸素分子が付加すると、重合活性の低いパーオキシラジカルが発生し、重合阻害が発生する。パーオキシラジカルは付加反応に対する活性が低いが、水素引き抜き反応を起こしやすく、一方、3級アミン(C)の窒素原子に隣接する炭素−水素結合は水素引き抜き反応を受けやすい。よって、3級アミン(C)を配合することでパーオキシラジカルが水素を引き抜き、重合活性の高いアミノラジカルが発生する。このアミノラジカルが重合開始を行うと共に、酸素の吸収にも寄与することで、酸素による重合阻害が低減されるものと考えられる。
3級アミン(C)を具体的に例示すれば、2,2’−メチルイミノジエタノール、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。これら3級アミン(C)は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。
3級アミン(C)の配合量は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、1〜5質量部である。3級アミン(C)の配合量が1質量部未満の場合には、光照射しても酸素存在下では未硬化、またはパターン形状の転写精度が不十分となるため好ましくない。一方、5質量部を超える場合には、ブリードによるものと思われるパターン形状の転写精度の低下が発生するため好ましくない。硬化性、および転写精度の点を考慮すると、3級アミン(C)の好ましい配合量は、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、1〜3質量部である。
(その他の添加成分)
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分を必須成分とし、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。以下、これら任意の配合成分について説明する。
(その他の配合成分)
本発明のインプリント用光硬化性組成物には、その他の公知の添加剤を配合できる。具体的には、界面活性剤、重合禁止剤等を配合することができる。界面活性剤は塗膜の均一性の点から、重合禁止剤は保存中に重合しないように安定化させるために配合される。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤が使用できる。中でも、インプリント用光硬化性組成物がシリコンウエハ等の基板へ塗布されるものの場合、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布しやすい点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。例えば、特開2014−57016号公報に記載されている界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体的な例としては、高級アルキル硫酸の金属塩類、脂肪族カルボン酸の金属塩類、高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ジエステルの金属塩類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類、4級アンモニウム塩類、アルキルジメチルアミンオキシド類、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルスルホベタイン類、アミドアミノ酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類等を挙げることができる。その中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等を使用することが好ましい。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
界面活性剤を配合する場合には、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、0.0001〜1質量部、好ましくは、0.001〜0.1質量部の割合で配合することができる。
(重合禁止剤)
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
重合禁止剤を配合する場合には、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
(上記以外の添加成分)
また、他の添加成分として、レプリカモールド(パターン面)からの離型性を向上し、基板上に再現性に優れた形状のパターンを形成できることから、ハイパーブランチポリマーのような球状微粒子を配合することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましく、前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、0.1〜10質量部の割合で配合することが好ましい。
(有機溶媒の添加:塗膜剤)
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、塗膜の形成を容易にするため、有機溶媒と混合して塗膜剤として使用することもできる。本発明においては、インプリント用光硬化性組成物からなる塗膜を基板上に形成するが、本発明のインプリント用光硬化性組成物において、比較的粘度の高いものは、基板への塗布性や塗膜均一性を考慮すると、有機溶媒で希釈して塗膜剤とすることが好ましい。ただし、有機溶媒は必須の成分ではなく、インプリント用光硬化性組成物のみで塗膜を形成できる場合には、有機溶媒を混合する必要はない。
(有機溶媒)
有機溶媒を混合する場合、使用される有機溶媒としては、本発明のインプリント用光硬化性組成物が溶解する有機溶媒であれば、何ら制限なく使用できる。例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸ブチル、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、t−ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、その他のアルコール類等を挙げることができる。
有機溶媒を使用する場合、使用量は特に制限されず、目的の塗膜の厚みに応じて、適宜選択される。中でも、有機溶媒およびインプリント用光硬化性組成物の合計量を100質量%とすると、該溶媒の濃度が10〜99質量%となる範囲とすることが好ましい。
(インプリント用光硬化性組成物の物性)
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、インプリント均一性を考慮すると、25℃における粘度が1〜500mPa・secであることが好ましい。
(インプリント用光硬化性組成物・塗膜剤の製造方法)
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、ラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)、3級アミン(C)の他、必要に応じて配合される他の重合開始剤、その他添加成分を混合することにより製造できる。塗膜剤とする場合には、さらに有機溶媒を混合することが好ましい。これら成分の添加順序は特に制限されるものではないが、先ず、ラジカル重合性単量体成分(A)、及び必要に応じて配合される有機溶媒を十分に混合して均一な状態とした後、その他の成分を混合するのが好ましい。
(インプリント用光硬化性組成物・塗膜剤を用いたパターンの形成方法)
本発明のインプリント用光硬化性組成物を用いたパターン形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法は、塗膜形成工程、硬化工程、及びパターン転写工程を含む。これら工程について説明する。本発明のインプリント用光硬化性組成物は、酸素の存在下で硬化させて使用するものである。そのため、少なくとも、下記の硬化工程を酸素存在下で実施する。硬化工程を酸素存在下で実施するためには、空気中で硬化工程を実施してやればよい。その他の工程については、特に制限されるものではないが、酸素存在下で実施することができる。以下に各工程について説明する。
(塗膜形成工程)
前記方法により調製したインプリント用光硬化性組成物、又は必要に応じて有機溶媒を混合した塗膜剤(インプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤)を、基板上に塗布する。該基板は、特に制限されるものではなく、シリコン基板、炭化ケイ素基板、第13族元素の窒化物単結晶基板、サファイア基板等が挙げられる。
先ず、インプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤(インプリント用光硬化性組成物のみの場合もある)を基板上に公知の方法に従って塗布することにより、塗膜を形成する。なお、基板は、本発明のインプリント用光硬化性組成物よりなる硬化膜との密着性をより改善するために、表面処理を施すこともできる。
基板上に、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、スプレーコート法のような公知の方法にて、本発明のインプリント用光硬化性組成物を塗布することにより、塗膜を形成することができる。塗膜の厚みは、特に制限されるものではなく、使用するモールドのパターンに応じた最適膜厚を適宜決定すればよい。
インプリントでは、パターンが形成されたモールドの反転したパターンが得られる。インプリント用光硬化性組成物が重合硬化してなる硬化膜のパターンとしては、円錐台形状、円柱形状が一般的である。したがって、モールドは、円錐台形状、または円柱形状の反転パターンを有するモールドを使用し、インプリントを実施する。すなわち、モールドのパターンとしては、凹型の円錐台形状、または円柱形状のパターンである。このようなモールドは様々なパターンのものが市販されている。
また、塗膜形成後に、必要に応じてプリベーク工程を加えてもよい。プリベーク温度は、塗膜が乾燥する温度であれば、特に制限されないが、通常は、40℃〜150℃の範囲から選択できる。揮発による重合性単量体の組成変化が起こる場合もあるため、乾燥温度は100℃以下が好ましい。
(硬化工程)
次に、酸素存在下(空気中)において、所望のパターンが形成されているモールドのパターン形成面を、前記塗膜と接触させる。ここで用いるモールドは、空気を透過する特性を持つシリコーン樹脂からなるインプリント用モールドであり、一般的によく用いられるPDMS(ポリジメチルシロキサン)モールドを例に説明する。なお、PDMSモールドのパターンは、特に制限されるものではない。ただし、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、薄膜であっても硬化し易いため、例えば、基板から凸部の最長距離が0.01〜10μmのもののパターンを転写する場合に好適に使用できる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、PDMSモールドを押し付ける際に、圧力は特に必要なく、PDMSモールドの自重だけで簡単に空気を抜きながら、モールド凹部に充填することができる。圧力をかける場合には、0.01〜1MPaの低圧が好ましい。PDMSモールドは柔軟性の高いシリコーン系樹脂であるため、圧力をかけすぎると、PDMSモールド自体の変形が起こり、転写パターンに狂いが生じる可能性がある。
その後、PDMSモールドのパターン面と塗膜とを接触させた状態のまま、光を照射し、塗膜を硬化させる。照射する光は、波長が500nm以下で、光の照射時間は、0.1〜300秒の範囲から選択される。塗膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
光硬化時の雰囲気は本発明のインプリント用光硬化性組成物を用いれば、大気下(酸素存在下)でも硬化できる。そのため、減圧下、窒素気流下など、酸素濃度を低下する処理は必須ではなくなる。ただし、酸素濃度を低下した雰囲気下(酸素濃度が0の場合除く)では、酸素による重合阻害の影響は小さくなるため、レジストパターンの最表層まで十分に硬化するために、酸素濃度を低下させた雰囲気下とすることも可能である。そのため、本発明のインプリント用光硬化性組成物は、大気下、及び低酸素濃度雰囲気(酸素濃度が0の場合除く)を含めた酸素存在下において、硬化性の点で優位性を持つ。具体的には、酸素濃度が21kPa(大気下)〜1kPaの条件で硬化工程を行うことが好ましい。
(パターン転写工程)
光照射(光重合)した後、硬化した塗膜からPDMSモールドを分離(離型)することにより、該PDMSモールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成することができる。基板上に硬化膜よりなるパターンが形成されたものをレジスト積層体とする。
(基板の加工方法)
本発明のインプリント用光硬化性組成物から得られる硬化膜は、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いることができる。サファイア基板のエッチングには主に塩素系ガスが用いられ、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス、アルゴンガス等を混合して使用することもできる。以下にLEDのPSS加工方法、具体的にはレジスト積層サファイア基板から円錐形状の凹凸パターンを形成するサファイア基板をドライエッチングにて加工する方法について説明する。
まず、レジスト積層体の硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去し、サファイア基板表面を出した後、さらにドライエッチングを行い、硬化膜すべてを除去させることにより、円錐形状の凹凸パターンを有するサファイア基板を作製する。また、残膜が0.2μm以下の薄い場合は、残膜を除去する工程を実施せずに、残膜の除去とドライエッチングを一度に行うことも可能である。
ドライエッチングの具体的な条件として、アンテナ電力は100〜800Wの任意の電力を選択することができる。ただし、硬化膜の炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜500Wが望ましい。
また、バイアス電力は100〜500Wの任意の電力が選択することができる。同様に、硬化膜の炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜300Wが望ましい。
エッチングガスの流量としては、全ガス流量を50〜150sccmに設定するのが通常である。実際にエッチングを行う塩素系ガスや、希釈を目的とするアルゴン等のガスの割合は任意に設定することができる。
ドライエッチング時間は、硬化膜を完全にドライエッチングにより除去できるまで行う必要がある。通常は、硬化膜が完全に除去される時間(ジャストエッチタイム)より2〜3割長めのエッチング時間を設定する。実際のエッチング時間は、硬化膜が形成する円錐の高さによって異なるが、通常は10〜40分である。
以上の方法により、基板に円錐形状の凹凸パターンを形成することができる。
以下、本発明を実施例、および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)インプリント試験、およびドライエッチング試験
(インプリント用光硬化性組成物の調製)
ラジカル重合性単量体成分(A)、光重合開始剤(B)、3級アミン(C)、その他添加剤から構成されるインプリント用光硬化性組成物を実施例、および比較例に示す割合にて調製した。
(インプリント用光硬化性組成物の塗膜形成:塗膜形成工程)
2インチのサファイア基板(片面鏡面仕上げ、厚さ430μm、面方位c面)上に、4500rpm、20秒の条件にてスピンコートし、インプリント用光硬化性組成物を塗布した(塗膜を形成した。)。なお、有機溶媒をインプリント用光硬化性組成物に加えて塗膜剤とし、塗膜厚が0.9〜1.0μmに収まるように有機溶媒量を調整した。
(硬化工程〜パターン転写工程:光インプリント レジスト積層体の製造)
円錐台形状のホールパターンを形成したPDMSモールド(総研化学(株)製、フレフィーモ PDMS HOP80−1700/1700、凹型円錐台形状パターン、上部直径D1=1.5μm、下部直径D2=2.1μm、高さH=1.7μm、側面と底面のなす角度θ=80°)、及びナノインプリント装置(SCIVAX(株)製、X−300H)を使用した。上記のようにして得られたインプリント用光硬化性組成物の塗膜を有するサファイア基板に、大気下(空気中)で荷重をかけずに該PDMSモールドを接触させ、UV照射(波長365nm、20mW/cm2)を4分行い、該塗膜を硬化させると共にPDMSモールドのパターンに対応した硬化膜からなるパターンを転写した(PDMSモールドを離型した。レジスト積層体の製造。)。
(ドライエッチング)
反応性イオンエッチング装置(サムコ(株)製、RIE−230iPC)を用いて、上記のようにして得られたパターンを形成したレジスト積層サファイア基板の塩素系ガスによるドライエッチングを行った。ドライエッチング条件は、アンテナ電力500W、バイアス電力200W、ガス流量 三塩化ホウ素/塩素/アルゴン=30/20/50(sccm)、圧力0.6Paである。
(2)光インプリント後の硬化膜の硬化性評価
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、光インプリント後の硬化膜の硬化性を評価した。レジスト積層サファイア基板を割り、円錐台の側面をSEMで観察し、上面の接線と側面の接線の交点から上面の接線より硬化膜が乖離した点との距離を測定した(図4参照、符号42の長さを測定した)。任意の円錐台10個について測定し、その平均値を硬化性評価の値として使用した。なお、硬化性が悪く、上面に平坦部がない場合、さらには硬化せず、パターンが形成されなかった場合には「×」として評価した。
(3)基板表面のパターン形状評価
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ドライエッチング後に形成された基板表面のパターン形状を評価した。円錐形状を有し、サイズのばらつきが5%未満の場合は「○」、形状が円錐形状でない、もしくはサイズのばらつきが5%以上の場合には「×」として評価した。
(4)PDMSモールドへのインプリント用光硬化性組成物の浸み込み評価
インプリント前後のPDMSモールドの重量差から、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み量を評価した。
(5)サファイア選択比評価
ドライエッチングを20分間実施し、そのときのレジストパターン、及びサファイアのエッチング量から、それぞれのエッチング速度を算出した。サファイアのエッチング速度を、レジストパターンのエッチング速度で除した値を、サファイア選択比とした。サファイア選択比の値が大きいほど、レジストパターンは、サファイア基板と比較して、塩素系ガスによるエッチングを受けにくく、エッチング耐性が高いことを示している。
(6)使用した化合物とその略称
(ラジカル重合性単量体成分(A))
(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)
水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)
HEA;2−ヒドロキシエチルアクリレート(和光純薬工業(株)製)。
702A;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
水酸基を含まない(メタ)アクリル系重合性単量体(A1b)
AMP−10G;フェノキシエチル(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−LEN−10;2−(ο−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
ABE−300;エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−TMPT;トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
AM−30G;メトキシトリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−200;テトラエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−DCP;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
A−NOD−N;1,9−ノナンジオールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)。
これら(メタ)アクリル系重合性単量体(A1)の特性を表1にまとめた。
Figure 0006363473
(光重合開始剤(B))
α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)
IRGACURE 127;2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 184;1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製)。
α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)
IRGACURE 379;2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(チバ・ジャパン(株)製)。
IRGACURE 907;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製)。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)
IRGACURE 819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)。
LUCIRIN TPO;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)。
(3級アミン(C))
MDEA;2,2’−メチルイミノジエタノール(和光純薬工業(株)製)。
(重合禁止剤)
HQME;ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)。
BHT;ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業(株)製)。
(有機溶媒)
DAA;ジアセトンアルコール(和光純薬工業(株)製)。
実施例1
表2に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製した。具体的には、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、IRGACURE 127 0.1g、IRGACURE 379 0.1g、MDEA 0.1g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合した。これにDAA 15.0gを加え、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過することで塗膜材を作製し、スピンコートにてサファイア基板に塗膜を形成した。その後、光インプリントを実施し、レジスト積層サファイア基板を得た。得られたレジスト積層サファイア基板は2つに割り、一方を硬化膜の硬化性評価、もう一方はドライエッチングを行った後、基板表面のパターン形状評価を行った。また、光インプリント前後のPDMSモールドの重量を測定し、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み評価を行った。評価結果は表3に示した。
実施例2〜29、比較例1〜7
表2に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作することで、各評価を行った。なお、DAAの配合量はスピンコート後の塗膜が0.9〜1.0μmに収まるように調整した。評価結果は表3に示した。
Figure 0006363473
Figure 0006363473
実施例30
表4に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製した。具体的には、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、IRGACURE 127 0.2g、IRGACURE 379 0.2g、MDEA 0.2g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合し。これにDAA 15.0gを加え、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過することで塗膜材を作製し、スピンコートにてサファイア基板に塗膜を形成した。その後、光インプリントを実施し、レジスト積層サファイア基板を得た。得られたレジスト積層サファイア基板は3つに割り、1つを硬化膜の硬化性評価、残りはドライエッチングを行い、基板表面のパターン形状評価、およびサファイア選択比評価を行った。また、光インプリント前後のPDMSモールドの重量を測定し、インプリント用光硬化性組成物の浸み込み評価を行った。評価結果は表5に示した。
実施例31〜53
表4に示す割合にてインプリント用光硬化性組成物を調製し、実施例29に示す手順と同様に操作することで、各評価を行った。なお、DAAの配合量はスピンコート後の塗膜が0.9〜1.0μmに収まるように調整した。評価結果は表5に示した。
Figure 0006363473
Figure 0006363473
以上の結果より、実施例1〜29の硬化膜の硬化性評価において、上面の接線と側面の接線の交点と上面の接線から硬化膜が乖離した点との距離が小さく、酸素存在下でも硬化性が良好あった。また、エッチング後の基板表面パターンも良好であった。また、α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としてはIRGACURE 127、α−アミノアルキルフェノン系開始剤としてはIRGACURE 379、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤としてはIRGACURE 819を用いた場合に、硬化性が良好であった。
また、実施例30〜53では重合性単量体の影響について評価し、水酸基含有(メタ)アクリル系重合性単量体(A1a)を配合することで硬化性が向上することが示された。また、非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体のみを配合したインプリント用光硬化性組成物はPDMSモールドへの浸み込み重量が少ないが、非浸透性(メタ)アクリル系重合性単量体ではない(メタ)アクリル系重合性単量体を含むと浸み込み重量が増加することが示された。さらに、環状基含有(メタ)アクリル系重合性単量体の割合が高いとサファイア選択比も高くなることも示された。
31 基板
32 インプリント用光硬化性組成物
33 PDMSモールド
41 硬化膜(円錐台パターンの側面)
42 円錐台の上面と側面の接線の交点と上面の接線から硬化膜が乖離した点との距離

Claims (8)

  1. 酸素の存在下で硬化させて使用するインプリント用光硬化性組成物であって、
    (メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)を含むラジカル重合性単量体成分(A)、
    α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)と、
    α−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)及びアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)から選ばれる少なくとも1種のラジカル重合開始剤(B2)と、を含む光重合開始剤(B)、並びに
    3級アミン(C)を含み、
    前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)が、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンを含み、
    前記ラジカル重合性単量体成分(A)100質量部当たり、前記α−ヒドロキシアセトフェノン系開始剤(B1)を1〜6質量部、前記ラジカル重合開始剤(B2)を1〜6質量部、前記3級アミン(C)を1〜5質量部含むことを特徴とするインプリント用光硬化性組成物。
  2. 前記ラジカル重合開始剤(B2)におけるα−アミノアルキルフェノン系開始剤(B2a)が、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンを含むことを特徴とする請求項1記載のインプリント用光硬化性組成物。
  3. 前記ラジカル重合開始剤(B2)におけるアシルフォスフィンオキサイド系開始剤(B2b)が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント用光硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(A1)が、水酸基を有する重合性単量体(A1a)を含み、前記ラジカル重合性単量体成分(A)中に5質量%以上50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のインプリント用光硬化性組成物。
  5. 請求項1〜の何れかに記載のインプリント用光硬化性組成物を含む塗膜剤を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する塗膜形成工程、
    酸素の存在下、パターンが形成されたモールドのパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる硬化工程、及び
    該モールドを硬化した塗膜から分離して、該モールドのパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成するパターン転写工程
    を含むことを特徴とする、ベース基板上にパターンが形成されたレジスト積層体の製造方法。
  6. 前記モールドが、シリコーン系樹脂からなることを特徴とする請求項に記載のレジスト積層体の製造方法。
  7. 前記ベース基板が、サファイア基板であることを特徴とする請求項又はに記載のレジスト積層体の製造方法。
  8. 請求項の何れかに記載の方法によりレジスト積層体を製造した後、該レジスト積層体に形成したパターンをマスクとして、該レジスト積層体のパターンを形成した面と塩素系ガスとを接触させてエッチングすることを特徴とする、パターンが形成された基板の製造方法。
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