本実施形態に係る無線電力伝送を行う無線電力伝送システムを図1に示す。なお、本実施形態に係る無線電力伝送システムは、磁界共鳴方式を用いて無線電力伝送を行うものとする。磁界共鳴方式は送電装置の共振器(共鳴素子)と、受電装置の共振器(共鳴素子)との間の磁場の共鳴(共振)による結合によって電力を伝送する方式である。なお、本実施形態において、磁界共鳴方式を用いた無線電力伝送システムを例にして説明するが、無線電力伝送方式(非接触電力伝送方法)はこれに限るものではなく、電磁誘導、電界共鳴、マイクロ波、レーザ(光)等を利用した電力伝送方式を用いてもよい。
図1において、101は第1送電装置、102は第1受電装置、105は第2送電装置、106は第2受電装置である。第1送電装置101、第2送電装置105は、無線で電力を送電する送電装置である。第1受電装置102、第2受電装置106は、無線で送電された電力を受電する受電装置である。本実施形態における無線電力伝送システムにおいて、送電装置と受電装置との間で、認証を行うための通信や無線電力伝送を制御するための制御情報を通信する。以下、装置間での電力の受け渡しは、送電、受電または電力伝送(無線電力伝送)と表現し、装置間での認証のためのやり取りや制御情報のやり取りは、単に通信(無線通信)と表現する。
図1において、103は第1送電装置101の送電可能範囲(送電範囲)、104は第1送電装置101の通信可能範囲(通信範囲)、107は第2送電装置105の送電可能範囲、108は第2送電装置105の通信可能範囲を示す。図1に示すように本実施形態の無線電力伝送システムでは、送電装置の送電可能範囲より通信可能範囲のほうが広い。
なお、本実施形態の無線電力伝送システムの装置間で行う通信は、Bluetooth(登録商標)4.0規格に準拠する通信を用いる。Bluetooth(登録商標)4.0では、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)という比較的消費電力が少ない通信方式が規定されている。なお、本実施形態における通信はBLEに準拠した通信を行うものとしたが、その他の通信規格であってもよい。例えば、無線LAN(IEEE802.11シリーズ)、NFC(Near Field Communication)などであってもよい。なお、本実施形態における無線電力伝送と無線通信とに用いる電波の周波数帯域はそれぞれ異なるものとする。ここでは送電装置を2台、受電装置を2台示しているが、それぞれが3台以上あってもよい。
続いて、無線電力伝送システムの各装置の構成について図2を用いて説明行う。図2は、無線電力伝送システムの送電装置と受電装置との構成を示す図である。同図において、201は送電装置(第1送電装置101または第2送電装置105)全体を示す。送電部202は、入力される直流又は交流電力を伝送帯の交流周波数電力に変換し、送電アンテナ203を介して受電装置に受電させるための電磁波を発生する。
204は受電装置206と通信するための通信部である。通信部204は、BLE準拠した無線通信を制御するためのチップおよび信号を送信するためのアンテナを含む。205は送電装置201を制御する制御部である。制御部205は例えばCPU(Central Processing Unit)と記憶媒体とを含み、CPUが記憶媒体に記憶されている制御プログラムを実行することにより装置全体を制御する。なお、送電装置201の一例は、デジタルカメラ、プリンタ、PC、携帯電話等の装置であってよい。
続いて受電装置の構成を説明する。206は受電装置(第1受電装置102または第2受電装置106)全体を示す。207は送電装置201からの電磁波を受信する受電アンテナである。208は受電アンテナ207で受電した電磁波から電力を生成する受電部である。受電部208は、受電アンテナ207により受信した電磁波により共振を生じ、該共振により交流電力を得る。そして、受電部208は、交流電力を直流または所望周波数の交流電力に整流し、一定の電圧に変換したうえで出力する。受電部208から出力された電力は、不図示のバッテリに蓄電されてもよいし、受電装置の各ハードウェアに動作電源として供給されるようにしてもよい。
209は送電装置201と通信する通信部である。通信部209は、BLE準拠した無線通信を制御するためのチップおよび信号を送信するためのアンテナを含む。210は受電装置206を制御する制御部である。制御部210は例えばCPUと記憶媒体とを含み、CPUが記憶媒体に記憶されている制御プログラムを実行することにより装置全体を制御する。なお、受電装置206は、デジタルカメラ、プリンタ、PC、携帯電話等の装置であってよい。なお、図2に示した構成は一例であり、送電装置201、受電装置206は図1に示すハードウェア構成以外のハードウェア構成を備えていてもよい。例えば、送電装置、受電装置は、ユーザが各種入力等を行い、装置を操作するための操作部を有していてよい。また、LCDやLEDのように視覚で認知可能な情報の出力、あるいはスピーカなどの音出力が可能な機能を有する各種表示を行う表示部を備えていてよい。また、以下では各装置が各種情報を記憶する際、それぞれの装置の制御部内の記憶媒体に記憶するものとするが、これに限らず、別途設けた記憶媒体(メモリ)に記憶するものとしてもよい。
以上の構成を有する無線電力伝送システムにおける送電装置と受電装置とのやり取りは、検出フェーズ、通信確立フェーズ、送電フェーズの3つのフェーズを含む。検出フェーズにおいては、送電アンテナ203から電磁波を間欠的に発生させることにより、受電装置206を検出するための送電(検出用送電)を間欠的に行う。検出フェーズにおいて検出用送電を行っている際に送電装置201の送電可能範囲に物体が置かれた場合、該検出用送電は該物体に供給される。この場合、送電装置201側からみた負荷インピーダンスは変動が生じ、送電装置201における電圧または電流の特徴的な変化が現れる。送電装置201における電圧または電流変動を検出することで、自装置の送電可能範囲に物体が置かれたことを検出することができる。また、検出用送電を受電した受電装置206は、BLEに規定される他の装置から通信接続要求を送信させるためのadvertiseパケットを、検出用送電の受電から一定期間内(例えば、100ms)に通信部209から送信する。送電装置201は、検出用送電に応答した受電装置206からadvertiseパケットを受信した場合、送電可能範囲に受電装置206が存在すると判定する。
なお、advertiseパケットは、自身の機器名や提供するサービスの種類などの情報をブロードキャストで送信して、周囲の機器からの接続を待っていることを通知するためのパケットである。受電装置206からのadvertizeパケットには、本システムが対応する無線電力伝送方式が実行可能なことを示すサービス情報が含まれている。なお、検出フェーズにおいて送電される検出用送電は、後述する送電フェーズにおける送電より電力が弱い。
通信確立フェーズは、送電装置201が受電装置206を検出した場合に遷移し、受信したadvertiseパケットの送信元である受電装置206に対してConnection Requestパケット(接続要求)を通信部204から送信する。そして、送電装置201は、受電装置206と送信した接続要求に応じて通信接続を確立する。通信確立フェーズにおいてはさらに、送電装置201と受電装置206との間で確立した通信接続を用いて互いの能力情報を通信(交換)する。能力情報は例えば、送受電可能な電力量、ハードウェア構成、対応している電力伝送の方式、対応している電力伝送規格のバージョン等である。
送電装置201は、通信確立フェーズにおいて受電装置206との通信接続を確立し、能力情報を交換した場合、送電フェーズに移行する。送電フェーズにおいては、送電装置201は検出フェーズにおける検出用送電時の電力より高い電力を受電装置206に送電する。送電フェーズにおいては、送電装置201は、受電している電力の値、送電量の増減の要求、送電の停止などの無線電力伝送を制御するための制御情報を受電装置206から通信部204により受信する。送電装置201は、受信した制御情報に従って、送電アンテナ203から電磁波を発生させることにより送電を行う。例えば、送電フェーズにおける送電量を10W程度、検出用送電の電力を1W程度とする。
検出用送電を実行する時間の長さは一定とする。また、検出用送電を行う周期は一定であってもよいが、本実施形態では該周期は装置毎に生成した乱数(ランダム値)に基づいてランダムに設定されるものとする。また、検出用送電を行う周期は、送電装置201の識別子に基づいて設定される。また、検出用送電を行う周期は、送電装置201毎に固有となるように設定される方法であればよい。
以上のやり取りを含む無線電力伝送システムの動作の流れを図3に示すシーケンスチャートを用いて説明する。第1送電装置101と第2送電装置105は、電源ONまたはユーザによる動作指示の検出に応じて、検出モードの処理(検出フェーズ)を開始する(F301、F302)。第1送電装置101と第2送電装置105は、検出フェーズにおける動作を開始すると周期的な検出用送電を行う。第1送電装置101は、予めランダムな値として設定された周期t1秒で検出用送電を行う。また、第2送電装置105は、予めランダムな値として設定された周期t2秒で検出用送電を行う。なお、t1秒とt2秒とは値が異なるものとする。
次に、第1受電装置102のユーザが電力伝送を行わせるために第1受電装置102を第1送電装置101の電力伝送可能範囲内である第1送電装置101上に置いたとする(F303)。また、第2受電装置106のユーザが電力伝送を行わせるために第2受電装置106を第2送電装置105の電力伝送可能範囲内である第2送電装置105上に置いたとする。これにより第1送電装置101と第2送電装置105は、自装置側からみた負荷インピーダンスの変動が生じ、送電部における電圧または電流変動を検出することで、自装置の電力伝送可能範囲内に物体が侵入したことを検出する。即ち、第1送電装置101と第2送電装置105は、負荷インピーダンスの変化を検出することによって自装置の電力伝送可能範囲内に物体が侵入したことを検出する。
第1送電装置101と第2送電装置105は、検出フェーズにおいては設定された自装置の検出用送電の周期に従って、検出用送電を出力している(F305、F306)。ここで、第1送電装置101からの検出用送電(F305)と、第2送電装置105からの検出用送電(F305)は、略同じ時刻に出力されたものとする。
なお、図1に示す通り、本無線電力伝送システムにおける送電可能範囲は、通信可能範囲より狭く、第1送電装置101の検出用送電は、第2受電装置106には影響を及ぼさない。即ち、第1送電装置101の検出用送電は、第2送電装置105の送電可能範囲には影響を及ばさない。また、同様に第2送電装置105の検出用送電は、第1送電装置101の送電可能範囲には影響を及ばさない。
第1送電装置101と第2送電装置105との位置が互いの送電可能範囲が重複する位置である場合、夫々は他の送電装置から影響を及ぼされていることの警告または他の送電装置との距離を離すことを促す通知をエラー通知として出力するようにしてもよい。
第1受電装置102は、第1送電装置101からの検出用送電(F305)を検出した場合、一定期間(例えば、100ms)以内にadvertiseパケットを通信部209から送信する(F307)。また、同様に第2受電装置106は、第2送電装置105からの検出用送電(F306)を検出した場合、一定期間(例えば、100ms)以内にadvertiseパケットを通信部209から送信する(F308)。
なお、受電装置206がadvertiseパケットを送信する際に用いる電力は、検出用送電により受電した電力を用いてよい。この場合、受電装置は、advertiseパケットの送信に必要な電力を保持していなかった場合にも、送電装置と通信を行うことができ、無線電力伝送を開始することができる。なお、図1に示す通り本無線電力伝送システムにおける通信可能範囲は、送電可能囲より広いので、第1受電装置102のadvertiseパケットは、第2送電装置105でも受信することができる。また、第2受電装置106のadvertiseパケットは、第1送電装置101でも受信することができる。
第1送電装置101は、第1受電装置102からのadvertiseパケット(F307)を通信部204により受信するとその送信元の装置の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F309)。また、同様に第2送電装置105は、第1受電装置102からのadvertiseパケット(F307)を通信部204により受信するとその送信元の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F310)。
なお、第1送電装置101と第2送電装置105は、受信したadvertiseパケットに本システムが対応する無線電力伝送方式が実行可能なことを示すサービス情報が含まれている場合にこれらの情報を記憶する。また、受信したadvertiseパケットに本システムが対応する無線電力伝送方式が実行可能なことを示すサービス情報が格納されていない場合はこれらの情報を記憶しない。
第1送電装置101は、更に第2受電装置106からのadvertiseパケット(F308)を通信部204により受信するとその送信元の装置の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F311)。また、同様に第2送電装置105は、第2受電装置106からのadvertiseパケット(F308)を通信部204により受信するとその送信元の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F312)。
なお、第1送電装置101は、第1受電装置102と第2受電装置106とから受信したadvertiseパケット(F309、F311)の夫々を、F305における検出用送電を行った後の一定期間(100ms)経過前に受信しているとする。同様に、第2送電装置105は、第1受電装置102と第2受電装置106とから受信したadvertiseパケット(F310、F3122)の夫々を、F306における検出用送電を行った後の一定期間(100ms)経過前に受信しているとする。これにより第1送電装置101は、自装置が出力した検出用送電に第1受電装置102と第2受電装置106の両方が応答したと認識する。即ち、第1送電装置101は、第1受電装置102と第2受電装置106の両装置が自装置の送電可能範囲に存在すると認識する。しかしながら実際は、第2受電装置106は第1送電装置101からの検出用送電に応答したのではなく、第2送電装置105からの検出用送電に応答したのであって、第1送電装置101の送電可能範囲103に存在しない。もし、この時点で第1送電装置101が第2受電装置106に接続要求を送信し、通信確立フェーズおよび送電フェーズに移行すると、自装置の送電可能範囲に存在しない第2受電装置106に対しての送電制御を行うこととなり、無駄が生じる。
また、第1送電装置101の送電可能範囲に存在しない第2受電装置106のために送電を行うことにより、第1送電装置101の送電可能範囲に存在する第1受電装置102に対しての送電効率が悪くなる。
一方、第2受電装置106も、本来第2送電装置105の送電可能範囲にあるにも関わらず、無線電力伝送を制御するための制御情報が本来の送信すべき相手である第2送電装置105に届かない。これにより、例えば、第2受電装置106が送電の停止を要求する制御情報を送信したとしても、第2送電装置105はこれを受信することが出来ず、第2送電装置105からの送電を停止することができない。同様の問題は、第2送電装置105側においても生じる。
そこで、本無線電力伝送システムにおいては、このような問題を生じさせないために、受電装置から検出用送電に対する応答信号を1回受信しただけなく、複数回受信したことを条件にして通信確立フェーズに移行する。即ち、本無線電力伝送システムの送電装置は、複数回の検出用送電の夫々に対応する期間において受信した複数の応答に共通の送信元である受電装置に対して接続要求を送信する。
再び図3のシーケンスチャートに説明を戻すと、第1送電装置101は、第1受電装置と102と第2受電装置からのadvertiseパケットの受信後(F309、F311)、設定した周期に従って検出用送電を行う(F313)。なお、第1送電装置101の検出用送電と第2送電装置105の検出用送電には、夫々ランダムに異なる送電周期が設定されているため、この時点で第2送電装置105の検出用送電は開始されない。
第1送電装置101からの検出用送電(F313)を検出した第1受電装置102は、一定期間以内にadvertiseパケットを送信する(F314)。なお、第2受電装置106は、第1送電装置101の送電可能範囲には存在しないため、第1送電装置101からの検出用送電(F313)を検出しない。したがって、第2受電装置106は、第1送電装置101のF313における検出用送電を行った時点ではadvertiseパケットを送信しない。
第1送電装置101は、第1受電装置102からのadvertiseパケット(F314)を通信部204により受信するとその送信元の装置の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F315)。また、同様に第2送電装置105は、第1受電装置102からのadvertiseパケット(F314)を通信部204により受信するとその送信元の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F316)。
一方、第2送電装置105は、第1受電装置と102と第2受電装置からのadvertiseパケットの受信後(F309、F311)、設定した周期に従って検出用送電を行う(F317)。
第2送電装置105からの検出用送電を検出した第2受電装置106は、一定期間以内にadvertiseパケットを送信する(F318)。なお、第1受電装置102は、第2送電装置105の送電可能範囲には存在しないため、第2送電装置105からの検出用送電を検出しない。したがって、第1受電装置102は、第2送電装置105のF317における検出用送電を行った時点ではadvertiseパケットを送信しない。
第1送電装置101は、第2受電装置105からのadvertiseパケット(F318)を通信部204により受信するとその送信元の装置の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F319)。また、同様に第2送電装置105は、第2受電装置106からのadvertiseパケット(F318)を通信部204により受信するとその送信元の識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(F320)。
ここで、第1送電装置101は、F309とF315において、自装置が行った検出用送電から一定期間経過する間に第1受電装置102から複数回advertiseパケットを受信している。また、第1送電装置101は、第2受電装置105からは、F311においては、自装置が行った検出用送電(F305)から一定期間経過する間にadvertiseパケットを受信している。しかし、その後の第1送電装置101の検出用送電(F313)から一定期間経過する前に第2受電装置106からadvertiseパケットを受信していない。このように、第1送電装置101は、F305における検出用送電を行った時点では、第1受電装置102と第2受電装置106の両方が応答したので、第1受電装置102と第2受電装置106の両装置が自装置の送電可能範囲に存在すると認識する。その後、第1送電装置101は、再び検出用送電(F313)を行うと、第1受電装置102のみが再度応答し、第2受電装置106からは応答がない。したがって、第1送電装置101は、第1受電装置102が第1送電装置101の送電可能範囲103に存在し、第2受電装置106は送電可能範囲103に存在しないことを認識出来る。
このように、本実施形態の無線電力伝送システムでは、検出用送電に対する応答信号を1回受信しただけなく、複数回受信したことを条件に送電装置は、自装置の送電可能範囲に存在する受電装置を特定する。したがって、送電装置は、自装置の送電可能範囲に存在しない受電装置と誤って通信接続を確立してしまうことを低減することができる。
同様に、第2送電装置105は、F312とF320において、自装置が行った検出用送電から一定期間経過する前に第2受電装置106から複数回advertiseパケットを受信している。一方、第2送電装置105は、第1受電装置102からは、F310においては、自装置が行った検出用送電(F306)から一定期間経過する間にadvertiseパケットを受信している。しかし、その後の第2送電装置105の検出用送電(F317)から一定期間経過する前に第1受電装置102からadvertiseパケットを受信していない。このように、第2送電装置105は、F306における検出用送電を行った時点では、両装置が自装置の送電可能範囲に存在すると認識する。その後、第2送電装置105は、再び検出用送電(F317)を行うと、第2受電装置106のみが再度応答し、第1受電装置102からは応答がない。したがって、第2送電装置105は、第2受電装置106が第2送電装置105の送電可能範囲107に存在し、第1受電装置102は送電可能範囲107に存在しないことを認識出来る。
このように、第1送電装置101は、F309とF315とにおいて、自装置の検出用送電に対応する期間に第1受電装置102からのadvertiseパケットを複数回受信したため、第1受電装置102と通信接続を確立すると判定する(F321)。また、第1送電装置101は、F311においては自装置の検出用送電(F305)に対応する期間に第2受電装置106からadvertiseパケットを受信した。しかしながら、第1送電装置101は、その後の検出用送電(F313)に対応する期間に第2受電装置106からadvertiseパケットを受信していない。したがって、第1送電装置101は、自装置の検出用送電に対応する期間に第2受電装置106からのadvertiseパケットを複数回受信していないため、第2受電装置106と通信接続を確立すると判定しない。
同様に、第2送電装置105は、F312とF320とにおいて、自装置の検出用送電に対応する期間に第1受電装置102からのadvertiseパケットを複数回受信したため、第2受電装置106と通信接続を確立すると判定する(F322)。また、第2送電装置105は、F310においては自装置の検出用送電(F305)に対応する期間に第1受電装置102からadvertiseパケットを受信した。しかしながら、第2送電装置105は、その後の検出用送電(F317)に対応する期間に第1受電装置102からadvertiseパケットを受信していない。したがって、自装置の検出用送電に対応する期間に第2送電装置101は、第1受電装置102からのadvertiseパケットを複数回受信していないため、第2受電装置106と通信接続を確立すると判定しない。
第1送電装置101は、F321で第1受電装置102と通信接続を確立すると判定すると通信確立フェーズに移行する。通信確立フェーズが開始されると、第1送電装置101は第1受電装置102にConnection Requestパケットを送信し、第1受電装置102と通信接続を確立する。そして、第1送電装置101と第1受電装置102は、確立した通信により互いの能力情報を交換する(F323)。一方、第2送電装置105も、F322で第2受電装置106と通信接続を確立すると判定すると通信確立フェーズに移行する。そして、第2受電装置106にConnection Requestパケットを送信し、第2受電装置106と通信接続を確立する。また、第2送電装置105と第2受電装置106は、確立した通信により互いの能力情報を交換する(F324)。通信確立フェーズにおける通信を終了した場合、第1送電装置101は送電フェーズに移行し、第1受電装置102に対して送電を行う(F325)。通信確立フェーズにおける通信を終了した場合、第2送電装置105は送電フェーズに移行し、第2受電装置106に対して送電を行う(F236)。
続いて、本実施形態における図2に示した受電装置206の動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。なお、図4に示すフローチャートは、制御部210が記憶媒体に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工、各ハードウェアの制御を実行することにより実現される。なお、図4に示すフローチャートに示すステップの一部または全部を例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで実現する構成としても良い。
受電装置206の制御部210は、動作を開始すると受電アンテナ207を介して受電部208が検出用送電を検出したか判定する(S401)。受電装置206は、検出用送電を検出すると、通信部209により受電装置206の機能やサービスに関する情報を通知するためのadvertiseパケット(Adv)を送信する(S402)。advertiseパケットは無線接続を行う前に送信可能なパケットで、周囲の機器に接続要求を自装置に送信させるためにブロードキャストで送信される。なお、advertiseパケットの送信は、検出用送電が検出されなくなって一定期間経過すると、停止する。
制御部210は、advertiseパケットの送信後、送電装置201からの接続要求を通信部209が受信したかを判定する(S403)。なお、接続要求を受信するまで、S401、S402、S403を繰り返す。S403において、接続要求を受信したと判定すると、通信部209は、接続応答を送電装置201に送信し、送電装置201と無線通信接続を確立する(S404)。接続後、通信部209は、接続した送電装置201との間で電力伝送に必要な情報交換を行う(S405)。そして、受電部208は、送電装置201からの電力の受電を開始する(S406)。
その後、制御部210は、受電を停止するかを判定する(S407)。ここでは、満充電になったことを検出した場合、ユーザ指示などで動作を停止することを検知した場合、または送電装置201からの送電を検出できなくなった場合に受電を停止すると判定する。受電を停止すると判定した場合、通信部209は、送電装置201に送電停止を要求する制御情報を送信するようにしても良い。受電の停止を判定した場合、処理を終了する。
続いて、本実施形態における図2に示す送電装置201の動作を図5に示すフローチャートに従って説明する。なお、図5に示すフローチャートは、制御部205が記憶媒体に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工、各ハードウェアの制御を実行することにより実現される。なお、図5に示すフローチャートに示すステップの一部または全部を例えばASIC等のハードウェアで実現する構成としても良い。
送電装置201の制御部205は、動作開始後(S501)、検出用送電の周期を決定する(S502)。送電装置ごとに異なる送電間隔にするために、乱数や送電装置固有情報をもとに周期を決定する。周期決定後、検出フェーズでの動作を行う(S502)。
検出フェーズでの送電装置201の詳細な動作を図6に示すフローチャートを用いて説明を行う。検出フェーズでの動作を開始すると、送電部202は、検出用送電を開始する(S601)。そして、制御部205は、検出用送電開始から一定期間経過したかを判定する(S602)。なお、一定期間とは、受電装置206が検出用送電を受信してからadvertiseパケットを送信しなければならい期間である。この一定期間は予めシステムに設定されている期間であって、本実施形態においては上述の通り100msとする。なお、この一定期間は100msでなくてもよく、任意に設定してよい。
一定期間が経過した場合、制御部205は、通信部204が一定期間内に受電装置206からadvertiseパケットを受信したかを判定する(S603)。受電装置206からのadvertiseパケットであるか否かはadvertiseパケットに本システムにおける無線電禄伝送方式が実行可能なことを示すサービス情報が含まれているか否かで判定する。S603において、一定期間内に受電装置206からadvertiseパケットを受信しなかった場合、S612に処理を進める。
一方、S603において、一定期間内に受電装置206からadvertiseパケットを受信したと判定された場合、制御部205は、送電部202における電流値または電圧値が定常状態から変化したかを判定する(S604)。即ち、送電装置側からみた負荷インピーダンスが変化したか判定する。なお、定常状態とは、送電装置201に他の装置が近接または接触していない状態である。S604の判定により、送電装置201と近接または接触した物体があるか否かを判定することができる。S604において、インピーダンス変化がないと判定された場合、制御部205は、受信したadvertiseパケットの送信元を非接続対象として設定する(S605)。ここで、非接続対象とは、送電装置201が通信接続を行わず、無線電力伝送を行わない対象の装置である。インピーダンス変化がないということは、送電装置201と近接または接触した物体がないということである。即ち、送電装置201の送電可能範囲内に存在する受電装置206が存在しないということである。したがって、この場合に受電装置206から受信したadvertiseパケットは、自装置の出力した検出用送電に対しての応答ではないと判断することができる。S605において、受信したadvertiseパケットの送信元を非接続対象として設定した後、S612に処理を進める。
一方、S604においてインピーダンス変化があると判定された場合、制御部205は、一定期間内に受信したadvertiseパケットの送信元識別子と検出用送電開始から該パケットを受信するまでの経過時間とを関連付けて記憶する(S606)。続いて、制御部205は、通信接続対象候補が設定されているかを判定する(S607)。ここで、通信接続対象候補とは、送電装置201が通信接続を行い、無線電力伝送を行う対象の候補である装置である。S607において、通信接続対象候補が設定されている場合はS610に処理を進める。一方、S607において、通信接続対象候補が設定されていない場合、一定期間の間に複数の受電装置からadvertiseパケットを受信したかを判定する(S608)。S608において複数の受電装置からadvertiseパケットを受信した場合、受信したadvertiseパケットの送信元である受電装置の夫々を通信接続対象候補として設定する(S609)。
図3のシーケンスチャートにおいて、第1送電装置101は、F305における検出用送電から一定期間経過する前に第1受電装置102と第2受電装置106とから夫々advertiseパケットを受信している(F309、F311)。したがって、第1送電装置101は、第1受電装置102と第2受電装置106とを通信接続対象候補として設定する。同様に、第2送電装置105は、F306における検出用送電から一定期間経過するまえに第1受電装置102と第2受電装置106とから夫々advertiseパケットを受信している(F310、F312)。したがって、第2送電装置105は、第1受電装置102と第2受電装置106とを通信接続対象候補として設定する。
S607において、通信接続対象候補がすでに設定されていると判定された場合、制御部205は、通信接続対象候補の識別子と一定期間内に受信したadvertiseパケットの送信元とが一致するかを判定する(S610)。S610において一致すると判定した場合、当該一致すると判定した識別子を有する受電装置を通信接続対象および送電対象として決定し(S611)、検出フェーズにおける処理を終了する。
図4のシーケンスチャートにおいて、第1送電装置101は、第1受電装置102からF315にadvertiseパケットを受信した際には、既に第1受電装置102を通信接続対象候補として設定している。したがって、第1送電装置101は、通信接続対象候補の識別子と一定期間内に受信したパケットの送信元とが一致するので第1受電装置102を通信接続対象および送電対象として決定する(F321)。また、上述の図4に示すシーケンスチャートのF322において、第2送電装置105は、同様に第2受電装置106を通信接続対象および送電対象として決定する。
なお、S608において、複数の受電装置からadvertiseパケットを受信していない場合についてはS611に処理を進める。即ち、一台の受電装置のみからadvertiseパケットを受信している場合、S611において一回のみ受信したadvertiseパケットの送信元を通信接続対象および送電対象として決定する。この場合は、該送信元が非接続対象として設定されていない場合に通信接続対象および送電対象として決定するものとする。
S608において、複数の受電装置からadvertiseパケットを受信していない場合とは、送電装置201に近接または接触している物体が存在し、かつ、検出用送電に応答したと判定された装置が1台のみの場合である。この場合、送電可能範囲に存在する物体が1台の受電装置である可能性が高い。したがって、この場合は複数回のadvertiseパケットの受信を待つことなく通信接続対象かつ送電対象として決定できるので、速やかに送電を開始することができる。なお、誤接続の可能性を低減するために、S608の処理を省略し、全ての受電装置からadvertiseパケットを複数回受信したことをもって通信接続対象および送電対象を決定する構成としてよい。
S610において通信対象候補と受信した信号の送信元とが一致しないと判定した場合、S609において、制御部205は、受信したadvertiseパケットの送信元である受電装置を通信接続対象候補として設定する。なお、S610の判定に応じてS609の処理を行う場合、既に設定していた通信接続対象候補(S610の判定に用いた通信接続対象候補)は、自装置の検出用送電に対して応答しなかったということとなる。したがって、S610の判定に応じてS609の処理を行う場合、既に設定していた通信接続対象候補を非接続対象として設定し直す。即ち、通信接続対象候補として設定された受電装置から、次の検出用送電に対応する期間に続けて応答信号を受信した場合、通信接続対象と設定し、次の検出用送電に対応する期間には応答信号を受信しなかった場合、非接続対象として設定し直す。なお、検出用送電に対応する期間外に通信接続対象候補として設定された受電装置から応答信号を受信した場合も同様に該受電装置を非接続対象として設定し直す。
S609の処理を終えると、制御部205は、検出用送電を行ってからS501において設定した周期の1周期分の時間が経過したかを判定する(S612)。S612において、制御部205は、設定した周期の1周期分の時間が経過したと判定した場合、一定期間経過後かつ1周期分の時間経過前に受電装置からadvertiseパケットを受信したかを判定する(S613)。一定期間経過後かつ1周期分の時間経過前に受信したadvertiseパケットは、自装置の検出用送電に対する応答ではないと判定できる。したがって、一定期間経過後かつ1周期分の時間経過前にadvertiseパケットを受信した場合、S605と同様に、制御部205は、受信したadvertiseパケットの送信元を非接続対象として設定する(S614)。
図4のシーケンスチャートにおいて、第1送電装置101は、F319において、第2受電装置106からadvertiseパケットを受信する。第1送電装置101は、F313における検出用送電開始から一定期間経過後かつ1周期分の時間経過前に、既に通信接続対象候補として設定した第2受電装置106からadvertiseパケットを受信する。したがって、第1送電装置101は、第2受電装置106を非接続対象とし、通信接続および送電を行わないと判断することができる。同様に、第2送電装置105は、F316において、第1受電装置102からadvertiseパケットを受信するが、一定期間経過後かつ1周期分の時間経過前であるので、第1受電装置102を非接続対象とする。S614の処理が終了した場合、及び、S613においてadvertiseパケットの受信がないと判定した場合、再びS601からの処理を繰り返す。
再び、図5のフローチャートに送電装置201の動作の説明を戻す。図6に示した検出フェーズにおいて決定された接続対象受電装置がある場合(S503)、通信部204は、当該受電装置に対し接続要求を送信する(S504)。所定の時間内に接続要求に対する応答が受信できれば無線通信接続が確立し、受電装置との間で確立した通信により互いの能力情報、電力伝送に必要な情報を通信する(S505、S506)。そして、送電部202は、無線電力伝送を開始する(S507)。制御部205は、通信部204から受電装置から送電停止の要求を受信し場合、または、送電のエラーを検出した場合、送電を停止すると判定する(S508)。送電を停止すると判定した場合、送電部202は、送電を停止し、S502の検出フェーズからの処理を再び実行する。なお、送電装置201は、電源が停止された場合、処理を終了する(S510)。なお、S510の判定は、S509の後に行うものとしたが、処理中のどのタイミングで判定されてもよい。
次に、検出用送電タイミングとadvertiseパケットの送信タイミングとを図7を用いて説明する。図3は、第1受電装置102が第1送電装置101に置かれ、第2受電装置106が第2送電装置105に置かれた以降について検出用送電タイミングとadvertiseパケットの送信タイミングとを示す図である。時間T0において、第1送電装置101と第2受電装置105との検出用送電が同時に開始する。T1からT2までの一定期間以内に、検出用送電を受けた第1受電装置102と第2受電装置106とがadvertiseパケットを送信する。第1受電装置102が送信したadvertiseパケットは、第1送電装置101と第2送電装置105とにより受信される。この場合、第1送電装置101と第2送電装置105とは、夫々第1受電装置102と第2受電装置106とを通信接続対象候補として設定する。
続いて、第1送電装置101は、時間T0における検出用送電から周期t1経過後(時間T3)において、再度検出用送電を行う。第1送電装置101の検出用送電後のT4からT5までの一定期間以内に第1送電装置101の検出用送電を受信した第1受電装置102 はadvertiseパケットを送信する。第1受電装置102が送信したadvertiseパケットは、第1送電装置101と第2送電装置105とにより受信される。しかしながら、この場合の第1受電装置102が送信したadvertiseパケットを第2送電装置105が受信したタイミングは、自装置が送電した検出用送電後の一定期間以内ではない。したがって、第2送電装置105は、第1受電装置102を非接続対象として設定する。また、第1送電装置101は、複数回自装置が送電した検出用送電後の夫々の一定期間以内に第1受電装置102からadvertiseパケットを受信したので、第1受電装置102を通信接続対象とすることを決定する。
続いて、第2送電装置105は、時間T0における検出用送電から周期t2経過後(時間T6)において、再度検出用送電を行う。第2送電装置105の検出用送電後のT7からT8までの一定期間以内に第2送電装置105の検出用送電を受信した第2受電装置106はadvertiseパケットを送信する。第2受電装置106が送信したadvertiseパケットは、第1送電装置101と第2送電装置105とにより受信される。しかしながら、この場合の第2受電装置106が送信したadvertiseパケットを第1送電装置101が受信したタイミングは、第1送電装置101が送電した検出用送電後の一定期間以内ではない。したがって、第1送電装置101は、第2受電装置106を非接続対象として設定する。また、第2送電装置105は、複数回自装置が送電した検出用送電後の夫々の一定期間以内に第2受電装置106からadvertiseパケットを受信したので、第2受電装置106は通信接続対象とすることを決定する。
以上説明したように、本実施形態の送電装置は、検出用送電に対する応答信号を受電装置から1回受信しただけなく、複数回受信したことにより該受電装置と通信接続するための通信確立フェーズに移行する。即ち、複数回の検出用送電の夫々に対応する期間において受信した複数の応答に共通の送信元である受電装置に対して無線電力伝送を行うための通信接続要求を送信する。
これにより、複数の送電装置間の通信範囲が重複する環境において該複数の送電装置の検出用送電が同時期に実行され、夫々の検出用送電に対して複数の受電装置が応答した場合であっても適切な装置間で無線電力伝送のための通信接続を確立することができる。したがって、送電装置の送電範囲外にいる受電装置と誤って通信接続し、誤った装置間で無線電力伝送を行うための通信が行われるというような不具合を低減することが出来る。
(その他の実施形態)
また、本実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置の一つまたは複数のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。