JP6372201B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に係り、特に、平滑化に用いるコンデンサの容量を小型化する技術に関する。
従来、絶縁型DC/DCコンバータとインバータ回路により構成された電力変換装置において、DC/DCコンバータの出力側に設けられる平滑用のコンデンサ容量を低減するために、DC/DCコンバータより出力する電圧をフィードフォワード制御することが提案されている。この制御では、負荷に供給する電圧を測定し、更にDC/DCコンバータの出力電圧パターンを参照して、目標出力電圧を推定し、この目標出力電圧を出力するように、DC/DCコンバータをフィードフォワード制御する(例えば、特許文献1)。
特開2013−59200号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来例は、参照する出力電圧パターンとは異なる電圧が出力された場合には、DC/DCコンバータの出力電圧が不安定になり、所望する電圧を出力できなくなる。このため、DC/DCコンバータの出力側に設けられる平滑用のコンデンサの容量を小型化することが難しいという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、DC/DC回路の出力電圧を高精度に制御し、平滑用コンデンサの容量を小型化することが可能な電力変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明は、直流電源より供給される電圧を変換する絶縁型のDC/DC回路と、DC/DC回路の出力電圧を交流電圧に変換し、PWM制御により駆動が制御されるHブリッジ回路またはハーフブリッジ回路からなる電圧型のインバータ回路を備える。そして、インバータ回路の出力電流、及びインバータ回路の変調率からインバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいてDC/DC回路の駆動を制御する。
本発明に係る電力変換装置では、インバータ回路の出力電流、及びインバータ回路の駆動制御信号からインバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいてDC/DC回路の駆動を制御する。従って、DC/DC回路の出力電流の変化を抑制でき、且つ高周波成分を低減できるので、平滑用コンデンサの容量を小型化することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の、DC/DC回路制御部、及びインバータ回路制御部の構成を示すブロック線図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の、DC/DC回路の出力電流、インバータ回路の出力電流、及びその他の電流の変化を示す波形図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の、コンデンサC2に流れる電流の変化を示す波形図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の、インバータ回路の入力側及び出力側の電流、電圧を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の、各相のDC/DC回路の出力電流、インバータ回路の出力電流、及びその他の電流の変化を示す波形図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の、各相のインバータ回路の出力電流及びそれらの合計電流の波形を示す波形図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の、DC/DC回路制御部の構成を示すブロック線図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の、インバータ回路制御部の構成を示すブロック線図である。 本発明の第3実施形態に係り、PI制御器の周波数とゲインとの関係を示す特性図である。 本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 本発明の第4実施形態の変形例に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置に用いられるDC/DC回路の変形例を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置に用いられるDC/DC回路の変形例を示す回路図である。 本発明に係る電力変換装置に用いられるDC/DC回路の変形例を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、電力変換装置100は、直流電源13(例えば、バッテリ)より供給される直流電圧を異なる直流電圧に変換する絶縁型のDC/DC回路11と、該DC/DC回路11より出力される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路12と、を備えている。更に、DC/DC回路11の駆動を制御するDC/DC回路駆動回路14と、インバータ回路12の駆動を制御するインバータ回路駆動回路15と、各駆動回路14,15に制御信号を出力する主制御部16(制御部)と、を備えている。
DC/DC回路11は、デュアルアクティブブリッジ型(DAB型)で、絶縁トランスTR1を備えている。即ち、一次側ブリッジ回路21と、二次側ブリッジ回路22を有し、各ブリッジ回路21,22は、絶縁トランスTR1を介し、絶縁されて結合されている。
各ブリッジ回路21,22は、4個の半導体スイッチを備えており、DC/DC回路駆動回路14より出力される駆動信号により、各半導体スイッチのオン、オフを切り替えて、直流電圧を交流電圧に変換する。なお、図1では、半導体スイッチの一例としてMOSFETを示しているが、IGBT等の他の半導体スイッチを用いることもできる。
一方、二次側ブリッジ回路22も同様に、4個の半導体スイッチ(例えば、MOSFET)を備えており、DC/DC回路駆動回路14より出力される駆動信号により、各半導体スイッチのオン、オフを切り替えて、交流電圧を直流電圧に変換する。そして、周知のように、一次側ブリッジ回路21と二次側ブリッジ回路22との間の位相シフト量δを変更することにより、一次側ブリッジ回路21から二次側ブリッジ回路22に伝達される電力を制御することができる。
一次側ブリッジ回路21の入力側には、平滑用のコンデンサC1が設けられ、二次側ブリッジ回路22の出力側にもやはり平滑用のコンデンサC2が設けられている。また、コンデンサC1の両端電圧(V1)を測定する一次側電圧計25、及びコンデンサC2の両端電圧(V2)を測定する二次側電圧計26が設けられている。
インバータ回路12は、例えばHブリッジ回路からなる電圧型インバータ回路であり、4個の半導体スイッチ(例えば、MOSFET)を備えている。そして、インバータ回路駆動回路15より出力される駆動信号により、各半導体スイッチのオン、オフを切り替えて、DC/DC回路11より出力される直流電圧を、所望する振幅及び周波数の交流電圧に変換する。この交流電圧は、交流負荷17に出力される。交流負荷17は、例えば交流モータであり、インバータ回路12より出力される交流電力が供給されて駆動する。また、インバータ回路12の出力側には、該インバータ回路12より出力される出力電流I1を測定する電流計27が設けられている。なお、インバータ回路12は、Hブリッジ回路に限定されるものではなく、例えばハーフブリッジ回路を用いることも可能である。
主制御部16は、DC/DC回路駆動回路14に駆動用の制御信号を出力するDC/DC回路制御部23と、インバータ回路駆動回路15に駆動用の制御信号を出力するインバータ回路制御部24と、を備えている。
DC/DC回路制御部23は、一次側電圧計25で検出される一次側ブリッジ回路21の入力電圧V1、二次側電圧計26で検出される二次側ブリッジ回路22の出力電圧V2、及び電流計27で検出されるインバータ回路12の出力電流I1が入力される。そして、後述する演算により、DC/DC回路駆動回路14に出力する駆動用の制御信号(具体的には、後述する位相シフト量δを含むオン、オフ信号)を演算する。
インバータ回路制御部24は、上記の入力電圧V1、出力電圧V2が入力され、更に、外部より、電流指令値Irefが入力される。そして、インバータ回路駆動回路15に出力する駆動用の制御信号、具体的には、各半導体スイッチのオン、オフ信号を演算する。
図2は、DC/DC回路制御部23、及びインバータ回路制御部24の詳細な構成を示すブロック線図である。図2に示すように、DC/DC回路制御部23は、目標電圧Vrefと、二次側電圧計26で測定される出力電圧V2と、の偏差を演算する減算器31を備えている。更に、減算器31より出力される偏差をフィードバック信号として入力し、PI制御により位相シフト量の基準値δpiを演算するPI制御器32を備えている。
また、電流計27で検出されるインバータ回路12の出力電流I1に、インバータ回路制御部24より出力される変調率m(詳細は後述する)を乗じる乗算器34と、該乗算器34の乗算結果(I1*m)と、一次側電圧計25で検出された入力電圧V1に基づき、フィードフォワード制御により、位相シフト量の補正値δFFを演算するフィードフォワード演算器35と、を備えている。
更に、PI制御器32より出力される基準値δpiに、フィードフォワード演算器35より出力される補正値δFFを加算して、位相シフト量δを演算する加算器33を備えている。また、位相シフト量δに基づいて、DC/DC回路11に設けられる各半導体スイッチ駆動用のオン、オフ信号を出力するゲートパルス発生器36を備えている。
一方、インバータ回路制御部24は、外部より入力される電流指令値Irefと電流計27で検出される出力電流I1との偏差を演算する減算器37と、該減算器37で演算された偏差をフィードバック信号とし、PI制御によりインバータ回路12の出力目標となる出力電圧Voutを求めるPI制御器38と、を備えている。更に、PI制御器38より出力される出力電圧Voutと、一次側電圧計25で測定された入力電圧V1との除算を行い、変調率mを演算する除算器39を備えている。また、該除算器39で演算された変調率mに基づいて、インバータ回路12に設けられる各半導体スイッチ制御用のPWM信号を生成し、各半導体スイッチのオン、オフ信号を出力するPWM発生器40を備えている。また、除算器39で演算された変調率mは、上述したDC/DC回路制御部23の乗算器34に出力される。即ち、乗算器34は、電流計27で検出された出力電流I1に除算器39で演算された変調率mを乗じる演算を行う。
次に、図2に示したフィードフォワード演算器35にて、位相シフト量の補正値δFFを演算する処理を詳細に説明する。位相シフト量の補正値δFFは、下記の(1)式で演算できることが知られている。
Figure 0006372201
(1)式において、fcはDC/DC回路11のスイッチング周波数、LσはDC/DC回路11に設けられる絶縁トランスTR1の漏れインダクタンスである。また、I2はインバータ回路12の入力電流(DC/DC回路11より出力される電流)を示し、「sgn」はシグナム関数を示す。
(1)式より、電圧V1、及び電流I2が分かれば、位相シフト量の補正値δFFを求められることが理解される。そして、補正値δFFを演算し、これを基準値δpiに加算することにより位相シフト量δを求め(図2の加算器33参照)、この位相シフト量δとなるように、DC/DC回路11の各ブリッジ回路21,22を制御すれば、DC/DC回路11の出力電圧V2が、交流負荷17で必要とする電力に適した電圧となるように、フィードフォワード制御される。
ここで、(1)式に示す入力電圧V1は、一次側電圧計25で検出される電圧値を用いることができる。これに対し、DC/DC回路11より出力される電流I2(図1に示す点P1に流れる電流)を検出するためには、高精度な電流計をDC/DC回路11とインバータ回路12の間に設ける必要がある。この場合、コスト的な問題及び設置スペースの制約から、現実的には電流I2を測定するための電流計を点P1の位置に搭載することは難しい。
本実施形態では、以下に示す演算で電流I2を推定することにより、点P1に流れる電流を検出するための電流計の設置を不要とする。以下、図3に示す特性図を参照して詳細に説明する。
図3の曲線S1は、インバータ回路12の出力電流I1(電流計27で検出される電流)の変化を示し、曲線S2は、DC/DC回路11の出力電流(図1に示す点P1に流れる電流)の変化(瞬時値)を示している。そして、本実施形態では、出力電流I1とインバータ回路12の変調率mを使用し、下記の(2)式により、電流I2の推定値I2*(以下、「推定電流I2*」という)を演算する。
I2*(t)=I1(t)・m(t) …(2)
(2)式により求められる推定電流I2*(t)は、図3の曲線S3に示すように、DC/DC回路11の出力電流(曲線S2)の1/2の周期(周波数が2倍)となる波形となり、曲線S2で示される瞬時値を一定の時間間隔で平均した数値となっている。なお、上記の(2)式が成立する理由については、後述する。
従って、上記(2)式により、推定電流I2*を求めることができ(即ち、電流I2を推定することができ)、これをDC/DC回路11の電流I2として用いることができる。更に、一次側電圧計25より一次側電圧V1を取得できるので、これらの数値を上述した(1)式に代入することにより、位相シフト量の補正値δFFを算出できる。そして、図2に示したフィードフォワード演算器35は、この補正値δFFを出力する。
以下、上述した(2)式が成立する理由について、図5に示す回路図を参照して説明する。図5は、インバータ回路12の構成を示しており、入力電圧をVin、入力電流をIin、出力電圧をVac、出力電圧をIacとしている。入力電力Pinと出力電力Poutとの間で下記の(3)式が成立する。
Pin(t)=Pout(t)=Vin(t)・Iin(t)=Vac(t)・Iac(t)
=m(t)・Vin(t)・Iac(t) …(3)
従って、(3)式より、下記の(4)式が得られる。
Iin(t)=m(t)・Iac(t) …(4)
そして、(4)式により、上述した(2)式が成立することが理解される。
次に、図1に示した平滑用コンデンサC2に供給される電流変化について説明する。図4に示す曲線S4は、図3の曲線S2に示した出力電流の瞬時値から、フィードフォワード演算器35で演算された推定電流I2*を減算した電流変化を示している。曲線S4に示す電流は、主として高周波成分であり低周波成分はほとんど含まれていない。この低周波成分の少ない電流がコンデンサC2により平滑化されることになるので、コンデンサC2の容量を大きくする必要がない。即ち、コンデンサC2の容量を小型化することが可能になる。
次に、第1実施形態に係る電力変換装置100の作用について説明する。電力変換装置100の作動が開始されると、DC/DC回路駆動回路14により、一次側ブリッジ回路21、及び二次側ブリッジ回路22の各半導体スイッチがオン、オフ制御され、直流電源13より供給される直流電圧が所望のレベルの直流電圧に変換される。そして、この直流電圧は、インバータ回路12に供給される。
インバータ回路駆動回路15は、インバータ回路12に設けられる各半導体スイッチのオン、オフを制御し、DC/DC回路11より出力される直流電圧を交流電圧に変換し、変換後の交流電圧をモータ等の交流負荷17に供給し、該交流負荷17を駆動させる。
DC/DC回路制御部23は、一次側電圧計25より入力電圧V1を取得し、更に、二次側電圧計26より出力電圧V2を取得する。また、インバータ回路制御部24より出力される変調率mを取得する。そして、該変調率mを用いてフィードフォワード制御を実行し、位相シフト量の補正値δFFを求める。具体的には、前述した(1)式の演算により、補正値δFFを求める。そして、図2に示した加算器33にて、基準値δpiと補正値δFFを加算して、位相シフト量δを算出する。ゲートパルス発生器36は、この位相シフト量δにより、DC/DC回路11に設けられる各半導体スイッチのオン、オフを制御する。こうすることにより、DC/DC回路11より出力される電流を、図4の符号S4に示すように、低周波成分を含まない、或いは低周波成分が極めて少ない電流とすることができる。
インバータ回路制御部24は、外部より入力される電流指令値Iref、及び電流計27で検出される出力電流I1、及び入力電圧V1を取得し、除算器39にて変調率mを演算する。この変調率mは、PWM発生器40に出力され、該PWM発生器40は、変調率mを用いてインバータ回路12に設けられる各半導体スイッチの駆動制御信号をインバータ回路駆動回路15に出力する。
このようにして、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置100では、インバータ回路12の出力電流I1、及び該インバータ回路12を制御する際の変調率mに基づいて、前述した(2)式により、DC/DC回路11より出力される電流I2を推定する。即ち、推定電流I2*を求める。そして、該推定電流I2*と一次側電圧計25で検出される電圧V1に基づき、前述した(1)式により位相シフト量の補正値δFFを演算する。
この補正値δFFに基づいて位相シフト量δを求め、該位相シフト量δを用いてDC/DC回路11に設けられる各半導体スイッチのオン、オフを制御する。従って、インバータ回路12の出力電流I1に応じてDC/DC回路11の出力電流を制御することができ、電流I2の変動を抑制でき、且つ電流I2の低周波成分を低減できる。その結果、DC/DC回路11の出力側に設けられるコンデンサC2の容量を小型化でき、装置の低コスト化、省スペース化を図ることが可能となる。
また、インバータ回路12としてHブリッジ回路を使用し、更に、インバータ回路12を駆動する信号として、変調率mを用いており、変調率mは、インバータ回路制御部24で通常に使用されているデータであり、このデータをそのまま利用できるので、複雑な演算処理を実行する必要がない。
また、DC/DC回路11としてDAB型の回路を用いているので、ソフトスイッチングが可能となり、電力の変換効率を向上させることができる。更に、DAB型のDC/DC回路11の一次側電圧の測定値V1と、入力電流の電流指令値Irefを用いて、DC/DC回路11の位相シフト量δを制御するので、直流電源13の出力電圧が変化した場合でも、安定した電圧を出力することが可能となる。
また、DC/DC回路11の絶縁トランスTR1の一次側巻線と二次側巻線との比率が「n」である場合には、DC/DC回路11の二次側電圧V2が「一次側電圧/n」となるようにPI制御すればよい。こうすることにより、ソフトスイッチングの実現領域が広がり、より一層効率を向上させることが可能となる。
更に、PI制御器32の制御周波数の周波数帯域を、インバータ回路12のスイッチングの周波数(図12のスイッチング周波数f3参照)よりも低くすれば、インバータ回路12の入力電流の高調波成分をDC/DC回路11が供給する必要がなくなる。従って、DC/DC回路11の一次側の電圧を安定化させることができる。
なお、本実施形態では「インバータ回路12を駆動する信号」として、変調率mを用いたが、それ以外の信号を用いることも可能である。
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図6に示す電力変換装置101は、図1に示した電力変換装置100を、3相交流で作動する負荷に適用したものである。即ち、図1に示した電力変換装置100と同一の構成を有する第1の電力変換回路Ku、第2の電力変換回路Kv、及び第3の電力変換回路Kwを用意し、これらを並列に接続して3相交流電圧を生成する。この際、各電力変換回路Ku,Kv,Kwについての共通の電源として、直流電源E1を用いている。
第1の電力変換回路KuはU相の電圧を出力し、第2の電力変換回路KvはV相の電圧を出力し、第3の電力変換回路KwはW相の電圧を出力する。各電力変換回路Ku、Kv、Kwより出力される電流は、それぞれ位相が120°ずれている。
図7(a)、(b)、(c)は、それぞれ、U相、V相、W相の電流変化を示す特性図であり、図3に示した特性図と対応している。即ち、図7に示す曲線S1a、S1b、S1cは、各相(U相、V相、W相)のインバータ回路12の出力電流I1を示し、曲線S2a,S2b,S2cは、各相のDC/DC回路11の出力電流の瞬時値を示し、曲線S3a,S3b,S3cは、各相の電流I2の推定値を示している。従って、各電力変換回路Ku,Kv,Kwのインバータ回路12に流れる電流を合計すると、図8の符号S5に示すように、ほぼ一定の電流となる。このため、各電力変換回路Ku,Kv,KwのDC/DC回路11の入力側に設けられる平滑用のコンデンサC1u,C1v,C1wに流れる電流が低減されるので、各コンデンサ容量を低減することが可能となる。
このようにして、第2実施形態に係る電力変換装置101では、3相交流電圧を生成する電力変換回路Ku,Kv,Kwの電源として、唯一の直流電源E1を用いるので、各電力変換回路Ku,Kv,Kwの一次側電流の交流成分が相殺される。従って、直流電源E1より供給される電流のリプルが低減し、ひいては一次側のコンデンサC1の容量を低減することが可能となる。その結果、装置の低コスト化、省スペース化を図ることができる。
[第3実施形態の説明]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係る電力変換装置102の構成を示す回路図であり、前述した第2実施形態と同様に3系統の電力変換回路Ka,Kb,Kcを備えている。即ち、各電力変換回路Ka,Kb,Kcは、それぞれ図1に示した電力変換装置100と同一構成のDC/DC回路、及びインバータ回路を備えている。そして、各電力変換回路Ka,Kb,Kcにより3相交流電圧を生成して、三相交流モータM1の駆動を制御する。
電力変換装置102は、各電力変換回路Ka,Kb,Kcで共通の主制御部50を備えており、主制御部50は、DC/DC回路制御部51、及びインバータ回路制御部52を備えている。
DC/DC回路制御部51は、各系統の電力変換回路Ka,Kb,Kcにそれぞれ設けられたDC/DC回路駆動回路14a,14b,14cにそれぞれ制御信号を出力する。インバータ回路制御部52は、各系統の電力変換回路Ka,Kb,Kcにそれぞれ設けられたインバータ回路駆動回路15a,15b,15cにそれぞれ制御信号を出力する。
DC/DC回路駆動回路14a,14b,14c、及びインバータ回路駆動回路15a,15b,15cについては、前述した図1の符号14,15と同一構成であるので、詳細な説明を省略する。
次に、DC/DC回路制御部51、及びインバータ回路制御部52の詳細な構成を、図10,図11を参照して説明する。図10は、DC/DC回路制御部51の詳細な構成を示すブロック線図である。図10に示すように、DC/DC回路制御部51は、図2に示したDC/DC回路制御部23を3系統備えている。そして、同一構成要素については、それぞれサフィックスa,b,cを付して示している。
これに加えて、第3実施形態に係るDC/DC回路制御部51は、ローパスフィルタ61と、三相交流モータM1(図9参照)の位相角θに「−2」を乗じる乗算器62,67と、3相交流電圧をd軸q軸の2軸電圧に変換する3相/dq変換器63と、PI制御器64,65と、d軸q軸の2軸電圧を3相電圧に変換するdq/3相変換器66、及び減算器68,69を備えている。
ローパスフィルタ61は、各DC/DC回路11a,11b,11cのそれぞれの出力電圧V2a,V2b,V2cに含まれる低周波成分のみを通過させるフィルタである。従って、各電圧V2a,V2b,V2cは、減算器にてローパスフィルタ61の出力信号が減算されて(即ち、低周波成分が除去されて)3相/dq変換器63に供給される。
3相/dq変換器63は、三相交流モータM1の位相角θの−2倍の角度「−2θ」に基づき、低周波成分が除去された3相交流電圧をd軸,q軸の2軸電圧V2d,V2qに変換し、減算器68,69にて、V2dの目標値V2dref(=0)との偏差、及びV2qの目標値V2qref(=0)との偏差が演算される。
PI制御器64,65は、減算器68,69より出力された各偏差をPI制御により位相シフト量に変換し、変換後の位相シフト量をdq/3相変換器66に出力する。該dq/3相変換器66は、乗算器67より出力される「−2θ」に基づいて、dq軸の位相シフト量を3相に変換し、各相(a相、b相、c相)の位相シフト量の補正値δdqa、δdqb、δdqcを生成する。そして、各補正値δdqa,δdqb,δdqcを加算器81a,81b,81cにそれぞれ出力する。各加算器81a,81b,81cでは、前段で算出された位相シフト量にそれぞれ補正値δdqa,δdqb,δdqcを加算して、位相シフト量δa,δb,δcを生成し、ゲートパルス発生器36に出力する。従って、各位相シフト量δa,δb,δcはそれぞれのDC/DC回路駆動回路14a,14b,14cに出力されることになる。
次に、図11を参照して、インバータ回路制御部52の詳細な構成について説明する。図11に示すように、インバータ回路制御部52は、図9に示した各電流計27a,27b,27cで検出された電流、即ち、3相電流I1a,I1b,I1cを、三相交流モータM1の位相角θに基づいてd軸,q軸の電流に変換する3相/dq変換器71を備えている。また、q軸、d軸のリアクタンス成分ωLq,ωLdをそれぞれ乗じる乗算器76,77と、PI制御器74,75と、d軸,q軸電圧を位相角θに基づいて3相交流電圧Vouta,Voutb,Voutcに変換するdq/3相変換器72と、を備えている。更に、各電圧Vouta,Voutb,Voutcを電圧V1で除して各相毎の変調率ma,mb,mcを求める除算器78a,78b,78c、及び各変調率ma,mb,mcを用いて、各インバータ回路12a,12b,12cに設けられる半導体スイッチのオン、オフ信号を出力するPWM発生器73と、を備えている。
そして、第3実施形態に係る電力変換装置102では、3系統の電力変換回路Ka,Kb,K3を備え、それぞれ位相が120°ずつ異なる3相交流を用いているので、三相交流モータM1の駆動を高精度に制御することができる。
また、DC/DC回路制御部51は、相電流の周波数の2倍の周波数を基準とした、dq制御軸を設定し、その制御軸上でDC/DC回路11a,11b,11cの二次側電圧変動の基本波成分をdq軸電圧指令値をゼロで制御することにより、二次側電圧変動分の基本波成分がより一層低減される。その結果、DC/DC回路11a,11b,11cの出力側に設けられる各コンデンサ(図1に示したC2に対応するコンデンサ)の負担が軽減されるので、コンデンサ容量の小型化に寄与することができる。
また、3相交流電圧を生成する場合には、各インバータ回路12a,12b,12cの入力電流(リップル電流)の基本波成分のみを、各DC/DC回路11a,11b,11cから各インバータ回路12a,12b,12cに供給する構成とすれば、各DC/DC回路11a,11b,11cの一次側で基本波成分がキャンセルされる。このため、各DC/DC回路11a,11b,11cの入力側コンデンサC1の容量を低減化することができる。
更に、フィードフォワード項とdq制御により出力される位相シフト量δは、基本波成分のみを正確にDC/DC回路11a,11b,11cから出力するので、その機能を最大限に有効化することで、3相によるキャンセル効果を確実に得ることができる。
この際、PI制御器64,65は、DC/DC回路の二次側の電圧変動をそのままフィードバックするので、基本波成分を乱す場合がある。入力側コンデンサC1によるキャンセル効果を最大限得るために、PI制御器64,65での制御の周波数帯域は、相電流周波数の最大値(最大周波数)f2以下、好ましくは、相電流周波数の中央値f1以下とするのが望ましい。こうすることにより、図12に示す特性図に示すように、ゲインの高い周波数帯域でのPI制御が可能となり、入力電圧の基本波成分を乱すという問題を低減することができる。
また、主制御部50は、各インバータ回路12a,12b,12cの、出力電流周波数の2倍の周波数を基準としたdq軸制御を実行するdq軸制御器(3相/dq変換器63、dq/3相変換器66)を含んでいる。そして、dq軸制御器は、各電力変換回路に含まれるDC/DC回路の二次側電圧をフィードバック信号として取得し、d軸,q軸指令値をゼロとし、このフィードバック信号に基づいてフィードバック制御する。従って、残存する二次側電圧変動の基本波成分を更に低減できるので、平滑用コンデンサの容量をより一層小型化することができる。
[第4実施形態の説明]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図13は、第4実施形態に係る電力変換装置103の構成を示す回路図である。図13に示すように、第4実施形態に係る電力変換装置103は、一つの相について、複数の電力変換回路を設置し、これらを互いに直列に接続している。即ち、U相について、n個の電力変換回路Ku1,Ku2,・・Kunを直列接続し、V相について、n個の電力変換回路Kv1,Kv2,・・Kvnを直列接続し、更に、W相について、n個の電力変換回路Kw1,Kw2,・・Kwnを直列接続する。また、各電力変換回路は、共通の直流電源E1に接続されている。
そして、このような構成とすることにより、入力電圧に対して昇圧するだけでなく、出力電圧をマルチレベル化することができるので、出力電圧に生じる高調波成分を低減することが可能となる。
[第4実施形態の変形例の説明]
図14は、第4実施形態の変形例に係る電力変換装置104の構成を示す回路図である。図14に示すように、変形例に係る電力変換装置104は、前述した図13に示した電力変換装置103と対比して、各相毎にn個設置された電力変換回路のそれぞれに対して個別の直流電源を備えている。即ち、図14に示すように、電力変換回路Ku1,Kv1,Kw1に対して直流電源E21が設けられ、電力変換回路Ku2,Kv2,Kw2に対して直流電源E22が設けられ、更に、電力変換回路Kun,Kvn,Kwnに対して直流電源E2nが設けられている。
そして、このような構成とすることにより、定電圧電源から高電圧を出力することが可能となり、その出力をマルチレベル化できるため、出力電圧に生じる高調波成分を低減することができる。
[変形例の説明]
次に、本発明の変形例について説明する。図15は、DC/DC回路11の第1の変形例を示す回路図であり、半導体スイッチとしてMOSFETを使用しており、更に、各MOSFETは内蔵出力容量Q1を有している。そして、この内蔵出力容量Q1により、ソフトスイッチングが可能となりリプル電流を低減することができる。
図16は、DC/DC回路11の第2の変形例を示す回路図であり、半導体スイッチとしてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いている。更に、各IGBTに対して並列にコンデンサQ2が設けられている。このような構成とすることにより、ソフトスイッチングが可能となりリプル電流を低減することができる。
更に、デュアルアクティブブリッジ型のDC/DC回路11を、図17(a)〜(d)に示す回路とすることができる。図17(a)は、LC直列共振型とした場合を示し、図17(b)は、LLC直列共振型とした場合を示し、図17(c)は、LCC直列共振型とした場合を示し、図17(d)は、LC並列共振型とした場合を示している。
そして、このような構成のDC/DC回路を用いた場合でも上記と同様の効果を達成することができる。
以上、本発明の電力変換装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
11,11a,11b,11c DC/DC回路
12,12a,12b,12c インバータ回路
13 直流電源
14,14a,14b,14c DC/DC回路駆動回路
15,15a,15b,15c インバータ回路駆動回路
16 主制御部
17 交流負荷
21 一次側ブリッジ回路
22 二次側ブリッジ回路
23 DC/DC回路制御部
24 インバータ回路制御部
25 一次側電圧計
26 二次側電圧計
27,27a,27b,27c 電流計
31 減算器
32 PI制御器
33 加算器
34 乗算器
35 フィードフォワード演算器
36 ゲートパルス発生器
37 減算器
38 PI制御器
39 除算器
40 PWM発生器
50 主制御部
51 DC/DC回路制御部
52 インバータ回路制御部
61 ローパスフィルタ
62 乗算器
63 3相/dq変換器
64,65 PI制御器
66 dq/3相変換器
67 乗算器
68,69 減算器
71 3相/dq変換器
72 dq/3相変換器
73 PWM発生器
74,75 PI制御器
76,77 乗算器
78a,78b,78c 除算器
81a,81b,81c 加算器
100,101,102,103,104 電力変換装置
TR1 絶縁トランス

Claims (9)

  1. 直流電源より供給される電圧を変換する絶縁型のDC/DC回路と、
    前記DC/DC回路の出力電圧を交流電圧に変換し、PWM制御により駆動が制御されるHブリッジ回路またはハーフブリッジ回路からなる電圧型のインバータ回路と、
    前記インバータ回路の出力電流、及び前記インバータ回路の変調率を取得し、前記出力電流、及び変調率から前記インバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいて、前記DC/DC回路の駆動を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記DC/DC回路は、デュアルアクティブブリッジ型であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記デュアルアクティブブリッジ型のDC/DC回路の一次側電圧を検出する一次側電圧計を更に備え、
    前記制御部は、前記一次側電圧と、前記入力電流の目標値に基づいて、前記DC/DC回路の位相シフト量を演算し、該位相シフト量により前記DC/DC回路を制御すること
    を特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記DC/DC回路は、一次側ブリッジ回路と二次側ブリッジ回路が絶縁トランスを介して結合する構成を有し、
    前記制御部は、前記DC/DC回路の二次側電圧と目標電圧との偏差に応じてPI制御により位相シフト量の基準値を演算するPI制御器を備え、
    前記PI制御器は、前記絶縁トランスの一次側巻線と二次側巻線との比率をnとしたとき、前記DC/DC回路の二次側電圧が、「一次側電圧/n」となるようにPI制御すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 直流電源より供給される電圧を変換する絶縁型のDC/DC回路と、
    前記DC/DC回路の出力電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、
    前記インバータ回路の出力電流、及び前記インバータ回路の駆動制御信号を取得し、前記出力電流、及び駆動制御信号から前記インバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいて、前記DC/DC回路の駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記DC/DC回路は、一次側ブリッジ回路と二次側ブリッジ回路が絶縁トランスを介して結合する構成を有し、
    前記制御部は、前記DC/DC回路の二次側電圧と目標電圧との偏差に応じてPI制御により位相シフト量の基準値を演算するPI制御器を備え、
    前記PI制御器は、前記絶縁トランスの一次側巻線と二次側巻線との比率をnとしたとき、前記DC/DC回路の二次側電圧が、「一次側電圧/n」となるようにPI制御し、
    前記PI制御器の制御周波数の周波数帯域は、前記インバータ回路に含まれる各スイッチのスイッチング周波数よりも低いこと
    を特徴とする電力変換装置。
  6. 直流電源より供給される電圧を変換する絶縁型のDC/DC回路と、
    前記DC/DC回路の出力電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、
    前記インバータ回路の出力電流、及び前記インバータ回路の駆動制御信号を取得し、前記出力電流、及び駆動制御信号から前記インバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいて、前記DC/DC回路の駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記DC/DC回路と前記インバータ回路の組み合わせからなる電力変換回路を複数相分備え、各DC/DC回路は、唯一の直流電源より電圧が供給され、
    前記制御部は、各DC/DC回路について、それぞれ二次側電圧と目標電圧との偏差に応じてPI制御により位相シフト量の基準値を演算するPI制御器を備え、
    前記各PI制御器の制御周波数の周波数帯域は、前記各電力変換回路に含まれるインバータ回路の出力電流の最大周波数よりも低いこと
    を特徴とする電力変換装置。
  7. 直流電源より供給される電圧を変換する絶縁型のDC/DC回路と、
    前記DC/DC回路の出力電圧を交流電圧に変換するインバータ回路と、
    前記インバータ回路の出力電流、及び前記インバータ回路の駆動制御信号を取得し、前記出力電流、及び駆動制御信号から前記インバータ回路の入力電流を推定し、推定した入力電流に基づいて、前記DC/DC回路の駆動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記DC/DC回路と前記インバータ回路の組み合わせからなる電力変換回路を複数相分備え、各DC/DC回路は、唯一の直流電源より電圧が供給され、
    前記制御部は、前記各インバータ回路の、出力電流周波数の2倍の周波数を基準としたdq軸制御を実行するdq軸制御器を含み、
    前記dq軸制御器は、前記各電力変換回路に含まれるDC/DC回路の二次側電圧をフィードバック信号として取得し、d軸,q軸指令値をゼロとし、前記フィードバック信号
    に基づいてフィードバック制御すること
    を特徴とする電力変換装置。
  8. 前記複数相の各相に対して、電力変換回路をそれぞれ複数備え、同一相の各電力変換回路を直列に接続したこと
    を特徴とする請求項6または7に記載の電力変換装置。
  9. 前記同一相の各電力変換回路は、それぞれ個別の直流電源から電圧が供給されること
    を特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
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