A.第1実施例:
A−1.複合機100の構成
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、画像読取装置としての複合機100の外観を示す斜視図である。図2は、複合機100の電気的構成を説明するための図である。図2(A)には、複合機100の電気的構成を示すブロック図が示されている。
複合機100は、図1および図2(A)に示すように、液晶ディスプレイなどの表示部140と、各種のボタンやタッチパネルなどの操作部150と、原稿を表す画像データを生成する読取実行部180と、用紙に画像を印刷する印刷実行部190と、を備えている。さらに、複合機100は、図2(A)に示すように、複合機100の全体を制御するコントローラとしてのCPU110と、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置130と、他の装置(例えば、ユーザの端末装置)と通信するための通信インタフェース160と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、CPU110が処理を行う際に一時的にデータを格納するバッファ領域として用いられる。不揮発性記憶装置130には、コンピュータプログラム132と、後述するステップ数テーブル134と、が格納されている。コンピュータプログラム132およびステップ数テーブル134は、例えば、DVD−ROMなどに格納される形態や、サーバからダウンロードされる形態で提供される。CPU110は、コンピュータプログラム132を実行することによって、後述する読取実行部180の制御を含む複合機100の制御処理を実行する。
読取実行部180は、原稿を光学的に読み取るイメージセンサ60と、イメージセンサ60に原稿を読み取らせるために原稿を搬送する搬送機構50と、を備えている。搬送機構50は、CPU110の制御に従って駆動される搬送モータ51と、搬送経路の基準位置における原稿の有無を検出する原稿センサとしてのフロントセンサ52およびリアセンサ53と、を備えている。搬送モータ51は、原稿を搬送するための動力源として用いられるステップモータである。
図3を参照して、読取実行部180の構成について、さらに説明する。図3は、読取実行部180の構成を示す図である。図3(A)には、読取実行部180の概略構成が示されている。読取実行部180は、図3(A)に示すように、イメージセンサ60が内部に配置され、上面がガラス製の透明な原稿台80で構成された筐体70を備えている。搬送機構50は、いわゆるADF(Auto Document Feederの略)であり、筐体70の上面端部に設けられたヒンジ(図示省略)によって開閉可能に支持されている。
読取実行部180による原稿の読取方式としては,フラットベッド(原稿固定走査)方式と、ADF(原稿移動走査)方式とがある。フラットベッド方式では、原稿が原稿台80上に載置された状態で、イメージセンサ60が副走査方向(図3(A)の矢印A方向)に移動する。そして、移動中のイメージセンサ60は、原稿の画像を、主走査方向(図3(A)の奥行き方向)に沿った1ライン分ずつ読み取る。
一方、ADF方式の場合には、原稿が給紙トレイ56に載置される。そして、搬送機構50によって、給紙トレイ56から排紙トレイ57に至る搬送経路TR(後述)に沿って、原稿が搬送される。搬送経路TRは、原稿台80の上面の所定の読取位置RP(後述)を通る経路である。イメージセンサ60は、原稿台80の所定の読取位置RPの下方に固定され、所定の読取位置RPを通過する原稿の画像を、主走査方向に沿った1ライン分ずつ読み取る。
図3(B)には、図3(A)の破線で囲んだ領域ARの拡大図が示されている。なお、図3(B)では、図の煩雑を避けるために、図3(A)の一部の部材の図示が省略されている。図3(B)には、給紙トレイ56から排紙トレイ57に至る搬送経路TRが図示されている。以下では、搬送経路TRに沿った方向のうち、下流側を向いた方向を下流方向と呼び、上流側を向いた方向を上流方向と呼ぶ。搬送機構50は、図3(B)に示すように、搬送モータによって回転駆動される複数個のローラ54a〜54gと、複数個のガイド部材55a〜55eと、を備えている。
2個の給紙ローラ54a、54bは、給紙トレイ56の上面における下流方向の端部の近傍に配置されている。給紙ローラ54a、54bによって、給紙トレイ56上に載置された1枚以上の原稿が、一枚ずつ給紙トレイ56の下流方向に搬送される。
3個の搬送ローラ54c〜54eと、これらの搬送ローラ54c〜54eの近傍に設けられたガイド部材55a、55b、55cと、によって、給紙トレイ56から搬送された原稿は、反転されて、読取位置RPまで搬送される。読取位置RPは、ガイド部材55cの下面に沿った位置である。
読取位置RPを通過した原稿は、ガイド部材55d、55eにガイドされて、一対の排紙ローラ54g、54fまで搬送される。排紙ローラ54g、54fまで到達した原稿は、排紙ローラ54g、54fによって、排紙トレイ57に排出される。
フロントセンサ52は、給紙トレイ56における給紙ローラ54aの近傍の位置に配置されている。フロントセンサ52は、軸52cを中心に回動する回動部材52rを含む。当該回動部材52rは、原稿が搬送経路TR上の第1の基準位置DP1(図3(B))にない状態では、図3(B)に示す位置にある。そして、回動部材52rは、原稿が第1の基準位置DP1にある状態では、図3(B)に示す位置から反時計まわりに回動する。フロントセンサ52は、回動部材52rの回動を検出することによって、原稿が第1の基準位置DP1にあるか否かを検出する。すなわち、給紙トレイ56上に原稿が載置されているか否かを検出する。
リアセンサ53は、2個の搬送ローラ54d、54eによって原稿が保持される位置と、読取位置RPと、の間に配置されている。リアセンサ53は、フロントセンサ52と同様に、軸53cを中心に回動する回動部材53rを含む。当該回動部材53rは、原稿が搬送経路TR上の第2の基準位置DP2(図3(B))にない状態では、図3(B)に示す位置にある。そして、回動部材53rは、原稿が第2の基準位置DP2にある状態では、図3(B)に示す位置から反時計まわりに回動する。リアセンサ53は、回動部材53rの回動を検出することによって、原稿が第2の基準位置DP2にあるか否かを検出する。
センサ52が、第1の基準位置DP1に原稿があることが検出している状態にあることを、「センサ52がON状態である」とも表現する。センサ52が、第1の基準位置DP1に原稿があることが検出していない状態にあることを、「センサ52がOFF状態である」とも表現する。リアセンサ53についても同様である。
図2(B)には、ステップ数テーブル134の一例が示されている。ステップ数テーブル134は、搬送モータ51の制御量を示すステップ数ST1〜ST7を記録したテーブルである。ステップ数ST1〜ST7は、後述する読取処理によって利用される値である。これらの数値の具体的な意味については、読取処理を説明する際に後述する。
A−2.読取処理:
本実施例の読取処理は、上述したADF方式での原稿の読み取りを行って読取データ(スキャンデータ)を生成する処理である。この読取処理は、例えば、図示しない機能選択画面において、ユーザによって画像読取機能(スキャン機能)が選択された場合に開始される。なお、本実施例の読取処理には、通常モードと再読取モードとの2種類の動作モードがある。再読取モードは、通常モードでの読取処理を実行した際に、原稿が搬送機構50内に詰まる搬送エラー(いわゆる原稿のジャム)が発生した場合に、同一の原稿をもう一度読み取るための動作モードである。
図4は、画像読取機能のためのユーザインタフェース画面(以下、UI画面とよぶ)の一例を示す図である。図4(A)には、通常モードでの動作時に表示されるUI画面WP1が示されている。UI画面WP1は、原稿の読取指示を入力するための読取指示ボタンBT1と、キャンセルボタンBT2と、原稿の給紙トレイ56へのセットと読取指示ボタンBT1の押下とを促すMS1と、を含んでいる。なお、UI画面WP1は、読取に関する各種の設定(例えば、読取解像度の指定や、生成される読取データの保存形式の指定)を行うためのUIエレメント(チェックボックスやラジオボタンなど)を含んでも良い。通常、ユーザによって画像読取機能が選択された場合には、UI画面WP1が表示部140に表示され、通常モードでの読取処理が開始される。
図4(B)には、再読取モードでの動作時に表示されるUI画面WP2が示されている。後述するように、通常モードでの読取処理にて、後述するように、搬送エラーが検出された場合には、エラーが発生したことを示すエラー情報が揮発性記憶装置120または不揮発性記憶装置130に記録される。エラー情報が記録されている場合には、UI画面WP2が表示部140に表示され、再読取モードでの読取処理が開始される。UI画面WP2は、原稿の再読取指示を入力するための再読取指示ボタンBT3と、キャンセルボタンBT4と、原稿の給紙トレイ56へのセットと再読取指示ボタンBT3の押下とを促すMS2と、を含んでいる。UI画面WP2が表示された場合でも、キャンセルボタンBT4を押下した後に、再び画像読取機能を選択すれば、UI画面WP1が表示される。このように、ユーザは、搬送エラー(いわゆる原稿のジャム)が発生した場合には、再読取モードで読取処理を行うことも、通常モードで読取処理を行うことも任意に指定できる。
図5、図6は、第1実施例の読取処理のフローチャートである。S100では、CPU110は、フロントセンサ52がOFF状態からON状態に遷移したか否かを判断する。すなわち、CPU110は、フロントセンサ52を用いて、給紙トレイ56に原稿が載置されたか否かを判断する。フロントセンサ52がOFF状態からON状態に遷移していない場合には(S100:NO)、CPU110は、フロントセンサ52がOFF状態からON状態に遷移するまで、待機する。
フロントセンサ52がOFF状態からON状態に遷移した場合には(S100:YES)、CPU110は、S101にて、ユーザからの読取指示が取得されたか否かを判断する。図4(A)のUI画面WP1の読取指示ボタンBT1、または、図4(B)の再読取指示ボタンBT3が、ユーザによって押下された場合には、ユーザからの読取指示が取得されたと判断される。
ユーザからの読取指示が取得されない場合には(S101:NO)、CPU110は、ユーザからの読取指示が取得されるまで、待機する。ユーザからの読取指示が取得された場合には(S101:YES)、CPU110は、S102にて、動作モードが再読取モードであるか否かを判断する。S101で取得された読取指示が、図4(B)のUI画面WP2の再読取指示ボタンBT3を介して取得された場合には、動作モードが再読取モードであると判断される。S101で取得された読取指示が、図4(A)のUI画面WP1の読取指示ボタンBT1を介して取得された場合には、動作モードが再読取モードでない(すなわち、動作モードが通常モードである)と判断される。動作モードが再読取モードであることは、現在の読取対象の原稿を、前回に読み取ったときに、原稿の搬送エラーが発生したことを意味している。
動作モードが再読取モードではない場合には(S102:NO)、すなわち、動作モードが通常モードである場合には、CPU110は、S103にて、原稿の搬送速度を、通常速度に設定して、S105に処理を進める。動作モードが再読取モードではある場合には(S102:YES)、CPU110は、S104にて、原稿の搬送速度を、通常速度より低い低速度に設定して、S105に処理を進める。原稿の搬送速度は、搬送モータ51を回転駆動する速度を変更することによって変更される。
S105では、CPU110は、搬送モータ51の回転を開始する。すなわち、CPU110は、S103またはS104にて設定した搬送速度での原稿の搬送を開始する。
S106では、CPU110は、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移したか否かを判断する。すなわち、CPU110は、搬送中の原稿の先端が、第2の基準位置DP2まで、到達したか否かを判断する。原稿の先端は、原稿の搬送方向の端、あるいは、原稿の搬送経路TRにおける下流側の端とも言うことができる。原稿の搬送が開始される時点では、原稿の先端は、ほぼ第1の基準位置DP1に位置している。このために、原稿のジャムなどの搬送エラーが発生していない場合には、搬送が開始される時点からの原稿の搬送距離(すなわち、S105の搬送モータ51の回転開始からの原稿の搬送距離)が、ほぼ距離(DP1−DP2)に到達したタイミングで、原稿の先端が第2の基準位置DP2に到達するはずである。ここで、距離(DP1−DP2)は、搬送経路TRにおける第1の基準位置DP1から第2の基準位置DP2までの距離を表す。
リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移していない場合には(S106:NO)、CPU110は、S108にて、動作モードが再読取モードであるか否かを判断する。
動作モードが再読取モードでない場合には(S108:NO)、すなわち、動作モードが通常モードである場合には、CPU110は、S110にて、S105での回転開始から、搬送モータ51の給紙ステップ数ST1分の回転が完了したか否かを判断する。給紙ステップ数ST1分の回転が完了していない場合には(S110:NO)、CPU110は、S106に戻る。給紙ステップ数ST1分の回転が完了した場合には(S110:YES)、CPU110は、搬送エラーの発生時の処理(S114〜S118)を実行する。すなわち、動作モードが通常モードである場合には、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移することなく、搬送モータ51の給紙ステップ数ST1分の回転が完了した時点で、搬送エラーが発生したと判断される。換言すれば、通常モードでは、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が給紙ステップ数ST1に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿がないことを検出した場合に、搬送エラーが発生したと判断される。
動作モードが再読取モードである場合には(S108:YES)、CPU110は、S112にて、S105の搬送モータ51の回転開始から、搬送モータ51の給紙ステップ数ST2分の回転が完了したか否かを判断する。給紙ステップ数ST2分の回転が完了していない場合には(S112:NO)、CPU110は、S106に戻る。給紙ステップ数ST2分の回転が完了した場合には(S112:YES)、CPU110は、搬送エラーの発生時の処理(S114〜S118)を実行する。すなわち、動作モードが再読取モードである場合には、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移することなく、搬送モータ51の給紙ステップ数ST2分の回転が完了した時点で、搬送エラーが発生したと判断される。換言すれば、再読取モードでは、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が給紙ステップ数ST2に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿がないことを検出した場合に、搬送エラーが発生したと判断される。
ここで、図2(B)に示すように、給紙ステップ数ST2(=1200)は、給紙ステップ数ST1(=1500)より小さい。具体的には、給紙ステップ数ST1は、距離(DP1−DP2)に、余裕度(マージン)ΔAを加えた距離分だけ原稿を搬送する制御量を示す。給紙ステップ数ST2は、距離(DP1−DP2)に、余裕度ΔBを加えた距離分だけ原稿を搬送する制御量を示す(ΔA>ΔB)。より具体的には、距離(DP1−DP2)=97mmに対して、ΔA=約30mm、ΔB=約4mmである。すなわち、給紙ステップ数ST1は、約127mmだけ原稿を搬送する制御量であり、給紙ステップ数ST2は、約101mmだけ原稿を搬送する制御量である。例えば、給紙ステップ数ST1の余裕度ΔAは、距離(DP1−DP2)の10%〜50%の範囲の値である。そして、給紙ステップ数ST2の余裕度ΔBは、例えば、給紙ステップ数ST1の余裕度ΔAの10%〜50%の範囲の値である。
余裕度ΔA、ΔBが大きいほど、搬送エラーの誤検出が起きる可能性が低くなり、余裕度ΔA、ΔBが小さいほど、搬送エラーの誤検出が起きる可能性が高くなる。一方、余裕度ΔA、ΔBが大きいほど、搬送エラーの検出タイミングが遅くなるので、搬送モータ51を停止する(後述するS114)タイミングが遅くなり、原稿が受ける損傷が大きくなる。そして、余裕度ΔA、ΔBが小さいほど、早く搬送モータ51を停止することができるので、原稿が受ける損傷を小さくなる。
以上の説明から解るように、通常モードでは、搬送モータの制御量が第1の量に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿がないことを検出した場合に、搬送エラーが検出され、再読取モードでは、搬送モータの制御量が第1の量より少ない第2の量に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿がないことを検出した場合に、搬送エラーが検出される。したがって、搬送モータ51の制御量とリアセンサ53の検出結果とに基づいて、再読取モードでは、通常モードより早いタイミングで搬送エラーの発生を検出できる。この結果、再読取モードでの搬送制御中に発生し得る搬送エラーによって、原稿が受ける損傷を適切に低減することできる。
搬送エラーが検出された後のS114では、CPU110は、搬送モータ51の回転を停止する。S116では、CPU110は、エラー情報を、揮発性記憶装置120または不揮発性記憶装置130に記録する。本実施例で記録されるエラー情報は、搬送エラーが発生したことを示す情報である。S118では、CPU110は、エラー通知処理を実行して、読取処理を終了する。例えば、図4(B)に示すUI画面WP2が表示部140に表示される。この結果、ユーザは、再読取モードで、原稿を再度読み取らせることが容易になる。
S106にて、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した場合には(S106:YES)、S120に処理が進められる。この場合には、搬送エラーが検出されることなく、正常に原稿の先端が第2の基準位置DP2に到達したと判断することができる。すなわち、通常モードでは、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が、給紙ステップ数ST1に到達するより前に、原稿の先端が、第2の基準位置DP2に到達した場合に、S120に処理が進められる。そして、再読取モードでは、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が給紙ステップ数ST2に到達するより前に、原稿の先端が、第2の基準位置DP2に到達した場合に、S120に処理が進められる。
S120では、CPU110は、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取開始ステップ数ST3分の回転が完了したか否かを判断する。読取開始ステップ数ST3は、搬送経路TRにおける第2の基準位置DP2から読取位置RPまでの距離(DP2−RP)分だけ原稿を搬送する制御量を示す。したがって、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取開始ステップ数ST3分の回転が完了した場合には(S120:YES)、原稿の先端は、読取位置RPに到達している。このために、この場合には、CPU110は、S122にて、イメージセンサ60を制御して、搬送中の1枚の原稿の読取を開始する。搬送モータ51の読取開始ステップ数ST3分の回転が完了していない場合には(S120:NO)、CPU110は、搬送モータ51の読取開始ステップ数ST3分の回転が完了するまで待機する。
S124では、CPU110は、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移したか否かを判断する。すなわち、CPU110は、搬送中の原稿の後端が、第2の基準位置DP2まで、到達したか否かを判断する。原稿の後端は、原稿の搬送方向とは反対方向の端、あるいは、原稿の搬送経路TRにおける上流側の端とも言うことができる。原稿のジャムなどの搬送エラーが発生していない場合には、原稿の先端が第2の基準位置DP2に到達した時点からの原稿の搬送距離(すなわち、S106にて、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点からの原稿の搬送距離)が、ほぼ原稿の搬送方向に沿った長さLP(原稿長LPとも呼ぶ)に到達したタイミングで、原稿の後端が第2の基準位置DP2に到達するはずである。本実施例では、原稿長LPは、A4サイズの原稿の長手方向の長さ(297mm)である。
リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移していない場合には(S124:NO)、CPU110は、S126にて、動作モードが再読取モードであるか否かを判断する。
動作モードが再読取モードでない場合には(S126:NO)、すなわち、動作モードが通常モードである場合には、CPU110は、S128にて、S106にてリアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取ステップ数ST5分の回転が完了したか否かを判断する。読取ステップ数ST5分の回転が完了していない場合には(S128:NO)、CPU110は、S124に戻る。読取ステップ数ST5分の回転が完了した場合には(S128:YES)、CPU110は、搬送エラーの発生時の処理(S132〜S136)を実行する。すなわち、動作モードが通常モードである場合には、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点から、リアセンサ53がOFF状態からON状態に戻ることなく、搬送モータ51の読取ステップ数ST5分の回転が完了した時点で、搬送エラーが発生したと判断される。換言すれば、通常モードでは、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点からの搬送モータ51の制御量が、読取ステップ数ST5に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿があることを検出した場合に、搬送エラーが発生したと判断される。
動作モードが再読取モードである場合には(S126:YES)、CPU110は、S130にて、S106にてリアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取ステップ数ST6分の回転が完了したか否かを判断する。読取ステップ数ST6分の回転が完了していない場合には(S130:NO)、CPU110は、S124に戻る。読取ステップ数ST6分の回転が完了した場合には(S130:YES)、CPU110は、搬送エラーの発生時の処理(S132〜S136)を実行する。すなわち、動作モードが再読取モードである場合には、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点から、リアセンサ53がOFF状態からON状態に戻ることなく、搬送モータ51の読取ステップ数ST6分の回転が完了した時点で、搬送エラーが発生したと判断される。換言すれば、再読取モードでは、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点からの搬送モータ51の制御量が、読取ステップ数ST6に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿があることを検出した場合に、搬送エラーが発生したと判断される。
ここで、図2(B)に示すように、読取ステップ数ST6(=4000)は、読取ステップ数ST5(=5000)より小さい。具体的には、読取ステップ数ST5は、原稿長LPに、余裕度ΔCを加えた距離分だけ原稿を搬送する制御量を示す。読取ステップ数ST6は、原稿長LPに、余裕度ΔDを加えた距離分だけ原稿を搬送する制御量を示す(ΔC>ΔD)。より具体的には、原稿長LP=297mmに対して、ΔC=約126mm、ΔD=約41mmである。すなわち、読取ステップ数ST5は、約423mmだけ原稿を搬送する制御量であり、読取ステップ数ST6は、約338mmだけ原稿を搬送する制御量である。例えば、読取ステップ数ST5の余裕度ΔCは、原稿長LPの10%〜50%の範囲の値である。そして、読取ステップ数ST6の余裕度ΔDは、例えば、読取ステップ数ST5の余裕度ΔCの10%〜50%の範囲の値である。
上述した余裕度ΔA、ΔBと同様に、余裕度ΔC、ΔDが大きいほど、搬送エラーの誤検出が起きる可能性が低くなり、余裕度ΔC、ΔDが小さいほど、搬送エラーの誤検出が起きる可能性が高くなる。一方、余裕度ΔC、ΔDが大きいほど、搬送エラーの検出タイミングが遅くなるので、搬送モータ51を停止する(後述するS132)タイミングが遅くなり、原稿が受ける損傷が大きくなる。そして、余裕度ΔC、ΔDが小さいほど、早く搬送モータ51を停止することができるので、原稿が受ける損傷を小さくなる。
以上の説明から解るように、通常モードでは、搬送モータの制御量が第3の量に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿があることを検出した場合に、搬送エラーが検出され、再読取モードでは、搬送モータの制御量が第3の量より少ない第4の量に到達したタイミングで、リアセンサ53が第2の基準位置DP2に原稿があることを検出した場合に、搬送エラーが検出される。したがって、搬送モータ51の制御量とリアセンサ53の検出結果とに基づいて、再読取モードでは、通常モードより早いタイミングで搬送エラーの発生を検出できる。この結果、再読取モードでの搬送制御中に発生し得る搬送エラーによって、原稿が受ける損傷を適切に低減することできる。
搬送エラーが検出された後のS132〜S136の処理は、上述したS114〜S118の処理と同じである。S132〜S136の処理の後に、読取処理は終了される。
S124にて、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した場合には(S124:YES)、S138に処理が進められる。この場合には、搬送エラーが検出されることなく、正常に原稿の後端が第2の基準位置DP2に到達したと判断することができる。すなわち、通常モードでは、S106にてリアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点からの搬送モータ51の制御量が読取ステップ数ST5に到達するより前に、原稿の後端が第2の基準位置DP2に到達した場合に、S138に処理が進められる。そして、再読取モードでは、S106にてリアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した時点からの搬送モータ51の制御量が読取ステップ数ST6に到達するより前に、原稿の後端が第2の基準位置DP2に到達した場合に、S138に処理が進められる。
S138では、CPU110は、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取終了ステップ数ST4分の回転が完了したか否かを判断する。読取終了ステップ数ST4は、読取開始ステップ数ST3と同じ値であり、搬送経路TRにおける第2の基準位置DP2から読取位置RPまでの距離(DP2−RP)分だけ原稿を搬送する制御量を示す。したがって、リアセンサ53がON状態からOFF状態に遷移した時点から、搬送モータ51の読取終了ステップ数ST4分の回転が完了した場合には(S138:YES)、原稿の後端は、読取位置RPに到達している。このために、この場合には、CPU110は、S140にて、イメージセンサ60を制御して、搬送中の1枚の原稿の読み取りを終了する。搬送モータ51の読取終了ステップ数ST4分の回転が完了していない場合には(S138:NO)、CPU110は、搬送モータ51の読取終了ステップ数ST4分の回転が完了するまで待機する。
S142では、CPU110は、S140にて、1枚の原稿の読み取りを終了した後に、搬送モータ51の排紙完了ステップ数ST7分の回転が完了したか否かを判断する。排紙完了ステップ数ST7は、搬送経路TRにおける読取位置RPから、2個の排紙ローラ54g、54fによって原稿が保持される位置OP(排紙位置OPとも呼ぶ)までの距離(RP−OP)分だけ原稿を搬送する制御量を示す。したがって、1枚の原稿の読み取りを終了した後に、搬送モータ51の排紙完了ステップ数ST7分の回転が完了したことは、読み取りが終了した原稿の後端が排紙位置OPに到達したことを意味する。
搬送モータ51の排紙完了ステップ数ST7分の回転が完了していない場合には(S142:NO)、CPU110は、S144にて、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移したか否かを判断する。S140にて、1枚の原稿の読み取りが終了した後に、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移することは、読み取りが終了した原稿の次に読み取るべき後続の原稿が存在し、当該後続の原稿が第2の基準位置DP2に到達したことを意味している。このために、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移した場合には(S144:YES)、CPU110は、S120に戻って、後続の原稿を読み取るために、上述した処理を繰り返す。リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移していない場合には(S144:NO)、CPU110は、S142に戻る。
S142にて、搬送モータ51の排紙完了ステップ数ST7分の回転が完了したと判断される場合には(S142:YES)、読み取りが終了した原稿の後端が排紙位置OPに到達した時点で、リアセンサ53がOFF状態からON状態に遷移していないことを意味する。この場合には、後続の原稿はないと判断できるので、CPU110は、読取処理を終了すべく、S146に処理を進める。
S146では、CPU110は、搬送モータ51の回転を停止する。このステップに到達した場合には、搬送エラーが発生することなく、原稿の読み取りが完了したことを意味するので、S148では、CPU110は、エラー情報をクリアして、読取処理を終了する。S148を経て読取処理が終了された場合には、次回の読取処理は、通常モードで動作し、再読取モードでは動作しない。
以上説明した本実施例の読取処理によれば、CPU110は、通常モードでの搬送制御と、再読取モードでの搬送制御と、を実行することができる。通常モードでの搬送制御は、通常モードでの読取指示(図4(A)参照)に応じて、搬送機構50に原稿を搬送させる制御である。再読取モードでの搬送制御は、通常の搬送制御中に搬送エラーが検出された後に行われる再読取モードでの読取指示(図4(B)参照)に応じて、搬送機構50に原稿を搬送させる制御である。そして、通常モードでの搬送制御中には、CPU110は、第1の条件に基づいて、原稿のジャムなどの搬送エラーを検出する(図5のS106、S110、図6のS124、S128)。そして、CPU110は、再読取モードでの搬送制御中には、第1の条件とは異なる第2の条件に基づいて搬送エラーを検出する(図5のS106、S112、図6のS124、S130)。
通常モードでの搬送制御中の搬送エラーによって原稿が損傷を受けている場合には、当該原稿は、破れなどが発生しやすい状態になっている。このために、損傷を受けた原稿が読取対象とされる可能性が高い再読取モードでの読取処理では、搬送エラーによって原稿が受ける損傷を低減することが好ましい。本実施例では、上述したように、再読取モードでの読取処理では、通常モードとは異なる条件に基づいて、搬送エラーを検出する。この結果、通常モードでの搬送制御中の搬送エラーによって原稿が損傷を受けた場合に、再読取モードでの搬送制御中に発生し得る搬送エラーによって、同一の原稿がさらなる損傷を受ける可能性を低減し得る。
より具体的には、通常モードでの搬送制御中には、以下の2つの場合に、搬送エラーが検出される。1つ目は、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が給紙ステップ数ST1に到達するタイミングまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達しない場合(図5のS106、S110)である。2つ目は、第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達した後の搬送モータ51の制御量が、読取ステップ数ST5に到達するタイミングまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の後端が到達しない場合(図6のS124、S128)である。
そして、再読取モードでの搬送制御中には、以下の2つの場合に、搬送エラーが検出される。1つ目は、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が給紙ステップ数ST2に到達したタイミングまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達しない場合(図5のS106、S112)である。2つ目は、第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達した後の搬送モータ51の制御量が、読取ステップ数ST6に到達したタイミングまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の後端が到達しない場合(図6のS124、S130)である。
ここで、ST2<ST1であり、ST6<ST5である(図2(B))。したがって、通常モードでの搬送制御中には、第1のタイミング(具体的には、ステップ数ST1やST5によって決まるタイミング)までに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の特定の位置(具体的には、先端や後端)が到達しない場合に、搬送エラーが検出される、と言うことができる。そして、再読取モードでの搬送制御中には、第1のタイミングより早い第2のタイミング(具体的には、ステップ数ST2やST6によって決まるタイミング)までに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の特定の位置(具体的には、先端や後端)が到達しない場合に、搬送エラーが検出される、と言うことができる。
この結果、再読取モードでの搬送制御中には、通常モードより早いタイミングで搬送エラーが検出されるので、搬送エラーの発生時には、通常モードより早いタイミングで搬送モータが停止される。この結果、原稿のジャムなどが発生した状態で、搬送機構50のローラが駆動されることによって原稿に加えられる損傷を低減することができる。したがって、再読取モードでの搬送制御中に発生し得る搬送エラーによる原稿のさらなる損傷を適切に低減することできる。
また、上記実施例では、通常モードでの搬送制御中には、通常の速度で原稿を搬送するように、搬送機構50が制御され(図5のS103)、再読取モードでの搬送制御中には、通常の速度より遅い速度で原稿を搬送するように、搬送機構50が制御される(図5のS104(図5のS103))。この結果、再読取モードでの搬送制御中に発生し得る搬送エラーによる当該原稿のさらなる損傷をより低減することできる。
また、上記実施例では、図4を参照して説明したように、CPU110は、搬送エラーが検出された後には、読取処理の動作モードの指定をユーザから取得することができる。すなわち、ユーザは、通常モードの指定と再読取モードの指定とを行うことができる。そして、通常モードが指定される場合には、搬送エラーが発生後の搬送制御であっても、通常の条件に基づいて搬送エラーが検出される。そして、再読取モードが指定される場合には、通常とは異なる条件に基づいて搬送エラーが検出される。この結果、ユーザによる動作モードの指定に応じて、適切なエラー検出を行うことができる。
B.第2実施例:
第2実施例では、読取処理の内容が、第1実施例と異なる。図7、図8は、第2実施例の読取処理のフローチャートである。
第2実施例の読取処理のS116b(図7)、S134b(図8)では、CPU110は、第1実施例の読取処理のS116(図5)、S134(図6)と同様に、エラー情報を、揮発性記憶装置120または不揮発性記憶装置130に記録する。ただし、第2実施例のS116b、S134bでは、搬送エラーが発生したことを示す情報に加えて、搬送エラーが発生したページ番号(エラーページ番号とも呼ぶ)が、エラー情報として記録される。ページ番号は、一度の読取処理で読取対象とされる1枚以上の原稿について、読取順を示す番号である。
第2実施例の読取処理では、第1実施例の読取処理にS109b(図7)と、S127b(図8)と、が加えられている。
具体的には、第2実施例の読取処理では、S108にて、動作モードが再読取モードである場合には(S108:YES)、CPU110は、S109bにて、現在、搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿であるか否かを判断する。具体的には、搬送中の原稿の読取順が、エラー情報として記録されたエラーページ番号と一致する場合には、搬送中の原稿はエラー発生ページの原稿である、と判断される。搬送中の原稿の読取順が、エラー情報として記録されたエラーページ番号と一致しない場合には、搬送中の原稿はエラー発生ページの原稿でない、と判断される。搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿である場合には(S109b:YES)、CPU110は、S112に処理を進める。搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿でない場合には(S109b:NO)、CPU110は、S110に処理を進める。
同様に、第2実施例の読取処理では、S126にて、動作モードが再読取モードである場合には(S126:YES)、CPU110は、S127bにて、現在、搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿であるか否かを判断する。搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿である場合には(S127b:YES)、CPU110は、S130に処理を進める。搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿でない場合には(S127b:NO)、CPU110は、S128に処理を進める。
以上の説明から解るように、第2実施例の読取処理では、動作モードが再読取モードであり、かつ、搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿である場合に、通常とは異なる条件に基づいて搬送エラーの検出が実行される(S112、S130)。そして、動作モードが通常モードである場合、または、搬送中の原稿がエラー発生ページの原稿でない場合に、通常の条件に基づいて搬送エラーの検出が実行される(S110、S128)。
第2実施例のその他の処理は、第1実施例と同じである。
以上説明した第2実施例によれば、N枚(Nは2以上の整数)の原稿を読み取る場合において、搬送制御中に、読取順がK番目である原稿、すなわち、K枚目(Kは2以上、かつ、N以下の整数)に搬送される原稿の搬送エラーが検出された場合には、当該読取順を示す番号(すなわち、エラーページ番号)がエラー情報として記録される(S116b、S134b)。そして、再読取モードでの搬送制御中に、K枚目に搬送される原稿の搬送エラーが通常とは異なる条件に基づいて検出される(S112、S130)。
N枚(Nは2以上の整数)の原稿を読み取る途中で搬送エラーが発生した場合に、本実施例の再読取モードでは、N枚の原稿の全体を再び読み取ることが想定されている。この場合には、K枚目に搬送される原稿の搬送エラーが検出された場合には、当該原稿は、再読取モードでの搬送制御中にもK枚目に搬送される可能性が高い。第2実施例によれば、複数枚の原稿が搬送される場合に、先の搬送制御中に損傷を受けた原稿が、再読取モードでの搬送制御中にさらなる損傷を受けることを適切に抑制できる。
また、第2実施例では、再読取モードでの搬送制御中であっても、K枚目以外の順番に搬送される原稿の搬送エラーは、通常の条件に基づいて検出される。
すなわち、再読取モードでの搬送制御中に、(K+1)枚目以降に搬送される原稿の搬送エラーは、通常の条件に基づいて検出される。また、(K−1)枚目以前に搬送される原稿の搬送エラーは、通常の条件に基づいて検出される。
再読取モードでの搬送制御中に、(K+1)枚目以降に搬送される原稿や、(K−1)枚目以前に搬送される原稿は、先の読取処理において搬送エラーの対象となっていないので、損傷を受けていない可能性が高い。上記構成によれば、先の搬送制御中に損傷を受けていない原稿については、通常の条件に基づいて搬送エラーが検出されるので、搬送エラーの誤検出を抑制することができる。
C.変形例:
(1)上記第2実施例では、N枚(Nは2以上の整数)の原稿を読み取る途中で搬送エラーが発生した場合に、再読取モードでは、N枚の原稿の全体を再び読み取ることが想定されている。これに代えて、N枚(Nは2以上の整数)の原稿を読み取る途中で、K枚目(Kは2以上、かつ、N以下の整数)の原稿の搬送エラーが発生した場合には、再読取モードでは、K枚目以降の(N−K+1)枚の原稿を読取の対象としても良い。この場合には、再読取モードでは、1枚目の原稿については、通常とは異なる条件に基づいて搬送エラーが検出され、2枚目以降の原稿については、通常の条件に基づいて搬送エラーが検出されても良い。
(2)上記各実施例では、例えば、搬送モータ51の回転開始からの搬送モータ51の制御量が所定の量(例えば、給紙ステップ数ST2)に到達したタイミングまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達しない場合に、搬送エラーが発生したと判断される。これに代えて、例えば、搬送モータ51の回転開始から所定時間が経過するまでに、搬送経路TR上の第2の基準位置DP2に原稿の先端が到達しない場合に、搬送エラーが発生したと判断されても良い。
(3)上記第2実施例では、搬送制御中に、読取順がK番目である原稿の搬送エラーが検出された場合には、再読取モードでの搬送制御中に、K枚目に搬送される原稿の搬送エラーが通常とは異なる条件に基づいて検出される。これに代えて、1〜K枚目までの原稿については、搬送エラーが通常とは異なる条件に基づいて検出され、(K+1)枚目以降の原稿については、搬送エラーが通常の条件に基づいて検出されても良い。1〜K枚目までの原稿は、搬送機構50によって1度は搬送されている可能性が高いので、搬送エラーが発生していない原稿であっても搬送の途中で何らかの損傷を受けている可能性がある。本変形例によれば、搬送機構50によって1度は搬送されているために損傷を受けた原稿が、さらなる損傷を受けることを抑制することができる。
(4)上記第各実施例では、再読取モードでは、原稿の搬送速度を遅くしているが、再読取モードでの原稿の搬送速度は、通常モードと同じであっても良い。
(5)図3に示した搬送機構50の具体的な構成、例えば、搬送経路TRや、ローラ54a〜54gや、ガイド部材55a〜55eの配置は、一例であり、これに限られない。例えば、搬送経路TRは、反転することなく、直線的に、読取位置RPの一方の側から他方の側に至る経路であっても良い。
(6)通常モードと再読取モードとをユーザが指定可能でなくても良く、特定の読取処理で搬送エラーが発生した場合には、当該特定の読取処理の次に実行される読取処理は必ず再読取モードで実行されても良い。
(7)上記読取処理は、複合機100に限らず、印刷機能を備えない単機能のスキャナによって実行されても良い。また、上記読取処理は、スキャンデータを保存するための読取処理に限らず、コピー処理において、印刷データを生成するための読取処理であっても良い。
(8)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、上記各実施例の読取処理の一部または全部の処理は、ASICなどのハードウェアによって実行されても良い。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。