図面を参照しながら、ここに開示される発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、後続の実施形態においては、先行する実施形態で説明した事項に対応する部分に百以上の位だけが異なる参照符号を付することにより対応関係を示し、重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については他の形態の説明を参照し適用することができる。
図1は、発明を実施するための第1実施形態に係る車両用空調装置1を示すブロック図である。車両用空調装置1は、車両に搭載され、車両の乗員室の温度を調節する。車両用空調装置1は、2つの熱交換器3、4を備える。熱交換器3は、熱交換器4より低温になる低温側熱交換器である。熱交換器4は、熱交換器3より高温になる高温側熱交換器である。車両用空調装置1は、熱交換器3および/または熱交換器4を室内空調のために利用するための空調ダクトおよび送風機などの空気系機器を備える。
車両用空調装置1は、冷房装置または暖房装置として利用される。車両用空調装置1は、室内に供給される空気を冷却する冷却器と、冷却器によって冷却された空気を再び加熱する加熱器とを備えることができる。すなわち、熱交換器3は冷却器として用いることができる。また、熱交換器4は加熱器として用いることができる。
車両用空調装置1は、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2を有する。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2はMHP(Magneto-caloric effect Heat Pump)装置2とも呼ばれる。MHP装置2は、熱磁気サイクル装置を提供する。この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
MHP装置2は、車両用空調装置1における冷熱供給源、または温熱供給源として利用される。例えば、車両用空調装置1が冷房装置として利用されるとき、MHP装置2は、冷熱供給源として作動させられる。この場合、熱交換器3は室内熱交換器を提供する。熱交換器4は、室外の空気に熱を放出する放熱器として機能する。室内の空気と室外の空気との温度差が冷房のための熱負荷に相当する。車両用空調装置1が暖房装置として利用されるとき、MHP装置2は、温熱供給源として作動させられる。この場合、熱交換器4は室内熱交換器を提供する。熱交換器3は、室外の空気から熱を吸収する吸熱器として機能する。室内の空気と室外の空気との温度差が暖房のための熱負荷に相当する。
MHP装置2は、磁気熱量素子5の磁気熱量効果を利用することによって低温と高温とを生成する。磁気熱量素子5は、MCE(Magneto-Caloric Effect)素子5とも呼ばれる。なお、この明細書では、MCE素子の語は、最小単位または集合体を指すように多様に使われることがある。
MCE素子5は、作業室内に、熱輸送媒体と熱交換するように配置されている。MCE素子5は、外部磁場の強弱の変化に応答して発熱と吸熱とを生じる。MCE素子5は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子5は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子5は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。
MCE素子5は、熱機器として必要な性能を発揮するように、所定の高効率温度帯において高い磁気熱量効果を発揮する。磁気熱量効果は、磁場の変化の下での発熱量および/または吸熱量によって示される。図示されるMCE素子5は、低温端11から高温端12に向けて連続的にまたは段階的に高効率温度帯が徐々に高くなる勾配を有する。MCE素子5の材料は、必要な性能を発揮するように選定されている。MCE素子5は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。例えば、ガドリニウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。MCE素子5には、外部磁場の印加により吸熱し、外部磁場の除去により発熱する素子を利用してもよい。
MHP装置2は、磁場変調装置6を備える。磁場変調装置6は、MCE素子5に印加される磁場の強さを周期的に増減させる。磁場変調装置6は、MCE素子5に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置6は、MCE素子5を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子5を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置6は、MCE素子5が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間、およびMCE素子5が励磁期間より弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間を周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。磁場変調装置6は、後述する熱輸送媒体の往復的な流れに同期して、MCE素子5への磁場の印加と除去とを繰り返す。磁場変調装置6は、外部磁場を生成するための磁力源70、例えば永久磁石、または電磁石を備える。
MHP装置2は、熱輸送装置7を備える。熱輸送装置7は、MCE素子5が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体と、この熱輸送媒体を流すための流体機器とを備える。熱輸送装置7は、MCE素子5と熱交換する熱輸送媒体をMCE素子5に沿って流す装置である。熱輸送装置7は、MCE素子5に沿って熱輸送媒体を往復的に流す。熱輸送装置7は、磁場変調装置6による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れを発生させる。熱輸送装置7は、磁場変調装置6による磁場の増減に同期して熱輸送媒体の流れ方向を切換える。MCE素子5と熱交換する熱輸送媒体は一次媒体と呼ばれる。一次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。熱輸送装置7は、熱輸送媒体を流すためのポンプ30を備える。
磁場変調装置6と熱輸送装置7とは、MCE素子5をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルの素子として機能させる。熱輸送装置7によってMCE素子5に沿って第1方向に熱輸送媒体が流されるときに、磁場変調装置6はMCE素子5に強い磁場を印加する。第1方向は、低温端11から高温端12に向かう方向である。熱輸送装置7によってMCE素子5に沿って第1方向とは反対の第2方向に熱輸送媒体が流されるとき、磁場変調装置6は、MCE素子5に弱い磁場またはゼロ磁場を印加する。第2方向は、高温端12から低温端11に向かう方向である。磁場変調装置6および熱輸送装置7に関しては、多様な構成を採用することができ、それらの装置に関してはこの明細書に列挙された先行技術文献の記載を参照することができる。先行技術文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用される。
MHP装置2は、モータ20と、ポンプ30と、第1の磁気熱量装置ユニット40と、第2の磁気熱量装置ユニット50と、変速機80、90とを備える。モータ20は、動力源である。モータ20に代えて、内燃機関を含む多様な動力源を利用することができる。ポンプ30は、MCE素子と熱交換し熱を輸送するための熱輸送媒体の流れを生成する。第1の磁気熱量装置ユニット40と、第2の磁気熱量装置ユニット50とは、それぞれがMCE素子を収容している。磁気熱量装置ユニット40、50は、MCD(Magneto-Caloric effect Device)ユニット40、50とも呼ばれる。変速機80、90は、熱輸送媒体の往復流と、後述の磁場変調装置による磁場の変動とを所定の同期状態に調節するために利用される。
MHP装置2は、低温端11に冷熱を供給し、高温端12に温熱を供給する。MHP装置2が運転されると、MHP装置2に内蔵されたMCE素子5は、低温端11において低温となり、高温端12において高温となる。MCE素子5が供給する冷熱と温熱とは、ポンプ30によって流される熱輸送媒体によって輸送される。熱輸送媒体は、水である。以下、MHP装置2の熱輸送媒体を作業水と呼ぶ。低温端11から、低温の作業水が流れ出し、冷熱が外部に供給される。作業水は、外部に冷熱を供給した後に、低温端11へ戻る。このとき、低温端11に温熱が運び込まれる。高温端12から、高温の作業水が流れ出し、温熱が外部に供給される。作業水は、外部に温熱を供給した後に、高温端12へ戻る。このとき、高温端12に冷熱が運び込まれる。
この実施形態では、MHP装置2は、複数のMCDユニット40、50を備える。低温側のMCDユニット40は、中間高温端13に温熱を供給する。高温側のMCDユニット50は、中間低温端14に冷熱を供給する。中間高温端13と中間低温端14との間は、変速機80、90、ポンプ30、およびそれらの間に存在する熱輸送媒体によって熱的に結合されている。中間高温端13と中間低温端14との間には、低温端11と高温端12との間に所定の温度勾配を形成するために十分な熱的な結合が提供されている。
車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器3とを通る低温系統15を備える。低温系統15は、循環流路を有する。低温系統15を流れる作業水は、MHP装置2と熱交換器3との間で熱を輸送する。車両用空調装置1は、MHP装置2と熱交換器4とを通る高温系統16を備える。高温系統16は、循環流路を有する。高温系統16を流れる作業水は、熱交換器4とMHP装置2との間で熱を輸送する。
車両用空調装置1は、制御装置(CNTR)8を備える。制御装置8は、車両用空調装置1の制御可能な複数の要素を制御する。例えば、制御装置8は、MHP装置2の作動と停止とを少なくとも切換えるようにモータ20を制御する。また、制御装置8は、変速機80、90による回転速度および/または回転位相の変換状態を切換えるように変速機80、90を制御することができる。
制御装置は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置(MMR)とを有する。制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置によって実行されることによって、制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置を機能させる。制御装置は、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、機能を実行するための手段と呼ぶことができ、別の観点では、それらの要素の少なくとも一部は、構成として解釈されるブロック、または構成として解釈されるモジュールと呼ぶことができる。
制御装置が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置がハードウェアである回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
図2は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図3は、第1実施形態のMHP装置2の断面図である。図2は、図3に示されたII−II断面を示す。図3は、図2に示されたIII−III断面を示す。
この実施形態では、MCE素子5は、低温端11と高温端12との間に直列的に配列された複数の素子ブロック61−66を有する。複数の素子ブロック61−66は、温度勾配に沿って直列に配列されている。複数の素子ブロック61−66は、それぞれの高能力温度帯によって、低温端11と高温端12との間の温度差を分担するように配置されている。MCDユニット40に含まれる複数の素子ブロック61−63は、部分ブロック群49を提供する。素子ブロック61−63は、低温端11と中間高温端13との間に直列に配列されている。MCDユニット50に含まれる複数の素子ブロック64−66は、部分ブロック群59を提供する。素子ブロック64−66は、中間低温端14と高温端12との間に直列に配列されている。部分ブロック群49、59は、十分な熱的な結合によって、一連のブロック群60を提供する。MCDユニット40、50は、熱的に直列接続された複数の部分ブロック群49、59を有する。MCDユニット40、50は、熱的に並列接続された複数のブロック群60を有する。
モータ(MTR)20は、車載の電池によって駆動される。モータ20は、ポンプ30を駆動する。これにより、モータ20とポンプ30とは、作業水の往復的な流れを生じさせる。ポンプ30は、後述の逆止弁を含む弁機構とともに熱輸送装置7を提供する。
モータ20は、MCDユニット40、50における磁力源70として設けられた永久磁石45、55を回転駆動する。これにより、モータ20とMCDユニット40、50とは、MCE素子5へ外部磁場を印加する状態と、MCE素子5から外部磁場を除去した状態(外部磁場を印加しない状態)との間での交互切換を生じさせる。永久磁石45、55、その回転機構、および磁路を形成する部材は、磁場変調装置6を提供する。
ポンプ30は、MCE素子5をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルとして機能させるための作業水の往復流をMCDユニット40、50内に生じさせる。往復流は、作業水がMCDユニット40、50のそれぞれにおいて、高温端と低温端との間を往復する流れである。さらに、ポンプ30は、MCDユニット40、50によって得られた冷熱および/または温熱を、外部に供給するための作業水の循環流を生じさせる。循環流は、低温系統15と高温系統16とを流れる。この実施形態では、ポンプ30は、往復流と、循環流との両方を生じさせる。ポンプ30は、低温側外部循環流と、高温側外部循環流との両方を生じさせる。
ポンプ30は、容積型の往復流ポンプである。ポンプ30は、ラジアル型のピストンポンプである。ポンプ30は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング31を備える。ハウジング31は、その中心軸上に回転軸32を回転可能に支持している。ハウジング31は、少なくともひとつのシリンダ33を区画形成している。ハウジング31は、5つのシリンダ33を区画形成している。ポンプ30は5気筒のピストンポンプを提供する。ハウジング31は、カム板34を収容している。カム板34は、ハウジング31の中心軸に対して偏心したカム面を提供する。カム板34は、回転軸32とともに回転するように回転軸32に連結されている。シリンダ33には、ピストン35が配置されている。カム板34は、ピストン35を往復駆動するようにピストン35と作動的に連結されている。
一組のシリンダ33とピストン35とは、中間高温端13から低温端11へ向かう作業水の流れと、中間低温端14から高温端12へ向かう作業水の流れとを同時に生成する。また、一組のシリンダ33とピストン35とは、低温端11から中間高温端13へ向かう作業水の流れと、高温端12から中間低温端14へ向かう作業水の流れとを同時に生成する。一組のシリンダ33とピストン35とは、部分ブロック群49と部分ブロック群59との両方に対応している。
MCDユニット40と、MCDユニット50とは、ポンプ30の両側に分かれて配置されている。MCDユニット40、50は、円筒状または円柱状と呼びうるハウジング41、51を備える。ハウジング41、51は、その中心軸上に回転軸42、52を回転可能に支持する。ハウジング41、51は、回転軸42、52の周囲に、円柱状の空間である磁石収容室43、53を区画形成している。回転軸42、52には、ロータコア44、54が固定されている。ロータコア44、54は、その周方向に沿って磁束を通しやすい範囲と、磁束を通しにくい範囲とを形成するように構成されている。ロータコア44、54は、その断面において、少なくともひとつの扇状部分を有する。この実施形態では、ロータコア44、54は、2つの扇状部分を有する。ロータコア44、54には、永久磁石45、55が固定されている。永久磁石45、55は、部分円筒状であり、その断面が扇型である。永久磁石45、55は、ロータコア44、54の扇状部分の外周面に固定されている。
ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、それらの周囲に、永久磁石45、55が提供する外部磁場が強くなる領域と、永久磁石45、55が提供する外部磁場が弱くなる領域とを形成する。外部磁場が弱くなる領域では、外部磁場がほぼ除去された状態が提供される。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。よって、外部磁場が強い領域と、外部磁場が弱い領域とは、回転軸42、52の回転に同期して回転する。この結果、ロータコア44、54と永久磁石45、55との周囲の一点においては、外部磁場が強く印加される期間と、外部磁場が弱くなりほぼ除去された期間とが繰り返して生じる。したがって、ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、外部磁場の印加および除去を繰り返す磁場印加除去手段を提供する。ロータコア44、54と永久磁石45、55とは、磁場変調装置6を提供する。
ハウジング41、51は、磁石収容室43、53の径方向外側に、等間隔に配置された複数の作業室46、56を区画形成している。この実施形態では、ひとつのハウジング41、51は、5つの作業室46、56を区画形成している。それぞれの作業室46、56は、ハウジング41、51の軸方向に沿って長手方向を有する柱状空間を形成している。ひとつの作業室46、56は、ひとつのシリンダ33だけに対応するように設けられている。ひとつのシリンダ33の両側に、作業室46と作業室56とが配置されている。
作業室46、56は、その一端に作業水が出入りする第1の出入口部を有する。第1の出入口部は、熱交換器3、4へ作業水を供給する出口と、熱交換器3、4から戻る作業水を受け入れる入口とを有する。出口には、作業室46、56からの作業水の流出だけを許容する逆止弁47、57が設けられている。入口には、作業室46、56への作業水の流入だけを許容する逆止弁48、58が設けられている。これら逆止弁47、48、57、58は、リードバルブ、またはボールバルブによって提供することができる。これら逆止弁47、48、57、58は、往復流を生成するための弁機構を提供する。作業室46、56は、その他端にポンプ30に連通する第2の出入口部を有する。第2の出入口部は、ひとつのシリンダ33とひとつのピストン35とによって形成されるひとつのポンプ室だけと連通している。
作業室46、56は、熱を輸送するための媒体としての作業水が流通する流路を提供する。作業室46、56内には、その長手方向に沿って作業水が流れる。作業水は、作業室46、56内を長手方向に沿って往復するように流れる。さらに、作業室46、56は、MCE素子5を収容する収容室を提供する。
変速機80は、回転軸32と回転軸42との間に設けられている。変速機80は、回転軸32と回転軸42との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。変速機90は、回転軸32と回転軸52との間に設けられている。変速機90は、回転軸32と回転軸52との間の回転速度、および/または回転位相を調節する。この実施形態では、回転軸42にモータ20が接続されている。変速機80、90は、AMRサイクルが実現されるようにポンプ30とMCDユニット40、50とが運転されるように、回転軸32と、回転軸42と、回転軸52との回転関係を調節する。
図4はMCE素子5を提供するひとつの素子ベッドを示す斜視図である。複数の素子ブロックと、作業水の流路とを含む構造物は、素子ベッドとも呼ばれる。ひとつの素子ベッドは、複数の素子ブロック61−66と、複数のスペーサ68と、ハウジング筒69とを備える。図中には、ひとつの部分ブロック群49が図示されている。図中には、部分ブロック群49の素子ブロック61、62が図示されている。
ひとつの素子ブロック61、62は、積層された複数の素子片60aを有する。ひとつの素子片60aは、その表面によって作業水と熱交換するMCE素子の塊である。ひとつの素子片60aは、薄い直方体状に形成されている。ひとつの素子片60aは、そのひとつの広い面に凹状に形成された流路溝60bを有する。流路溝60bは、作業水の流れ方向、すなわち温度勾配の方向に沿って延びている。流路溝60bは、作業水の流れ方向における両端に開口している。よって、積層された複数の素子片60aは、それらの間に複数の流路を区画形成する。これら複数の流路は、高い熱交換性能を発揮するマイクルチャンネルを提供する。ひとつの素子ブロックの一端と他端には、複数の流路溝60bによって提供される複数の流路開口が開口している。複数の素子片60aの積層方向の端部には、板状の端部素子片60cが配置されている。
スペーサ68は、作業水の流れ方向に沿って隣接する2つの素子ブロック61、62の間に配置されている。スペーサ68は、素子ブロック61、62の端部に開口した複数の開口を包含する大きい貫通穴を有する。貫通穴は、ひとつの素子ブロック61に設けられた複数の流路と、他の素子ブロック62に設けられた複数の流路との連通を可能とする。スペーサ68は、素子ブロック61、62の間の緩衝部材としても機能する。
複数の素子ブロック61、62とスペーサ68とは、ハウジング筒69内に収容される。ハウジング筒69は、作業室を区画形成する。ハウジング筒69は、ハウジング41、51の部品でもある。
図5−図8は、2つの素子片が提供する磁気熱量特性の関係を示す。横軸は素子片の温度を示し、縦軸は素子片が発揮する磁気熱量効果ΔS(J/kgK)を示す。ここでは、理解を容易にするために、ひとつの素子片が発揮する磁気熱量効果の分布(以下、出力分布と呼ぶ)は、放物線状に図示されている。素子片“A”は出力分布SpAを発揮する。出力分布SpAは、磁気熱量効果ΔSのピーク値PkAと、転移温度領域TbAとで特徴付けられる。素子片“B”は、出力分布SpBである。出力分布SpBは、ピーク値PkBと、転移温度領域TbBとで特徴付けられる。
MCE素子自身の磁気熱量効果は、その材料種類、組成比率、製造工程の種類、工程における処理条件など多様な要素によって変動する。このため、複数の素子片60aの磁気熱量効果の間には、不可避の差が含まれる。差は、磁気熱量効果ΔSのピーク値の差にあらわれる。差は、磁気熱量効果ΔSのピーク値が得られるピーク温度の差にあらわれる。差は、所定値以上の磁気熱量効果が得られる転移温度領域の差にもあらわれる。転移温度領域を規定する定義の一例は、ピーク値の1/2が得られる温度幅である。転移温度領域は、他の定義によって規定されてもよい。例えば、転移温度領域は、ピーク値に対して−3dBの範囲によって定義されてもよい。転移温度領域は、高い磁気熱量効果が得られる高能力温度帯とも呼ぶことができる。転移温度領域は、温度帯域とも呼ぶことができる。
この実施形態では、一の素子片のピーク温度TpAが他の素子片の転移温度領域TbBに含まれ、かつ、他の素子片のピーク温度TpBが一の素子片の転移温度領域TbAに含まれる場合に、それら2つの素子片を温度領域が類似の素子片として扱う。この場合、2つの素子片は、類似のピーク温度を有する素子片として扱われてもよい。類似の素子片は、ひとつの温度帯に割り当てられるひとつの素子ブロックを提供するために利用することができる。類似の語に代えて、同一、同種、同帯域といった語をあてることができる。
この実施形態では、一の素子片のピーク温度TpAが他の素子片の転移温度領域TbBに含まない、または、他の素子片のピーク温度TpBが一の素子片の転移温度領域TbAに含まれない場合に、それら2つの素子片を温度領域が非類似の素子片として扱う。この場合、2つの素子片は、非類似のピーク温度を有する素子片として扱われてもよい。非類似の素子片は、異なる温度帯に割り当てられる異なる素子ブロックを形成するために利用することができる。非類似の語に代えて、異なる、異種、別帯域といった語をあてることができる。
図5、図6には、類似の素子片の例が図示されている。図示の例では、ピーク温度TpAが転移温度領域TbBに含まれ、かつ、ピーク温度TpBが転移温度領域TbAに含まれる。図7、図8には、非類似の素子片の例が図示されている。図7の例では、ピーク温度TpAが転移温度領域TbBに含まれない、しかも、ピーク温度TpBが転移温度領域TbAに含まれない。図8の例では、ピーク温度TpAが転移温度領域TbBに含まれる、しかし、ピーク温度TpBが転移温度領域TbAに含まれない。
図9は、この実施形態におけるブロック群60と磁力源70とを示す複合的な図である。(a)は、ブロック群60と磁力源70の機械的な構造を示す断面図である。(b)は、磁力源70の磁力Hm(A/m)を示すグラフである。(c)は、MCE素子5が定格運転状態で運転されているときの素子ブロックの温度Taの分布の一例を示すグラフである。(d)は、複数の素子ブロック61−66が発揮する磁気熱量効果ΔS(J/kgK)を示すグラフである。この磁気熱量効果ΔSは、素子ブロック単独の出力を示すものではない。この磁気熱量効果ΔSは、MHP装置2に装着された素子ブロックが、磁場変調装置6による磁場変化の下で実際に発揮しうる出力を示している。
(a)に図示されるように、磁力源70は、複数の永久磁石71−76を有する。永久磁石71−76のそれぞれは、素子ブロック61−66のそれぞれに対応付けられている。例えば、ひとつの永久磁石71は、ひとつの素子ブロック61に磁場を供給する。素子ブロック61−66と永久磁石71−76との間の磁気的なギャップは全体にわたって等しい。素子ブロック61−66を構成する材料は、同じ磁場変化の下では互いにほぼ等しい磁気熱量効果を発揮する。
(b)に図示されるように、磁力源70は、作業水が流れる方向に沿って、すなわち素子ブロック61−66の配列方向に沿って、一定ではなく高低に変化する磁力分布を有する。磁力源70は、低温端11および/または高温端12において他の部位より強い磁力分布を提供する。低温端11および/または高温端12に位置する永久磁石71、76の磁力Hm2は、温度勾配の中側に位置する永久磁石72−75の磁力Hm1より強い。低温端11および/または高温端12に位置する永久磁石71、76の磁力Hm2は、温度勾配の中央に位置する永久磁石73、74の磁力Hm1より強い。磁力源70の磁力分布は、磁力源70がMCE素子5に供給する磁力の分布でもある。この結果、磁場変調装置6は、素子ブロック62−65に与える磁場増減量より、素子ブロック61、66に与える磁場増減量を大きくする。磁場変調装置6は、素子ブロック62−65に与える磁場より、素子ブロック61、66に与える磁場を大きくする磁力分布をもつ磁力源70を有するといえる。
(c)に図示されるように、定格運転状態では、低温端11の温度TLと高温端12の温度THとの間に温度分布TgAが生成される。熱的な負荷の変動によって低温端11の温度および/または高温端12の温度は変動する。例えば、低温端11の温度が上昇すると、低温端11の近傍における温度分布は、分布TgAから、破線で示される分布TgLに上昇する。高温端12の温度が低下すると、高温端12の近傍における温度分布は、分布TgAから、破線で示される分布TgHに低下する。
(d)に図示されるように、低温端11と高温端12との間は、複数の温度帯に分割されている。複数の温度帯のそれぞれに素子ブロック61−66が割り当てられている。それぞれの素子ブロック61−66は、異なるピーク温度を提供する能力分布Sp1−Sp6を有する。それぞれの素子ブロック61−66は、割り当てられた温度帯に対応する転移温度領域を有している。能力分布Sp1−Sp6は、低温端11と高温端12との間の全体にわたって、所定値以上の磁気熱量効果が発揮されるように設定されている。
能力分布Sp1−Sp6は、素子ブロック61−66を形成するMCE素子と、磁力源70により与えられる磁場増減量とによって与えられる。永久磁石71、76は、素子ブロック61、66に、他より大きい磁場変化を与える。磁気熱量効果は、磁場増減量の増加に対応して増加する。よって、素子ブロック61、66が発揮する能力分布Sp1、Sp6のピーク値ΔS2は、他の素子ブロック62−65が発揮する能力分布Sp2−Sp5のピーク値ΔS1より大きい。低温端11および/または高温端12に位置する素子ブロック61、66が発揮する磁気熱量効果ΔS2は、他の素子ブロック62−65が発揮する磁気熱量効果ΔS1よりも大きい。この差は、磁力源70の磁力分布に起因する。
素子ブロック62−65は、所定の大きさの磁気熱量効果ΔS1を発揮する第1の素子ブロックを提供する。この所定の大きさは、設計上想定された熱負荷の下において、素子ブロック62−65が担うべき温度差を生成しうる磁気熱量効果である。素子ブロック61、66は、第1の素子ブロックよりも高い磁気熱量効果ΔS2を発揮する第2の素子ブロックを提供する。素子ブロック61、66は、低温端11および/または高温端12に位置づけられている。低温端11および高温端12は、MHP装置2における最も温度が変動しやすい部位である。
定格運転状態では、能力分布Sp1−Sp6上に太い実線で示されるように、素子ブロックはピーク値を含む高い磁気熱量効果を発揮する。望ましい形態では、素子ブロック61−66は、転移温度領域において機能する。この結果、定格運転状態を安定的に維持できる磁気熱量効果が発揮される。
一方、外部の熱負荷の変動によって低温端11および/または高温端12の温度が変化すると、そこに対応付けられた素子ブロックは高い磁気熱量効果を発揮することができない。例えば、低温端11における温度分布が温度分布TgAから温度分布TgLに変化した場合、素子ブロック61が置かれる温度帯が高温側にずれるから、素子ブロック61が発揮できる磁気熱量効果は低下する。
このとき、もし、低温端11の能力分布Sp1が、他の能力分布Sp2−Sp5と同じまたは未満の高さをもつなら、素子ブロック61が発揮できる磁気熱量効果は、ピーク値ΔS1から、最大値ΔS−にまで大幅に低下する。この結果、温度分布TgLを温度分布TgAに復元することが困難となる。
一方、この実施形態では、低温端11の能力分布Sp1は、太い実線で示されるように、ピーク値Sp1より大きいピーク値ΔS2(ΔSp1<ΔSp2)を発揮できる。このため、温度分布TgLの下でも、素子ブロック61は、最大値ΔS−より大きい最大値ΔS+(ΔS−<ΔS+)を発揮することができる。高温端12においても同様の作用効果が得られる。よって、この実施形態によると、端の素子ブロック61、66が発揮する磁気熱量効果が他より大きく設定されているから、温度分布の変化が抑制され、温度分布を迅速に定常温度状態の温度分布に戻すことができる。
この実施形態では、複数の素子ブロック61−66が発揮する磁気熱量効果、すなわち発熱量または吸熱量が、作業水の流れ方向に沿って高低に異なる分布を有する。このため、磁気熱量効果が高い部位では、外部の熱負荷の変動などによって素子ブロックの温度が変化しても、高い磁気熱量効果を維持することができる。実施形態では、低温端11および/または高温端12に位置する素子ブロック61、66が高い磁気熱量効果を発揮するから、低温端11および/または高温端12の温度が変動しても、温度変動を抑制し、迅速に温度を復元することができる。
この実施形態によると、外部の高温および/または低温の影響を受けることがあっても、求められる温度勾配を出力できる。また、低温端および/または高温端の温度が外部の高温および/または低温の影響を受けて理想温度からずれることがあっても、求められる温度勾配へ迅速に復元できる。よって、外部からの熱的な変動に対して高いロバスト性をもち、求められる性能を維持できる磁気熱量素子および熱磁気サイクル装置を提供することができる。
この実施形態では、磁力源70が提供する磁力の分布によって端の素子ブロック61、66が発揮できる磁気熱量効果が高められている。磁力の強弱は、永久磁石の選定、電磁石の電流調節によって比較的変更しやすい。よって、この実施形態は、比較的容易に実現可能な構成を提供する。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、磁力源70に磁力分布をあたえることにより能力分布に高低差が与えられた。これに代えて、この実施形態では、素子ブロック61−66と、磁力源70との間の磁気的なギャップを長短に設定することによって能力分布に高低差が与えられる。
図10はこの実施形態の複合図である。(a)に図示されるように、磁力源270は、端の永久磁石71、76と、他の永久磁石72−75とを有する。永久磁石71−76の磁力は互いに等しい。MCE素子5と磁力源70との間の距離Gaは、永久磁石71、76と素子ブロック61、66との間において、他の永久磁石72−75と素子ブロック62−65との間より狭い。(b)に図示されるように、永久磁石71、76と素子ブロック61、66との間の距離Ga2は、他の永久磁石72−75と素子ブロック62−65との間の距離Ga1より短い。距離Ga1、Ga2は、磁気的なギャップに相当する。このように、複数の素子ブロック61−66と、磁場変調装置6とは、素子ブロック62−65に与える磁場より、素子ブロック61、66に与える磁場を大きくする磁気的なギャップを形成するように構成されている。よって、この実施形態では、磁気的なギャップの差に起因して、素子ブロック61−66に与えられる磁場増減量には差が与えられる。素子ブロック61、66に与えられる磁場増減量は、素子ブロック62−65に与えられる磁場増減量より大きい。
この結果、(d)に図示されるように、低温端11および/または高温端12に対応する素子ブロック61、66が発揮する能力分布Sp1、Sp6は、他の素子ブロック62−65が発揮する能力分布Sp2−Sp5より高い。この実施形態でも、外部の熱的な影響を受けやすい低温端11および/または高温端12において高い磁気熱量効果が発揮されるように、能力分布の高低差が付与される。よって、低温端11および/または高温端12において温度変動の抑制と、迅速な復元とが可能である。
また、この実施形態では、永久磁石71−76の配置位置を変えることによって能力分布に高低差を与えることができる。よって、この実施形態は比較的容易に実現可能な構成を提供する。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、磁力源70の改良により能力分布に高低差が与えられた。これに代えて、この実施形態では、素子ブロックを形成する素子片そのものの能力に意図的に差を与えることによって素子ブロック間に能力分布の高低差が与えられる。
図11はこの実施形態の複合図である。(a)に図示されるように、ブロック群360は、素子ブロック361、62−65、366を有する。磁力源370は、永久磁石45と、永久磁石55とを有する。(b)に図示されるように、低温端11および/または高温端12における素子ブロック361、366の素子片が発揮しうる磁気熱量効果ΔS2は、素子ブロック62−65の素子片が発揮しうる磁気熱量効果ΔS1より高い。このような能力の高低差は、異なる材料の採用、異なる組成比率の採用、異なる製造工程の採用、製造工程における異なるパラメータの採用など多様な手法によって実現できる。この実施形態では、素子ブロック62−65と素子ブロック361、366との磁気熱量効果の差は、素子ブロックそれ自身の材料、組成比率、または製造工程の差に起因する。
この結果、(d)に図示されるように、低温端11および/または高温端12に対応する素子ブロック361、366が発揮する能力分布Sp1、Sp6は、他の素子ブロック62−65が発揮する能力分布Sp2−Sp5より高い。この実施形態でも、先行する実施形態に共通の作用効果が得られる。
(第4実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、素子片を形成する材料に起因して素子片そのものが発揮しうる磁気熱量効果に高低差が与えられた。これに代えて、この実施形態では、素子片の体積によって能力分布に高低差が与えられる。
図12は、素子ブロック62−65に利用される素子片60aの斜視図である。素子片60aは、流路溝60bを有する。素子片60aは、所定の体積を有している。素子片60aは、その体積に対応した量の磁気熱量効果を発揮する。
図13は、低温端11および/または高温端12に位置づけられる素子ブロック461、466に利用される素子片460aの斜視図である。素子片460aは、流路溝460bを有する。素子片460aは、所定の体積を有している。素子片460aを形成する壁の厚さは、素子片60aを形成する壁の厚さより厚い。言い換えると、流路溝460bの断面積は、流路溝60bの断面積より小さい。この結果、素子片460aの体積は、素子片60aの体積より大きい。
図14は、この実施形態の複合図である。(a)に図示されるように、ブロック群460は、素子ブロック461、62−65、466を有する。(b)に図示されるように、低温端11および/または高温端12における素子ブロック461、466の素子片460aの体積Vm2は、素子ブロック62−65の素子片60aの体積Vm1より大きい。
この結果、(d)に図示されるように、低温端11および/または高温端12に対応する素子ブロック461、466が発揮する能力分布Sp1、Sp6は、他の素子ブロック62−65が発揮する能力分布Sp2−Sp5より高い。この実施形態でも、先行する実施形態に共通の作用効果が得られる。
(他の実施形態)
ここに開示される発明は、その発明を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示される発明の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される発明のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
例えば、上記実施形態では、低温系統15と高温系統16との両方を採用した。これに代えて、低温端11または高温端12と、熱源または熱負荷とを直接的に熱交換させるように構成されてもよい。
上記実施形態では、MHP装置1によって車両用の空調装置4を提供した。これに代えて、住宅用の空調装置、食品などを貯蔵する冷蔵装置などを提供してもよい。
上記実施形態では、低温端11と高温端12とを固定した。これに代えて、低温端11と高温端12とを入れ替えるようにMHP装置2を運転してもよい。例えば、冷房用途においては熱交換器3が低温系統となるようにMHP装置2を運転し、暖房用途においては熱交換器3が高温系統となるようにMHP装置2を運転することができる。このような反転可能な運転は、磁場変調装置6と熱輸送装置7との位相を反転させることによって実現可能である。
上記実施形態では、磁力源70の磁力の差、磁気的なギャップの差、素子ブロックの材料に起因する能力の差、または素子ブロックの体積の差によって能力分布に高低差を与えた。これに代えて、先行する実施形態に開示された多様な手法のふたつ以上を組み合わせることによって能力分布に高低差を与えてもよい。
上記実施形態では、低温端11および高温端12の両方に位置づけられた素子ブロックが発揮する磁気熱量効果を他の素子ブロックより高くするように能力分布の高低差を設定した。これに代えて、低温端11または高温端12の一方に位置づけられる素子ブロックだけが発揮する磁気熱量効果を他の素子ブロックが発揮する磁気熱量効果より高くしてもよい。また、中間高温端13および/または中間低温端14に位置づけられる素子ブロック63、64が発揮する磁気熱量効果を中央部の素子ブロック62、65が発揮する磁気熱量効果より高くしてもよい。これらの場合、低温端11と中間高温端13との間の複数のブロック、または中間低温端14と高温端12との間の複数のブロックが、発明による改良の対象とされる。このような構成は、ポンプ30またはその周辺からの熱流入、または熱流出が大きい場合に、望ましい温度勾配を生成し、維持するために有効である。