JP6399577B2 - トンネル掘削機およびトンネル掘削方法 - Google Patents

トンネル掘削機およびトンネル掘削方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル掘削機に関し、特に地山の崩壊や掘削した土砂による締め付け(以下地山の崩壊等と呼ぶ)にてトンネル掘削機が地山に拘束され始めた時に拘束解除を可能にするために胴部材の直径を縮径可能にしたトンネル掘削機に関する。
大口径、長距離、大深度のトンネルを掘削するトンネル掘削機においては、断層帯に遭遇した際に地山の崩壊等により、胴体が地山に拘束され、掘削不能となる可能性がある。そのため、胴体を拘束している地山の上部崩壊等を解除する為に、大きな水圧や土圧が作用する環境下で地山が崩壊しない処置として、地山に後方より地盤改良材を注入した後、人力により拘束解除の為の切り拡げ作業を行っていた。
特許文献1には、シールド坑の掘削直径を必要に応じて拡縮する為に掘削断面の直径を全方向に均等に漸増、漸減可能にした断面可変シールド掘進機が開示されている。
特開平8−93381号公報
特に大深度における断層帯に拘束された場合に、地盤改良材を注入したとしても、水圧や土圧を完全に封止できる可能性が低く、作業者が胴体外に出て行う切り拡げ作業には常に危険性が伴う。しかも、大口径トンネル掘削機においては、切り拡げ作業量が多く、作業期間が長期間になることが想定される。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、人力に頼らずに短時間で地山からの拘束を解除可能とするトンネル掘削機を提供することを目的とする。
請求項1のトンネル掘削機は、カッターヘッドと胴部材とを有するトンネル掘削機において、前記胴部材は、内胴とこの内胴に対して所定隙間を空けて同心状に配置された外胴とを有し、前記外胴の中段部に外胴を縮径可能に分断した左右1対の可変連結部を設けると共に、前記可変連結部より上側の外胴部分を外胴上部、前記可変連結部より下側の外胴部分を外胴下部とし、前記外胴下部は、前記内胴に対して固定状態に保持された底板部を有し、前記左右1対の可変連結部は、前記内胴の軸心方向の複数位置に夫々設けられ且つ前記外胴上部を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第1駆動手段を備え、前記第1駆動手段は、前記胴部材の周方向と略平行に配設された第1油圧シリンダを備えたことを特徴としている。
請求項2のトンネル掘削機は、請求項1の発明において、前記外胴下部は前記底板部の両端に周方向端部が回動可能にヒンジ接続された左右1対の下部側板を有し、前記左右1対の可変連結部は、前記内胴の軸心方向の複数位置に夫々設けられ且つ前記左右1対の下部側板を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第2駆動手段を備え、前記第2駆動手段は、前記胴部材の周方向と略平行に配設された第2油圧シリンダを備えたことを特徴としている。
請求項3のトンネル掘削機は、請求項1又は2の発明において、前記外胴上部の頂板部分と内胴との間に、縮径状態のとき前記頂板部分を拡径方向に付勢する圧縮バネからなる複数の付勢手段を設けたことを特徴としている。
請求項4のトンネル掘削機は、請求項2の発明において、前記外胴上部は、頂板部と、この頂板部の左右両端に回動可能に接続された左右1対の上部側板とを備え、前記頂板部を縮径可能に支持する第3駆動手段を設けたことを特徴としている。
請求項5のトンネル掘削機は、請求項1の発明において、前記内胴の前端部と外胴の前端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第1侵入防止機構を設け、前記内胴の後端部と外胴の後端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第2侵入防止機構を設けたことを特徴としている。
請求項6のトンネル掘削機は、請求項5の発明において、前記左右1対の可変連結部から内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ左右1対の第3侵入防止機構を設けたことを特徴としている。
請求項7のトンネル掘削機は、請求項1又は2の発明において、前記外胴上部の頂板部分に地山から作用する荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出手段を設けたことを特徴としている。
請求項8のトンネル掘削機は、請求項1又は2の発明において、前記カッターヘッドに掘削径を拡大する為の複数のオーバーカッターを設け、前記内胴と外胴の前端近傍部の下端部分に、外胴の外側へ突出可能な可動ソリと、この可動ソリを進退駆動する進退駆動手段とを設けたことを特徴としている。
請求項9のトンネル掘削方法は、請求項2に記載のトンネル掘削機によりトンネルを掘削するトンネル掘削方法において、記カッターヘッドに複数のオーバーカッターを予め設けておき、地山が胴部材を圧縮する圧縮荷重が予め定めた第1基準値を超えた際に、前記外胴の径を拡径状態に保持して前記複数のオーバーカッターにより拡径した掘削断面でトンネル掘削を行う第1ステップと、地山が胴部材を圧縮する圧縮荷重が前記第1基準値より大きな第2基準値を超えた際に、前記底板部以外の外胴部分の径を縮小した縮径状態に保持してトンネル掘削を行う第2ステップとを備えたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、胴部材が内胴とこの内胴に所定間隔空けて同心状に配置された外胴とを有し、前記外胴の中段部に外胴を縮径可能に分断した左右1対の可変連結部を設け、前記外胴下部は、前記内胴に対して固定状態に保持された底板部を有し、左右1対の可変連結部は、外胴上部を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第1駆動手段を備え、第1駆動手段は前記胴部材の周方向と略平行に配設された第1油圧シリンダを備えているため、次の効果が得られる。
トンネル掘削機が地山から拘束された際には、複数組の左右1対の第1駆動手段により外胴上部を内方(下方)へ駆動することで、外胴上部を縮径させて、地山からの拘束を解除可能である。それ故、作業者がトンネル掘削機の機外へ出ることなく、能率的に安全に短期間に拘束解除できる。また、前記第1油圧シリンダを胴部材の付近に配設することができる。
外胴下部は内胴に対して固定状態に保持された底板部を有するため、外胴上部を縮径する場合にもトンネル掘削機の軸心の高さ位置を一定に維持することができ、トンネル掘削機が下方に沈む虞が無く健全な掘削が可能である。
請求項2の発明によれば、前記左右1対の可変駆動部は、前記外胴下部を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第2駆動手段を備え、第2駆動手段は前記胴部材の周方向と略平行に配設された第2油圧シリンダを備えたため、外胴上部の縮径と連動して外胴下部を縮径させることで、外胴の底板部を除いた部分に作用する土圧を軽減し、地山からの拘束の解除を促進することができる。また、前記第2油圧シリンダを前記胴部材の付近に配設することができる。
請求項3の発明によれば、外胴上部の頂板部分と内胴との間に、縮径状態のとき前記頂板部分を拡径方向に付勢する複数の付勢手段を設けたため、外胴を縮径状態から拡径する際に、複数の付勢手段で頂板部分を拡径側へ付勢し、外胴の拡径を促進できる。
請求項4の発明によれば、外胴上部は、頂板部と、この頂板部の左右両端に回動可能に接続された左右1対の上部側板とを備え、外胴上部の頂板部と内胴との間に、前記頂板部を縮径可能に支持する第3駆動手段を設けたため、より細かな縮径動作を行うことができる。
請求項5の発明によれば、内胴の前端部と外胴の前端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第1侵入防止機構を設け、内胴の後端部と外胴の後端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第2侵入防止機構を設けたため、内胴と外胴間に土砂が侵入するのを防止できる。
請求項6の発明によれば、左右1対の可変連結部から内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ左右1対の第3侵入防止機構を設けたため、可変連結部から内胴と外胴間に土砂が侵入するのを防止できる。
請求項7の発明によれば、外胴上部の頂板部分に地山から作用する荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出手段を設けたため、地山の崩壊の前兆を検出可能になり、地山の崩壊等に伴う拘束を検出可能になる。
請求項8の発明によれば、カッターヘッドに掘削径を拡大する為の複数のオーバーカッターを設け、内胴と外胴の前端近傍部の下端部分に、外胴の外側へ突出可能な可動ソリと、この可動ソリを進退駆動する進退駆動手段とを設けたため、複数のオーバーカッターを作動させて掘削径を拡大するとき、進退駆動手段により可動ソリを突出させることで、トンネル掘削機の軸心の高さ位置を一定に維持した状態でトンネル掘削を続行することができる。
請求項9のトンネル掘削方法によれば、第1ステップにおいて、地山が胴部材を圧縮する圧縮荷重が予め定めた第1基準値を超えた際に、外胴を拡径状態に保持して前記複数のオーバーカッターにより拡径した掘削断面でトンネル掘削を行ない、第2ステップにおいて、圧縮荷重が前記第1基準値より大きな第2基準値を超えた際に、前記底板部以外の外胴部分の径を縮小した縮径状態に保持してトンネル掘削を行う。 第1ステップによりトンネル掘削機が地山に拘束されるのを抑制することができ、第2ステップにより地山に拘束されたトンネル掘削機の拘束解除を行うことができる。
本発明の実施例1に係るトンネル掘削機(通常状態)の縦断面図である。 カッターヘッドの正面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 トンネル掘削機(縮径状態)の縦断面図である 図5のVI−VI線断面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 図1のA部の拡大図である。 図3のB部の拡大図である。 図6のD部の拡大図である。 図4のC部の拡大図である。 図7のE部の拡大図である。 外胴の構成を示す説明図である。 実施例2に係るトンネル掘削機(通常状態)の縦断面図である。 図14のXV−XV線断面図である。 図14のXVI−XVI線断面図である。 トンネル掘削機(縮径状態)の縦断面図である。 図17のXVIII−XVIII線断面図である。 図17のXIX−XIX線断面図である。
本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、トンネル掘削方向に向いた状態での前後左右を前後左右として説明する。
また、以下の実施例において、直径の拡大を意味する「拡径」、直径の縮小を意味する「縮径」は、トンネル掘削機の軸心に対して上下方向に非対称な「拡径」、「縮径」を意味するものである。
本実施例に係るトンネル掘削機1は、胴部材2を内胴2Aとこの内胴2Aに対して所定隙間を空けて同心状に配置された外胴2Bとで構成し、外胴2Bを縮径可能にした大口径のトンネル掘削機であり、トンネル掘削機1の内部に装備する内部構造や機器や設備に関しては通常のトンネル掘削機とほぼ同様であるので、簡単に説明する。
図1〜図4に示すように、このトンネル掘削機1は、基本構成要素として、胴部材2、カッターヘッド3、隔壁構造4、カッター駆動機構5、複数のスラストジャッキ6、複数のシールドジャッキ7、2本の回転制御ジャッキ8、可動ソリ9及び複数のフロントグリッパー10、複数のメイングリッパー11、旋回リング12及びエレクタ13、作業デッキ14、セグメント形状保持装置15、排土設備16などを備えている。
次に、胴部材2について説明する。
内胴2Aは、前部内胴20aと中間内胴20bと後部内胴20cとを有し、円筒状の前部内胴20aが円筒状の中間内胴20bに所定ストローク摺動自在に外嵌されている。
外胴2Bは、内胴2Aの外側に内胴2Aに対して所定隙間(例えば400mm)を空けて同心状に配置されている。外胴2Bは、前部外胴40と、後部外胴50とを有し、前部外胴40の後端側部分が後部外胴50の前部に所定ストローク摺動自在に外嵌されている。尚、外胴2Bの詳細については後述する。
次に、カッターヘッド3と隔壁構造4とカッター駆動機構5について説明する。
図1,図2に示すように、カッターヘッド3は、放射方向に延びる複数(例えば8本)のカッターフレーム21と、これらカッターフレーム21の外周側端部が固定される外周フレーム22と、複数のカッターフレーム21に夫々付設された複数のローラーカッター23と、複数のカッターフレーム21の外周端部分に前方且つ外向きの傾斜状に夫々装備された複数(例えば8組)のオーバーカッター24と、複数(例えば8枚)の扇形の面板25等を備えている。尚、面板25の1辺とカッターフレーム21の間には土砂導入用の隙間26が形成され、複数のカッターフレーム21の後端部はカッタードラム27に固定されている。
前記オーバーカッター24は、油圧シリンダにより進出位置と後退位置とに切換え可能に構成されている。地山の崩壊の兆候が出てきて、胴部材2を圧縮する圧縮荷重が増大し始めた場合に、オーバーカッター24を突出位置に切換えることで、掘削断面の直径を拡大することができる。
カッターヘッド3の後側にカッターチャンバー17が形成され、このカッターチャンバー17の後端は隔壁構造4で仕切られている。隔壁構造4は、中心側部分の円板部材4aと、外周側部分の環状板部材4bと、円板部材4a及び環状板部材4bの後面側の機器取付用フレーム4cとを有し、機器取付用フレーム4cは、前部内胴20aと円板部材4aと環状板部材4bとに固着されている。前記カッタードラム27が円板部材4aと環状板部材4bとの間にシール部材やベアリングを介して回転自在に装着されている。
次に、前記カッター駆動機構5に関して、図1,図3に示すように、カッタードラム27には内歯リングギヤ5aが固定され、複数のカッター駆動モータ5bの出力軸に固定されたピニオンギヤ5cが内歯リングギヤ5aに噛合し、内歯リングギヤ5aは旋回ベアリング5dを介して機器取付用フレーム4cに回転自在に支持されている。こうして、複数のカッター駆動モータ5bにより内歯リングギヤ5aを介してカッタードラム27とカッターヘッド3とを回転駆動可能に構成してある。尚、複数のカッター駆動モータ5bは機器取付用フレーム4cに取り付けられている。
次に、スラストジャッキ6について説明する。
図1,図3に示すように、前記機器取付用フレーム4cの後面に閉断面の環状部材28が固定され、後部内胴20cの内面に前後幅の大きな環状ウェブ29が固定され、トンネル掘削の推進力を発生させる為の複数(例えば、14本)のスラストジャッキ6が環状ウェブ29の内周近傍に周方向適当間隔おきに前後方向向きに付設されている。
スラストジャッキ6のジャッキ本体は環状部材28のブラケットにピン結合され、各スラストジャッキ6のピストンロッドは環状ウェブ29の内面のブラケットにピン結合されている。複数のスラストジャッキ6を伸長駆動することにより、前部内胴20aと前部外胴40と隔壁構造4とカッター駆動機構5とカッターヘッド3等を含む掘削機前部1Aを、掘削機後部1Bに対して相対的に前進移動させながらトンネル掘削を行う。尚、スラストジャッキ6の前後両端を連結するピン結合部には僅かのガタ付きがあるため、掘削方向を左右方向や上下方向へ小角度だけ方向変換可能である。
次に、シールドジャッキ7について説明する。
図1,図4に示すように、複数(例えば、32本)のシールドジャッキ7は、周方向適当間隔おきに前後方向向きに配設され、これらシールドジャッキ7は環状ウェブ29に貫通状に装着固定されている。各シールドジャッキ7のピストンロッドはジャッキ本体から後方へ伸長可能である。
各シールドジャッキ7のジャッキ本体の前端から延びた連結片7aは、中間内胴20bの内面に固着された環状フレーム30の連結片7bに半径方向向きのピンによりピン結合されている。複数のシールドジャッキ7のジャッキ本体をピン結合する複数のピン結合部には、僅かのガタ付きがあるため、掘削方向を左右方向や上下方向へ小角度だけ方向変換可能である。
2本1組にしたシールドジャッキ7の2つのピストンロッドの先端にはスプレッダー7cが連結されている。複数のスプレッダー7cを覆工済みのセグメントSの前端面に前方から当接させ、複数のシールドジャッキ7のピストンロッドを伸長駆動することにより、トンネル掘削機1の全体をセグメント1リング分に相当する所定ストロークだけ前進移動させることができる。
次に、回転制御ジャッキ8について説明する。図1,図3に示すように、回転制御ジャッキ8は、掘削機前部1Aに対して掘削機後部1Bが相対回転しないようにそれらのローリング角度を制御するものである。環状フレーム30と環状ウェブ29の間の空間の左側部と右側部に左右1対の回転制御ジャッキ8が配設され、回転制御ジャッキ8のジャッキ本体の基端部は、環状フレーム30のブラケット8aにピン結合され、ピストンロッドの先端部は環状ウェブ29に固定したブラケット8bにピン結合されている。
次に、可動ソリ9とフロントグリッパー10について説明する。図1,図3に示すように、可動ソリ9と、4組のフロントグリッパー10は、胴部材2の前端部分に対応する部位において機器取付用フレーム4cに装備されている。機器取付用フレーム4cの底部には、周方向に細長い平面視矩形状の可動ソリ9が上下方向に突出自在に設けられ、可動ソリ9に組み込んだ2組の油圧シリンダで可動ソリ9を進退駆動可能に構成してある。
カッターヘッド3のオーバーカッター24を突出させて掘削断面の直径を拡大した場合に、2組の油圧シリンダにより可動ソリ9を突出位置に切換え、トンネル掘削機1が下降移動するのを防止し、トンネル掘削機1の軸心の位置を一定に維持する。可動ソリ9を突出位置に切換えた状態でトンネル掘削を行う関係上、可動ソリ9の下端面の前部は、前方上り傾斜状のテーパ面9aに形成されている。
4組のフロントグリッパー10は、下部側の2組と上部側の2組が、例えば円周4等分位置に配設されている。フロントグリッパー10は、内蔵した油圧ジャッキにより突出位置と引込み位置とに切換え可能である。フロントグリッパー10の先端面には、可動ソリ9と同様のテーパ面10aが形成されている。これらフロントグリッパー10は、トンネル掘削中に低圧の油圧で突出位置に保持され、トンネル掘削機1の振動を防止する。尚、フロントグリッパー10の数は4組に限るものではない。
次に、メイングリッパー11について説明する。
例えば4組のメイングリッパー11は、環状ウェブ29の後部に対応する前後方向位置において、環状ウェブ29の上部側部分に周方向適当間隔おきに配設されている。メイングリッパー11は、油圧ジャッキにより突出位置と引込み位置とに切換え可能になっている。これらメイングリッパー11によりトンネル掘削の推進力の反力を取った状態にして、全部のシールドジャッキ7のピストンロッドを収縮状態に保持して、複数のスラストジャッキ6で推進力を発生させながらトンネル掘削を行ない、トンネル掘削と並行してエレクタ13でセグメントの覆工を行なうことができる。
複数のスラストジャッキ6の1ストローク分掘削する毎に、掘削を中断し、複数のスラストジャッキ6のピストンロッドを収縮させる動作と、複数のシールドジャッキ7のピストンロッドを伸長させる動作とを同期して行うことで、トンネル掘削機1を1ストローク分前進移動させてから、次の1ストローク分のトンネル掘削とセグメントの組み付けを行うことを繰り返していく。
次に、旋回リング12及びエレクタ13について説明する。
図1,図4に示すように、環状ウェブ29に左右1対の縦向きの支柱31の上下両端が連結され、これら左右1対の支柱31の中段部に左右1対のブラケット31aが固定され、これら1対のブラケット31aに断面円形の左右1対のガイド部材32の前端部分が夫々固定され、1対のガイド部材32は後方へ水平に延びている。
上記の1対のガイド部材32に前後移動自在に外嵌された1対の筒部材32aが設けられ、これら筒部材32aにトンネル軸心と直交状の支持フレーム33が固定され、この支持フレーム33の外周部の前面には旋回ベアリング34を介して旋回リング12が取り付けられ、この旋回リング12の下端部に固定された連結部材35にエレクタ13が装備されている。連結部材35には左右1対の後方へ水平に延びるガイド部材35aが固定され、これらガイド部材35aにエレクタ13が前後方向に移動自在に装備されている。
上記の旋回リング12を旋回駆動する為の複数の旋回駆動装置37(図示略)が設けられ、この旋回駆動装置37を駆動することにより、旋回リング12と共にエレクタ13が旋回駆動される。尚、旋回リング12と共にエレクタ13を前後方向に駆動する左右1対の油圧シリンダ36も装備されている。
作業デッキ14は、図示外の部材を介して左右の支柱31に連結されている。また、作業デッキ14にはセグメントS組立用移動式バスケット14aも装備されている。トンネル内面に覆工したセグメントの形状を保持する形状保持装置15がエレクタ13の後側に配設されている。掘削した土砂や岩石類を搬出する排土設備としてのベルトコンベア16が後方上りの傾斜状に配設され、その前端部には前後にスライド可能なベルトコンベアゲート16aも設けられている。
次に、胴部材2の外胴2Bについて説明する。
図1,図3,図13に示すように、外胴2Bは、前部外胴40と後部外胴50とを有する。前部外胴40は、前部外胴上部41と、前部外胴下部42とに分割されている。前部外胴上部41は、前部外胴頂板部41aと、これの左右両側の1対の前部外胴上部側板41b,41cとに分割されている。前部外胴下部42は、前部外胴底板部42aと、これの左右両側の1対の前部外胴下部側板42b,42cとに分割されている。
尚、以下の説明において、前部外胴頂板部41aを頂板部41aと記載し、左右の前部外胴上部側板41b,41cを上部側板41b,41cと記載し、前部外胴底板部42aを底板部42aと記載し、左右の前部外胴下部側板42b,42cを下部側板42b,42cと記載する。
図1,図4,図13に示すように、後部外胴50は、後部外胴上部51と、後部外胴下部52とに分割されており、後部外胴上部51は、後部外胴頂板部51aと、これの左右両側の1対の後部外胴上部側板51b,51cとに分割されている。後部外胴下部52は、後部外胴底板部52aと、これの左右両側の1対の後部外胴下部側板52b,52cとに分割されている。
尚、以下の説明において、後部外胴頂板部51aを頂板部51a、左右の後部外胴上部側板51b,51cを上部側板51b,51c、後部外胴底板部52aを底板部52a、左右の後部外胴下部側板52b,52cを下部側板52b,52cと夫々記載する。
図3に示すように、底板部42aは、可動ソリ9の周方向両側に前後方向向きに配置された左右1対の連結リブ43により前部内胴20aに固定されている。図1,図4に示すように、底板部52aを後部内胴20cに固定する複数の連結リブ45が設けられている。
図3,図9,図10に示すように、前部外胴40の中段部には、前部外胴40を縮径可能に分断した左右1対の前部外胴可変連結部60が設けられている。左右の前部外胴可変連結部60は対称のものであるので、右側の前部外胴可変連結部60について説明する。
右側の前部外胴可変連結部60は、上部側板41cと下部側板42cとを縮径可能に分断した分断シール構造61と、前部外胴上部41を前部内胴20aに縮径駆動可能に連結する複数(例えば6本)の前部第1油圧シリンダ62と、前部外胴下部42を前部内胴20aに縮径駆動可能に連結する複数(例えば6本)の前部第2油圧シリンダ63とを有する。尚、第1,第2油圧シリンダ62,63は、前部内胴20a及び前部外胴40の周方向と略平行な略鉛直姿勢に且つ交差状に配設されている。また、第1,第2油圧シリンダ62,63に高圧の油圧を供給することで大きな駆動力を発生可能である。
分断シール構造61について説明すると、上部側板41cの下端と、下部側板42cの上端部の間には、所定幅(例えば、300〜400mm)の前後方向向きのスリット61aが全長に亙って形成され、このスリット61aを内側から塞ぐ部分円筒状の封鎖板61bが設けられ、この封鎖板61bの下端側部分が下部側板42cの内面に溶接され、封鎖板61bの上端側部分が上部側板41cの内面に当接又は近接して土砂が侵入しないように封止している。
6組の前部第1油圧シリンダ62は、例えば前部内胴2aを前後に5等分する前後方向位置に配設されている。尚、前部第2油圧シリンダ63は前部第1油圧シリンダ62と同じ前後方向位置に配設されている。但し、前部第1,第2油圧シリンダ62,63を設ける数と位置は前記に限るものではない。
各組の前部第1,第2油圧シリンダ62,63を点検修理する為の例えば矩形状の点検窓64が設けられ、この点検窓64の窓枠65が前部内胴20aに固定され、通常掘削時には点検窓64は鋼製の蓋板64aで閉じられており、点検時に複数のボルトを緩めて蓋板64aを外すことで点検可能になる。前部第1油圧シリンダ62のシリンダ本体の基端部は、窓枠65の下端部に前後向きの軸心を有するピン結合部62aによりピン結合され、前部第1油圧シリンダ62のピストンロッド(通常は伸長状態)の先端部が上部側板41cの下端近傍部に前後向きの軸心を有するピン結合部62bによりピン結合されている。
前部第2油圧シリンダ63のシリンダ本体の基端部は、窓枠65の上端部に前後向きの軸心を有するピン結合部63aによりピン結合され、前部第2油圧シリンダ63のピストンロッド(通常は伸長状態)の先端部が下部側板42cの上端近傍部に前後向きの軸心を有するピン結合部63bによりピン結合されている。
分断シール構造61があるため、左右両側の複数の前部第1油圧シリンダ62のピストンロッドを収縮させることで、左右の上部側板41b,41cを含む前部外胴上部41を前部内胴20aに対して下方へ引き付けて縮径させることができる。また、左右両側の複数の前部第2油圧シリンダ63のピストンロッドを収縮させることで、下部側板42b,42cを含む前部外胴下部42を前部内胴20aに対して上方へ引き付けて縮径させることができる。
図4,図11,図12に示すように、後部外胴50の中段部には、後部外胴50を縮径可能に分断した左右1対の後部外胴可変連結部70が設けられている。左右の後部外胴可変連結部70は対称のものであるので、右側の後部外胴可変連結部70について説明する。 右側の後部外胴可変連結部70は、上部側板51cと下部側板52cとを縮径可能に分断した分断シール構造71と、後部外胴上部51を後部内胴20cに縮径駆動可能に連結する複数(例えば7本)の後部第1油圧シリンダ72と、後部外胴下部52を後部内胴20cに縮径駆動可能に連結する複数(例えば7本)の後部第2油圧シリンダ73とを有する。尚、第1,第2油圧シリンダ72,73は、後部内胴20c及び後部外胴50の周方向と略平行な略鉛直姿勢に且つ交差状に配設されている。また、第1,第2油圧シリンダ72,73に高圧の油圧を供給することで大きな駆動力を発生可能である。尚、第1油圧シリンダ72、第2油圧シリンダ73は必ずしも略鉛直姿勢、交差状に配設されている必要はない。
分断シール構造71について説明すると、上部側板51cの下端と、下部側板52cの上端部の間には、所定幅(例えば、300〜400mm)の前後方向向きのスリット71aが全長に亙って形成され、このスリット71aを内側から塞ぐ部分円筒状の封鎖板71bが設けられ、この封鎖板71bの下端側部分が下部側板52cの内面に溶接され、封鎖板71bの上端側部分が上部側板51cの内面に当接又は近接して土砂が侵入しないように封止している。
7組の後部第1,第2油圧シリンダ72,73は、例えば後部外胴50を6等分する前後方向位置に配設されているが、この配置位置は一例であり、これに限定されるものではない。後部第1,第2油圧シリンダ72,73を点検修理する為の例えば矩形状の点検窓74が設けられ、この点検窓74の窓枠75が後部内胴20cに固定され、通常の掘削時には点検窓74は鋼製の窓板74aで閉じられており、点検時に複数のボルトを緩めて窓板74aを外すことで点検可能になる。
後部第1油圧シリンダ72のシリンダ本体の基端部は、窓枠75の下端部に前後向きの軸心を有するピン結合部72aによりピン結合され、後部第1油圧シリンダ72のピストンロッド(通常は伸長状態)の先端部が上部側板51cの下端近傍部に前後向きの軸心を有するピン結合部72bによりピン結合されている。
後部第2油圧シリンダ73のシリンダ本体の基端部は、窓枠75の上端部に前後向きの軸心を有するピン結合部73aによりピン結合され、後部第2油圧シリンダ73のピストンロッド(通常は伸長状態)の先端部が下部側板52cの上端近傍部に前後向きの軸心を有するピン結合部73bによりピン結合されている。
分断シール構造71があるため、左右両側の複数の後部第1油圧シリンダ72のピストンロッドを収縮させることで、左右の上部側板51b,51cを、頂板部51aとの結合部を中心として内胴2A方向に回動させることができる。即ち、後部外胴上部51を後部内胴20cに対して下方へ引き付けて縮径させることができる。また、左右両側の複数の後部第2油圧シリンダ73のピストンロッドを収縮させることで、左右の下部側板52b,52cを、底板部52aとのヒンジ結合部49b,49cを中心として内胴2A方向に回動させて縮径させることができる。即ち、後部外胴下部52の底板部52aを除いた部分を後部内胴20cに対して上方へ引き付けて縮径させることができる。
ここで、上記の左側の前部外胴可変連結部60と左側の後部外胴可変連結部70とが、左側の「可変連結部」に相当し、右側の前部外胴可変連結部60と右側の後部外胴可変連結部70とが、右側の「可変連結部」に相当する。
左側の複数の前部第1油圧シリンダ62と左側の複数の後部第1油圧シリンダ72とが、「左側第1駆動手段」に相当し、右側の複数の前部第1油圧シリンダ62と右側の複数の後部第1油圧シリンダ72とが、「右側第1駆動手段」に相当し、左側の複数の前部第2油圧シリンダ63と左側の複数の後部第2油圧シリンダ73とが、「左側第2駆動手段」に相当し、右側の複数の前部第2油圧シリンダ63と右側の複数の後部第2油圧シリンダ73とが、「右側第2駆動手段」に相当する。
次に、ヒンジ結合部46b,46cについて説明する。
図3に示すように、頂板部41aの左端部と、上部側板41bの上端部をヒンジ結合する例えば6組のヒンジ結合部46b(前後方向向きの軸心を有する)が設けられている。6組のヒンジ結合部46bは、例えば前部第1,第2油圧シリンダ62,63に対応する前後方向位置に設けられている。尚、6組よりも多くのヒンジ結合部46bを設けてもよい。
ヒンジ結合部46bは、上部側板41bの内面に固定されて頂板部41aの内面側へ延びたヒンジ腕46mと、頂板部41aの内面に固定された枢支片46nと、ヒンジ腕46mの先端部を枢支片46nにピン結合するピン部材46pとで構成されている。
頂板部41aの右端部と、上部側板41cの上端部をヒンジ結合する例えば6組のヒンジ結合部46cも設けられている。これら右側のヒンジ結合部46cは左側のヒンジ結合部46bと左右対称のものである。尚、6組よりも多くのヒンジ結合部46cを設けてもよい。
次に、ヒンジ結合部47b,47cについて説明する。
図3に示すように、底板部42aの左端部と、下部側板42bの下端部をヒンジ結合する例えば6組のヒンジ結合部47b(前後方向向きの軸心を有する)が設けられている。 6組のヒンジ結合部47bは、例えば、6組のヒンジ結合部46bに対応する前後方向位置に設けられている。ヒンジ結合部47bは、ヒンジ結合部46bと同様のものであるので説明を省略する。
底板部42aの右端部と、下部側板42cの下端部をヒンジ結合する例えば6組のヒンジ結合部47cも設けられている。ヒンジ結合部47cはヒンジ結合部47bと左右対称のものであるので、説明を省略する。
次に、ヒンジ結合部48b,48cについて説明する。
図4に示すように、頂板部51aの左端部と、上部側板51bの上端部をヒンジ結合する例えば7組のヒンジ結合部48b(前後方向向きの軸心を有する)が設けられている。 7組のヒンジ結合部48bは、前記7組の後部第1,第2油圧シリンダ72,73に対応する前後方向位置に設けられている。ヒンジ結合部48bはヒンジ結合部46bと同様のものであるので説明を省略する。頂板部51aの右端部と、上部側板51cの上端部をヒンジ結合する例えば7組のヒンジ結合部48c(前後方向向きの軸心を有する)が設けられている。ヒンジ結合部48cは、ヒンジ結合部48bと左右対称のものである。
次に、頂板部41aを拡径させる為の頂部油圧シリンダ81b,81cについて説明する。図1,図3に示すように、例えば、機器取付用フレーム4cの後部に対応する位置において、頂板部41aと前部内胴20aの間に2つの頂部油圧シリンダ81b,81cが配設されている。2つの頂部油圧シリンダ81b,81cは、頂板部41aの左部と右部に対応する部位に配設されている。
頂部油圧シリンダ81b,81cのシリンダ本体は、前部内胴20aに形成した凹部に鉛直向きに配設され、ピストンロッドの先端が頂板部41aの内面に固定された座板に当接している。前部外胴40を縮径していない通常状態のとき、頂部油圧シリンダ81b,81cのピストンロッドは伸長状態に保持され、前部外胴40を縮径状態に切換える際には頂部油圧シリンダ81b,81cのピストンロッドが退入させられ、前部外胴40を縮径状態から拡径状態に切換える際には頂部油圧シリンダ81b,81cのピストンロッドを伸長させる。
次に、頂板部51aを拡径方向へ駆動可能な4つの頂部油圧シリンダ82b,82c,83b,83cについて説明する。後部外胴上部51の前端近傍部において、頂板部51aと後部内胴20cとの間に左右1対の頂部油圧シリンダ82b,82cが、頂部油圧シリンダ81b,81cと同様に配設され、また、後部外胴上部51の後部において、頂板部51aと後部内胴20cとの間に左右1対の頂部油圧シリンダ83b,83cが、頂部油圧シリンダ81b,81cと同様に配設されている。上記の頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cが「第3駆動手段」に相当する。
次に、内胴2Aと外胴2Bの前端部に設けた第1侵入防止機構84について説明する。
図1,図8示すように、カッターヘッド3のカッターフレーム21の外周端には傾斜板21aが固定され、複数の傾斜板21aの外面近傍には部分円錐形の固定傾斜板18が配設され、この固定傾斜板18の内周端は隔壁構造4の環状板部材4bに溶接接合されている。第1侵入防止機構84は、前部内胴20aの前端部と前部外胴40の前端部の間に土砂が侵入するのを防止するものである。
この第1侵入防止機構84は、前部内胴20aの前端部に外方へ突出状に設けた第1リング板84aと、この第1リング板84aの前側から第1リング板84aの外周側部分に近接又は摺接する第2リング板84bであって、外周端が前部外胴40の内面に溶接接合された第2リング板84bと、第1リング板84aよりも後方において外周端が前部外胴40の内面に溶接接合された第3リング板84cとを備えている。尚、第3リング板84cの幅を図示のものよりも大きく設定してもよい。リング板の数は3つに限定されず、4つ以上設けてもよく、第3リング板84cを省略してもよい。
内胴2Aと外胴2Bの後端部にも、後部内胴20cの後端部と後部外胴50の後端部の間に土砂が侵入するのを防止する第2侵入防止機構85が設けられている。第2侵入防止機構85は第1侵入防止機構84と同様の構造のものであるので説明を省略する。
前記左右の分断シール構造61,71が、左右の前部外胴可変連結部60と、左右の後部外胴可変連結部70から、内胴2Aと外胴2Bの間に土砂が侵入するのを防止する「第3侵入防止機構」に相当する。
次に、外胴2Bの頂部に地山から作用する圧縮荷重を検出する荷重検出手段について説明する。環状フレーム30の前側近傍の前後方向位置において、頂板部41aと前部内胴20aの間に頂板部41aに地山から作用する荷重(圧縮荷重)を検出する荷重検出器86a(荷重検出手段)が設けられている。また、メイングリッパー11の後側近傍に対応する前後方向位置において、頂板部51aと後部内胴20cの間に頂板部51aに地山から作用する荷重(圧縮荷重)を検出する荷重検出器86b(荷重検出手段)が設けられており、これら荷重検出器86a,86bの検出信号は制御ユニット(図示略)に供給される。但し、荷重検出器86a,86bは前部外胴40と後部外胴50の縮径を妨げない構成のものである。尚、頂板部41a,51aが外胴上部の「頂板部分」に相当する。
次に、以上説明したトンネル掘削機1の作用、効果について説明する。
トンネル掘削を実行中に、荷重検出器86a,86bで検出する荷重(例えば平均荷重)が第1設定荷重未満の場合には、図1,図3,図4に示すように、外胴2Bを拡径状態に維持した通常状態でトンネル掘削を行う。この拡径状態のとき、頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cのピストンロッドを伸長状態に維持し、複数の前部第1,第2油圧シリンダ62,63と複数の後部第1,第2油圧シリンダ72,73のピストンロッドも伸長状態に維持した状態でトンネル掘削を行う。
荷重検出器86a,86bで検出する荷重が異常に大きくなり始めて、予め定めた第1基準値を超えた際に、カッターヘッド3の全部のオーバーカッター24を突出位置に切換えて、掘削断面を拡径した状態でトンネル掘削を続行する。このとき、トンネル掘削機1の軸心の位置を一定高さに保持する為に、可動ソリ9を突出位置に切換えた状態にしてトンネル掘削を続行する。尚、第1基準値は、トンネル掘削機の仕様や地山の特性等に応じて作業者が決定する値である。
地山の崩壊等が始まり、荷重検出器86a,86bで検出する荷重が予め定めた第2基準値を超え、トンネル掘削機1が地山に拘束され始めた場合には、全部のオーバーカッター24を突出位置に保持し、外胴2Bを縮径状態に切換える。このとき、頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cのピストンロッドを収縮状態に切換え、複数の前部第1,第2油圧シリンダ62,63と、複数の後部第1,第2油圧シリンダ72,73のピストンロッドを収縮状態に切換える。尚、第2基準値も、第1基準値と同様にトンネル掘削機の仕様や地山の特性等に応じて作業者が決定する値である。
すると、頂板部41a,51aが内胴2Aに接近可能になるうえ、上部側板41b,41c;51b,51cが頂板部41a,51aとのヒンジ結合部46b,46c;48b,48cを中心として内胴2A方向に回動され、下部側板42b,42c;52b,52cが底板部42a,52aとのヒンジ結合部47b,47c;49b,49cを中心として内胴2A方向に回動される。このようにして図5〜図7に示すように、外胴2Bの底板部42a,52aを除いた部分が縮径状態になる。
それ故、トンネル掘削機1の前部外胴上部41と後部外胴上部51に対する地山からの拘束を解除可能であり、前部外胴下部42と後部外胴下部52に作用する土圧を解除可能である。その結果、作業者がトンネル掘削機1の機外へ出ることなく、安全に短期間で拘束解除できる。内胴2Aの外側に設けた外胴2Bを縮径させる構造であるため、内胴2Aの形状は変化しないから、トンネル掘削機1の内部の掘削機本体の構造や付属機器(カッターヘッド駆動機構5、スラストジャッキ6、シールドジャッキ7、排土設備16、エレクタ13等)に影響を及ぼすことなく、外胴2Bを縮径させることができる。しかも、内胴2Aがあるため、トンネル掘削機1内へ水の侵入の虞もない。
外胴2Bの少なくとも底板部42a,52aを内胴2Aに対して固定状態に保持するため、外胴2Bを縮径する場合にもトンネル掘削機1の軸心の高さ位置を一定に維持することができ、トンネル掘削機が下方に沈む虞がない。
外胴2Bの頂板部41a,51aと内胴2Aとの間に、縮径状態のとき頂板部41a,51aを拡径方向に駆動可能な複数の頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cを設けたため、外胴2Bを縮径状態から拡径する際に、複数の頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cで頂板部41a,51aを拡径側へ駆動し、外胴2Bの拡径を促進できる。
内胴2Aの前端部と外胴2Bの前端部に内胴2Aと外胴2B間に土砂の侵入を防ぐ第1侵入防止機構84を設け、内胴2Aの後端部と外胴2Bの後端部に内胴2Aと外胴2B間に土砂の侵入を防ぐ第2侵入防止機構85を設けたため、内胴2Aと外胴2B間に土砂が侵入するのを防止することができる。
左右1対の可変連結部60,70から内胴2Aと外胴2B間に土砂の侵入を防ぐ左右1対の第3侵入防止機構61,71(分割シール機構)を設けたため、可変連結部60,70から内胴2Aと外胴2B間に土砂が侵入するのを防止することができる。
前部と後部の外胴上部41,51の頂板部41a,51aに地山から作用する荷重を検出する2つの荷重検出器86a,86bを設けたため、地山の崩壊等の前兆や進行を検出可能になり、トンネル掘削機1の地山からの拘束を検出可能になる。
カッターヘッド3に掘削径を拡大する為の複数のオーバーカッター24を設け、内胴2Aと外胴2Bの前端近傍部の下端部分に、外胴2Bの外側へ突出可能な可動ソリ9と、この可動ソリを進退拡縮駆動する油圧シリンダ(進退駆動手段)とを設けたため、複数のオーバーカッター24を作動させて掘削径を拡大するとき、油圧シリンダにより可動ソリ9を突出させることで、トンネル掘削機1の軸心の高さ位置を一定に維持した状態でトンネル掘削を続行することができる。
このトンネル掘削機1によるトンネル掘削方法においては、予め、胴部材2の直径を縮径可能な縮径手段を前記胴部材2に設けると共に、カッターヘッド3に複数のオーバーカッター24を設けておき、地山が胴部材2を圧縮する圧縮荷重が予め定めた第1基準値を超えた際に、前記外胴40,50を拡径状態に保持して複数のオーバーカッター24により拡径した掘削断面でトンネル掘削を行う第1ステップと、前記圧縮荷重が予め定めた第1基準値よりも大きな第2基準値を超えた際に、前記底板部42a,52a以外の外胴部分の径を縮小した縮径状態に保持してトンネル掘削を行う第2ステップとを備えている。
それ故、第1ステップによりトンネル掘削機1が地山に拘束されるのを抑制することができ、第2ステップにより地山に拘束されたトンネル掘削機1の拘束解除を行うことができる。
実施例2に係るトンネル掘削機1Mについて、図14〜図19に基づいて説明する。
このトンネル掘削機1Mは、前部外胴上部41Aを3枚の板部材に分割することなく1枚の板部材とし、後部外胴上部51Aを3枚の板部材に分割することなく1枚の板部材とする点と、前記の複数の頂部油圧シリンダ81b,81c;82b,82c;83b,83cに代えて複数のバネ式付勢手段90a,90b,90cを設ける点で、前記のトンネル掘削機1と異なっている。そこで、前記のトンネル掘削機1と同様の構成要素に同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる構成要素について説明する。
図14,図15に示すように、内胴2Aは、前部内胴20aと、中間内胴20bと、後部内胴20cとで構成されている。外胴2Bは、前部外胴40と後部外胴50とを有する。前部外胴40は、その中段部やや上側において前部外胴上部41Aと前部外胴下部42とに分割されている。後部外胴50は、その中段部やや上側において後部外胴上部51Aと後部外胴下部52とに分割されている。
前部外胴上部41Aと前部外胴下部42とを分割した分割部には、左右1対の前部外胴可変連結部60が設けられ、後部外胴上部51Aと後部外胴下部52とを分割した分割部には左右1対の後部外胴可変連結部70が設けられている。
前部外胴可変連結部60は、前記トンネル掘削機1の前部外胴可変連結部60と同様の構造であり、後部外胴可変連結部70は、前記トンネル掘削機1の後部外胴可変連結部70と同様の構造である。
前記の前部外胴下部42は、前部外胴底板部42aと、左側前部外胴下部側板42bと、右側前部外胴下部側板42cとに3分割されている。前記トンネル掘削機1と同様に、前部外胴底板部42aと左側前部外胴下部側板42bとを連結する複数のヒンジ結合部47bも設けられ、前部外胴底板部42aと右側前部外胴下部側板42cとを連結する複数のヒンジ結合部47cも設けられている。
前記の後部外胴下部52は、後部外胴底板部52aと、左側後部外胴下部側板52bと、右側後部外胴下部側板52cとに3分割されている。前記トンネル掘削機1と同様に、後部外胴底板部52aと左側後部外胴下部側板52bとを連結する複数のヒンジ結合部49bも設けられ、後部外胴底板部52aと右側後部外胴下部側板52cとを連結する複数のヒンジ結合部49cも設けられている。
機器取付け用フレーム4の後部に対応する前後方向位置において、前部外胴上部41Aの頂部(頂板部分に相当する)と前部内胴20aの間に、縮径状態のとき前部外胴上部41Aを拡径方向へ付勢可能なバネ式付勢手段90aであって非圧縮状態又は僅かに圧縮状態のバネを内蔵したバネ式付勢手段90aが設けられている。尚、バネとして、コイルバネや皿バネ積層体を採用することができる。
環状ウェブ29の前部に対応する前後方向位置において、後部外胴上部51Aの頂部(頂板部分に相当する)と後部内胴20cの間に縮径状態のとき後部外胴上部51Aを拡径方向へ付勢可能な前記と同様のバネ式付勢手段90bが設けられている。後部外胴50の途中部に対応する前後方向位置において、後部外胴上部51Aの頂部と後部内胴20cの間に縮径状態のとき後部外胴上部51Aを拡径方向へ付勢可能な前記と同様のバネ式付勢手段90cが設けられている。尚、バネ式付勢手段の配置位置や数は上記の例に限定されるものではない。
以上説明したトンネル掘削機1Mの作用、効果について説明する。
外胴2Bの頂部に地山から作用する荷重が異常に大きくなり始めて、予め定めた第2基準値を超え、トンネル掘削機1Mが地山に拘束され始めた際には、左右の可変連結部60,70の複数の第1,第2油圧シリンダ62,63;72,73のピストンロッドを収縮させることで、外胴2Bを拡径状態から縮径状態に切換えてトンネル掘削を行う。
この縮径状態に切換える際に、バネ式付勢手段90a〜90cに内蔵したバネは圧縮状態に切換わるため、外胴2Bの縮径を妨げることはなく、縮径状態から拡径状態に復帰する際には、バネ式付勢手段90a〜90cの圧縮状態のバネが伸長することで拡径状態への復帰を促進することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)トンネル掘削機1,1Mにおいて、下部側板42b,42c;52b,52cを省略し、複数の第2油圧シリンダ63,73を省略してもよい。
2)トンネル掘削機1、1Mにおいて、前記外胴の「中段部」とは、上下方向に幅のある中段の領域(例えば、外胴の上下幅の約1/3の幅を有する領域)を意味するものである。
3)トンネル掘削機1、1Mにおいて、第1、第2駆動手段は必ずしも中段部に設ける必要はなく、中段部以外の部位に配設場合もある。
4)トンネル掘削機1M において、バネ式付勢手段90a〜90cに代えて、油圧シリンダを採用してもよい。
5)本発明は大口径のトンネル掘削機に限らず、種々の口径のトンネル掘削機にも適用可能である。
6)スラストジャッキを省略し、複数のシールドジャッキで掘削推進力を発生させる形式のトンネル掘削機にも本発明を同様に適用することができる。
本発明は、ローラーカッターを装備したカッターヘッドでトンネルを掘削する種々のトンネル掘削機に適用することができる。
1,1M トンネル掘削機
2 胴部材
2A 内胴
2B 外胴
3 カッターヘッド
9 可動ソリ
24 オーバーカッター
40 前部外胴
50 後部外胴
41,41A 前部外胴上部
41a 前部外胴頂板部
41b,41c 左右の前部外胴上部側板
42a 前部外胴底板部
42b,42c 左右の前部外胴下部側板
46b,46c,47b,47c ヒンジ結合部
48b,48c,49b,49c ヒンジ結合部
51 後部外胴上部
51a 後部外胴頂板部
51b,51c 左右の後部外胴上部側板
52a 後部外胴底板部
52b,52c 左右の後部外胴下部側板
60 前部外胴可変連結部
61 分断シール構造(第3侵入防止機構)
62 前部第1油圧シリンダ
63 前部第2油圧シリンダ
70 後部外胴可変連結部
71 分断シール構造(第3侵入防止機構)
72 後部第1油圧シリンダ
73 後部第2油圧シリンダ
81b,81c,82b,82c,83b,83c 頂部油圧シリンダ
84,85 第1,第2侵入防止機構
86a,86b 荷重検出器
90a,90b,90c バネ式付勢手段

Claims (9)

  1. カッターヘッドと胴部材とを有するトンネル掘削機において、
    前記胴部材は、内胴とこの内胴に対して所定隙間を空けて同心状に配置された外胴とを有し、
    前記外胴の中段部に外胴を縮径可能に分断した左右1対の可変連結部を設けると共に、前記可変連結部より上側の外胴部分を外胴上部、前記可変連結部より下側の外胴部分を外胴下部とし、
    前記外胴下部は、前記内胴に対して固定状態に保持された底板部を有し、
    前記左右1対の可変連結部は、前記内胴の軸心方向の複数位置に夫々設けられ且つ前記外胴上部を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第1駆動手段を備え、
    前記第1駆動手段は、前記胴部材の周方向と略平行に配設された第1油圧シリンダを備えたことを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 前記外胴下部は前記底板部の両端に周方向端部が回動可能にヒンジ接続された左右1対の下部側板を有し、前記左右1対の可変連結部は、前記内胴の軸心方向の複数位置に夫々設けられ且つ前記左右1対の下部側板を内胴に縮径駆動可能に連結する複数組の左右1対の第2駆動手段を備え、
    前記第2駆動手段は、前記胴部材の周方向と略平行に配設された第2油圧シリンダを備えたことを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
  3. 前記外胴上部の頂板部分と内胴との間に、縮径状態のとき前記頂板部分を拡径方向に付勢する圧縮バネからなる複数の付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機。
  4. 前記外胴上部は、頂板部と、この頂板部の左右両端に回動可能に接続された左右1対の上部側板とを備え、前記頂板部を縮径可能に支持する第3駆動手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載のトンネル掘削機。
  5. 前記内胴の前端部と外胴の前端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第1侵入防止機構を設け、前記内胴の後端部と外胴の後端部に内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ第2侵入防止機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削機。
  6. 前記左右1対の可変連結部から内胴と外胴間に土砂の侵入を防ぐ左右1対の第3侵入防止機構を設けたことを特徴とする請求項5に記載のトンネル掘削機。
  7. 前記外胴上部の頂板部分に地山から作用する荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機。
  8. 前記カッターヘッドに掘削径を拡大する為の複数のオーバーカッターを設け、
    前記内胴と外胴の前端近傍部の下端部分に、外胴の外側へ突出可能な可動ソリと、この可動ソリを進退駆動する進退駆動手段とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル掘削機。
  9. 請求項2に記載のトンネル掘削機によりトンネルを掘削するトンネル掘削方法において、
    記カッターヘッドに複数のオーバーカッターを予め設けておき、
    地山が胴部材を圧縮する圧縮荷重が予め定めた第1基準値を超えた際に、前記外胴の径を拡径状態に保持して前記複数のオーバーカッターにより拡径した掘削断面でトンネル掘削を行う第1ステップと、
    地山が胴部材を圧縮する圧縮荷重が前記第1基準値より大きな第2基準値を超えた際に、前記底板部以外の外胴部分の径を縮小した縮径状態に保持してトンネル掘削を行う第2ステップとを備えたことを特徴とするトンネル掘削方法。
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