I.序論
本発明は多くの異なる形で具体化され得るが、本明細書には、本発明の原理を例証するその具体的な例示的実施形態を開示する。本発明は例示される具体的な実施形態に限定されないことが強調されなければならない。さらに、本明細書で使用される節見出しはいずれも、あくまでも編成のためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。最後に、本開示の目的上、識別する配列受託番号は全て、特に注記されない限り、NCBI参照配列(RefSeq)データベース及び/又はNCBI GenBank(登録商標)アーカイブ配列データベースに見出され得る。
これまでに言及したとおり、意外にも、SEZ6の発現が新生物成長及び増殖性障害と、特に神経内分泌特徴を有する腫瘍の場合に関連すること、並びにSEZ6及びその変異体又はアイソフォームが、関連疾患の治療において利用され得る有用な腫瘍マーカーを提供することが見出された。さらに、本願に示されるとおり、予想外にも、細胞表面SEZ6タンパク質などのSEZ6マーカー又は決定因子が癌幹細胞(腫瘍不滅化細胞としても知られる)と関連し、その除去又はサイレンシングに有効に利用され得ることが見出された。癌幹細胞を(例えばコンジュゲート型SEZ6モジュレーターを使用することにより)選択的に低減又は除去可能であることは、かかる細胞が概して多くの従来の治療に抵抗性であることが知られている点で、特に意外である。すなわち、標的治療方法の有効性は、伝統的な方法も最近の方法も、多くの場合に、こうした多様な治療方法に直面しても癌の成長を永続させる能力を有する抵抗性の癌幹細胞の存在及び/又は出現によって制限されている。さらに、癌幹細胞に関連する決定因子は、低い又は一定しない発現が原因となって治療標的とするには不十分で、腫瘍原性細胞との会合を維持できない、又は細胞表面に存在できないことも多い。先行技術の教示とは際立って対照的に、本開示の化合物及び方法はこの固有の抵抗性を有効に解消してかかる癌幹細胞の分化を特異的に除去し、枯渇させ、サイレンシングし、又は促進することにより、根底にある腫瘍成長を持続し又は再誘導するその能力を無効にする。
より具体的には、本明細書に開示されるようなSEZ6モジュレーターが、有利には、必要としている対象における増殖性障害(例えば新生物性障害)の予後判定、診断、セラグノーシス、治療又は予防に用いられ得ることが発見された。従って、以下に本発明の好ましい実施形態を、特に特定のドメイン、領域若しくはエピトープの観点で、又は神経内分泌特徴を含む癌幹細胞若しくは腫瘍及びそれらと本開示のモジュレーターとの相互作用の文脈で広範に考察するが、当業者は、本発明の範囲がかかる例示的実施形態によって限定されないことを理解する。むしろ、最も広範囲の本発明の実施形態及び添付の特許請求の範囲は、詳細な作用機序又は具体的に標的化される腫瘍、細胞若しくは分子成分が何であれ、SEZ6モジュレーター(コンジュゲート型モジュレーターを含む)及び新生物性又は増殖性障害を含めた、様々なSEZ6に関連する又はそれにより媒介される障害の予後判定、診断、セラグノーシス、治療又は予防におけるその使用を、広義に且つ明示的に対象とする。
そのため、本願で実証するとおり、予想外にも、本開示のSEZ6モジュレーターを有効に使用することにより、増殖性細胞又は腫瘍原性細胞を標的化して除去し、又は他の形で無能力化し、SEZ6関連障害(例えば新形成)を治療できることが見出された。本明細書で使用されるとき「SEZ6関連障害」は、疾患又は障害の経過又は病因におけるSEZ6遺伝子成分又は発現の表現型又は遺伝子型の異常によって特徴付けられ、診断され、検出され又は同定される任意の障害又は疾患(増殖性障害を含む)を意味すると考えられるものとする。これに関してSEZ6表現型異常又は決定因子には、例えば、SEZ6タンパク質発現レベルの上昇若しくは降下、ある種の定義可能な細胞集団での異常なSEZ6タンパク質発現又は不適切な細胞周期相若しくは段階での異常なSEZ6タンパク質発現が含まれ得る。当然ながら、SEZ6の遺伝子型決定因子(例えば、mRNA転写レベル)の同様の発現パターンを使用してSEZ6関連障害を分類又は検出し得ることは理解される。
本明細書で使用されるとき、用語「決定因子」又は「SEZ6決定因子」は、特定の細胞、細胞集団又は組織と識別可能に関連付けられるか、又はその中若しくはその上に特異的に見出される任意の検出可能な性質、特性、マーカー又は因子、例えば、SEZ6関連疾患又は障害に罹患した組織、細胞又は細胞集団の中若しくはその上に同定されるものを意味するものとする。選択された好ましい実施形態において、SEZ6モジュレーターは、SEZ6決定因子(例えば、細胞表面SEZ6タンパク質又はSEZ6 mRNA)と直接会合、結合又は反応し、それにより障害を改善し得る。より一般的には、決定因子は本質的に形態学的、機能的又は生化学的な決定因子であってよく、遺伝子型又は表現型の決定因子であってよい。他の好ましい実施形態では、決定因子は、特定の細胞型(例えば、癌幹細胞)により、又は一定の条件下にある細胞(例えば、細胞周期の中の特定の時点における又は特定のニッチにある細胞)により差次的又は優先的に発現する(又は発現しない)細胞表面抗原又は遺伝子成分である。さらに他の好ましい実施形態において、決定因子は、特定の細胞又は個別的な細胞集団で異なる(上方又は下方)調節を受ける遺伝子若しくは遺伝的実体、その物理的構造及び化学組成に関して差次的に修飾を受ける遺伝子、又は差次的化学修飾を示す遺伝子と物理的に関連付けられるタンパク質若しくはタンパク質の一群を含み得る。本明細書で企図される決定因子は、特異的に陽性又は陰性であるものと見なされ、細胞、細胞亜集団又は組織(例えば腫瘍)をその存在(陽性)又は非存在(陰性)によって表し得る。
同様の文脈で本発明の「SEZ6モジュレーター」は、広義には、SEZ6変異体又はアイソフォーム(又はその特定のドメイン、領域若しくはエピトープ)又はその遺伝子成分を認識し、それと反応し、それと競合し、それに拮抗し、それと相互作用し、それと結合し、それを作動させ、又はそれと会合する任意の化合物を含む。これらの相互作用により、SEZ6モジュレーターは、有利には、腫瘍原性細胞(例えば、腫瘍不滅化細胞又は癌幹細胞)の頻度、活性、再発、転移又は移動度を除去、低減又は緩和し得る。本明細書に開示される例示的モジュレーターは、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド又はポリペプチドを含む。特定の好ましい実施形態において、選択されたモジュレーターは、SEZ6タンパク質アイソフォーム又はその免疫反応性断片若しくは誘導体に対する抗体を含む。かかる抗体は本質的に拮抗性又は作動性であってよく、場合により治療剤又は診断剤とコンジュゲートされ、又は会合されていてもよい。さらに、かかる抗体又は抗体断片は、枯渇抗体、中和抗体又はインターナライズ抗体を含み得る。他の実施形態において、本発明の範囲内のモジュレーターは、SEZ6アイソフォーム又はその反応性断片を含むSEZ6コンストラクトを構成する。かかるコンストラクトが融合タンパク質を含み得るとともに、免疫グロブリン又は生物学的反応修飾物質などの他のポリペプチド由来の反応性ドメインを含み得ることは理解される。さらに他の態様において、SEZ6モジュレーターは、ゲノムレベルで所望の効果を及ぼす核酸部分(例えばmiRNA、siRNA、shRNA、アンチセンスコンストラクト等)を含む。本教示と適合性があるさらに他のモジュレーターについて、以下に詳細に考察する。
より一般的には、本発明のSEZ6モジュレーターは、広義に、細胞表面SEZ6タンパク質を含む(遺伝子型又は表現型の)SEZ6決定因子を認識し、それと反応し、それと競合し、それに拮抗し、それと相互作用し、それと結合し、それを作動させ、又はそれと会合する任意の化合物を含む。いずれのモジュレーター形態が最終的に選択されるのであれ、好ましくはそれは、対象への導入前に単離及び精製された状態となっている。これに関して用語「単離SEZ6モジュレーター」又は「単離SEZ6抗体」は、広義の意味で、且つ標準的な薬務に従い、実質的に(生物学的又は他の形態の)望ましくない夾雑物がない状態のモジュレーターを含む任意の調製物又は組成物を意味すると解釈されるものとする。さらにこれらの調製物は、当該技術分野で認められている様々な技法を用いて所望のとおりに精製及び製剤化され得る。当然ながら、かかる「単離」調製物を所望のとおりに不活性成分又は活性成分と共に意図的に製剤化し、又は組み合わせることにより、最終製品の市販、製造又は治療に関する側面を改善し、医薬組成物を提供し得ることは理解される。広義の意味で、同じ一般論が「単離」SEZ6アイソフォーム若しくは変異体又はそれをコードする「単離」核酸にも適用され得る。
さらに、意外にも、特定のSEZ6ドメイン、モチーフ又はエピトープと相互作用、会合又は結合するモジュレーターが、腫瘍原性細胞の除去において、及び/又は腫瘍成長又は伝播に対する癌幹細胞の影響のサイレンシング若しくは減弱において特に有効であることが見出された。すなわち、細胞表面に近接したドメイン(例えばSushi又はCUB様ドメインの一つ)と反応又は会合するモジュレーターは、腫瘍原性細胞の枯渇又は中和において有効であるが、予想外にも、細胞表面から比較的遠位にあるドメイン、モチーフ又は領域と会合又は結合するモジュレーターもまた、腫瘍原性細胞の除去、中和、枯渇又はサイレンシングにおいて有効であることが発見された。これは特に、コンジュゲート型モジュレーター、例えば、細胞傷害剤を含む抗SEZ6抗体薬コンジュゲートに当てはまる。
本発明は、任意の種類の新形成を含めた、任意のSEZ6障害の治療における任意のSEZ6モジュレーターの使用を明示的に企図するが、特に好ましい実施形態では、本開示のモジュレーターを使用して、神経内分泌腫瘍を含めた、(遺伝子型又は表現型の)神経内分泌特徴を含む腫瘍が予防、治療又は診断され得る。真正な又は「カノニカルな神経内分泌腫瘍」(NET)は、散在内分泌系から生じ、典型的には極めて侵襲的である。神経内分泌腫瘍は、腎臓、尿生殖路(膀胱、前立腺、卵巣、子宮頚部、及び子宮内膜)、胃腸管(胃、結腸)、甲状腺(甲状腺髄様癌)、及び肺(小細胞肺癌及び大細胞神経内分泌癌)に起こる。さらに、本開示のモジュレーターは、有利には、カノニカルな神経内分泌腫瘍と共通の遺伝子型又は表現型性質を模倣する、それを含む、それと似ている、又はそれを呈する偽神経内分泌腫瘍(pNET)の治療、予防又は診断に用いられ得る。「偽神経内分泌腫瘍」は、散在神経内分泌系の細胞又は発癌過程の中で神経内分泌分化のカスケードが異常に再活性化された細胞から生じる腫瘍である。かかるpNETは、一般に、一部の生理活性アミン、神経伝達物質、及びペプチドホルモンの産生能を含め、特定の遺伝子型、表現型又は生化学的特性を、伝統的な定義の神経内分泌腫瘍と共有する。従って、本発明の目的上、語句「神経内分泌特徴を含む腫瘍」又は「神経内分泌特徴を呈する腫瘍」は、文脈によって別段指示されない限り、神経内分泌腫瘍及び偽神経内分泌腫瘍の両方を含むと考えるものとする。
上記で概して考察される腫瘍との関連性に加え、選択された腫瘍開始細胞(TIC)とSEZ6決定因子との間の表現型又は遺伝子型の関連性もまた示唆される。これに関して、選択されたTIC(例えば、癌幹細胞)は、正常組織及び非腫瘍原性細胞(NTG)と比較したときSEZ6タンパク質を高いレベルで発現することができ、これらは併せて、典型的に固形腫瘍の大半をなす。従って、SEZ6決定因子は腫瘍関連マーカー(又は抗原又は免疫原)を含んでもよく、本開示のモジュレーターは、細胞表面上又は腫瘍微小環境内のそのタンパク質レベルが変化するゆえに、TIC及び関連する新形成を検出及び抑制するのに有効な薬剤を提供し得る。従って、SEZ6モジュレーターは、タンパク質と会合、結合又は反応する免疫反応性のアンタゴニスト及び抗体を含め、腫瘍開始細胞の頻度を有効に低減することができ、患者におけるそうした腫瘍開始細胞の分化を除去、枯渇、無能力化、低減、促進し、又は他の形でそれが潜伏する能力及び/又は腫瘍成長、転移若しくは再発を刺激し続ける能力を妨げ又は制限するのに有用であり得る。これに関して当業者は、本発明がさらに、SEZ6モジュレーター及び腫瘍開始細胞の頻度の低減におけるその使用を提供することを理解する。
II.SEZ6の生理学
SEZ6(発作関連6ホモログとしても知られる)は、元来、痙攣薬ペンチレンテトラゾール(pentylentetrazole)によって処置されたマウス大脳皮質由来細胞からクローニングされたI型膜貫通タンパク質である(Shimizu−Nishikawa,1995;PMID:7723619)。代表的なSEZ6タンパク質オルソログとしては、限定はされないが、ヒト(NP_849191;NP_001092105)、チンパンジー(XP_511368、NP_001139913)、マウス(NP_067261)、及びラット(NP_001099224)が挙げられる。ヒトでは、SEZ6遺伝子は、染色体17q11.2に位置する51.1kBpにわたる17個のエクソンからなる。最後のエクソン内で僅か16塩基対しか離れていない選択的スプライス受容体部位が、2つのプロセシングされた転写物を生じ、1つは約4210塩基(NM_178860;図1A)であり、1つは約4194塩基(NM_001098635、図1B)である。前者の転写物は994アミノ酸タンパク質(NP_849191;図1C)をコードし、一方、後者は993アミノ酸タンパク質(NP_001092105;図1D)をコードする。SEZ6のこれらの2つのタンパク質アイソフォームは、それらの細胞外ドメイン及びそれらの膜貫通ドメインにわたり全体で100%の同一性を共有し、違いは最後の10アミノ酸残基のみである(図1E)。分泌型のSEZ6を生じる第3のスプライス変異体が報告されているが(Shimizu−Nishikawa,1995;PMID:7723619)、しかしながらこれは、NCBIデータベース遺伝子ページエントリ内の関連するRefSeqには含まれていない。本発明のモジュレーターは、これらのスプライス変異体のいずれかと結合し得る。
これらのアイソフォームの生物学的な関連性は不明であるが、ある研究では、マウスSEZ6ノックアウトマウス由来のニューロンにおいて発現が回復されたとき、膜タンパク質と、対する可溶性タンパク質とでは逆に作用することが示唆された(Gunnersen et al.2007,PMID:18031681)。SEZ6タンパク質の異種間タンパク質配列同一性を図2Aに掲載する。ヒトゲノムでは、2つの近縁の遺伝子−発作関連6ホモログ様(SEZ6L)及び発作関連6ホモログ様−2(SEZ6L2)があり、その各々が、多数のアイソフォームをコードする複数のスプライス変異体を有する(図2B)。ヒトにおけるSEZ6様タンパク質のこのファミリーの各メンバーの最も長いタンパク質に関する同一性パーセントを、図2Cに示す。SEZ6、SEZ6L及びSEZ6L2はまとめて、それらの様々なアイソフォームを含め、本願の目的上SEZ6ファミリーと称される。本発明のSEZ6モジュレーターは、SEZ6、SEZ6L又はSEZ6L2の各々に特異的なモジュレーターを含む。或いは、本発明のモジュレーターは、SEZ6並びにSEZ6L及び/又はSEZ6L2の一方又は両方と交差反応してもよい。
成熟SEZ6タンパク質は、一連の構造ドメイン:細胞質ドメインと、膜貫通ドメインと、唯一のN末端ドメイン、続いて2つの交互のSushi及びCUB様ドメイン、及び3つのさらなるタンデムSushiドメインリピートを含む細胞外ドメインとから構成される。SEZ6抗原の2つのアイソフォームが存在し、最もカルボキシ端側の細胞質ドメインのみが異なる。
図1Fは、SEZ6タンパク質の細胞外領域の概略図を提供し、Sushi及びCUBドメイン、及びN末端ドメインの概略的な並びを示す。概してこれらのドメインは、およそアミノ酸残基336〜395(Sushiドメイン1)、397〜508(CUBドメイン1)、511〜572(Sushiドメイン2)、574〜685(CUBドメイン2)、690〜748(Sushiドメイン3)、750〜813(Sushiドメイン4)、817〜878(Sushiドメイン5)に現れるものとして認識され、N末端ドメインがおよそアミノ酸残基1〜335にあり、且つプロリンリッチ残基の組成バイアスがおよそアミノ酸残基71〜169にある。
Sushiリピートは、他のヒト補体調節タンパク質に見られる短いコンセンサスリピート(すなわち、補体C3b/C4b結合部位)と同様である。CUB様ドメインは、他の哺乳類補体結合タンパク質に見られるCUBドメインと同様であり、限定はされないが、パターン形成、軸索ガイダンス、炎症、及び腫瘍抑制を含めた、補体活性化以外の多数の生物学的過程に関与する多様なタンパク質と関連付けられる(Bork and Beckman,1993,PMID:8510165)。Sushi及びCUBドメインの両方とも、細胞外における他のタンパク質の結合が関わるSEZ6の機能を暗示する。CUBドメインを含むタンパク質はまた、細胞シグナル伝達経路とも関連付けられており、この機能と一致して、SEZ6 C末端細胞質ドメインは、Srcチロシンキナーゼファミリーメンバーによるリン酸化の潜在的な標的であるAsn−Pro−Thr−Tyrモチーフ(配列番号403)を含む。これが本当であるならば、SEZ6がRasの活性化に至る細胞シグナル伝達経路と関係付けられることになり、SEZ6が神経栄養因子受容体であり得ることが示唆される。
用語「成熟タンパク質」又は「成熟ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、細胞表面発現前に切断され得る19アミノ酸のシグナルペプチドを含まずに産生されるSEZ6タンパク質の形態(複数可)を指すことに留意されたい。特に指示されない限り、SEZ6アミノ酸付番(ドメイン、領域、エピトープ等に関する)は、リーダーを含まない成熟タンパク質との関連におけるものである。
SEZ6は、げっ歯類の腎臓、肝臓、心臓、肺及び胸腺では低レベルでRT−PCRにより検出可能であるが、脳においてのみ強力なタンパク質発現が見られており、精巣では有意なレベルの発現であった(Herbst and Nicklin,1997,PMID:9073173)。SEZ6に対するポリクローナル血清を使用して、発生中のマウス前脳の13日目におけるタンパク質発現を検出した。発生中の皮質板及びサブプレートの有糸分裂後成熟ニューロンで、強い染色が検出された。この染色は成体脳では減少し、海馬、小脳、及び嗅球などの継続中の形態的可塑性と関連付けられる他の脳領域、並びに網膜及び脊髄のニューロンにSEZ6発現を検出することができる(Gunnersen et al.,2007,PMID:18031681)。神経細胞体濃度が最も高い領域に、最も高密度のシグナルが見出される。SEZ6の広範な網膜発現にも関わらず、SEZ6の非存在下での網膜機能は影響を受けなかった(Gunnersen et al.,2009,PMID:19662096)。SEZ6染色パターンは、新皮質層及び海馬の出現と密接な関係があり、発生中におけるこの遺伝子の前脳特異的な役割を意味する。ヒト及びマウスでは、SEZ6は、新皮質の高度に特異的な領域において差次的に発現することが見出された(Gunnersen et al.,2007、上掲)。
ヒトSEZ6遺伝子における突然変異は、体温上昇を伴う痙攣であって、且つ小児において最も一般的なタイプの発作である熱性痙攣(FS)と関係付けられている(Yu et al.,2007,PMID:17086543)。FSは、持続期間、再発、及び発作により冒される体の範囲に応じて単純性又は複雑性に分類され得る。中国人コホートでは、15人の健常対照群でSEZ6の突然変異は認められなかったが、60人中21人のFS患者に突然変異が認められ、最も一般的な突然変異のタイプは、cDNAの1435位におけるヘテロ接合性のシトシン挿入(フレームシフト突然変異)であった。この突然変異発生率は、複雑性FS患者及び家族歴陽性患者において有意に高かった。複雑性FS小児が後年発作を有する可能性は80%であるため、著者らは、SEZ6における突然変異のスクリーニングが、FS再発又は癲癇発症の予測に役立ち得ることを示唆している(Yu et al.,2007、上掲)。その後の研究で、発生率、関連性、及びこの研究が因果関係を意味するのに十分な検出力を有し得るかが疑問視されているが、SEZ6が発作性障害において役割を果たし得る多くの遺伝子のうちの一つであり得ることは、確かに支持されている(Mulley et al.,2011,PMID:21785725)。
SEZ6の具体的な分子機能は未だ不明である。上記に考察したとおり、相同性及び配列分析により同定されるタンパク質の構造モジュール分析からは、シグナル伝達、細胞間コミュニケーション、及び神経発生において果たし得る役割が示唆される。脳の回路を構成するシグナル伝達網を形成するニューロンの樹状分岐及び結合性は、神経細胞の内因性分子プログラム並びに外因性シグナルの両方によって生じ、特定される。哺乳類の前脳における主要なニューロンである錐体ニューロンの樹枝状成長過程では、特有の形態のニューロン−錐体細胞体、及び2つの異なる複合的樹状ツリー(一方は細胞体の尖端から現れ、他方は基底から現れる)が生じる。Gunnersen et al.(2007、上掲)は、SEZ6ヌルマウスがこれらのニューロンの樹状ツリーに過剰の短い樹状突起を呈し、しかし所与のニューロンが結合するニューロンの範囲である樹状場(dendritic field)全体の増加は示さないことを示した。ノックアウトニューロンにおいて膜結合SEZ6アイソフォームの発現を回復すると、抗分岐効果がもたらされる。行動試験では、SEZ6ヌルマウスは特定の探査、運動、及び認知障害を示す。これらのデータは、発生中に複雑な樹状分枝が精緻化されていく中で樹状突起の伸長と分岐との間の必要なバランスを実現するのにSEZ6が重要であることを示唆している。
まとめると、上記の諸研究は、SEZ6タンパク質が神経発生のコンテクストで重要であり、細胞間コミュニケーション及びシグナル伝達において何らかの役割を担っている可能性があることを強く示唆している。発生シグナル伝達経路の不適切な再活性化又は正常なシグナル伝達経路の調節欠如は、一般に腫瘍に認められる(Harris et al.、2012)。発生プログラムの部分的再活性化の指標となる特徴を共有する一腫瘍群は、神経内分泌表現型を有する腫瘍であり(Yao 2008;PMID:18565894)、ここでは様々なホルモン及び内分泌マーカーが発現し及び/又は分泌され、且つ神経発生、神経コミットメント、又は神経運命に向かう分化の指標となる様々な神経マーカーが発現する。神経内分泌特徴を有する腫瘍は広範な原発部位にまれに生じ、その網羅的な分類は依然として問題であるが(Yao;PMID:18565894;Klimstra 2010;PMID:20664470;Kloeppel,2011;PMID:22005112)、4つの主要なタイプに分類され得る:低悪性度の良性カルチノイド、悪性挙動を伴う低悪性度の高分化型神経内分泌腫瘍、混合性の神経内分泌及び上皮特徴を有する腫瘍、及び高悪性度の低分化型神経内分泌癌。これらの分類のうち、小細胞肺癌(SCLC)及び非小細胞肺癌(NSCLC)のサブセットを含む低分化型神経内分泌癌は、予後不良の癌タイプである。SCLCは気管支原性で、一部には肺神経内分泌細胞から生じることが仮定されてきた(Galluzzo and Bocchetta,2011;PMID:21504320)。これらの腫瘍の細胞の出所が何であれ、それらが低分化型内分泌表現型を示し、多くの場合に高度に増殖性で侵襲的であり、且つしばしば神経タンパク質を過剰発現することが明らかである。従って、本来主に神経系に限定されているか又は発生中に限られた発現しか示さないものであり得る神経発現マーカー(SEZ6はその典型である)の、これらの腫瘍において生じる上昇は、神経内分泌表現型を有する腫瘍に対する固有の治療標的を提供し得る。
III.癌幹細胞
上記で言及したとおり、意外にも、異常な(遺伝子型及び/又は表現型の)SEZ6発現が様々な腫瘍原性細胞亜集団と関連付けられることが発見された。この点において本発明は、かかる細胞、特に腫瘍不滅化細胞を標的化して、それにより新生物性障害の治療、管理又は予防を促進するのに特に有用であり得るSEZ6モジュレーターを提供する。従って、好ましい実施形態において、有利には、本教示に従い(表現型又は遺伝子型の)SEZ6決定因子のモジュレーターを使用して腫瘍開始細胞頻度を低減し、それにより増殖性障害の治療又は管理を促進し得る。
本願の目的上、用語「腫瘍開始細胞」(TIC)は、「腫瘍不滅化細胞」(TPC;すなわち、癌幹細胞又はCSC)及び高増殖性「腫瘍前駆細胞」(TProgと称される)の両方を包含し、これらは併せて、概して、バルク腫瘍又は腫瘍塊のユニークな亜集団(すなわち0.1〜40%)を構成する。本開示の目的上、用語「腫瘍不滅化細胞」及び「癌幹細胞」又は「新生幹細胞」は等価であり、本明細書では同義的に使用され得る。TPCが腫瘍内に存在する腫瘍細胞の組成を完全に再現することができ、且つ少数の単離細胞の累代移植(マウスで2代以上の継代)により実証されるとおり無制限の自己複製能を有する一方、TProgは無制限の自己複製能を呈しない点で、TPCはTProgと異なる。
当業者は、適切な細胞表面マーカーを用いる蛍光活性化細胞選別(FACS)が、少なくとも一部には、単一細胞と細胞塊(すなわちダブレット等)との間を区別するその能力により、高濃度癌幹細胞亜集団(例えば、>99.5%純度)を単離するのに信頼のおける方法であることを理解する。かかる技法を用いて、少ない細胞数の高度に精製したTProg細胞を免疫不全マウスに移植すると、それらの細胞が一次移植で腫瘍成長を刺激できることが示されている。しかしながら、精製TPC亜集団と異なり、TProgにより生じた腫瘍は、表現型の細胞不均一性の点で親腫瘍を完全には反映せず、続く移植で連続的な腫瘍形成を再開するのに明らかに不十分である。対照的に、TPC亜集団は親腫瘍の細胞不均一性を完全に再構成し、連続的に単離及び移植したとき腫瘍を効率的に惹起することができる。従って、当業者は、TPCとTProgとの間の決定的な違いが(いずれも一次移植では腫瘍生成性であり得るが)、少ない細胞数で累代移植したときに不均一な腫瘍成長を絶えず刺激するTPCのユニークな能力であることを認識する。TPCを特徴付ける他の一般的な手法は、形態学並びに細胞表面マーカー、転写プロファイル、及び薬物反応の調査を含むが、マーカー発現はインビトロでの培養条件及び細胞株継代によって変化し得る。
従って、本発明の目的上、正常組織において細胞階層を支持する正常幹細胞のような腫瘍不滅化細胞は、好ましくは多系列分化能を維持しながらも無制限に自己複製するその能力によって定義される。従って腫瘍不滅化細胞は、腫瘍原性子孫(すなわち腫瘍開始細胞:TPC及びTProg)及び非腫瘍原性(NTG)子孫の両方を生じさせることができる。本明細書で使用されるとき「非腫瘍原性細胞」(NTG)は、腫瘍開始細胞から生じるが、それ自体は自己複製能力や腫瘍を含む異種性の腫瘍細胞系列を生じさせる能力を有しない腫瘍細胞を指す。実験的にNTG細胞は、過剰な細胞数で移植したとしても、マウスにおいて再現性よく腫瘍を形成することができない。
指摘されるとおり、TProgはまた、マウスにおいて腫瘍を生じさせるその能力が限られているため、腫瘍開始細胞(又はTIC)としても分類される。TProgはTPCの子孫であり、典型的には有限回の非自己複製細胞分裂を行うことができる。さらに、TProg細胞は、初期腫瘍前駆細胞(ETP)と後期腫瘍前駆細胞(LTP)とにさらに分けられてもよく、その各々は表現型(例えば細胞表面マーカー)及び腫瘍細胞構成を再現する能力の違いによって区別され得る。かかる技術的な違いにも関わらず、ETP及びLTPの両方とも、それらが概して少ない細胞数で移植されたとき腫瘍を連続的に再構成する能力が低く、且つ典型的には親腫瘍の不均一性を反映しない点で、機能的にはTPCと異なる。上記の違いにも関わらず、ごくまれに様々なTProg集団が、通常は幹細胞に帰される自己複製能を獲得することができ、それ自体がTPC(又はCSC)になることも示されている。いずれにしろ、両タイプの腫瘍開始細胞とも単一の患者の典型的な腫瘍量で表され、本明細書に開示されるとおりのモジュレーターによる治療に供される可能性がある。すなわち本開示の組成物は、詳細な実施形態又は腫瘍において表される混合に関わらず、概して、かかるSEZ6陽性腫瘍開始細胞の頻度を低減し、又は化学的感受性を変化させるのに有効である。
本発明の文脈では、TProg(ETP及びLTPの両方)、NTG細胞及び腫瘍の大半を含む腫瘍浸潤性非TPC由来の細胞(例えば、線維芽細胞/間質、内皮及び造血細胞)と比べて、TPCは腫瘍原性がより高く、比較的静止した状態にあり、且つ多くの場合に化学的抵抗性がより高い。従来の治療法及びレジメンが、主に、腫瘍をデバルキングするとともに急速に増殖する細胞を攻撃するように設計されてきたことから、TPCは、より速く増殖するTProg及び他のバルク腫瘍細胞集団と比べて従来の治療法及びレジメンに対する抵抗性がより高い可能性がある。さらに、TPCは多くの場合に、多剤耐性輸送体の発現上昇、DNA修復機構の増強及び抗アポトーシスタンパク質など、従来の治療法に対して比較的高い化学的抵抗性となるような他の特徴を発現する。これらの特性(その各々がTPCによる薬物耐性に寄与する)は、進行期の新形成を有するほとんどの患者について標準的な腫瘍学治療レジメンが長期利益を確実にできない;すなわち持続的な腫瘍成長及び再発を刺激するそれらの細胞(すなわちTPC又はCSC)を適切に標的化及び根絶できない主な理由をなしている。
多くの先行技術の治療と異なり、本発明の新規組成物は、選択されたモジュレーターの形態又は具体的な標的(例えば、遺伝物質、SEZ6抗体又はリガンド融合コンストラクト)に関係なく、好ましくは対象への投与時に腫瘍開始細胞の頻度を低減する。上記のとおり、腫瘍開始細胞頻度の低減は、a)腫瘍開始細胞の除去、枯渇、感作、サイレンシング又は阻害;b)腫瘍開始細胞の成長、拡大又は再発の制御;c)腫瘍開始細胞の惹起、伝播、維持、又は増殖の遮断の結果として;又はd)その他の形で、腫瘍原性細胞の生存、再生及び/又は転移を妨げることにより起こり得る。一部の実施形態では、腫瘍開始細胞の頻度の低減は、1つ以上の生理学的経路が変化する結果として起こる。この経路の変化は、それが腫瘍開始細胞の低減又は除去によるのであれ、又はその潜在能力(例えば、誘導性分化、ニッチ破壊)の修飾、若しくは他の形の、腫瘍環境又は他の細胞に影響を及ぼすその能力の妨害によるのであれ、ひいては腫瘍発生、腫瘍維持及び/又は転移及び再発を阻害することによりSEZ6関連障害のより有効な治療を可能にする。
腫瘍開始細胞の頻度のかかる低減を評価するために用いることのできる当該技術分野で認められている方法の中には、インビトロ或いはインビボでの限界希釈解析法と、好ましくはそれに続く、インビボで腫瘍を生じる能力がある又はないなどの、予め定義された決定的事象のポアソン分布統計を使用した計数又は頻度の評価がある。かかる限界希釈解析法は、腫瘍開始細胞頻度の低減を計算する好ましい方法をなすが、所望の値を有効に決定するには、やや不正確ではあっても、本明細書の教示と全体に適合性がある、他の要求が低い方法を用いてもまたよい。従って、当業者により理解されるとおり、周知のフローサイトメトリーによる又は免疫組織化学的な手段によって頻度値の低減を決定することもまた可能である。上記の方法に関しては全て、例えば、Dylla et al.2008,PMID:18560594 & Hoey et al.2009,PMID:19664991を参照;この各々は全体として、詳細には本開示の方法に関して、参照により本明細書に援用される。
限界希釈解析法に関して、腫瘍開始細胞頻度のインビトロ計数は、分画された、或いは分画されていないヒト腫瘍細胞(例えばそれぞれ処置腫瘍及び未処置腫瘍由来)を、コロニー形成を育成するインビトロ成長条件に置くことにより達成し得る。このようにして、コロニーの単純な数え上げ及び特徴付けによるか、又は、例えば、段階希釈でヒト腫瘍細胞をプレートに置き、且つプレーティングの少なくとも10日後のコロニー形成に関して陽性或いは陰性として各ウェルをスコア化することからなる分析により、コロニー形成細胞が計数され得る。インビボ限界希釈実験又は解析は、概して腫瘍開始細胞頻度を決定するその能力がより正確なものであり、未処置対照集団又は処置集団のいずれか由来のヒト腫瘍細胞を、例えば段階希釈で免疫不全マウスに移植し、続いて移植の少なくとも60日後に腫瘍形成に関して陽性或いは陰性として各マウスをスコア化することを包含する。インビトロ又はインビボでの限界希釈解析法による細胞頻度値の導出は、好ましくは陽性及び陰性事象の既知の頻度にポアソン分布統計を適用し、それにより陽性事象;この場合、それぞれコロニー又は腫瘍形成の定義を満たす事象の頻度を求めることにより行われる。
腫瘍開始細胞の頻度計算に用い得る、本発明と適合性のある他の方法に関して、最も一般的なものには、定量化可能なフローサイトメトリー法及び免疫組織化学染色法が含まれる。これらの方法は、以上に記載した限界希釈解析法ほど正確ではないものの、労力がはるかに少なくてすみ、比較的短い時間内に正当な値を提供する。従って、当業者が、腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている当該技術分野で認められている細胞表面タンパク質(例えば、全体として本明細書に援用されるPCT出願第2012/031280号明細書に示されるとおりの潜在的に適合性のあるマーカー)と結合する1つ以上の抗体又は試薬を用いるフローサイトメトリー細胞表面マーカープロファイル測定を使用して、それにより様々な試料のTICレベルを計測し得ることが理解される。さらに別の適合性のある方法では、当業者は、これらの細胞を区別すると考えられる細胞表面タンパク質と結合可能な1つ以上の抗体又は試薬を使用した免疫組織化学法により、インサイチューで(例えば、組織切片において)TIC頻度を計数することもできる。
当業者は、多数のマーカー(又はそれらの非存在)が様々な癌幹細胞集団と関連付けられ、且つ腫瘍細胞亜集団の単離又は特徴付けに用いられてきたことを認識する。この点において、例示的癌幹細胞マーカーには、OCT4、Nanog、STAT3、EPCAM、CD24、CD34、NB84、TrkA、GD2、CD133、CD20、CD56、CD29、B7H3、CD46、トランスフェリン受容体、JAM3、カルボキシペプチダーゼM、ADAM9、オンコスタチンM、Lgr5、Lgr6、CD324、CD325、ネスチン、Sox1、Bmi−1、eed、easyh1、easyh2、mf2、yy1、smarcA3、smarckA5、smarcD3、smarcE1、mllt3、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、WNT2、WNT2B、WNT3、WNT5A、WNT10B、WNT16、AXIN1、BCL9、MYC、(TCF4)SLC7A8、IL1RAP、TEM8、TMPRSS4、MUC16、GPRC5B、SLC6A14、SLC4A11、PPAP2C、CAV1、CAV2、PTPN3、EPHA1、EPHA2、SLC1A1、CX3CL1、ADORA2A、MPZL1、FLJ10052、C4.4A、EDG3、RARRES1、TMEPAI、PTS、CEACAM6、NID2、STEAP、ABCA3、CRIM1、IL1R1、OPN3、DAF、MUC1、MCP、CPD、NMA、ADAM9、GJA1、SLC19A2、ABCA1、PCDH7、ADCY9、SLC39A1、NPC1、ENPP1、N33、GPNMB、LY6E、CELSR1、LRP3、C20orf52、TMEPAI、FLVCR、PCDHA10、GPR54、TGFBR3、SEMA4B、PCDHB2、ABCG2、CD166、AFP、BMP−4、β−カテニン、CD2、CD3、CD9、CD14、CD31、CD38、CD44、CD45、CD74、CD90、CXCR4、デコリン、EGFR、CD105、CD64、CD16、CD16a、CD16b、GLI1、GLI2、CD49b、及びCD49fが含まれる。例えば、Schulenburg et al.,2010,PMID:20185329、米国特許第7,632,678号明細書及び米国特許出願公開第2007/0292414号明細書、同第2008/0175870号明細書、同第2010/0275280号明細書、同第2010/0162416号明細書及び同第2011/0020221号明細書(この各々が参照により本明細書に援用される)を参照のこと。さらに、上記のマーカーの各々はまた、本発明の二重特異性抗体又は多重特異性抗体のコンテクストにおける二次標的抗原としても用いられ得ることが理解される。
同様に、特定の腫瘍型の癌幹細胞に関連する細胞表面表現型の非限定的な例としては、CD44hiCD24low、ALDH+、CD133+、CD123+、CD34+CD38−、CD44+CD24−、CD46hiCD324+CD66c−、CD133+CD34+CD10−CD19−、CD138−CD34−CD19+、CD133+RC2+、CD44+α2β1 hiCD133+、CD44+CD24+ESA+、CD271+、ABCB5+並びに当該技術分野において公知の他の癌幹細胞表面表現型が挙げられる。例えば、Schulenburg et al.,2010、上掲、Visvader et al.,2008,PMID:18784658及び米国特許出願公開第2008/0138313号明細書(この各々が参照により全体として本明細書に援用される)を参照のこと。当業者は、上記に例示したようなマーカー表現型を標準的なフローサイトメトリー分析及び細胞選別技術と併せて用いて、さらなる分析のためTIC及び/又はTPC細胞又は細胞集団を特徴付け、単離し、精製し又は高濃度化し得ることを理解する。本発明に関して興味深いことに、CD46、CD324、及び場合によりCD66cは、分析されている腫瘍標本が一次患者腫瘍標本であったか、それとも患者由来のNTX腫瘍であったかに関わらず、多くのヒト結腸直腸(「CR」)、乳房(「BR」)、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺(SCLC)、膵臓(「PA」)、黒色腫(「Mel」)、卵巣(「OV」)、及び頭頸部癌(「HN」)腫瘍細胞の表面上に高度に発現するか、或いは不均一に発現するかのいずれかである。
上記で参照した方法及び選択されたマーカーのいずれかを当該技術分野において公知のとおり使用することで、本明細書の教示に従い本開示のSEZ6モジュレーター(細胞傷害剤とコンジュゲートしたものを含む)により提供されるTIC(又はその中のTPC)の頻度の低減を定量化することが可能となる。ある場合には、本発明の化合物はTIC又はTPCの頻度を(除去、誘導性分化、ニッチ破壊、サイレンシング等を含めた、上記に指摘した様々な機構によって)10%、15%、20%、25%、30%又はさらには35%低減し得る。他の実施形態において、TIC又はTPCの頻度の低減は、40%、45%、50%、55%、60%又は65%程度であってよい。特定の実施形態では、本開示の化合物は、TIC又はTPCの頻度を70%、75%、80%、85%、90%又はさらには95%低減し得る。当然ながら、TIC又はTPCの頻度の任意の低減が、新形成の腫瘍形成能、持続性、再発及び侵襲性の対応する低減をもたらし得ることが理解される。
IV.SEZ6モジュレーター
いずれの場合も、本発明は、数多くのSEZ6関連悪性腫瘍のうちのいずれか一つを含めた様々な障害の診断、セラグノーシス、治療及び/又は予防のための、SEZ6アンタゴニストを含むSEZ6モジュレーターの使用に関する。本開示のモジュレーターは、単独で、又は化学療法剤若しくは免疫療法剤(例えば、治療用抗体)又は生物学的反応修飾物質などの多種多様な抗癌化合物と併せて使用され得る。他の選択された実施形態では、2つ以上の個別のSEZ6モジュレーターを組み合わせて使用して抗新生物効果の増強を提供してもよく、又はそれらを使用して多重特異性コンストラクトを作製してもよい。
特定の実施形態では、本発明のSEZ6モジュレーターは、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド又はポリペプチドを含む。より詳細には、本発明の例示的モジュレーターは、抗体及びその抗原結合断片又は誘導体、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質類、グリコペプチド、糖脂質、多糖類、オリゴ糖類、核酸、アンチセンスコンストラクト、siRNA、miRNA、生物有機分子、ペプチドミメティクス、薬理学的作用物質及びそれらの代謝物、転写及び翻訳制御配列などを含み得る。特定の実施形態では、モジュレーターは、可溶性SEZ6(sSEZ6)又はその形態、変異体、誘導体若しくは断片、例えば、SEZ6融合コンストラクト(例えば、SEZ6−Fc、SEZ6−標的部分等)又はSEZ6−コンジュゲート(例えば、SEZ6−PEG、SEZ6−細胞傷害剤、SEZ6−brm等)を含む。また、他の実施形態において、SEZ6モジュレーターは抗体又はその免疫反応性断片若しくは誘導体を含むことも理解される。特に好ましい実施形態では、本発明のモジュレーターは、中和抗体又はその誘導体若しくは断片を含む。他の実施形態において、SEZ6モジュレーターは、インターナライズ抗体又はその断片を含み得る。さらに他の実施形態において、SEZ6モジュレーターは、枯渇抗体又はその断片を含み得る。さらに、上記の融合コンストラクトと同様に、これらの抗体モジュレーターは、選択された細胞傷害剤、ポリマー、生物学的反応修飾物質(BRM)などとコンジュゲートされ、連結され又は他の形で会合されることにより、様々な(及び場合により複数の)作用機序を有する指向的な免疫療法を提供し得る。上記で言及したとおり、かかる抗体は汎SEZ6抗体であって、2つ以上のSEZ6ファミリーメンバー(例えば、図11Aに示されるとおりのSEZ6及びSEZ6L)と会合してもよく、又はSEZ6の一方若しくは両方のアイソフォームと選択的に反応する免疫特異的抗体であってもよい。さらに他の実施形態において、モジュレーターは遺伝子レベルで機能し、SEZ6決定因子の遺伝子型成分と相互作用又は会合するアンチセンスコンストラクト、siRNA、miRNAなどとして化合物を含み得る。
さらに、本開示のSEZ6モジュレーターは、例えばSEZ6モジュレーターの形態、任意の関連するペイロード又は投与量及び送達方法に応じて、選択された経路を作動させ若しくはそれに拮抗すること、又は特定の細胞を除去することを含め、様々な機構を介して、TPC、及び/又は関連する新形成を含めた腫瘍細胞の成長、伝播又は生存を枯渇させ、サイレンシングし、中和し、除去し又は阻害し得ることが理解される。従って、本明細書に開示される好ましい実施形態は、腫瘍不滅化細胞などの特定の腫瘍細胞亜集団の枯渇、阻害若しくはサイレンシングに関し、又は特異的なエピトープ若しくはドメインと相互作用するモジュレーターに関するが、かかる実施形態は単に例示に過ぎず、いかなる意味においても限定するものではないことは強調されなければならない。むしろ、添付の特許請求の範囲に示されるとおり、本発明は、いかなる特定の機構、結合領域又は標的腫瘍細胞集団にも関係なく、広くSEZ6モジュレーター及び様々なSEZ6関連障害の治療、管理又は予防におけるその使用に関する。
選択されたモジュレーターの形態とは無関係に、選ばれた化合物が本質的に拮抗性であり得ることは理解される。本明細書で使用されるとき「アンタゴニスト」は、受容体とリガンドとの結合又は酵素と基質との相互作用を含めた特定の又は特異的な標的(例えばSEZ6)の活性を中和、遮断、阻害、抑止、低減又は妨害することができる分子を指す。この点において、本発明のSEZ6アンタゴニストが、SEZ6タンパク質又はその断片を認識し、それと反応し、それを結合し、それと組み合わさり、それと競合し、それと会合するか、又は他の形でそれと相互作用し、且つ腫瘍開始細胞又はバルク腫瘍若しくはNTG細胞を含む他の新生物性細胞の成長を消失させ、サイレンシングし、低減し、阻害し、妨げ、抑制し又は制御する任意のリガンド、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、抗体又はその免疫学的に活性な断片若しくは誘導体を含み得ることが理解される。適合性のあるアンタゴニストには、SEZ6遺伝子型又は表現型決定因子を認識し又はそれに会合することにより発現パターンを変化させる又は基質、受容体又はリガンドとのその結合又は相互作用を封じ込める小分子阻害因子、アプタマー、アンチセンスコンストラクト、siRNA、miRNAなど、受容体又はそのリガンド分子及び誘導体がさらに含まれ得る。
本明細書で使用されるとき、アンタゴニストは、受容体とリガンドの結合又は酵素と基質の相互作用を含めた、特定の又は特異的なタンパク質の活性を中和、遮断、阻害、抑止、低減又は妨害することができる分子を指す。より一般的には、本発明のアンタゴニストは、抗体及びその抗原結合断片又は誘導体、タンパク質、ペプチド、糖タンパク質類、グリコペプチド、糖脂質、多糖類、オリゴ糖類、核酸、アンチセンスコンストラクト、siRNA、miRNA、生物有機分子、ペプチドミメティクス、薬理学的作用物質及びその代謝物、転写及び翻訳制御配列などを含み得る。アンタゴニストにはまた、タンパク質に特異的に結合して、それによりその基質標的とのその結合を封じ込める小分子阻害因子、融合タンパク質、受容体分子及び誘導体、タンパク質のアンタゴニスト変異体、タンパク質に対するアンチセンス分子、RNAアプタマー、及びタンパク質に対するリボザイムも含まれ得る。
本明細書で使用され、且つ2つ以上の分子又は化合物に適用されるとき、用語「認識する」又は「会合する」は、一方の分子が他方の分子に効果を及ぼすような分子の共有結合的又は非共有結合的な反応、結合、特異的結合、組み合わせ、相互作用、連結、連鎖、一体化、合体、合併(merger)又は接合を意味すると考えられるものとする。
さらに、本明細書の例において実証されるとおり(例えば、図11を参照)、一部のヒトSEZ6のモジュレーターは、ある場合に、ヒト以外の種由来(例えばラット、またはカニクイザル)のSEZ6と交差反応する。別の場合には、例示的モジュレーターはヒトSEZ6の1つ以上のアイソフォームに特異的であってよく、他の種由来のSEZ6オルソログとの交差反応性は呈しない。当然ながら、本明細書の教示と併せて、かかる実施形態は、単一の種由来の2つ以上のSEZ6ファミリーメンバーと会合する汎SEZ6抗体又はSEZ6のみと会合する抗体を含み得る。
いずれの場合も、及び以下でさらに詳細に考察するとおり、当業者は、本開示のモジュレーターがコンジュゲート形態又は非コンジュゲート形態で用いられ得ることを理解する。すなわち、モジュレーターは、薬学的に活性な化合物、生物学的反応修飾物質、抗癌剤、細胞傷害剤又は細胞増殖抑制剤、診断部分又は生体適合性修飾物質と(例えば共有結合的又は非共有結合的に)会合され又はコンジュゲートされ得る。この点において、かかるコンジュゲートがペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、核酸分子、小分子、模倣剤、合成薬物、無機分子、有機分子及び放射性同位元素を含み得ることは理解される。さらに、本明細書において指摘するとおり、選択されたコンジュゲートはSEZ6モジュレーターと、少なくとも一部には、コンジュゲーションを生じさせるために用いられる方法に応じて、様々なモル比で共有結合的又は非共有結合的に連結され得る。
V.モジュレーターの作製及び供給
A.抗体モジュレーター
1.概要
これまでに言及したとおり、本発明の特に好ましい実施形態は、SEZ6の1つ以上のアイソフォームと優先的に会合する(及び、場合により、他のSEZ6ファミリーメンバーと交差反応し得る)抗体の形態のSEZ6モジュレーターを含む。当業者は、例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,6th ed.,W.B.Saunders Company(2010)又はMurphey et al.,Janeway’s Immunobiology,8th ed.,Garland Science(2011)(この各々が全体として参照により本明細書に援用される)に示されるような抗体に関する十分に開発された知識ベースを認識している。
用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、マルチクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化及び霊長類化抗体、ヒト抗体、組換え産生抗体、細胞内抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、一価抗体、多価抗体、抗イディオタイプ抗体、合成抗体、例えばこれらのムテイン及び変異体;抗体断片、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、単鎖FvFc、単鎖Fv;及びこれらの誘導体、例えばFc融合物及び他の修飾、及び任意の他の免疫学的に活性な分子を、それらが所望の生物学的活性(すなわち、抗原の会合又は結合)を呈する限り、包含するように意図される。さらに、この用語は、文脈によって別段指示されない限り、あらゆるクラスの抗体(すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)及びあらゆるアイソタイプ(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、並びにそれらの変種をさらに含む。異なるクラスの抗体に相当する重鎖定常ドメインは、それぞれ、対応する小文字のギリシャ文字α、δ、ε、γ、及びμで示される。任意の脊椎動物種由来の抗体の軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に異なるタイプの一方に割り当てることができる。
かかる抗体は全て本発明の範囲内にあるが、本明細書では、単に例示を目的として、免疫グロブリンのIgGクラスを含む好ましい実施形態をいくらか詳細に考察する。しかしながらかかる開示が、単に例示的な組成物及び本発明の実施方法を例証するものに過ぎず、本発明の範囲又は本明細書に添付される特許請求の範囲をいかなる形であれ限定するものではないことは理解される。
周知のとおり、軽鎖(VL)及び重鎖(VH)の両方の部分の可変ドメインが抗原認識及び特異性を決定し、軽鎖(CL)及び重鎖(CH1、CH2又はCH3)の定常ドメインが、分泌、経胎盤移動度、循環半減期、補体結合などのような重要な生物学的特性を付与及び調節する。
「可変」領域は、軽鎖及び重鎖のいずれの可変ドメインにおいても、一般に相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つのセグメントとして現れる超可変部位を含む。可変ドメインのうち、CDRが隣接するより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。例えば、天然に存在する単量体免疫グロブリンG(IgG)抗体では、「Y」字形の各アームに存在する6つのCDRは短い不連続なアミノ酸配列であり、抗体が水性環境でその三次元配置をとると、特異的に位置決めされて抗原結合部位を形成する。従って、天然に存在するIgG抗体の各々は、Y字形の各アームのアミノ末端の近位に2つの同一の結合部位を含む。
CDRの位置が、当業者により標準的な技術を用いて容易に同定され得ることは理解される。また、当業者には、Kabat et al.(1991,NIH Publication 91−3242,National Technical Information Service,Springfield,Va.)に記載される付番方式もよく知られている。これに関して、Kabat et al.は、どの抗体にも適用可能な可変ドメイン配列の付番方式を定義した。当業者は、配列それ自体を越えたいかなる実験データにも頼ることなく、この「Kabat付番」方式を任意の可変ドメイン配列に明確に割り当てることができる。特記されない限り、抗体における特定のアミノ酸残基位置の付番に対する参照は、Kabat付番方式に従う。
従って、Kabatに従えば、VHでは、残基31〜35がCDR1を含み、残基50〜65がCDR2を構成し、且つ95〜102がCDR3を含む一方、VLでは、残基24〜34がCDR1であり、50〜56がCDR2を含み、且つ89〜97がCDR3を構成する。関連して、VHでは、FR1が、アミノ酸1〜30を包含する可変領域のドメインに対応し;FR2が、アミノ酸36〜49を包含する可変領域のドメインに対応し;FR3が、アミノ酸66〜94を包含する可変領域のドメインに対応し、且つFR4が、アミノ酸103から可変領域の末端までの可変領域のドメインに対応する。軽鎖のFRも同様に、軽鎖可変領域CDRの各々によって分けられる。
CDRは抗体毎に著しく異なる(及び定義からして、Kabatコンセンサス配列との相同性を呈しない)ことに留意されたい。加えて、任意の所与のKabat部位番号における特定の個別の残基のアイデンティティは、種間の又は対立遺伝子の相違に起因して、抗体鎖毎に異なり得る。別の付番が、Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901−917(1987)及びMacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732−745(1996)に示され、しかしながらKabatのように、FR境界は上記に記載したとおりそれぞれのCDR末端によって分けられる。Chothia et al.,Nature 342,pp.877−883(1989)及びS.Dubel,ed.,Handbook of Therapeutic Antibodies,3rd ed.,WILEY−VCH Verlag GmbH and Co.(2007)も参照されたく、これらの定義は、互いに比較したとき重複するアミノ酸残基又はアミノ酸残基のサブセットを含む。上記の文献の各々は全体として参照により本明細書に援用され、上記で引用した文献の各々により定義されるとおりの結合領域又はCDRを含むアミノ酸残基を、以下に比較のため示す。
本発明の文脈では、図10A又は図10Bに示されるマウス可変領域アミノ酸配列に由来する本開示の軽鎖及び重鎖CDRのいずれかを組み合わせて又は再配列して、本教示に従う最適化された抗SEZ6(例えばヒト化、CDRグラフト化又はキメラ抗hSEZ6)抗体を提供し得ることが理解される。すなわち、図10Aに示される軽鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号20〜168、偶数)又は図10Bに示される重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号21〜169、奇数)に由来するCDRの1つ以上を、SEZ6モジュレーター、特に好ましい実施形態では、1つ以上のSEZ6アイソフォームと免疫特異的に会合するCDRグラフト化又はヒト化抗体に、組み込むことができる。かかるヒト化モジュレーターの軽鎖(配列番号170〜192、偶数)及び重鎖(配列番号171〜193、奇数及び194〜199)可変領域アミノ酸配列の例もまた、図10A及び図10Bに示される。
hSC17.200vL1(配列番号192)は、ヒト化軽鎖コンストラクトhSC17.200(配列番号190)の変異体であり、hSC17.155vH1〜vH6(配列番号193〜198)は、SC17.90(配列番号127)に由来する重鎖コンストラクトhSC.155(配列番号184)の変異体であり、hSC161vH1(配列番号199)は、重鎖コンストラクトhSC17.161(配列番号189)の変異体であることに留意されたい。以下でさらに詳細に考察するとおり、これらの変異体は、親抗体の1つ以上の生化学的特性を最適化するように構築及び試験した。
まとめると、これらの新規アミノ酸配列は、本発明に従う75個のマウス及び11個のヒト化例示的モジュレーターを(報告される変異体と共に)示す。さらに、図10A及び図10Bに示される75個の例示的マウスモジュレーター及び11個のヒト化モジュレーター並びに変異体の各々の対応する核酸配列が、本願の配列表に含まれる(配列番号220〜399)。
図10A及び図10Bにおいて、アノテートされたCDRはChothia付番を用いて定義される。しかしながら、本明細書において考察され、及び以下の実施例8で実証されるとおり、当業者であれば、図10A又は図10Bに示されるそれぞれの重鎖及び軽鎖配列の各々についてKabat et al.、Chothia et al.又はMacCallum et al.によって定義されるとおりCDRを定義し、同定し、導出し及び/又は計数することが容易に可能である。従って、あらゆるこのような命名法により定義されるCDRを含む対象CDR及び抗体の各々が、本発明の範囲内に明示的に含まれる。より広義には、用語「可変領域CDRアミノ酸残基」又はさらに単純に「CDR」は、上記のとおりの任意の配列又は構造に基づく方法を用いて同定されるとおりのCDRにおけるアミノ酸を含む。
2.抗体モジュレーター生成
a.ポリクローナル抗体
ウサギ、マウス、ラット等を含めた様々な宿主動物におけるポリクローナル抗体の産生は、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、動物を出血させるか又は犠牲にすることにより、ポリクローナル抗SEZ6抗体含有血清が採取される。血清は動物から採取した形態で研究目的に用いてもよく、或いは抗SEZ6抗体を部分的に又は完全に精製して、免疫グロブリン画分又は均一な抗体調製物を提供してもよい。
手短に言えば、選択された動物を、例えば、選択されたアイソフォーム、ドメイン及び/又はペプチド、又はSEZ6若しくはその免疫反応性断片を発現する生細胞若しくは細胞調製物を含み得るSEZ6免疫原(例えば、可溶性SEZ6又はsSEZ6)で免疫する。接種される種に応じた、免疫応答を増加させるために用いられ得る当該技術分野で知られているアジュバントとしては、限定はされないが、フロイント(完全及び不完全)、ミネラルゲル、例えば、水酸化アルミニウム、界面活性物質、例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルション、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、並びに潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)及びコリネバクテリウム・パルバム(corynebacterium parvum)が挙げられる。かかるアジュバントは、抗原を局所沈着した状態に捕捉することにより抗原が急速に分散しないよう保護し得るか、又はマクロファージ及び他の免疫系成分にとって走化性の因子を分泌するように宿主を刺激する物質を含有し得る。好ましくは免疫スケジュールは、所定の期間にわたって展開される選択された免疫原の2回以上の投与を含む。
図1C又は図1Dに示されるとおりのSEZ6タンパク質のアミノ酸配列を解析することにより、抗体生成用にSEZ6タンパク質の特定の領域を選択することができる。例えば、SEZ6アミノ酸配列の疎水性及び親水性解析を使用して、SEZ6構造中の親水性領域が同定される。免疫原性構造を示すSEZ6タンパク質の領域、並びに他の領域及びドメインは、Chou−Fasman、Garnier−Robson、Kyte−Doolittle、Eisenberg、Karplus−Schultz又はJameson−Wolf解析などの当該技術分野において公知の様々な他の方法を用いて容易に同定することができる。Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255の方法を用いて平均可動性プロファイルを作成することができる。Deleage,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:289−294の方法を用いてβターンプロファイルを作成することができる。従って、これらのプログラム又は方法のいずれかによって同定される各SEZ6領域、ドメイン又はモチーフは本発明の範囲内であり、同定又は工学的に改変することにより、所望の特性を含むモジュレーターを生じる免疫原が提供され得る。SEZ6抗体を生成するための好ましい方法が、本明細書に提供される実施例によってさらに例示される。免疫原として使用されるタンパク質又はポリペプチドの調製方法は、当該技術分野において周知である。また、BSA、KLH又は他の担体タンパク質などの担体を有するタンパク質の免疫原性コンジュゲートの調製方法も、当該技術分野において周知である。状況によっては、例えばカルボジイミド試薬を使用する直接のコンジュゲーションが用いられる;他の場合には、連結用の試薬が有効である。SEZ6免疫原の投与は、当該技術分野で理解されているとおり、多くの場合に注射により、好適な期間にわたり、且つ好適なアジュバントの使用を伴い行われる。以下の実施例に記載されるとおり、免疫スケジュールの間に抗体力価を測ることにより、抗体形成の妥当性を決定することができる。
b.モノクローナル抗体
加えて、本発明は、モノクローナル抗体の使用を企図する。当該技術分野において公知のとおり、用語「モノクローナル抗体」(又はmAb)は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、その集団を構成する個々の抗体が、少量存在する可能性のある突然変異(例えば天然に存在する突然変異)を除いて同一である。特定の実施形態では、かかるモノクローナル抗体は、抗原と結合又は会合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、ここで抗原結合ポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列からの単一の標的結合ポリペプチド配列の選択を含む過程によって得られたものである。
より一般的には、及び本明細書の実施例6に例示されるとおり、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換え技術、ファージディスプレイ技術、トランスジェニック動物(例えば、XenoMouse(登録商標))又はそれらの何らかの組み合わせを含めた、当該技術分野において公知の多種多様な技術を用いて調製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、An,Zhigiang(ed.)Therapeutic Monoclonal Antibodies:From Bench to Clinic,John Wiley and Sons,1st ed.2009;Shire et.al.(eds.)Current Trends in Monoclonal Antibody Development and Manufacturing,Springer Science + Business Media LLC,1st ed.2010;Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988;Hammerling,et al.,in:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.,1981)(この各々が参照により全体として本明細書に援用される)にさらに詳細に記載されるような、ハイブリドーマ並びに当該技術分野で認められている生化学的及び遺伝子工学技術を使用して産生することができる。選択された結合配列は、例えば、標的に対する親和性の向上、標的結合配列のヒト化、細胞培養におけるその産生の向上、インビボでのその免疫原性の低減、多重特異性抗体の作成等のため、さらに改変してもよく、この改変した標的結合配列を含む抗体もまた、本発明の抗体であることが理解されなければならない。
c.キメラ抗体
別の実施形態において、本発明の抗体は、少なくとも2つの異なる種又はタイプの抗体から共有結合的につなぎ合わされたタンパク質セグメントに由来するキメラ抗体を含み得る。当該技術分野において公知のとおり、用語「キメラ」抗体は、所望の生物学的活性を呈する限りにおいて重鎖及び/又は軽鎖の一部分が、特定の種に由来する又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体、並びにかかる抗体の断片の対応する配列と同一又は相同である一方、鎖(複数可)の残りの部分が、別の種に由来する又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体、並びにかかる抗体の断片の対応する配列と同一又は相同であるコンストラクトに関する(米国特許第4,816,567号明細書;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855(1984))。
一実施形態において、本明細書の教示に従うキメラ抗体は、マウスVH及びVLアミノ酸配列と、ヒト供給源に由来する定常領域とを含み得る。他の適合性のある実施形態において、本発明のキメラ抗体は、以下に記載するとおりのヒト化抗体を含み得る。別の実施形態、いわゆる「CDRグラフト化」抗体において、抗体は、特定の種に由来する又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する1つ以上のCDRを含む一方、抗体鎖(複数可)の残りの部分は、別の種に由来する又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一又は相同である。ヒトでの使用には、選択されたげっ歯類CDRをヒト抗体にグラフト化して、ヒト抗体の天然に存在する可変領域又はCDRの1つ以上を置き換えてもよい。これらのコンストラクトは、概して、対象による抗体に対する望ましくない免疫応答を低減しながらも完全な強度のモジュレーター機能(例えば、CDC(補体依存性細胞傷害)、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)等)を提供するという利点を有する。
d.ヒト化抗体
CDRグラフト化抗体と類似しているのが、「ヒト化」抗体である。本明細書で使用されるとき、「ヒト化」形態の非ヒト(例えばマウス)抗体は、1つ以上の非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含むキメラ抗体である。一実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント又はアクセプター抗体)であって、レシピエントのCDR由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び/又は能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類のCDR由来の残基に置き換えられているものである。特定の好ましい実施形態では、ヒト免疫グロブリンの可変ドメインにおける1つ以上のFRの残基が、ドナー抗体由来の対応する非ヒト残基に置き換えられ、グラフト化CDR(複数可)の適切な三次元配置の維持及びそれによる親和性の向上が促進される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体には見られない残基を含んでもよく、それにより例えば、抗体性能がさらに改良され得る。
CDRグラフト抗体及びヒト化抗体については、例えば、米国特許第6,180,370号明細書及び同第5,693,762号明細書に記載されている。ヒト化抗体はまた、場合により、免疫グロブリンFc(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部分も含み得る。さらなる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature 321:522−525(1986);及び米国特許第6,982,321号明細書及び同第7,087,409号明細書を参照のこと。さらに別の方法は、「ヒューマニアリング」と称され、これについては、例えば、米国特許出願公開第2005/0008625号明細書に記載されている。加えて、非ヒト抗体はまた、国際公開第98/52976号パンフレット及び国際公開第00/34317号パンフレットに開示される方法によるヒトT細胞エピトープの特異的な欠失すなわち「脱免疫化」により修飾されてもよい。上記の文献の各々は、全体として本明細書に援用される。
ヒト化抗体はまた、重鎖又は軽鎖の少なくとも1つに由来する免疫グロブリン可変領域の全て又は一部をコードする核酸配列を単離し、操作し、及び発現させるなど、一般的な分子生物学的技法を用いて生物工学的に操作されてもよい。上記に指摘したかかる核酸の供給源に加えて、例えばTomlinson,I.A.et al.(1992)J.Mol.Biol.227:776−798;Cook,G.P.et al.(1995)Immunol.Today 16:237−242;Chothia,D.et al.(1992)J.Mol.Biol.227:799−817;及びTomlinson et al.(1995)EMBO J 14:4628−4638に開示されるとおり、ヒト生殖系列配列が利用可能である。V−BASEディレクトリ(VBASE2−Retter et al.,Nucleic Acid Res.33;671−674,2005)は、ヒト免疫グロブリン可変領域配列の包括的なディレクトリを提供する(編纂Tomlinson,I.A.et al.MRC Centre for Protein Engineering,Cambridge,UK)。また、例えば米国特許第6,300,064号明細書に記載されるとおり、コンセンサスヒトFRも使用することができる。
選択された実施形態において、及び以下の実施例8に詳述するとおり、ヒト化抗体重鎖又は軽鎖可変領域アミノ酸残基の少なくとも60%、65%、70%、75%、又は80%が、レシピエントFR及びCDR配列のものに相当する。他の実施形態において、ヒト化抗体可変領域残基の少なくとも85%又は90%が、レシピエントFR及びCDR配列のものに相当する。さらに好ましい実施形態において、ヒト化抗体可変領域残基の95%超が、レシピエントFR及びCDR配列のものに相当する。
e.ヒト抗体
別の実施形態において、抗体は完全ヒト抗体を含み得る。用語「ヒト抗体」は、ヒトにより産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体及び/又はヒト抗体の作製技法のいずれかを用いて作製されている抗体を指す。
ヒト抗体は、当該技術分野において公知の様々な技法を用いて産生することができる。一つの技法はファージディスプレイであり、ここではファージ上に(好ましくはヒト)抗体のライブラリが合成され、このライブラリが目的の抗原又はその抗体結合部分によりスクリーニングされ、抗原を結合するファージが単離されて、そこから免疫反応性断片を得ることができる。かかるライブラリの調製及びスクリーニング方法は当該技術分野において周知であり、ファージディスプレイライブラリの作成用キットが市販されている(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;及びStratagene SurfZAP(商標)ファージディスプレイキット、カタログ番号240612)。また、抗体ディスプレイライブラリの作成及びスクリーニングに使用することのできる他の方法及び試薬もある(例えば、米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/18619号パンフレット、国際公開第91/17271号パンフレット、国際公開第92/20791号パンフレット、国際公開第92/15679号パンフレット、国際公開第93/01288号パンフレット、国際公開第92/01047号パンフレット、国際公開第92/09690号パンフレット;及びBarbas et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982(1991)を参照のこと)。
一実施形態において、組換えヒト抗体は、上記のとおり調製された組換えコンビナトリアル抗体ライブラリをスクリーニングすることにより単離され得る。一実施形態において、ライブラリは、B細胞から単離されたmRNAから調製されたヒトVL及びVH cDNAを使用して作成されたscFvファージディスプレイライブラリである。
ナイーブライブラリ(天然であれ、又は合成であれ)によって産生された抗体は、中程度の親和性であり得るが(約106〜107M−1のKa)、当該技術分野で記載されるとおり二次ライブラリから構築及び再選択することにより、親和性成熟もまたインビトロで模倣させることができる。例えば、エラープローンポリメラーゼを使用することにより、突然変異をインビトロでランダムに導入することができる(Leung et al.,Technique,1:11−15(1989)に報告される)。加えて、親和性成熟は、例えば目的のCDRにかかるランダム配列を有するプライマーによるPCRを用いて、選択された個々のFvクローンにおいて1つ以上のCDRをランダムに突然変異させ、より高い親和性のクローンについてスクリーニングすることにより実施し得る。国際公開第9607754号パンフレットは、軽鎖遺伝子のライブラリを作成するための、免疫グロブリン軽鎖のCDRにおける突然変異誘発の誘導方法について記載している。別の有効な手法は、Marks et al.,Biotechnol.,10:779−783(1992)に記載されるとおり、ファージディスプレイにより選択されたVH又はVLドメインを、未免疫のドナーから得た天然に存在するVドメイン変異体のレパートリーで組み換え、数ラウンドの鎖リシャッフリングでより高い親和性についてスクリーニングすることである。この技法は、解離定数KD(koff/kon)が約10−9M以下の抗体及び抗体断片の産生を可能にする。
他の実施形態では、その表面上に結合ペアを発現する真核細胞(例えば酵母)を含むライブラリを使用する、同様の手法が用いられ得る。例えば、米国特許第7,700,302号明細書及び米国特許出願第12/404,059号明細書を参照のこと。一実施形態において、ヒト抗体はファージライブラリから選択され、ここで当該のファージライブラリはヒト抗体を発現する(Vaughan et al.Nature Biotechnology 14:309−314(1996):Sheets et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:6157−6162(1998)。他の実施形態において、ヒト結合ペアは、酵母などの真核細胞で作成されたコンビナトリアル抗体ライブラリから単離されてもよい。例えば、米国特許第7,700,302号明細書を参照のこと。かかる技法は、有利には多数の候補モジュレーターのスクリーニングを可能にし、候補配列の(例えば親和性成熟又は組換えシャッフリングによる)比較的容易な操作をもたらす。
ヒト抗体はまた、トランスジェニック動物にヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することにより、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的又は完全に不活性化されていて、且つヒト免疫グロブリン遺伝子が導入されているマウスにより作製することができる。攻撃後、ヒト抗体産生が観察され、これは、遺伝子再構成、構築、及び抗体レパートリーを含め、あらゆる点でヒトに見られるものとよく似ている。この手法は、例えば、米国特許第5,545,807号明細書;同第5,545,806号明細書;同第5,569,825号明細書;同第5,625,126号明細書;同第5,633,425号明細書;同第5,661,016号明細書、並びにXenoMouse(登録商標)技術に関する米国特許第6,075,181号明細書及び同第6,150,584号明細書;及びLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65−93(1995)に記載されている。或いは、ヒト抗体は、標的抗原に対する抗体を産生するヒトBリンパ球の不死化によっても調製され得る(かかるBリンパ球は、新生物性障害に罹患した個体から回収されてもよく、又はインビトロで免疫化されたものであってもよい)。例えば、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,J.Immunol,147(l):86−95(1991);及び米国特許第5,750,373号明細書を参照のこと。
3.さらなる処理
モジュレーター産生細胞(例えば、ハイブリドーマ、酵母コロニー等)は、どのように得られるにしろ、選択され、クローニングされ、さらに、望ましい特性、例えば、ロバストな成長、高い抗体産生、及び以下でさらに詳細に考察するとおり、望ましい抗体特性についてスクリーニングされ得る。ハイブリドーマはインビボで同系動物において、免疫系が欠損している動物、例えばヌードマウスにおいて、又は細胞培養物においてインビトロで拡大させることができる。ハイブリドーマ及び/又はコロニー(その各々が個別の抗体種を産生する)の選択、クローニング及び拡大方法は、当業者に周知である。
B.組換えモジュレーターの作製
1.概要
供給源が完成すると、所望のSEZ6モジュレーターをコードするDNAを、従来の手順を用いて(例えば、抗体重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)、容易に単離し、配列決定し得る。モジュレーターが抗体である場合、単離及びサブクローニングされたハイブリドーマ細胞(又はファージ又は酵母由来コロニー)が、かかるDNAの好ましい供給源として働き得る。必要であれば、本明細書に記載されるとおり核酸をさらに操作して、融合タンパク質を含む作用物質、又はキメラ、ヒト化若しくは完全ヒト抗体を作製してもよい。より詳細には、単離されたDNA(これは修飾されていてもよい)を使用して、抗体製造のため定常及び可変領域配列をクローニングすることができる。
従って、例示的実施形態において、抗体は、従来の手順を用いて(Al−Rubeai;An、及びShire et.al.(全て上掲)、及びSambrook J.& Russell D.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2000);Ausubel et al.,Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Wiley,John & Sons,Inc.(2002)に示されるものなど)組換え産生されてもよく、ここでは単離及びサブクローニングされたハイブリドーマ細胞(又はファージ又は酵母由来コロニー)が、核酸分子の好ましい供給源として働く。
用語「核酸分子」は、本明細書で使用されるとき、一本鎖か又は二本鎖かに関わらず、DNA分子及びRNA分子並びにその人工変異体(例えばペプチド核酸)を含むように意図される。核酸は本発明の抗体の一方又は両方の鎖、又はその断片若しくは誘導体をコードし得る。本発明の核酸分子はまた、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを同定し、分析し、突然変異させ又は増幅するためのハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー又は配列決定プライマーとして使用するのに十分なポリヌクレオチド;ポリヌクレオチドの発現を阻害するためのアンチセンス核酸、並びに相補配列も含む。核酸は任意の長さであってよい。核酸は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、750、1,000、1,500、3,000、5,000ヌクレオチド長又はそれ以上であってよく、及び/又は1つ以上のさらなる配列、例えば調節配列を含んでもよく、及び/又はより大きい核酸、例えばベクターの一部であってもよい。かかる核酸配列をさらに操作して、キメラ、ヒト化又は完全ヒト抗体を含むモジュレーターを作製し得ることは理解される。より詳細には、米国特許第7,709,611号明細書に記載されるとおり、単離核酸分子(これは修飾されていてもよい)を使用して抗体製造のため定常及び可変領域配列をクローニングすることができる。
用語「単離核酸」は、核酸が(i)インビトロで、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅された、(ii)クローニングにより組換え産生された、(iii)例えば切断及びゲル電気泳動分画により、精製された、又は(iv)例えば化学合成により、合成されたことを意味する。単離核酸は、組換えDNA技法による操作に利用可能な核酸である。
抗体の所望の免疫反応性部分をコードする核酸の供給源が、ファージディスプレイ技術、酵母ライブラリ、ハイブリドーマベースの技術、又は合成によって入手され、又はそれに由来するのであれ、本発明は、抗体又はその抗原結合断片若しくは誘導体をコードする核酸分子及び配列を包含することが理解されるべきである。さらに、本発明は、かかる核酸分子を含むベクター及び宿主細胞に関する。
2.ハイブリダイゼーション及び配列同一性
指摘されるとおり、本発明はさらに、特定のハイブリダイゼーション条件下で他の核酸とハイブリダイズする核酸を提供する。より具体的には、本発明は、中程度又は高度なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で(例えば、以下に定義するとおりの)、本発明の核酸分子とハイブリダイズする核酸分子を包含する。核酸をハイブリダイズする方法は、当該技術分野において周知である。周知のとおり、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、5×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、0.5%SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)を含有する予洗溶液、約50%ホルムアミド、6×SSCのハイブリダイゼーション緩衝液、及びハイブリダイゼーション温度55℃(又は他の同様のハイブリダイゼーション溶液(約50%ホルムアミドを含有するものなど)で、ハイブリダイゼーション温度42℃)、且つ、0.5×SSC、0.1%SDS中60℃の洗浄条件を含む。比較として、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションは、6×SSC、45℃での洗浄と、続く0.1×SSC、0.2%SDS中68℃での1回以上の洗浄を含む。さらに、当業者は、ハイブリダイゼーション条件及び/又は洗浄条件を操作することにより、互いに少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸が典型的には互いにハイブリダイズしたまま留まるように、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを増加又は低下させることができる。
本発明はまた、記載される核酸分子と「実質的に同一の」核酸分子も含む。一実施形態において、核酸配列に関して実質的に同一という用語は、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%の配列同一性を呈する核酸分子の配列を意味し、そのように解釈され得る。他の実施形態において、核酸分子は基準核酸配列と95%又は98%の配列同一性を呈する。
ハイブリダイゼーション条件の選択に影響を及ぼす基本パラメータ及び好適な条件を考案する際の指針は、例えば、Sambrook,Fritsch,and Maniatis(1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,chapters 9及び11;及びCurrent Protocols in Molecular Biology,1995,Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,sections 2.10及び6.3−6.4)によって説明されており、当業者により、例えば核酸の長さ及び/又は塩基組成に基づいて容易に決定され得る。
配列同一性とも称されるポリペプチドの配列類似性は、典型的には配列解析ソフトウェアを使用して計測される。タンパク質解析ソフトウェアは、様々な置換、欠失及び保存的アミノ酸置換を含む他の修飾に割り当てられた類似度の尺度を使用して、類似した配列を対応させる。例えば、配列解析ツールGCG(Accelrys Software Inc.)は、「GAP」及び「BEST−FIT」などのプログラムを含み、それらをデフォルトパラメータで使用して、異なる生物種由来の相同ポリペプチドなど、近縁ポリペプチドの間、又は野生型タンパク質とそのムテインとの間の配列相同性又は配列同一性を決定することができる(例えば、GCG バージョン6.1又はDurbin et.Al.,Biological Sequence Analysis:Probabilistic models of proteins and nucleic acids.,Cambridge Press(1998)を参照のこと)。
ポリペプチド配列はまた、GCG バージョン6.1のプログラムであるFASTAを使用して、既定の又は推奨されるパラメータを使用して比較することもできる。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)は、アラインメント及び問い合わせ配列と探索配列との間で最良に重なり合う領域のパーセント配列同一性を提供する(Pearson(2000)上掲)。本発明の配列を種々の生物由来の多数の配列を含むデータベースと比較するときの別の好ましいアルゴリズムは、既定のパラメータを使用するコンピュータプログラムBLAST、特にblastp又はtblastnである。例えば、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403 410及びAltschul et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389 402(これらの各々は本明細書において参照により援用される)を参照のこと。
これに関して、本発明はまた、抗体可変領域ポリペプチド配列(例えば、ドナー軽鎖又は重鎖可変領域、アクセプター軽鎖又は重鎖可変領域、又は得られたヒト化コンストラクトのいずれか)に関して「実質的に同一の」ポリペプチドをコードする核酸分子も含む。かかるポリペプチドに適用するとき、用語「実質的な同一性」又は「実質的に同一の」は、2つのペプチド配列が、既定のギャップ加重を使用するプログラムGAP又はBEST−FITによるなどして最適に整列されたとき、少なくとも60%又は65%の配列同一性、好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%、又は90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも93%、95%、98%又は99%の配列同一性を共有することを意味する。好ましくは、同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。「保存的アミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、同様の化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)の側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基に置換されているものである。一般に、保存的アミノ酸置換によっては、タンパク質の機能特性は実質的に変化しない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、パーセント配列同一性又は類似度は、置換の保存的な性質を補正して上方に調整され得る。
3.発現
組換え発現、すなわちRNAの、又はRNA及びタンパク質/ペプチドの産生の様々なプロセスは、Berger and Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,Calif.;Sambrook et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual(3rd Ed.),Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,(2000);及びCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,Greene Publishing Associates,Inc.とJohn Wiley & Sons,Inc.との合弁事業,(2006年増補版)に説明されるとおり、周知されている。
関連のある特定の用語に「発現制御配列」が含まれ、これは、プロモーター、リボソーム結合部位、エンハンサー及び遺伝子の転写又はmRNAの翻訳を調節する他の制御エレメントを含む。周知のとおり、「プロモーター」又は「プロモーター領域」は、概して発現する核酸配列の上流(5’側)に位置する核酸配列であって、RNAポリメラーゼに対する認識及び結合部位を提供することにより配列の発現を制御する核酸配列を指す。
本発明に係る適合性のある例示的プロモーターとしては、SP6、T3及びT7ポリメラーゼのプロモーター、ヒトU6 RNAプロモーター、CMVプロモーター、及びそれらの人工ハイブリッドプロモーター(例えばCMV)(ここでは1つ又は複数の部分が、例えばヒトGAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)などの他の細胞タンパク質の遺伝子のプロモーターの1つ又は複数の部分と融合している)が挙げられ、且つ1つ又は複数のさらなるイントロンを含む又は含まないものである。
特定の実施形態では、核酸分子はベクター中に、適切な場合には核酸の発現を制御するプロモーターを伴い存在していてもよい。周知の用語「ベクター」は、核酸用の任意の介在媒体を含み、前記核酸の、例えば原核細胞及び/又は真核細胞への導入、及び適切な場合には、ゲノムへの組込みを可能にするものである。哺乳類細胞の形質転換方法は、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許第4,399,216号明細書、同第4,912,040号明細書、同第4,740,461号明細書、及び同第4,959,455号明細書を参照のこと。ベクターは、プロモーターに作動可能に連結された、本発明の抗体(例えば、全抗体、抗体の重鎖若しくは軽鎖、抗体のVH若しくはVL、又はそれらの一部分、又は重鎖若しくは軽鎖CDR、単鎖Fv、又はこれらの断片若しくは変異体)をコードするヌクレオチド配列を含み得る(例えば、国際公開第86/05807号パンフレット;国際公開第89/01036号パンフレット;及び米国特許第5,122,464号明細書を参照のこと)。
様々な宿主−発現ベクター系が市販されており、多くは本明細書の教示と適合性があり、本発明のモジュレーターの発現に用いることができる。かかる系としては、限定はされないが、微生物、例えば、モジュレーターコード配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA又はコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌(E.coli)、B.スブチリス(B.subtilis)、ストレプトミセス属(Streptomyces));モジュレーターコード配列を含む組換え酵母発現ベクターをトランスフェクトした酵母(例えば、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ピキア属(Pichia));モジュレーターコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系;モジュレーターコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス;タバコモザイクウイルス)に感染させるか又は組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)をトランスフェクトした植物細胞系(例えば、タバコ属(Nicotiana)、アラビドプシス属(Arabidopsis)、ウキクサ、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ等);又は哺乳類細胞のゲノムに由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)又は哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現コンストラクトを有する哺乳類細胞系(例えば、COS、CHO、BHK、293、3T3細胞等)が挙げられる。
本明細書で使用されるとき、用語「宿主細胞」は、本発明のポリペプチド及び抗原結合分子が生成されるように工学的に改変することのできるあらゆる種類の細胞系を包含する。一実施形態において、宿主細胞は、修飾されたグリコフォームを有する抗原結合分子の産生を可能にするように工学的に改変される。好ましい実施形態において、抗原結合分子、又は変異体抗原結合分子は、抗体、抗体断片、又は融合タンパク質である。特定の実施形態では、宿主細胞は、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTI11)活性を有する1つ以上のポリペプチドを高いレベルで発現するようにさらに操作されている。適合性のある宿主細胞には、ほんの数例を挙げると、培養細胞、例えば、哺乳類培養細胞、例えばCHO細胞、BHK細胞、NSO細胞、SP2/0細胞、YO骨髄腫細胞、P3X63マウス骨髄腫細胞、PER細胞、PER.C6細胞又はハイブリドーマ細胞、酵母細胞、昆虫細胞、及び植物細胞が含まれ、また、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物又は培養された植物若しくは動物組織の中に含まれる細胞も含まれる。
組換えタンパク質を長期にわたり高収率で産生するには、安定発現が好ましい。従って、当該技術分野で認められている標準的な技法を用いて、選択されたモジュレーターを安定的に発現する細胞株が工学的に改変され得る。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを使用するよりむしろ、宿主細胞は、適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位等)により制御されるDNA、及び選択可能なマーカーで形質転換することができる。一定の条件下で発現を増強させるための効率的な手法を提供するグルタミンシンテターゼ遺伝子発現系(GS系)を含め、当該技術分野で周知されている選択系のいずれが使用されてもよい。GS系については、全て又は一部が、欧州特許第0 216 846号明細書、同第0 256 055号明細書、同第0 323 997号明細書及び同第0 338 841号明細書及び米国特許第5,591,639号明細書及び同第5,879,936号明細書(この各々が参照により本明細書に援用される)に関連して考察されている。別の好ましい発現系、Freedom(商標)CHO−SキットがLife Technologies(カタログ番号A13696−01)によって商業的に提供され、これもまた、モジュレーター産生に用い得る安定細胞株の開発を可能にする。
かかる宿主発現系は、目的のコード配列が産生され、続いて精製され得る媒体に相当するが、また、適切なヌクレオチドコード配列により形質転換又はトランスフェクトされたとき、本発明の分子をインサイチューで発現し得る細胞にも相当する。宿主細胞には、例えば、第1のベクターが重鎖由来のポリペプチドをコードし、且つ第2のベクターが軽鎖由来のポリペプチドをコードする本発明の2つの発現ベクターをコトランスフェクトしてもよい。
従って、特定の実施形態では、本発明は、抗体又はその一部分の発現を可能にする組換え宿主細胞を提供する。かかる組換え宿主細胞での発現により産生された抗体は、本明細書では組換え抗体と称される。本発明はまた、かかる宿主細胞の子孫細胞、及びそれにより産生される抗体も提供する。
C.化学合成
加えて、本モジュレーターは、当該技術分野で公知の技法を用いて化学的に合成されてもよい(例えば、Creighton,1983,Proteins:Structures and Molecular Principles,W.H.Freeman & Co.,N.Y.、及びHunkapiller,M.,et al.,1984,Nature 310:105−111を参照のこと)。さらに、必要であれば、非古典的アミノ酸又は化学的アミノ酸類似体(共通アミノ酸のD−異性体、2,4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸など)を、置換又は付加としてポリペプチド配列に導入することができる。
D.トランスジェニック系
他の実施形態においてモジュレーターは、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖配列などの組換え分子についてトランスジェニックな、且つ所望の化合物を回収可能な形態で産生する哺乳動物又は植物を生成することによって遺伝子導入により作製されてもよい。これには、例えば、ヤギ、雌ウシ、又は他の哺乳類の乳中におけるタンパク質モジュレーター(例えば抗体)の産生、及びそこからの回収が含まれる。例えば、米国特許第5,827,690号明細書、同第5,756,687号明細書、同第5,750,172号明細書、及び同第5,741,957号明細書を参照のこと。一部の実施形態では、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む非ヒトトランスジェニック動物が免疫されて、抗体が産生される。
他のトランスジェニック技法が、Hogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(1999);Jackson et al.,Mouse Genetics and Transgenics:A Practical Approach,Oxford University Press(2000);及びPinkert,Transgenic Animal Technology:A Laboratory Handbook,Academic Press(1999)並びに米国特許第6,417,429号明細書に示される。一部の実施形態では、非ヒト動物はマウス、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシ又はウマであり、所望の産物は血液、乳、尿、唾液、涙、粘液及び他の体液中に産生され、そこから当該技術分野で認められている精製技法を用いて容易に得ることができる。
他の適合性のある産生系には、例えば、米国特許第6,046,037号明細書及び同第5,959,177号明細書(これらは、かかる技法に関して本明細書に援用される)に記載されるような、植物における抗体の作製方法が含まれる。
E.単離/精製
本発明のモジュレーターは、組換え発現によるか又は開示される技法のうち任意の他の技法によって産生された後、免疫グロブリン又はタンパク質の精製について当該技術分野で公知の任意の方法により精製されてもよい。この点において、本モジュレーターは「単離されている」ものであってよく、これは、それがその天然の環境の成分から同定され、且つ分離及び/又は回収されていることを意味する。その天然の環境の夾雑物成分とは、ポリペプチドの診断的又は治療的使用を妨げる材料であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性又は非タンパク質性の溶質を挙げることができる。ポリペプチドの天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、単離モジュレーターには、組換え細胞内のインサイチューでのモジュレーターが含まれる。
所望の分子が細胞内で産生される場合、第1の工程として、粒子状デブリが、宿主細胞又は溶解断片のいずれも、例えば遠心分離又は限外ろ過によって取り除かれ得る。モジュレーターが培地中に分泌される場合、かかる発現系からの上清が、概して、初めに市販のタンパク質濃縮フィルタ、例えば、Amicon又はPellicon限外ろ過ユニット(Millipore Corp.)を使用して濃縮される。不溶性の夾雑物が取り除かれた後、モジュレーター調製物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティークロマトグラフィーなどの標準的な技法を用いてさらに精製されてもよく、アフィニティークロマトグラフィーが特に興味深い。これに関して、プロテインAを使用すると、ヒトIgG1、IgG2又はIgG4重鎖をベースとする抗体を精製することができ(Lindmark,et al.,J Immunol Meth 62:1(1983))、一方、プロテインGは、あらゆるマウスアイソタイプ及びヒトIgG3に推奨される(Guss,et al.,EMBO J 5:1567(1986))。イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンでのクロマトグラフィー、陰イオン又は陽イオン交換樹脂でのセファロースクロマトグラフィー(ポリアスパラギン酸カラムなど)、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE及び硫安塩析などのタンパク質精製の他の技法もまた、回収する抗体に応じて利用可能である。特に好ましい実施形態では、本発明のモジュレーターは、少なくとも一部には、プロテインA又はプロテインGアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製される。
VI.SEZ6モジュレーター断片及び誘導体
どのような生成及び産生方法が選択されるにせよ、本発明のモジュレーターは、標的決定因子(例えば抗原)との反応、結合、組み合わせ、複合体化、連結、付着、接合、相互作用又は他の形の会合を行い、それにより所望の結果を提供する。モジュレーターが抗体又はその断片、コンストラクト若しくは誘導体を含む場合、かかる会合は、抗体上で発現する1つ以上の「結合部位」又は「結合成分」を介してもよく、ここで結合部位は、目的の標的分子又は抗原との選択的な結合に関与するポリペプチドの領域を含む。結合ドメインは少なくとも1つの結合部位を含む(例えば、インタクトなIgG抗体は2つの結合ドメインと2つの結合部位とを有する)。例示的結合ドメインとしては、抗体可変ドメイン、リガンドの受容体結合ドメイン、受容体のリガンド結合ドメイン又は酵素的ドメインが挙げられる。
A.抗体
上記のとおり、用語「抗体」は、少なくとも、ポリクローナル抗体、マルチクローナル抗体、キメラ抗体、CDRグラフト化抗体、ヒト化及び霊長類化抗体、ヒト抗体、組換え産生抗体、細胞内抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、一価抗体、多価抗体、抗イディオタイプ抗体、並びに合成抗体を包含するように意図される。
B.断片
本発明の実施にどの形態のモジュレーター(例えばキメラ、ヒト化等)が選択されるかに関係なく、本明細書の教示に従いその免疫反応性断片が用いられ得ることは理解される。「抗体断片」は、インタクトな抗体の少なくとも一部分を含む。本明細書で使用されるとき、抗体分子の「断片」という用語には、抗体の抗原結合断片が含まれ、用語「抗原結合断片」は、選択された抗原又はその免疫原性決定因子と免疫特異的に結合又は反応するか、又は断片が得られた元のインタクトな抗体と特異的抗原結合について競合する免疫グロブリン又は抗体のポリペプチド断片を指す。
例示的断片には、以下が含まれる:VL、VH、scFv、F(ab’)2断片、Fab断片、Fd断片、Fv断片、単一ドメイン抗体断片、ダイアボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子及び抗体断片から形成される多重特異性抗体。加えて、活性断片は、抗原/基質又は受容体と相互作用するその能力を維持し、且つインタクトな抗体と同様の方法で(いくらか効率は低いかもしれないが)それらを修飾する抗体の一部分を含む。
他の実施形態において、抗体断片は、Fc領域を含むものであって、FcRn結合、抗体半減期調整、ADCC機能及び補体結合などの、通常インタクトな抗体に存在するときFc領域と関連付けられる生物学的機能の少なくとも1つを維持しているものである。一実施形態において、抗体断片は、インタクトな抗体と実質的に同程度のインビボ半減期を有する一価抗体である。例えば、かかる抗体断片は、断片にインビボ安定性を付与することができるFc配列と連結された抗原結合アームを含み得る。
当業者であれば十分に認識するとおり、断片は、インタクト抗体若しくは完全抗体又は抗体鎖の化学的又は酵素的処理(パパイン又はペプシンなど)によって、又は組換え手段により得ることができる。抗体断片のさらに詳細な説明については、例えば、Fundamental Immunology,W.E.Paul,ed.,Raven Press,N.Y.(1999)を参照のこと。
C.誘導体
本発明は、さらに、1つ以上の修飾を含む免疫反応性モジュレーター誘導体及び抗原結合分子を含む。
1.多価抗体
一実施形態において、本発明のモジュレーターは一価又は多価(例えば、二価、三価等)であってよい。本明細書で使用されるとき、用語「価数」は、抗体に関連する潜在的な標的結合部位の数を指す。各標的結合部位が、1つの標的分子又は標的分子上の特定の位置若しくは座位と特異的に結合する。抗体が一価である場合、分子の各結合部位は、単一の抗原位置又はエピトープに特異的に結合する。抗体が2つ以上の標的結合部位を含む(多価である)場合、各標的結合部位は同じ又は異なる分子と特異的に結合し得る(例えば、異なるリガンド若しくは異なる抗原と結合しても、又は同じ抗原上の異なるエピトープ若しくは位置と結合してもよい)。例えば、米国特許出願公開第2009/0130105号明細書を参照のこと。いずれの場合も、結合部位の少なくとも1つは、SEZ6アイソフォームに関連するエピトープ、モチーフ又はドメインを含む。
一実施形態において、モジュレーターは二重特異性抗体であり、Millstein et al.,1983,Nature,305:537−539に記載されるとおり、ここでは2本の鎖が異なる特異性を有する。他の実施形態は、三重特異性抗体などのさらなる特異性を有する抗体を含む。他のさらに高性能の適合性のある多重特異性コンストラクト及びそれらの作製方法が、米国特許出願公開第2009/0155255号明細書、並びに国際公開第94/04690号パンフレット;Suresh et al.,1986,Methods in Enzymology,121:210;及び国際公開第96/27011号パンフレットに示される。
上記で言及したとおり、多価抗体は、所望の標的分子の異なるエピトープに免疫特異的に結合してもよく、又は標的分子並びに異種エピトープ、例えば異種ポリペプチド又は固体支持体材料の両方に免疫特異的に結合してもよい。抗SEZ6抗体の好ましい実施形態は2つの抗原のみと結合するが(すなわち二重特異性抗体)、三重特異性抗体などのさらなる特異性を有する抗体もまた本発明に包含される。二重特異性抗体にはまた、架橋された抗体すなわち「ヘテロコンジュゲート」抗体も含まれる。例えば、ヘテロコンジュゲートにおける抗体の一方がアビジンとカップリングされ、他方がビオチンとカップリングされ得る。かかる抗体は、例えば、免疫系細胞を望ましくない細胞に標的化させるために(米国特許第4,676,980号明細書)、及びHIV感染の治療に向けて(国際公開第91/00360号パンフレット、国際公開第92/200373号パンフレット、及び欧州特許第03089号明細書)提案されている。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の従来の架橋結合方法を用いて作製されてもよい。好適な架橋剤は当該技術分野において周知されており、米国特許第4,676,980号明細書に、数多くの架橋結合技法と共に開示される。
さらに他の実施形態において、所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインが、当業者に周知の方法を用いて、ヒンジ、CH2、及び/又はCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン定常ドメイン配列、例えば免疫グロブリン重鎖定常ドメインと融合される。
2.Fc領域修飾
上記の本開示のモジュレーター(例えば、Fc−SEZ6又は抗SEZ6抗体)の可変又は結合領域に対する様々な修飾、置換、付加又は欠失に加え、当業者は、本発明の選択された実施形態が、定常領域(すなわちFc領域)の置換又は修飾もまた含み得ることを理解する。より詳細には、本発明のSEZ6モジュレーターは、とりわけ1つ以上のさらなるアミノ酸残基置換、突然変異及び/又は修飾を含んでもよく、それにより、限定はされないが:薬物動態の変化、血清中半減期の増加、結合親和性の増加、免疫原性の低減、産生の増加、Fc受容体(FcR)に対するFcリガンド結合の変化、「ADCC」(抗体依存細胞媒介性細胞傷害)又は「CDC」(補体依存性細胞傷害)活性の増強又は低減、グリコシル化及び/又はジスルフィド結合の変化及び結合特異性の修飾を含めた、好ましい特性を有する化合物がもたらされることが企図される。これに関して、有利には、これらのFc変異体を使用して、本開示のモジュレーターの有効な抗新生物特性を増強し得ることは理解される。
この目的上、本発明の特定の実施形態は、Fc領域の置換又は修飾、例えば増強された又は好ましいFcエフェクター機能を有する化合物が産生されるような1つ以上のアミノ酸残基の付加、置換、突然変異及び/又は修飾を含み得る。例えば、FcドメインとFc受容体(例えば、FcγRI、FcγRIIA及びB、FcγRIII及びFcRn)との間の相互作用に関わるアミノ酸残基を変更すると、細胞傷害性の増加及び/又は薬物動態の変化、例えば血清中半減期の増加がもたらされ得る(例えば、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457−92(1991);Capel et al.,Immunomethods 4:25−34(1994);及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330−41(1995)(この各々が参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。
選択された実施形態において、FcドメインとFcRn受容体との間の相互作用に関与すると特定されたアミノ酸残基を修飾(例えば、置換、欠失又は付加)することにより、インビボ半減期が増加した抗体を生成することができる(例えば、国際公開第97/34631号パンフレット;国際公開第04/029207号パンフレット;米国特許第6,737,056号明細書及び米国特許出願公開第2003/0190311号明細書を参照のこと。かかる実施形態に関して、Fc変異体は哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、5日超、10日超、15日超、好ましくは20日超、25日超、30日超、35日超、40日超、45日超、2ヶ月超、3ヶ月超、4ヶ月超、又は5ヶ月超の半減期を提供し得る。半減期が増加することにより血清力価が高くなり、そのため抗体の投与頻度が低下し、及び/又は投与するべき抗体の濃度が低下する。ヒトFcRnとのインビボでの結合及びヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清中半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又はトランスフェクトヒト細胞株で、又は霊長類に変異体Fc領域を含むポリペプチドを投与してアッセイすることができる。国際公開第2000/42072号パンフレットは、FcRnとの結合が向上又は減少した抗体変異体について記載する。例えば、Shields et al.J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)も参照のこと。
他の実施形態において、Fcの改変は、ADCC又はCDC活性の増強又は低減をもたらし得る。当該技術分野において公知のとおり、CDCは、補体の存在下で標的細胞を溶解することを指し、ADCCは、特定の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFcRに結合した分泌Igにより、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が、抗原を有する標的細胞に特異的に結合し、続いて細胞毒により標的細胞を死滅させることが可能となる細胞傷害性の一形態を指す。本発明の文脈では、抗体変異体は、親抗体若しくは非修飾抗体又は天然配列FcRを含む抗体と比較したとき結合が増強されているか、或いは減少している「改変された」FcR結合親和性を伴い提供される。結合の低下を示すかかる変異体は、例えば当該技術分野において周知の技法により決定するとき、天然配列と比較してFcRとの感知できるほどの結合がほとんど又は全くなく、例えば0〜20%の結合を有し得る。他の実施形態において変異体は、天然免疫グロブリンFcドメインと比較したとき結合の増強を呈する。有利には、これらのタイプのFc変異体を使用して、本開示の抗体の有効な抗新生物特性を増強し得ることは理解される。さらに他の実施形態では、かかる改変により、結合親和性の増加、免疫原性の低減、産生の増加、グリコシル化及び/又はジスルフィド結合の(例えば、コンジュゲーション部位についての)改変、結合特異性の修飾、食作用の増加;及び/又は細胞表面受容体(例えばB細胞受容体;BCR)の下方制御等がもたらされる。
3.グリコシル化の改変
さらに他の実施形態は、1つ以上の工学的に改変されたグリコフォーム、すなわち、タンパク質(例えばFcドメイン)に共有結合的に結合する改変したグリコシル化パターン又は改変した炭水化物組成を含むSEZ6モジュレーターを含む。例えば、Shields,R.L.et al.(2002)J.Biol.Chem.277:26733−26740を参照のこと。グリコフォームの工学的改変は、限定はされないが、エフェクター機能の増強又は低減、標的に対するモジュレーターの親和性の増加又はモジュレーターの産生の促進を含め、様々な目的に有用であり得る。エフェクター機能の低減が望ましい特定の実施形態では、分子が非グリコシル化形態を発現するように工学的に改変され得る。1つ以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位の除去によって当該の部位におけるグリコシル化をなくすことのできる置換が周知されている(例えば米国特許第5,714,350号明細書及び同第6,350,861号明細書を参照)。逆に、1つ以上のさらなるグリコシル化部位で工学的に改変することにより、エフェクター機能の増強又は結合の向上がFc含有分子に付与され得る。
他の実施形態は、フコシル残基の量が低下している低フコシル化抗体又は二分岐GlcNAc構造が増加した抗体などの、改変したグリコシル化組成を有するFc変異体を含む。かかるグリコシル化パターンの改変は、抗体のADCC能力を増加させることが実証されている。工学的に改変されたグリコフォームは、当業者に公知の任意の方法により、例えば、工学的に改変された株又は変異体発現株を使用することによるか、1つ以上の酵素(例えばN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTI11))と共発現させることによるか、様々な生物又は様々な生物由来の細胞株においてFc領域を含む分子を発現させることによるか、又はFc領域を含む分子を発現させた後に炭水化物(複数可)を修飾することにより、生成され得る(例えば、国際公開第2012/117002号パンフレットを参照のこと)。
4.さらなるプロセシング
モジュレーターは、例えば、既知の保護基/ブロック基、タンパク質分解切断、抗体分子又は他の細胞性リガンドとの連結等によるグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、誘導体化により、産生中又は産生後に差次的に修飾してもよい。多数の化学修飾のいずれかが、限定はされないが、臭化シアン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH4、アセチル化、ホルミル化、酸化、還元、ツニカマイシンの存在下での代謝合成等による特異的な化学的切断を含めた公知の技法によって実行され得る。
同様に本発明に包含される様々な翻訳後修飾としては、例えば、N結合型又はO結合型炭水化物鎖、N端側又はC端側末端のプロセシング、化学的部分とアミノ酸骨格との結合、N結合型又はO結合型炭水化物鎖の化学修飾、及び原核生物宿主細胞発現の結果としてのN末端メチオニン残基の付加又は欠失が挙げられる。さらに、モジュレーターはまた、酵素標識、蛍光標識、放射性同位元素標識又はアフィニティー標識などの検出可能な標識で修飾して、モジュレーターの検出及び単離を可能にしてもよい。
VII.モジュレーター特性
モジュレーターがどのように得られようとも、又は上記の形態のうちどれをとろうとも、本開示のモジュレーターの様々な実施形態は、特定の特性を呈し得る。選択された実施形態では、抗体産生細胞(例えば、ハイブリドーマ又は酵母コロニー)が選択され、クローニングされ、さらに、例えばロバストな成長、高いモジュレーター産生、及び以下でさらに詳細に考察するとおりの、望ましいモジュレーター特性を含めた好適な特性についてスクリーニングされ得る。別の場合には、モジュレーターの特性は、動物接種用の特定の抗原(例えば、特異的SEZ6アイソフォーム又はその断片)又は標的抗原の免疫反応性断片を選択することによって付与され、又は影響を受け得る。さらに他の実施形態において、選択されたモジュレーターを上記に記載したとおり工学的に改変することにより、親和性又は薬物動態などの免疫化学的特性を増強又は改良してもよい。
A.中和モジュレーター
特定の実施形態では、モジュレーターは「中和」抗体又はその誘導体若しくは断片を含む。すなわち、本発明は、特異的なドメイン、モチーフ又はエピトープと結合してSEZ6の生物学的活性を遮断、低減又は阻害することが可能な抗体分子を含み得る。より一般的には、用語「中和抗体」は、標的分子又はリガンドに結合し又はそれと相互作用して、標的分子と受容体又は基質などの結合パートナーとの結合又は会合を防ぎ、それにより本来それらの分子の相互作用によって生じる生物学的反応を妨害する抗体を指す。
当該技術分野において公知の競合的結合アッセイを用いて、抗体又はその免疫学的に機能性の断片若しくは誘導体の結合及び特異性を評価し得ることは理解される。本発明に関して、抗体又は断片は、過剰な抗体によってSEZ6に結合する結合パートナーの量が、例えば障害神経栄養因子リガンド活性によるか又はインビトロ競合的結合アッセイにおいて計測するとき、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%又はそれ以上減少するとき、SEZ6と結合パートナー又は基質(例えば、神経栄養因子リガンド)との結合を阻害又は低減するものと考える。例えばSEZ6に対する抗体の場合、中和抗体又はアンタゴニストは、好ましくはリガンド活性を少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%又はそれ以上改変する。この修飾された活性は、当該技術分野で認められている技法を用いて直接計測されてもよく、又は改変した活性が下流(例えば、発癌、細胞生存又は経路活性化)に及ぼす影響により計測されてもよいことが理解される。
B.インターナライズモジュレーター
エビデンスは、SEZ6又はその選択されたアイソフォームが可溶性の形態で存在し得ることを示しているが、少なくとも一部のSEZ6は、おそらく細胞表面と会合したままであり、それにより本開示のモジュレーターのインターナリゼーションが可能となる。従って、本発明の抗SEZ6抗体は、少なくともある程度、SEZ6を発現する細胞によりインターナライズされ得る。例えば、腫瘍開始細胞の表面上のSEZ6と結合する抗SEZ6抗体は、腫瘍開始細胞によってインターナライズされ得る。特に好ましい実施形態では、かかる抗SEZ6抗体は、インターナライズされると細胞を死滅させる細胞傷害性部分などの抗癌剤と会合又はコンジュゲートされ得る。特に好ましい実施形態では、モジュレーターは、インターナライズ抗体薬コンジュゲートを含む。
本明細書で使用されるとき、「インターナライズする」モジュレーターとは、関連する抗原又は受容体と結合すると細胞によって(任意のペイロードと共に)取り込まれるものである。理解されるとおり、インターナライズモジュレーターは、好ましい実施形態において、抗体(その抗体断片及び誘導体を含む)、並びに抗体コンジュゲートを含み得る。インターナリゼーションはインビトロ又はインビボで起こり得る。治療適用では、インターナリゼーションは好ましくは、それを必要とする対象においてインビボで起こる。インターナライズされる抗体分子の数は、抗原発現細胞、特に抗原発現癌幹細胞を死滅させるのに十分又は適切であり得る。抗体又は抗体コンジュゲートの効力に応じて、ある場合には、細胞への単一の抗体分子の取込みが、その抗体が結合する標的細胞を死滅させるのに十分である。例えば、ある種の毒素は極めて強力であるため、抗体にコンジュゲートされた毒素の数個の分子のインターナリゼーションが、腫瘍細胞を死滅させるのに十分である。抗体が哺乳類細胞との結合時にインターナライズするかどうかは、以下の実施例(例えば、実施例15、17及び18)に記載するものを含め、様々なアッセイにより決定することができる。抗体が細胞にインターナライズするかどうかを検出する方法はまた、米国特許第7,619,068号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)にも記載される。
C.枯渇モジュレーター
他の実施形態において、抗体は、枯渇抗体又はその誘導体若しくは断片を含む。用語「枯渇」抗体は、好ましくは細胞表面上又はその近傍の抗原と結合又は会合し、且つ細胞の死滅又は除去を(例えば、CDC、ADCC又は細胞傷害剤の導入により)誘導し、促進し又は発生させる抗体を指す。一部の実施形態では、選択された枯渇抗体は細胞傷害剤と会合又はコンジュゲートされる。
好ましくは枯渇抗体は、定義された細胞集団中のSEZ6腫瘍原性細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、又は99%を取り除き、無能力化し、除去し又は死滅させることができる。一部の実施形態では、この細胞集団は、濃縮され、区分され(sectioned)、精製され、又は単離された腫瘍不滅化細胞を含み得る。他の実施形態において、細胞集団は、腫瘍不滅化細胞を含む全腫瘍試料又は不均一腫瘍抽出物を含み得る。当業者は、以下の実施例(例えば、実施例14及び15)に記載されるとおりの標準的な生化学的技法を用いることにより、本明細書の教示に従う腫瘍原性細胞又は腫瘍不滅化細胞の枯渇をモニタし、定量化し得ることを理解する。
D.ビニング及びエピトープ結合
本開示の抗SEZ6抗体モジュレーターは、選択された標的又はその断片により提示される個別のエピトープ又は免疫原性決定因子と会合し、又は結合することがさらに理解される。特定の実施形態では、エピトープ又は免疫原性決定因子は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基、又はスルホニル基などの分子の化学的に活性な表面基(surface groupings)を含み、特定の実施形態では、特異的な三次元構造特性、及び/又は特異的な電荷特性を有し得る。従って、本明細書で使用されるとき、用語「エピトープ」は、免疫グロブリン又はT細胞受容体と特異的に結合するか又は他の形で分子と相互作用することができる任意のタンパク質決定因子を含む。特定の実施形態では、抗体は、それがタンパク質の複合混合物及び/又は巨大分子中のその標的抗原を優先的に認識するとき、抗原と特異的に結合する(又は免疫特異的に結合又は反応する)と言われる。好ましい実施形態において、抗体は、平衡解離定数(KD)が10−6M以下又は10−7M以下であるとき、より好ましくは平衡解離定数が10−8M以下であるとき、及びさらにより好ましくは解離定数が10−9M以下であるとき、抗原と特異的に結合すると言われる。
より直接的には、用語「エピトープ」は、その一般的な生化学的意味で使用され、特定の抗体モジュレーターによって認識され、且つ特異的に結合されることが可能な標的抗原の一部分を指す。抗原がSEZ6などのポリペプチドである場合、エピトープは、概して、隣接アミノ酸及びタンパク質の三次の折り畳みによって並んで位置する非隣接アミノ酸の両方から形成され得る(「立体構造エピトープ」)。かかる立体エピトープでは、相互作用する点は、タンパク質上で直線的には互いに離れているアミノ酸残基にわたって生じる。隣接アミノ酸から形成されたエピトープ(「線状」又は「連続」エピトープと称されることもある)は、典型的にはタンパク質変性時にも保持されるが、一方、三次の折り畳みにより形成されたエピトープは、典型的にはタンパク質変性時に失われる。いずれの場合も、抗体エピトープは、典型的には、少なくとも3個、さらに通常は少なくとも5個又は8〜10個のアミノ酸をユニークな空間配置で含む。
この点において、特定の実施形態では、エピトープは、SEZ6タンパク質の1つ以上の領域、ドメイン又はモチーフ(例えば、成熟アイソフォーム1のアミノ酸1〜906)と関連付けられ、又はそこに存在し得ることは理解される。本明細書でさらに詳細に考察されるとおり、SEZ6タンパク質の細胞外領域は、5つのSushiドメインと、N末端ドメインに沿った2つのCUBドメインとを含む一般に認識されている一連のドメインを含む。本開示の目的上、用語「ドメイン」は、その一般に受け入れられている意味に従い使用され、特徴的な二次構造含量を呈するタンパク質内の同定可能な又は定義可能な保存されている構造的実体を指すものと考えられる。多くの場合に、共通の機能を有する相同ドメインは、通常は配列類似性を示し、数多くの異なるタンパク質中に見られる(例えば、Sushiドメインは、報告によれば多数の異なるタンパク質中に見られる)。同様に、当該技術分野で認められている用語「モチーフ」は、その一般的な意味に従い使用され、概して典型的には10〜20個の隣接アミノ酸残基であるタンパク質の短い保存領域を指すものとする。全体を通じて考察されるとおり、選択された実施形態は、SEZ6の特異的な領域、ドメイン又はモチーフ内のエピトープと会合又は結合するモジュレーターを含む。
いずれの場合も、抗原上の所望のエピトープが決定されると、例えば、本発明に記載される技法を用いてそのエピトープを含むペプチドで免疫することにより、当該のエピトープに対する抗体を生成することが可能である。或いは、発見過程で、抗体の生成及び特性決定により、特異的なドメイン又はモチーフに位置する望ましいエピトープに関する情報が明らかになり得る。この情報から、次に、同エピトープに対する結合について、抗体を競合的にスクリーニングすることが可能である。これを達成するための手法は、競合試験を行い、互いに競合的に結合する抗体を見つけ出すことであり、すなわちそうした抗体は、抗原との結合について競合する。抗体をその交差競合性に基づきビニングするためのハイスループットプロセスが、国際公開第03/48731号パンフレットに記載されている。モジュレーター競合又は酵母上での抗原断片発現を含む他のビニング又はドメインレベル又はエピトープマッピング方法が、以下の実施例9及び10に示される。
本明細書で使用されるとき、用語「ビニング」は、抗原結合特性及び競合に基づく抗体のグループ化又は分類に用いられる方法を指す。この技法は本発明のモジュレーターを定義して特徴付けるのに有用であるが、ビンは必ずしもエピトープと直接相関せず、エピトープ結合のそのような初期決定が、本明細書に記載されるとおりの他の当該技術分野で認められている方法によってさらに精緻化され、確認され得る。しかしながら、以下の実施例で考察され、明らかにされるとおり、抗体モジュレーターが個々のビンに実験的に割り当てられることで、本開示のモジュレーターの潜在的治療能力の指標となり得る情報が提供される。
より具体的には、選択された参照抗体(又はその断片)が第2の試験抗体と同じエピトープに結合し、又はそれと結合について交差競合する(すなわち同じビン内にある)かどうかを、当該技術分野において公知の、且つ本明細書の実施例に示す方法を用いることにより決定することができる。一実施形態では、参照抗体モジュレーターをSEZ6抗原と飽和条件下で会合させ、次に、二次又は試験抗体モジュレーターがSEZ6と結合する能力を、標準的な免疫化学的技法を用いて決定する。試験抗体が参照抗SEZ6抗体と同時にSEZ6に実質的に結合可能である場合、二次又は試験抗体は一次又は参照抗体と異なるエピトープに結合する。しかしながら、試験抗体が同時にSEZ6と実質的に結合することができない場合、試験抗体は、一次抗体が結合したエピトープと同じエピトープ、それと重複するエピトープ、又はそれと(少なくとも立体的に)近接しているエピトープに結合する。すなわち試験抗体は抗原結合について競合し、参照抗体と同じビンにある。
用語「競合する」又は「競合抗体」は、本開示のモジュレーターの文脈で使用されるとき、試験抗体又は供試の免疫学的に機能性の断片が共通の抗原に対する参照抗体の特異的結合を妨げ又は阻害するアッセイにより決定するときの抗体間の競合を意味する。典型的には、かかるアッセイは、固体表面に結合した精製抗原(例えば、SEZ6又はそのドメイン若しくは断片)又はそれらのうちいずれかを有する細胞、非標識の試験免疫グロブリン及び標識された参照免疫グロブリンの使用を伴う。試験免疫グロブリンの存在下で固体表面又は細胞に結合した標識の量を決定することにより、競合阻害が計測される。通常、試験免疫グロブリンは過剰に存在し、及び/又は先に結合するようにされる。競合アッセイにより同定される抗体(競合抗体)には、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体、及び参照抗体が結合したエピトープに対して立体障害が起こるのに十分に近接している隣接するエピトープに結合する抗体が含まれる。競合的結合の決定方法に関するさらなる詳細は、本明細書の実施例に提供される。通常、競合抗体が過剰に存在する場合、共通の抗原に対する参照抗体の特異的結合が少なくとも30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%阻害される。場合によっては、結合は少なくとも80%、85%、90%、95%、又は97%又はそれ以上阻害される。
逆に、参照抗体が結合する場合、好ましくは、続いて加えられた試験抗体(すなわちSEZ6モジュレーター)の結合が少なくとも30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%又は75%阻害される。場合によっては、試験抗体の結合は少なくとも80%、85%、90%、95%、又は97%又はそれ以上阻害される。
本発明に関しては、以下の実施例9及び10に示されるとおり、SEZ6の細胞外ドメインが本明細書で「ビンA」〜「ビンF」及びビンUと呼ばれる競合的結合により少なくとも7個のビンを定義することが(表面プラズモン共鳴又はバイオレイヤー干渉法によって)決定されている。
この点において、当該技術分野で公知であって、且つ以下の実施例に詳述するとおり、所望のビニング又は競合的結合データは、固相直接又は間接ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接又は間接酵素イムノアッセイ(EIA又はELISA)、サンドイッチ競合アッセイ、Biacore(商標)2000システム(すなわち表面プラズモン共鳴−GE Healthcare)、ForteBio(登録商標)分析器(すなわち、バイオレイヤー干渉法−ForteBio,Inc.)又はフローサイトメトリー法を用いて得ることができる。用語「表面プラズモン共鳴」は、本明細書で使用されるとき、バイオセンサーマトリックス中のタンパク質濃度の変化を検出することによりリアルタイムの特異的相互作用の解析を可能にする光学現象を指す。用語「バイオレイヤー干渉法」は、2つの表面、すなわちバイオセンサーチップ上の固定化されたタンパク質の層と、内部基準層から反射した白色光の干渉縞を解析する光学的分析技法を指す。バイオセンサーチップに結合した分子の数に変化があると、干渉縞のシフトが生じ、それをリアルタイムで計測することができる。特に好ましい実施形態では、解析は(表面プラズモン共鳴、バイオレイヤー干渉法又はフローサイトメトリーのいずれであれ)、以下の実施例で実証するとおり、Biacore又はForteBio機器又はフローサイトメーター(例えば、FACSAria II)を使用して実施される。
本開示のSEZ6抗体モジュレーターが会合又は結合するエピトープをさらに特徴付けるため、Cochran et al.(J Immunol Methods.287(1−2):147−158(2004)(参照により本明細書に援用される))により記載されるプロトコルの改良法を用いてドメインレベルエピトープマッピングを実施した。簡潔に言えば、特異的なアミノ酸配列を含むSEZ6の個々のドメインを酵母の表面上に発現させて、フローサイトメトリーによって各SEZ6抗体による結合を決定した。結果は以下で実施例10に考察し、図14A及び図14Bに図示する。
他の適合性のあるエピトープマッピング技法には、アラニンスキャニング突然変異体、ペプチドブロット(Reineke(2004)Methods Mol Biol 248:443−63)(本明細書で全体として参照により具体的に援用される)、又はペプチド切断解析が含まれる。加えて、エピトープの切除、エピトープの抽出及び抗原の化学修飾などの方法を用いることができる(Tomer(2000)Protein Science 9:487−496)(本明細書で全体として参照により具体的に援用される)。他の実施形態において、抗原構造ベースの抗体プロファイリング(Antigen Structure−based Antibody Profiling:ASAP)としても知られるモディフィケーション支援プロファイリング(Modification−Assisted Profiling:MAP)が、同じ抗原を標的とする多数のモノクローナル抗体(mAb)を、化学的又は酵素的に修飾された抗原表面に対する各抗体の結合プロファイルの類似性によって分類する方法を提供する(米国特許出願公開第2004/0101920号明細書、本明細書で全体として参照により具体的に援用される)。各カテゴリーが、別のカテゴリーによって表されるエピトープと明確に異なるか、或いは部分的に重複しているユニークなエピトープを反映し得る。この技法により、遺伝的に同一の抗体を高速でふるい分けすることが可能となり、従って遺伝的に異なる抗体に集中して特徴付けを行うことができる。MAPを使用して、本発明のhSEZ6抗体モジュレーターを、異なるエピトープに結合する抗体グループに分別し得ることは理解される。
固定化された抗原の構造を改変するのに有用な作用物質としては、タンパク質分解酵素(例えば、トリプシン、エンドプロテアーゼGlu−C、エンドプロテアーゼAsp−N、キモトリプシン等)などの酵素が挙げられる。固定化された抗原の構造を改変するのに有用な作用物質はまた、化学的作用物質、例えば、スクシンイミジルエステル及びその誘導体、第一級アミン含有化合物、ヒドラジン及びカルボヒドラジン、遊離アミノ酸等であってもよい。
抗原タンパク質は、バイオセンサーチップ表面か、或いはポリスチレンビーズに固定化され得る。後者は、例えば多重LUMINEX(商標)検出アッセイ(Luminex Corp.)などのアッセイで処理することができる。最大100個の異なる種類のビーズによる多重分析を取り扱うLUMINEXの能力により、LUMINEXは、ほぼ無制限に様々な修飾の抗原表面を提供するため、バイオセンサーアッセイと比べて抗体エピトーププロファイリングにおいて向上した分解能をもたらす。
E.モジュレーター結合特性
本開示の抗体は、エピトープ特異性に加え、例えば結合親和性などの物理的特性を用いて特徴付けられ得る。これに関して、本発明は、1つ以上のSEZ6アイソフォーム、又は汎抗体の場合にはSEZ6ファミリーの2つ以上のメンバーに対して高結合親和性を有する抗体の使用をさらに包含する。
用語「KD」は、本明細書で使用されるとき、特定の抗体抗原相互作用の解離定数を指すことが意図される。本発明の抗体は、解離定数KD(koff/kon)が≦10−7Mであるとき、その標的抗原と免疫特異的に結合すると言われる。抗体は抗原と、KDが≦5×10−9Mであるとき高い親和性で特異的に結合し、KDが≦5×10−10Mであるとき極めて高い親和性で特異的に結合する。本発明の一実施形態において、抗体は≦10−9MのKD、及び約1×10−4/秒のオフ速度を有する。本発明の一実施形態において、オフ速度は<1×10−5/秒である。本発明の他の実施形態において、抗体は約10−7M〜10−10MのKDでSEZ6と結合し、さらに別の実施形態において、KD≦2×10−10Mで結合する。本発明のさらに他の選択された実施形態は、10−2M未満、5×10−2M未満、10−3M未満、5×10−3M未満、10−4M未満、5×10−4M未満、10−5M未満、5×10−5M未満、10−6M未満、5×10−6M未満、10−7M未満、5×10−7M未満、10−8M未満、5×10−8M未満、10−9M未満、5×10−9M未満、10−10M未満、5×10−10M未満、10−11M未満、5×10−11M未満、10−12M未満、5×10−12M未満、10−13M未満、5×10−13M未満、10−14M未満、5×10−14M未満、10−15M未満又は5×10−15M未満の解離定数すなわちKD(koff/kon)を有する抗体を含む。
具体的な実施形態において、SEZ6と免疫特異的に結合する本発明の抗体は、少なくとも105M−ls−l、少なくとも2×105M−ls−l、少なくとも5×105M−ls−l、少なくとも106M−ls−l、少なくとも5×106M−ls−l、少なくとも107M−ls−l、少なくとも5×107M−ls−l、又は少なくとも108M−ls−lの会合速度定数すなわちkon(又はka)速度(SEZ6(Ab)+抗原(Ag)k on←Ab−Ag)を有する。
別の実施形態において、SEZ6と免疫特異的に結合する本発明の抗体は、l0−ls−l未満、5×l0−ls−l未満、l0−2s−l未満、5×l0−2s−l未満、l0−3s−l未満、5×l0−3s−l未満、l0−4s−l未満、5×l0−4s−l未満、l0−5s−l未満、5×l0−5s−l未満、l0−6s−l未満、5×l0−6s−l未満、l0−7s−l未満、5×l0−7s−l未満、l0−8s−l未満、5×l0−8s−l未満、l0−9s−l未満、5×l0−9s−l未満又はl0−10s−l未満の解離速度定数すなわちkoff(又はkd)速度(SEZ6(Ab)+抗原(Ag)k off←Ab−Ag)を有する。
本発明の他の選択された実施形態において、抗SEZ6抗体は、少なくとも102M−1、少なくとも5×102M−1、少なくとも103M−1、少なくとも5×103M−1、少なくとも104M−1、少なくとも5×104M−1、少なくとも105M−1、少なくとも5×105M−1、少なくとも106M−1、少なくとも5×106M−1、少なくとも107M−1、少なくとも5×107M−1、少なくとも108M−1、少なくとも5×108M−1、少なくとも109M−1、少なくとも5×109M−1、少なくとも1010M−1、少なくとも5×1010M−1、少なくとも1011M−1、少なくとも5×1011M−1、少なくとも1012M−1、少なくとも5×1012M−1、少なくとも1013M−1、少なくとも5×1013M−1、少なくとも1014M−1、少なくとも5×1014M−1、少なくとも1015M−1又は少なくとも5×1015M−1の親和性定数すなわちKa(kon/koff)を有する。
上記のモジュレーター特性に加え、本発明の抗体は、例えば熱安定性(すなわち融解温度;Tm)、及び等電点を含めたさらなる物理的特性を用いてさらに特徴付けられ得る(例えば、Bjellqvist et al.,1993,Electrophoresis 14:1023;Vermeer et al.,2000,Biophys.J.78:394−404;Vermeer et al.,2000,Biophys.J.79:2150−2154(この各々が参照により援用される)を参照のこと)。
VIII.コンジュゲート型モジュレーター
A.概要
本発明のモジュレーターは、本明細書の教示により生成され、及び/又は作製及び選択された後、薬学的に活性な若しくは診断用の部分又は生体適合性修飾物質と(例えば、共有結合的又は非共有結合的に)連結、融合、コンジュゲートされ、又は他の形でそれと会合され得る。本明細書で使用されるとき、用語「コンジュゲート」又は「モジュレーターコンジュゲート」又は「抗体コンジュゲート」は、広義に用いられ、会合方法を問わず、本開示のモジュレーターと会合された任意の生物学的に活性な又は検出可能な分子又は薬物を意味すると考えられる。この点において、かかるコンジュゲートが、本開示のモジュレーターに加えて、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、インビボで活性薬剤に代謝されるプロドラッグ、ポリマー、核酸分子、小分子、結合剤、模倣剤、合成薬物、無機分子、有機分子及び放射性同位元素を含み得ることは理解される。さらに、上記に指摘したとおり、選択されたコンジュゲートはモジュレーターと共有結合的に又は非共有結合的に会合され、又は連結され、且つ少なくとも一部には、コンジュゲーションを生じさせるために用いられる方法に応じて、種々の化学量論的モル比を呈し得る。
本発明の特に好ましい態様は、増殖性障害の診断及び/又は治療に用いられ得る抗体モジュレーターコンジュゲート又は抗体−薬物コンジュゲートを含む。文脈によって別段指示されない限り、用語「抗体−薬物コンジュゲート」又は「ADC」又は式M−[L−D]nは、治療用部分及び診断用部分の両方を含むコンジュゲートを包含すると考えられるものとすることは理解される。かかる実施形態において抗体−薬物コンジュゲート化合物は、モジュレーターとしてのSEZ6モジュレーター(典型的には抗SEZ6抗体)又は細胞結合単位(本明細書ではCBA、M、又はAbと省略される)、治療用部分(例えば抗癌剤)若しくは診断用部分(D)、及び場合により薬物と抗原結合剤とをつなぎ合わせるリンカー(L)を含む。本開示の目的上、「n」は、1〜20の整数を意味すると考えられるものとする。好ましい実施形態において、モジュレーターは、上記に記載したとおりの重鎖及び軽鎖可変領域由来の少なくとも1つのCDRを含むSEZ6 mAbである。
当業者は、治療用又は診断用部分及び/又はリンカーを結合剤と結合又は会合させるのに、数多くの異なる反応を利用可能であることを理解する。選択された実施形態において、これは、結合剤、例えば抗体分子のアミノ酸残基、例えば、リジンのアミン基、グルタミン酸及びアスパラギン酸の遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基並びに芳香族アミノ酸の様々な部分の反応により達成され得る。最も一般的に用いられる非特異的共有結合方法の一つは、化合物のカルボキシ基(又はアミノ基)を抗体のアミノ基(又はカルボキシ基)と連結するカルボジイミド反応である。加えて、ジアルデヒド又はイミドエステルなどの二官能性物質が、化合物のアミノ基を抗体分子のアミノ基と連結させるのに用いられている。また、薬物を結合剤と結合させるのに、シッフ塩基反応も利用可能である。この方法は、グリコール基又はヒドロキシ基を含む薬物を過ヨウ素酸酸化し、そのようにしてアルデヒドを形成した後、結合剤と反応させることを含む。シッフ塩基の形成により、結合剤のアミノ基との結合が起こる。イソチオシアン酸塩及びアズラクトンもまた、薬物を結合剤と共有結合させるためのカップリング剤として用いることができる。
他の実施形態において、本発明の開示されるモジュレーターは、選択された特性(例えば、生体毒素、バイオマーカー、精製タグ等)を付与するタンパク質、ポリペプチド又はペプチドとコンジュゲート又は会合され得る。特定の好ましい実施形態において、本発明は、異種タンパク質又はペプチドと組換え融合されるか又は化学的にコンジュゲート(共有結合性及び非共有結合性のいずれのコンジュゲーションも含む)されたモジュレーター又はその断片の使用を包含し、ここでタンパク質又はペプチドは、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90又は少なくとも100アミノ酸を含む。コンストラクトは直接連結されなくてもよく、アミノ酸リンカー配列を介して行われ得る。例えば、本発明のモジュレーターを特定の細胞表面受容体に特異的な抗体と融合又はコンジュゲートして二重特異性コンストラクトを提供することにより、抗体を用いて、インビトロで、或いはインビボで、SEZ6を発現する特定の細胞型を異種ポリペプチドの標的とすることができる。さらに、異種ポリペプチドと融合又はコンジュゲートしたモジュレーターはまた、インビトロイムノアッセイで使用されてもよく、当該技術分野において公知のとおり精製方法(例えば、hisタグ)と特に適合性があり得る。例えば、国際公開第93/21232号パンフレット;欧州特許第439,095号明細書;Naramura et al.,1994,Immunol.Lett.39:91−99;米国特許第5,474,981号明細書;Gillies et al.,1992,PNAS 89:1428−1432;及びFell et al.,1991,J.Immunol.146:2446−2452を参照のこと。
B.リンカー
上記のペプチドリンカー又はスペーサーに加えて、本開示のモジュレーターを薬学的に活性な若しくは診断用の部分又は生体適合性修飾物質と会合するために、いくつかの他の種類又はタイプのリンカーを使用し得ることは理解される。一部の実施形態では、リンカーは細胞内条件下で切断され、従ってリンカーの切断により、細胞内環境において抗体から薬物単位が放出される。さらに他の実施形態において、リンカー単位は切断可能ではなく、薬物は、例えば抗体分解により放出される。
ADCのリンカーは、好ましくは細胞外で安定であり、ADC分子の凝集を防止し、且つADCを水性媒体に対して可溶自在に、且つ単量体状態に保つ。細胞への輸送又は送達前、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)は好ましくは安定していてインタクトなままであり、すなわち抗体は薬物部分と連結したままである。リンカーは標的細胞の外部では安定しており、細胞内部では何らかの有効な速度で切断され得る。有効なリンカーは、(i)抗体の特異的な結合特性を維持し;(ii)コンジュゲート又は薬物部分の細胞内送達を可能にし;(iii)コンジュゲートがその標的部位に送達又は輸送されるまで安定且つインタクトなままであり、すなわち切断されず;及び(iv)PBD薬物部分の細胞傷害性の細胞死滅効果又は細胞増殖抑制効果を維持するものである。ADCの安定性は標準的な分析法、例えば、質量分析、HPLC、及び分離/分析法LC/MSにより計測することができる。抗体及び薬物部分の共有結合には、リンカーが2つの反応性官能基を有する、すなわち反応性の意味で二価性を備える必要がある。2つ以上の機能的又は生物学的に活性な部分、例えば、ペプチド、核酸、薬物、毒素、抗体、ハプテン、及びレポーター基を結合させるのに有用な二価リンカー試薬は知られており、コンジュゲートを得る方法が記載されている(methods have been described their resulting conjugates)(Hermanson,G.T.(1996)Bioconjugate Techniques;Academic Press:New York,p 234−242)。
このため、本発明の特定の実施形態は、細胞内環境(例えば、リソソーム又はエンドソーム又はカベオラ内)に存在する切断作用物質により切断可能なリンカーの使用を含む。リンカーは、例えば、細胞内ペプチダーゼ又はプロテアーゼ酵素、例えば限定はされないがリソソームプロテアーゼ又はエンドソームプロテアーゼによって切断されるペプチジルリンカーであってもよい。一部の実施形態では、ペプチジルリンカーは少なくとも2アミノ酸長又は少なくとも3アミノ酸長である。切断作用物質としてはカテプシンB及びD並びにプラスミンを挙げることができ、これらは各々、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して標的細胞の内部に活性薬物を放出することが知られている。カテプシンBは癌性組織で高度に発現することが分かっているため、チオール依存性プロテアーゼカテプシンBにより切断可能な例示的ペプチジルリンカーは、Phe−Leuを含むペプチドである。かかるリンカーの他の例は、例えば、米国特許第6,214,345号明細書及び米国特許出願公開第2012/0078028号明細書(この各々が全体として参照により本明細書に援用される)に記載されている。具体的な好ましい実施形態において、細胞内プロテアーゼにより切断可能なペプチジルリンカーは、米国特許第6,214,345号明細書に記載されるようなVal−Citリンカー、Ala−Valリンカー又はPhe−Lysリンカーである。治療剤の細胞内タンパク質分解性放出を用いる一つの利点は、薬剤がコンジュゲート時に典型的には減弱され、コンジュゲートの血清安定性が典型的には高いことである。
他の実施形態において、切断可能なリンカーはpH感受性であり、すなわち、ある種のpH値での加水分解に対して感受性がある。典型的には、酸性条件下で加水分解性のpH感受性リンカー。例えば、リソソームにおいて加水分解性である酸に不安定なリンカー(例えば、ヒドラゾン、オキシム、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、cis−アコニット酸アミド、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)を使用することができる(例えば、米国特許第5,122,368号明細書;同第5,824,805号明細書;同第5,622,929号明細書を参照のこと)。かかるリンカーは、血液中などの中性pH条件下では比較的安定しているが、ほぼリソソームのpHであるpH5.5又は5.0未満では不安定である。
さらに他の実施形態において、リンカーは還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。当該技術分野では、例えば、SATA(N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート)、SPDP(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレート)及びSMPT(N−スクシンイミジル−オキシカルボニル−α−メチル−α−(2−ピリジル−ジチオ)トルエン)を使用して形成することができるものを含め、様々なジスルフィドリンカーが知られている。さらに他の具体的な実施形態において、リンカーは、マロネートリンカー(Johnson et al.,1995,Anticancer Res.15:1387−93)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lau et al.,1995,Bioorg−Med−Chem.3(10):1299−1304)、又は3’−N−アミド類似体(Lau et al.,1995,Bioorg−Med−Chem.3(10):1305−12)である。さらに他の実施形態では、リンカー単位は切断可能でなく、薬物は抗体分解により放出される(全体としてあらゆる目的から参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0238649号明細書を参照のこと)。
より詳細には、好ましい実施形態において(米国特許出願公開第2011/0256157号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)に示される)、適合性のあるリンカーは以下を含む:
式中、アスタリスクは細胞傷害剤との結合点を示し、CBAは細胞結合剤/モジュレーターであり、L1はリンカーであり、Aは、L1を細胞結合剤と連結する連結基であり、L2は共有結合であるか、又は−OC(=O)−と一緒になって自己犠牲リンカー(self−immolative linker)を形成し、及びL1又はL2は切断可能なリンカーである。
L1は好ましくは切断可能なリンカーであり、リンカーの切断を活性化するためのトリガーと称され得る。
存在する場合にL1及びL2は、性質が幅広く異なり得る。これらの基はその切断特性に基づき選択され、切断特性は、コンジュゲートが送達される部位の条件に左右され得る。酵素の作用によって切断されるリンカーが好ましく、しかしながらpHの変化(例えば酸又は塩基に不安定なもの)、温度の変化により切断可能か、又は照射により(例えば感光性のもの)切断可能なリンカーもまた用いられ得る。還元又は酸化条件下で切断可能なリンカーもまた、本発明において利用が見出され得る。
L1は、アミノ酸の連続配列を含み得る。このアミノ酸配列は、N10位からのR10の放出を可能にするための、酵素切断の標的基質であってもよい。
一実施形態において、L1は酵素作用により切断可能である。一実施形態において、酵素はエステラーゼ又はペプチダーゼである。
一実施形態において、L2は存在し、−C(=O)O−と一緒になって自己犠牲リンカーを形成する。一実施形態において、L2は、N10位からのR10の放出を可能にするための、酵素活性の基質である。
一実施形態において、式中、L1は酵素作用により切断可能であり、且つL2は存在し、酵素はL1とL2との間の結合を切断する。
L1及びL2は、存在する場合、以下から選択される結合により連結され得る:
−C(=O)NH−、−C(=O)O−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−、及び−NHC(=O)NH−。
L2に接続するL1のアミノ基は、アミノ酸のN末端であってもよく、又はアミノ酸側鎖、例えばリジンアミノ酸側鎖のアミノ基に由来してもよい。
L2に接続するL1のカルボキシル基は、アミノ酸のC末端であってもよく、又はアミノ酸側鎖、例えばグルタミン酸アミノ酸側鎖のカルボキシル基に由来してもよい。
L2に接続するL1のヒドロキシル基は、アミノ酸側鎖、例えばセリンアミノ酸側鎖のヒドロキシル基に由来してもよい。
用語「アミノ酸側鎖」は、以下に見られる基を含む:(i)天然に存在するアミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン;(ii)マイナーアミノ酸、例えばオルニチン及びシトルリン;(iii)非天然アミノ酸、β−アミノ酸、天然に存在するアミノ酸の合成類似体及び誘導体;及び(iv)全ての鏡像異性体、ジアステレオマー、異性体濃縮形態、同位体標識形態(例えば2H、3H、14C、15N)、保護形態、及びこれらのラセミ混合物。
一実施形態において、−C(=O)O−とL2とは一緒になって基:
を形成し、式中、アスタリスクは薬物又は細胞傷害剤位置との結合点を示し、波線はリンカーL1との結合点を示し、Yは−N(H)−、−O−、−C(=O)N(H)−又は−C(=O)O−であり、及びnは0〜3である。フェニレン環は、場合により本明細書に記載されるとおりの1、2又は3個の置換基で置換されている。一実施形態において、フェニレン基は、場合によりハロ、NO2、R又はORで置換されている。
一実施形態において、YはNHである。
一実施形態において、nは0又は1である。好ましくは、nは0である。
YがNHであり、且つnが0である場合、自己犠牲リンカーはp−アミノベンジルカルボニルリンカー(PABC)と称され得る。
自己犠牲リンカーは、遠隔部位の活性化時に、以下に示す線に沿って進行する(n=0について)保護された化合物の放出を可能にする:
式中、L*は、リンカーの残りの部分が活性化した形態である。これらの基は、活性化の部位を保護されている化合物と分離するという利点を有する。上記に記載したとおり、フェニレン基は場合により置換されてもよい。
本明細書に記載される一実施形態において、基L*は、本明細書に記載されるとおりのリンカーL1であり、これはジペプチド基を含み得る。
別の実施形態において、−C(=O)O−とL2とは、一緒になって、以下から選択される基を形成する:
式中、アスタリスク、波線、Y、及びnは上記に定義するとおりである。各フェニレン環は、場合により本明細書に記載されるとおりの1、2又は3個の置換基で置換されている。一実施形態において、Y置換基を有するフェニレン環は場合により置換されており、Y置換基を有しないフェニレン環は置換されていない。一実施形態において、Y置換基を有するフェニレン環は置換されておらず、Y置換基を有しないフェニレン環は場合により置換されている。
別の実施形態において、−C(=O)O−とL2とは、一緒になって、以下から選択される基を形成する:
式中、アスタリスク、波線、Y、及びnは上記に定義するとおりであり、EはO、S又はNRであり、DはN、CH、又はCRであり、及びFはN、CH、又はCRである。
一実施形態において、DはNである。
一実施形態において、DはCHである。
一実施形態において、EはO又はSである。
一実施形態において、FはCHである。
好ましい実施形態において、リンカーはカテプシンに不安定なリンカーである。
一実施形態において、L1はジペプチドを含む。ジペプチドは−NH−X1−X2−CO−と表されてもよく、式中、−NH−及び−CO−は、それぞれアミノ酸基X1及びX2のN末端及びC末端を表す。ジペプチド中のアミノ酸は、天然アミノ酸の任意の組み合わせであってもよい。リンカーがカテプシンに不安定なリンカーである場合、ジペプチドは、カテプシン媒介性切断の作用部位であってもよい。
加えて、カルボキシル又はアミノ側鎖官能基を有するアミノ酸基、例えば、それぞれGlu及びLysに関して、CO及びNHは当該の側鎖官能基を表す。
一実施形態において、ジペプチド−NH−X1−X2−CO−中の基−X1−X2−は、以下から選択される:
−Phe−Lys−、−Val−Ala−、−Val−Lys−、−Ala−Lys−、−Val−Cit−、−Phe−Cit−、−Leu−Cit−、−Ile−Cit−、−Phe−Arg−及び−Trp−Cit−(式中、Citはシトルリンである)。
好ましくは、ジペプチド−NH−X1−X2−CO−中の基−X1−X2−は、以下から選択される:
−Phe−Lys−、−Val−Ala−、−Val−Lys−、−Ala−Lys−、及び−Val−Cit−。
最も好ましくは、ジペプチド−NH−X1−X2−CO−中の基−X1−X2−は、−Phe−Lys−又は−Val−Ala−である。
Dubowchik et al.,Bioconjugate Chemistry,2002,13,855−869(これは参照により本明細書に援用される)により記載されるものを含め、他のジペプチドの組み合わせが用いられてもよい。
一実施形態において、適切な場合、アミノ酸側鎖は誘導体化される。例えば、アミノ酸側鎖上のアミノ基又はカルボキシ基が誘導体化されてもよい。
一実施形態において、側鎖アミノ酸、例えばリジンのアミノ基NH2は、NHR及びNRR’からなる群から選択される誘導体化形態である。
一実施形態において、側鎖アミノ酸、例えばアスパラギン酸のカルボキシ基COOHは、COOR、CONH2、CONHR及びCONRR’からなる群から選択される誘導体化形態である。
一実施形態において、適切な場合、アミノ酸側鎖は化学的に保護されている。側鎖保護基は、以下で基RLに関して考察するとおりの基であってよい。保護されているアミノ酸配列は、酵素により切断可能である。例えば、Boc側鎖で保護されたLys残基を含むジペプチド配列が、カテプシンにより切断可能であることが確立されている。
アミノ酸の側鎖に対する保護基は当該技術分野において周知されており、Novabiochemカタログに記載されている。さらなる保護基戦略が、Protective Groups in Organic Synthesis,Greene and Wutsに詳説されている。
反応性側鎖官能基を有するアミノ酸について、可能な側鎖保護基を以下に示す:
Arg:Z、Mtr、Tos;
Asn:Trt、Xan;
Asp:Bzl、t−Bu;
Cys:Acm、Bzl、Bzl−OMe、Bzl−Me、Trt;
Glu:Bzl、t−Bu;
Gln:Trt、Xan;
His:Boc、Dnp、Tos、Trt;
Lys:Boc、Z−Cl、Fmoc、Z、Alloc;
Ser:Bzl、TBDMS、TBDPS;
Thr:Bz;
Trp:Boc;
Tyr:Bzl、Z、Z−Br。
一実施形態において、側鎖保護は、存在する場合に、キャップ基として提供される基、又はその一部として提供される基に対して直交性となるように選択される。従って、側鎖保護基を取り除いても、キャップ基、又はキャップ基の一部である任意の保護基官能性は取り除かれない。
本発明の他の実施形態において、選択されるアミノ酸は、反応性側鎖官能基を有しないものである。例えば、アミノ酸は以下から選択され得る:Ala、Gly、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、及びVal。
一実施形態において、ジペプチドは自己犠牲リンカーと組み合わせて使用される。自己犠牲リンカーは−X2−に連結されてもよい。
自己犠牲リンカーが存在する場合、−X2−は自己犠牲リンカーと直接連結される。好ましくは、基−X2−CO−はYに連結され(式中、YはNHである)、それにより基−X2−CO−NH−を形成する。
−NH−X1−はAに直接連結される。Aは官能基−CO−を含んでもよく、それにより−X1−とアミド結合を形成する。
一実施形態において、L1及びL2は、−OC(=O)−と一緒になって、基NH−X1−X2−CO−PABC−を含む。PABC基は細胞傷害剤に直接連結される。好ましくは、自己犠牲リンカーとジペプチドとは、一緒になって基−NH−Phe−Lys−CO−NH−PABC−を形成し、これは以下に示される:
式中、アスタリスクは、選択された細胞傷害性部分との結合点を示し、波線は、リンカーL1の残りの部分との結合点又はAとの結合点を示す。好ましくは、波線は、Aとの結合点を示す。Lysアミノ酸の側鎖は、上記に記載したとおり、例えばBoc、Fmoc、又はAllocで保護されていてもよい。
或いは、自己犠牲リンカーとジペプチドとは、一緒になって基−NH−Val−Ala−CO−NH−PABC−を形成し、これは以下に示される:
式中、アスタリスク及び波線は上記に定義するとおりである。
或いは、自己犠牲リンカーとジペプチドとは、一緒になって基−NH−Val−Cit−CO−NH−PABC−を形成し、これは以下に示される:
式中、アスタリスク及び波線は上記に定義するとおりである。
本発明の一部の実施形態では、保護されていないイミン結合が薬物部分に含まれる場合、例えば、部分Bが存在する場合、リンカーが遊離アミノ(H2N−)基を含有しないことが好ましいこともある。従ってリンカーが構造−A−L1−L2−を有すれば、これは好ましくは遊離アミノ基を含有しないことになる。この選好性は、リンカーがジペプチドを、例えばL1として含有する場合に、特に適切である;この実施形態では、2つのアミノ酸のうちの一方がリジンから選択されないことが好ましいといえる。
理論によって拘束されることは望まないが、薬物部分中の保護されていないイミン結合と、リンカー中の遊離アミノ基とが組み合わさると、薬物−リンカー部分の二量体化が生じることができ、それが、かかる薬物−リンカー部分と抗体とのコンジュゲーションを妨げ得る。これらの基の交差反応は、強酸(例えばTFA)を使用して遊離アミノ基が脱保護されるときなど、遊離アミノ基がアンモニウムイオン(H3N+−)として存在する場合、加速され得る。
一実施形態において、Aは共有結合である。従って、L1と細胞結合剤とは直接連結される。例えば、L1が連続アミノ酸配列を含む場合、配列のN末端が細胞結合剤と直接連結されてもよい。
従って、Aが共有結合である場合、細胞結合剤とL1との間の連結は、以下から選択され得る:
−C(=O)NH−、−C(=O)O−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−C(=O)NHC(=O)−、−S−、−S−S−、−CH2C(=O)−、及び=N−NH−。
SEZ6モジュレーターに連結するL1のアミノ基は、アミノ酸のN末端であってもよく、又はアミノ酸側鎖、例えばリジンアミノ酸側鎖のアミノ基に由来してもよい。
モジュレーターに連結するL1のカルボキシル基は、アミノ酸のC末端であってもよく、又はアミノ酸側鎖、例えばグルタミン酸アミノ酸側鎖のカルボキシル基に由来してもよい。
細胞結合剤に連結するL1のヒドロキシル基は、アミノ酸側鎖、例えばセリンアミノ酸側鎖のヒドロキシル基に由来してもよい。
モジュレーター剤に連結するL1のチオール基は、アミノ酸側鎖、例えばセリンアミノ酸側鎖のチオール基に由来してもよい。
L1のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びチオール基に関する上記の注釈はまた、細胞結合剤にも適用される。
一実施形態において、L2は−OC(=O)−と一緒になって、以下を表す:
式中、アスタリスクは、N10位との結合点を示し、波線は、L1との結合点を示し、nは0〜3であり、Yは共有結合基又は官能基であり、及びEは、例えば酵素作用又は光による活性化が可能な基であり、それにより自己犠牲単位を生成する。フェニレン環は、場合により、本明細書に記載されるとおりの1、2又は3個の置換基によってさらに置換される。一実施形態において、フェニレン基は、場合により、ハロ、NO2、R又はORによってさらに置換される。好ましくはnは0又は1であり、最も好ましくは0である。
Eは、この基が例えば光によるか又は酵素作用による活性化に感受性を有するように選択される。Eは−NO2又はグルクロン酸(glucoronic acid)であってもよい。前者はニトロレダクターゼの作用に感受性を有し、後者はβ−グルクロニダーゼ(glucoronidase)の作用に感受性を有し得る。
この実施形態において、自己犠牲リンカーは、Eが活性化されたとき、以下に示す線に沿って進行する(n=0について)保護された化合物の放出を可能にする:
式中、アスタリスクは、N10位との結合点を示し、E*はEの活性化形態であり、及びYは上記に記載したとおりである。これらの基は、活性化の部位を保護されている化合物と分離するという利点を有する。上記に記載したとおり、フェニレン基は場合によりさらに置換されていてもよい。
基Yは、L1との共有結合であってもよい。
基Yは、以下から選択される官能基であってもよい:
−C(=O)−、−NH−、−O−、−C(=O)NH−、−C(=O)O−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)NH、−C(=O)NHC(=O)−、及び−S−。
L1がジペプチドである場合、Yは−NH−又は−C(=O)−であって、それによりL1とYとの間にアミド結合を形成することが好ましい。この実施形態において、ジペプチド配列は酵素活性の基質でなくてもよい。
別の実施形態において、Aはスペーサー基である。従って、L1と細胞結合剤とは間接的に連結される。
L1及びAは、以下から選択される結合により連結され得る:
−C(=O)NH−、−C(=O)O−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−、及び−NHC(=O)NH−。
好ましくは、リンカーは、モジュレーター上の求核性官能基と反応する求電子性官能基を含有する。抗体上の求核基としては、限定はされないが、(i)N末端アミン基、(ii)側鎖アミン基、例えばリジン、(iii)側鎖チオール基、例えばシステイン、及び(iv)糖ヒドロキシル基又はアミノ基が挙げられ、ここで抗体はグリコシル化されている。アミン基、チオール基、及びヒドロキシル基は、求核性であり、且つ、(i)マレイミド基(ii)活性化ジスルフィド、(iii)活性エステル、例えば、NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)エステル、HOBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)エステル、ハロホルメート、及び酸ハロゲン化物;(iv)アルキル及びベンジルハロゲン化物、例えばハロアセトアミド;及び(v)アルデヒド、ケトン、カルボキシルを含めた、リンカー部分及びリンカー試薬上の求電子基と反応して共有結合を形成することができ、及びこのうちの一部を以下のとおり例示する:
。
特定の抗体は、還元可能な鎖間ジスルフィド、すなわちシステイン架橋を有する。抗体は、DTT(ジチオスレイトール)などの還元剤で処理することにより、リンカー試薬とコンジュゲーション反応するようになり得る。このようにして、各システイン架橋が理論的には2つの反応性チオール求核種を形成する。リジンを2−イミノチオラン(トラウト試薬)と反応させてアミンをチオールに変換することにより、さらなる求核基を抗体に導入することができる。反応性チオール基は、1、2、3、4個、又はそれ以上のシステイン残基の導入(例えば、1つ以上の非天然システインアミノ酸残基を含む突然変異体抗体の調製)により、抗体(又はその断片)に導入されてもよい。米国特許第7521541号明細書は、反応性システインアミノ酸の導入による工学的改変抗体を教示している。
一部の実施形態では、リンカーは、抗体上に存在する求電子基と反応する反応性求核基を有する。抗体上の有用な求電子基としては、限定はされないが、アルデヒド及びケトンカルボニル基が挙げられる。リンカーの求核基のヘテロ原子は、抗体上の求電子基と反応して抗体単位と共有結合を形成することができる。リンカー上の有用な求核基としては、限定はされないが、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドロキシル、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、及びアリールヒドラジンが挙げられる。抗体上の求電子基は、リンカーとの結合に好都合な部位を提供する。
一実施形態において、基Aは以下である:
式中、アスタリスクはL1との結合点を示し、波線は細胞結合剤との結合点を示し、及びnは0〜6である。一実施形態において、nは5である。
一実施形態において、基Aは以下である:
式中、アスタリスクはL1との結合点を示し、波線は細胞結合剤との結合点を示し、及びnは0〜6である。一実施形態において、nは5である。
一実施形態において、基Aは以下である:
式中、アスタリスクはL1との結合点を示し、波線は細胞結合剤との結合点を示し、nは0又は1であり、及びmは0〜30である。好ましい実施形態において、nは1であり、及びmは0〜10、1〜8、好ましくは4〜8、及び最も好ましくは4又は8である。別の実施形態において、mは10〜30、及び好ましくは20〜30である。或いは、mは0〜50である。この実施形態において、mは好ましくは10〜40であり、及びnは1である。
一実施形態において、基Aは以下である:
式中、アスタリスクはL1との結合点を示し、波線は細胞結合剤との結合点を示し、nは0又は1であり、及びmは0〜30である。好ましい実施形態において、nは1であり、及びmは0〜10、1〜8、好ましくは4〜8、及び最も好ましくは4又は8である。別の実施形態において、mは10〜30、及び好ましくは20〜30である。或いは、mは0〜50である。この実施形態において、mは好ましくは10〜40であり、及びnは1である。
一実施形態において、細胞結合剤とAとの間の連結は、細胞結合剤のチオール残基及びAのマレイミド基を介する。
一実施形態において、細胞結合剤とAとの間の連結は、以下である:
式中、アスタリスクはAの残りの部分との結合点を示し、波線は、細胞結合剤の残りの部分との結合点を示す。この実施形態において、S原子は、典型的にはモジュレーターに由来する。
上記の実施形態の各々において、以下に示すマレイミド由来の基の代わりに代替的な官能基を使用してもよい:
式中、波線は、前出のとおり細胞結合剤との結合点を示し、及びアスタリスクはA基の残りの部分との結合を示す。
一実施形態において、マレイミド由来の基は、以下の基に置き換えられる:
式中、波線は細胞結合剤との結合点を示し、及びアスタリスクはA基の残りの部分との結合を示す。
一実施形態において、マレイミド由来の基は、場合により細胞結合剤と一緒になる、ある基に置き換えられ、その基は、以下から選択される:
−C(=O)NH−、−C(=O)O−、−NHC(=O)−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−NHC(=O)O−、−OC(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−NHC(=O)NH、−C(=O)NHC(=O)−、−S−、−S−S−、−CH2C(=O)−、−C(=O)CH2−、=N−NH−及び−NH−N=。
一実施形態において、マレイミド由来の基は、場合により細胞結合剤と一緒になる、ある基に置き換えられ、その基は、以下から選択される:
式中波線は、細胞結合剤との結合点又はA基の残りの部分との結合のうちの一方を示し、アスタリスクは、細胞結合剤との結合点又はA基の残りの部分との結合のうちの他方を示す。
選択されたモジュレーターにL1を連結するのに好適な他の基は、国際公開第2005/082023号パンフレットに記載される。
別の好ましい実施形態において、本発明のモジュレーターは、薬物リンカー単位を含む生体適合性ポリマーと会合され得る。この点において、一つのかかる種類の適合性のあるポリマーには、Fleximer(登録商標)ポリマー(Mersana Therapeutics)が含まれる。かかるポリマーは、報告によれば生分解性であり、耐容性が良好であり、且つ臨床的妥当性が確認されている。さらに、かかるポリマーは、数多くのカスタマイズ可能なリンカー技術及び化学と適合性があり、薬物動態の制御、薬物放出の限局化及び体内分布の向上を可能にする。
選択されたモジュレーターはまた、放射性同位元素と直接コンジュゲートすることができ、又は放射性金属イオン(本明細書に記載されるとおりの)とのコンジュゲーションに有用な大環状キレート剤を含み得る。特定の実施形態では、大環状キレート剤は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N”−四酢酸(DOTA)であり、これは、リンカー分子を介して抗体に結合させることができる。かかるリンカー分子は当該技術分野において一般に知られており、Denardo et al.,1998,Clin Cancer Res.4:2483;Peterson et al.,1999,Bioconjug.Chem.10:553;及びZimmerman et al.,1999,Nucl.Med.Biol.26:943に記載されている。
より一般的に、治療用部分又は細胞傷害剤をモジュレーターとコンジュゲートするための技法は周知である。上記に考察したとおり、限定はされないが、アルデヒド/シッフ結合、スルフヒドリル結合、酸に不安定な結合、cis−アコニチル結合、ヒドラゾン結合、酵素分解性の結合を含めた(一般に、Garnett,2002,Adv Drug Deliv Rev 53:171を参照のこと)、任意の当該技術分野で認められている方法により、部分をモジュレーターとコンジュゲートすることができる。また、例えば、Amon et al.,「癌治療における薬物のイムノターゲッティング用モノクローナル抗体(Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy)」,Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstrom et al.,「ドラッグデリバリー用抗体(Antibodies For Drug Delivery)」,Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe,「癌治療における細胞傷害剤の抗体担体:レビュー(Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review)」,Monoclonal Antibodies’84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475−506(1985);「癌治療における放射性標識抗体の治療的使用の分析、結果、及び将来的展望(Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy)」,in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwin et al.(eds.),pp.303−16(Academic Press 1985)、及びThorpe et al.,1982,Immunol.Rev.62:119を参照のこと。好ましい実施形態において、治療用部分又は細胞傷害剤とコンジュゲートされるSEZ6モジュレーターは、細胞表面に会合したSEZ6分子と結合すると、細胞によってインターナライズされ、それにより治療ペイロードを送達し得る。
C.生体適合性修飾物質
選択された実施形態において、本発明のモジュレーターは、モジュレーター特性を所望のとおりに調整し、変化させ、改善し、又は抑えるために用いられ得る生体適合性修飾物質とコンジュゲートされるか、又は他の形で会合され得る。例えば、比較的高分子量のポリマー分子、例えば市販のポリエチレングリコール(PEG)又は同様の生体適合性ポリマーを結合させることにより、インビボ半減期が増加した抗体又は融合コンストラクトを生成することができる。当業者は、抗体に特定の特性が付与されるように(例えば半減期を個別に適合させてもよい)選択することのできる多くの異なる分子量及び分子配置のPEGを入手し得ることを理解する。PEGはモジュレーター又は抗体断片若しくは誘導体と、PEGと前記抗体又は抗体断片のN末端又はC末端との部位特異的コンジュゲーションによるか、或いはリジン残基に存在するε−アミノ基を介するかして、多官能性リンカーを伴い又は伴わず結合することができる。生物学的活性の損失が最小限となる直鎖状又は分枝状ポリマー誘導体化が用いられてもよい。SDS−PAGE及び質量分析法によりコンジュゲーションの程度を詳しくモニタして、PEG分子と抗体分子との最適なコンジュゲーションを確実にすることができる。未反応のPEGは、例えばサイズ排除又はイオン交換クロマトグラフィーにより抗体−PEGコンジュゲートと分離することができる。同じようにして、抗体又は抗体断片のインビボ安定性を高めるため、又はインビボ半減期を延ばすため、本開示のモジュレーターをアルブミンとコンジュゲートすることができる。これらの技法は当該技術分野において周知であり、例えば、国際公開第93/15199号パンフレット、国際公開第93/15200号パンフレット、及び国際公開第01/77137号パンフレット;及び欧州特許第0 413、622号明細書を参照のこと。他の生体適合性コンジュゲートが当業者に明らかであり、本明細書の教示に従い容易に同定され得る。
D.診断剤又は検出剤
他の好ましい実施形態では、本発明のモジュレーター、又はその断片若しくは誘導体は、例えば、生体分子(例えば、ペプチド又はヌクレオチド)、小分子、フルオロフォア、又は放射性同位元素であってもよい診断剤又は検出可能な薬剤、マーカー又はレポーターとコンジュゲートされる。標識されたモジュレーターは、過剰増殖性障害の展開又は進行のモニタリングに、又は本開示のモジュレーターを含む特定の治療の有効性を判断するため(すなわちセラグノスティクス)、若しくは今後の治療コースを決定するための臨床試験手順の一環として、有用であり得る。かかるマーカー又はレポーターはまた、選択されたモジュレーターの精製、モジュレーター解析(例えば、エピトープ結合又は抗体ビニング)、TICの分離若しくは単離において、又は前臨床手順若しくは毒性研究においても有用であり得る。
かかる診断解析及び/又は検出は、モジュレーターを、限定はされないが、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼを含む様々な酵素;補欠分子族、限定はされないが、ストレプトアビジン/ビオチン(streptavidinlbiotin)及びアビジン/ビオチン;蛍光物質、例えば限定はされないが、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocynate)、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル又はフィコエリトリン;発光物質、例えば限定はされないが、ルミノール;生物発光物質、例えば限定はされないが、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリン;放射性物質、例えば限定はされないが、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、及びテクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、及び117Tin;様々な陽電子放射断層撮影法を用いる陽電子放出金属、非放射性(noradioactive)常磁性金属イオン、及び放射性標識されるか又は特定の放射性同位元素とコンジュゲートされた分子を含め、検出可能な物質とカップリングすることにより達成することができる。かかる実施形態において、適切な検出方法は当該技術分野において周知であり、多数の商業的供給元から容易に入手可能である。
上記に指摘したとおり、他の実施形態では、モジュレーター又はその断片をマーカー配列又は化合物、例えばペプチド又はフルオロフォアと融合又はコンジュゲートすることにより、精製又は診断若しくは分析手順、例えば、免疫組織化学、バイオレイヤー干渉法、表面プラズモン共鳴、フローサイトメトリー、競合ELISA、FACs等を促進することができる。好ましい実施形態において、マーカーは、とりわけ、pQEベクター(Qiagen)により供給されるようなhis−タグ(その多くが市販されている)を含む。精製に有用な他のペプチドタグとしては、限定はされないが、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質に由来するエピトープに対応するヘマグルチニン「HA」タグ(Wilson et al.,1984,Cell 37:767)及び「flag」タグ(米国特許第4,703,004号明細書)が挙げられる。
E.治療用部分
これまでに言及したとおり、モジュレーター又はその断片若しくは誘導体はまた、「治療用部分」又は「薬物」、例えば抗増殖剤又は抗癌剤、例えば限定はされないが、細胞傷害剤、細胞増殖抑制剤、抗血管新生剤、デバルキング剤、化学療法剤、放射線療法及び放射線療法剤、標的抗癌剤、BRM、治療用抗体、癌ワクチン、サイトカイン、ホルモン療法、放射線療法及び抗転移剤及び免疫療法剤とコンジュゲート、連結若しくは融合され、又は他の形で会合されてもよい。
好ましい例示的抗癌剤としては、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシン(dihydroxy anthracin)、メイタンシノイド、例えばDM−1及びDM−4(Immunogen,Inc.)、ジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、エピルビシン、及びシクロホスファミド及びこれらの類似体又は同族体が挙げられる。さらなる適合性のある細胞毒には、ドラスタチン及びアウリスタチン、例えばモノメチルアウリスタチンE(MMAE)及びモノメチルアウリスタチンF(MMAF)(Seattle Genetics,Inc.)、アマニチン、例えばα−アマニチン、β−アマニチン、γ−アマニチン又はε−アマニチン(Heidelberg Pharma AG)、DNA副溝結合剤、例えばデュオカルマイシン誘導体(Syntarga,B.V.)及び修飾ピロロベンゾジアゼピン二量体(Spirogen,Ltd.)、スプライシング阻害薬、例えばメアヤマイシン類似体又は誘導体(例えば、米国特許第7,825,267号明細書に記載されるとおりのFR901464)、チューブリン結合剤(tubular binding agent)、例えばエポチロン類似体及びパクリタキセル及びDNA傷害剤、例えばカリケアマイシン及びエスペラミシンが含まれる。さらに、特定の実施形態では、本発明のSEZ6モジュレーターは抗CD3結合分子に会合して細胞傷害性T細胞を動員し、それを腫瘍開始細胞に標的化させ得る(BiTE技術;例えば、Fuhrmann,S.et.al.Annual Meeting of AACR Abstract No.5625(2010)(参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。
なおもさらなる適合性のある抗癌剤としては、限定はされないが、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシル ダカルバジン(decarbazine))、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、及びシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧名ダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名アクチノマイシン)、ブレオマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、及び抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)が挙げられる。治療用部分のより詳細なリストは、国際公開第03/075957号パンフレット及び米国特許出願公開第2009/0155255号明細書(この各々が参照により本明細書に援用される)に見ることができる。
上記に指摘したとおり、本発明の選択された実施形態は、細胞傷害剤としてピロロベンゾジアゼピン(PBD)を含む抗SEZ6抗体薬コンジュゲートなどのコンジュゲート型SEZ6モジュレーターに関する。PBDは、DNAの副溝に共有結合して核酸合成を阻害することにより抗腫瘍活性を発揮するアルキル化剤であることは理解される。この点において、PBDは、強力な抗腫瘍特性を有しながらも最小の骨髄抑制を呈することが示されている。本発明と適合性のあるPBDは、数種類のリンカーのうちのいずれか一つ(例えば、遊離スルフヒドリルを有するマレイミド部分を含むペプチジルリンカー)を使用してSEZ6モジュレーターに連結されてもよく、特定の実施形態では、二量体の形態(すなわちPBD二量体)である。本開示のモジュレーターとコンジュゲートされ得る適合性のあるPBD(及び任意選択のリンカー)が、例えば、米国特許第6,362,331号明細書、同第7,049,311号明細書、同第7,189,710号明細書、同第7,429,658号明細書、同第7,407,951号明細書、同第7,741,319号明細書、同第7,557,099号明細書、同第8,034,808号明細書、同第8,163,736号明細書、米国特許出願公開第2011/0256157号明細書及び国際公開第2011/130613号パンフレット、国際公開第2011/128650号パンフレット及び国際公開第2011/130616号パンフレット(この各々が参照により本明細書に援用される)に記載されている。従って、特に好ましい実施形態ではモジュレーターは、1つ以上のPBD二量体(すなわち、SEZ6−PBD ADC)とコンジュゲート又は会合した抗SEZ6抗体を含む。
特に好ましい実施形態では、本開示のモジュレーターとコンジュゲートされ得る適合性のあるPBDは、米国特許出願公開第2011/0256157号明細書に記載される。本開示においては、PBD二量体、すなわち2つのPBD部分を含むものが好ましいこともある。従って、本発明の好ましいコンジュゲートは、以下の式(AB)又は(AC)を有するものである:
式中:
点線は、C1とC2との間又はC2とC3との間の二重結合の任意選択の存在を示し;
R2は、H、OH、=O、=CH2、CN、R、OR、=CH−RD、=C(RD)2、O−SO2−R、CO2R及びCORから独立して選択され、場合によりハロ又はジハロからさらに選択され;
式中、RDは、R、CO2R、COR、CHO、CO2H、及びハロから独立して選択され;
R6及びR9は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn及びハロから独立して選択され;
R7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn及びハロから独立して選択され;
R10は、上記に記載したとおり、モジュレーター又はその断片若しくは誘導体と連結されたリンカーであり;
Qは、O、S及びNHから独立して選択され;
R11は、Hであるか、或いはRであるか、或いはQがOである場合、SO3M(式中、Mは金属カチオンである)であり;
R及びR’は、各々、場合により置換されているC1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基及びC5〜20アリール基から独立して選択され、場合により、基NRR’に関して、R及びR’は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されている4員、5員、6員又は7員複素環式環を形成し;及び
式中、R2”、R6”、R7”、R9”、X”、Q”及びR11”は、それぞれR2、R6、R7、R9、X、Q及びR11により定義されるとおりであり、及びRCはキャップ基である。
二重結合
一実施形態において、C1とC2との間、及びC2とC3との間に二重結合は存在しない。
一実施形態において、点線は、以下に示すとおりの、C2とC3との間の二重結合の任意選択の存在を示す:
。
一実施形態において、R2がC5〜20アリール又はC1〜12アルキルであるとき、C2とC3との間に二重結合が存在する。
一実施形態において、点線は、以下に示すとおりの、C1とC2との間の二重結合の任意選択の存在を示す。
一実施形態において、R2がC5〜20アリール又はC1〜12アルキルであるとき、C1とC2との間に二重結合が存在する。
R2
一実施形態において、R2は、H、OH、=O、=CH2、CN、R、OR、=CH−RD、=C(RD)2、O−SO2−R、CO2R及びCORから独立して選択され、場合によりハロ又はジハロからさらに選択される。
一実施形態において、R2は、H、OH、=O、=CH2、CN、R、OR、=CH−RD、=C(RD)2、O−SO2−R、CO2R及びCORから独立して選択される。
一実施形態において、R2は、H、=O、=CH2、R、=CH−RD、及び=C(RD)2から独立して選択される。
一実施形態において、R2は、独立してHである。
一実施形態において、R2は、独立して=Oである。
一実施形態において、R2は、独立して=CH2である。
一実施形態において、R2は、独立して=CH−RDである。PBD化合物中、基=CH−RDは、以下に示されるいずれかの立体配置を有し得る。
一実施形態において、立体配置は立体配置(I)である。
一実施形態において、R2は、独立して=C(RD)2である。
一実施形態において、R2は、独立して=CF2である。
一実施形態において、R2は、独立してRである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているC5〜20アリールである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているC1〜12アルキルである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているC5〜20アリールである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているC5〜7アリールである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているC8〜10アリールである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているフェニルである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているナフチル(napthyl)である。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているピリジルである。
一実施形態において、R2は、独立して、場合により置換されているキノリニル又はイソキノリニルである。
一実施形態において、R2は1〜3個の置換基を有し、1個及び2個がより好ましく、及び単一の置換基が最も好ましい。置換基は任意の位置であってよい。
R2がC5〜7アリール基である場合、好ましくは化合物の残りの部分との結合に隣接しない環原子上に単一の置換基があり、すなわちそれは、好ましくは化合物の残りの部分との結合に対してβ位又はγ位にある。従って、C5〜7アリール基がフェニルである場合、置換基は、好ましくはメタ位又はパラ位にあり、より好ましくはパラ位にある。
一実施形態において、R2は、以下から選択される。
式中、アスタリスクは結合点を示す。
R2がC8〜10アリール基、例えばキノリニル又はイソキノリニルである場合、R2は、キノリン環又はイソキノリン環の任意の位置に任意の数の置換基を有し得る。一部の実施形態では、R2は、1個、2個又は3個の置換基を有し、それらはいずれも近位及び遠位の環上にあってもよく、又はその両方の上にあってもよい(2個以上の置換基がある場合)。
一実施形態において、R2が場合により置換されている場合、置換基は、以下の置換基の節に提供される置換基から選択される。
Rが場合により置換されている場合、置換基は、好ましくは以下から選択される:
ハロ、ヒドロキシル、エーテル、ホルミル、アシル、カルボキシ、エステル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アシルアミド、アミノカルボニルオキシ、ウレイド、ニトロ、シアノ及びチオエーテル。
一実施形態において、R又はR2が場合により置換されている場合、置換基は、R、OR、SR、NRR’、NO2、ハロ、CO2R、COR、CONH2、CONHR、及びCONRR’からなる群から選択される。
R2がC1〜12アルキルである場合、任意選択の置換基が、C3〜20ヘテロシクリル基及びC5〜20アリール基をさらに含み得る。
R2がC3〜20ヘテロシクリルである場合、任意選択の置換基が、C1〜12アルキル基及びC5〜20アリール基をさらに含み得る。
R2がC5〜20アリール基である場合、任意選択の置換基が、C3〜20ヘテロシクリル基及びC1〜12アルキル基をさらに含み得る。
用語「アルキル」は、サブクラスのアルケニル及びアルキニル並びにシクロアルキルを包含することが理解される。従って、R2が場合により置換されているC1〜12アルキルである場合、アルキル基は場合により1つ以上の炭素−炭素二重又は三重結合を含み、それがコンジュゲート系の一部を形成し得ることが理解される。一実施形態において、場合により置換されているC1〜12アルキル基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重又は三重結合を含み、この結合は、C1とC2との間、又はC2とC3との間に存在する二重結合とコンジュゲートされる。一実施形態において、C1〜12アルキル基は、飽和C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル及びC3〜12シクロアルキルから選択される基である。
R2上の置換基がハロである場合、それは好ましくはF又はCl、より好ましくはClである。
R2上の置換基がエーテルである場合、それは、一部の実施形態ではアルコキシ基、例えばC1〜7アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)であってもよく、又は一部の実施形態ではC5〜7アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ピリジルオキシ、フラニルオキシ)であってもよい。
R2上の置換基がC1〜7アルキルである場合、それは好ましくは、C1〜4アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル)であってもよい。
R2上の置換基がC3〜7ヘテロシクリルである場合、それは一部の実施形態では、C6窒素含有ヘテロシクリル基、例えばモルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニルであってもよい。これらの基は、PBD部分の残りの部分に窒素原子を介して結合し得る。これらの基は、例えばC1〜4アルキル基によってさらに置換されていてもよい。
R2上の置換基がビス−オキシ−C1〜3アルキレンである場合、これは好ましくはビス−オキシ−メチレン又はビス−オキシ−エチレンである。
R2に特に好ましい置換基としては、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ビス−オキシ−メチレン、メチル−ピペラジニル、モルホリノ及びメチル−チエニルが挙げられる。
特に好ましい置換されているR2基としては、限定はされないが、4−メトキシ−フェニル、3−メトキシフェニル、4−エトキシ−フェニル、3−エトキシ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、3,4−ビスオキシメチレン−フェニル、4−メチルチエニル、4−シアノフェニル、4−フェノキシフェニル、キノリン−3−イル及びキノリン−6−イル、イソキノリン−3−イル及びイソキノリン−6−イル、2−チエニル、2−フラニル、メトキシナフチル、及びナフチルが挙げられる。
一実施形態において、R2はハロ又はジハロである。一実施形態において、R2は−F又は−F2であり、これらの置換基は以下にそれぞれ(III)及び(IV)として例示する。
RD
一実施形態において、RDは、R、CO2R、COR、CHO、CO2H、及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、RDは、独立してRである。
一実施形態において、RDは、独立してハロである。
R6
一実施形態において、R6は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn−及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、R6は、H、OH、OR、SH、NH2、NO2及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、R6は、H及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、R6は、独立してHである。
一実施形態において、R6及びR7は、一緒になって基−O−(CH2)p−O−を形成し、式中pは1又は2である。
R7
R7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、R7は、独立してORである。
一実施形態において、R7は、独立してOR7Aであり、式中R7Aは、独立して、場合により置換されているC1〜6アルキルである。
一実施形態において、R7Aは、独立して、場合により置換されている飽和C1〜6アルキルである。
一実施形態において、R7Aは、独立して、場合により置換されているC2〜4アルケニルである。
一実施形態において、R7Aは、独立してMeである。
一実施形態において、R7Aは、独立してCH2Phである。
一実施形態において、R7Aは、独立してアリルである。
一実施形態において、化合物は二量体であり、ここで各単量体のR7基は、一緒になって単量体を連結する式X−R”−Xを有する二量体架橋を形成する。
R8
一実施形態において、化合物は二量体であり、ここで各単量体のR8基は、一緒になって単量体を連結する式X−R”−Xを有する二量体架橋を形成する。
一実施形態において、R8は、独立してOR8Aであり、ここでR8Aは、独立して、場合により置換されているC1〜4アルキルである。
一実施形態において、R8Aは、独立して、場合により置換されている飽和C1〜6アルキル又は場合により置換されているC2〜4アルケニルである。
一実施形態において、R8Aは、独立してMeである。
一実施形態において、R8Aは、独立してCH2Phである。
一実施形態において、R8Aは、独立してアリルである。
一実施形態において、R8及びR7は、一緒になって基−O−(CH2)p−O−を形成し、式中pは1又は2である。
一実施形態において、R8及びR9は、一緒になって基−O−(CH2)p−O−を形成し、式中pは1又は2である。
R9
一実施形態において、R9は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR’、NO2、Me3Sn−及びハロから独立して選択される。
一実施形態において、R9は、独立してHである。
一実施形態において、R9は、独立してR又はORである。
R及びR’
一実施形態において、Rは、場合により置換されているC1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基及びC5〜20アリール基から独立して選択される。これらの基は、各々、以下の置換基の節に定義される。
一実施形態において、Rは、独立して、場合により置換されているC1〜12アルキルである。
一実施形態において、Rは、独立して、場合により置換されているC3〜20ヘテロシクリルである。
一実施形態において、Rは、独立して、場合により置換されているC5〜20アリールである。
一実施形態において、Rは、独立して、場合により置換されているC1〜12アルキルである。
R2に関連して上記には、好ましいアルキル基及びアリール基並びに任意選択の置換基のアイデンティティ及び数に関する様々な実施形態が記載される。Rに適用されるときのR2に関して示される選択は、適切な場合には、他の全ての基Rに適用することができ、ここでは例えばR6、R7、R8又はR9がRである。
Rの選択はまた、R’にも適用される。
本発明の一部の実施形態では、置換基−NRR’を有する化合物が提供される。一実施形態において、R及びR’は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されている4員、5員、6員又は7員複素環式環を形成する。この環は、さらなるヘテロ原子、例えばN、O又はSを含み得る。
一実施形態において、複素環式環はそれ自体が基Rにより置換されている。さらなるNヘテロ原子が存在する場合、置換基はNヘテロ原子上にあってもよい。
R”
R”はC3〜12アルキレン基であり、その鎖は、1つ以上のヘテロ原子、例えばO、S、N(H)、NMe及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジン(これらの環は場合により置換されている)によって遮断されていてもよい。
一実施形態において、R”はC3〜12アルキレン基であり、その鎖は、1つ以上のヘテロ原子及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジンによって遮断されていてもよい。
一実施形態において、アルキレン基は、場合によりO、S、及びNMeから選択される1つ以上のヘテロ原子及び/又は芳香環(これらの環は場合により置換されている)によって遮断されている。
一実施形態において、芳香環はC5〜20アリーレン基であり、ここでアリーレンは、芳香族化合物の2つの芳香環原子(この部分は5〜20個の環原子を有する)から2個の水素原子を取り除くことにより得られる二価部分に関する。
一実施形態において、R”はC3〜12アルキレン基であり、その鎖は、1つ以上のヘテロ原子、例えばO、S、N(H)、NMe及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジン(これらの環は場合によりNH2によって置換されている)によって遮断されていてもよい。
一実施形態において、R”はC3〜12アルキレン基である。
一実施形態において、R”は、C3、C5、C7、C9及びC11アルキレン基から選択される。
一実施形態において、R”は、C3、C5及びC7アルキレン基から選択される。
一実施形態において、R”は、C3及びC5アルキレン基から選択される。
一実施形態において、R”は、C3アルキレン基である。
一実施形態において、R”は、C5アルキレン基である。
上記に列挙するアルキレン基は、場合により1つ以上のヘテロ原子及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジン(これらの環は場合により置換されている)によって遮断されていてもよい。
上記に列挙するアルキレン基は、場合により1つ以上のヘテロ原子及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジンによって遮断されていてもよい。
上記に列挙するアルキレン基は、非置換直鎖状脂肪族アルキレン基であってもよい。
X
一実施形態において,Xは、O、S、又はN(H)から選択される。
好ましくは、XはOである。
R10
好ましくは、上記に記載されるような適合性のあるリンカーは、SEZ6モジュレーター(CBA/Ab/M)を、PBD薬物部分Dと共有結合(複数可)によってR10位(すなわちN10)で結合する。リンカーは二官能基又は多官能基部分であり、これを使用して1つ以上の薬物部分(D)とモジュレーター(好ましくは抗体)とを連結し、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)を形成することができる。リンカー(L)は、細胞の外部、すなわち細胞外で安定であってもよく、又は酵素活性、加水分解、若しくは他の代謝条件により切断可能であってもよい。抗体−薬物コンジュゲート(ADC)は、薬物部分との結合及び抗体との結合について反応性の官能基を有するリンカーを使用して好都合に調製することができる。抗体(Ab)のシステインチオール、又はアミン、例えばN末端又はアミノ酸側鎖、例えばリジンは、リンカー又はスペーサー試薬、PBD薬物部分(D)又は薬物−リンカー試薬(D−L)の官能基と結合を形成することができる。
PBD部分のN10位に結合したリンカー上の多くの官能基が、細胞結合剤との反応に有用であり得る。例えば、エステル、チオエステル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、尿素、チオ尿素、エーテル、チオエーテル、又はジスルフィド結合が、リンカー−PBD薬物中間体と細胞結合剤との反応から形成され得る。
別の実施形態において、リンカーは、凝集、溶解度又は反応性を調整する基によって置換されてもよい。例えば、スルホン酸置換基は、試薬の水溶性を増加させ、ADCの調製に用いられる合成経路に応じて、リンカー試薬と抗体又は薬物部分とのカップリング反応を促進し得るか、又はAb−LとD、又はD−LとAbのカップリング反応を促進し得る。
好ましい一実施形態において、R10は基:
であり、式中、アスタリスクはN10位との結合点を示し、CBAは細胞結合剤/モジュレーターであり、L1はリンカーであり、Aは、L1を細胞結合剤と連結する連結基であり、L2は共有結合であるか、又は−OC(=O)−と一緒になって自己犠牲リンカーを形成し、及びL1又はL2は切断可能なリンカーである。
L1は好ましくは切断可能なリンカーであり、リンカーの切断を活性化するためのトリガーと称され得る。
上記のリンカーの節に考察されるとおり、存在する場合にL1及びL2は、性質が幅広く異なり得る。これらの基はその切断特性に基づき選択され、切断特性は、コンジュゲートが送達される部位の条件に左右され得る。酵素の作用によって切断されるリンカーが好ましく、しかしながらpHの変化(例えば酸又は塩基に不安定なもの)、温度の変化により切断可能か、又は照射により(例えば感光性のもの)切断可能なリンカーもまた用いられ得る。還元又は酸化条件下で切断可能なリンカーもまた、本発明において利用が見出され得る。
L1は、アミノ酸の連続配列を含み得る。このアミノ酸配列は、N10位からのR10の放出を可能にするための、酵素切断の標的基質であってもよい。
一実施形態において、L1は酵素作用により切断可能である。一実施形態において、酵素はエステラーゼ又はペプチダーゼである。
一実施形態において、L2は存在し、−C(=O)O−と一緒になって自己犠牲リンカーを形成する。一実施形態において、L2は、N10位からのR10の放出を可能にするための、酵素活性の基質である。
一実施形態において、L1は酵素作用により切断可能であり、且つL2は存在する場合、酵素はL1とL2との間の結合を切断する。
選択のリンカーを選択されたPBDと結合させることに関して、基RCは、特定のPBD部分のN10位から除去可能であって、それによりN10−C11イミン結合、カルビノールアミン、置換カルビノールアミン、QR11がOSO3Mである場合、亜硫酸水素塩付加物、チオカルビノールアミン、置換チオカルビノールアミン、又は置換カルビノールアミン(carbinalamine)が残る。
一実施形態において、RCは、除去可能であって、それによりN10−C11イミン結合、カルビノールアミン、置換カルビノールアミン、又はQR11がOSO3Mである場合、亜硫酸水素塩付加物を残す保護基であってもよい。一実施形態において、RCは、除去可能であって、それによりN10−C11イミン結合を残す保護基である。
基RCは、基R10の除去に必要な条件と同じ条件下で除去可能であるように意図され、それにより例えば、N10−C11イミン結合、カルビノールアミンなどを生じる。キャップ基は、N10位の意図された官能性に対する保護基として働く。キャップ基は、細胞結合剤に対して反応性を有しないように意図される。例えば、RCはRLと同じでない。
キャップ基を有する化合物を、イミン単量体を有する二量体の合成における中間体として使用してもよい。或いは、キャップ基を有する化合物をコンジュゲートとして使用してもよく、ここではキャップ基が標的部位で除去されると、イミン、カルビノールアミン、置換カルビノールアミンなどを生じる。従って、この実施形態では、キャップ基を、国際公開第00/12507号パンフレットに定義されるとおり、治療的に除去可能な窒素保護基と称することができる。
一実施形態において、基RCは、基R10のリンカーRLを切断する条件下で除去可能である。従って、一実施形態において、キャップ基は酵素作用によって切断可能である。
代替的実施形態において、キャップ基は、リンカーRLのモジュレーターとの連結前に除去可能である。この実施形態において、キャップ基は、リンカーRLを切断しない条件下で除去可能である。
化合物が官能基G1を含んで細胞結合剤との連結を形成する場合、キャップ基は、G1の添加前又は脱マスキング前に除去可能である。
キャップ基を保護基戦略の一部として使用して、二量体中の単量体単位の一方のみが細胞結合剤に連結されることを確実にしてもよい。
キャップ基を、N10−C11イミン結合のマスクとして使用してもよい。キャップ基は、化合物においてイミン官能性が必要となるタイミングで除去されてもよい。キャップ基はまた、上記に記載したとおり、カルビノールアミン、置換カルビノールアミン、及び亜硫酸水素塩付加物のマスクでもある。
一実施形態において、RCは、カルバメート保護基である。
一実施形態において、カルバメート保護基は以下から選択される:
Alloc、Fmoc、Boc、Troc、Teoc、Psec、Cbz及びPNZ。
場合により、カルバメート保護基は、Mocからさらに選択される。
一実施形態において、RCは、細胞結合剤との連結用の官能基を欠いているリンカー基RLである。
本願は、特に、カルバメートであるRC基に関する。
一実施形態において、RCは基:
であり、式中、アスタリスクはN10位との結合点を示し、G2は末端基であり、L3は共有結合又は切断可能なリンカーL1であり、L2は共有結合であるか又はOC(=O)と一緒になって自己犠牲リンカーを形成する。
L3及びL2が共に共有結合である場合、G2及びOC(=O)は、一緒になって、上記に定義するとおりのカルバメート保護基を形成する。
L1は、上記にR10に関して定義するとおりである。
L2は、上記にR10に関して定義するとおりである。
周知の保護基をベースとする末端基を含め、様々な末端基を以下に記載する。
一実施形態において、L3は切断可能なリンカーL1であり、L2は、OC(=O)と一緒になって自己犠牲リンカーを形成する。この実施形態において、G2はAc(アセチル)又はMoc、又は以下から選択されるカルバメート保護基である:Alloc、Fmoc、Boc、Troc、Teoc、Psec、Cbz及びPNZ。場合により、カルバメート保護基はMocからさらに選択される。
別の実施形態において、G2はアシル基−C(=O)G3であり、ここでG3は、アルキル(シクロアルキル、アルケニル及びアルキニルを含む)、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル及びアリール(ヘテロアリール及びカルボアリールを含む)から選択される。これらの基は、場合により置換されていてもよい。アシル基は、適切な場合にはL3又はL2のアミノ基と一緒になって、アミド結合を形成し得る。アシル基は、適切な場合にはL3又はL2のヒドロキシ基と一緒になって、エステル結合を形成し得る。
一実施形態において、G3はヘテロアルキルである。ヘテロアルキル基は、ポリエチレングリコールを含み得る。ヘテロアルキル基は、アシル基に隣接したヘテロ原子、例えばO又はNを有し、それにより適切な場合にはカルバメート基又はカーボネート基を形成してもよく、適切な場合、ヘテロ原子は基L3又はL2に存在する。
一実施形態において、G3は、NH2、NHR及びNRR’から選択される。好ましくは、G3はNRR’である。
一実施形態において、G2は基:
であり、式中、アスタリスクはL3との結合点を示し、nは0〜6であり、及びG4は、OH、OR、SH、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、NH2、NHR、NRR’、NO2、及びハロから選択される。基OH、SH、NH2及びNHRは保護されている。一実施形態において、nは1〜6であり、好ましくはnは5である。一実施形態において、G4は、OR、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、及びNRR’である。一実施形態において、G4は、OR、SR、及びNRR’である。好ましくはG4は、OR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG4はORである。最も好ましくはG4はOMeである。
一実施形態において、基G2は:
であり、式中、アスタリスクはL3との結合点を示し、n及びG4は上記に定義するとおりである。
一実施形態において、基G2は:
であり、式中、アスタリスクはL3との結合点を示し、nは0又は1であり、mは0〜50であり、及びG4は、OH、OR、SH、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、NH2、NHR、NRR’、NO2、及びハロから選択される。好ましい実施形態において、nは1であり、及びmは0〜10、1〜2、好ましくは4〜8であり、最も好ましくは4又は8である。別の実施形態において、nは1であり、mは10〜50、好ましくは20〜40である。基OH、SH、NH2及びNHRは保護されている。一実施形態において、G4は、OR、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、及びNRR’である。一実施形態において、G4は、OR、SR、及びNRR’である。好ましくはG4は、OR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG4はORである。好ましくはG4はOMeである。
一実施形態において、基G2は:
であり、式中、アスタリスクはL3との結合点を示し、n、m及びG4は、上記に定義するとおりである。
一実施形態において、基G2は:
であり、式中、nは1〜20であり、mは0〜6であり、G4は、OH、OR、SH、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、NH2、NHR、NRR’、NO2、及びハロから選択される。一実施形態において、nは1〜10である。別の実施形態において、nは10〜50、好ましくは20〜40である。一実施形態において、nは1である。一実施形態において、mは1である。基OH、SH、NH2及びNHRは保護されている。一実施形態において、G4は、OR、SR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR’、及びNRR’である。一実施形態において、G4は、OR、SR、及びNRR’である。好ましくはG4は、OR及びNRR’から選択され、最も好ましくはG4はORである。好ましくはG4はOMeである。
一実施形態において、基G2は:
であり、式中、アスタリスクはL3との結合点を示し、n、m及びG4は、上記に定義するとおりである。
上記の実施形態の各々において、G4は、OH、SH、NH2及びNHRであってもよい。これらの基は、好ましくは保護されている。
一実施形態において、OHは、Bzl、TBDMS、又はTBDPSで保護されている。
一実施形態において、SHは、Acm、Bzl、Bzl−OMe、Bzl−Me、又はTrtで保護されている。
一実施形態において、NH2又はNHRは、Boc、Moc、Z−Cl、Fmoc、Z、又はAllocで保護されている。
一実施形態において、基G2は基L3との組み合わせで存在し、この基L3はジペプチドである。
キャップ基は、モジュレーターとの連結用には意図されない。従って、二量体中に存在する他の単量体が、リンカーを介したモジュレーターとの連結点として働く。従って、キャップ基に存在する官能基は、モジュレーターとの反応には利用可能でないことが好ましい。従って、OH、SH、NH2、COOHなどの反応性官能基は、好ましくは回避される。しかしながら、上記に記載したとおり保護される場合には、かかる官能基がキャップ基に存在してもよい。
従って、本明細書の教示により、本発明の一実施形態は、以下の化合物を含むコンジュゲートを包含する。
式中、CBAは細胞結合剤/モジュレーターであり、nは0又は1である。L1は前に定義したとおりであり、RE及びRE”は、各々、H又はRDから独立して選択される。
別の実施形態において、コンジュゲートは、以下の化合物を含む。
式中、CBAは細胞結合剤/モジュレーターであり、L1は前に定義したとおりであり、Ar1及びAr2は、各々独立して、場合により置換されているC5〜20アリールであり、nは0又は1である。
当業者は、他の対称及び非対称PBD二量体及びリンカーが本発明と適合性を有し、本明細書及び先行技術の教示に基づき必要以上に実験を行うことなく選択され得ることを理解する。
本発明の別の態様は、放射性同位元素を含むADCを含む。かかる実施形態と適合性を有し得る例示的な放射性同位元素としては、限定はされないが、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、銅(62Cu、64Cu、67Cu)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、ビスマス(212Bi、213Bi)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、117Sn、225Ac、76Br、及び211Atが挙げられる。他の放射性核種もまた、特にエネルギー範囲が60〜4,000keVのものが、診断剤及び治療剤として利用可能である。治療される病態及び所望の治療プロファイルに応じて、当業者は、本開示のモジュレーターで使用する適切な放射性同位元素を容易に選択することができる。
本発明のSEZ6モジュレーターはまた、所与の生物学的反応を修飾する治療用部分又は薬物(例えば、生物学的反応修飾物質すなわちBRM)とコンジュゲートされてもよい。すなわち、本発明と適合性のある治療剤又は治療用部分は、古典的な化学治療剤に限定されるものと解釈されてはならない。例えば、特に好ましい実施形態では、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質又はポリペプチド又はそれらの断片であってもよい。かかるタンパク質としては、例えば、毒素、例えばアブリン、リシンA、Onconase(又は別の細胞傷害性RNアーゼ)、緑膿菌外毒素、コレラ毒素、又はジフテリア毒素;タンパク質、例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、アポトーシス剤、例えば、TNF−α、TNF−β、AIM I(国際公開第97/33899号パンフレットを参照)、AIM II(国際公開第97/34911号パンフレットを参照)、Fasリガンド(Takahashi et al.,1994,J.Immunol.,6:1567)、及びVEGI(国際公開第99/23105号パンフレットを参照)、血栓症薬剤又は抗血管新生剤、例えば、アンジオスタチン又はエンドスタチン;又は、生物学的反応修飾物質、例えば、リンホカイン(例えば、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、及び顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)など)、又は成長因子(例えば、成長ホルモン(「GH」))が挙げられる。上記のとおり、モジュレーターとポリペプチド部分とを融合又はコンジュゲートする方法は、当該技術分野において公知である。これまでに開示した主題文献に加え、例えば、米国特許第5,336,603号明細書;同第5,622,929号明細書;同第5,359,046号明細書;同第5,349,053号明細書;同第5,447,851号明細書、及び同第5,112,946号明細書;欧州特許第307,434号明細書;欧州特許第367,166号明細書;国際公開第96/04388号パンフレット及び国際公開第91/06570号パンフレット;Ashkenazi et al.,1991,PNAS USA 88:10535;Zheng et al.,1995,J Immunol 154:5590;及びVil et al.,1992,PNAS USA 89:11337(この各々が参照により本明細書に援用される)を参照のこと。さらに、上記のとおり、モジュレーターとかかる部分との会合は、必ずしも直接である必要はなく、リンカー配列を介して行われてもよい。これまでに言及したとおり、かかるリンカー分子は、当該技術分野において一般に知られており、Denardo et al.,1998,Clin Cancer Res 4:2483;Peterson et al.,1999,Bioconjug Chem 10:553;Zimmerman et al.,1999,Nucl Med Biol 26:943;Garnett,2002,Adv Drug Deliv Rev 53:171(この各々は本明細書に援用される)に記載される。
IX.診断法及びスクリーニング
A.診断法
さらに他の実施形態において、本発明は、増殖性障害を検出、診断又はモニタリングするためのインビトロ又はインビボ方法、及び患者の細胞をスクリーニングしてCSCを含む腫瘍原性細胞を同定する方法を提供する。かかる方法は、患者又は患者から採取した試料を(すなわちインビボ又はインビトロのいずれかで)本明細書に記載されるとおりのモジュレーターと接触させる工程、及び試料中の結合した又は遊離した標的分子に対するモジュレーターの会合の存在若しくは非存在、又は会合のレベルを検出する工程を含む、癌を有する個体を、治療のため同定する工程又は癌の進行をモニタリングする工程を含む。特に好ましい実施形態では、モジュレーターは、本明細書に記載されるとおりの検出可能標識又はレポーター分子を含む。
一部の実施形態では、モジュレーター、例えば抗体の、試料中の特定の細胞との会合は、試料がCSCを含み得ることを恐らく表すため、それにより、癌を有する個体が本明細書に記載されるとおりのモジュレーターによって有効に治療され得ることが示される。本方法は、結合レベルを対照と比較する工程をさらに含み得る。逆に、モジュレーターがFcコンストラクトである場合、試料と接触させたときの結合特性を(直接的又は間接的に、インビボ又はインビトロで)利用及びモニタリングして所望の情報が提供され得る。
例示的な適合性のあるアッセイ方法には、ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイ、競合的結合アッセイ、蛍光イムノアッセイ、免疫ブロットアッセイ、ウエスタンブロット分析、フローサイトメトリーアッセイ、及びELISAアッセイが含まれる。適合性のあるインビボセラグノスティクス又は診断法には、当業者が知っているとおりの、磁気共鳴画像法、コンピュータ断層撮影法(例えばCATスキャン)、陽電子断層撮影法(例えば、PETスキャン)X線撮影、超音波等の当該技術分野で認められているイメージング又はモニタリング技法が含まれ得る。
別の実施形態において、本発明は、癌の進行及び/又は病因をインビボで分析する方法を提供する。別の実施形態において、インビボでの癌の進行及び/又は病因の分析は、腫瘍進行の程度を決定することを含む。別の実施形態において、分析は腫瘍の同定を含む。別の実施形態において、腫瘍進行の分析は、原発腫瘍に対して実施される。別の実施形態において、分析は、当業者に公知のとおり癌のタイプに応じて経時的に実施される。別の実施形態において、原発腫瘍の細胞の転移から生じる二次性腫瘍のさらなる分析が、インビボで分析される。別の実施形態において、二次性腫瘍のサイズ及び形状が分析される。一部の実施形態では、さらなるエキソビボ分析が実施される。
別の実施形態において、本発明は、細胞転移を決定する工程又は循環腫瘍細胞のレベルを検出及び定量化する工程を含む、癌の進行及び/又は病因をインビボで分析する方法を提供する。さらに別の実施形態において、細胞転移の分析は、原発腫瘍と不連続な部位における進行性の細胞成長を決定する工程を含む。別の実施形態において、細胞転移分析の部位には、新生物が広がる経路が含まれる。一部の実施形態では、細胞は、血管系、リンパ管、体腔内又はそれらの組み合わせを介して分散し得る。別の実施形態では、細胞転移分析は、細胞遊走、播種、血管外遊出、増殖又はそれらの組み合わせを考慮して実施される。
従って、特に好ましい実施形態では、本発明のモジュレーターを使用して、患者試料(例えば、血漿又は血液)中のSEZ6レベルが検出及び定量化されてもよく、次にはそれを使用して、増殖性障害を含むSEZ6関連障害が検出、診断又はモニタリングされてもよい。関連する実施形態では、本発明のモジュレーターを使用して、循環腫瘍細胞がインビボ又はインビトロのいずれかで検出、モニタリング及び/又は定量化され得る(例えば、国際公開第2012/0128801号パンフレット(参照により本明細書に援用される)を参照)。さらに他の好ましい実施形態では、循環腫瘍細胞は癌幹細胞を含み得る。
特定の例では、対象又は対象からの試料における腫瘍原性細胞を、治療又はレジメンに先立ち本開示のモジュレーターを使用して評価又は特徴付けすることにより、ベースラインを確立してもよい。他の例では、試料は、治療した対象に由来する。一部の例において、試料は、対象が治療を開始又は終了してから少なくとも約1日、2日、4日、6日、7日、8日、10日、12日、14日、15日、16日、18日、20日、30日、60日、90日、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、又は>12ヶ月後に対象から採取される。特定の例では、腫瘍原性細胞は、一定数の用量(例えば、ある治療の2、5、10、20、30用量又はそれ以上)の後に評価又は特徴付けされる。他の例では、腫瘍原性細胞は、1つ以上の治療を受けた後、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、1年、2年、3年、4年又はそれ以上経た後に特徴付け又は評価される。
別の態様において、及び以下でさらに詳細に考察するとおり、本発明は、過剰増殖性障害を検出する、モニタリングする若しくは診断するための、可能な治療のため、かかる障害を有する個体を同定するための、或いは、患者における該障害の進行(又は退行)をモニタリングするためのキットを提供し、ここでキットは、本明細書に記載されるとおりのモジュレーターと、試料に対するモジュレーターの影響を検出するための試薬とを含む。
本発明のさらに別の態様は、免疫組織化学(IHC)用に標識されたSEZ6の使用を含む。この点において、SEZ6 IHCを診断ツールとして使用して、様々な増殖性障害の診断を支援し、且つSEZ6モジュレーター療法を含む治療に対する潜在的な応答をモニタリングし得る。適合性のある診断アッセイは、化学的に固定され(限定はされないが:ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)、四酸化オスミウム、重クロム酸カリウム、酢酸、アルコール、亜鉛塩、塩化水銀、四酸化クロム及びピクリン酸を含む)、且つ包埋されているか(限定はされないが:メタクリル酸グリコール、パラフィン及び樹脂を含む)又は凍結保存されている組織に対して実施され得る。以下でさらに詳細に考察するとおり、かかるアッセイを用いることにより治療判断を誘導し、投与レジメン及びタイミングを決定することができる。
B.スクリーニング
特定の実施形態では、モジュレーターを使用して、抗原(例えば、その遺伝子型又は表現型成分)との相互作用により腫瘍原性細胞又はその子孫の機能又は活性を改変する化合物又は作用物質(例えば薬物)をスクリーニング又は同定することもできる。かかる化合物及び作用物質は、例えば、増殖性障害の治療についてスクリーニングされる薬物候補であり得る。一実施形態において、システム又は方法には、SEZ6を含む腫瘍原性細胞及び化合物又は作用物質(例えば薬物)が含まれ、ここで細胞と化合物又は作用物質とは互いに接触している。かかる実施形態において、対象細胞は本開示のモジュレーターを使用して同定、モニタリング及び/又は濃縮されたものであってもよい。
さらに別の実施形態において、方法は、腫瘍原性細胞又はその子孫を検査薬又は化合物と直接的又は間接的に接触させる工程と、検査薬又は化合物が抗原関連腫瘍原性細胞の活性又は機能を調整するかどうかを決定する工程とを含む。直接的な相互作用の一例は物理的相互作用であり、一方、間接的な相互作用には、組成物による中間分子に対する作用と、次にはそれによる参照される実体(例えば、細胞又は細胞培養物)に対する作用が含まれる。調整され得る例示的な活性又は機能には、細胞形態又は生存率、マーカーの発現、分化又は脱分化、細胞呼吸、ミトコンドリア活性、膜の完全性、成熟、増殖、生存率、アポトーシス又は細胞死の変化が含まれる。
作用物質及び化合物をスクリーニング及び同定する方法には、ハイスループットスクリーニングに好適なものが含まれ、これは、場合により所定の位置又はアドレスに位置決め又は配置された細胞アレイ(例えばマイクロアレイ)を含む。例えば、細胞は、培養皿、チューブ、フラスコ、ローラーボトル又はプレート(例えば、8、16、32、64、96、384及び1536マルチウェルプレート又はディッシュなどの単一のマルチウェルプレート又はディッシュ)に位置決め又は配置され(事前に播種され)てもよい。ハイスループットロボット式又は手動式ハンドリング方法により、短時間で化学的相互作用をプローブし、多数の遺伝子の発現レベルを決定することができる。分子シグナル(例えば、フルオロフォアによる)及び超高速で情報を処理する自動解析を利用する技術が開発されている(例えば、Pinhasov et al.,Comb.Chem.High Throughput Screen.7:133(2004)を参照のこと)。例えば、マイクロアレイ技術は、数千個の遺伝子の相互作用を同時にプローブする一方で特定の遺伝子についての情報を提供するため、広範に用いられている(例えば、Mocellin and Rossi,Adv.Exp.Med.Biol.593:19(2007)を参照のこと)。
スクリーニングされ得るライブラリには、例えば、小分子ライブラリ、ファージディスプレイライブラリ、完全ヒト抗体酵母ディスプレイライブラリ(Adimab,LLC)、siRNAライブラリ、及びアデノウイルストランスフェクションベクターが含まれる。
X.医薬調製物及び治療的使用
A.製剤化及び投与経路
本発明の組成物は、あらゆる任意選択のコンジュゲート、意図される送達方法、治療又はモニタリングされる疾患及び多数の他の変数と共に、モジュレーターの形態に応じて、当該技術分野で認められている技法を用いて所望のとおりに製剤化され得る。一部の実施形態では、本発明の治療組成物は、ニートで又は最小量の追加成分と共に投与されてもよく、一方、他では、場合により当該技術分野において周知の賦形剤及び助剤を含む好適な薬学的に許容可能な担体を含有するように製剤化されてもよい(例えば、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003);Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004);Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照のこと)。媒体、補助剤、及び希釈剤を含む様々な薬学的に許容可能な担体が、多数の商業的供給元から容易に入手可能である。さらに、例えば、pH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、安定剤、湿潤剤などの、薬学的に許容可能な補助物質の組み合わせもまた利用可能である。特定の非限定的な例示的担体には、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、及びそれらの組み合わせが含まれる。
より詳細には、一部の実施形態では、本発明の治療組成物がニートで又は最小量の追加成分と共に投与されてもよいことは理解される。逆に本発明のSEZ6モジュレーターは、場合により、当該技術分野において周知された賦形剤及び助剤であって、且つモジュレーターの投与を促進し又は作用部位への送達に薬学的に最適化された調製物となるよう活性化合物の加工を補助する比較的不活性な物質である賦形剤及び助剤を含む好適な薬学的に許容可能な担体を含有するように製剤化されてもよい。例えば、賦形剤は形態若しくは稠度を与えることができ、又は希釈剤として働いてモジュレーターの薬物動態又は安定性を向上させることができる。好適な賦形剤又は添加剤としては、限定はされないが、安定化剤、湿潤剤及び乳化剤、容量オスモル濃度を変化させる塩、封入剤、緩衝剤、及び皮膚浸透促進剤が挙げられる。特定の好ましい実施形態において、医薬組成物は凍結乾燥形態で提供され、投与前に、例えば緩衝食塩水中に再構成されてもよい。
本開示の全身投与用モジュレーターは、腸内投与、非経口投与又は局所投与用に製剤化され得る。代わりに、3種類全ての製剤化を同時に用いて、活性成分の全身投与を達成してもよい。非経口の及び非経口的でない薬物送達用の賦形剤並びに製剤は、Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing(2000)に説明される。非経口投与に好適な製剤は、水溶性形態の活性化合物、例えば水溶性塩の水溶液を含む。加えて、油性注射懸濁液に適したものとしての活性化合物の懸濁液が投与され得る。好適な脂溶性溶媒又は媒体としては、脂肪油、例えば、ヘキシル置換ポリ(ラクチド)、ゴマ油、又は合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル又はトリグリセリドが挙げられる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質であって、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランが含まれる物質を含有し得る。場合により、懸濁液は安定剤も含有し得る。リポソームもまた、細胞への送達のための薬剤の封入に用いられ得る。
腸内投与に好適な製剤としては、硬ゼラチン又は軟ゼラチンカプセル、丸薬、コーティング錠を含む錠剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ又は吸入剤及びこれらの徐放形態が挙げられる。
一般に、SEZ6モジュレーターを含む本発明の化合物及び組成物は、様々な経路によって、例えば限定はされないが、経口、静脈内、動脈内、皮下、非経口、鼻腔内、筋肉内、頭蓋内、心臓内、脳室内、気管内、頬側、直腸、腹腔内、皮内、局所、経皮、及び髄腔内に、又は他の形での植込み又は吸入により、それを必要とする対象にインビボで投与され得る。本組成物は、限定はされないが、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐薬、浣腸、注射剤、吸入剤、及びエアロゾルを含めた、固体、半固体、液体、又は気体の形態の調製物に製剤化され得る。適切な製剤及び投与経路は、意図される適用及び治療レジメンに従い選択され得る。
B.投薬量
同様に、詳細な投薬量レジメン、すなわち、用量、タイミング及び反復は、個々の個体及び当該個体の病歴、並びに経験的な考慮事項、例えば薬物動態(例えば、半減期、クリアランス速度等)に依存する。投与の頻度は、治療の過程にわたって決定及び調整されてもよく、増殖性細胞又は腫瘍原性細胞の数を減少させること、かかる新生物性細胞の減少を維持すること、新生物性細胞の増殖を低減すること、又は転移の発生を遅延させることに基づく。他の実施形態では、投与される投薬量を調整又は減弱して、潜在的な副作用及び/又は毒性が管理され得る。或いは、本治療組成物の持続的連続放出性製剤が適切であり得る。
一般に、本発明のモジュレーターは様々な範囲で投与され得る。これらには、約10μg/kg体重〜約100mg/kg体重/用量;約50μg/kg体重〜約5mg/kg体重/用量;約100μg/kg体重〜約10mg/kg体重/用量が含まれる。他の範囲には、約100μg/kg体重〜約20mg/kg体重/用量及び約0.5mg/kg体重〜約20mg/kg体重/用量が含まれる。特定の実施形態では、投薬量は少なくとも約100μg/kg体重、少なくとも約250μg/kg体重、少なくとも約750μg/kg体重、少なくとも約3mg/kg体重、少なくとも約5mg/kg体重、少なくとも約10mg/kg体重である。
選択された実施形態において、モジュレーターは、約10、20、30、40、50、60、70、80、90又は100μg/kg体重/用量で投与される。他の実施形態は、200、300、400、500、600、700、800又は900μg/kg体重/用量でのモジュレーターの投与を含む。他の好ましい実施形態では、本開示のモジュレーターは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10mg/kgで投与される。さらに他の実施形態において、モジュレーターは、12、14、16、18又は20mg/kg体重/用量で投与され得る。さらに他の実施形態より、モジュレーターは、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90又は100mg/kg体重/用量で投与され得る。本明細書の教示において、上記の投薬量は、非コンジュゲート型モジュレーター及び細胞傷害剤とコンジュゲートされたモジュレーターの両方に適用可能であることは理解される。当業者であれば、様々なコンジュゲート型及び非コンジュゲート型モジュレーターについて、前臨床動物試験、臨床所見並びに標準的な医学的及び生化学的技法及び計測に基づき、適切な投薬量を容易に決定することができる。
コンジュゲート型モジュレーターに関して、特に好ましい実施形態は約50μg/kg〜約5mg/kg体重/用量の投薬量を含む。これに関して、コンジュゲート型モジュレーターは、50、75又は100μg/kgで、又は0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1mg/kg体重/用量で投与され得る。他の好ましい実施形態では、本発明のコンジュゲート型モジュレーターは、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75又は5mg/kg体重/用量で投与され得る。特に好ましい実施形態では、かかるコンジュゲート型モジュレーターの投薬量は、ある期間にわたって静脈内投与される。さらに、かかる投薬量は定義された治療過程にわたり複数回投与されてもよい。
他の投与レジメンは、米国特許第7,744,877号明細書に開示されるとおりの体表面積(BSA)の計算に基づき得る。周知のとおり、BSAは、患者の身長及び体重を使用して計算され、その体の表面積によって表される対象の大きさの尺度を提供する。特定の実施形態では、モジュレーターは投薬量10mg/m2〜800mg/m2、50mg/m2〜500mg/m2で、及び100mg/m2、150mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2又は450mg/m2の投薬量で投与されてもよい。
また、当該技術分野で認められている経験的な技法を用いてコンジュゲート型モジュレーター(すなわち、ADC)の適切な投薬量を決定し得ることも理解される。
いずれの場合も、SEZ6モジュレーターは(コンジュゲート型及び非コンジュゲート型の両方とも)、好ましくは必要に応じてそれを必要とする対象に投与される。投与頻度の決定は、治療する病態、治療する対象の年齢、治療する病態の重症度、治療する対象の全般的健康状態などの考慮に基づき、主治医などの当業者によって行われ得る。概して、SEZ6モジュレーターの有効用量が、1回以上対象に投与される。より詳細には、モジュレーターの有効用量が、月1回、月1回超、又は月1回未満対象に投与される。特定の実施形態では、SEZ6モジュレーターの有効用量が、少なくとも1ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、又は数年間を含め、複数回投与され得る。さらに他の実施形態において、本開示のモジュレーターの投与間に数日(2、3、4、5、6又は7日)、数週(1、2、3、4、5、6、7又は8週)又は数ヶ月(1、2、3、4、5、6、7又は8ヶ月)又はさらには1年若しくは数年が経過してもよい。
特定の好ましい実施形態において、コンジュゲート型モジュレーターを含む治療過程には、数週間又は数ヶ月にわたる選択された薬物製品(すなわち、ADC)の複数用量が含まれる。より具体的には、本発明のコンジュゲート型モジュレーターは、1日毎、2日毎、4日毎、毎週、10日毎、2週間毎、3週間毎、毎月、6週間毎、2ヶ月毎、10週間毎又は3ヶ月毎に1回投与されてもよい。これに関して、患者の反応及び診療に基づき投薬量を変化させてもよく、又は間隔を調整してもよいことは理解される。
投薬量及びレジメンはまた、本開示の治療組成物について、1回以上の投与を受けたことがある個体において経験的に決定されてもよい。例えば、個体は、本明細書に記載されるとおり生成された治療組成物の漸増投薬量を受けてもよい。選択された実施形態において、投薬量は、それぞれ経験的に決定されるか又は観察された副作用若しくは毒性に基づき、徐々に増加又は減少若しくは減弱され得る。選択された組成物の有効性を評価するには、特定の疾患、障害又は病態のマーカーを上記のとおり追跡することができる。個体が癌を有する実施形態において、マーカーとしては、触診又は視診による腫瘍サイズの直接的な計測、X線又は他のイメージング技術による腫瘍サイズの間接的な計測;直接の腫瘍生検及び腫瘍試料の顕微鏡検査により評価するときの改善;間接的な腫瘍マーカー(例えば、前立腺癌についてのPSA)又は本明細書に記載される方法により同定される抗原の計測、疼痛又は完全麻痺の低下;腫瘍に関連する発話、視覚、呼吸又は他の能力障害の改善;食欲亢進;又は認められているテストにより計測するときのクオリティ・オブ・ライフの増加又は生存の延長が挙げられる。当業者には、個体、新生物性病態の種類、新生物性病態の病期、新生物性病態が個体の他の部位に転移し始めているかどうか、並びに用いられる過去及び現在の治療に応じて投薬量が異なることは明らかである。
C.併用療法
併用療法は、望ましくない新生物性細胞増殖の低下又は阻害、癌の発生の低下、癌の再発の低下又は予防、又は癌の伝播又は転移の低下又は予防において特に有用であり得る。そのような場合、本発明のモジュレーターは、本来であれば腫瘍塊を支持して不滅にするCSCを除去することにより増感剤又は化学増感剤として機能し、それにより現在の標準治療デバルキング剤又は抗癌剤のより有効な使用を可能にし得る。すなわち、本開示のモジュレーターは、特定の実施形態では、別の投与治療剤の作用様式を強化する増強効果(例えば、相加的又は相乗的な性質の)を提供し得る。本発明の文脈では「併用療法」は、広義に解釈されるものとし、単に、特異的な手法及び非特異的な手法の両方を含め、モジュレーターと、限定はされないが、細胞傷害剤、細胞増殖抑制剤、抗血管新生剤、デバルキング剤、化学療法剤、放射線療法及び放射線療法剤、標的抗癌剤(モノクローナル抗体及び小分子実体の両方を含む)、BRM、治療用抗体、癌ワクチン、サイトカイン、ホルモン療法、放射線療法及び抗転移剤及び免疫療法剤を含む1つ以上の抗癌剤との投与を指すに過ぎない。
併用の結果が、各治療(例えば、抗体及び抗癌剤)が別々に行われたときに観察される効果を足し合わせたものである必要はない。少なくとも相加効果が概して望ましいが、単一の治療のうちの一つを上回る任意の抗腫瘍効果の増加が有益である。さらに、本発明において併用治療が相乗効果を呈する必要はない。しかしながら、当業者は、好ましい実施形態をなす特定の選択された組み合わせでは、相乗作用が観察され得ることを理解する。
併用療法の実施において、モジュレーターと抗癌剤とは、単一の組成物で、又は2つ以上の個別の組成物として、同じ投与経路か、或いは異なる投与経路を使用して、同時に対象に投与され得る。或いはモジュレーターは、例えば数分から数週間の範囲の間隔だけ抗癌剤治療に先行し、又は後続してもよい。各送達の間の期間は、抗癌剤及びモジュレーターが腫瘍に複合効果を及ぼすことができるような期間である。少なくとも1つの実施形態において、抗癌剤及びモジュレーターの両方が、互いから約5分〜約2週間以内に投与される。さらに他の実施形態において、モジュレーター及び抗癌剤の投与間に数日(2、3、4、5、6又は7日)、数週間(1、2、3、4、5、6、7又は8週間)又は数ヶ月(1、2、3、4、5、6、7又は8ヶ月)が経過し得る。
併用療法は、1回、2回又は少なくとも病態が治療され、緩和され又は治癒されるまでのある期間にわたり投与され得る。一部の実施形態では、併用療法は、複数回、例えば毎日3回から6ヶ月に1回投与される。投与は、毎日3回、毎日2回、毎日1回、2日に1回、3日に1回、週1回、2週間に1回、月1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、6ヶ月に1回などのスケジュールであってもよく、又はミニポンプによって連続投与されてもよい。併用療法は、上で指摘したとおり、任意の経路で投与されてよい。併用療法は、腫瘍部位から離れた部位に投与されてもよい。
一実施形態において、モジュレーターは、1つ以上の抗癌剤と組み合わせて短い治療周期でそれを必要とする対象に投与される。本発明はまた、数回の部分的な投与に分割された不連続な投与又は1日用量も企図する。モジュレーター及び抗癌剤は、交換可能に、隔日又は隔週で投与されてもよく;又は一連の抗体治療が与えられた後、続いて抗癌剤療法の1つ以上の治療が与えられてもよい。いずれの場合も、当業者により理解されるとおり、化学療法剤の適切な用量は、概して、化学療法薬が単独で、又は他の化学療法薬との組み合わせで投与される臨床治療で既に用いられている用量程度である。
別の好ましい実施形態において、本発明のSEZ6モジュレーターは維持療法で用いられ、疾患が最初に発現した後の腫瘍再発の可能性を低減又は除去し得る。好ましくは障害は治療されて初期腫瘍塊が除去、低減又は他の形で改善されており、従って患者は無症候であり、又は寛解期にある。そのようなときに対象は、標準的な診断手法を用いて疾患の徴候がほとんど又は全くないとしても、本開示のモジュレーターの薬学的に有効な量を1回以上投与される。一部の実施形態では、モジュレーターは、毎週、2週間毎、毎月、6週間毎、2ヶ月毎、3ヶ月毎、6ヶ月毎又は毎年など、ある期間にわたって定期的に投与され得る。本明細書の教示を考慮して、当業者は、疾患再発の可能性を低減する好ましい投薬量及び投与レジメンを容易に決定することができる。さらに、かかる治療は、患者の反応並びに臨床及び診断パラメータに応じて数週間、数ヶ月間、数年間又はさらには無期限に継続され得る。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明のモジュレーターを予防的に又は補助療法として使用して、デバルキング手技後の腫瘍転移の可能性を予防又は低減し得る。本開示で使用されるとき、「デバルキング手技」は広義に定義され、腫瘍又は腫瘍増殖を除去し、低減し、治療し又は改善する任意の手技、技法又は方法を意味するものとする。例示的なデバルキング手技としては、限定はされないが、外科手術、放射線治療(すなわち、ビーム放射)、化学療法、免疫療法又はアブレーションが挙げられる。当業者により本開示に鑑みて容易に決定される適切な時点で、腫瘍転移が低減するように臨床手技、診断手技又はセラグノーシス手技により示唆されるとおり本開示のモジュレーターが投与され得る。モジュレーターは、標準的な技法を用いて決定されるとおり薬学的に有効な投薬量で1回以上投与されてもよい。好ましくは、投与レジメンは、その修正を可能にする適切な診断法又はモニタリング法によって達成される。
本発明のさらに他の実施形態は、無症候であるが増殖性障害の発症リスクを有する対象に本開示のモジュレーターを投与する工程を含む。すなわち、本発明のモジュレーターは、全く予防的な意味で使用され、検査又は試験を受けた患者であって、1つ以上の顕著なリスク要因(例えば、ゲノム徴候、家族歴、インビボ又はインビトロ試験結果等)を有するが、新形成は生じていない患者に投与され得る。そのような場合、当業者は、経験的な観察により、又は認められている臨床診療を通じて、有効な投与レジメンを決定することが可能である。
D.抗癌剤
用語「抗癌剤」又は「抗増殖剤」は、癌などの細胞増殖性障害の治療に使用することができ、且つ、限定はされないが、細胞傷害剤、細胞増殖抑制剤、抗血管新生剤、デバルキング剤、化学療法剤、放射線療法及び放射線療法剤、標的抗癌剤、BRM、治療用抗体、癌ワクチン、サイトカイン、ホルモン療法、放射線療法及び抗転移剤及び免疫療法剤を含む任意の薬剤を意味する。上記に考察したとおり選択された実施形態において、かかる抗癌剤はコンジュゲートを含んでもよく、投与前にモジュレーターと会合され得ることは理解される。特定の実施形態では、本開示の抗癌剤はSEZ6モジュレーターに連結され、本明細書に示されるとおりのADCを提供する。
本明細書で使用されるとき、用語「細胞傷害剤」は、細胞にとって毒性であり、細胞の機能を低下させ又は阻害し及び/又は細胞の破壊を引き起こす物質を意味する。典型的には、この物質は、生体に由来する天然に存在する分子である。細胞傷害剤の例としては、限定はされないが、細菌の小分子毒素又は酵素的に活性な毒素(例えば、ジフテリア毒素(Diptheria toxin)、緑膿菌内毒素及び外毒素、ブドウ球菌エンテロトキシンA)、真菌性(例えば、α−サルシン、レストリクトシン)、植物(例えば、アブリン、リシン、モデシン、ビスクミン、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、サポリン、ゲロニン、モモルジン(momoridin)、トリコサンチン、オオムギ毒素、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca mericana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、ニガウリ(Momordica charantia)阻害因子、クルシン、クロチン、サボンソウ(Saponaria officinalis)阻害因子、ゲロニン、ミテゲリン(mitegellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、ネオマイシン、及びトリコテセン(tricothecene))又は動物(例えば、細胞傷害性RNアーゼ、例えば細胞外膵臓RNアーゼ;DNアーゼI、例えばその断片及び/又は変異体を含む)が挙げられる。
本発明の目的上「化学療法剤」は、癌細胞の成長、増殖、及び/又は生存を非特異的に低下させ又は阻害する化学的な化合物(例えば、細胞傷害剤又は細胞増殖抑制剤)を含む。かかる化学剤は、多くの場合に細胞成長又は分裂に必要な細胞内過程を標的とし、従って概して急速に成長及び分裂する癌性細胞に対して特に有効である。例えば、ビンクリスチンは微小管を解重合させ、ひいては細胞が有糸分裂に入るのを阻害する。一般に、化学療法剤には、癌性細胞又は癌性になる若しくは腫瘍原性の子孫(例えば、TIC)を生じる可能性のある細胞を阻害し、又は阻害するように設計されている任意の化学剤が含まれ得る。かかる薬剤は、組み合わせで、例えばCHOP又はFOLFIRIなどのレジメンで投与されることが多く、且つ最も有効であることが多い。この場合も同じく、選択された実施形態において、かかる化学療法剤は本開示のモジュレーターとコンジュゲートされ得る。
本発明のモジュレーターと組み合わせて使用され得る(又はそれとコンジュゲートされ得る)抗癌剤の例としては、限定はされないが、アルキル化剤、スルホン酸アルキル、アジリジン、エチレンイミン及びメチルアメラミン(methylamelamine)、アセトゲニン、カンプトテシン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC−1065、クリプトフィシン、ドラスタチン、デュオカルマイシン、エリュテロビン(eleutherobin)、パンクラチスタチン、サルコジクチイン(sarcodictyin)、スポンジスタチン、ナイトロジェンマスタード、抗生物質、エンジイン抗生物質、ダイネミシン、ビスホスホネート、エスペラミシン、色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、アウトラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アドリアマイシン(登録商標)ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝物、エルロチニブ、ベムラフェニブ、クリゾチニブ,ソラフェニブ、イブルチニブ、エンザルタミド、葉酸類似体、プリン類似体、アンドロゲン、抗副腎薬、葉酸補充剤、例えばフォリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、アムサクリン、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキサート(edatraxate)、デフォファミン(defofamine)、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルニチン(elfornithine)、酢酸エリプチニウム、エポチロン、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン(lonidainine)、メイタンシノイド、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン(nitraerine)、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2−エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR)、ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラキュリンA(verracurin A)、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、クロランブシル(chloranbucil);GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(Camptosar、CPT−11)、トポイソメラーゼ阻害薬RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlhylornithine);レチノイド;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン;オキサリプラチン;細胞増殖を低減するPKC−α、Raf、H−Ras、EGFR及びVEGF−Aの阻害薬並びに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体が挙げられる。また、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体モジュレーター、酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害薬(これは副腎におけるエストロゲン産生を調節する)、及び抗アンドロゲン;並びにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、例えばVEGF発現阻害薬及びHER2発現阻害薬;ワクチン、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害薬;ABARELIX(登録商標)rmRH;ビノレルビン及びエスペラミシン並びに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体などの、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害する働きをする抗ホルモン剤もこの定義に含まれる。
他の実施形態において、本発明のモジュレーターは、現在臨床試験中であるか又は市販されている数多くの抗体(又は免疫療法剤)のうちのいずれか一つと組み合わせて使用されてもよい。この目的から、本開示のモジュレーターは、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アルシツモマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブ、カンツズマブ、カツマキソマブ、セツキシマブ、シタツズマブ、シクスツムマブ、クリバツズマブ、コナツムマブ、ダラツムマブ、ドロジツマブ、ドゥリゴツマブ(duligotumab)、ドゥシギツマブ(dusigitumab)、デツモマブ、ダセツズマブ、ダロツズマブ、エクロメキシマブ、エロツズマブ、エンシツキシマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、ファルレツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フツキシマブ(futuximab)、ガニツマブ、ゲムツズマブ、ギレンツキシマブ、グレンバツムマブ、イブリツモマブ、イゴボマブ(igovomab)、イムガツズマブ、インダツキシマブ(indatuximab)、イノツズマブ、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、ラベツズマブ、レクサツムマブ、リンツズマブ、ロルボツズマブ、ルカツムマブ、マパツムマブ、マツズマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ(minretumomab)、ミツモマブ、モキセツモマブ、ナルナツマブ、ナプツモマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、ノフェツモマブ(nofetumomabn)、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ(oportuzumab)、オレゴボマブ、パニツムマブ、パルサツズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)、ペルツズマブ、ピンツモマブ、プリツムマブ、ラコツモマブ(racotumomab)、ラドレツマブ(radretumab)、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、サツモマブ、シブロツズマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、ソリトマブ(solitomab)、タカツズマブ、タプリツモマブ(taplitumomab)、テナツモマブ(tenatumomab)、テプロツムマブ、チガツズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ、ウブリツキシマブ(ublituximab)、ベルツズマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ザルツムマブ、CC49、3F8及びそれらの組み合わせからなる群から選択される抗体と組み合わせて使用されてもよい。
さらに他の特に好ましい実施形態は、限定はされないが、リツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン(gemtuzumab ozogamcin)、アレムツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、オファツムマブ、イピリムマブ及びブレンツキシマブベドチンを含む、癌療法に承認されている抗体の使用を含む。当業者は、本明細書の教示と適合性があるさらなる抗癌剤を容易に特定することができる。
E.放射線療法
本発明はまた、モジュレーターと放射線療法(すなわち、例えば、ガンマ線照射、X線、紫外線照射、マイクロ波、電子放射などの、腫瘍細胞内で限局的にDNA損傷を誘導する任意の機構)との併用も提供する。放射性同位元素を腫瘍細胞に指向性送達することを用いた併用療法もまた企図され、標的抗癌剤又は他の標的化手段と連係して用いられ得る。典型的には、放射線療法は、約1〜約2週間の期間にわたってパルス投与される。放射線療法は、約6〜7週間にわたり頭頸部癌を有する対象に投与されてもよい。場合により、放射線療法は、単一用量として、又は複数回の逐次用量として投与されてもよい。
XI.適応症
本発明のモジュレーターを使用して任意のSEZ6関連障害の発生又は再発を診断、治療又は阻害し得ることは理解される。従って、単独で投与されるにしろ、又は抗癌剤若しくは放射線療法と組み合わせて投与されるにしろ、本発明のモジュレーターは、概して、良性又は悪性腫瘍(例えば、副腎癌、肝癌、腎癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膵癌、肺癌、甲状腺癌、肝癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌及び子宮癌;肉腫;膠芽腫;及び様々な頭頸部腫瘍);白血病及びリンパ性悪性腫瘍;他の障害、例えばニューロン、グリア、アストロサイト、視床下部並びに他の腺、マクロファージ、上皮、間質及び胞胚腔の障害;及び炎症性、血管新生、免疫性の障害並びに病原体により引き起こされる障害を含み得る患者又は対象における新生物性病態の治療に特に有用である。特に、治療の主要な標的は、固形腫瘍を含む新生物性病態であるが、血液系悪性腫瘍は本発明の範囲内である。好ましくは、治療される「対象」又は「患者」はヒトであるが、しかしながら本明細書で使用されるとき、これらの用語は明示的に任意の哺乳類種を含むものと考えられる。
より具体的には、本発明に従う治療に供される新生物性病態は、限定はされないが、副腎腫瘍、AIDS関連癌、胞巣状軟部肉腫、星細胞性腫瘍、膀胱癌(扁平上皮癌及び移行上皮癌)、骨癌(アダマンチノーマ、動脈瘤性骨嚢胞、骨軟骨腫、骨肉腫)、脳脊髄癌、転移性脳腫瘍、乳癌、頸動脈球腫瘍、子宮頸癌、軟骨肉腫、脊索腫、嫌色素性腎細胞癌、明細胞癌、結腸癌、結腸直腸癌、皮膚良性線維性組織球腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、上衣腫、ユーイング腫瘍、骨外性粘液型軟骨肉腫、骨線維形成不全(fibrogenesis imperfecta ossium)、線維性骨異形成、胆嚢癌及び胆管癌、妊娠性絨毛性疾患、胚細胞腫瘍、頭頸部癌、膵島細胞腫、カポジ肉腫、腎癌(腎芽細胞腫、乳頭状腎細胞癌)、白血病、脂肪腫/良性脂肪腫性腫瘍、脂肪肉腫/悪性脂肪腫性腫瘍、肝癌(肝芽腫、肝細胞癌)、リンパ腫、肺癌(小細胞癌、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌等)、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、卵巣癌、膵癌、甲状腺乳頭癌、上皮小体腫瘍、小児癌、末梢神経鞘腫瘍、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、前立腺癌、後部ブドウ膜悪性黒色腫(posterious unveal melanoma)、まれな血液障害、腎転移癌、桿状腫瘍、横紋筋肉腫(rhabdomysarcoma)、肉腫、皮膚癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、滑膜肉腫、精巣癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺転移癌、及び子宮癌(子宮頸癌、子宮内膜癌、及び平滑筋腫)を含む群から選択され得る。
特定の好ましい実施形態において、増殖性障害は、限定はされないが、副腎、肝臓、腎臓、膀胱、乳房、胃、卵巣、子宮頸部、子宮、食道、結腸直腸、前立腺、膵臓、肺(小細胞及び非小細胞の両方)、甲状腺、癌腫、肉腫、膠芽腫及び様々な頭頸部腫瘍が含まれる固形腫瘍を含み得る。他の好ましい実施形態では、及び以下の実施例に示すとおり、本開示のモジュレーターは、小細胞肺癌(SCLC)及び非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、扁平上皮非小細胞肺癌又は扁平上皮小細胞肺癌)の治療において特に有効である。一実施形態において、肺癌は、白金ベースの薬剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、トポテカン)及び/又はタキサン(例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル又はカバジタキセル)に対して不応性、再発性又は抵抗性である。さらに、特に好ましい実施形態では、本開示のモジュレーターは、小細胞肺癌の治療のためコンジュゲートされた形態で使用され得る。
小細胞肺癌に関して、特に好ましい実施形態は、コンジュゲート型モジュレーター(ADC)の投与を含む。選択された実施形態において、コンジュゲート型モジュレーターは、限局期疾患を呈する患者に投与される。他の実施形態において、本開示のモジュレーターは、進展期疾患を呈する患者に投与される。他の好ましい実施形態では、本開示のコンジュゲート型モジュレーターは不応性の患者(すなわち、初期治療コースの最中又はその完了直後に再発する患者)に投与される。さらに他の実施形態は、感受性の患者(すなわち、一次療法後のその再燃が2〜3ヶ月より長い患者)に対する本開示のモジュレーターの投与を含む。いずれの場合も、適合性のあるモジュレーターが、選択された投与レジメン及び臨床診断に応じてコンジュゲート形態であっても、又は非コンジュゲート形態であってもよいことは理解される。
上記に考察したとおり、本開示のモジュレーターはさらに、神経内分泌腫瘍を含めた神経内分泌特徴又は表現型を有する腫瘍の予防、治療又は診断に用いられ得る。散在内分泌系から生じる真正な又はカノニカルな神経内分泌腫瘍(NET)は、比較的まれであり、10万人に2〜5人の発生率であるが、極めて侵襲的である。神経内分泌腫瘍は、腎臓、尿生殖路(膀胱、前立腺、卵巣、子宮頸部、及び子宮内膜)、胃腸管(結腸、胃)、甲状腺(甲状腺髄様癌)、及び肺(小細胞肺癌及び大細胞神経内分泌癌)に起こる。これらの腫瘍は、カルチノイド症候群として知られる衰弱性の症状を引き起こし得るセロトニン及び/又はクロモグラニンAを含む数種のホルモンを分泌し得る。かかる腫瘍は、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE、γエノラーゼとしても知られる、遺伝子記号=ENO2)、CD56(又はNCAM1)、クロモグラニンA(CHGA)、及びシナプトフィジン(SYP)などの陽性の免疫組織化学的マーカーによるか、又はASCL1などの発現上昇を呈することが知られる遺伝子により示され得る。残念ながら、NETの治療において伝統的な化学療法が特に有効であったことはなく、肝転移が一般的な予後である。
本開示のモジュレーターは有利には神経内分泌腫瘍の治療に用いられ得るが、また、遺伝子型又は表現型についてカノニカルな神経内分泌腫瘍と共通の性質を模倣する、それと似ている、又はそれを呈する偽神経内分泌腫瘍(pNET)の治療、予防又は診断にも用いられ得る。偽神経内分泌腫瘍又は神経内分泌特徴を有する腫瘍は、散在神経内分泌系の細胞又は発癌過程の中で神経内分泌分化のカスケードが異常に再活性化された細胞から生じる腫瘍である。かかるpNETは、一般に、一部の生理活性アミン、神経伝達物質、及びペプチドホルモンの産生能を含め、特定の表現型特性又は生化学的特性を、伝統的に定義された神経内分泌腫瘍と共有する。組織学的に、かかる腫瘍(NET及びpNET)は、多くの場合に特徴のない細胞病理の細胞質が最小限しかなく、且つ円形乃至卵形の点状の核を有する密に結合した小細胞を示すという共通の外観を持つ。本発明の目的上、神経内分泌腫瘍及び偽神経内分泌腫瘍を定義するために用いられ得る共通して発現する組織学的マーカー又は遺伝子マーカーとしては、限定はされないが、クロモグラニンA、CD56、シナプトフィジン、PGP9.5、ASCL1及びニューロン特異的エノラーゼ(NSE)が挙げられる。
従って、本発明のモジュレーターを使用して、有利には、偽神経内分泌腫瘍及びカノニカルな神経内分泌腫瘍の両方を治療し得る。これに関して、モジュレーターを本明細書に記載されるとおり使用することにより、腎臓、尿生殖路(膀胱、前立腺、卵巣、子宮頸部、及び子宮内膜)、胃腸管(結腸、胃)、甲状腺(甲状腺髄様癌)、及び肺(小細胞肺癌及び大細胞神経内分泌癌)で生じる神経内分泌腫瘍(NET及びpNETの両方)を治療し得る。さらに、本発明のモジュレーターを使用して、NSE、CD56、シナプトフィジン、クロモグラニンA、ASCL1及びPGP9.5(UCHL1)からなる群から選択される1つ以上のマーカーを発現する腫瘍を治療し得る。すなわち、本発明を用いることにより、NSE+又はCD56+又はPGP9.5+又はASCL1+又はSYP+又はCHGA+又はそれらの何らかの組み合わせである腫瘍に罹患している対象を治療し得る。
血液系悪性腫瘍に関して、さらに、本発明の化合物及び方法が、低悪性度/NHL濾胞細胞リンパ腫(FCC)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小非切れ込み細胞NHL、巨大病変NHL、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)、バーキットリンパ腫(BL)、AIDS関連リンパ腫、単球性B細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ節症(lymphoadenopathy)、小リンパ球性、濾胞性、びまん性大細胞、びまん性小切れ込み細胞型、大細胞型免疫芽球性リンパ芽球腫、小型、非切れ込み、バーキット及び非バーキット、濾胞性、主に大型の細胞;濾胞性の、主に小切れ込み細胞;及び濾胞性、混合型小切れ込み細胞及び大細胞リンパ腫を含む様々なB細胞リンパ腫の治療において特に有効であり得ることが理解される。Gaidono et al.,“Lymphomas”,IN CANCER:PRINCIPLES & PRACTICE OF ONCOLOGY,Vol.2:2131−2145(DeVita et al.,eds.,5.sup.th ed.1997)を参照のこと。当業者には、これらのリンパ腫が多くの場合に分類方式の変更に起因して異なる名称を有すること、及び別の名称に分類されるリンパ腫の患者も、本発明の併用治療レジメンの利益を受け得ることが明らかでなければならない。
本発明はまた、良性腫瘍又は前癌腫瘍を呈する対象の予防的(preventative)又は予防的(prophylactic)な治療も提供する。SEZ6関連障害であることの他には、いかなる特定のタイプの腫瘍又は増殖性障害も、本発明を使用する治療から除外されてはならないと考えられる。しかしながら、腫瘍細胞のタイプは、本発明と二次治療剤、特に化学療法剤及び標的抗癌剤との併用に関係したものであり得る。
XII.製品
SEZ6モジュレーターの1つ以上の用量が入った1つ以上の容器を含む医薬品パック及びキットもまた提供される。特定の実施形態では、単位投薬量が提供され、ここで単位投薬量は、例えば抗SEZ6抗体を含む所定量の組成物を、1つ以上のさらなる薬剤を伴い又は伴わずに含有する。他の実施形態に関して、かかる単位投薬量は、注射用の使い捨てプレフィルドシリンジに供給される。さらに他の実施形態において、単位投薬量中に含まれる組成物は、食塩水、ショ糖など;バッファ、例えばリン酸塩などを含み得るか;及び/又は安定且つ有効なpH範囲内に製剤化され得る。或いは、特定の実施形態では、組成物は凍結乾燥粉末として提供されてもよく、これは、適切な液体、例えば滅菌水を加えると再構成され得る。特定の好ましい実施形態において、組成物は、限定はされないが、ショ糖及びアルギニンを含めた、タンパク質凝集を抑える1つ以上の物質を含む。容器(複数可)上の、又は容器(複数可)と関連付けられた任意のラベルに、封入されている組成物が選択の疾患病態の診断又は治療に使用されることが指示される。
本発明はまた、SEZ6モジュレーター、及び場合により1つ以上の抗癌剤の単回用量又は複数回用量投与単位を作成するためのキットも提供する。このキットは、容器、及び容器上の、又は容器と関連付けられたラベル又は添付文書を含む。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ等が挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの種々の材料で形成されてもよく、コンジュゲート形態又は非コンジュゲート形態の本開示のモジュレーターの薬学的に有効な量を収容する。他の好ましい実施形態では、容器(複数可)は、無菌アクセスポートを含む(例えば容器は、静脈内注射液バッグ又は皮下注射針で穿刺可能な栓を有するバイアルであってもよい)。かかるキットは、概して、好適な容器の中にSEZ6モジュレーターの薬学的に許容可能な製剤を含み、及び場合により、同じ又は異なる容器内の1つ以上の抗癌剤を含む。キットはまた、診断用の、或いは併用療法用の、他の薬学的に許容可能な製剤を含んでもよい。例えば、本発明のSEZ6モジュレーターに加えて、かかるキットは、化学療法薬又は放射線療法薬;抗血管新生剤;抗転移剤;標的抗癌剤;細胞傷害剤;及び/又は他の抗癌剤などの種々の抗癌剤のうち任意の1つ以上を含み得る。かかるキットはまた、SEZ6モジュレーターを抗癌剤又は診断用薬剤とコンジュゲートするための適切な試薬も提供し得る(例えば、米国特許第7,422,739号明細書(全体として参照により本明細書に援用される)を参照)。
より具体的には、キットは、SEZ6モジュレーターを、さらなる成分を伴い又は伴わずに収容する単一の容器を有してもよく、又はキットは、所望の薬剤各々につき個別の容器を有してもよい。コンジュゲーション用に組み合わされた療法薬が提供される場合、モル等価の組み合わせで、或いは一方の成分を他方より過剰として、単一の溶液が予め混合されていてもよい。或いは、キットのSEZ6モジュレーターといずれかの任意選択の抗癌剤とは、患者に投与するまで個別の容器内に別々に維持されてもよい。キットはまた、無菌の薬学的に許容可能なバッファ又は他の希釈剤、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、リンゲル液及びデキストロース溶液が入った第2/第3の収容手段も含み得る。
キットの成分が1つ以上の溶液中に提供される場合、その溶液は好ましくは水溶液であり、滅菌水溶液が特に好ましい。しかしながら、キットの成分は乾燥粉末(複数可)として提供されてもよい。試薬又は成分が乾燥粉末として提供される場合、その粉末は、好適な溶媒を加えることにより再構成することができる。その溶媒もまた別の容器に提供され得ることが想定される。
上記に簡潔に指摘したとおり、キットはまた、動物又は患者に抗体及びいずれかの任意選択の成分を投与するための手段、例えば1本以上の針又はシリンジ、又はさらには点眼器、ピペット、又は他のそのような類似の、製剤を動物に注入若しくは導入し得るか又は体の患部に適用し得る器具も含み得る。本発明のキットはまた、典型的には、バイアルなど、及び他の構成要素を市販用に厳重に封じ込めて収容するための手段、例えば、望ましいバイアル及び他の器具が配置及び保持される射出成型又はブロー成形プラスチック容器なども含む。任意のラベル又は添付文書に、SEZ6モジュレーター組成物が癌、例えば小細胞肺癌の治療に使用されることが指示される。
他の好ましい実施形態では、本発明のモジュレーターは、増殖性障害の診断又は治療において有用な診断又は治療デバイスと共に使用され得るか、又はそれを含み得る。例えば、好ましい一(on)実施形態において、本発明の化合物及び組成物は、増殖性障害の病因又は発現に関わる細胞又はマーカー化合物の検出、モニタリング、定量化又はプロファイリングに用いられ得る特定の診断デバイス又は機器と組み合わされ得る。選択された実施形態について、マーカー化合物には、NSE、CD56、シナプトフィジン、クロモグラニンA、及びPGP9.5が含まれ得る。
特に好ましい実施形態では、デバイスは、インビボ或いはインビトロでの循環腫瘍細胞の検出、モニタリング及び/又は定量化に用いられ得る(例えば、国際公開第2012/0128801号パンフレット(参照により本明細書に援用される)を参照)。さらに他の好ましい実施形態において、及び上記に考察したとおり、循環腫瘍細胞は癌幹細胞を含み得る。
XIII.研究試薬
本発明の他の好ましい実施形態はまた、フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気活性化細胞選別(MACS)又はレーザーによる区分などの方法による腫瘍開始細胞の集団又は亜集団の同定、モニタリング、単離、区分又は濃縮に有用な手段として、本開示のモジュレーターの特性も利用する。当業者は、癌幹細胞を含むTICの特徴付け及び操作のため、いくつかの適合性のある技法でモジュレーターを使用し得ることを理解する(例えば、米国特許出願第12/686,359号明細書、同第12/669,136号明細書及び同第12/757,649号明細書(この各々が全体として参照により本明細書に援用される)を参照)。
XIV.その他
本明細書において別段定義しない限り、本発明に関連して使用される科学技術用語は、当業者が一般に理解する意味を有するものとする。さらに、文脈上特に必要でない限り、単数形の用語は複数を含むものとし、複数形の用語は単数を含むものとする。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「タンパク質(a protein)」との言及には複数のタンパク質が含まれ;「細胞(a cell)」との言及には細胞の混合物が含まれるなどする。加えて、本明細書及び添付の特許請求の範囲に提供される範囲は、両方の端点及びそれらの端点間にある全ての点を含む。従って、2.0〜3.0の範囲には、2.0、3.0、及び2.0と3.0との間にある全ての点が含まれる。
概して、本明細書に記載される細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学及びタンパク質及び核酸化学及びハイブリダイゼーションとの関連で使用される命名法、及びそれらの技法は、当該技術分野で周知され、且つよく用いられるものである。本発明の方法及び技法は、概して、特に指示されない限り、当該技術分野において周知の、且つ本明細書全体を通じて引用及び考察される様々な一般的な及びより専門的な文献に記載されるとおりの従来方法に従い実施される。例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,6th ed.,W.B.Saunders Company(2010);Sambrook J.& Russell D.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2000);Ausubel et al.,Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Wiley,John & Sons,Inc.(2002);Harlow and Lane Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1998);及びColigan et al.,Short Protocols in Protein Science,Wiley,John & Sons,Inc.(2003)を参照のこと。酵素反応及び精製技法は、製造者の仕様に従い、当該技術分野で一般に達成されるとおり、又は本明細書に記載されるとおり実施される。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、並びに医薬品化学及び薬化学との関連で使用される命名法、並びにそれらの実験手順及び技術は、当該技術分野で周知され、よく用いられるものである。さらに、本明細書で使用される任意の節見出しは、あくまでも編成のためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
XV.SEZ6参考文献
本明細書の中で開示又は引用される参考文献又は資料は全て、限定なしに、全体として参照により本明細書に援用される。さらに、本明細書で使用される任意の節見出しはいずれも、あくまでも編成のためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
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XVI.本発明の選択された実施形態
本明細書における開示及び実施例に加えて、本発明は、以下に具体的に示す選択された実施形態に関する。
推定クレーム:
1.単離SEZ6モジュレーター。
2.SEZ6モジュレーターがSEZ6アンタゴニストを含む、請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーター。
3.SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーター。
4.抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項3に記載の単離SEZ6モジュレーター。
5.モノクローナル抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体及びヒト抗体からなる群から選択される、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
6.前記モノクローナル抗体が中和抗体を含む、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
7.前記モノクローナル抗体が枯渇抗体を含む、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
8.前記モノクローナル抗体がインターナライズ抗体を含む、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
9.前記モノクローナル抗体が細胞傷害剤をさらに含む、請求項8に記載の単離SEZ6モジュレーター。
10.前記モノクローナル抗体が、3つの相補性決定領域を有する軽鎖可変領域と、3つの相補性決定領域を有する重鎖可変領域とを含み、重鎖及び軽鎖相補性決定領域が、それぞれ図10A又は図10Bに示される少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
11.前記モノクローナル抗体が軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、ここで前記軽鎖可変領域は、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166及び配列番号168に示されるとおりのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ前記重鎖可変領域は、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167及び配列番号169に示されるとおりのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の単離SEZ6モジュレーター。
12.請求項11に示される重鎖又は軽鎖可変領域のうちのいずれか一つ由来のCDRを含む単離SEZ6モジュレーター。
13.競合抗体を含む単離SEZ6モジュレーターであって、前記競合抗体が、請求項10又は11に記載の単離SEZ6モジュレーターとSEZ6との結合を少なくとも約40%阻害する、単離SEZ6モジュレーター。
14.請求項11に記載のアミノ酸重鎖可変領域又はアミノ酸軽鎖可変領域をコードする核酸。
15.請求項14に記載の核酸を含むベクター。
16.配列番号3、配列番号4及びそれらの断片からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーター。
17.SEZ6モジュレーターが、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分をさらに含む、請求項16に記載の単離SEZ6モジュレーター。
18.前記モジュレーターが、それを必要とする対象に投与したとき腫瘍開始細胞の頻度を低減する、請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーター。
19.頻度の低減が、腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーのフローサイトメトリー分析を用いて決定される、請求項18に記載の単離SEZ6モジュレーター。
20.頻度の低減が、腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーの免疫組織化学的検出を用いて決定される、請求項18に記載の単離SEZ6モジュレーター。
21.前記腫瘍開始細胞が腫瘍不滅化細胞を含む、請求項18に記載の単離SEZ6モジュレーター。
22.細胞傷害剤をさらに含む、請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーター。
23.請求項1に記載の単離SEZ6モジュレーターを含む医薬組成物。
24.前記単離SEZ6モジュレーターがモノクローナル抗体を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
25.前記モノクローナル抗体がヒト化抗体を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
26.前記ヒト化抗体が細胞傷害剤を含む、請求項25に記載の医薬組成物。
27.前記細胞傷害剤がピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項26に記載の単離SEZ6モジュレーター。
28.前記細胞傷害剤がアウリスタチンを含む、請求項26に記載の単離SEZ6モジュレーター。
29.SEZ6モジュレーターの治療有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、SEZ6関連障害の治療方法。
30.前記SEZ6モジュレーターがSEZ6アンタゴニストを含む、請求項29に記載の方法。
31.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項29に記載の方法。
32.抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項31に記載の方法。
33.モノクローナル抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体及びヒト抗体からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
34.前記モノクローナル抗体が軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、ここで前記軽鎖可変領域は、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166及び配列番号168に示されるとおりのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ前記重鎖可変領域は、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167及び配列番号169に示されるとおりのアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の方法。
35.前記モノクローナル抗体がヒト化抗体である、請求項34に記載の方法。
36.前記モノクローナル抗体が中和抗体を含む、請求項32に記載の方法。
37.前記モノクローナル抗体がインターナライズ抗体を含む、請求項32に記載の方法。
38.前記インターナライズ抗体が細胞傷害剤を含む、請求項37に記載の方法。
39.前記細胞傷害剤がピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項38に記載の方法。
40.前記細胞傷害剤がアウリスタチンを含む、請求項38に記載の方法。
41.前記SEZ6関連障害が新生物性障害を含む、請求項39に記載の方法。
42.前記新生物性障害が、神経内分泌特徴を呈する腫瘍を含む、請求項41に記載の方法。
43.神経内分泌特徴を呈する前記腫瘍が、神経内分泌腫瘍を含む、請求項42に記載の方法。
44.対象が、副腎癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、胃癌、腎癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、結腸直腸癌、膵癌、前立腺癌及び乳癌からなる群から選択される新生物性障害に罹患している、請求項41に記載の方法。
45.対象が肺癌に罹患している、請求項44に記載の方法。
46.対象が小細胞肺癌に罹患している、請求項45に記載の方法。
47.前記新生物性障害に罹患している対象が、腫瘍開始細胞を含む腫瘍を呈する、請求項41に記載の方法。
48.前記対象における腫瘍開始細胞の頻度を低減する工程をさらに含む、請求項47に記載の方法。
49.頻度の低減が、腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーのフローサイトメトリー分析、又は腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーの免疫組織化学的検出を用いて決定される、請求項48に記載の方法。
50.頻度の低減が、インビトロ及びインビボ限界希釈解析法からなる群からの方法を用いて決定される、請求項48に記載の方法。
51.頻度の低減が、免疫不全マウスへのヒト生腫瘍細胞の移植を含むインビボ限界希釈解析法を用いて決定される、請求項50に記載の方法。
52.頻度の低減が、ポアソン分布統計を用いた腫瘍開始細胞頻度の定量化を含むインビボ限界希釈解析法を用いて決定される、請求項51に記載の方法。
53.頻度の低減が、インビトロコロニー支持条件へのヒト生腫瘍細胞の限界希釈堆積を含むインビトロ限界希釈解析法を用いて決定される、請求項50に記載の方法。
54.インビトロ限界希釈解析法を用いて決定される頻度の低減が、ポアソン分布統計を用いた腫瘍開始細胞頻度の定量化を含む、請求項53に記載の方法。
55.抗癌剤を投与する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
56.前記SEZ6モジュレーターが、配列番号20〜169のうちのいずれか一つ由来の1つ以上のCDRを含む、請求項29に記載の方法。
57.前記SEZ6モジュレーターが汎SEZ6モジュレーターを含む、請求項29に記載の方法。
58.前記SEZ6モジュレーターが細胞傷害剤を含む、請求項57に記載の方法。
59.必要とする対象において腫瘍開始細胞の頻度を低減する方法であって、前記対象にSEZ6モジュレーターを投与する工程を含む方法。
60.腫瘍開始細胞が腫瘍不滅化細胞を含む、請求項59に記載の方法。
61.前記腫瘍不滅化細胞が、CD44+、CD324+及びCD133+細胞からなる群から選択されるマーカーを発現する細胞から選択される、請求項60に記載の方法。
62.前記SEZ6モジュレーターが抗体を含む、請求項59に記載の方法。
63.前記抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項62に記載の方法。
64.前記モノクローナル抗体が細胞傷害剤をさらに含む、請求項63に記載の方法。
65.対象が、副腎癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、腎癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、結腸直腸癌、膵癌、前立腺癌及び乳癌からなる群から選択される新生物性障害に罹患している、請求項59に記載の方法。
66.対象が肺癌に罹患している、請求項65に記載の方法。
67.対象が小細胞肺癌に罹患している、請求項66に記載の方法。
68.腫瘍開始細胞の頻度が少なくとも10%低減される、請求項59に記載の方法。
69.頻度の低減が、腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーのフローサイトメトリー分析、又は腫瘍開始細胞で高濃度化することが知られている腫瘍細胞表面マーカーの免疫組織化学的検出を用いて決定される、請求項59に記載の方法。
70.抗癌剤による治療のため対象における腫瘍を感作する方法であって、前記対象にSEZ6モジュレーターを投与する工程を含む方法。
71.前記SEZ6モジュレーターが抗体を含む、請求項70に記載の方法。
72.前記腫瘍が固形腫瘍である、請求項70に記載の方法。
73.前記抗癌剤が化学療法剤を含む、請求項70に記載の方法。
74.前記抗癌剤が免疫療法剤を含む、請求項70に記載の方法。
75.必要とする対象において増殖性障害を診断する方法であって、
i.前記対象から組織試料を採取する工程;
ii.組織試料を少なくとも1つのSEZ6モジュレーターと接触させる工程;及び
iii.試料と会合したSEZ6モジュレーターを検出又は定量化する工程
を含む方法。
76.SEZ6モジュレーターがモノクローナル抗体を含む、請求項75に記載の方法。
77.モノクローナル抗体がレポーターと作動可能に会合される、請求項76に記載の方法。
78.SEZ6関連障害の診断又は治療に有用な製品であって、SEZ6モジュレーターを含む容器と、前記SEZ6モジュレーターを使用したSEZ6関連障害の治療又は診断についての説明資料とを含む製品。
79.前記SEZ6モジュレーターがモノクローナル抗体である、請求項78に記載の製品。
80.前記容器が読み取り可能なプレートを含む、請求項78に記載の製品。
81.新生物性障害に罹患している対象を治療する方法であって、少なくとも1つのインターナライズSEZ6モジュレーターの治療有効量を投与する工程を含む方法.
82.前記SEZ6モジュレーターが抗体を含む、請求項81に記載の方法。
83.前記抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項82に記載の方法。
84.前記モノクローナル抗体がヒト化抗体を含む、請求項83に記載の方法。
85.モノクローナル抗体が細胞傷害剤をさらに含む、請求項83に記載の方法。
86.抗癌剤を投与する工程をさらに含む、請求項81に記載の方法。
87.新生物性障害が、神経内分泌特徴を呈する腫瘍を含む、請求項81に記載の方法。
88.新生物性障害が、神経特徴を呈する腫瘍を含む、請求項81に記載の方法。
89.新生物性障害が肺癌を含む、請求項81に記載の方法。
90.新生物性障害が小細胞肺癌を含む、請求項81に記載の方法。
91.新生物性障害に罹患している対象を治療する方法であって、少なくとも1つの中和SEZ6モジュレーターの治療有効量を投与する工程を含む方法。
92.前記SEZ6モジュレーターが抗体を含む、請求項91に記載の方法。
93.前記抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項92に記載の方法。
94.前記モノクローナル抗体がヒト化抗体を含む、請求項93に記載の方法。
95.前記ヒト化抗体が細胞傷害剤をさらに含む、請求項94に記載の方法。
96.抗癌剤を投与する工程をさらに含む、請求項91に記載の方法。
97.新生物性障害が、神経特徴を呈する腫瘍を含む、請求項91に記載の方法。
98.新生物性障害が、神経内分泌特徴を呈する腫瘍を含む、請求項91に記載の方法。
99.新生物性障害が肺癌を含む、請求項91に記載の方法。
100.新生物性障害が小細胞肺癌を含む、請求項99に記載の方法。
101.腫瘍開始細胞の集団を同定し、単離し、区分し又は濃縮する方法であって、前記腫瘍開始細胞をSEZ6モジュレーターと接触させる工程を含む方法。
102.前記SEZ6モジュレーターが抗体を含む、請求項101に記載の方法。
103.ヒト化抗体を含むSEZ6モジュレーターであって、前記ヒト化抗体が軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、ここで前記軽鎖可変領域は、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190及び配列番号192からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ前記重鎖可変領域は、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号194、配列番号195、配列番号196、配列番号197、配列番号198及び配列番号199からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる群から選択されるあるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、SEZ6モジュレーター。
104.必要とする対象において転移を阻害又は予防する方法であって、SEZ6モジュレーターの薬学的に有効な量を投与する工程を含む方法。
105.SEZ6モジュレーターの投与前又は投与後に対象がデバルキング手技を受ける、請求項104に記載の方法。
106.前記デバルキング手技が、少なくとも1つの抗癌剤の投与を含む、請求項105に記載の方法。
107.必要とする対象に対する維持療法の実施方法であって、SEZ6モジュレーターの薬学的に有効な量を投与する工程を含む方法。
108.前記対象が、SEZ6モジュレーターの投与前に新生物性障害の治療を受けた、請求項107に記載の方法。
109.増殖性障害に罹患している対象において腫瘍開始細胞を枯渇させる方法であって、SEZ6モジュレーターを投与する工程を含む方法。
110.必要とする対象においてインビボでSEZ6関連障害を診断、検出又はモニタする方法であって、SEZ6モジュレーターを投与する工程を含む方法。
111.必要とする対象においてSEZ6関連障害を診断、検出又はモニタする方法であって、循環腫瘍細胞をSEZ6モジュレーターと接触させる工程を含む方法。
112.前記接触させる工程がインビボで行われる、請求項111に記載の方法。
113.前記接触させる工程がインビトロで行われる、請求項111に記載の方法。
114.必要とする患者における神経内分泌特徴を呈する腫瘍の治療方法であって、SEZ6モジュレーターの治療有効量を投与する工程を含む方法。
115.神経内分泌特徴を呈する前記腫瘍が神経内分泌腫瘍である、請求項114に記載の方法。
116.SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される抗体に由来するSEZ6モジュレーター。
117.SEZ6のSushiドメイン1に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
118.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項117に記載のSEZ6モジュレーター。
119.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項118に記載のSEZ6モジュレーター。
120.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項119に記載のSEZ6モジュレーター。
121.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項120に記載のSEZ6モジュレーター。
122.リンカーをさらに含む、請求項121に記載のSEZ6モジュレーター。
123.SEZ6のSushiドメイン2に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
124.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項123に記載のSEZ6モジュレーター。
125.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項124に記載のSEZ6モジュレーター。
126.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項125に記載のSEZ6モジュレーター。
127.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項126に記載のSEZ6モジュレーター。
128.リンカーをさらに含む、請求項127に記載のSEZ6モジュレーター。
129.SEZ6のSushiドメイン3に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
130.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項129に記載のSEZ6モジュレーター。
131.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項130に記載のSEZ6モジュレーター。
132.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項131に記載のSEZ6モジュレーター。
133.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項132に記載のSEZ6モジュレーター。
134.リンカーをさらに含む、請求項133に記載のSEZ6モジュレーター。
135.SEZ6のSushiドメイン4に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
136.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項135に記載のSEZ6モジュレーター。
137.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項136に記載のSEZ6モジュレーター。
138.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項137に記載のSEZ6モジュレーター。
139.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項138に記載のSEZ6モジュレーター。
140.リンカーをさらに含む、請求項139に記載のSEZ6モジュレーター。
141.SEZ6のSushiドメイン5に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
142.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項141に記載のSEZ6モジュレーター。
143.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項142に記載のSEZ6モジュレーター。
144.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項143に記載のSEZ6モジュレーター。
145.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項144に記載のSEZ6モジュレーター。
146.リンカーをさらに含む、請求項145に記載のSEZ6モジュレーター。
147.SEZ6のCUBドメイン1に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
148.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項147に記載のSEZ6モジュレーター。
149.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項148に記載のSEZ6モジュレーター。
150.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項149に記載のSEZ6モジュレーター。
151.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項150に記載のSEZ6モジュレーター。
152.リンカーをさらに含む、請求項151に記載のSEZ6モジュレーター。
153.SEZ6のCUBドメイン2に関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
154.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項153に記載のSEZ6モジュレーター。
155.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項154に記載のSEZ6モジュレーター。
156.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項155に記載のSEZ6モジュレーター。
157.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項156に記載のSEZ6モジュレーター。
158.リンカーをさらに含む、請求項157に記載のSEZ6モジュレーター。
159.SEZ6のN末端ドメインに関連するエピトープと結合する単離SEZ6モジュレーター。
160.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項159に記載のSEZ6モジュレーター。
161.前記抗体又はその免疫反応性断片がモノクローナル抗体を含む、請求項160に記載のSEZ6モジュレーター。
162.前記SEZ6モジュレーターがADCを含む、請求項161に記載のSEZ6モジュレーター。
163.前記ADCがピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項162に記載のSEZ6モジュレーター。
164.リンカーをさらに含む、請求項163に記載のSEZ6モジュレーター。
165.ビンA、ビンB、ビンC、ビンD、ビンE、ビンF及びビンUからなる群から選択されるビンにある単離SEZ6モジュレーター。
166.SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される参照抗体により定義されるビンにある単離SEZ6モジュレーター。
167.式M−[L−D]nの抗体薬コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
a.MがSEZ6モジュレーターを含み;
b.Lがリンカーを含み;
c.Dが抗増殖剤であり;及び
d.nが約1〜約20の整数である、抗体薬コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
168.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項167に記載の抗体薬コンジュゲート。
169.前記抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項168に記載の抗体薬コンジュゲート。
170.前記抗体が、SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される抗体に由来する、請求項169に記載の抗体薬コンジュゲート。
171.前記抗体がヒト化されている、請求項169に記載の抗体薬コンジュゲート。
172.前記リンカーが切断可能なリンカーを含む、請求項167に記載の抗体薬コンジュゲート。
173.前記切断可能なリンカーがペプチジルリンカーを含む、請求項172に記載の抗体薬コンジュゲート。
174.前記抗増殖剤が細胞傷害剤を含む、請求項167に記載の抗体薬コンジュゲート。
175.前記細胞傷害剤がピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項174に記載の抗体薬コンジュゲート。
176.前記ピロロベンゾジアゼピンがピロロベンゾジアゼピン二量体を含む、請求項175に記載の抗体薬コンジュゲート。
177.ビンA、ビンB、ビンC、ビンD、ビンE、ビンF及びビンUからなる群から選択されるビンにある単離SEZ6モジュレーター。
178.SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される参照抗体により定義されるビンにある単離SEZ6モジュレーター。
179.式:
M−[L−D]n
の抗体薬コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩であって、式中
a)MがSEZ6モジュレーターを含み;
b)Lが任意選択のリンカーを含み;
c)Dが、アウリスタチン、メイタンシノイド、アマニチン及びピロロベンゾジアゼピン二量体からなる群から選択される細胞傷害剤であり、
d)nが約1〜約20の整数である、抗体薬コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
180.前記SEZ6モジュレーターが抗体又はその免疫反応性断片を含む、請求項179に記載の抗体薬コンジュゲート。
181.前記抗体がモノクローナル抗体を含む、請求項180に記載の抗体薬コンジュゲート。
182.前記抗体が、SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される抗体に由来する、請求項181に記載の抗体薬コンジュゲート。
183.前記抗体がヒト化されている、請求項182に記載の抗体薬コンジュゲート。
184.リンカーが切断可能なリンカーを含む、請求項183に記載の抗体薬コンジュゲート。
185.前記切断可能なリンカーがペプチジルリンカーを含む、請求項184に記載の抗体薬コンジュゲート。
186.前記抗増殖剤が細胞傷害剤を含む、請求項185に記載の抗体薬コンジュゲート。
187.前記細胞傷害剤がピロロベンゾジアゼピンを含む、請求項186に記載の抗体薬コンジュゲート。
188.前記ピロロベンゾジアゼピンがピロロベンゾジアゼピン二量体を含む、請求項187に記載の抗体薬コンジュゲート。
189.配列番号20〜203のうちいずれか一つ由来のCDRを含むSEZ6モジュレーター。
190.前記モジュレーターが、配列番号20〜203のうちいずれか一つ由来のCDRを複数含む、請求項189に記載のSEZ6モジュレーター。
191.SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200からなる群から選択される参照抗体と、SEZ6タンパク質との結合について競合するSEZ6抗体モジュレーターであって、SEZ6抗体モジュレーターとSEZ6タンパク質との結合が少なくとも30%阻害される、SEZ6モジュレーター。
192.アミノ酸Q12、P14、I16、E17及びE18を含むSEZ6タンパク質エピトープ(配列番号401)と結合するSEZ6モジュレーター。
193.アミノ酸L73、P74、F75、Q76、P77、D78及びP79を含むSEZ6タンパク質エピトープ(配列番号402)と結合するSEZ6モジュレーター。
194.増殖性障害に罹患している対象を治療する方法であって、N末端ドメイン、Sushi 1ドメイン、Cub 1ドメイン、Sushi 2ドメイン、Cub 2ドメイン、Sushi 3ドメイン、Sushi 4ドメイン及びSushi 5ドメインからなる群から選択されるSEZ6ドメインに含まれるエピトープに結合するSEZ6モジュレーターを投与する工程を含む方法。
195.hSC17.16、hSC17.17、hSC17.24、hSC17.28、SC17.34、hSC17.46、SC17.151、SC17.155、SC17.156、SC17.161及びSC17.200からなる群から選択されるヒト化SEZ6抗体モジュレーター。
このように上記に概して説明した本発明は、以下の実施例を参照することにより理解がさらに容易となる。それらの実施例は例示として提供され、本発明を限定するように意図するものではない。本実施例は、以下の実験が全てである又は実施された実験のみであることを表すように意図するものでない。特に指示がない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセルシウス度であり、及び圧力は大気圧又はその前後である。
実施例1
全トランスクリプトーム配列決定法を使用した神経内分泌特徴を有する腫瘍の同定及びマーカー発現の分析
散在内分泌系から生じる神経内分泌腫瘍(NET)はまれであり、10万人に2〜5人の発生率であるが、極めて侵襲的である。神経内分泌腫瘍は、副腎、腎臓、尿生殖路(膀胱、前立腺、卵巣、子宮頸部、及び子宮内膜)、膵臓、胃腸管(胃及び結腸)、甲状腺(甲状腺髄様癌)、及び肺(小細胞肺癌、大細胞神経内分泌癌、及びカルチノイド)に起こる。これらの腫瘍は、カルチノイド症候群として知られる衰弱性の症状を引き起こし得るセロトニン及び/又はクロモグラニンAを含む数種のホルモンを分泌し得る。これらの腫瘍は、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE、γエノラーゼとしても知られる、遺伝子記号=ENO2)、CD56/NCAM1、及びシナプトフィジンなどの免疫組織化学的マーカーが陽性であることにより示され得る。NETの治療において伝統的な化学療法が奏効したことはなく、転移拡散に起因する死亡が一般的な転帰である。残念ながら、ほとんどの場合、外科手術が唯一の可能性のある治癒的処置であり、但し、早期発見後、および腫瘍転移前に行われることが条件である。これに関連して、神経内分泌特徴を含む腫瘍に関連する新規治療標的を同定する研究を行った。
かかる腫瘍を癌患者に存在するものとして同定及び特徴付けするため、当該技術分野で認められている技法を用いて大規模な非伝統的異種移植(NTX)腫瘍バンクを開発及び維持した。多数の異なる腫瘍細胞株を含むNTX腫瘍バンクを、免疫不全マウスにおいて、元は様々な固形腫瘍悪性病変に罹患した多数の癌患者から採取した不均質の腫瘍細胞の複数の継代により増殖させた(本明細書における実施例及び図の一部では、試験された試料の継代数は、試料名に付くp0〜p#によって示されることに留意されたく、ここでp0は、患者腫瘍から直接得られた未継代の試料を示し、p#は、腫瘍が試験前にマウスを通じて継代された回数を示している)。明確に定義された系列を有する多数の異なる初期継代NTX腫瘍細胞株が継続的に利用可能であることにより、そうした細胞株から精製された細胞の同定及び特徴付けが大幅に促進される。かかる研究では、継代が最小限であるNTX細胞株を使用することが、インビボ実験を単純化し、且つ容易に検証可能な結果をもたらす。さらに、初期継代NTX腫瘍はイリノテカン(すなわちCamptosar(登録商標))及びシスプラチン/エトポシドレジメンなどの治療剤に応答し、腫瘍成長を駆動する根底にある機序、現行の治療法に対する抵抗性及び腫瘍再発に関して、臨床的に意義のある洞察を提供する。
NTX腫瘍細胞株が確立されたことに伴い、それらの表現型を様々な方法で特徴付けて、全般的な遺伝子発現を調べた。バンクのどのNTX株がNETであり得るかを同定するため、全トランスクリプトーム配列決定法及び/又はマイクロアレイ解析により遺伝子発現プロファイルを作成した。具体的には、データを調べ、NETで上昇することが知られる、又は神経内分泌分化の組織化学的マーカー(例えば、ASCL1、NCAM1、CHGA)として使用される特異的な遺伝子を高いレベルで発現する腫瘍、並びにNOTCHシグナル伝達の抑制を示すNOTCH経路遺伝子の変化(例えば、NOTCH受容体レベルの低下、並びにリガンド及びエフェクター分子の変化)を伴う腫瘍を同定した。
より詳細には、ヒト腫瘍について重度免疫不全マウスで通常行われるとおり様々なNTX腫瘍細胞株を確立した後、腫瘍を800〜2,000mm3に達したところで摘出し、当該技術分野で認められている酵素消化法を用いて細胞を解離し、懸濁液中に分散させた(例えば、米国特許出願公開第2007/0292414号明細書(これは本明細書に援用される)を参照)。これらのNTX株から解離された細胞調製物を、次にマウス細胞を枯渇させて、次にヒト腫瘍細胞亜集団を蛍光活性化細胞選別によりさらに単離し、RLTplus RNA溶解緩衝液(Qiagen)に溶解した。次にこれらのライセートを、使用まで−80℃で保存した。解凍後、販売業者の指示に従いRNeasy単離キット(Qiagen)を使用して全RNAを抽出し、Nanodrop分光光度計(Thermo Scientific)及びBioanalyzer 2100(Agilent Technologies)で、ここでも製造者のプロトコル及び推奨される機器設定を使用して定量化した。得られた全RNA調製物は、遺伝子配列決定法及び遺伝子発現解析に好適であった。
Applied Biosystems(ABI)SOLiD(Sequencing by Oligo Ligation/Detection:オリゴライゲーション/検出による配列決定法)4.5又はSOLiD 5500xl次世代シーケンシングシステム(Life Technologies)を使用した全トランスクリプトーム配列決定法を、NTX株由来のRNA試料に対して実施した。ローインプット全RNA用に設計されたABIの改良全トランスクリプトーム(WT)プロトコル又はOvation RNA−Seq System V2(商標)(NuGEN Technologies Inc.)のいずれかを使用して、全RNA試料からcDNAを作製した。改良ローインプットWTプロトコルは、1.0ngの全RNAを使用して3’末端でmRNAを増幅し、これがマッピングされた遺伝子発現の重度の3’バイアスをもたらし、一方、NuGenのシステムは、転写物全体にわたってより一貫した増幅を可能にし、ランダムヘキサマーを使用したmRNA及び非ポリアデニル化転写物cDNAの両方の増幅を含む。cDNAライブラリを断片化し、バーコードアダプターを付加することにより、異なる試料由来の断片ライブラリをプールできるようにした。
ABIのSOLiD 4.5及びSOLiD 5500xl次世代シーケンシングプラットフォームは、複数のNTX株及び選別された集団からのトランスクリプトームを並列で配列決定することが可能である。各RNA試料からcDNAライブラリが作製され、これが断片化され、バーコードを付けられる。各断片ライブラリのバーコードにより、複数の試料を等濃度でプールし、且つ試料の特異性を確保しながらも同時に実行することが可能となる。試料はABIのSOLiD(商標)EZ Bead(商標)ロボットシステムを使用したエマルジョンPCRにより取られ、これにより試料の一貫性が確保される。ペアエンド配列決定法により、プール中に存在する単一のビーズ上の各クローン増幅断片につき5’から3’方向に50塩基リード、及び3’から5’方向に25塩基リードが生じる。5500xlプラットフォームの場合、上記の方法でプールされた8個の試料のセット毎に、ビーズが単一のチップに対して6本の単一チャネルレーンに均等に置かれる。これにより、8試料毎に平均して5千万個超の50塩基リード及び5千万個超の25塩基リードが生じることになり、腫瘍細胞におけるmRNA転写レベルの極めて正確な表現が生じる。SOLiDプラットフォームにより作成されたデータは、公表されているヒトゲノムのNCBI バージョンhg19.2を使用してRefSeq バージョン47によりアノテートしたとき34,609個の遺伝子にマッピングされ、ほとんどの試料におけるRNAレベルの検証可能な計測が提供された。
SOLiDプラットフォームは、発現のみならず、専らリードカバレッジ(これまでアノテートされていないゲノム位置にユニークにマッピングされたリード)に基づき、SNP、既知及び未知の選択的スプライシングイベント、低分子非コードRNA、及び潜在的に新しいエクソンの発見も捕捉することができる。従って、この次世代シーケンシングプラットフォームを専用のデータ解析及び視覚化ソフトウェアと組み合わせて使用することにより、このように、差次的転写物発現並びに発現したmRNA転写物の特定のスプライス変異体についての違い及び/又は選択性を見出すことが可能となる。SOLiDプラットフォームからの配列決定データは、公称上、測定基準RPM(リード/100万)及びRPKM(リード/キロベース/100万)を使用して転写物発現値として表され、標準的な手法のとおりの基本的な差次的発現分析が可能である。
4つの小細胞肺癌(SCLC)腫瘍(LU73、LU64、LU86及びLU95)、1つの卵巣腫瘍(OV26)及び大細胞神経内分泌癌(LCNEC;LU37)の全トランスクリプトーム配列決定法により、NETで一般に見られる遺伝子発現パターンを決定した(図6A)。より具体的には、これらの腫瘍では、いくつかのNETマーカー(ASCL1、NCAM1、CHGA)の発現が高かったとともに、Notch受容体及びエフェクター分子(例えば、HES1、HEY1)のレベルが低下し、且つNotch抑制マーカー(例えば、DLL3及びHES6)が上昇していた。対照的に、4つの正常肺試料、3つの肺腺癌腫瘍(LU137、LU146及びLU153)、及び3つの扁平上皮肺癌(LU49、LU70及びLU76)は全て、様々なNotch受容体及びエフェクター分子の発現を有し、且つHES6及びDLL3などのNotch抑制因子の発現上昇を示さない。
さらに、図6Bに見られるとおり、正常組織試料を、神経内分泌特徴を有する種々の肺NTX集団と比較する全トランスクリプトームデータの分析から、神経内分泌特徴を有する4つの肺癌集団(LU73、LU64、LU86及びLU95)では、試験した正常組織の転写物発現が極めて低いか又は全くないことと比較して、mRNA転写物レベルにおいてSEZ6が上方調節されたことが示された。これらの結果は、特定の癌(神経内分泌特徴を有する肺癌を含む)の腫瘍発生及び維持においてSEZ6が重要な役割を果たし得ることを示唆している。これに基づき、潜在的な免疫治療標的としてさらなる分析用にSEZ6を選択した。
実施例2
神経内分泌特徴を有する選択されたNTX腫瘍における遺伝子発現のマイクロアレイ及びRT−PCR解析
SOLiD全トランスクリプトームデータが存在するものに加え、上記のNTXバンクにおいてさらなるNETを同定することを目的に、マイクロアレイ解析を用いて大規模な一組のNTX株を調べた。具体的には、46個のNTX株における全腫瘍に由来するか又は2個の正常組織に由来する2〜6μgの全RNA試料を、ヒトゲノムの19,380個の遺伝子に対して設計された29,187個のプローブを含むOneArray(登録商標)マイクロアレイプラットフォーム(Phalanx Biotech Group)を使用して解析した。より具体的には、結腸直腸癌(CR)、黒色腫(SK)、腎癌(KD)、肺癌(LU)、卵巣癌(OV)、子宮内膜癌(EM)、乳癌(BR)、肝癌(LIV)、又は膵癌(PA)を含む46個の患者由来全NTX腫瘍からRNA試料を(実施例1に記載されるとおり)得た。正常結腸直腸組織(NormCR)及び正常膵臓組織(NormPA)を対照として使用した。さらにより具体的には、肺腫瘍を小細胞肺癌(SCLC)、扁平上皮癌(SCC)、又は大細胞神経内分泌癌(LCNEC)にさらに細分類した。製造者のプロトコルを使用してRNA試料をトリプケートで実行し、各試料の対象遺伝子について得られた強度計測値を正規化及び変換する業界の標準的な手法を用いて、得られたデータを分析した。hclust.2と呼ばれるR/BioConductorパッケージスイートの不偏ピアソンスピアマン階層クラスタリングアルゴリズムを使用して、これらの48個の試料の標準マイクロアレイ樹状図を作成した。当該技術分野において公知のとおり、R/BioConductorは、学術研究、金融及び製薬業界でデータ解析に広く使われているオープンソースの統計プログラミング言語である。概して、遺伝子発現パターン、発現強度等に基づき腫瘍を並べてクラスタリングした。
図7Aに示されるとおり、48個の試料から導き出された全19380個の遺伝子にわたる樹状図により、NTX株がその腫瘍型又は原発組織に基づき共にクラスタリングされた。典型的に神経内分泌表現型と関連付けられるいくつかの腫瘍は、(1)で示される枝に共にクラスタリングされた;これらには、皮膚癌、多数の肺癌及び他のNETが含まれた。興味深いことに、(2)で示される小枝は、神経内分泌特徴を有する2つの大細胞肺癌(LU50.LCNEC及びLU37.LCNEC)及び小細胞肺癌(LU102.SCLC)が卵巣腫瘍(OV26)及び腎腫瘍(KD66)と共にクラスタリングされたことを示しており(クラスターC)、これらの後者の腫瘍もまた神経内分泌表現型を有したことが示唆される。さらに、図7Aは、3つのさらなるSCLC腫瘍からなるクラスターDを示し、その右側に、さらなるSCLC腫瘍(LU100)及び神経内分泌子宮内膜腫瘍(EM6)を含む小さいクラスター(クラスターE)がある。クラスターD及びEの腫瘍は全て、学術文献及び臨床での病理学的経験に基づけば、概していくつかの神経内分泌特徴を有するものと理解される。SCCを含むクラスターGが、図7Aの樹状図の完全に異なる枝に見出され得るという事実は、このクラスタリングが腫瘍の原発器官のみによって駆動されるのではないことを示している。
NETと関連付けられる遺伝子マーカーの集合をよく調べると(図7B)、それらが、クラスターC及びDを含む腫瘍で強力に発現する一方、クラスターGの腫瘍(肺の扁平上皮癌)では最小限しか発現しないことが示され、クラスターC及びDがNET又は神経内分泌表現型を有する腫瘍を表すことが示唆される。より具体的には、クラスターC NETはASCL1、CALCA、CHGA、SST及びNKX2−1を高度に発現する一方、クラスターD NETはCHGA、ENO2、及びNCAM1を高度に発現し、これらの腫瘍のクラスタリングに部分的に関与するのは、これらの神経内分泌表現型遺伝子の発現である。興味深い特徴は、クラスターDにおけるKITの強力な発現であり、遺伝子は神経内分泌腫瘍に関連していると報告されることもあるが、しかし他のコンテクストでは明らかに発癌と関係付けられる遺伝子である。これは、これらの遺伝子のいずれの強力な発現も欠くクラスターGのSCC腫瘍と対照的である(図7B)。
クラスターCの腫瘍は、Notchシグナル伝達の低下と一致した表現型:任意のNotch受容体の発現の欠如、JAG1及びHES1発現の相対的な欠如、及び強度のASCL1発現レベルを示す(図7C)。興味深いことに、クラスターDは、ヘテロ二量体形成によりHES1活性に拮抗することによってASCL1活性を支持できる転写因子であるHES6の高い発現を示す。
上記の結果を踏まえ、Applied Biosystems 7900HT機(Life Technologies)を使用して、製造者のプロトコルに従いTaqmanリアルタイム定量RT−PCR(qRT−PCR)を実施して、種々のNTX株及び正常組織からのHES6のmRNA発現を調べた。RNAを上記に記載したとおり単離し、品質が遺伝子発現解析に好適であることを確実にするため検査した。正常組織由来のRNAは購入した(Agilent Technologies及びLife Technologies)。cDNA合成には、cDNAアーカイブキット(Life Technologies)を使用して200ngのRNAを使用した。cDNAを、HES6のmRNAレベルを計測するためのHES6 Taqmanアッセイを含むTaqman低密度アレイ(TLDA;Life Technologies)でのqRT−PCR分析に使用した。
内在性対照に対して正規化した後のNTX株又は正常組織試料毎にHES6 mRNAレベルを示す(グラフ上の単一の点)。正規化した値を毒性の懸念のある正常組織(NormTox)における平均発現と比べてプロットする。この技法により、HES6及び他の関連マーカーを計測することで、NTX腫瘍バンクからの神経内分泌特徴を有する様々な腫瘍の迅速な同定及び特徴付けが可能となった。図7Dは、正常組織、乳房、結腸、肝臓及び他の選択された腫瘍と比較して、サンプリングした神経内分泌特徴を有する腫瘍(例えば、LU−SCLC、LU−LCNEC)ではHES6が全般的に過剰発現していることを示す。顕著には、これらのマイクロアレイ及びqPCRデータは、少なくとも一部の子宮内膜、腎及び卵巣腫瘍が神経内分泌腫瘍特徴を呈し得ることを示している(図7A及び図7D)。
上記に記載したとおり生成したマイクロアレイデータは、クラスターC、D及びEの腫瘍が様々な神経内分泌マーカーを呈したことを示したのみならず、それらのクラスターの腫瘍が、神経発生、神経コミットメント、又は神経運命に向かう分化の指標となるマーカーを発現したこともまた示した(図7E)。特に興味深いことに、クラスターDの腫瘍は、他のクラスターと比べて多くの場合にこれらのマーカーの多く(例えば、BEX1及びBEX4、CD56、NRCAM、SEMA受容体、SOX及びZIC因子)のより強力でより一貫した上方調節を示し、且つ多くの場合にホルモン上方調節が低下したことから、より神経性の表現型が示唆される。
実施例3
神経内分泌特徴及び神経特徴を有する腫瘍におけるSEZ6 mRNAの発現
全トランスクリプトーム配列決定法(実施例1)並びにマイクロアレイ及びqRT−PCR(実施例2)を含む様々な技法を用いて、神経内分泌特徴を呈する腫瘍を同定した。非神経内分泌腫瘍及び正常組織と比較したとき神経内分泌腫瘍で高度に発現する潜在的な治療標的を見つけるため、このように生成されたデータをさらに分析した。実施例1に考察されるとおり、主に正常脳で発現する1回膜貫通タンパク質であるSEZ6が、多くの神経内分泌腫瘍で高発現することが見出された(図6B)。
実施例2で生成されたマイクロアレイデータから、クラスターC、D及びEに位置する腫瘍が神経内分泌マーカー(図7B)及び神経マーカー(図7E)を発現したことが示された。著しいことに、これらの同じクラスターの腫瘍がまた、高レベルのSEZ6転写物も示したことから、SEZ6が神経内分泌特徴及び神経特徴を有する腫瘍に関連することが示唆された(図7F)。これは、出生後の前脳発達及び成体における海馬の特定の領域での継続的な発現におけるSEZ6の既知の役割と一致している。SEZ6は、細胞間認識及びシグナル伝達において重要な役割を果たすと考えられる。多くの場合に、腫瘍においては発生経路が不適切に発現する。
様々な試料NTX腫瘍株におけるSEZ6 mRNA発現レベルを決定するため、本質的に上記の実施例2に記載されるとおりSEZ6 Taqmanアッセイを使用してqRT−PCRを実施した。図8Aは、正常組織における平均発現に対する、且つ内在性対照遺伝子ALAS1の発現に対して正規化したSEZ6発現を示す。SEZ6遺伝子発現は、正常組織と比べて神経内分泌NTX集団において10,000,000倍超上昇する。図8Aに示されるSCLC NTX株のうち5個は、一次生検から直接抽出したmRNA試料(p0)である。これらの未継代の腫瘍におけるSEZ6の発現は、SEZ6発現が、ヒト腫瘍がマウスで成長することにより生じるアーチファクトではないことを実証している。図8Aには、NSCLCの3つのサブタイプもまた示される:LU25は紡錘細胞癌腫であり、LU50は大細胞神経内分泌癌(LCNEC)であり、及びLU85は扁平上皮癌(SCC)である。それぞれ腎腫瘍及び卵巣腫瘍であるKDY66及びOV26は、マイクロアレイでSCLC及びLCNEC腫瘍と共にクラスタリングされたことから(図7A)、これらもまた神経内分泌特徴を有することが示唆された。
SEZ6発現の分析をより幅広い腫瘍標本に拡張するため、Fluidigm BioMark(商標)HDシステムを使用してqRT−PCRを実施した。簡潔に言えば、実施例1に記載されるとおり調製した1ngのRNAを、cDNAアーカイブキット(Life Technologies)を使用してcDNAに変換した。SEZ6特異的Taqmanアッセイを使用してcDNAを予め増幅し、次にそれを使用してqRT−PCRを実施した。正常組織(NormTox又はNorm)における発現を以下のNTX株における発現と比較したが、ここで括弧内の数字は、試験したユニークなNTX株の数を示す:BR(5)、CR(6)、KDY(9)、OV(16)、PA(9)、肺腺癌(LU−Adeno)(7)、LCNEC(2)、SCC(11)及びSCLC(15)(図8B)。SCLC及びLCNEC NTXは最も高いSEZ6発現を示すが、OV、PA、CR及びLU−Adeno NTX株にもまた、正常組織試料と比較してSEZ6のいくらかの発現が見られた。
「NormTox」は、以下の正常組織試料を表す:2つの結腸、2つの腎臓、2つの肝臓、2つの肺、2つの膵臓、2つの心臓、1つの食道、1つの骨格筋、1つの皮膚、1つの小腸、1つの脾臓、1つの胃、及び1つの気管試料。「Norm」と表示される別の一組の正常組織は、以下の正常組織試料を表す:脳、乳房、子宮頸部、卵巣、末梢血単核細胞、胎盤、前立腺、精巣、胸腺、及び甲状腺。ほとんどの正常組織はSEZ6を発現しないが、膵臓、結腸、肝臓及び肺では低発現が見られ、及び脳では高発現が見られる。本質的に上記と同じ方法を用いた別のSEZ6特異的Taqmanアッセイを、様々なNTX腫瘍株に対して実施した。各腫瘍型について試験した腫瘍株の数を分母として示し、一方、SEZ6を発現した腫瘍の数を分子として示す:1/5 CR、2/2 GA、1/1 GB(膠芽腫)、1/1 KDY、2/6 SK、2/4 LU−Adeno、2/2 LCNEC、3/10 LU−SCC、10/10 SCLC及び1/2 OV(データは示さず)。
まとめると、これらのデータは、神経内分泌特徴及び神経特徴を呈する腫瘍においてSEZ6が上方調節されることを示唆しており、これらの腫瘍型を治療するための治療標的となり得ることが示唆される。
実施例4
qRT−PCRを使用した様々な腫瘍及び正常組織標本におけるSEZ6 mRNAの発現
SEZ6発現の分析をより幅広い腫瘍標本に拡張するため、TissueScan(商標)qPCR(Origene Technologies)384ウェルアレイで、実質的に前出の実施例に記載されるとおりTaqman qRT−PCRを実施した。このアレイは、各腫瘍型につき複数の患者由来試料及び正常な隣接組織からの該試料と、18種の異なる固形腫瘍型にわたる遺伝子発現との比較を可能にする。
これに関して、図9A及び図9Bは、18種の異なる固形腫瘍型のうちの一つを有する患者由来の全腫瘍標本(灰色の点)又は正常な隣接組織(NAT;白色の点)におけるSEZ6の、それぞれ絶対的及び相対的な遺伝子発現レベルを示す。より具体的には、図9Aは、様々な全腫瘍標本又は対応する正常な隣接組織におけるSEZ6の絶対mRNA発現レベルを示す。図9Bは、分析した各腫瘍型についてβ−アクチンに対して正規化し、且つ正常な隣接組織における発現に対してプロットしたときのSEZ6の発現レベルを示す。SEZ6が検出されなかった標本には50のCt値を割り当てたが、これは実験プロトコルにおける最後の増幅サイクルを表す。各点が単一の組織標本を表し、幾何平均値を黒色の線として表す。
このOrigeneアレイを使用して、一部の副腎癌、肝癌、肺癌、卵巣癌、及び膵癌にSEZ6の過剰発現が見られた。これらの癌の多くは神経内分泌腫瘍又は低分化型神経内分泌表現型を有する腫瘍に相当し得る。図9Aの絶対遺伝子発現によって示されるとおり、SEZ6の高発現を有する正常組織は、正常精巣及び膵臓のみである。これは、SEZ6が、限定はされないが神経内分泌特徴及び神経特徴を有する腫瘍を含む多種多様な腫瘍の腫瘍発生及び/又は腫瘍進行において役割を果たし得ることを示唆している。
実施例5
組換えSEZ6タンパク質のクローニング及び発現
ヒトSEZ6
ヒトSEZ6に関連して本発明に必要な全ての分子及び細胞材料を生成及び開発するため、完全成熟ヒトSEZ6タンパク質(図3B、配列番号6)をコードするcDNA(図3A;配列番号5)を以下のとおり作製した。市販のヒトSEZ6 cDNAをOpen Biosystemsから購入し、このcDNA配列はNCBI登録番号BC146292に対応した。配列アラインメントから、BC146292によりコードされるタンパク質が、内因性ヒトSEZ6タンパク質をコードするRefSeq NP_849191と数残基だけ異なることが示された(残基414、415及び417、図3Cを参照)。PCRを使用して、BC146292クローンからの2つの別個のcDNA断片を増幅し、ここでは使用したプライマーが、オーバーラップPCRのプロセス中にcDNAの残基414〜417に所望の変化を導入したことで、NM_178860(内因性ヒトSEZ6タンパク質をコードするmRNA配列)によってコードされるものと同一の配列を有する成熟SEZ6タンパク質をコードするcDNAが作製された。hSCRx17(図3A)と称されるこの修復cDNAクローンを、成熟ヒトSEZ6タンパク質又はその断片を発現するコンストラクトの以降の全ての工学的改変に使用した。
SEZ6分子に対して免疫反応性の又は免疫特異的なモジュレーターを生成するため、キメラ融合遺伝子を生成し、ここではヒトSEZ6タンパク質のECD部分をヒトIgG2 Fcドメインと融合した(図4A、配列番号8)。これは以下のとおり行われた:SEZ6のECDをコードするcDNAをhSCRx17cDNAクローン(図3A)からPCR増幅し、続いてこのPCR産物を、標準的な分子技法を使用して、CMV駆動発現ベクターにインフレームでIgKシグナルペプチド配列の下流且つヒトIgG2 Fc cDNAの上流にサブクローニングした。hSCRx17−Fc ORFと称されるhSEZ6−Fc融合タンパク質をコードするcDNA配列を、図4Aに示す;hSCRx17−Fc ORFによりコードされる対応するタンパク質配列を、図4Bに示す(配列番号9)。配列の下線の領域はヒトIgG2 Fcに対応する。太下線の領域はIgKシグナルペプチドに対応し、及び太字フォントの配列は、SEZ6 ECDが隣接するクローニング制限部位によりコードされる融合タンパク質の部分に対応する。
組換えhSEZ6 ECDタンパク質を生成するため、同様のPCRベースの戦略を用いた。SEZ6のECDをコードするcDNA断片をhSCRx17 cDNAクローンから増幅し、CMV駆動発現ベクターにインフレームでIgKシグナルペプチド配列の下流且つインフレームで9−ヒスチジンエピトープタグ(配列番号400)をコードする配列の上流にサブクローニングした。
CMV駆動発現ベクターにより、HEK−293T及び/又はCHO−S細胞における高レベルの一過性発現が可能となる。HEK−293T細胞の懸濁液若しくは付着培養物、又は懸濁CHO−S細胞に、ポリエチレンイミンポリマーをトランスフェクション試薬として使用して、hSEZ6 ECD−Fc又はhSEZ6−ECD−Hisタンパク質のいずれかをコードする発現コンストラクトをトランスフェクトした。トランスフェクションの3〜5日後、hSEZ6 ECD−Fc又はhSEZ6−ECD−Hisタンパク質を、それぞれAKTA explorer及びMabSelect SuRe(商標)プロテインA(GE Healthcare Life Sciences)又はニッケル−EDTA(Qiagen)カラムのいずれかを使用して、清澄化した細胞上清から精製した。
レンチウイルスベクターを使用してHEK−293T細胞を以下のとおり形質導入することにより、組換えヒトSEZ6を過剰発現する安定細胞株を構築した:hSCRx17クローンを鋳型として使用してPCR増幅を実施することにより、成熟ヒトSEZ6タンパク質をコードするcDNA断片を作製した。生成された断片を、標準的な分子クローニング技術を用いて、pCDH−EF1−MCS−T2A−GFP(System Biosciences)の多重クローニング部位の上流に予め工学的に改変したIgKシグナルペプチド及びDDKエピトープタグをコードする配列の下流にインフレームでサブクローニングした。得られたバイシストロン性レンチウイルスベクターを使用してヒトSEZ6−T2Aペプチド−GFPポリペプチドを過剰発現する細胞株を工学的に改変した。T2A配列はペプチド結合縮合のリボソームスキッピングを促進して、2つの独立したタンパク質、この場合SEZ6とGFPとをもたらす。
マウスSEZ6
組換えマウスSEZ6を過剰発現する安定細胞株を、本質的に組換えヒトSEZ6に関して上記に記載したとおり工学的に改変した。HEK−293T細胞を、マウスSEZ6を発現するレンチウイルスベクターで形質導入した。このベクターは、本質的に以下のとおり工学的に改変した。NCBIデータベースにRefSeq NM_021286として掲載される成熟マウスSEZ6タンパク質(図5B;配列番号11)をコードするcDNA断片(図5A;配列番号10)を、市販のマウスSEZ6 cDNA(Origene;#MC203634)からPCR増幅によって得て、標準的な分子クローニング技術を用いて、pCDH−EF1−MCS−IRES−RFP(System Biosciences)の多重クローニング部位の上流に予め工学的に改変したIgKシグナルペプチド配列及びDDKエピトープタグ配列の下流にサブクローニングした。これによりバイシストロン性レンチウイルスベクターが得られ、それを使用して、マウスSEZ6及びRFPを過剰発現するHEK−293T細胞株を作製した。
ラットSEZ6
ラットSEZ6タンパク質に関連して本発明に必要な全ての分子及び細胞材料を生成及び開発するため、完全成熟ラットSEZ6タンパク質(図5D、配列番号13)をコードするcDNA(図5C、配列番号12)を以下の通りに得た。完全長成熟ラットタンパク質(すなわち、野生型シグナルペプチドを含まない完全長タンパク質)をコードするcDNAを、ラット脳marathon−ready cDNA(Clontech #639412)から増幅した。配列アラインメントから、コードされたタンパク質のECDが、NCBIデータベースにRefSeq NP_001099224として掲載される内因性ラットSEZ6タンパク質と相同であることが示された。rSCRx17(図5D)と称されるこのcDNAクローンを、ラットSEZ6タンパク質断片を発現するコンストラクトの以降の工学的改変に使用した。
カニクイザルSEZ6
カニクイザルSEZ6タンパク質に関連して本発明に必要な全ての分子及び細胞材料を生成及び開発するため、カニクイザルSEZ6タンパク質(図5F、配列番号15)をコードするcDNA(図5E、配列番号14)を以下のとおり得た:予測されるカニクイザルSEZ6 ORF配列を、バイオインフォマティクス解析によって以下の方法で構築した:ヒトSEZ6遺伝子のORFをNCBI登録番号NM_178860から得て、BLASTアルゴリズムを使用してNCBIデータベースの全ゲノムショットガン配列決定用コンティグと比較した。次にBLASTの結果を使用して、推定カニクイザルSEZ6 ORFを構築した。このBLASTにより導かれた配列から、カニクイザルSEZ6の予測野生型シグナルペプチドをコードする配列を除去し、IgKシグナルペプチド配列をコードする配列に置き換えた。哺乳類細胞での産生用にコドンを最適化した後、この完成したハイブリッドORF配列を合成遺伝子として注文した(GeneWiz)。cSCRx17と称されるこの最適化されたcDNAクローン(図3E)を、カニクイザルSEZ6タンパク質断片を発現するコンストラクトの以降の工学的改変に使用した。
ヒトSEZ6L及びSEZ6L2
ヒトゲノムには、SEZ6と近縁の2つの遺伝子−発作関連6ホモログ様(SEZ6L)と発作関連6ホモログ様−2(SEZ6L2)とがある。これらの3つのタンパク質間の全体的な同一性パーセントは比較的低いが(約42%)、これらのタンパク質のうちの2つ又は3つ全ての間に、完全に同一のより短いストレッチがある。抗SEZ6モジュレーターとヒトSEZ6L及びSEZ6L2タンパク質とのあらゆる可能性のある交差反応性を調べるため、ヒトSEZ6Lタンパク質(NP_0066938)及びヒトSEZ6L2タンパク質(NP_001230261)のECDをコードするオープンリーディングフレームをコドン最適化し、合成した(GeneWiz)。ヒトSEZ6L又はSEZ6L2タンパク質のECDをコードするこれらの最適化cDNA配列は、図5G及び図5Iに示す。
交差反応性試験の材料
本発明のSEZ6モジュレーターがラット及び/又はカニクイザルSEZ6相同体と交差反応するか、又は近縁のヒトSEZ6L及びSEZ6L2タンパク質と交差反応するかかどうかを試験するため、材料を生成した。ラット又はカニクイザルSEZ6タンパク質のいずれかのECD部分(それぞれ図5D及び図5Fの下線部)が9−ヒスチジンエピトープタグ(配列番号400)と融合したキメラ融合遺伝子を設計した。PCRを使用して、ラット又はカニクイザルSEZ6のいずれかのECDをコードするcDNA断片を、それぞれrSCRx17又はcSCRx17のいずれかから増幅し、CMV駆動発現ベクターにインフレームでIgKシグナルペプチド配列の下流、及びインフレームで9−ヒスチジンエピトープタグ(配列番号400)をコードする配列の上流にサブクローニングした。同様に、ヒトSEZ6L又はSEZ6L2タンパク質のECD部分をコードするオープンリーディングフレームがCMV駆動発現ベクターにインフレームでIgKシグナルペプチド配列の下流、及びインフレームで9−ヒスチジンエピトープタグ(配列番号400)をコードする配列の上流にサブクローニングされたキメラ融合遺伝子を設計した。結果として得られた、これらの融合タンパク質についてコードされたタンパク質配列を、それぞれ図5H及び図5Jに示し、ここで下線の配列は、考察中の特定のタンパク質のECDを表す。
上記で生成したラット及びカニクイザルSEZ6 ECD−Hisベクターを使用して、それぞれ組換えrSEZ6−ECD−Hisタンパク質及びcSEZ6−ECD−Hisタンパク質を以下のとおり作製及び精製した:当該技術分野で認められている技法を用いて、HEK−293T細胞の懸濁液若しくは付着培養物、又は懸濁CHO−S細胞に、rSEZ6−ECD−His又はcSEZ6−ECD−Hisタンパク質をコードする発現ベクターをトランスフェクトした。ポリエチレンイミンポリマーをトランスフェクション試薬として使用した。トランスフェクションの3〜5日後、rSEZ6−ECD−His又はcSEZ6−ECD−Hisタンパク質を、AKTA explorer及びニッケル−EDTA(Qiagen)カラムを使用して、清澄化した細胞上清から精製した。同様に、ヒトSEZ6L及びSEZ6L2 ECD−Hisベクターを使用して、ラット及びカニクイザル相同体について記載されるとおり、組換えヒトSEZ6L及びヒトSEZ6L2 ECD−Hisタンパク質を作製及び精製した。
実施例6
抗SEZ6マウスモジュレーターの生成
マウス抗体の形態のSEZ6モジュレーターを、本明細書の教示に従いヒトSEZ6−Fcの接種によって作製した。これに関して3つのマウス系統を使用することにより、様々な増殖性障害の予防及び/又は治療のためSEZ6との会合及び/又はその作用の阻害に使用することのできる高親和性マウスモノクローナル抗体モジュレーターを生成した。具体的には、Balb/c、CD−1及びFVBマウス系統をヒト組換えSEZ6−Fcで免疫し、ハイブリドーマの作製に使用した。
実施例5に記載されるとおりのコンストラクトSEZ6−Fcを過剰発現するCHO−S細胞の上清から、SEZ6−Fc抗原を精製した(図4A及び図4B)。初回の免疫には10μgのSEZ6−Fc免疫原を使用し、次に以降の3回の免疫及び5回の免疫に、それぞれ5μg及び2.5μgのSEZ6−Fc免疫原を使用した。全ての免疫を、等体積のTITERMAX(登録商標)Gold(CytRx Corporation)又はミョウバンアジュバントとともに乳化した免疫原により実施した。6匹の雌マウス(各2匹のBalb/c、CD−1、FVB)を全ての注射について足蹠経路によって免疫することにより、マウス抗体を生成した。
固相ELISAアッセイを用いることにより、ヒトSEZ6に特異的なマウスIgG抗体についてマウス血清をスクリーニングした。バックグラウンドを上回る陽性シグナルが、SEZ6に特異的な抗体を示した。簡潔に言えば、96ウェルプレート(VWR International、カタログ番号610744)に、ELISAコーティング緩衝液中0.5μg/mlの組換えSEZ6−Hisを一晩コーティングした。0.02%(v/v)Tween 20を含有するPBSで洗浄した後、ウェルをPBS中3%(w/v)BSA、200μL/ウェルにより室温(RT)で1時間ブロックした。マウス血清をタイトレーションし(1:100、1:200、1:400、及び1:800)、SEZ6をコーティングしたプレートに50μL/ウェルで添加して、RTで1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、次に、3%BSA−PBS又はPBS中2%FCSに1:10,000希釈した50μL/ウェルのHRP標識ヤギ抗マウスIgGと共にRTで1時間インキュベートした。再びプレートを洗浄し、40μL/ウェルのTMB基質溶液(Thermo Scientific 34028)をRTで15分間添加した。発色後、等体積の2N H2SO4を添加して基質の発色を停止させ、分光光度計によりOD 450でプレートを分析した。
血清陽性免疫マウスを犠牲にし、流入領域リンパ節(膝窩及び鼠径、及び拡げた場合には内側腸骨)を切り取って、抗体産生細胞の供給源として使用した。B細胞の単一細胞懸濁液(228.9×106細胞)を非分泌P3x63Ag8.653骨髄腫細胞(ATCC #CRL−1580)と1:1の比で電気融合により融合させた。電気融合は、BTX Hybrimmune(商標)システム(BTX Harvard Apparatus)を使用して製造者の指示どおり実施した。融合手順の後、15%Fetal Clone I血清(Hyclone)、10%BM Condimed(Roche Applied Sciences)、4mM L−グルタミン、100IU ペニシリン−ストレプトマイシン及び50μM 2−メルカプトエタノールを含有するピルビン酸ナトリウム(Cellgro カタログ番号15−017−CM)を含む高グルコースDMEM培地であって、アザセリン(Sigma #A9666)を補充したハイブリドーマ選択培地に細胞を再懸濁し、次に、3つのT225フラスコ中のフラスコ当たり90mLの選択培地に播いた。次にフラスコを、5%CO2及び95%空気が入った加湿した37℃のインキュベーターに6〜7日間置いた。
6〜7日間の成長の後、T225においてバルク成長させた細胞からなるライブラリを、Aria Iセルソーターを使用してFalcon96ウェルU底プレートにウェル当たり1細胞で播いた。次に、15%Fetal Clone I血清(Hyclone)、10%BM−Condimed(Roche Applied Sciences)、1mM ピルビン酸ナトリウム、4mM L−グルタミン、100IU ペニシリン−ストレプトマイシン(Streptamycin)、50μM 2−メルカプトエタノール、及び100μM ヒポキサンチンを含有する200μLの培養培地において、選択したハイブリドーマを成長させた。残りの未使用のハイブリドーマライブラリ細胞は全て、その後のライブラリ試験用に凍結した。10〜11日間成長させた後、播いた細胞の各ウェルからの上清を、SEZ6に対する抗体反応性についてELISA及びFACSアッセイによりアッセイした。
ELISAによるスクリーニングのため、96ウェルプレートをPBS中0.3μg/mLのSEZ6−Fcにより4℃で一晩コーティングした。プレートを洗浄し、PBS/Tween中3%BSAにより37℃で1時間ブロックし、直ちに使用するか、又は4℃で保存した。未希釈のハイブリドーマ上清を、プレートにおいてRTで1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、3%BSA−PBS中1:10,000希釈したHRP標識ヤギ抗マウスIgGによりRTで1時間プローブした。次にプレートを上記に記載したとおりの基質溶液と共にインキュベートし、OD 450で読み取った。バックグラウンドを上回るシグナルにより決定するとき、ヒトSEZ6を優先に結合した免疫グロブリンが含まれるウェルを、移して拡大した。
マウス免疫グロブリンを分泌する選択された成長陽性ハイブリドーマウェルはまた、前の実施例で作製した、選択された抗原又はコンストラクトを過剰発現するように工学的に改変した293細胞によるフローサイトメトリーベースのアッセイを用いて、ヒトSEZ6特異性並びにカニクイザル、ラット及びマウスSEZ6交差反応性についてスクリーニングした。
フローサイトメトリーアッセイのため、それぞれヒト、カニクイザル、ラット又はマウスSEZ6で形質導入した50×104個のh293細胞を、25〜100μLのハイブリドーマ上清と共に30分間インキュベートした。細胞をPBS、2%FCSで2回洗浄し、次に、PBS/2%FCS中1:200希釈のDyLight 649にコンジュゲートした50μLのヤギ抗マウスIgG Fc断片特異的二次抗体と共にインキュベートした。15分間インキュベートした後、細胞をPBS、2%FCSで2回洗浄し、DAPIを含む同じ緩衝液に再懸濁し、製造者の指示どおりFACSCanto IIを使用してフローサイトメトリーにより分析した。SEZ6+ GFP+細胞を優先的に結合した免疫グロブリンが含まれるウェルを移して拡大した。得られたhSEZ6特異的クローナルハイブリドーマをCS−10凍結培地(Biolife Solutions)に凍結保存し、液体窒素中に保存した。ヒト、カニクイザル、ラット又はマウスSEZ6細胞と結合した抗体が、交差反応性を有するものと認められた(図11Aを参照)。
ELISA及びフローサイトメトリー分析により、これらのハイブリドーマのほとんど又は全てからの精製抗体が、濃度依存的にSEZ6と結合したことが確認された。SEZ6 GFP細胞と結合した免疫グロブリンを含むウェルを移して拡大した。得られたクローナルハイブリドーマをCS−10凍結培地(Biolife Solutions)に凍結保存し、液体窒素中に保管した。
1回の融合を実施し、48プレートに播種した(約40%のクローニング効率で4608ウェル)。初期スクリーニングにより、ヒトSEZ6と会合した63個のマウス抗体が得られた。続いて2回目のスクリーニングを実施し、ヒトSEZ6と会合した134個の抗体を得た。
実施例7
SEZ6マウスモジュレーターの配列決定
上記に基づき、配列決定及びさらなる分析のため、固定化したヒトSEZ6又はh293−hSEZ6細胞と見かけ上高い親和性で結合する複数の例示的な個別のモノクローナル抗体を選択した。図10A及び図10Bに表形式で示されるとおり、実施例6で作成した選択されたモノクローナル抗体由来の軽鎖可変領域(図10A)及び重鎖可変領域(図10B)の配列分析から、多くが新規の相補性決定領域を有し、多くの場合に新規VDJ配列を示したことが確認された。図10A及び図10Bに示される相補性決定領域は、Chothia et al.(上掲)に従い定義されることに留意されたい。
例示的モジュレーターを配列決定する最初の工程として、選択されたハイブリドーマ細胞をTrizol(登録商標)試薬(Trizol Plus RNA精製システム、Life Technologies)に溶解してRNAを調製した。これに関して、104〜105細胞を1mL Trizolに再懸濁し、200μLのクロロホルムを添加した後、激しく振盪した。次に試料を4℃で10分間遠心分離し、新しい微量遠心チューブに水相を移して、そこに等体積のイソプロパノールを添加した。チューブを再び激しく振盪し、RTで10分間インキュベートさせた後、4℃で10分間遠心分離した。得られたRNAペレットを1mLの70%エタノールで1回洗浄し、RTで短時間乾燥させた後、40μLのDEPC処理水に再懸濁した。RNA調製物の品質を、1%アガロースゲルにおいて3μLを分画することにより決定した後、使用まで−80℃で保存した。
完全なマウスVHレパートリーを標的とするように設計された、32個のマウス特異的リーダー配列プライマーを含む5’プライマーミックスを、全てのマウスIgアイソタイプに特異的な3’マウスCγプライマーと組み合わせて使用して、各ハイブリドーマのIg重鎖の可変領域を増幅した。同じPCRプライマーを使用して、VHの400bp PCR断片を両端から配列決定した。同様に、Vκマウスファミリーの各々を増幅するように設計された32個の5’Vκリーダー配列プライマーのミックスを、マウスκ定常領域に特異的な単一のリバースプライマーと組み合わせて使用して、κ軽鎖を増幅及び配列決定した。100ngの全RNAから、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用してVH及びVL転写物を増幅した。
各ハイブリドーマにつき、Vκ軽鎖について4ラン、Vγ重鎖(γ1)について4ランの、合計8ランのRT−PCR反応を実行した。増幅にはOne Step RT−PCRキットを使用した(Qiagen)。このキットは、Sensiscript及びOmniscript逆転写酵素、HotStarTaq DNAポリメラーゼ、dNTPミックス、緩衝液、及び「難しい」(例えば、GCリッチの)鋳型の効率的増幅を可能にする新規添加剤であるQ−Solutionのブレンドを提供する。3μLのRNA、0.5の100μMの重鎖プライマー或いはκ軽鎖プライマーのいずれか(IDTによりカスタム合成された)、5μLの5×RT−PCR緩衝液、1μL dNTP、逆転写酵素及びDNAポリメラーゼを含有する1μLの酵素ミックス、及び0.4μLのリボヌクレアーゼ阻害薬RNasin(1単位)を含む反応混合物を調製した。この反応混合物は、逆転写及びPCRの両方に必要な全ての試薬を含む。サーマルサイクラープログラムは、RTステップ50℃で30分、95℃で15分、続いて30サイクルのPCR(95℃で30秒、48℃で30秒、72℃で1分)に設定した。次に72℃で10分の最終インキュベーションがあった。
直接DNA配列決定用のPCR産物を調製するため、製造者のプロトコルに従いQIAquick(商標)PCR精製キット(Qiagen)を使用して、それらのPCR産物を精製した。50μLの滅菌水を使用してスピンカラムからDNAを溶出させ、次に両鎖から直接配列決定した。特異的V領域プライマーを使用して、抽出したPCR産物を直接配列決定した。IMGTを使用してヌクレオチド配列を解析し、最も高い配列相同性を有する生殖細胞系列V、D及びJ遺伝子メンバーを同定した。得られた配列を、V−BASE2(Retter et al.、上掲)を使用して、且つVH及びVL遺伝子をマウス生殖細胞系列データベースとアラインメントして図10A及び図10Bに示されるアノテートされた配列を提供することにより、Ig V領域及びJ領域の既知の生殖細胞系列DNA配列と比較した。
より具体的には、図10Aは、抗SEZ6抗体由来の75個の新規マウス軽鎖可変領域(配列番号20〜168、偶数)及び代表的なマウス軽鎖に由来する11個のヒト化軽鎖可変領域(配列番号170〜192、偶数)の連続アミノ酸配列を示す。同様に、図10Bは、同じ抗SEZ6抗体由来の75個の新規マウス重鎖可変領域(配列番号21〜169、奇数)及びヒト化軽鎖を提供するのと同じマウス抗体由来の11個のヒト化重鎖可変領域((配列番号171〜193、奇数)の連続アミノ酸配列を示す。従って、まとめると、図10A及び図10Bは、75個の動作可能なマウス抗SEZ6抗体(SC17.1、SC17.2、SC17.3、SC17.4、SC17.8、SC17.9、SC17.10、SC17.11、SC17.14、SC17.15、SC17.16、SC17.17、SC17.18、SC17.19、SC17.22、SC17.24、SC17.27、SC17.28、SC17.29、SC17.30、SC17.32、SC17.34、SC17.35、SC17.36、SC17.38、SC17.39、SC17.40、SC17.41、SC17.42、SC17.45、SC17.46、SC17.47、SC17.49、SC17.50、SC17.53、SC17.54、SC17.56、SC17.57、SC17.59、SC17.61、SC17.63、SC17.71、SC17.72、SC17.74、SC17.76、SC17.77、SC17.79、SC17.81、SC17.82、SC17.84、SC17.85、SC17.87、SC17.89、SC17.90、SC17.91、SC17.93、SC17.95、SC17.97、SC17.99、SC17.102、SC17.114、SC17.115、SC17.120、SC17121、SC17.122、SC17.140、SC17.151、SC17.156、SC17.161、SC17.166、SC17.187、SC17.191、SC17.193、SC17.199及びSC17.200と称される)及び11個のヒト化抗体(hSC17.16、hSC17.17、hSC17.24、hSC17.28、hSC17.34、hSC17.46、hSC17.151、hSC17.155、hSC17.156、hSC17.161及びhSC17.200と称される)のアノテートされた配列を提供する。これらの同じ名称が、本抗体を産生するクローンを指すこともあり、そのため、いずれかの特定の名称の使用は、周辺の開示の文脈の中で解釈されなければならないことに留意されたい。
加えて、hSC17.200vL1(配列番号192)はヒト化軽鎖コンストラクトhSC17.200(配列番号190)の変異体であり、hSC17.155vH1〜vH6(配列番号193〜198)は、SC17.90(配列番号127)に由来する重鎖コンストラクトhSC.155(配列番号184)の変異体であり、及びhSC161vH1(配列番号199)は、重鎖コンストラクトhSC17.161(配列番号189)の変異体である。以下でさらに詳細に考察するとおり、これらの変異体を構築及び試験して、親抗体の1つ以上の生化学的特性を最適化した。
さらに、図10A及び図10Bに示される75個の例示的マウスモジュレーター及び11個のヒト化モジュレーター並びに変異体の各々の対応する核酸配列が、本願の配列表に含まれる(配列番号220〜399)。
本願の目的上、それぞれの特定の抗体の配列番号は連番である。従ってmAb SC17.1は、それぞれ軽鎖及び重鎖可変領域に対して配列番号20及び21を含む。これに関連して、SC17.2は配列番号22及び23を含み、SC17.9は配列番号24及び25を含む等となる。さらに、図10A及び図10Bにおける各抗体アミノ酸配列の対応する核酸配列が、本明細書と共に提出された配列表として本願に添付される。本配列表では、含まれる核酸配列は、対応するアミノ酸配列(軽鎖又は重鎖)より200大きい配列番号を含む。従って、mAb SC17.1の軽鎖及び重鎖可変領域アミノ酸配列(すなわち、配列番号20及び21)をコードする核酸配列は、配列表では配列番号220及び221を含む。これに関して、本開示の軽鎖及び重鎖可変領域アミノ酸配列の全てをコードする核酸配列は、ヒト化コンストラクト及びその変異体をコードするものを含め、同様に付番され、配列番号220〜399を含む。
実施例8
キメラ及びヒト化SEZ6モジュレーターの生成
上記で言及したとおり、実施例7のマウス抗体のうち11個は、相補性決定領域(CDR)グラフティングを用いてヒト化した。機能性のヒト生殖系列遺伝子に関する配列及び構造の類似度に基づき、重鎖及び軽鎖のヒトフレームワークを選択した。これに関して、構造の類似度は、Chothia et al.(上掲)に記載されるとおり、マウスのカノニカルなCDR構造を同じカノニカルな構造を有するヒト候補と比較することにより評価した。
より詳細には、11個のマウス抗体SC17.16、SC17.17、SC17.24、SC17.28、SC17.34、SC17.46、SC17.151、SC17.155、SC17.156、SC17.161及びSC17.200を、コンピュータ支援CDRグラフティング方法(Abysis Database,UCL Business Plc.)及び標準的な分子工学的改変技法を用いてヒト化することにより、hSC17.16、hSC17.17、hSC17.24、hSC17.28、hSC17.34、hSC17.46、hSC17.151、hSC17.155、hSC17.156、hSC17.161及びhSC17.200モジュレーターを提供した。可変領域のヒトフレームワーク領域は、対象マウスフレームワーク配列及びそのカノニカルな構造に対するそれらの最も高い配列相同性に基づき選択した。ヒト化解析の目的上、CDRドメインの各々に対するアミノ酸の割当ては、Kabat et al.の付番(上掲)に従う。
当該技術分野で認められている技法を用いて分子工学的改変手順を行った。そのために、上記の実施例7に記載されるとおりハイブリドーマから全mRNAを抽出して増幅した。
ヌクレオチド配列情報から、対象マウス抗体の重鎖及び軽鎖のV、D及びJ遺伝子セグメントに関するデータを得た。配列データに基づき、組換えモノクローナル抗体のクローニング用に、抗体のIg VH及びVK軽鎖のリーダー配列に特異的な新しいプライマーセットを設計した。続いてV−(D)−J配列をマウスIg生殖系列配列とアラインメントした。11個のヒト化コンストラクトの各々について得られた遺伝子配列(genetic arrangement)を、下掲の表1に示す。
表1に掲載されるヒト化抗体は、図10A及び図10Bに示されるアノテートされた軽鎖及び重鎖配列(配列番号170〜191)に対応する。軽鎖及び重鎖可変領域の対応する核酸配列は、配列表に示される。表1は、結合モジュレーターの好ましい特性を維持するのにフレームワーク変化はほとんど必要ないことをさらに実証している。この点において、フレームワーク変化又は復帰突然変異は重鎖可変領域の3つにのみ作製し、且つ軽鎖可変領域に2つのフレームワーク修飾を行ったのみである。
一部のヒト化軽鎖及び重鎖可変領域(例えばhSC17.200、hSC17.155及びhSC17.161)については、CDRに保存的アミノ酸突然変異を導入することにより、抗原結合を維持しながら安定性の懸念に対処したことに留意されたい。いずれの場合も、修飾されたCDRを有する抗体の結合親和性は、対応するキメラ抗体或いはマウス抗体と同等であることが分かった。9個の例示的ヒト化変異鎖(軽鎖及び重鎖)の配列を図10A及び図10Bの最後に掲載し(配列番号192〜199)、これらはヒト化親鎖の名称を引き継ぐとともに、変化していることを示す記号を伴う(例えばhSC17.200vL1、hSC17.155vH1〜6及びhSC17.161vH1)。
全ての選択された抗体をCDRグラフティングによりヒト化した後、得られた軽鎖及び重鎖可変領域アミノ酸配列を分析して、マウスドナー及びヒトアクセプター軽鎖及び重鎖可変領域に関するそれらの相同性を決定した。以下の表2に示す結果により、ヒト化コンストラクトが一貫して、マウスドナー配列と比べてヒトアクセプター配列に対してより高い相同性を呈したことが明らかである。より詳細には、ヒト化重鎖及び軽鎖可変領域は、概して、ヒト化可変領域配列とドナーハイブリドーマタンパク質配列との相同性(74%〜89%)と比較したとき、ヒト生殖系列遺伝子の最近接マッチに対してより高い相同性パーセンテージを示す(84%〜95%)。
試験によって、且つ実施例9で考察するとおり、ヒト化コンストラクトの各々が、マウス親抗体が示すものとおよそ同等の好ましい結合特性を呈した(データは示さず)。
ヒト化であろうと、又はマウスであろうと、可変領域の核酸配列が決定されると、本発明の抗体を、当該技術分野で認められている技法を用いて発現させ、単離することができる。そのために、選択された重鎖(ヒト化又はマウス)可変領域の合成DNA断片をヒトIgG1発現ベクターにクローニングした。同様に、可変領域軽鎖DNA断片(ここでもヒト化又はマウス)をヒト軽鎖発現ベクターにクローニングした。次に選択された抗体を、得られた重鎖及び軽鎖核酸コンストラクトをCHO細胞にコトランスフェクトすることにより発現させた。
より詳細には、一つの適合性のある抗体産生方法は、選択されたヒト免疫グロブリン発現ベクターへのマウス又はヒト化可変領域遺伝子(PCRを用いて増幅した)のディレクショナルクローニングを含んだ。Ig遺伝子特異的PCRに使用した全てのプライマーが制限部位を含み、これにより、ヒトIgG1重鎖及び軽鎖定常領域を含む発現ベクターへのダイレクトクローニングが可能であった。簡潔に言えば、Qiaquick PCR精製キット(Qiagen)と、続く、それぞれAgeI及びXhoI(重鎖用)及びXmaI及びDraIII(軽鎖用)による消化により、PCR産物を精製した。消化したPCR産物を精製した後、発現ベクターにライゲートした。ライゲーション反応は、200U T4−DNAリガーゼ(New England Biolabs)、7.5μLの消化及び精製された遺伝子特異的PCR産物及び25ngの線状化ベクターDNAを含む総容積10μLで実施した。コンピテント大腸菌(E.coli)DH10B細菌(Life Technologies)を42℃で3μLライゲーション産物によりヒートショックで形質転換し、アンピシリンプレート(100μg/mL)に播いた。次にVH領域のAgeI−EcoRI断片を、pEE6.4HuIgG1発現ベクターの同じ部位に挿入し、一方、合成XmaI−DraIII VKインサートを、それぞれのpEE12.4Hu−κ発現ベクターのXmaI−DraIII部位にクローニングした。
293fectinを使用してHEK293細胞に適切なプラスミドをトランスフェクトすることにより、選択された抗体を産生する細胞を生成した。この点において、プラスミドDNAはQIAprepスピンカラム(Qiagen)で精製した。150mmプレート(Falcon、Becton Dickinson)において、標準条件下、10%熱不活化FCS、100μg/mLストレプトマイシン、100U/mLペニシリンG(全て、Life Technologiesから)を補充したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)でヒト胎児腎臓(HEK)293T(ATCC番号CRL−11268)細胞を培養した。
一過性のトランスフェクションのため、80%コンフルエンシーまで細胞を成長させた。等量のIgH及び対応するIgL鎖ベクターDNA(各12.5μg)を、1.5mL opti−MEM中50μL HEK 293トランスフェクション試薬と混合した1.5mL Opti−MEMに添加した。この混合物を室温で30分インキュベートし、培養プレートに均一に分配した。トランスフェクションの3日後に上清を回収し、10%FBSを補充した20mLの新鮮なDMEMに交換し、トランスフェクション後6日目に再び回収した。800×gで10分間遠心分離することにより培養上清から細胞デブリを取り除き、4℃で保存した。組換えキメラ及びヒト化抗体をプロテインGビーズ(GE Healthcare)で精製し、適切な条件下で保存した。
実施例9
SEZ6モジュレーターの特性
様々な方法を用いて、上記のとおり生成された選択されたSEZ6モジュレーターの結合及び免疫化学的特性を分析した。具体的には、複数の抗体モジュレーターを、SEZ6L及びSEZ6L2タンパク質と共に、ヒト、カニクイザル、ラット及びマウスSEZ6抗原に対する親和性、ビニング、及び交差反応性に関し、フローサイトメトリーを含む当該技術分野で認められている方法により特徴付けた。ForteBio RED(ForteBio,Inc.)でのバイオレイヤー干渉法分析又はBiacore 2000を用いた表面プラズモン共鳴を、各々製造者の指示に従い用いて、選択されたモジュレーターの親和性及び動力学定数kon及びkoffを計測した。
特性決定結果を表形式で図11Aに示し、ここでは、選択されたモジュレーターが概してナノモル濃度範囲の比較的高い親和性を呈したこと、及び多くの場合に、1つ以上のSEZ6オルソログと交差反応性であったことが分かり得る。図12は、対象モジュレーターが占める実験的に決定されたビンをさらに掲載する。まとめると、これらのデータは、本開示のモジュレーターの多様な結合特性並びに動物モデルにおけるそれらの反応性に基づく医薬開発に対するそれらの潜在的な適合性を実証している。
これに関して、FACSCanto IIを製造者の指示どおり使用してフローサイトメトリーを実施することにより、選択されたSC17抗体モジュレーターがヒトSEZ6と免疫特異的に会合できることの確認、及び同じモジュレーターが、SEZ6L及びSEZ6L2に加え、カニクイザル、ラット及び/又はマウスSEZ6と交差反応するかどうかの決定を行った。より詳細には、モジュレーターをマウスSEZ6及びラットSEZ6との交差反応性について、フローサイトメトリーにより、それぞれマウスSEZ6及びラットSEZ6を発現するNeuro2a(ATCCカタログ番号CCL131)、及びRIN−m5F(ATCCカタログ番号CRL−11605)細胞株に対して試験した。カニクイザルSEZ6との交差反応性を調べるため、カニクイザルSEZ6の細胞外ドメインを提示する酵母(Boder et al,1997)をフローサイトメトリー分析に使用した。
手短に言えば、ウェル当たり1×105細胞のNeuro2a、RIN−5mF、又は酵母提示カニクイザルSEZ6細胞を、5μg/mL抗体を含む50μL PBS(2%FCS)緩衝液と共に30分間インキュベートした。細胞を同じ緩衝液で2回洗浄し、次に、PBS緩衝液中1:200希釈した試料当たり50μLのDyLight 649標識ヤギ抗マウスIgG、Fc断片特異的二次抗体と共にインキュベートした。15分間インキュベートした後、細胞をPBS緩衝液で2回洗浄し、Neuro2a及びRin−m5Fのフローサイトメトリー分析用のDAPIを含む同じPBS緩衝液又はcSEZ6を有する酵母細胞のフローサイトメトリー分析用のDAPIを含まない緩衝液に再懸濁した。Neuro2a又はRIN−m5F細胞株、又は酵母が提示するカニクイザルSEZ6と結合した抗体を、それぞれマウスSEZ6、ラットSEZ6、又はカニクイザルSEZ6と交差反応性があると見なした。図11Aは、交差反応性の結果を示す。6個の抗体がヒト及びマウスSEZ6について(SC17.6、SC17.7、SC17.19、SC17.24、SC17.26及びSC17.42);6個がヒト及びラットSEZ6について(SC17.6、SC17.17、SC17.19、SC17.26、SC17.28、SC17.34及びSC17.42);及び6個がヒト及びカニクイザルSEZ6について(SC17.17、SC17.24、SC17.26、SC17.34、SC17.36及びSC17.45)交差反応性があった。SC17.6はSC17.16の複製であり、同じ結合特性を呈することに留意されたい。
ラットSEZ6に対する上記の交差反応性データを検証して、選択されたエフェクターの親和性並びに動力学定数kon及びkoffを決定するため、ForteBio RED(ForteBio,Inc.)でのバイオレイヤー干渉法分析又はBiacore 2000(GE Healthcare)での表面プラズモン共鳴を実施した。実施例5で生成したヒト組換えSEZ6−His及びラット組換えSEZ6−Hisに対する親和性を決定した。図11Aにおいて分かるとおり、試験した抗体の複数がラットSEZ6と交差反応した。選択されたモジュレーターは、ラット及びヒトSEZ6の双方に対してナノモル濃度範囲で比較的高い親和性を呈した。
ファミリーメンバータンパク質SEZ6L及びSEZ6L2に対する交差反応性を決定するため、ELISAベースのアッセイを使用した。プレートをPBS中0.2μg/mLのSEZ6、SEZ6L、又はSEZ6L2タンパク質で一晩コーティングした。0.05%(v/v)Tween 20を含有するPBS(PBST)で洗浄した後、PBS中2%(w/v)BSA(PBSA)、100μL/ウェルにより室温で1時間、ウェルをブロックした。次に100μL PBSA中1μg/mLの抗体を、室温で1時間添加した。PBSTで洗浄した後、PBSA中1:2,000希釈した100μL/ウェルのHRP標識ヤギ抗マウスIgG、室温で1時間。プレートを洗浄し、100μL/ウェルのTMB基質溶液(Thermo Scientific 34028)を室温で15分間添加した。発色後、等体積の2M H2SO4を添加して基質の発色を停止させ、分光光度計によりOD 450で分析した。図11Aは、1つの抗体がSEZ6Lと交差反応性であり(SC17.7)、5つがSEZ6L2と交差反応性であった(SC17.6、SC17.7、SC17.19、SC17.26及びSC17.28)ことを示している。上記に考察したとおり、かかる汎SEZ6抗体は、本明細書の教示と適合性があり、本開示の方法と併せて用いられ得る。
実施例8の以下のヒト化コンストラクト、hSC17.16、hSC17.17、hSC17.24、hSC17.28、hSC17.34及びhSC17.46の結合特性を分析することにより、CDRグラフトプロセスがそれらの結合特性を認め得るほどに変化させたかどうかを決定した。ヒト化コンストラクト(CDRグラフト化)を、ヒト化コンストラクトで使用されるものと実質的に等しいマウス親(又はドナー)重鎖及び軽鎖可変ドメインとヒト定常領域とを含む「伝統的な」キメラ抗体と比較した。これらのコンストラクトでBiacore 2000(GE Healthcare)を使用して表面プラズモン共鳴を実施し、ヒト化プロセスによってもたらされた速度定数のいかなる僅かな変化も特定した。いずれの場合にも、ヒト化抗体は対応するマウス抗体と比べて同等か又はより良好な結合親和性を有した(データは示さず)。
図11Aに示されるとおり様々なSEZ6モジュレーターについて抗体ビニングを決定した。ForteBio REDを製造者の指示どおり使用して、同じ又は異なるビンに結合した競合抗体を同定した。簡潔に言えば、参照抗体(Ab1)を抗マウス捕捉チップ上に捕捉し、次に高濃度の非結合抗体を使用してチップをブロックし、ベースラインを収集した。次に特異抗体(Ab1)により単量体の組換えヒトSEZ6(実施例5に記載される)を捕捉し、チップを、対照と同じ抗体(Ab1)を含むウェルか、或いは異なる試験抗体(Ab2)を含むウェルに浸漬した。新しい抗体でさらなる結合が観察される場合、Ab1とAb2とは異なるビンにあると決定した。結合レベルを対照Ab1と比較して決定するときに、それ以上の結合が起こらない場合、Ab2は同じビンにあると決定した。当該技術分野において公知のとおり、このプロセスを拡張することにより、96ウェルプレートにおいてユニークなビンに相当する抗体列の全幅を使用してユニークな抗体の大規模ライブラリをスクリーニングすることができる。この例の場合、このビニングプロセスから、スクリーニングされた抗体がSEZ6タンパク質上の少なくとも7個の異なるビンに結合したことが示された。ビンA〜Fはユニークなビンであり、これらのビンの各々に含まれる抗体は、SEZ6タンパク質との結合について互いに競合する(しかし定義された他のビンの抗体とは競合しない)。ビンUは、ビンA〜Fの抗体とは競合しないが、互いには結合が競合し得る抗体を含む。
実施例10
SEZ6モジュレーターのエピトープマッピング
本開示のSEZ6抗体モジュレーターが会合又は結合するエピトープを特徴付けるため、参照により本明細書に援用されるCochran et al.(J Immunol Methods.287(1−2):147−158(2004))により記載されるプロトコルの改良版を用いてドメインレベルエピトープマッピングを実施した)。SEZ6の個々のドメインを酵母の表面上に発現させて、各SEZ6抗体による結合をフローサイトメトリーによって決定した。
以下のコンストラクトの発現用に、酵母ディスプレイプラスミドコンストラクトを作製した:SEZ6細胞外ドメイン(アミノ酸1〜904);Sushiドメイン1(アミノ酸336〜395)、CUBドメイン1(アミノ酸297〜508)、Sushiドメイン2(アミノ酸511〜572)、CUBドメイン2(アミノ酸574〜685)、Sushiドメイン3(アミノ酸690〜748)、Sushiドメイン4(アミノ酸750〜813)、Sushiドメイン5(アミノ酸817〜878)、及びSushiドメイン5+C末端(アミノ酸817〜904)。加えて、N末端ドメイン(アミノ酸1〜335)を、N1(アミノ酸1〜70)、N2(アミノ酸71〜169)及びN3(アミノ酸169〜335)と称される3つの断片に分割し、その各々を酵母ディスプレイプラスミドにクローニングした。アミノ酸付番にはリーダーペプチドは含まれない。ドメイン情報については、概して、UniProtKB/Swiss−ProtデータベースエントリQ53EL9を参照のこと。これらのプラスミドを酵母に形質転換し、Cochran et al.に記載されるとおり、次にそれを成長させて誘導した。全てのアミノ酸付番が、19aaリーダー配列を含まない成熟SEZ6タンパク質に基づくことに留意されたい。
特定のコンストラクトに対する結合を試験するため、所望のコンストラクトを発現する200,000個の誘導酵母細胞をPBS+1mg/mL BSA(PBSA)で2回洗浄し、0.1μg/mLのニワトリ抗c−myc(Life Technologies)と、50nM精製抗体か又は7日間培養したハイブリドーマからの未精製上清の1:2希釈物のいずれかとを含む50μLのPBSA中でインキュベートした。細胞を氷上で90分間インキュベートし、次にPBSAで2回洗浄した。次に細胞を、適切な二次抗体を含む50μL PBSA中でインキュベートした:マウス抗体については、Alexa 488コンジュゲート抗ニワトリ、及びAlexa 647コンジュゲートヤギ抗マウス(双方ともLife Technologies)を各1μg/mLで添加し、ヒト化又はキメラ抗体については、Alexa 647コンジュゲート抗ニワトリ(Life Technologies)及びR−フィコエリトリンコンジュゲートヤギ抗ヒト(Jackson Immunoresearch)を各1μg/mLで添加した。20分間氷上でインキュベートした後、細胞をPBSAで2回洗浄し、FACS Canto IIで分析した。
全てのモジュレーターが、酵母細胞上に発現した単一のドメインとユニークに結合した。ある場合には、抗体クローンはSushiドメイン5+C末端を発現する酵母と特異的に結合したが、Sushiドメイン5を発現する酵母との特異的な結合はなかった。これらの抗体クローンは、C末端領域(アミノ酸879〜904)のみと結合すると結論付けられた。
エピトープを立体構造(すなわち不連続)エピトープ又は線状エピトープに分類した。SEZ6 ECDコンストラクトを提示する酵母を80℃で30分間熱処理することにより抗原を変性させ、氷冷PBSAで2回洗浄し、次に上記に記載したのと同じ染色プロトコル及びフローサイトメトリー分析に供した。変性酵母及び天然酵母の両方に結合した抗体を線状エピトープに結合するものとして分類し、一方、天然酵母とは結合するが変性酵母とは結合しない抗体を、立体構造特異的なものとして分類した。
試験した抗体のドメインレベルエピトープマッピングデータの概要を、以下の表3に提供する。線状エピトープに結合する抗体には下線を引いており、SEZ6ファミリーメンバーSEZ6L及びSEZ6L2と結合する抗体には、それぞれアスタリスク及び/又は短剣符を表示している。
この実施例10に記載されるドメインマッピングしたSEZ6抗体モジュレーターを使用してインビトロ細胞死滅アッセイを実施したところ、興味深く且つ意外な傾向が認められた。本質的に以下で実施例14に記載するとおり実施されるインビトロ死滅アッセイにより、インターナライズしてHEK−293細胞を死滅させる特定の抗体の能力を決定した。図11Bは、試験抗体の有効性を、それらが結合するドメインに対してプロットしたものである。N1、N3、Sushiドメイン1、及びSushiドメイン4を含む特定のドメインに結合する抗体は、インビトロでの死滅の増強を呈した。Sushiドメイン4と会合する抗体(これはインターナライズして細胞を死滅させるのに極めて有効である)は、IGHV1−34及びIKV4−59マウス生殖細胞系列フレームワーク領域との強力な相関を示す。
選択された抗体に対する細密なエピトープマッピングをさらに実施して、それらが結合する特異的なアミノ酸を決定した。Ph.D.−12ファージディスプレイペプチドライブラリキット(New England Biolabs E8110S)を使用して、線状エピトープと結合した抗体をマッピングした。エピトープマッピング用に選択した抗体を、3mL 0.1M重炭酸ナトリウム溶液、pH8中50μg/mLでNunc MaxiSorpチューブ(Nunc)にコーティングし、一晩インキュベートした。チューブを重炭酸塩溶液中3%BSA溶液でブロックした。次に、PBS+0.1%Tween−20中1011個のインプットファージを結合させ、続いて0.1%Tween−20で10回連続して洗浄し、非結合ファージを洗い落とした。残りのファージを1mL 0.2Mグリシンにより室温で10分間、穏やかに撹拌しながら溶出させ、続いて150μL 1Mトリス−HCl pH9で中和した。溶出したファージを増幅し、選択ストリンジェンシーを高めるために、洗浄工程の間ずっと0.5%Tween−20を使用して再び1011個のインプットファージでパニングした。第2ラウンドからの溶出したファージの24個のプラーク由来のDNAを、Qiaprep M13 Spinキット(Qiagen)を使用して単離し、配列決定した。ELISAアッセイを使用してクローナルファージの結合を確認し、ここでマッピングされる抗体又は対照抗体をELISAプレート上にコーティングし、ブロックし、各ファージクローンに曝露した。西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗M13抗体(GE Healthcare)及び1−Step Turbo TMB ELISA溶液(Pierce)を使用してファージ結合を検出した。特異的に結合するファージからのファージペプチド配列を、Vector NTI(Life Technologies)を使用して抗原ECDペプチド配列に対してアラインメントして、結合するエピトープを決定した。
Chao et al.(2007)により記載される技法を用いて、不連続エピトープと結合した抗体をマッピングした。クローン当たり1つのアミノ酸突然変異の標的突然変異誘発率のため、ヌクレオチド類似体8−オキソ−2’デオキシグアノシン−5’−三リン酸及び2’−デオキシ−p−ヌクレオシド−5’三リン酸(両方ともTriLink Bioから)を使用して、エラープローンPCRによりSEZ6 ECD突然変異体を作製した。これらを酵母ディスプレイフォーマットに変換した。上記にドメインレベルマッピングについて記載した技法を用いて、ライブラリをc−myc及び抗体結合について50nMで染色した。FACS Aria(BD)を使用して、野生型SEZ6 ECDと比較して結合の欠損を呈したクローンを選別した。これらのクローンを再成長させ、標的抗体との結合の欠損についてのもう1ラウンドのFACS選別に供した。Zymoprep酵母プラスミドミニプレップキット(Zymo Research)を使用して、個々のECDクローンを単離し、配列決定した。必要に応じて、Quikchange部位特異的突然変異誘発キット(Agilent)を使用して、突然変異体を単一突然変異体ECDクローンとして再フォーマット化した。
次に個々のECDクローンをスクリーニングして、結合の欠損がエピトープの突然変異に起因するのか、それとも誤った折り畳みを引き起こした突然変異に起因するのかを決定した。システイン、プロリン、及び終止コドンが関与した突然変異は、誤った折り畳みの突然変異である可能性が高いため、自動的に廃棄した。次に残りのECDクローンを、非競合的立体構造特異的抗体との結合に関してスクリーニングした。非競合的立体構造特異的抗体との結合が欠損したECDクローンを、誤った折り畳みの突然変異を含むものと結論付け、一方、野生型SEZ6 ECDと同等の結合を保持したECDクローンを、適切に折り畳まれたものと結論付けた。後者の群におけるECDクローンの突然変異を、エピトープにあるものと結論付けた。単離したドメインのホモロジーモデルもまたMODELLERを使用して構築し、そのエピトープにあると同定された残基が、1)折り畳まれたホモロジーモデルで互いに近接して位置したこと、及び2)溶媒に露出した、且つ埋没していない側鎖を有したこと(埋没した残基では誤った折り畳みが生じる可能性がより高く、結合のエピトープの一部となる見込みがないため)を確認した。抗体の概要を、それらのエピトープと共に表4に掲載する。
NRは、エピトープが不連続であったため配列番号が割り当てられなかったことを示す。
SC17.34、SC17.36及びSC17.46の場合、単離ドメインのSushiドメイン1(これはドメインレベルエピトープマッピングにより結合のドメインであると決定された)に点突然変異が構築された。SC17.46の場合、ライブラリベースのスクリーンではスクリーニングの候補突然変異は同定されなかった;むしろそれらは、ドメインマッピング、カニクイザルSEZ6 ECD及びラットSEZ6 ECDとの交差反応性の欠如、並びに種の一次配列における違いを同定するための異なる種の配列アラインメントに基づき同定された。これらの候補突然変異を他の抗体と同じ分析に供し、SC17.46のエピトープを確認した。
実施例11
フローサイトメトリーによるSEZ6表面発現の検出
フローサイトメトリーを使用して、実施例5に記載されるとおり構築した工学的改変HEK−293T細胞株の表面上にあるヒトSEZ6タンパク質の存在を検出するため生成された抗SEZ6抗体の特異性を評価した。アイソタイプ染色及びフルオレセンス・マイナス・ワン(fluorescence minus one:FMO)対照を用いて、染色特異性を確認した。簡潔に言えば、ヒトSEZ6及びGFP(実施例5を参照)を形質導入したHEK−293T又は採取したNTX腫瘍試料を、当該技術分野で認められている酵素消化法(例えば、本明細書に援用される米国特許出願公開第2007/0292414号明細書を参照)を用いて解離し、懸濁液中に分散させ、それを抗SEZ6抗体と共に30分間インキュベートした。細胞をPBS(2%FCS)で2回洗浄し、次に、PBS緩衝液中1:200希釈した試料当たり50μlのDyLight 649標識ヤギ抗マウスIgG、Fc断片特異的二次抗体と共にインキュベートした。15分間インキュベートした後、細胞をPBSで2回洗浄し、DAPIを含むPBSに再懸濁し、先に考察したとおりフローサイトメトリーにより分析した。
図12AにSC17.33について示す代表的なデータにより実証されるとおり、SEZ6モジュレーターは、HEK−293T−HuSEZ6細胞を強力に認識した。これらのデータは、細胞表面上に発現するヒトSEZ6を特異的に認識したモジュレーターが作製されたことを実証している。
いくつかの例示的SC17抗体を使用して、選択されたNTX腫瘍の表面上のヒトSEZ6タンパク質発現をフローサイトメトリーにより評価した。LU37、LU86及びKDY66におけるSEZ6の発現はSC17.6抗体を使用して試験し、一方、LU50、LU100及びLU73におけるSEZ6の発現は、それぞれSC17.10、SC17.42及びSC17.28抗体を使用して試験した。結果は図13Aに示す。NTX腫瘍は採取し、解離して、市販の抗マウスCD45、抗マウスH−2Kd、抗ヒトEpCAM及び上記のマウス抗ヒトSEZ6抗体のうちの一つで共染色した。図13Aに示すデータは、上記の抗マウス抗体に対して陽性染色されなかった細胞であって、しかし抗ヒトEpCAMに対しては実に陽性染色された細胞を使用して作成した。上記に記載したHEK−293T染色実験と同様に、アイソタイプ染色及びフルオレセンス・マイナス・ワン(FMO)対照を用いて染色特異性を確認した。図13Aに見られるとおり、ヒトNTX腫瘍細胞の全てにおいて、右への蛍光プロファイルシフトによって指摘され、且つ肺NTX腫瘍LU37、LU50及びLU86並びに腎NTX腫瘍KDY66について、平均蛍光強度(MFI)値の変化によって指摘されるとおり、抗SEZ6染色はFMOより高かった。これらのデータは、SEZ6タンパク質が様々なNTX腫瘍の表面上で発現し、従って抗SEZ6抗体を使用した調節を受け易いことを示唆している。
実施例12
様々な腫瘍におけるSEZ6タンパク質の発現
様々な腫瘍に関連するSEZ6 mRNA転写物レベルの上昇を考慮して、NTX腫瘍においてSEZ6タンパク質の発現が対応して増加することを実証する研究を行った。SEZ6タンパク質発現を、(i)MSD Discoveryプラットフォーム(Meso Scale Discovery,LLC)を使用した電気化学発光(electrochemiluminscence)SEZ6サンドイッチELISAアッセイ;及び(ii)免疫組織化学染色により検出した。
マウスからNTX腫瘍を切除し、ドライアイス/エタノールで急速冷凍した。解凍した腫瘍断片にタンパク質抽出緩衝液(Biochain Institute,Inc.)を添加し、TissueLyserシステム(Qiagen)を使用して腫瘍を微粉砕した。ライセートを遠心分離(20,000g、20分、4℃)により清澄化し、各ライセート中の総タンパク質濃度を、ビシンコニン酸を使用して定量化した。タンパク質ライセートはアッセイまで−80℃で保存した。正常組織ライセートはNovus Biologicalsから購入した。
精製組換えSEZ6タンパク質(実施例5)を使用して作成した標準タンパク質濃度曲線から値を内挿することにより、ライセート試料のSEZ6タンパク質濃度を決定した。SEZ6タンパク質標準曲線及びタンパク質定量化アッセイは、以下のとおり実施した:
MSD標準プレートを、PBS中2μg/mLの30μLのSC17.17抗体により4℃で一晩コーティングした。プレートをPBSTで洗浄し、150μL MSD3%ブロッカーA溶液において1時間ブロックした。プレートを再びPBSTで洗浄した。次にSC17.36抗体をMSDスルホタグとコンジュゲートし、MSD1%ブロッカーA中0.5μg/mLの25μLのタグ標識SC17.36を、洗浄したプレートに添加した。MSD1%ブロッカーA中25μLの10×希釈ライセート又はMSD1%ブロッカーA含有10%タンパク質抽出緩衝液中の段階希釈した組換えSEZ6標準もまたウェルに添加し、2時間インキュベートした。プレートをPBSTで洗浄した。界面活性剤を含むMSD読取り緩衝液Tを水中に1×希釈し、各ウェルに150μLを添加した。プレートを、MSD Sector Imager 2400で統合ソフトウェア分析プログラムを使用して読み取り、標準曲線から内挿することによってNTX試料中のSEZ6濃度を求めた。次に値を総タンパク質濃度で除し、総ライセートタンパク質1ミリグラム当たりのSEZ6のナノグラム数を得た。得られた濃度を図12Bに示し、ここで各点は、単一のNTX腫瘍株から得られたSEZ6タンパク質濃度を表す。各点は単一のNTX株から得られるが、ほとんどの場合、同じNTX株から複数の生体試料を試験し、値を平均してデータ点を提供した。
図12Bは、正常組織ライセートと比較して、選択された腎臓、卵巣及びLCNEC腫瘍試料が中程度のSEZ6タンパク質発現を呈した一方、SCLC腫瘍で最も高いSEZ6タンパク質発現が見られたことを示す。正常ヒト脳及び眼ライセートを除く全ての正常組織ライセートが、SEZ6タンパク質発現に関して陰性であった。
PDX腫瘍に対して免疫組織化学(IHC)を実施し、SEZ6が特定のPDX腫瘍の表面上で発現することを確認した;及びそれにより、腫瘍構造におけるSEZ6タンパク質の位置を決定した。
SEZ6に対するマウスモノクローナル一次抗体(クローン17.140)、マウス特異的ビオチンコンジュゲート二次抗体、西洋ワサビペルオキシダーゼとカップリングされたアビジン/ビオチン複合体、及びDAB検出が含まれた間接検出方法を使用して(Nakene PK 1968;16:557−60)、ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片に対するIHCを実施した。異種移植PDX腫瘍を染色する際は、マウスIgG遮断剤(Vector Laboratories;カタログ番号PK−2200)を使用した。SC17.140がIHCに適切であることを、当該技術分野において公知のとおり調製したナイーブHEK−293T細胞ペレットと比較して、SEZ6を過剰発現するHEK−293T細胞ペレットの切片で特異的に染色されることを示すことにより、検証及び確認した。特異性はさらに、ヒトSEZ6を過剰発現するHEK−293T細胞上の5モル過剰の精製組換えSEZ6及びIHCによりSEZ6を発現することが示された異種移植腫瘍による競合シグナルにより確認された(データは示さず)。図16は、SCLC NTX腫瘍においてIHCにより計測したときのSEZ6発現を示す。0(陰性)から3(強い染色)までの染色強度を考慮に入れて染色強度をスコア化した。結果は、試験したSCLC NTX腫瘍の64%がSEZ6を発現したことを示す。
これらのデータは、上記のSEZ6発現に関するmRNA転写データ(実施例4)、及びSEZ6の細胞表面タンパク質発現(実施例11)と併せて、SEZ6決定因子が治療介入に魅力的な標的を提供するという命題を強力に裏付けている。
実施例13
腫瘍開始細胞集団の高濃度化
腫瘍細胞は2種類の細胞亜集団、すなわち非腫瘍原性細胞(NTG)と腫瘍開始細胞(TIC)とに大別することができる。TICは、免疫不全マウスに移植されると腫瘍を形成する能力を有する。癌幹細胞(CSC)はTICのサブセットであり、多系列分化能を維持しながら無限に自己複製することが可能である。SEZ6発現を腫瘍形成能の増強と相関付けることができるかどうかを決定するため、全トランスクリプトーム配列決定法、フローサイトメトリー及び腫瘍形成能(tumorigenicity)アッセイを実施した(これらは全て以下に記載する)。
様々な腫瘍試料におけるSEZ6発現の全トランスクリプトーム解析を実施例1に記載するとおり実施した。様々な腫瘍において幹細胞のマーカーであることが示されているCD324の発現に基づきCSCを同定した(PCT出願第2012/031280号明細書を参照)。図6Aの結果は、2つのSCLC NTX腫瘍株(LU86及びLU95)から単離したNTG細胞と比較して、CSCにおいてSEZ6 mRNA発現が上昇したことを示している。
NTX肺腫瘍由来の細胞に対して、本質的に実施例11に記載されるとおりフローサイトメトリーを実施した。LU86、LU117及びLU64細胞を、それぞれCSC集団のマーカーであるCD324(PCT出願第2012/031280号明細書を参照)と、抗SEZ6抗体SC17.10、SC17.28又はSC17.42とで共染色し、これらの集団でSEZ6が差次的に発現しているかどうかを決定した。図13Bに示されるとおり、CD324及びSEZ6の両方が染色陽性のLU86、LU117及びLU64細胞(黒色の実線)は、SEZ6のみ染色陽性の細胞(黒色の点線)と比較してさらに右にシフトしており、SEZ6がNTG細胞集団と比較してCSCでより高度に発現することを示している。バルク集団アイソタイプ対照は、灰色で塗り潰されたヒストグラムとして示す(MOPC=IgG1)。
細胞表面SEZ6発現を腫瘍生成能力の増強と相関付けることができるかどうかを決定するため、腫瘍形成能試験を実施した。当該技術分野で認められている酵素消化法を使用して、NTX腫瘍試料を解離して懸濁液中に分散させた(例えば、本明細書に援用される米国特許出願公開第2007/0292414号明細書を参照)。これらのNTX株から解離した細胞調製物を、マウスCD45、H2kD、ヒトCD324、及びヒトSEZ6のクローンSC17.42を特異的に認識する蛍光コンジュゲート抗体で染色した。両方ともマウスCD45又はH2kDによる染色がないことに基づき(細胞調製物からマウス細胞が枯渇していることが)同定された、ヒト細胞の2つのサブセットを、FACSAria(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)を使用して単離した。一方のサブセットをCD324及びSEZ6共発現に基づき単離すると同時に、他方のサブセットをCD324+SEZ6−表現型に基づき単離した。続いて個別のマーカー濃縮亜集団を雌性NOD/SCID免疫不全マウスに対し、皮下注射によって乳房脂肪パッドにマウス当たり約50細胞の用量で移植した。
図14A及び図14Bは、患者から採取したNSCLC腫瘍に由来する代表的なNTX細胞株を使用して実施したかかる実験の結果を示す。図14Aは、親腫瘍のmCD45−H2kD−サブセットの分布及び選別された推定腫瘍原性細胞を示す散布図である(CD324及びSEZ6を使用してゲーティングした)。図14Bは、免疫不全マウスへの選別された細胞亜集団の移植により生じた腫瘍容積計測値をグラフで示す。括弧内の値は、移植したマウス当たりに生じた腫瘍の数を示す。
顕著なことに、図14のデータは、腫瘍形成能が、高いCD324レベルと併せて、SEZ6を発現する細胞の亜集団と一貫して関連していたことを示している。逆に、これらの同じデータから、SEZ6を発現しないか、又はその発現レベルが低い腫瘍細胞の腫瘍原性が、それらが高い又は陽性の対応物と比べてはるかに低かったことが実証される。生成されたデータに基づくと、意外にも、CD324+SEZ6+表現型を発現する腫瘍細胞の亜集団が、概して腫瘍形成能の大部分を含むことが見出され、SEZ6が腫瘍原性細胞の調整に有効な治療標的を提供し得ることが示唆される。
実施例14
SEZ6モジュレーターはSEZ6発現HEK−293T細胞への細胞傷害剤の送達を促進する
本発明のSEZ6モジュレーターが生細胞への細胞傷害剤の送達を媒介できることを実証するため、サポリン毒素に結合した選択されたSEZ6抗体モジュレーターを使用してインビトロ細胞死滅アッセイを実施した。サポリンは、細胞質のリボソームを不活性化することにより細胞を死滅させる。従って以下のアッセイを使用した細胞死は、SEZ6抗体がインターナライズして標的細胞の細胞質に細胞傷害剤を送達することができることを示すものである。
サポリンに共有結合的に連結した抗マウスIgG Fab断片(「Fab−サポリン」)(Advanced Targeting Systems、#IT−48)を、非標識SEZ6抗体と組み合わせて、ヒトSEZ6を発現するHEK−293T細胞(実施例5を参照)と共にインキュベートした。得られたサポリン複合体がインターナライズして細胞を死滅させる能力を、72時間後に細胞生存度を計測することにより測定した。
具体的には、10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM中のウェル当たり500細胞を、96ウェル組織培養処理済みプレートに播き、翌日、抗体及び毒素を添加した。ヒトSEZ6を発現するHEK−293T細胞を、対照(IgG1、IgG2a又はIgG2b)又は精製マウスSEZ6モジュレーターにより100、50又は10pMの濃度で、2nM Fab−サポリンと共に処理した。細胞を3日間培養し、その後、Cell Titer Glo(登録商標)(Promega)を製造者の指示どおり使用して生細胞数を計数した。サポリンFab断片を含む細胞を含有する培養物を使用した未加工のルミネセンス単位(RLU)を100%基準値として設定し、それに従い他の全てのカウントを計算した(正規化RLU又は「%生細胞」と称される)。図15Aは、試験したSEZ6モジュレーターの多くがHEK−293T細胞の死滅を濃度依存的に媒介したことを示す。図15Aの最初の3行の結果により示されるとおり、アイソタイプ対照(IgG2a、IgG2b、及びIgG1)は細胞カウントに影響を及ぼさなかった(ND=未検)。
このアッセイは、SEZ6特異抗体が細胞表面に結合すると、さらなる架橋結合や二量体化の必要なしにインターナリゼーションが起こり得ることを実証している。
実施例15
SEZ6モジュレーターはインビトロで肺腫瘍細胞において細胞傷害性を媒介する
実施例14の結果を補強し、SEZ6モジュレーターが(工学的改変細胞とは対照的に)毒素インターナリゼーション及びヒト腫瘍細胞の細胞死滅を媒介できるかどうかを決定するため、マウス系統−枯渇NTX細胞(mouse lineage−depleted NTX cells)を播き、続いて抗SEZ6抗体及びFab−サポリンに曝露した。
NTX腫瘍を単一細胞懸濁物に解離し、Primaria(商標)プレート(BD Biosciences)において、当該技術分野において公知のとおりの成長因子を補充した無血清培地に播いた。細胞を37℃/5%CO2/5%O2で1日間培養した後、実施例14に記載されるとおり対照(IgG1、IgG2a又はIgG2b)又はマウスSEZ6モジュレーター及びFab−サポリンで処理した。7日後、Cell Titer Gloを使用して残存生細胞数を定量化することにより、モジュレーターの媒介によるサポリン細胞毒性を評価した。
図15Bに見られるとおり、NSCLC腫瘍であるLU37、及びSCLC腫瘍であるLU80をSC17.6(SC17.16の複製)及びSC17.33 SEZ6モジュレーターに曝露したとき、腫瘍細胞数の低下が明らかであった。同様に、SCLC腫瘍であるLU100を4つのSEZ6モジュレーターSC17.6、SC17.19、SC17.33及びSC17.34に50及び500pMで曝露したとき、腫瘍細胞の減少が生じた。対照的に、アイソタイプ対照抗体は処理後の生細胞数に影響を及ぼさなかった。
このデータは、本明細書に記載される例示的抗体が細胞表面上のSEZ6抗原に結合可能であり、且つ細胞死をもたらす細胞傷害性ペイロードの送達を促進することを実証しているのみならず、上記のデータはまた、複数の抗SEZ6抗体が様々なNTX腫瘍細胞の死滅を媒介できることも実証している。
実施例16
SEZ6抗体−薬物コンジュゲートの調製
実施例14及び15のサポリンによるインビトロ死滅アッセイに基づき、及び本発明の多用途性をさらに実証するため、上記に記載したとおりのM−[L−D]構造を有する抗SEZ6抗体薬コンジュゲートを調製した。すなわち、共有結合的に連結した細胞傷害剤を使用して抗SEZ6抗体薬コンジュゲート(SEZ6−ADC)を調製した。より具体的には、本明細書に記載されるとおりの、又は下掲の参考文献にあるリンカーと、本開示のモジュレーターに共有結合した選択されたピロロベンゾジアゼピン(PBD)二量体とを含むSEZ6−ADCを調製した(例えば、米国特許出願公開第2011/0256157号明細書及び同第2012/0078028号明細書及び米国特許第6,214,345号明細書(この各々が全体として参照により本明細書に援用される)を参照のこと)。
引用される文献を踏まえて、当該技術分野で認められている技法を用いてPBD薬物−リンカーの組み合わせを合成し、精製した。様々なPBD二量体及びリンカーを用いて選択された薬物−リンカーの組み合わせを作製したが、各リンカー単位は、遊離スルフヒドリルを有する末端マレイミド部分を含んだ。これらのリンカーを使用して、トリス(2−カルボキシエチル)−ホスフィン(TCEP)によるmAbの部分的還元と、続いて還元型Cys残基とマレイミド−リンカーペイロードとの反応により、コンジュゲーションを調製した。
より詳細には、選択されたSEZ6抗体モジュレーターを1.3mol TCEP/mol mAbにより、25mMトリスHCl pH7.5及び5mM EDTA緩衝液中、37℃で2時間還元した。反応を15℃に放冷し、DMSO中のリンカーペイロードを2.7mol/mol mAbの比で加え、続いて追加量のDMSOを加えて終濃度を6%(v/v)とした。反応は1時間進行させた。未反応の薬物−リンカーを、過剰量のN−アセチルシステインを添加することによりキャッピングした。次にAKTA Explorer FPLCシステム(G.E.Healthcare)を使用してSEZ6−ADC(又はSC17−ADC)をイオン交換カラムにより精製し、凝集した高分子量抗体、共溶媒及び小分子を取り除いた。次に溶出したADCを、タンジェンシャルフローろ過(TFF)により製剤化緩衝液に緩衝液交換し、続いて濃度を調整し、デタージェントを添加した。最終的なADCのタンパク質濃度(UV計測による)、凝集(SEC)、逆相(RP)HPLCによる薬物対抗体比(DAR)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)HPLCによるコンジュゲートされなかった抗体の存在、RP HPLCによる非タンパク質性物質及びSEZ6発現細胞株を使用したインビトロ細胞傷害性を分析した。
上記の手順、又は実質的に同様の方法を使用して、種々のSEZ6モジュレーター及びPBD二量体を含む複数のADC(すなわち、M−[L−D]n)を生成し、種々のインビボ及びインビトロモデルで試験した。これらの実施例及び本開示の目的上、かかるADCは、概してSEZ6−ADC又はSC17−ADCと称され得る。個別のADCは、抗体(例えばSC17.17)及び具体的なリンカー−細胞傷害剤の名称ADC1、ADC2等に従い命名される。従って、本発明と適合性のある例示的なモジュレーターは、SC17.17−ADC1又はSC17.24−ADC2を含んでもよく、ここでADC1及びADC2は、個々のPBD二量体細胞傷害剤(及び場合によりリンカー)を表す。
最初のベンチマークとして、SEZ6を過剰発現するHEK293細胞に曝露したときのhSC17.17−ADC1のインビトロ細胞傷害性を11nMのIC50で計測した(データは示さず)。
実施例17
コンジュゲート型SEZ6モジュレーターはインビトロで肺腫瘍細胞において細胞傷害性を媒介する
上記の実施例16で生成されたADCを試験して、それがインビトロでの毒素インターナリゼーション及び一次ヒト腫瘍細胞の細胞死滅を媒介することができるかどうかを決定した。
マウス系統−枯渇NTX腫瘍細胞を、Fab−サポリンを加えなかったことを除き実施例15に記載されるのと同じ方法を用いて、抗SEZ6 ADC又はマウスアイソタイプ対照(msIgG1)に曝露した。SCLC腫瘍であるLU64、及びNET卵巣腫瘍であるOV26を、抗SEZ6 ADC(SC17.24−ADC2、SC17.28−ADC2及びSC17.34−ADC2)で処理したとき、対照msIgG1と比較して生細胞率低下の増進が観察された(図17A)。msIgG1は高濃度で細胞にとって細胞傷害性であり得るが、試験した3つ全ての抗SEZ6 ADCがより強力であったことから、PBD細胞毒に対する全般的な反応というよりむしろ、SEZ6に対する免疫特異的な反応が示される。
実施例18
コンジュゲート型SEZ6モジュレーターはインビボ腫瘍成長を抑制する
上記の実施例16で生成されたADCを試験することにより、免疫不全マウスでヒトNTX腫瘍成長を縮小させ及び抑制するその能力を実証した。
患者由来のNTX腫瘍を、当該技術分野で認められている技法を用いて、雌性NOD/SCIDレシピエントマウスの側腹部において皮下成長させた。腫瘍容積及びマウス体重を週2回モニタした。腫瘍容積が150〜250mm3に達したとき、マウスを無作為に治療群に割り当て、SC17−ADC1又は抗ハプテン対照MsIgG1−ADC1を腹腔内注射した。マウスには、7日間の期間にわたり1mg/kgの注射を3回投与した(図17B並びに図18A及び図18Bにおける縦の線により示される)。処置後、腫瘍が800mm3を超えるか、又はマウスが病気になるまで、腫瘍容積及びマウス体重をモニタした。
図17Bは、抗SEZ6 ADCがマウスにおいてSCLC腫瘍(LU86)及びLCNEC(LU50)のインビボ成長を阻害可能であることを示す。LU86の場合、試験した5つのADC(SC17.3−ADC1、SC17.24−ADC1、SC17.26−ADC1、SC17.28−ADC1及びSC17.34−ADC1)が、ある場合には治療後120日を超えて持続する長期寛解を生じた。詳細には、SC17.34−ADC1治療により、この用量での試験期間中にわたり腫瘍成長が阻害された一方、SC17.24−ADC1は、増殖抑制期間が50日を超える有意な腫瘍成長阻害をもたらした。同様に、5つの例示的なADC(SC17.3−ADC1、SC17.17−ADC1、SC17.24−ADC1、SC17.34−ADC1及びSC17.46−ADC1)によるLU50の治療により、SC17.46では35日間も持続する腫瘍成長抑制がもたらされた。さらに、SC17−ADC1で治療したマウスは、典型的に免疫不全の腫瘍担持NOD/SCIDマウスで認められるものを超える有害な健康への作用は呈しなかった。これらの結果は、本開示のADCを使用して腫瘍成長を有効に抑制し得ること、及びSC17モジュレーターの結合の特質がインビボ有効性に影響を及ぼし得ることを示唆している。
より直接的には、様々なコンジュゲート型モジュレーターがインビボで長期にわたり腫瘍成長を劇的に遅延させ又は抑制する能力が、増殖性障害の治療に対する治療標的としてのSEZ6の使用をさらに実証する。
実施例19
ヒト化コンジュゲート型SEZ6モジュレーターはインビボで腫瘍成長を抑制する
マウス抗SEZ6 ADCモジュレーターで得られた目覚ましい結果を考慮して、インビボでのSCLC腫瘍の治療における例示的ヒト化抗SEZ6 ADCモジュレーターの有効性を実証するさらなる実験を実施した。実施例16に記載されるとおり作製した、選択されたヒト化抗SEZ6 ADC(モジュレーターhSC17.17、hSC17.24、hSC17.34及びhSC17.46を使用)、及びヒトIgG1アイソタイプ対照ADC(huIgG1)を、様々なNTX腫瘍を担持する免疫不全マウスに投与した。投与レジメンは実施例18に記載するものと同じであった。
これらの実験の結果を図18A及び図18Bに提供する。4種のSCLC腫瘍において、ヒト化抗SEZ6 ADCの投与により腫瘍塊の完全且つ持続的な消失が達成された。図18Aは、hSC17.17−ADC1及びhSC17.46−ADC1によるLU80腫瘍の減少;及びhSC17.17−ADC1、hSC17.34−ADC1及びhSC17.46−ADC1によるLU64腫瘍の消失を示す。図18Bは、hSC17.17−ADC1及びhSC17.46−ADC1によるLU117腫瘍の減少;及びhSC17.34−ADC1及びhSC17.46−ADC1によるLU111腫瘍の減少を示す。これらの試験の4例中3例で50日間超にわたり腫瘍再発がないことが観察された。各試験につき、対照動物の腫瘍容積及びマウス体重を、腫瘍が800mm3を超えるか、又はマウスが病気になるまでモニタした。
これらの結果は、種々の腫瘍の成長を有効に遅延させる様々なヒト化SEZ6モジュレーターの意外な適用性を実証している。
当業者は、本発明がその趣旨又は中心的な特質から逸脱することなく他の特定の形態で具体化され得ることをさらに理解する。本発明の上記の説明がその例示的実施形態を開示しているに過ぎない点で、他の変形例が本発明の範囲内にあるものとして企図されることが理解されるべきである。従って、本発明は、本明細書に詳細に説明されている特定の実施形態に限定されない。むしろ、本発明の範囲及び内容を指し示すものとしては、添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。