JP6410498B2 - 眼科装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に眼科診療等に用いられる眼科装置及びその制御方法に関する。より詳細には、眼科診療等において用いられ、得られた画像を処理することにより適切な撮影位置を設定する眼科装置及びその制御方法に関する。
生活習慣病や失明原因の上位を占める疾病の早期診断を目的として、眼底部の検査が広く行われている。眼底部の検査には、例えば共焦点レーザー顕微鏡の原理を利用した眼科装置である走査型レーザー検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope)が用いられる。該SLOは、測定光であるレーザーを眼底に対してラスタースキャンを行い、その戻り光の強度から平面画像を高分解能かつ高速に得る装置である。また、近年、高横分解能な平面画像の取得を可能とする補償光学SLO(AO−SLO:adaptive Optics SLO)が開発されている。該AO−SLOでは、被検眼の収差を波面センサーでリアルタイムに測定し、被検眼にて発生する測定光やその戻り光の収差を、補償光学系の波面補正デバイスで補正している。このようなAO−SLOではさらに、取得した網膜の平面画像を用いて網膜における視細胞を抽出し、その密度や分布の解析から疾病の診断や薬剤応答の評価が試みられている。
疾病の進行や薬剤応答による視細胞の変化を評価する場合には、高解像度で取得されたAO−SLO像から視細胞を検出する必要がある。視細胞を撮影するためには、視細胞が存在する層にフォーカスを合わせる必要があるが、視細胞層にダメージがある場合には正しくフォーカス位置を設定できない場合がある。このような場合に対して、例えば特許文献1に開示される方法が提案されている。当該方法では、光コヒーレンストモグラフィー(OCT:Optical Coherence Tomography)により撮影した断層像から、視機能の正常/異常部位に関する判定処理を行っている。この判定処理の結果は眼底の正面像に重畳して表示され、この表示に基づいてレーザー治療の際のレーザー照射位置を取得している。
特開2012−135550号公報 特開2012−213513号公報
Human Photoreceptor Topography CHRISTINE A. CURCIO, KENNETH R. SLOAN, ROBERT E. KALINA, AND ANITA E. HENDRICKSON THE JOURNAL OF COMPARATIVE NEUROLOGY 292:497-523 (1990)
AO−SLOで視細胞の検出を行う際には、視細胞が欠損しているために描出されない場合と、フォーカスずれ等の撮影上の理由により視細胞が描出されない場合とを判別する必要がある。疾病による影響が視細胞にあると、AO−SLOによる撮影は困難になる場合が多い。即ち、視細胞を正しく撮影できていないのか、視細胞の欠損状態が撮影されているのかを判断するのが難しくなる。
特許文献1に開示される方法では、OCTを用いることで断層画像を得、該画像から視細胞に関する情報を得ている。そして、この情報を用いて視機能の正常/異常部位を判定している。従って、OCTの併用が必須となる。
特許文献2に開示される方法では、広画角画像で描出される血管等の構造物に沿って低画角画像の撮影位置を設定し、撮影を行っている。しかし、当該方法では、視細胞の存在範囲などのように、広画角画像では撮影位置の設定が難しい場合については考慮されていない。従って、視細胞の正確な撮影がなされたか否かの判定についてもその対応は示唆されていない。
本発明は、上記課題に鑑み、より正確な視細胞層の状態を描出できる装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る眼科装置は、
被検眼の眼底の平面画像を取得する画像取得手段と、
前記平面画像、前記被検眼の視細胞が存在する存在領域と前記視細胞が存在しない領域との境界を含む画像であるか否か判断する判断手段と、
前記判断手段の判断に基づいて、次の平面画像を取得する位置を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記位置の平面画像を、前記画像取得手段に取得させる制御手段と、
前記画像取得手段、前記判断手段、前記設定手段、及び、前記制御手段による処理を繰り返すことにより取得した複数の前記平面画像に含まれる前記境界の連結結果を表示手段に表示させ表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、眼底検査において、より正確な視細胞層の状態を描出することが可能となる。
本発明の実施例1に係る眼科装置20の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る眼科装置20の処理手順を示すフローチャートである。 WF−SLO像上に複数のAO−SLO像を提示した状態を示す模式図である。 固視位置を指定する固視灯マップの模式図である。 図2に示したステップS250の境界判定の詳細を示したフローチャートである。 AO−SLO像に周波数変換を行って得られる周波数変換画像の例である。 周波数変換画像から、視細胞の存在の有無を判断する指標を抽出する方法を説明する図である。 視細胞が存在する領域全域に対して撮影する場合の撮影位置の例である。 本発明の実施例2に関わる眼科装置20の処理手順を示すフローチャートである。 視細胞が存在する領域の境界を撮影する場合の撮影位置の例である。 分割領域ごとに、視細胞の存在を示した例である。 本発明の実施例3に関わる眼科装置20の処理手順を示すフローチャートである。 解像度の異なるAO−SLO像を用いて、境界部分を詳細に撮影する場合の撮影位置の例である。 経時的に取得した視細胞が存在する領域に関して、これらを重畳表示して示す画像の例である。
(実施例1)
本実施例では、AO−SLOにより網膜の画像を取得する際に、視細胞が存在する可能性が高い領域から撮影を開始する。最初に指定した領域を撮影した後、撮影領域の重なりを維持した状態で撮影領域を上下左右方向にずらした位置で各々AO−SLOの撮影を行う。以上の工程を経ることで、視細胞が存在する領域を撮影する。以降、これら処理について詳細に説明する。
実際の工程では、疾病の種類や過去の撮影の経過により、視細胞が存在する可能性が高い領域をまず特定する。具体的には、スタルガルド病のように視細胞が中心窩から欠損していくことが知られている疾病の場合には、眼底の周辺部が視細胞が存在する可能性が高い領域となる。また、網膜色素変性症のように視細胞が周辺部から欠損していくことが知られている疾病の場合には、中心窩が視細胞が存在する可能性が高い領域となる。また過去にAO−SLOで撮影している場合には、その際に視細胞が存在した領域で且つ当該領域の境界から遠くはなれた位置が、視細胞が存在する可能性が高い領域となる。
このように視細胞が存在する可能性が高い領域から撮影を開始し、該領域にて視細胞があることを確認した後に、撮影領域の重なりを維持した状態でこれを上下左右にずらしてAO−SLOの撮影を継続する。また、その際に視細胞が欠損している領域を見つけたら、その位置を欠損領域の境界が存在する境界画像位置とし、再度最初の撮影位置の周辺部から、異なる方向に境界探索を行う。
こうして視細胞が存在する領域の撮影を行うことにより、視細胞層が存在する場合には高画質の視細胞層を描出し、視細胞が欠損している領域に関しては、その領域の境界を正しく描出することが可能となる。即ち、本発明では、疾病の種類や過去の経過から視細胞が存在する可能性が高い領域からAO−SLO像の撮影を行い、視細胞が存在する眼底上の境界を探索しながらAO−SLO像の撮影を行う。これにより、視細胞層が存在する場合には高画質の視細胞層を描出し、視細胞が欠損している領域に関しては、その境界を正しく描出することが可能となる。
<平面画像>
図3に本実施例で用いたAO−SLOにより取得した複数のAO−SLO像とWF−SLO像との各々眼底上での配置を模式的に示す。AO−SLOでは、固視灯の位置を変えることで、被検眼が異なる位置を凝視した状態で撮影することにより、網膜上の異なる位置の撮影を行う。図4に固視灯の提示位置を操作する固視灯マップを示す。
まずは図4の固視灯マップで中心を選択した状態で固視灯を提示する。以下ではこの位置を基準位置と呼ぶ。このとき、提示される固視灯を凝視した被検眼を撮影すると、黄斑付近のAO−SLO像の撮影及びWF−SLO像の撮影を行うことができる。
WF−SLO像とは画像サイズが8mmx6mm、ピクセルサイズは533x400で、網膜の広い範囲を撮影することで得られる画像であり、網膜の全体イメージが取得される。WF−SLO画像と対応づけることにより、画角の狭いAO−SLO像の各々が網膜全体のどの位置にて撮影されたものであるかが提示される。AO−SLO像としては、撮影領域のサイズが1.7mmx1.7mm、0.82mmx0.82mm、及び0.34mmx0.34mmの種類があり、ピクセルサイズはすべて共通で400x400となる。即ち、3種類の解像度のAO−SLO像が得られる条件で撮影をする。ここで撮影領域が1.7mmx1.7mmであるAO−SLO像をL像、0.82mmx0.82mmであるAO−SLO像をM像、0.34mmx0.34mmであるAO−SLO像をS像とする。AO−SLO像の撮影時間及びフレームレートは変更することが可能であり、ここではフレームレートが毎秒32フレーム、撮影時間が2秒で、64枚の画像より構成される。
AO−SLO画像とWF−SLO画像を平面画像と呼ぶ。
<眼科装置の構成>
図1は、本実施例1に係る眼科装置20の機能構成を示したブロック図である。
図1において眼科装置20は、処理装置10、平面画像撮影装置3、及び表示部4を含む。処理装置10は、画像処理や収差補正係数の演算などを行う。平面画像撮影装置3は、収差補正を行わない広画角のSLOであるWF−SLO(Wide−Field SLO)像及びAO−SLO像の平面画像の撮影を行う。表示部4は、処理装置10の演算結果などをユーザーに提示する。本実施例では、眼科装置20は外部のデータベース(DB)1にも接続される。該DB1は、他のモダリティで取得された画像や患者データ、及び平面画像撮影装置3で取得された過去の画像やデータを記憶する。また、眼科装置20は、必要に応じてこれらデータ等を取得することができる。
処理装置10は、画像取得部100、情報取得部110、制御部120、記憶部130、画像処理部140及び出力部150を有する。画像取得部100は、平面画像撮影装置3により取得された平面画像を取得する。取得した平面画像は、制御部120を通じて記憶部130に記憶される。また、本実施形態では、該画像取得部100は、データベース1を介してOCT撮影装置2が取得したOCT断層像も取得可能としている。本実施例における該画像取得部100は、被検眼眼底の平面画像を取得する画像取得手段に対応する。情報取得部110は、ユーザーによる入力や収差補正の際の計測データ、更にはデータベース1に記憶されている各種データ等を取得する。
画像処理部140は、位置合わせ部141、境界取得部142、撮影位置設定部143、及び連結部144を含む。位置合わせ部141はWF−SLO像上の領域とAO−SLO像との対応付けを行い、これら像間での位置合わせを行う。境界取得部142は、単一のAO−SLO像をさらに細分化し、これら細分化された領域各々について視細胞が含まれるか否かを判別する。更にこの判別結果に基づき、元のAO−SLO像が視細胞を存在する領域の境界の有無を得る。本実施例における該境界取得部142は、平面画像から被検眼の視細胞が存在する存在領域と該視細胞が存在しない領域との境界を取得する境界取得手段に対応する。
撮影位置設定部143は、境界の存在の有無に基づいて、次にAO−SLO像を取得する撮影領域の設定を行う。また、連結部144は、視細胞の境界を含む全撮影画像に対し、各AO−SLO像の位置合わせ結果に基づき、個々の撮影領域をWF−SLO像上にて対応づける。本実施例における連結部144は、後述するように、複数のAO−SLO像から取得した境界を連結して眼底における視細胞の存在領域を画定する設定手段に対応する。
なお、画像処理部140は、OCT撮影装置2より取得したOCT断層像から視細胞層やRPE層を抽出し、視細胞層が正常な領域を特定することとしても良い。またこの場合、視細胞が欠損などのダメージを受けている場合には、想定される視細胞層を取得することが好ましい。さらに、OCT断層像が対応するWF−SLO像の位置を求め、視細胞が正常であると判定された領域をWF−SLO像上の領域に対応づける。そして、上記層解析結果にもとづき、ユーザーが指定した撮影位置の視細胞層の状態から、AO−SLOの制御方法について判断しても良い。
出力部150は、WF−SLO像に対応づけられた正常な視細胞層が存在する領域をモニタ等に出力する他、ユーザーが指定した撮影位置のAO−SLO像の撮影の制御方法をモダリティに指定する。
<画像処理装置の処理手順>
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施形態の眼科装置20の処理手順を説明する。
<ステップS210>
ステップS210において、画像取得部100は、平面画像撮影装置3により撮影された被検眼網膜の平面画像を取得する。そして取得した平面画像を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。なお、本実施例では、平面画像がWF−SLO像である場合について説明するが、WF−SLO像に限定されるものではなく、広い画角を撮影したAO−SLO像であってもよい。
<ステップS220>
ステップS220において、情報取得部110は最初にAO−SLOの撮影を行ってAO−SLO像を撮影する際の撮影位置として、視細胞が存在する可能性が高い位置についての情報を取得する。この最初の撮影位置は、過去の撮影画像や他モダリティからの情報に基づき、ユーザーが設定する場合もあるし、疾病ごとに最初の撮影位置をあらかじめ設定しておいて、その位置が取得される場合もある。具体的には、網膜色素変性症の場合に、中心窩を最初の撮影位置とする場合がある。そして取得した撮影位置を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS230>
ステップS230において、画像取得部100は、ステップS220で取得された撮影位置の情報を平面画像撮影装置3に送信し、眼底上の該位置のAO−SLO像を撮影させ取得する。そして取得したAO−SLO像を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS240>
ステップS240において、位置合わせ部141は、ステップS210で取得されたWF−SLO像と、ステップS230で取得されたAO−SLO像との位置合わせを行う。こうしてAO−SLO像の位置と、WF−SLO上の位置の対応付けを行った結果を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS250>
ステップS250において、画像処理部140は、記憶部130に保存されているAO−SLO像に視細胞の存在する領域と欠損する領域の境界が存在するかを判定する。
次に、図5のフローチャートを参照して、ステップS250における境界の存在判定の手順を説明する。
<ステップS510>
ステップS510において、境界取得部142は、取得されたAO−SLO像を小領域に分割する。ここで領域分割の仕方は複数考えられるが、一つの領域の大きさが小さくなると以降のステップでの周波数変換の精度が落ちる可能性がある。しかしそれによって領域の数が多くなれば、視細胞の存在する領域と存在しない領域の境界が、より正確に求められる可能性がある。
以上を考慮し、本実施例では、400x400ピクセルのAO−SLO像を、100x100の16領域に分割する。ここで、画像の2次元DFT(離散フーリエ変換)を行う場合には、小領域内のピクセルについて2のN乗のピクセル数となる必要がある。このため、本実施例では100x100ピクセルの領域を128x128ピクセルとなるようにパディング等で前処理を行い、その後DFTを行う。
こうして分割した領域を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS520>
ステップS520において、境界取得部142は、ステップS510で分割された16箇所の領域それぞれに対し、周波数変換を行う。
図6に、分割後の領域を周波数変換した場合の例を示す。視細胞が確認できる領域では、図6(a)に示すように、視細胞の密度に相当する空間周波数にリング状の構造がみられる。それに対し、視細胞が確認できない領域では、図6(b)に示すように、リング状の構造が確認できなくなる。
こうして取得した周波数変換画像を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS530>
ステップS530において、境界取得部142は、ステップS510で分割された各領域に対し、視細胞が存在するか否かを判断する。具体的には、ステップS520で求めた周波数変換結果に基づき、視細胞の密度に相当する空間周波数のシグナルの強さで、該視細胞の存在の有無を判断する。
具体的には、図7(a)に示したように、周波数変換画像のサイズをNxNとした時、(N/2、N/2)となる周波数変換画像の中心を原点とした極座標表示(r、 θ)を考える。そして周波数変換画像の各ピクセルの値をθ方向に積算した関数I(r)を算出する。但し、r=0、1、2、・・N/2とする。図7(b)に図6(a)に示した画像に対して取得された関数I(r)を示す。即ち、境界取得手段は、平面画像を周波数変換して得られる視細胞の密度に対応するシグナルの強度に基づいて、視細胞の存在の有無を領域として確定する境界を取得する。
ここで、視細胞の密度は、一般に知られている中心窩からの距離と視細胞密度の関係から求めることができる。ここで一般に知られている視細胞密度とは、例えば非特許文献1に示されている、解剖学的データに基づく報告がある。従って、ステップS240での位置合わせ結果に基づき、AO−SLO像の中心窩からの距離を求め、この距離より当該撮影位置での視細胞密度を得ることも可能である。
視細胞が存在するか否かの判断の指標としては、視細胞の密度に相当する空間周波数rに対応した関数I(r)の値を用いる方法がある。もしくは、I(r)の値が、AO−SLO画像のコントラストに大きく依存することを考慮し、視細胞の密度に相当する空間周波数rと、その倍の空間周波数2rに対応した関数I(r)、I(2r)の比を用いる方法がある。以下ではI(r)の値を用いる方法に基づき説明するが、指標はこれに限定されるものではない。
I(r)がある閾値Iよりも大きければ視細胞は存在すると判断し、ある閾値Iよりも小さければ視細胞は存在しないと判断する。I(r)の値がIとIの間である場合には、不定であるとする。閾値の値は例えば、I=2000、I=1000を用いた。
こうして取得した各領域において視細胞が存在するか否かの判断結果を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS540>
ステップS540において、境界取得部142は、ステップS530で求められた各領域の視細胞の存在判定結果に基づき、境界の判定を行う。具体的には、16領域すべてに視細胞が存在するとき、境界は存在しないと判断する。また、16領域に視細胞が存在する領域としない領域が混在している場合に、境界が存在すると判断する。その場合、視細胞が存在する領域としない領域に挟まれて、不定とされた領域が存在する場合には、その不定領域を境界領域とする。視細胞が存在する領域としない領域が隣接する場合には、隣接する視細胞が存在する領域を、境界領域とする。さらに、16領域すべてに視細胞が存在しないと判断した場合、撮影失敗と判断する。
こうして取得した画像中に境界が存在するか否かの判断結果を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS260>
ステップS260において、撮影位置設定部143は、ステップS540での境界判定結果に基づき、次の撮影位置を設定する。
図8に、網膜色素変性症の場合の眼底の模式図を示す。網膜色素変性症は、視細胞が周辺部より欠損してくることが知られているが、図8で中心窩付近に示した円形のグレーの領域が、視細胞が存在している領域、その周辺部を欠損している領域とする。
ステップS220において、最初の撮影位置は中心窩位置が設定される。中心窩位置で撮影されたAO−SLO画像(画像位置1の画像)をステップ510〜540に従い処理を行った結果、境界が存在しないと判定された場合、次の撮影位置は、現在の撮影位置の左隣りで、現撮影位置と重なり領域を持った位置(画像位置2)とする。ここで重なり領域の大きさはAO−SLOの撮影画角の15%程度、ここでは400x400ピクセルのため、60ピクセルとした。しかしこの大きさに限定されるものではなく、被検眼の固視の状態やトラッキングシステムの有無などに応じて、適切に変化させることができる。
こうして設定された次のAO−SLO像の撮影位置を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。即ち、画像取得部100は、境界取得手段で取得した境界の位置に応じて平面画像を撮影する眼底における撮影位置を設定する撮影位置設定手段として機能するモジュールを備える。
ここで、次の撮影位置の設定法について、図8に示す網膜色素変性症の例の場合についてより詳細に説明する。
画像位置2で撮影された画像に対して、ステップS240〜S250の処理が行われる。ここで、当該画像にも画像位置1で撮影された画像と同様に境界が存在しないと判断された場合、さらに画像位置2の左隣で、同様に60ピクセル分重なった位置(画像位置3)を次の撮影位置とする。
次に、画像位置3で撮影された画像に対して同様の処理が行われる。ここで、当該画像位置3では境界が存在すると判断した場合は、画像1の右隣で60ピクセル重なった位置を次の撮影位置(画像位置4)とする。そして画像位置4で撮影された画像に対して同様の処理が行われる。その結果、該画像位置4において境界が存在しないと判断された場合には、さらに右隣(画像位置5)を次の撮影位置とする。
次に、画像5位置で撮影された画像に対して同様の処理が行われる。ここで、今度は該画像位置5において境界が存在すると判断した場合には、画像位置1の上方で60ピクセルの重なりをもつ画像位置6が次の撮影位置とされる。そして画像位置6で撮影された画像に対して同様の処理が行われた結果、該画像位置6に境界が存在しないと判断された場合には、さらにその上方の画像位置7を次の撮影位置とする。
次に、画像位置7で撮影された画像に対して同様の処理が行われる。ここで、今度は該画像位置7において境界が存在すると判断した場合には、画像位置1の下方で60ピクセルの重なりをもつ画像位置8を次の撮影位置とする。
このように、最初の中心窩位置の撮影位置から、視細胞が存在する領域の境界が存在する所まで左右上下に撮影位置をずらしていく。そうして求めた十時型の撮影領域に対し、その十時をカバーする長方形領域(図8の画像9〜画像20)を、順番に次の撮影位置とする。
また、ステップS540で、撮影失敗と判断された場合には、設定されている撮影位置から、より視細胞の存在する確率が高い領域に向かって移動した撮影位置を提示する。具体的には、図8に示す網膜色素変性症の場合には、撮影に失敗した撮影位置から、中心窩の方向に60ピクセル移動した位置とする。これは、最初に設定された撮影位置の中心付近ではすでに視細胞が欠損しているため、フォーカス調整が不安定となり、撮影が失敗している可能性を考慮するためである。
最後に、上記画像位置1〜20での撮影終了後さらに、視細胞のみが存在し、境界が存在しないと判断した画像が、撮影範囲の最外周部にはないことを確認する。そのような画像が存在する場合には、その画像の撮影されていない上下左右の隣接位置を次の撮影位置とする。そのような画像が存在しない場合には、次の撮影位置を設定しない状態でステップS270にフローは移行する。
<ステップS270>
ステップS270において、制御部143は、ステップS260で撮影位置設定部により設定された次の撮影位置を取得し、境界部を含むすべての視細胞が存在する領域が撮影されたかを判断する。すべての領域の撮影が完了しておらず、次の撮影位置が設定されている場合には、ステップS230に戻り、ステップS260で取得された撮影位置の情報を平面画像撮影装置3に送信し、該位置のAO−SLO像を取得する。そして取得したAO−SLO像を、制御部120を通じて記憶部130に保存して、ステップS240に続く。
次の撮影位置が設定されていない場合には、出力部150を通じて平面画像撮影装置3に、撮影の完了を送信し、フローはステップS280に移行する。
<ステップS280>
ステップS280において、連結部144は、視細胞の境界を含む全撮影画像に対し、ステップS540によって平面画像上に設定された視細胞が存在する領域、存在しない領域、及び境界領域の情報を記憶部130より取得する。そしてステップS240での、各平面画像の位置合わせ結果に基づき、上記領域をWF−SLO画像上に対応づけることでこれら画像或いは情報を連結する。こうして取得した視細胞が存在する領域及び境界領域の連結結果を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。同時に、出力部150を通じて表示部4に提示する。このとき該境界位置は、ステップS210で取得されたWF−SLO像上に重畳して提示される。即ち、ここで述べた連結部144は、取得した境界と、平面画像を取得した眼底における撮影位置とを対応づける位置合わせ手段も構成する。
以上の構成により、AO−SLOにより網膜の画像を取得する際に、視細胞が存在する全領域をその境界と共に、撮影することが可能になる。
(実施例2)
実施例1では視細胞が存在する可能性が高い領域から撮影を開始し、視細胞の存在を確認しながら、視細胞が欠損する領域との境界を探索し、視細胞が存在する全領域の撮影を行う手法について説明した。実施例2では、視細胞が存在する全領域ではなく、存在する領域と欠損する領域との境界となる境界領域のみを撮影する場合について説明する。
本実施例で用いる眼科装置の機能構成は、本実施例においても実施例1で用いた図1の構成とかわらないため、説明は省略する。次に、図9のフローチャートを参照して、本実施例に係る眼科装置20の処理手順を説明する。但し、ステップS210〜S250と、ステップS270については、図2を参照して述べた各処理と内容が変わらないため、説明は省略する。
<ステップS1060>
ステップS1060において、撮影位置設定部143は、ステップS540での境界判定結果に基づき、次の撮影位置を設定する。
図10に、網膜色素変性症の場合の眼底の模式図を示す。網膜色素変性症は、視細胞が周辺部より欠損してくることが知られているが、図10で中心窩付近に示した円形のグレーの領域が、視細胞が存在している領域、その周辺部を欠損している領域とする。
ステップS220において、最初の撮影位置として中心窩位置が設定される。中心窩位置で撮影されたAO−SLO像(画像位置1の画像)についてステップS510〜S540に従った処理を行った結果、該画像位置1には境界が存在しないと判定された場合についての移行の処理について述べる。この場合、次の撮影位置は、現在の撮影位置の左隣りで、現撮影位置と重なり領域を持った位置(画像位置2)とする。ここで重なり領域の大きさはAO−SLOの撮影画角の15%程度、ここでは400x400ピクセルのため、60ピクセルとした。しかしこの大きさに限定されるものではなく、被検眼の固視の状態やトラッキングシステムの有無などに応じて、適切に変化させることができる。
こうして設定された次のAO−SLO像の撮影位置を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
ここで、次の撮影位置の設定法について、図10に示す網膜色素変性症の例の場合についてより詳細に説明する。
画像位置2で撮影されたAO−SLO像に対して、ステップS240〜S250の処理が行われる。ここで、画像位置1でのAO−SLO像と同様に当該位置でも境界が存在しないと判断された場合、さらに画像位置2の左隣で、同様に60ピクセル分重なった位置(画像位置3)を次の撮影位置とする。
次に画像位置3で撮影されたAO−SLO画像に対しても同様の処理が行われる。ここで、当該画像位置3の中に境界が存在すると判断した場合、中心窩から境界探索を開始して最初に境界が含まれた画像として、画像位置3で得られた画像を探索開始画像とする。また、画像位置3において境界がつながる方向を確認し、例えば画角の上辺と境界とが接触する場合には画角上部に境界が延在していると判断する。そして、該境界の延在方向に沿った画像位置3の上部に隣接する画像位置4を次の撮影位置と設定する。即ち、ここでの隣接位置の選択法は、ステップS250で、各領域に対して求められた、視細胞の存在判定結果に基づいて決められる。
図11(a)に、図10の画像位置3で得られた画像について、ステップS250により取得された、各領域の視細胞の存在判定の結果を示した。ここで濃い色の領域は視細胞が存在すると判定された領域、透明の領域は視細胞が存在しないと判定された領域、薄い色の領域は、視細胞の存在が判断できなかった領域を表している。ここでは、濃い色の領域と透明の領域とに挟まれた視細胞の存在が判断できなかった領域に境界が存在すると仮定する。
図11(a)によれば、該画像において、境界を示す領域が右下の隅から上辺略中央に至るように延在しており、境界が画像の上辺を横切っていることが予想される。このような場合には、次の撮影位置は、画像位置3の上方で60ピクセル分重なる位置を設定する。即ち、境界が撮影画角の上下左右の何れの辺を横切っている場合にも同様に、対応する辺の方向で、60ピクセル分重なる位置を、次の撮影位置として設定する。
次に、図11(b)に、図10の画像位置4で得られた画像についても、同様に、各領域の視細胞の存在判定の結果を示した。画像位置4で得られた画像の場合には、右上隅位置に境界想定位置が来ている。この場合には、右上隅が60x2=120ピクセル分重なるように、次の撮影位置を設定する。こうして設定された撮影位置が、図10の画像位置5で示されている。
なお、図10では境界の探索を右回りに行っているが、方向は右回り左回りどちらでもよい。解析を行っている画像を得た位置が、探索開始画像を得た画像位置3と重なった場合には、次の撮影位置は設定されないとする。
また、実施例1と同様に、ステップS540で撮影失敗と判断された場合には、設定されている撮影位置からより視細胞の存在する確率が高い領域に向かって移動した新たな撮影位置を提示することが好ましい。
(実施例3)
実施例1では、視細胞が欠損する境界を探索しながら視細胞が存在する全領域の撮影を行う手法について説明した。さらに実施例2では、視細胞が欠損する領域と存在する領域との境界に沿って、撮影を行う手法について説明した。しかし視細胞が存在する領域が大きい場合、実施例1の方法では撮影する領域が膨大となり、検査時間の延長化等、被検眼へ負担をかけることになる。実施例2は実施例1に比べ撮影領域の数は減るが、境界の形状が不規則な場合には正しく境界を探索できない可能性がある。
そこで本実施例では、解像度を落としたAO−SLO画像で、実施例1と同様の方法で視細胞が存在する全領域の撮影を行い、さらに境界を明確に求めたい箇所などに限定して高解像度のAO−SLOで対象領域を撮影する方法について説明する。
本実施例で用いる眼科装置の機能構成についても、図1に示した実施例1の眼科装置とかわらないため、説明は省略する。次に、図12のフローチャートを参照して、本実施例において眼科装置20にて行われる処理手順を説明する。但し、ステップS210〜S280については図2を参照して述べた各処理の内容と変わらないため、説明は省略する。
本実施例では、ステップS220で取得するAO−SLO像は、収差補正は行っているが低解像度の画像とし、ステップS1220で取得するAO−SLO像は、収差補正を行った高解像度の画像としている。具体的には、低解像度AO−SLO像とは、視細胞を個別に検出するのは困難だが、視細胞が存在する領域と欠損する領域の把握はできるレベルの解像度であり、前述した平面画像のM像などがこれにあたる。高解像度のAO−SLO像とは、視細胞を個別に検出できるレベルの解像度を持つ画像であり、前述した平面画像のS像がこれにあたる。しかし上記の区分に限定されるものではなく、撮影した疾病の大きさや範囲、解像したい視細胞密度に応じで用いる解像度を変更することが可能である。
<ステップS1220>
ステップS1220において、情報取得部110は、ステップS280でユーザーに提示された視細胞の存在する領域及びその境界の情報に基づき、ユーザーが選択した高解像度の平面画像の撮影位置を取得する。
そして取得した撮影位置を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS1230>
ステップS1230において、画像取得部100は、ステップS1220で取得した撮影位置の情報を平面画像撮影装置3に送信し、該位置の高解像度AO−SLO像を撮影させ取得する。
ここで、ステップS1220で取得した撮影位置が、ステップS280で取得した境界を含む領域である場合には、同じ撮影位置でフォーカス位置を複数箇所に設定した撮影を行う。具体的には、収差補正により取得されたフォーカス位置で撮影すると共に(フォーカス基準画像)、前後に10μmずつ、3ステップずつふった画像を取得する。つまり10μm、20μm、30μm硝子体側に、また10μm、20μm、30μm脈絡膜側にフォーカス位置を移動させて撮影を行い、合計7枚の画像を取得する。
これは、境界付近では、視細胞層の状態によって収差補正に必要なビーコン反射光が不安定となり、正しいフォーカス位置での撮影が困難となる場合があるためである。フォーカス位置のずれによって、視細胞層の描出状態は大きく影響を受けるため、上記のように複数のフォーカス位置で画像を取得することによって、より精度の高い視細胞が存在する領域の境界を取得することが可能になる。
また、同様の理由で、ステップS1220で取得した撮影位置が、ステップS280で取得した視細胞が存在する領域の境界の外側となる場合、つまり視細胞が存在しないと判定された領域となる場合には、ユーザーにその旨のアラートを提示する。そして、ビーコン反射光が不安定となる状態でも通常の撮影を行うか、フォーカス位置を手動で設定するか、もしくは近傍の視細胞が存在する領域での撮影時に用いたフォーカス位置を用いるか、等の選択を提示する。
そして取得した高解像度AO−SLO像群を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS1240>
ステップS1240において、位置合わせ部141は、ステップS210で取得されたWF−SLO像と、ステップS1230で取得された高解像度AO−SLO像群それぞれの位置合わせを行う。こうして高解像度AO−SLO像各々と、WF−SLO像上の位置との対応付けを行った結果を、制御部120を通じて記憶部130に保存する。
<ステップS1250>
ステップS1250において、画像処理部140は、記憶部130に保存されているAO−SLO像群に視細胞の存在する領域と欠損する領域の境界が存在するかを判定する。なお、当該ステップで行われる処理の詳細は図5のステップS510〜S540で行われる処理と同じであるため説明は省略する。但し、ステップS1230で取得した7枚の画像すべてに対して処理を行い、各画像の領域ごとに視細胞の存在判定を行う。そして視細胞が存在する領域を連結し、視細胞が存在する領域が最も大きい場合の境界を、真の境界とする。
図13に、本実施例で撮影したWF−SLO画像上での高解像度AO−SLO画像群各々の配置の模式図を示す。以上述べたように、本実施例ではステップS280までで取得した視細胞の存在領域に基づき、該ステップ以前の工程にて得た平面画像とは解像度の異なる第二の平面画像を取得している。この第二の平面画像は、平面画像撮影装置3において解像度を高め、これを第二の画像取得手段として機能させることにより得られる。
ここで、前述したように、第二の画像取得手段は、取得した第二の平面画像が視細胞の境界を含む場合に、該第二の平面画像を取得した撮影位置に対して複数のフォーカス位置で撮影を行うことが好ましい。またこの場合、境界取得部142は、複数のフォーカス位置で撮影された第二の平面画像の各々から視細胞の存在領域の境界を再度取得することがより好ましい。或いは、前述したように、第二の画像取得手段は、取得した第二の平面画像が視細胞を含む場合に、第二の平面画像を取得した撮影位置に対して複数のフォーカス位置で撮影を行うことが好ましい。また、この場合、境界取得部142は、複数のフォーカス位置で撮影された第二の画像の各々から、連結部144にて連結に用いる第二の平面画像を再度選択することがより好ましい。
(実施例4)
実施例3では、低解像度のAO−SLOを用いて実施例1に示した方法により取得した視細胞の存在する領域及びその境界に基づき、更に高解像度のAO−SLOを撮影する方法について説明した。また、その際に、高解像度のAO−SLOの撮影位置が視細胞の存在する領域の境界を含む場合についての処理を説明した。そこで本実施例では、高解像度のAO−SLOの撮影位置が、境界を含まず視細胞が存在する領域である場合の処理について説明する。
具体的には、撮影位置が視細胞が存在する領域である場合には、正しくフォーカス位置を設定すれば、詳細な視細胞画像が取得できる可能性が高い。このために、あらかじめ複数のフォーカス位置でAO−SLO像の撮影を行っておく。複数枚とは、実施例3で述べたように7枚でもよいし、より広範囲でも構わない。また被検眼の過去の撮影履歴や、撮影位置によって、あらかじめ撮影するフォーカス範囲を設定してもよい。
そうして得られた複数枚のフォーカス位置の異なるAO−SLO像から、視細胞が描出されている画像を選択する。具体的には、実施例1のステップS250で示したAO−SLO像の周波数変換画像を用いて、指標の大きさが最も大きな画像を選択する。
さらに、画像ごとに選択するのではなく、実施例1のステップS510で示したような領域分割を行い、指標の大きさの大きい領域を連結して画像を生成してもよい。
(実施例5)
実施例1〜4では、撮影時時点のAO−SLO像のみを用いて、視細胞が存在する領域と欠損する領域の境界を探索しながら、視細胞が存在する領域及びその境界を撮影する方法について述べている。しかし、視細胞が存在する可能性の高い領域についてあらかじめ情報が得られる場合もある。
具体的には、同時に取得したOCT断層像や蛍光眼底造影画像など、他モダリティから得られる情報を参照する場合がある。もしくは、同一被検眼に関し、過去に撮影されたAO−SLO像から求められた視細胞の境界を参考にする場合がある。即ち、本実施例の場合、該境界は、被検眼についてのOCT断層像に基づいて取得する、過去に取得した被検眼の平面画像より取得する、過去に取得した複数の境界より選択する、等により定めても良い。
図14に、過去の撮影時に得られた視細胞の境界の情報を、WF−SLO像上に重ね合わせて表示した例を示す。図14では過去4回分の経過観察時に取得された視細胞が得られた領域について、新しい領域ほど濃い色で示してある。このような情報をユーザーに提示することにより、ユーザーが現段階での視細胞の存在位置の予測をすることを可能とする。具体的には、図14では左側よりも右側の方が、視細胞が存在する領域の縮小速度が速いため、その前回撮影時の境界に比べ、より内側に境界が存在する可能性があるなどである。
また、過去の撮影時に得られた視細胞の境界の差分を領域として抽出し、解析対象領域とすることもできる。具体的には、前回撮影時の境界と、前々回撮影時の境界の差分領域を求めた場合、その差分領域に含まれる視細胞は、前々回撮影時には存在したが、前回撮影時には欠損していたこととなる。前々回撮影時の画像に関して、差分領域に含まれる視細胞と、前回撮影時の境界内に含まれる視細胞を解析比較することで、まもなく欠損する視細胞の解析を行うことが可能になる。即ち、このような場合に、境界取得部142は過去に取得した複数の境界の差分を解析対象領域として抽出することとなる。
他のモダリティや過去の経過情報がある場合には、それから視細胞の存在する可能性が高い領域を予測することができる。よって実施例1〜4で示したような、撮影したAO−SLO像を解析して境界を探索する方法と組み合わせることで、より精度の高い撮影が可能になると考えられる。
具体的には、ステップS250で撮影画像に境界が含まれるか否かの判断を行った場合に、それが予測と異なる場合には、ユーザーにアラートを提示すると同時に、フォーカス位置をふって同じ位置で再度撮影を行うなどのオプションを示すことなどが考えられる。
また、被検眼によって他のモダリティや過去の経過情報がある場合とない場合があるために、撮影時に他のモダリティや過去の経過情報を利用するモードと利用しないモードを切り替えることが可能であるとする。
(その他の実施形態)
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
1 データベース
2 OCT撮影装置
3 平面画像撮影装置
4 表示部
10 処理装置
20 眼科装置
100 画像取得部
110 情報取得部
120 制御部
130 記憶部
140 画像処理部
141 位置合わせ部
142 境界取得部
143 撮影位置設定部
144 連結部
150 出力部

Claims (11)

  1. 被検眼の眼底の平面画像を取得する画像取得手段と、
    前記平面画像、前記被検眼の視細胞が存在する存在領域と前記視細胞が存在しない領域との境界を含む画像であるか否か判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断に基づいて、次の平面画像を取得する位置を設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定された前記位置の平面画像を、前記画像取得手段に取得させる制御手段と、
    前記画像取得手段、前記判断手段、前記設定手段、及び、前記制御手段による処理を繰り返すことにより取得した複数の前記平面画像に含まれる前記境界の連結結果を表示手段に表示させ表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする眼科装置。
  2. 前記判断手段は、前記平面画像を周波数変換して得られる前記視細胞の密度に対応するシグナルの強度に基づいて、前記境界を含む画像であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記判断手段は、前記平面画像を複数の領域に分割し、分割した領域ごとの画像を周波数変換して得られる領域ごとのシグナルの強度に基づいて判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
  4. 前記境界の連結結果に基づき、前記平面画像の解像度より高い解像度の第二の平面画像を取得する第二の画像取得手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記第二の画像取得手段は、同じ撮影位置においてフォーカス位置を複数個所に設定して撮影を行うことにより複数の第二の平面画像を取得することを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  6. 前記判断手段は、前記複数のフォーカス位置で撮影された前記第二の平面画像の各々前記境界を含む画像であるか否かを判断することを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  7. 前記判断手段による前記複数のフォーカス位置で撮影された前記第二の平面画像の判断結果に基づいて、前記境界の連結に用いる前記第二の平面画像を選択する選択手段を更に備えたことを特徴とする請求項に記載の眼科装置。
  8. 被検眼の眼底の平面画像を取得する画像取得手段と、
    前記平面画像において視細胞が存在する領域と存在しない領域との境界を取得する境界取得手段と、
    前記取得した境界の前記平面画像における位置に基づいて次の平面画像を取得する位置を設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定された前記位置の平面画像を、前記画像取得手段に取得させる制御手段と、
    前記画像取得手段、前記境界取得手段、前記設定手段、及び、前記制御手段による処理を繰り返すことにより取得した複数の前記平面画像に含まれる前記視細胞の存在領域の境界の連結結果を表示手段に表示させ表示制御手段と、
    を備えたことを特徴とする眼科装置。
  9. 請求項1乃至の何れか一項に記載の眼科装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  10. 請求項に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
  11. 画像取得手段により被検眼の眼底の平面画像を取得する画像取得工程と、
    前記平面画像、前記被検眼の視細胞が存在する存在領域と前記視細胞が存在しない領域との境界を含む画像であるか否か判断する判断工程と、
    前記判断工程における判断に基づいて、次の平面画像を取得する位置を設定する設定工程と、
    前記設定工程において設定された前記位置の平面画像を前記画像取得手段に取得させる制御工程と、
    前記画像取得工程、前記判断工程、前記設定工程、及び、前記制御工程における処理を繰り返すことにより取得した複数の前記平面画像に含まれる前記境界の連結結果を表示手段に表示させ表示制御工程と、
    を含むことを特徴とする眼科装置の制御方法。
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