JP6413367B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車(伝達歯車)4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図3中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図3中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図3中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図4の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、上述の押圧装置12として油圧式の押圧装置が用いられる場合がある。この油圧式の押圧装置の一例として特許文献1に記載されたものが知られている。
図5は、特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機の押圧装置130を示す断面図である。
押圧装置130は、入力軸1の基端部(図5において左端部)に結合される第1のシリンダ部141と、入力側ディスク2に設けられた第2のシリンダ部159と、環状の第1のピストン部161と、環状の第2のピストン部160とを備えている。なお、第1シリンダ部141と入力側ディスク2の外周部とは、入力側ディスク2が軸方向に移動可能に、かつ第1のシリンダ141と同期して回転するようにして係合している。
第1のシリンダ部141は、概略有底円筒状に形成され、筒状部分が第2のシリンダ部159の外周外側に位置しており、底部分が入力側ディスク2の背面(外側面)2dと対向した状態で配されている。また、第1のシリンダ部141は、その底部分が入力軸1に外嵌されて固定されている。また、第2のシリンダ部159は、筒状に形成されており、入力側ディスク2の外周縁から第1のシリンダ部141に向けて延びている。
第2のピストン部160は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第2シリンダ部159の内周面に嵌合されており、入力側ディスク2の背面2dに対向した状態で配されている。また、第1のピストン部161は、その内周面が入力軸1の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第1シリンダ部141の内周面に嵌合されており、第2のピストン部160と第1のシリンダ部141との間に配されている。
第1のシリンダ部141の内面と、第1のピストン部161と、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第1の油圧室(油室)170を構成している。この第1の油圧室170は、複数のシール部材171によって流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部159の内周面と、第2のピストン部160と、入力側ディスク2の背面2dと、入力軸1の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2の油圧室(油室)167を構成している。この第2の油圧室167は、複数のシール部材168によって流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部159の内周側において、第2のピストン部160と第1のピストン部161との間に位置する空間175は空気室となっている。この空気室175は、複数のシール部材168,171によって流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部159は、空気室175を外部に連通させる連通溝としても機能する隙間Sを第1のピストン部161との間に有しており、この隙間Sを介して第1のピストン部161と当接可能となっている。そして、第1の油圧室170を一部利用して、第1のピストン部161と第1のシリンダ部141との間には、予圧を付与するための皿バネ200が介挿され、第1のシリンダ部141に対して、入力軸1に沿って移動自在な第1のピストン部161を入力側ディスク2に向かって付勢している。
また、各油圧室167,170に油を供給するため、入力軸1等には、軸線と同軸な図示しない油路やこの油路と直交するように径方向に延びる油孔180等の油路が形成されている。
ここで、第1の油圧室170に圧油を供給して油圧をかけると、入力軸1に固定された第1のシリンダ部141に対して、入力軸1の軸方向に移動自在な第1のピストン部161が軸方向に沿って入力側ディスク2に向かって移動する。そして、第2シリンダ部159に当接する第1のピストン部161により、第2シリンダ部159が設けられたこの入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向かって押圧する押圧力を付与する。
また、第2の油圧室167に圧油を供給して油圧をかけると、入力軸1に固定された第2のピストン部160に対して、入力軸1の軸方向に沿って移動自在な入力側ディスク2に設けられた第2シリンダ部159が、この入力側ディスク2とともに、他方の入力側ディスク2に向かう方向に移動し、他方の入力側ディスク2をこの入力側ディスク2に向かって押圧する押圧力を付与する。
また、入力軸1に対して同心的に配置された入力側ディスク2は、入力軸1との間に所定の隙間SAを形成している。そして、この隙間SAには、押圧装置130から所定のローディング圧で圧油が導入されるようになっている。すなわち、入力側ディスク2と入力軸1との間にボールスプライン等の軸受手段が用いられておらず、両者1,2の間に僅かな隙間SAが存在するだけである。また、入力側ディスク2と入力軸1との間に、隙間SAからの圧油の漏れを防ぐシール部材400が介挿されている。具体的には、このシール部材400は、押圧装置130と対向する入力側ディスク2の背面と反対側の面の近傍(入力側ディスク2の小径側端面寄り)に配置されている。
また、入力軸1と一体に回転する前記第1のシリンダ部141の筒状部分には、軸方向に延在する溝の凹部が周方向に所定間隔で形成される一方、入力側ディスク2の外周面には前記凹部に軸方向に移動可能に係合する突部が設けられている。これによって、入力側ディスク2は第1のシリンダ部141の回転に伴って回転するとともに、軸方向に移動可能となっている。
特開2007−205546号公報
ところで、図5に示すような押圧装置を備えたトロイダル型無段変速機では、入力側ディスク2と入力軸1との間に、隙間SAからの圧油の漏れを防ぐシール部材400が介挿されている。このシール部材400は、入力側ディスク2の内径面に周方向に沿う溝部を形成し、この溝部に嵌め込まれている。また、これに代えて、入力軸1の外径面に周方向に沿う溝部を形成し、この溝部にシール部材を嵌め込むこともある。
しかしながら、入力ディスク2の内径面や入力軸1の外径面に溝部を形成すると、溝部において応力が大きくなるため、強度を保つために全体のサイズを大きくしたり、溝部の黒皮(熱処理異常層)を除去することを行っていた。
ここで、溝部の応力が大きくなる理由は以下のとおりである。
入力側ディスク2の内径面でかつ小径側に溝部を形成した場合、パワーローラが入力側ディスク2の小径側に接触している際に、入力側ディスク2が楕円状に変形し、溝部に過大な応力が生じることになる。
一方、入力軸1に溝部を形成した場合、トラクションドライブの際に押圧装置から遠い側の入力側ディスク2をパワーローラ11に押し付けるために、入力軸1に非常に大きい軸力を伝えることから、溝部が引っ張られて当該溝部に大きな応力が生じる。
さらに、トロイダル型無段変速機が、このトロイダル型無段変速機に遊星歯車機構を組み合わせたギヤードニュートラル機構を構成する場合に、ギヤードニュートラル付近で大きな軸力が入力軸1に負荷されるため、入力軸1の溝部に大きな応力が生じ易い。
また、出力側ディスク3の外周部分に出力歯車4が設けられている場合、出力側ディスク3は、ラジアルニードル軸受を介して入力軸1に支持されている。この場合に、出力歯車4にかかるギヤ反力(ラジアル力)は、ラジアルニードル軸受を介して入力軸1が受けることになる。このラジアル力により入力軸1が撓み、前記溝部で発生する応力は殊更大きくなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、第1ディスクの背面側に油圧室を有する押圧装置を有する場合に、第1ディスクや軸にシール部材を嵌め込むための溝部を形成しなくても、第1ディスクと軸との間を油密にシールできるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクの中心部を貫通してこれらを支持する軸と、前記第1ディスクの背面側に油圧室を有し、前記両ディスクを互いに近づけ合う方向に押圧する押圧装置と、前記第1ディスクと前記軸との間に設けられたシール手段とを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記シール手段が前記第1ディスクと前記軸とのいずれか一方に設けられ、かつリップが他方に油密に摺接するリップ付きシールであり、
前記第1ディスクの小端面の内径側に、前記リップ付きシールを挿入するための凹部が前記軸の周方向に沿って設けられ、
前記第1ディスクの軸方向において、前記凹部の奥側に入口側より大径の内壁面が設けられ、
前記凹部に前記リップ付きシールが、その一部を前記内壁面に係合するようにして、挿入されていることを特徴とする。
本発明においては、第1ディスクと軸とのいずれか一方にリップ付きシールが設けられ、このリップ付きシールのリップが他方に油密に摺接するので、第1ディスクや軸にシール部材を嵌め込むための溝部を形成しなくても、第1ディスクと軸との間を油密にシールできる。
このため、従来のようなシール部材を嵌め込むための溝部を第1ディスクや軸に設ける必要がないので、この溝部に起因する応力の発生はなく、第1ディスクや軸の強度を高めることができる。また、溝部の加工が不要となるので、製作コストの低減を図ることができる。
本発明の前記構成において、前記リップ付きシールが前記第1ディスクの小端面の内径側に設けられているのが好ましい。
このような構成によれば、従来のような第1ディスクの内径面に溝部を設け、この溝部にシール部材を嵌め込む場合に比して、第1ディスクにリップ付きシールを容易に取り付けることができるとともに、取り外しも容易となり、リップ付きシールのメンテナンスが容易となる。
また、本発明の前記構成において、前記第1ディスクの小端面の内径側に、前記リップ付きシールを挿入するための凹部が前記軸の周方向に沿って設けられ、 前記第1ディスクの軸方向において、前記凹部の奥側に入口側より大径の内壁面が設けられ、 前記凹部に前記リップ付きシールが、その一部を前記内壁面に係合するようにして、挿入されている。
このような構成によれば、第1ディスクの凹部にリップ付きシールの一部を凹部の奥側にある大径の内壁面に係合しているので、リップ付きシールが第1ディスクからその軸方向へ抜け出るのを防止できる。
また、本発明の前記構成において、第1ディスクの外周部は、前記押圧装置を構成し、かつ駆動源によって回転駆動されるシリンダに軸方向に移動可能に係合していてもよい。
このような構成によれば、入力側ディスクと軸とをボールスプライン等によって結合する場合に比して、径の大きな外周部をシリンダに軸方向に移動可能に係合する方が構造的に有利であるという利点がある。
本発明によれば、第1ディスクと軸とのいずれか一方にリップ付きシールが設けられ、このリップ付きシールのリップが他方に油密に摺接するので、第1ディスクや軸にシール部材を嵌め込むための溝部を形成しなくても、第1ディスクと軸との間を油密にシールできる。したがって、第1ディスクや軸の強度を高めることができる。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、その要部の断面図である。 同、リップ付きシールとその周囲の部位を示す要部の拡大断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の他の一例を示すもので、その要部の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、本実施形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、入力側ディスク(第1ディスク)2と入力軸(軸)1との間に設けられたシール手段の構造にあるので、以下ではこの点について詳しく説明し、図5に示すトロイダル型無段変速機と同一の構成には同一符号を付して、その説明を省略ないし簡略化する。
図1に示すように、本実施の形態では、前記押圧装置130に近い側の入力側ディスク2と入力軸1との間には、シール手段201が設けられている。このシール手段201はリップ付きシール201であり、このリップ付きシール201は、入力側ディスク2に設けられている。
すなわち、入力側ディスク2の小端面の内径側には、環状の凹部2eが入力軸1の周囲に沿って設けられており、この凹部2eにリップ付きシール201が嵌め込まれている。リップ付きシール201は、ゴム組成物等の弾性材料で構成されており、環状の芯金201aを内包することにより強度が補強されている。弾性材料の具体例としては、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等のゴム材料や合成樹脂等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、芯金201aは、リップ付きシール201の強度を補強できる材質で構成されていればよく、例えば金属やプラスチック等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、リップ付きシール201は、弾性材料のみで構成されていてもよく、芯金201aを有していなくてもよい。
また、リップ付きシール201は、その内周側に入力軸1の軸方向に離間する2つのリップ201b,201cを有しており、これらリップ201b,201cが入力軸1の外周面に油密に摺接するようになっている。
また、リップ201b,201cが設けられている環状部材201dの外周部には弾性リング201eが設けられ、この弾性リング201eの締め付け力によって、リップ201bが入力軸1の外周面に対して所定の緊迫力で摺接するようになっている。
また、前記押圧装置130を構成する第1のシリンダ部141は、図示しないエンジン等の駆動源によって回転駆動されるようになっている。そして、入力側ディスク2の外周部は、シリンダ部141に軸方向に移動可能に係合している。
すなわち、シリンダ部141の筒状部の先端部(図1において右端部)には、軸方向に延在する凹溝205aが周方向に所定間隔で複数設けられている。一方、入力側ディスク2の外周部には、径方向に突出する凸部205bが周方向に所定間隔で複数設けられている。そして、凹溝205aに凸部205bが軸方向に摺動可能に係合することによって、入力側ディスク2の外周部が、シリンダ部141に軸方向に移動可能に係合している。
このような構成において、第1の油圧室170に圧油を供給して油圧をかけると、第1のピストン部161が軸方向に沿って入力側ディスク2に向かって移動する。そして、第2シリンダ部159に当接する第1のピストン部161により、第2シリンダ部159が設けられたこの入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向かって押圧する押圧力を付与する。
また、第2の油圧室167に圧油を供給して油圧をかけると、第2シリンダ部159が、入力側ディスク2とともに、他方の入力側ディスク2に向かう方向に移動し、他方の入力側ディスク2をこの入力側ディスク2に向かって押圧する押圧力を付与する。
また、入力側ディスク2は、入力軸1との間に所定の隙間SAを形成している。そして、この隙間SAには、押圧装置130から所定のローディング圧で圧油が導入されるが、入力側ディスク2にリップ付きシール201がそのリップ201b,201cを入力軸1の外周面(外径面)に油密に摺接するようにして設けられているので、隙間SAからの圧油の漏れを防止している。
本実施の形態によれば、入力側ディスク2にリップ付きシール201が設けられ、このリップ付きシール201のリップ201b,201cが入力軸1の外周面に油密に摺接するので、従来のように入力側ディスク2や入力軸1にシール部材を嵌め込むための溝部を形成しなくても、入力側ディスク2と入力軸1との間を油密にシールできる。
このため、従来のようなシール部材を嵌め込むための溝部を入力側ディスク2や入力軸1に設ける必要がないので、この溝部に起因する応力の発生はなく、入力側ディスク2や入力軸1の強度を高めることができる。また、溝部の加工が不要となるので、製作コストの低減を図ることができる。
また、リップ付きシール201が入力側ディスク2の小端面の内径側の凹部2eに設けられているので、従来のような入力側ディスクの内径面に溝部を設け、この溝部にシール部材を嵌め込む場合に比して、入力側ディスク2にリップ付きシール201を容易に取り付けることができるとともに、取り外しも容易となり、リップ付きシール201のメンテナンスが容易となる。
さらに、入力側ディスク2の外周部は、押圧装置130を構成する第1のシリンダ部141に軸方向に移動可能に係合しているので、入力側ディスク2と入力軸1とをボールスプライン等によって結合する場合に比して、径の大きな外周部をシリンダ部141に軸方向に移動可能に係合する方が構造的に有利である。
また、図2に示すように、本実施の形態において、入力側ディスク2の小端面の内径側に設けられている凹部2eに、入力側ディスク2の軸方向の奥側に、入口側より大径の内壁面2fを設けてもよい。
この場合、この凹部2eにリップ付きシール201が、その一部201fを内壁面2fに係合するようにして、挿入されている。
このようにして、リップ付きシール201を設ければ、リップ付きシール201の一部201fが内壁面2fに係合しているので、リップ付きシール201が入力側ディスク2からその軸方向へ抜け出るのを防止できる。
なお、本実施の形態では、リップ付きシール201を入力側ディスク2に設け、そのリップ201b,201cを入力軸1の外周面に油密に摺接させる場合を例にとって説明したが、これとは逆に、リップ付きシールを入力軸に設け、そのリップを入力側ディスクの内径面に摺接させるように構成してもよい。
また、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は、入力側ディスク2と出力側ディスク3とを入れ替えた場合にも適用できる。また、本発明はフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
1 入力軸(軸)
2 入力側ディスク(第1ディスク)
2f 大径の内壁面
3 出力側ディスク(第2ディスク)
11 パワーローラ
130 押圧装置
141 第1のシリンダ部(シリンダ)
201 リップ付きシール(シール手段)
201b,201c リップ
201f リップ付きシールの一部

Claims (2)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた第1ディスクおよび第2ディスクと、これら両ディスクの間に挟持されるパワーローラと、前記両ディスクの中心部を貫通してこれらを支持する軸と、前記第1ディスクの背面側に油圧室を有し、前記両ディスクを互いに近づけ合う方向に押圧する押圧装置と、前記第1ディスクと前記軸との間に設けられたシール手段とを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記シール手段が前記第1ディスクと前記軸とのいずれか一方に設けられ、かつリップが他方に油密に摺接するリップ付きシールであり、
    前記第1ディスクの小端面の内径側に、前記リップ付きシールを挿入するための凹部が前記軸の周方向に沿って設けられ、
    前記第1ディスクの軸方向において、前記凹部の奥側に入口側より大径の内壁面が設けられ、
    前記凹部に前記リップ付きシールが、その一部を前記内壁面に係合するようにして、挿入されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 第1ディスクの外周部は、前記押圧装置を構成し、かつ駆動源によって回転駆動されるシリンダに軸方向に移動可能に係合していることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
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